JPH1033014A - 水田における病害虫の省力防除方法 - Google Patents

水田における病害虫の省力防除方法

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JPH1033014A
JPH1033014A JP21212296A JP21212296A JPH1033014A JP H1033014 A JPH1033014 A JP H1033014A JP 21212296 A JP21212296 A JP 21212296A JP 21212296 A JP21212296 A JP 21212296A JP H1033014 A JPH1033014 A JP H1033014A
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JP
Japan
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rice
solid particles
paddy
parts
insect pest
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JP21212296A
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English (en)
Inventor
Norihide Yagyu
憲秀 柳生
Shinji Yonemura
伸二 米村
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Hokko Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Hokko Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水稲の直播栽培において、播種してからその
後に発生する病害虫を省力的に防除する方法を提供する
こと。 【解決手段】 浸透移行性の稲病害虫防除活性成分、結
合剤および固体担体からなる固形粒子をそのままか、も
しくは該固形粒子にさらに固体担体を加えて混合し、こ
れを稲の種籾に付着させて、水田に直播することを特徴
とする、水田における稲病害虫の省力防除方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】本発明は、水稲籾を水田に直
播し、その後に発生する稲病害虫を省力的に防除する方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、育苗から田植えの一連に係る
作業を省略した方法として、水稲籾の水田への直播方法
が行われている。
【0003】この直播方法は、稲の種籾をあらかじめ種
子消毒して、湛水田に直接播く方法である。この方法は
発芽や発根不良をおこしやすいので、これらを防ぐため
に過酸化カルシウムを粉衣した後に播種されることが多
い。
【0004】また、この方法によれば、発芽してからし
ばらくの間は種子消毒効果により、稲いもち病、稲ばか
苗病、稲ごま葉枯病などの発生を防除できるが、生育す
るにしたがって、稲いもち病、稲ごま葉枯病などが再発
生すると、その都度殺虫、殺菌剤の粒剤を水面施用した
り、粉剤、ゾル剤などを稲の茎葉に散布するなどの防除
が必要となる。
【0005】したがって、直播方法は、幼苗を移植する
一般の稲栽培方法に比べると育苗から田植えまでの作業
が省略されている点で省力的ではあるが、病害防除方法
としては省力化されているとはいえない。
【0006】一方、直播栽培の方法を改良し、普及する
ため、種々の技術が提案されている。
【0007】その例としては、種子への活性成分の付着
力を増強させる方法として特開昭53−121934号
公報、特開昭62−249901号公報などが知られて
いる。
【0008】また、過酸化カルシウムと農薬活性成分を
混合粉衣処理して発芽をよくする方法として、特開昭6
1−15805号公報、特開昭60−214716号公
報、特開昭62−69907号公報などが知られてい
る。
