JPH09118601A - 溶出制御された除草粒剤およびその製法 - Google Patents

溶出制御された除草粒剤およびその製法

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JPH09118601A
JPH09118601A JP29929095A JP29929095A JPH09118601A JP H09118601 A JPH09118601 A JP H09118601A JP 29929095 A JP29929095 A JP 29929095A JP 29929095 A JP29929095 A JP 29929095A JP H09118601 A JPH09118601 A JP H09118601A
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granules
herbicidal
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inner core
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JP29929095A
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Norihide Yagyu
憲秀 柳生
Shinji Yonemura
伸二 米村
Yoshiyuki Takahata
好之 高畑
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Original Assignee
Hokko Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 除草剤を散布すると、まもなく除草効果を発
揮しはじめ、その後も引き続いて残効性を有する除草粒
剤とその製法を提供する。 【解決手段】 除草活性成分、固体状担体および徐放化
剤からなる粒子を内核粒とし、この表面に内核粒と同一
の除草活性成分をそのままか、あるいは固体性担体とと
もにコーティングもしくは付着させてなることを特徴と
する、溶出制御された除草粒剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、除草剤を散布する
とまもなく除草効果を発揮しはじめ、その後も引き続い
て残効性を示す除草粒剤とその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、除草成分だけではなく、農薬
活性成分の薬効を持続させるために種々の溶出制御の製
剤研究が行われてきた。その例を挙げると、次のような
ものがある。 (1)スルホニルウレア系除草活性化合物等によりなる
造粒物と水田雑草のヒエに効力を示す除草活性化合物を
一粒剤に含有してなり、放出抑制と促進を兼ね備えた、
水田用除草粒剤(特開平2−288803号公報)、
(2)熱可塑性樹脂で被覆してなるもの(特公平1−5
002号公報)、(3)被覆層を設けて活性成分を徐放
化する際、被覆むらを防いだもの(特公平1−4483
号公報)、(4)水不溶性オリゴマーまたはポリマーで
被覆したもの(特公平02−57047号公報)、
(5)スルホニルウレア系除草活性成分、活性炭とパラ
フィンワックスおよび鉱物質担体よりなるもの(特開昭
63−35504号公報)、(6)粒状泡ガラスから可
溶性アルカリ分を溶出させてピンホールを生じさせた
後、有効液体を含浸させた、液体含浸粒状泡ガラスのも
の(特開昭63−176337号公報)、(7)農薬有
効成分の粒子表面に疎水性物質の微粉体を付着または固
定化したもの(特開平1−316302号公報)、
(8)水中非崩壊性農薬粒剤に、疎水性油状液体を含浸
させ、疎水性微粉で被覆したもの(特開平2−2866
02号公報)、(9)CaCl2でベントナイトを凝集
させて、水中で好ましい状態で崩壊させるもの(特開平
3−106802号公報)、(10)殺虫活性成分を含
む吸収性微粉体等を非吸油性粒状担体に被覆したもの
(特開平3−7202号公報)、(11)ポリグリセリ
ン脂肪酸エステルと薬効活性成分を含む粉体より得られ
た粒状物で、ポリグリセリン脂肪酸エステルのHLBを
変化させ制御するもの(特開平5−237号公報)、
(12)農薬活性成分を含む吸収性微粉体または農薬活
性成分で非吸油性粒状担体を被覆する際、接着剤として
水溶性接着剤と水不溶性接着剤との混合物を用いるもの
(特開平4−352701号公報)、(13)セルロー
ス粉体を10%以上含有する不活性粒状担体に活性成分
を被覆するもの(特開平5−17302号公報)、(1
4)農薬有効成分とベントナイトからなる必須成分を、
ポバール、酢酸ビニル樹脂エマルション等と水とを組み
合わせたものをバインダーとして、非崩壊性粒に被覆し
てなるもの(特開平5−906号公報) (15)農薬成分を含む粒状担体の表面に二重の被覆層
を形成した重層被覆粒状農薬(特開平6−9303号公
報、特開平6−72805号公報、特開平6−8051
4号公報、特開平6−9304号公報)、(16)水不
溶性アルギン酸塩で被覆されてなる農薬粒状組成物(特
開平7−101804号公報、特開平7−112903
号公報)、などが挙げられる。
【0003】しかしながら、前記した従来技術は、残効
を持たせようとして活性成分の溶出速度を抑えた場合
は、散布直後の農薬活性成分の初期濃度が低く、散布直
後では効果が不十分である。また、初期濃度を高くする
ために溶出速度を速くした場合は、散布直後の効果は確
保できるが残効性が不足するなどの問題がある。したが
って、これまでの方法は必ずしも満足すべき技術とはい
いがたい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、除草剤を散
布すると、徐放化処理していない通常の除草剤と同様な
速さでまもなく除草効果を発揮しはじめ、長期間にわた
って残効性を示す除草粒剤の開発を目的とするものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
課題を解決すべく研究した。そして特に除草活性成分
が、田面水および土壌中の除草活性成分量を少ない量で
最大の効果を示すに十分な最適効果発現濃度に長期間維
持すれば、高い除草効果が発揮されることに注目し、鋭
意研究した。その結果、まず初めに、除草活性成分、固
体状担体および徐放化剤から除草活性成分が徐放化する
ように調製された粒状の内核(以下「内核粒」という)
を製造する。続いて、その内核粒の表面に、内核粒で用
いたと同一の除草活性成分をそのままか、あるいは固体
状担体その他必要により補助剤を含み、これを徐放化す
ることなく、通常の除草粒剤と同様な速さで溶出するよ
うにした粒子(以下「外郭」という。)をコーティング
もしくは付着させて除草粒剤とすることにより、従来の
溶出制御粒剤とは異なった溶出パターンを示し、目的と
する徐放性除草粒剤を製造できることを見いだし、本発
明を完成した。
【0006】本発明でいう除草粒剤は、水田等に散布し
た後に、通常に除草活性成分の溶出を行う通常の処方の
外郭と、長期間にわたり除草活性成分の溶出を継続する
徐放化処方の内核粒の2層で構成されるものである。
【0007】したがって、本発明で溶出制御とは、外郭
中の除草活性成分の通常の速度の溶出、その後の内核粒
の除草活性成分が徐々に溶出する両方の意味を有するも
のである。
【0008】このような溶出制御により、除草活性成分
の水中濃度がある濃度でほぼ一定となって持続し、高い
除草活性を維持することができる。
【0009】このような特徴を有する本発明の除草粒剤
は、その外郭と内核粒の組成比は特に限定されるもので
はない。
【0010】一般的には、外郭および内核粒の除草活性
成分の溶出速度、除草対象雑草の体内への吸収速度、除
草活性成分の散布初期の田面水や土壌中での活性成分の
効果発現濃度および濃度維持すべき期間等を考慮して決
めればよい。この場合、一般的には、活性成分の重量比
で内核粒:外郭=1:9〜9:1の範囲、好ましくは
1:3〜3:1である。また、本発明でいう除草粒剤
は、固形であれば剤型を特に限定されず、通常の粒剤タ
イプ、丸薬タイプ、錠剤タイプなど、いかなる形状でも
よく、その大きさも限定されない。
【0011】この除草粒剤を製造する方法としては、ま
ず初めに除草活性成分の溶出速度が徐放化されるよう
に、内核粒を調製する。このときの粒子の組成は特定の
ものに限定されない。そして、その内核粒の表面に、除
草活性成分を通常の速さで溶出し、速やかに効果発現濃
度以上とすることのできる粒子をコーティング、もしく
は付着させて本発明の除草粒剤とすればよい。例えば、
押し出し型造粒機で、一度内核粒を造粒し、その内核粒
と外郭の原料と再混合後造粒して、目的とする固形物と
する。また、一般に転動造粒機を用い、まず内核粒を調
製し、その表面に外郭を付着させ2層粒としても製造さ
れる。
【0012】
【発明の実施の形態】さらに、本発明の農薬粒剤の調製
方法を詳しく説明するが、本発明の調製方法は特に限定
されず、農薬粒剤を調製する従来より知られた、転動造
粒方法、混練押し出し造粒方法などで調製できる。例え
ば、次の製造方法1〜6の方法などによって調製でき
る。
【0013】製造方法1(転動造粒:内核の表面にフィ
ルム形成物質をスプレーしてコーティング) 工程:溶出制御された内核粒を調製するには、除草活
性成分、界面活性剤および固体状担体、ならびに必要な
らばその他の補助剤を一緒に転動造粒機に入れ、転動混
合して粉末状原料を得る。
【0014】工程:この粉末状原料に適当量の水に溶
解した結合剤を加えて行き、転動造粒機にて目標の粒度
分布をもつ粒子となるように転動造粒を行い、粒状物を
得る。
【0015】工程:この粒状物を乾燥させ、表面にフ
ィルム形成物質をスプレーして、乾燥させ溶出制御され
た内核粒とする。
【0016】工程:外郭の原料は、除草活性成分をそ
のままか、あるいは界面活性剤および固体状担体、なら
びに必要ならばその他の補助剤とともにハンマーミルで
混合し、粉末状原料を得る。
【0017】工程:工程で準備した外郭の粉末状原
料を、内核粒の入っている転動造粒機の中に入れ、適当
量の水に溶解した結合剤を加えて行き、転動造粒機にて
目標の粒度分布をもつ粒子となるようにさらに転動造粒
を行い、粒剤を得る。
【0018】工程:この粒剤を乾燥させ、本発明の溶
出制御された除草粒剤とする。
【0019】製造方法2(転動造粒:内核の表面に疎水
性物質をコーティング) 工程:溶出制御された内核粒を調製するには、除草活
性成分、界面活性剤および固体状担体、ならびに必要な
らばその他の補助剤を一緒に転動造粒機に入れ、転動混
合して粉末状原料を得る。
【0020】工程:この粉末状原料に適当量の水に溶
解した結合剤を加えて行き、転動造粒機にて目標の粒度
分布をもつ粒子となるように転動造粒を行い、粒状物を
得る。
【0021】工程:この粒状組成物に、疎水性物質
と、適当量の水に溶解した結合剤を交互に加えて行き、
この粒状組成物の表面に疎水性物質を付着、乾燥させ、
溶出制御された内核粒とする。
【0022】工程:外郭の原料は、除草活性成分をそ