【0009】これらの公知の技術のなかには、殺菌剤な
どの使用について記載されているものがある。しかしな
がら、これらの方法は、水稲籾の発根不良、発芽不良な
どを少なくして活着等を改良しようとするものであっ
て、病害虫の防除を意図しているものではない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、水稲の直播
栽培において、播種してからその後に発生する病害虫を
省力的に防除する方法を提供せんとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
課題を解決すべく鋭意研究した。その結果、水稲の直播
栽培をする場合に、殺虫・殺菌剤などの病害虫防除活性
成分であって、植物体内を浸透移行して効力を発揮する
ものであれば、当該活性成分、結合剤および固体担体を
混合して粒子とし、当該粒子をそのままか、もしくはさ
らに固体担体を加えて混合し、この粒子を播種籾の表面
に付着させ、これを水田に直播することにより、種籾の
発根、発芽率を低下させることなく、その後に稲苗に発
生する病害虫を有効に防除しうることが分かった。
【0012】このような本発明をさらに研究したとこ
ろ、稲病害虫防除活性成分、結合剤および固体担体を混
合して粒子とする場合においては、当該粒子径を0.1
〜2mmの範囲内とすると、籾の発根、発芽率を高くす
ることが分かった。また、稲病害虫防除活性成分の溶出
を制御して徐放化するように調製すると、籾の発根、発
芽率を高くし、かつ、種苗の生育期間中、長期間にわた
ってより高い稲病害虫防除効果が発揮され、本発明の方
法により直播すると、省力防除が可能であることが分か
った。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の省力的防除方法は、次の
ように実施される。
【0014】(A)固体粒子の調製方法 稲病害虫防除活性成分を含む固形粒子を調製するには、
稲病害虫防除活性成分、結合剤、および固体担体を撹拌
混合して粒子とする。これらの混合割合は特定の範囲に
限定されず、使用する稲病害虫防除活性成分の種類など
によって所望の範囲のものとすればよい。
【0015】本発明でいう固形粒子は、一般的に粒剤と
いわれるもののほか、微粒剤、丸薬など、粒径、形状は
特に限定されるものではない。ただし、粒径が0.1m
m以下の場合は種籾の1粒当たりに付着する固形粒子が
多くなりすぎて、発芽、発根時に新芽もしくは根が本発
明の固形粒子に直接接触する機会が増加して、発芽、発
根不良を招くおそれがあるため好ましくない。また、粒
径が2mmより大きくなるにつれて種籾への均一な付着
が難しくなり、その後の病害虫の発生を十分に防除する
ことができなくなるおそれがある。したがって、病害虫
の発生を省力的かつ効率的に防ぐには、粒径を0.1〜
2mmに調整しておくことが好ましい。
【0016】また、直播後の病害虫防除効果を長期間に
わたって持続させることが省力的防除にとって重要であ
る。そのためには、稲病害虫防除活性成分の徐放化を行
うと、発根、発芽率を低下させることなく、稲病害虫防
除活性成分が徐々に植物体内に吸収されて、長期間にわ
たって植物体内で効果発現濃度以上になり、その結果、
病害虫の発生期間中、高い病害虫防除効果が発揮される
ようになる。
【0017】また、上記の固形粒子を徐放化する際に、
稲病害虫防除活性成分の効果発現の速度の違う成分を組
み合わせて徐放化しておくと病害虫の発生時期に合わせ
て効率的に病害虫を防除することができる。したがっ
て、より省力的な防除を行うことができるようになる。
【0018】本発明において、徐放化の程度(稲病害虫
防除活性成分の溶出速度)は特に限定されるものではな
いが、籾が発芽するまでに溶出する活性成分量が少なけ
れば少ないほどよく、その後は活性成分の植物内での代
謝速度および植物体内への吸収速度、活性成分の植物体
内での防除効果発現濃度及び濃度維持必要期間など考慮
して、活性成分の溶出速度を制御するのがよい。
【0019】次に、本発明に係るこの稲病害虫防除活性
成分を含む固形粒子の調製方法を詳しく説明するが、本
発明の調製方法は特定の方法に限定されず、農薬粒剤を
調製する従来より知られた、転動造粒方法、押し出し造
粒方法などで調製できる。
【0020】(1)転動造粒方法:例えば次の工程〜
から成る方法によって調製できる。
【0021】工程:病害虫防除活性成分および固体担
体ならびに必要ならば界面活性剤、病害虫防除活性成分
の安定化剤、物理性改良剤、その他の補助剤を一緒に転
動造粒機に入れ、転動混合して粉末状原料を得る。
【0022】工程:この粉末状原料に適当量の水に溶
解した結合剤を加えて行き、転動造粒機にて目標の粒度
分布をもつ粒子を得るように転動造粒を行い、粒状物を
得る。
【0023】工程:この粒状物を乾燥させ、必要なら
ばさらに本発明で徐放化剤としてフィルム形成物質をス
プレーして、乾燥させ、本発明の稲病害虫活性成分を含
有する粒子とする。
【0024】(2)押し出し造粒方法:例えば次の工程
〜から成る方法によって調製できる。
【0025】工程:稲病害虫防除活性成分、結合剤お
よび固体担体ならびに必要ならば界面活性剤、稲病害虫
防除活性成分の安定化剤、物理性改良剤、その他の補助
剤を一緒にハンマーミルで混合し、粉末状原料を得る。
【0026】工程:双腕ニーダー内にて、この粉末状
原料に適当量の水を加えて行き、必要ならば本発明で徐
放化剤として吸着性物質、フィルム形成物質、疎水性物
質を添加して、よく混練後、バスケット型押し出し造粒
機にて造粒する。
【0027】工程:造粒後、整粒、乾燥を行い、篩別
し、本発明の稲病害虫防除活性成分を含有する粒子とす
る。
【0028】(B)種籾へ固体粒子を付着させる方法 上記した(1)、(2)の方法にて得られた稲病害虫防
除活性成分を含む固形粒子を、直播用水稲籾へ付着させ
る方法としては、一般の直播用水稲籾の種子処理の通常
方法に準じて行う。この際、当該固形粒子をそのまま種
籾に付着させてもよいが、さらに固体担体を加えて混合
して、この粒子を種籾に付着させてもよく、これらの場
合、必要により過酸化カルシウムなどの発芽促進剤など
を併用できる。
【0029】この場合、稲種籾は、種子消毒剤の希釈液
に浸漬するなどの広く行われている種子消毒方法により
消毒し、催芽処理(ハト胸状態)したものに、過酸化カ
ルシウムなどの発芽促進剤を粉衣し、その後直播するの
がよい。
【0030】次に、本発明で用いることができる稲病害
虫防除活性成分を例示するが、これらは、植物体内浸透
移行性のものであれば特に限定されず、また1種または
それ以上併用することもできる。この場合、2種以上の
併用は殺菌剤同士であっても殺虫剤同士であっても、ま
た殺菌剤と殺虫剤の組み合わせでもよい。
【0031】殺菌剤の例 IBP、フルトラニル、プロベナゾール、イソプロチオ
ラン、トリシクラゾール、ピロキロン、フラメトピル、
など。
【0032】殺虫剤の例 MPP、ダイアジノン、イソキサチオン、ピリダフェン
チオン、クロルピリホスメチル、モノクロトホス、ジメ
チルビンホス、プロパホス、アセフェート、DEP、N
AC、MIPC、BPMC、PHC、XMC、エチオフ
ェンカルブ、ベンダイオカルブ、カルボスルファン、ベ
ンフラカルブ、メソミル、オキサミル、チオジカルブ、
カルタップ、ベンスルタップ、ブプロフェジン、イミダ
クロプリド、など。
【0033】これらの病害虫防除活性成分の製剤(固形
粒子)中への添加量は、特に限定されるものではなく、
該活性成分の種類により、10アール当たりの必要処理
量となるように添加すればよい。
【0034】なお、これらの活性成分名は、「農薬ハン
ドブック 1994年版(社団法人日本植物防疫協会発
行)」に記載の一般名である。
【0035】本発明で使用される徐放化剤としてのフィ
ルム形成物質、疎水性物質、吸着性物質としては、次の
ものが挙げられる。そして、これらは1種または2種以
上併用することができる。
【0036】フィルム形成物質の例 ポリビニルアルコール、澱粉、酸化澱粉、エーテル化澱
粉、デキストリン、カルボキシメチルセルロース、ヒド
ロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸
ナトリウム、など、アクリル酸エステル(自己架橋型)
などのアクリル系、酢酸ビニルなどの酢酸ビニル系、塩