のままか、あるいは界面活性剤および固体状担体、なら
びに必要ならばその他の補助剤とともにハンマーミルで
混合し、粉末状原料を得る。
【0023】工程:工程で準備した外郭の粉末状原
料を、内核粒の入っている転動造粒機の中に入れ、適当
量の水に溶解した結合剤を加えて行き、転動造粒機にて
目標の粒度分布をもつ粒子となるようにさらに転動造粒
を行い、粒剤を得る。
【0024】工程:この粒剤を乾燥させ、本発明の溶
出制御された除草粒剤とする。
【0025】製造方法3(転動造粒:内核にフィルム形
成物質、疎水性物質、吸着性物質を混合) 工程:溶出制御された内核粒を調製するには、除草活
性成分、フィルム形成物質(あるいは疎水性物質または
吸着性物質の単一もしくはこれらを組み合わせて使
用)、界面活性剤および固体状担体、ならびに必要なら
ばその他の補助剤を一緒に転動造粒機に入れ、転動混合
して粉末状原料を得る。
【0026】工程:この粉末状原料に適当量の水に溶
解した結合剤を加えて行き、転動造粒機にて目標の粒度
分布をもつ粒子となるように転動造粒を行い、粒状物を
得る。
【0027】工程:外郭の原料は、除草活性成分をそ
のままか、あるいは界面活性剤および固体状担体、なら
びに必要ならばその他の補助剤とともにハンマーミルで
混合し、粉末状原料を得る。
【0028】工程:工程で準備した外郭の粉末状原
料を、内核粒の入っている転動造粒機の中に入れ、適当
量の水に溶解した結合剤を加えて行き、転動造粒機にて
目標の粒度分布をもつ粒子となるようにさらに転動造粒
を行い、粒剤を得る。
【0029】工程:この粒剤を乾燥させ、本発明の溶
出制御された除草粒剤とする。
【0030】なお、この方法は押し出し造粒方法によっ
ても実施することができる。
【0031】製造方法4(転動造粒:製造方法3にて調
製された内核表面にフィルム形成物質をスプレーしてコ
ーティング) 工程:溶出制御された内核粒を調製するには、除草活
性成分、フィルム形成物質(あるいは疎水性物質または
吸着性物質)、界面活性剤および固体状担体、ならびに
必要ならばその他の補助剤を一緒に転動造粒機に入れ、
転動混合して粉末状原料を得る。
【0032】工程:この粉末状原料に適当量の水に溶
解した結合剤を加えて行き、転動造粒機にて目標の粒度
分布をもつ粒子となるように転動造粒を行い、粒状物を
得る。
【0033】工程:この粒状組成物を乾燥させ、さら
に、フィルム形成物質をスプレーして、乾燥させ溶出制
御された内核粒とする。
【0034】工程:外郭の原料は、除草活性成分をそ
のままか、あるいは界面活性剤および固体状担体、なら
びに必要ならばその他の補助剤とともにハンマーミルで
混合し、粉末状原料を得る。
【0035】工程:工程で準備した外郭の粉末状原
料を、内核粒の入っている転動造粒機の中に入れ、適当
量の水に溶解した結合剤を加えて行き、転動造粒機にて
目標の粒度分布をもつ粒子となるようにさらに転動造粒
を行い、粒状物を得る。
【0036】工程:この粒状物を乾燥させ、本発明の
溶出制御された除草粒剤とする。
【0037】製造方法5(押し出し造粒:内核に吸着性
物質を混合し、結合剤としてフィルム形成物質を用い
る。) 工程:溶出制御された内核粒を調製するには、除草活
性成分、吸着性物質、界面活性剤、結合剤および固体状
担体、ならびに必要ならばその他の補助剤を一緒にハン
マーミルで混合し、粉末状原料を得る。
【0038】工程:この粉末状原料にフィルム形成物
質と適当量の水を加えて行き、双腕ニーダーにてよく混
練後、φ0.3mmのドーム型押し出し造粒機にて造粒
後、整粒し、乾燥させ、溶出制御された粒状物を得る。
【0039】工程:外郭の原料は、除草活性成分をそ
のままか、あるいは界面活性剤、結合剤および固体状担
体、ならびに必要ならばその他の補助剤とともにハンマ
ーミルで混合し、粉末状原料を得る。
【0040】工程:工程で準備した粉末状原料を、
双腕ニーダーに入れ、適当量の水を加えて行き、双腕ニ
ーダーにてよく混練後、工程で準備した粒状物を加
え、さらによく混練後、φ1.0mmのバスケット型押
し出し造粒機にて造粒後、整粒し、粒剤を得る。
【0041】工程:この粒剤を乾燥させ、篩別後、本
発明の溶出制御された除草粒剤を得る。
【0042】製造方法6(転動造粒:内核に疎水性物質
とフィルム形成物質を混合) 工程:溶出制御された内核粒を調製するには、除草活
性成分、疎水性物質、結合剤および固体状担体、ならび
に必要ならばその他の補助剤を一緒にハンマーミルで混
合し、粉末状原料を得る。
【0043】工程:この粉末状原料に適当量の水に溶
解した結合剤とフィルム形成物質を加えて、双腕ニーダ
ーにてよく混練後、φ0.3mmのドーム型押し出し造
粒機にて造粒後、整粒し、乾燥させ、溶出制御された粒
状物を得る。
【0044】工程:外郭の原料は、除草活性成分をそ
のままか、あるいは界面活性剤および固体状担体、なら
びに必要ならばその他の補助剤とともにハンマーミルで
混合し、粉末状の原料を得る。
【0045】工程:工程で準備した粉末状原料を双
腕ニーダーに入れ、適当量の水を加えて行き、双腕ニー
ダーにてよく混練後、工程で準備した粒状物を加え、
さらによく混練後、φ1.0mmのバスケット型押し出
し造粒機にて造粒後、整粒し、粒剤を得る。
【0046】工程:この粒剤を乾燥させ、篩別後、本
発明の溶出制御された除草粒剤とする。
【0047】本発明の除草活性成分は、特定のものに使
用されるべきものではなく、また1種またはそれ以上併
用でもよい。その例としては、次のものが挙げられる。
【0048】2,4−D、MCP、MCPB、フェノチ
オール、クロメプロップ、ナプロアニリド、フェノキサ
プロップエチル、CNP、クロメトキシニル、ビフェノ
ツクス、ベンチオカーブ、オルソベンカーブ、エスプロ
カルブ、モリネート、ジメピペレート、ピリブチカル
ブ、ブタクロール、プレチラクロール、テニルクロー
ル、ブロモブチド、メフェナセット、ダイムロン、ベン
スルフロンメチル、ピラゾスルフロンエチル、イマゾス
ルフロン、CAT、シメトリン、ジメタメトリン、ベン
タゾン、オキサジアゾン、ピラゾレート、ピラゾキシフ
ェン、ベンゾフェナップ、ジチオピル、DCBN、AC
N、シンメチリン、ベンフレセート、など。
【0049】これらの除草活性成分の製剤中への添加量
は、特に限定されるものではないが、一般的には全量の
0.05〜50%(重量%)であり、除草活性成分の種
類により、10アール当たりの必要処理量となるように
添加すればよい。
【0050】なお、これらの農薬活性成分名は、「農薬
ハンドブック 1994年版(社団法人 日本植物防疫
協会発行)」に記載の一般名である。
【0051】本発明に使用されるフィルム形成物質とし
ては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロ
キシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセル
ロース、アルギン酸ナトリウム、およびアクリル系、酢
酸ビニル系、塩化ビニル系、エポキシ系などの樹脂類と
して、酢酸ビニルエマルジョン、酢酸ビニル−エチレン
−共重合体エマルジョン、酢酸ビニル−エチレン−アク
リル共重合体エマルジョン、酢酸ビニル−エチレン−塩
化ビニル共重合体エマルジョン、エチレン−塩化ビニル
共重合体エマルジョンなどが挙げられ、1種またはそれ
以上併用できる。そして添加量は、1種の場合は単独
で、併用した場合は合計で0.1〜10重量部、好まし
くは0.2〜5重量部である。
【0052】本発明に使用される疎水性物質としては、
シリコン、疎水性シリカ、および高級脂肪酸として、ス
テアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、
ミリスチン酸、金属石鹸として、ステアリン酸カルシウ
ム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛な
ど、高沸点溶剤として、エステル類で、オレイン酸イソ
ブチル、オレイン酸ラウリル、オレイン酸オレイル、ア
ジピン酸ジメチル、アジピン酸ジオレイル、アジピン酸
ジイソブチル、アジピン酸ジイソデシル、フタル酸ジエ
チル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキ
シル、フタル酸ジデシル、フタル酸ジトリデシル、トリ
メット酸トリ−2−エチルヘキシル、トリメット酸トリ
イソデシル、3−メトキシブチルアセタート、2−エチ
ルブチルアセタート、2−エチルヘキシルアセタート、
シクロヘキシルアセタート、パラフィン類などで、ノル
マルパラフィン、イソパラフィン、メチルナフタレン、
キシリルジフェニルブタン、フェニルキシリルエタンな
どが挙げられ、1種またはそれ以上併用できる。そして
添加量は、1種の場合は単独で、併用した場合は合計で
それぞれ0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜10
重量部である。
【0053】本発明に使用できる吸着性物質としては、
活性炭、ゼオライト、ラジオライト、パーライト、バー
ミキュライト、シリカゲル、コロイダル・シリカ、非晶
質含水珪酸、酸性白土、活性白土などが挙げられ、1種
またはそれ以上併用できる。そして添加量は、1種の場
合は単独で、併用した場合は合計でそれぞれ0.1〜5
0重量部、好ましくは2〜30重量部である。
【0054】本発明に配合される界面活性剤としては、
除草製剤に通常使用される非イオン性界面活性剤、陰イ
オン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤および両性界
面活性剤が挙げられる。
【0055】非イオン性界面活性剤 アルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリー
ルエーテル、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエー
テル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキ
シエチレンソルビタンアルキレート、ポリオキシエチレ
ンフェニルエーテルポリマー、ポリオキシエチレンアル
キレンアリールフェニルエーテル、ポリオキシエチレン
アルキレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシ
プロピレンブロックポリマーなど。
【0056】陰イオン界面活性剤 リグニンスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸
塩、ジアルキルスルサクシネート、ポリオキシエチレン
アルキルアリールエーテルサルフェート、アルキルナフ
タレンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンスチリルフェ
ニルエーテルサルフェートなど。
【0057】陽イオン界面活性剤および両性界面活性剤 アルキルアミン塩、第四級アンモニウム塩アルキルベタ
イン、アミンオキサイドなど。
【0058】これらの界面活性剤は、1種でもよいが、