化ビニル系、エポキシ系などの樹脂類として、酢酸ビニ
ルエマルジョン、酢酸ビニルエチレン共重合体エマルジ
ョン、酢酸ビニルエチレンアクリル共重合体エマルジョ
ン、酢酸ビニルエチレン塩化ビニル共重合体エマルジョ
ン、エチレン塩化ビニル共重合体エマルジョン、など。
【0037】疎水性物質の例 ワックス、シリコン、疎水性シリカなど、高級脂肪酸と
して、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、ラウ
リン酸、ミリスチン酸など、金属石鹸としては、ステア
リン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステア
リン酸亜鉛など、高沸点溶剤としては、エステル類で、
オレイン酸イソブチル、オレイン酸ラウリル、オレイン
酸オレイル、アジピン酸ジメチル、アジピン酸ジオレイ
ル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジイソデシ
ル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジ
−2−エチルヘキシル、フタル酸ジデシル、フタル酸ジ
トリデシル、トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシ
ル、トリメリット酸トリイソデシル、3−メトキシブチ
ルアセタート、2−エチルブチルアセタート、2−エチ
ルヘキシルアセタート、シクロヘキシルアセタート、パ
ラフィン類など、ノルマルパラフィン、イソパラフィ
ン、メチルナフタレン、キシリルジフェニルブタン、フ
ェニルキシリルエタン、など。
【0038】吸着性物質の例 活性炭、ゼオライト、ラジオライト、パーライト、バー
ミキュライト、シリカゲル、コロイダル・シリカ、非晶
質含水珪酸、酸性白土、活性白土、など。
【0039】本発明に配合される界面活性剤としては、
農薬製剤に通常使用される非イオン性界面活性剤、陰イ
オン性界面活性剤、陽イオン界面活性剤および両性界面
活性剤などが使用でき、その例としては次のものが挙げ
られる。
【0040】非イオン界面活性剤の例 アルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリー
ルエーテル、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエー
テル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキ
シエチレンソルビタンアルキレート、ポリオキシエチレ
ンフェニルエーテルポリマー、ポリオキシエチレンアリ
ールフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキレン
グリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン
ブロックポリマー、など。
【0041】陰イオン界面活性剤の例 リグニンスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸
塩、ジアルキルスルホサクシネート、ポリオキシエチレ
ンアルキルアリールエーテルサルフェート、アルキルナ
フタレンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンスチリルフ
ェニルエーテルサルフェート、など。
【0042】陽イオン界面活性剤および両性界面活性剤
の例 アルキルアミン塩、第四級アンモニウム塩アルキルベタ
イン、アミンオキサイド、など。
【0043】本発明では、これらの界面活性剤の1種ま
たは2種以上を併用することができる。
【0044】本発明に配合される結合剤は特に限定され
ず、例えば、ポリビニルアルコール、澱粉、デキストリ
ン、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリド
ン、アルギン酸ナトリウム、リグニンスルホン酸ナトリ
ウム、リグニンスルホン酸カルシウムなどが挙げられ
る。そしてこれらは1種または2種以上を併用すること
ができる。
【0045】また、固体坦体としては、例えば、クレ
ー、珪石、タルク、ベントナイト、炭酸カルシウム、軽
石、ケイソウ土、バーミキュライト、パーライト、アタ
パルジャイト、非晶質含水珪酸など、通常農薬粉剤や粒
剤に利用される担体が使用でき、これらの1種または2
種以上を併用できる。
【0046】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに具体的に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0047】なお、以下に「部」とあるのはすべて重量
部を意味する。
【0048】実施例1 プロベナゾール原末 24部、ラウリル硫酸ナトリウム
0.2部およびクレー 73.8部を一緒に転動造
粒機[奈良式LMA−10型、(株)奈良機械製作所
製]に入れ、転動混合して粉末状原料を得る。この粉末
状原料に、9部の水に溶解したポリビニルアルコール
2部を加えて行き、転動造粒機にて粒径0.5〜1mm
の粒度分布をもつ粒子を得るように転動造粒を行い、粒
状物を得、乾燥させて、固形粒子100部を得た。
【0049】水稲の籾 180gをいれた回転型ドラム
内に、上記の固形粒子 50g、過酸化カルシウム 5
0g、クレー 194gおよびポリビニルアルコール
6gを投入し、回転撹拌しながら水を少量スプレーし
て、水稲種籾の表面に当該固形粒子を付着させて、乾燥
して、直播用水稲籾を得た。
【0050】実施例2 実施例1の粒径0.5〜1mmを粒径0.1〜0.4m
mとした以外は実施例1と同様に行い、直播用水稲籾を
得た。
【0051】実施例3 実施例1の粒径0.5〜1mmを粒径1〜2mmとした
以外は実施例1と同様に行い、直播用水稲籾を得た。
【0052】実施例4 プロベナゾール原末 24部、ラウリル硫酸ナトリウム
0.2部およびクレー 71.8部を一緒に転動造粒
機[奈良式LMA−10型、(株)奈良機械製作所製]
に入れ、転動混合して粉末状原料を得る。この粉末状原
料に、9部の水に溶解したポリビニルアルコール 2部
を加えて行き、転動造粒機にて粒径0.5〜1mmの粒
度分布をもつ粒子を得るように転動造粒を行い、粒状物
を得、乾燥させた後、酢酸ビニル−エチレン−アクリル
共重合体エマルジョンを有効成分量で 2部スプレーし
て乾燥後、活性成分を含む固形粒子100部を得た。
【0053】水稲籾 180gをいれた回転型ドラム内
に、上記の固形粒子 50g、過酸化カルシウム 50
g、クレー 194gおよびポリビニルアルコール 6
gを投入し、回転撹拌しながら水を少量スプレーし、水
稲籾の表面に当該固形粒子を付着させ、乾燥して、直播
用水稲籾を得た。
【0054】実施例5 実施例4の粒径0.5〜1mmを粒径0.1〜0.4m
mとした以外は実施例4と同様に行い、直播用水稲籾を
得た。
【0055】実施例6 実施例4の粒径0.5〜1mmを粒径1〜2mmとした
以外は実施例4と同様に行い、直播用水稲籾を得た。
【0056】実施例7 実施例4の酢酸ビニルエチレンアクリル共重合体 2部
をアクリル酸エステル(自己架橋型) 3部に、クレー
の71.8部を70.8部にそれぞれ代えた以外は実施
例4と同様に行い直播用水稲籾を得た。
【0057】実施例8 実施例4の酢酸ビニルエチレンアクリル共重合体 2部
を酢酸ビニル 3部に、クレーの71.8部を70.8
部にそれぞれ代えた以外は実施例4と同様に行い直播用
水稲籾を得た。
【0058】実施例9 プロベナゾール原末 24部、非晶質含水珪酸 15
部、ラウリル硫酸ナトリウム 0.2部およびクレー
58.8部を一緒に転動造粒機[奈良式LMA−10
型、(株)奈良機械製作所製]に入れ、転動混合して粉
末状原料を得る。この粉末状原料に、24部の水に溶解
したポリビニルアルコール 2部を加えて行き、転動造
粒機にて粒径0.5〜1mmの粒度分布をもつ粒子を得
るように転動造粒を行い粒状物を得、乾燥させて活性成
分を含む固形粒子100部を得た。
【0059】水稲籾 180gをいれた回転型ドラム内
に、上記の固形粒子 50g、過酸化カルシウム 50
g、クレー 194g、カルボキシメチルセルロース