同種のものあるいは異種のものを併用してもよい。
【0059】本発明に配合される結合剤、担体は特に限
定されず、次のものが挙げられる。
【0060】結合剤 ポリビニルアルコール、澱粉、酸化澱粉、エーテル化澱
粉、デキストリン、カルボキシメチルセルロース、ポリ
ビニルピロリドン、アルギン酸ナトリウム、リグニンス
ルホン酸ナトリウム、リグニンスルホン酸カルシウムな
どが挙げられる。そしてこれらは1種またはそれ以上併
用してもよい。
【0061】固体状担体 クレー、珪石、タルク、ベントナイトおよび炭酸カルシ
ウムなどが挙げられる。そして、これらは、通常農薬粉
粒剤に利用されるいわゆる増量剤、担体であり、1種ま
たはそれ以上併用してもよい。
【0062】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに具体的に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではなく、
例えば、除草活性成分として例示したビフェノックスを
前記した各種の除草活性成分に替えて、あるいは例示し
たフィルム形成物質、疎水性物質、吸着性物質を前記し
た他のものに替えるなどして、本発明の除草粒剤を得る
ことができる。
【0063】なお、以下に「部」とあるのはすべて重量
部を意味する。
【0064】また、後記の表1には、製造方法、徐放化
剤、内核粒と外郭粒の重量組成比、活性成分含有量比
を、要約して示す。
【0065】実施例1(製造方法1) ビフェノックス原体 7.0部、ラウリル硫酸ナトリウ
ム 0.2部、タルク88.8部を一緒に転動造粒機
[奈良式LMA−10型、(株)奈良機械製作所製]に
入れ、転動混合して粉末状の原料を得る。この粉末状原
料に、10部の水に溶解したポリビニルアルコール
2.0部を加え、転動造粒機にて粒径φ0.5〜1.0
mmの粒度分布をもつ粒子となるように転動造粒を行っ
て粒状物を得、乾燥させた。そして、酢酸ビニル−エチ
レン−アクリル共重合体エマルジョンを有効成分量で
2.0部スプレーした後、乾燥し、溶出制御されたビフ
ェノックス7.0%含有の内核粒100部を得た。
【0066】外郭粒子を得るには、ビフェノックス原体
7.0部、ラウリル硫酸ナトリウム 0.2部、リグ
ニンスルホン酸塩 3.0部、ベントナイト 30.0
部およびタルク 59.8部を一緒にハンマーミルで混
合し、固体粉末状のビフェノックス7.0%含有の粉末
状の原料 100部を得る。この粉末状原料 70部
を、内核粒が30部入っている転動造粒機の中に入れ、
8部の水を加え、転動造粒機にて粒径φ0.8〜1.5
mmの粒度分布をもつ粒子を得るように転動造粒を行
い、外郭70部を内核粒30部にコーティングした粒剤
を得、乾燥させてビフェノックス7.0%含有の溶出制
御された除草粒剤100部を得た。
【0067】実施例2〜3(製造方法1) 実施例1で除草粒剤と同じ調製方法で、内核粒と外郭の
組成割合を、実施例1の内核粒含有量を30部から50
部、または70部に増量し、かつ外郭含有量を70部か
らそれぞれに50部、または30部に減量して内核粒と
外郭比の異なる2種の除草剤を各100部得た。
【0068】比較例1〜2 実施例1で除草粒剤を調製すると同じ方法で、内核粒
(徐放化したもの)または外郭(非徐放化のもの)のそ
れぞれ単独からなる2種の除草粒剤を各100部得た。
【0069】実施例4(製造方法3) ビフェノックス原体 7.0部、非晶質含水珪酸 1
5.0部、ラウリル硫酸ナトリウム 0.2部およびタ
ルク 75.8部を一緒に転動造粒機に入れ、転動混合
して粉末状の原料を得る。この粉末状原料に、25部の
水に溶解したポリビニルアルコール 2.0部を加えて
行き、転動造粒機にて粒径φ0.5〜1.0mmの粒度
分布をもつ粒子となるように転動造粒を行って粒状物を
得、乾燥して、溶出制御されたビフェノックス7.0%
含有の内核粒100部を得た。
【0070】外郭粒子を得るために、ビフェノックス原
体 7.0部、ラウリル硫酸ナトリウム 0.2部、リ
グニンスルホン酸塩 3.0部、ベントナイト 30.
0部およびタルク 59.8部を一緒にハンマーミルで
混合し、粉末状原料 100部を得る。この外郭用の粉
末状原料 70部を、内核粒が30部入っている転動造
粒機の中に入れ、8部の水を加えて行き、転動造粒機に
て粒径φ0.8〜1.5mmの粒度分布をもつ粒子とな
るように転動造粒を行い、外郭70部を内核粒30部に
コーティングした粒剤を得、乾燥させてビフェノックス
7.0%含有の溶出制御された除草粒剤100部を得
た。
【0071】実施例5〜6(製造方法3) 実施例4の除草粒剤と同じ調製方法で、内核粒と外郭の
組成割合を、実施例4の内核粒含有量を30部から50
部、または70部に増量し、かつ外郭含有量を70部か
らそれぞれに50部、または30部に減量して内核粒と
外郭比の異なる2種の除草剤を各100部得た。
【0072】実施例7(製造方法3) ビフェノックス原体 10.0部、ラウリル硫酸ナトリ
ウム 0.2部、ポリビニルアルコール 2.0部、非
晶質含水珪酸 15.0部、タルク 72.8部を一緒
にハンマーミルで混合し、粉末状原料を得る。この粉末
状原料を双腕ニーダーに投入し、25部の水を加えて、
双腕ニーダーにてよく混練後、φ0.4mmのバスケッ
ト型押し出し造粒機にて、造粒、整粒後乾燥させ、溶出
制御されたビフェノックス10.0%含有の内核粒10
0部を得た。
【0073】外郭粒子を得るために、ビフェノックス原
体 4.0部、ラウリル硫酸ナトリウム 0.2部、リ
グニンスルホン酸塩 3.0部、ベントナイト 30.