6gを入れ、回転撹拌しながら水を少量スプレーし水稲
籾の表面に上記の固形粒子を付着させ、乾燥して、直播
用水稲籾とする。
【0060】実施例10 実施例9の非晶質含水珪酸 15部を酸性白土 20部
に、クレーの58.8部を53.8部にそれぞれ代えた
以外は実施例9と同様に行い、直播用水稲籾を得た。
【0061】実施例11 実施例9の非晶質含水珪酸 15部を活性炭 10部
に、クレーの58.8部を63.8部にそれぞれ代えた
以外は実施例9と同様に行い、直播用水稲籾を得た。
【0062】実施例12 アセフェート原末 15部、ラウリル硫酸ナトリウム
0.2部、非晶質含水珪酸としてホワイトカーボン 1
5部およびクレー 66.8部を一緒にハンマーミルで
粉砕混合し、粉末状原料を得る。この粉末状原料を双腕
ニーダーに入れ、27部の水に溶解したポリビニルアル
コール 3部を加えて、よく混練後、卓上型押し出し造
粒機ドームグラン[不二パウダル(株)製 DG−L1
型]にて粒径0.7mmで造粒する。整粒後乾燥させ
て、活性成分を含む粒子100部を得る。
【0063】水稲籾 180gをいれた回転型ドラム内
に、上記の固形粒子 50g、過酸化カルシウム 50
g、クレー 194gおよびカルボキシメチルセルロー
ス6gを投入し、回転撹拌しながら水を少量スプレー
し、水稲籾の表面に上記の固形粒子を付着させて乾燥し
て、直播用水稲籾を得た。
【0064】実施例13 アセフェート原末 15部、ラウリル硫酸ナトリウム
0.2部およびクレー74.8部を一緒に転動造粒機に
入れ、転動混合して粉末状原料を得る。この粉末状原料
に、10部の水に溶解したポリビニルアルコール 2部
を加えて行き、転動造粒機にて粒径0.5〜1mmの粒
度分布をもつ粒子を得るように転動造粒を行い、乾燥前
に疎水性シリカ 5部と、12部の水に溶解したポリビ
ニルアルコール 3部を数回に分けて交互に添加、乾燥
を繰り返し、粒子表面に疎水性シリカをコーティングし
た固形粒子100部を得た。
【0065】水稲籾 180gをいれた回転型ドラム内
に、上記の固形粒子 50g、過酸化カルシウム 50
g、クレー 194gおよびカルボキシメチルセルロー
ス6gを入れ、回転撹拌しながら水を少量スプレーし、
水稲籾の表面に上記の固形粒子を付着させ、乾燥して、
直播用水稲籾を得た。
【0066】比較例1 プロベナゾール原末 24部およびクレー 76部を一
緒に粉砕混合機(サンプルミル、不二パウダル株式会社
製)で粉砕混合し、粉末状原料100部を得る。
【0067】水稲籾 180gをいれた回転型ドラム内
に、上記粉末状原料 50g、過酸化カルシウム 50
g、クレー 194gおよびポリビニルアルコール 6
gを入れ、回転撹拌しながら水を少量スプレーし、水稲
籾の表面に上記粉末状原料を付着させた後乾燥して、直
播用水稲籾を得た。
【0068】比較例2 水稲籾 180gをいれた回転型ドラム内に、過酸化カ
ルシウム 50g、クレー 244g、ポリビニルアル
コール 6gを入れ、回転撹拌しながら水を少量スプレ
ーし、水稲籾の表面に付着させた後乾燥して、直播用水
稲籾を得た。
【0069】次に試験例により、本発明の有用性を例証
する。
【0070】試験例1 稲の薬害試験 面積が5,000分の1アールのワグネルポットに水田
土壌3Kgを入れて湛水し、代かきを行った。そして、
代かき3日後(湛水深 0cm)に通常の種子消毒と予
備措置をした水稲籾(品種:コシヒカリ)を実施例1〜
11に準じて得た水稲籾を各ポット3粒ずつ土中に直播
(深さ1cm)し、湛水(湛水深3cm)した。
【0071】そして、、薬害調査は播種14日後に行
い、出芽率、草丈て表示した。
【0072】また、比較のため従来よりの処理法として
比較例1で処理した水稲籾を直播した。
【0073】なお、プロベナゾールを処理しない比較例
2の水稲籾を、対照例(無処理区)とした。
【0074】試験は、1区1ポット、5連制で行った。
【0075】得られた試験結果を表1に示す。
【0076】
【表1】
【0077】試験例2 いもち病防除効果試験 湛水した水田の代かきを行い、その3日後に、通常の種
子消毒と予備措置をした水稲籾(品種:コシヒカリ)を
用い、実施例1、4、9で得た種籾を処理して直播し
た。
【0078】そして、稲いもち病の発病調査は、播種9
0日後に葉いもち病を対象に、また播種130日後に穂
いもち病を対象に行った。
【0079】発病調査は、各試験区とも3箇所から任意
に50株(1区あたり合計 150株)を選び、下記の
基準で発病程度を調査し発病度を求めた。そして下記の
計算式によりプロベナゾールで処理された試験区と、無
処理区との対比から防除価(%)を求めた。
【0080】なお、比較として比較例1処理した水稲籾
を直播した。プロベナゾールを処理しない比較例2の水
稲籾を対照例1(無処理区)とした。また、対照例2と
して、市販のプロベナゾール含有量8%の粒剤を10ア
ールあたり3kg、従来の水面施用方法に従い、播種5
0日後(初発生の約10日前)と90日後の2回、散布
機を用い均一に散布して慣行処理区とした。
【0081】得られた試験結果を表2に示す。
【0082】 葉いもち病調査基準 指数 病斑が認められない(健全) 0 株当たりの病斑数が1〜3 1 株当たりの病斑数が4〜10 2 下位葉に病斑が多数認められるが、上位葉には極めて少ない 3 最上葉にわずかに病斑が認められる 4 最上葉に多数病斑が認められ、ズリコミ症状を伴う 5 ズリコミとともに枯死葉が目立つ 6
【0083】
【数1】
【0084】 穂いもち病調査基準 指数 発病が認められない 0 枝梗の1/3以下が発病 1 枝梗の1/3〜2/3が発病 2 枝梗の2/3が発病 3 首および節いもち 4
【0085】
【数2】
【0086】
【数3】
【0087】
【表2】
【0088】試験例3 殺虫効果試験 面積が5,000分の1アールのワグネルポットに水田
土壌を3Kg入れて湛水し、代かきを行った。そして、
代かき3日後に、通常の種子消毒と予備措置をした水稲
籾(品種:コシヒカリ)を用い、実施例12〜13で得
た種籾を各ポット3粒ずつ直播した。
【0089】播種21日後、28日後、35日後、42
日後、49日後及び56日後に各ポットにヒメトビウン
カ雌成虫を10頭ずつ放飼し、放飼2日後に生死虫数を
調査して死虫率(%)を算出した。
【0090】なお、アセフェートを含む粒子を処理しな
い比較例2の水稲籾を対照例1(無処理区)とした。ま
た、対照例2として、従来のアセフェート 5%粒剤を
直播14日後に水面施用処理し、慣行処理区とした。
【0091】本試験は、1区1ポット、3連制で行っ
た。
【0092】得られた試験結果を、次の表3に示す。
【0093】
【表3】
【0094】
【発明の効果】本発明の防除方法は、次のような効果を
有する。 水稲病害虫の防除を水稲直播籾処理時に1回行うだけ
で、田植え後に新たに防除作業をする必要がなく、籾の
直播による田植え作業の省力化、その後の病害虫防除作
業が不要になるといった省力化が同時に可能となり、大
幅な労務の軽減となる。 本発明の農薬粒剤の製造方法、薬剤処理方法は従来技
術をそのまま利用できる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 浸透移行性の稲病害虫防除活性成分、結
    合剤および固体担体からなる固形粒子をそのままか、も
    しくは該固形粒子にさらに固体担体を加えて混合し、こ
    れを稲の種籾に付着させて、水田に直播することを特徴
    とする、水田における稲病害虫の省力防除方法。
  2. 【請求項2】 固形粒子が粒径範囲0.1〜2mmに調
    整されたものを用いることを特徴とする、請求項1記載
    の水田における稲病害虫の省力防除方法。
  3. 【請求項3】 稲病害虫防除活性成分の溶出が制御され
    て徐放化された固形粒子を用いることを特徴とする、請
    求項1または請求項2記載の水田における稲病害虫の省
    力防除方法。
  4. 【請求項4】 固形粒子に、徐放化剤を添加して稲病害
    虫防除活性成分が徐放化された固形粒子を用いることを
    特徴とする、請求項3記載の水田における稲病害虫の省
    力防除方法。 【0001】
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