0部およびタルク 62.8部を一緒にハンマーミルで
混合し、ビフェノックス 4.0%含有の粉末状原料
100部を得る。この外郭用の粉末状原料 50部を双
腕ニーダーに入れ、10部の水を加えて行き、よく混練
する。そして、上記で得た内核粒50部を加え、合計1
00部としてさらによく混練後、φ1.0mmのバスケ
ット型押し出し造粒機にて造粒する。整粒、乾燥、篩別
後、本発明の溶出制御されたビフェノックス7.0%含
有の除草粒剤100部を得た。
【0074】実施例8(製造方法2) ビフェノックス原体 10.0部、ラウリル硫酸ナトリ
ウム 0.2部、ポリビニルアルコール 2.0部およ
びタルク 79.8部を一緒に転動造粒機に入れ、転動
混合して粉末状原料を得る。この粉末状原料に10部の
水を加えて行き、転動造粒機にて粒径φ0.5〜1.0
mmの粒度分布をもつ粒を得るように転動造粒を行い、
粒状組成物を得る。次に疎水性シリカ 5.0部と、1
0部の水に溶解したポリビニルアルコール 3.0部を
交互に添加しながら、粒表面に疎水性シリカをコーティ
ングし、乾燥することにより、溶出制御されたビフェノ
ックス10.0%含有の内核粒100部を得た。
【0075】外郭粒子を得るために、ビフェノックス原
体 5.0部、ラウリル硫酸ナトリウム 0.2部、リ
グニンスルホン酸塩 3.0部、ベントナイト 30.
0部およびタルク 61.8部を一緒にハンマーミルで
混合し、ビフェノックス5.0%含有の粉末状原料 1
00部を得る。この粉末状原料 60部を、内核粒が4
0部入っている転動造粒機の中に入れ、8部の水を加
え、転動造粒機にて粒径φ0.8〜1.5mmの粒度分
布をもつ粒子となるように転動造粒を行い、外郭60部
を内核粒40部にコーティングした粒剤を得、乾燥させ
て、溶出制御されたビフェノックス7.0%含有の除草
粒剤100部を得た。
【0076】実施例9(製造方法3) ビフェノックス原体 7.0部、ラウリル硫酸ナトリウ
ム 0.2部、ポリビニルアルコール 2.0部、活性
炭 10.0部およびタルク 80.8部を一緒に転動
造粒機に入れ、転動混合して粉末状の原料を得る。この
粉末状原料に、12部の水を加えて行き、転動造粒機に
て粒径φ0.5〜1.0mmの粒度分布をもつ粒子とな
るように転動造粒を行い、粒状物を得る。これを乾燥し
て溶出制御されたビフェノックス7.0%含有の内核粒
100部を得た。
【0077】外郭粒子を得るために、ビフェノックス原
体 7.0部、ラウリル硫酸ナトリウム 0.2部、リ
グニンスルホン酸塩 3.0部、ベントナイト 30.
0部およびタルク 59.8部を一緒にハンマーミルで
混合し、粉末状のビフェノックス7.0%含有の粉末状
の原料 100部を得る。この粉末状原料 50部を、
内核粒が50部入っている転動造粒機の中に入れ、8部
の水を加えて行き、転動造粒機にて粒径φ0.8〜1.
5mmの粒度分布をもつ粒子を得るように転動造粒を行
い、外郭50部を内核粒50部にコーティングした粒剤
を得、乾燥させて、溶出制御されたビフェノックス7.
0%含有の除草粒剤100部を得た。
【0078】実施例10(製造方法3) ビフェノックス原体 7.0部、ラウリル硫酸ナトリウ
ム 0.2部、非晶質含水珪酸 10.0部、アジピン
酸ジイソデシル 3.0部およびタルク 77.8部を
一緒に転動造粒機に入れ、転動混合して粉末状原料を得
る。この粉末状原料に、13部の水に溶解したポリビニ
ルアルコール 2.0部を加え、転動造粒機にて粒径φ
0.5〜1.0mmの粒度分布をもつ粒子となるように
転動造粒を行い、粒状物を得る。これを乾燥して溶出制
御されたビフェノックス7.0%含有の内核粒100部
を得た。
【0079】外郭粒子を得るために、ビフェノックス原
体 7.0部、ラウリル硫酸ナトリウム 0.2部、リ
グニンスルホン酸塩 3.0部、ベントナイト 30.
0部およびタルク 59.8部を一緒にハンマーミルで
混合し、粉末状のビフェノックス7.0%含有の粉末状
原料 100部をを得る。この粉末状原料 50部を、
内核粒が50部入っている転動造粒機の中に入れ、8部
の水を加えて行き、転動造粒機にて粒径φ0.8〜1.
5mmの粒度分布をもつ粒子となるように転動造粒を行
い、外郭50部を内核粒50部にコーティングした粒剤
を得、乾燥させて、溶出制御をされたビフェノックス
7.0%含有の除草粒剤100部を得た。
【0080】実施例11(製造方法4) ビフェノックス原体 7.0部、ラウリル硫酸ナトリウ
ム 0.2部、非晶質含水珪酸 10.0部およびタル
ク 79.8部を一緒に転動造粒機に入れ、転動混合し
て粉末状原料を得る。この粉末状原料に、17部の水に
溶解したポリビニルアルコール 2.0部を加えて行
き、転動造粒機にて粒径φ0.5〜1.0mmの粒度分
布をもつ粒子となるように転動造粒を行い、粒状物を得
る。乾燥して、溶出制御されたビフェノックス7.0%
含有の内核粒100部を得た。
【0081】外郭粒子を得るために、ビフェノックス原
体 7.0部、ラウリル硫酸ナトリウム 0.2部、リ
グニンスルホン酸塩 3.0部、ベントナイト 30.
0部およびタルク 59.8部を一緒にハンマーミルで
混合し、粉末状のビフェノックス7.0%含有の粉末状
原料 100部を得る。この粉末状原料 50部を、内
核粒が50部入っている転動造粒機の中に入れ、8部の
水を加えて行き、転動造粒機にて粒径φ0.8〜1.5
mmの粒度分布をもつ粒子となるように転動造粒を行
い、外郭50部を内核粒50部にコーティングした粒剤
を得、乾燥させて溶出制御をされたビフェノックス7.
0%含有の除草粒剤100部を得た。
【0082】実施例12(製造方法1) 実施例1に準じて調製するが、実施例1の酢酸ビニル−
エチレン−アクリル共重合体エマルジョンを有効成分量
で2.0部スプレーするところを、酢酸ビニル−エチレ
ン−塩化ビニル共重合体エマルジョンを有効成分量で
2.0部スプレーして内核粒を得た。
【0083】そして、この内核粒50部に実施例1に準
じて製造した外郭50部をコーティングして除草粒剤を
得た。
【0084】実施例13(製造方法1) 実施例12に準じて調製するが、酢酸ビニル−エチレン
−アクリル共重合体エマルジョンを有効成分量で2.0
部スプレーするところを、酢酸ビニルエマルジョンを有
効成分量で2.0部スプレーして、それ以外は実施例1
2と同様にして除草粒剤を得た。
【0085】実施例14(製造方法3) 実施例4に準じて調製するが、非晶質含水珪酸 15.
0部をヒドロキシプロピルメチルセルロース 5.0部
に、タルク 75.8部を85.8部に変更し、内核粒
を得た。
【0086】そして、この内核粒50部に実施例4に準
じて製造した外郭50部をコーティングして除草粒剤を
得た。
【0087】実施例15(製造方法3) 実施例14に準じて調製するが、ヒドロキシプロピルメ
チルセルロース 5.0部をステアリン酸カルシウム
10.0部に、タルク 85.8部を80.8部に変更
し、それ以外は実施例14と同様にして除草粒剤を得
た。
【0088】実施例16(製造方法2) 実施例8に準じて調製するが、疎水性シリカをシリコン
オイルに変更し、シリコンオイル 5.0部をスプレー
し、10部の水に溶解したポリビニルアルコール 3.
0部を添加しながら乾燥し、ビフェノックスを10.0
%含有する内核粒を得た。そして、それ以外は実施例8
と同様にして除草粒剤を得た。
【0089】実施例17(製造方法3) 実施例10に準じて調製するが、アジピン酸ジイソデシ
ル 3.0部をフタル酸ジ−2−エチルヘキシル 5.
0部に、タルク 77.8部を75.8部に変更し、そ
れ以外は実施例10と同様にして除草粒剤を得た。
【0090】実施例18(製造方法3) 実施例10に準じて調製するが、アジピン酸ジイソデシ
ル 3.0部をノルマルパラフィン 5.0部に、タル
ク 77.8部を75.8部に変更し、それ以外は実施
例10と同様にして除草粒剤を得た。
【0091】実施例19(製造方法3) 実施例10に準じて調製するが、アジピン酸ジイソデシ
ル 3.0部をメチルナフタレン 5.0部に、タルク
77.8部を75.8部に変更し、それ以外は実施例
10と同様にして除草粒剤を得た。
【0092】実施例20(製造方法3) 実施例4に準じて調製するが、非晶質含水珪酸 15.
0部を、ゼオライト50.0部に、タルク 75.8部
を40.8部に変更し内核粒を得た。
【0093】そして、この内核粒70部に実施例4に準
じて製造した外郭30部をコーティングして除草粒剤を
得た。
【0094】実施例21(製造方法3) 実施例4に準じて調製するが、非晶質含水珪酸 15.
0部を、酸性白土 30.0部に、タルク 75.8部
を60.8部に変更し内核粒を得た。
【0095】そして、この内核粒70部に実施例1に準
じて製造した外郭30部をコーティングして除草粒剤を
得た。
【0096】実施例22(製造方法5) 実施例7に準じて調製するが、非晶質含水珪酸 15.
0部を、パーライト20.0部と酢酸ビニル−エチレン
共重合体エマルジョンを有効成分量で2.0部に、タル
ク72.8部を65.8部に変更し、それ以外は実施例
7と同様にして除草粒剤を得た。
【0097】実施例23(製造方法6) 実施例7に準じて調製するが、非晶質含水珪酸 15.
0部を、アルギン酸ナトリウム 2.0部とステアリン
酸カルシウム 5.0部に、タルク72.8部を80.
8部に変更し、それ以外は実施例7と同様にして除草粒
剤を得た。
【0098】試験例1(ビフェノックスの水中溶出試
験) 1000mlの大きさのビーカーに3度硬水 500m
lを入れ(水深 6cm)、実施例1〜23に準じて準
備した除草粒剤を、活性成分として0.2ppm相当の
量を均一に散粒する。ビーカーを20℃の暗室に放置
し、一定期間毎に水深5cmの深さの3か所より採水
し、その採った水中のビフェノックス濃度を液体クロマ
トグラフで測定して、ビーカー中の水に溶出した全体の
ビフェノックス溶出量を算定した。供試粒剤中のビフェ
ノックス全量がビーカー中の水500mlに溶出し終わ
ったときのビフェノックス濃度は理論上0.2ppmで
あるから、その都度測定した溶出量から除草粒剤のビフ
ェノックスの初期含有量に基づく溶出率を算出した。
【0099】また、比較のため、前記の比較例1〜2で
準備した除草粒剤を、同様に水中溶出試験をした場合を
比較例1〜2とした。
【0100】得られた試験結果を次の表1に示す。
【0101】
【表1】
【0102】上の表1の結果から明らかなように、実施
例1〜23に準じて調製した本発明の除草粒剤では、活
性成分であるビフェノックスの溶出は、試験開始後7日
までの初期溶出では外郭粒に依存しており、試験開始数
日間で急激に溶出率が高くなる。それ以後の活性成分の
溶出は内核粒に依存しており、徐々に活性成分の溶出を
続け、試験開始後約42〜49日間までかけて100%
の溶出となる。これに対して、比較のための粒剤は、外
郭粒100部の粒では10日間で100%の溶出率にな
る。また、内核粒100部の粒は、試験開始後約49日
までかけて徐々に活性成分の溶出を続け、最終的には1
00%の溶出となるが、試験開始後短期間で高濃度とな
るようなことはなかった。
【0103】次に、試験例2により、本発明の除草粒剤
を田面水に水面施用したとき、除草効果の残効性が向上
したこと、また、同時に薬害も軽減したことを例証す
る。
【0104】試験例2(ビフェノックス生物効果試験) 5000分の1アールの大きさのポットに水田土壌(沖
積土壌)を充填し、基肥として化成肥料(17:17:
17)をポット当たり3g施肥し、代かき後湛水状態と
した。そして、タイヌビエの催芽種子をポット当たり2
0粒播種した。薬剤処理はタイヌビエの発芽前処理区と
して、播種後1日目に湛水深3cmに調整した後、実施
例1〜3および比較例1〜2の粒剤を10アール当たり
3kgの割合で散粒処理した。また、対照例1(慣行処
理区)として、市販のビフェノックス含有量7%の粒剤
を実施例1〜3と同様に処理した。そして、無処理区を
対照例2とした。その後、処理14日後、28日後およ
び35日後に、タイヌビエの催芽種子をポット当たり2
0粒ずつ播種した。
【0105】調査は処理21日後、35日後、49日後
にそれぞれ残存タイヌビエの乾物重を測定し、次式によ
り除草率を求めた。
【0106】
【数1】
【0107】なお、本試験は3連制で行い、平均除草率
を求めた。得られた試験結果を表2に示す。
【0108】試験例3(ビフェノックス薬害試験) 5000分の1アールの大きさのポットに水田土壌(沖
積土壌)を充填し、基肥として化成肥料(17:17:
17)をポット当たり3g施肥し、代かき後湛水状態と
した。そして、2葉期の水稲苗(品種:日本晴)をポッ
ト当たり3株(2本/株)移植し、移植後3日目に湛水
深3cmに調整した後、実施例1〜3および比較例1〜
2の粒剤を10アール当たり通常使用量の2倍量に当た
る6kgの割合で散粒した。また、対照例3(慣行処理
区)として、市販のビフェノックス含有量7%の粒剤を
実施例1〜3と同様に2倍量処理した。そして、無処理
区を対照例4とした。調査は処理21日目に、茎鞘部お
よび第2葉位に明らかに褐変と認められるものの長さを
褐変長(cm)として測定した。
【0109】なお、本試験は3連制で行い、平均褐変長
(cm)を求めた。得られた試験結果を表2に示す。
【0110】
【表2】
【0111】上の表2の結果から明らかなように、実施
例1〜3で得た本発明の除草粒剤では対照例1の従来剤
と比較して、初期の除草活性成分の溶出量が少ないた
め、水稲に対する葉鞘褐変の薬害が軽減した。また、処
理28日後および35日後に播種したタイヌビエに対す
る除草効果(35日後、49日後調査)が高く、残効期
間が顕著に長くなった。
【0112】
【発明の効果】本発明の除草粒剤は、次のような効果を
有する。 除草活性成分が、散布直後に不必要な高濃度となら
ず、薬害が発生しにくい。 効果発現濃度の持続時間が長時間となるため、残効性
が高くなり、散布後より長時間防除が可能となる。 従来、除草剤初期剤といわれていた剤が、初中期剤と
して1回の散布で、初中期の雑草防除が可能となり、省
力化できる。 本発明の粒剤の製造方法、散布方法は従来技術をその
まま利用できる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】除草活性成分、固体状担体および徐放化剤
    からなる粒子を内核粒とし、この表面に内核粒と同一の
    除草活性成分をそのままか、あるいは固体性担体ととも
    にコーティングもしくは付着させてなることを特徴とす
    る、溶出制御された除草粒剤。
  2. 【請求項2】除草活性成分および固体状担体に徐放化剤
    の1種または2種以上を混合するか、スプレーして内核
    粒を得て、この表面に内核粒と同一の除草活性成分をそ
    のままか、あるいは固体性担体とともにコーティングま
    たは付着させることを特徴とする、溶出制御された除草
    粒剤の製法。
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