JP3581491B2 - 被覆農薬粒剤、その製造方法およびこの被覆農薬粒剤の使用方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、時限溶出型の徐放性農薬に関する。さらに詳しくは、難水溶性の農薬活性成分と水膨潤性物質からなる農薬粒剤の表面を、熱可塑性樹脂を主成分とする被膜で被覆してなる被覆農薬粒剤、その製造方法およびこの被覆農薬粒剤の使用方法に関する。
【0002】
【背景技術】
農作物の栽培には、殺虫剤、殺菌剤あるいは除草剤等の農薬が不可欠となっている。農薬の施用に際しては、作業の省力化の観点から一度に多量の農薬を施用することが好ましいが、高濃度の農薬活性成分が作物へ薬害もしくは人体へ被害を及ぼしたり、農薬活性成分の流亡等による損失や効果の持続時間が短くなるという欠点を有する。
【0003】
水稲に代表されるように苗の移植を必要とする作物では、移植時に毛根が切れたり作物が折れる等の傷みを生じ、さらに苗床と本圃場との環境変化が大きいので、移植後根が活着するまでは苗は不安定な状態にある。従って、この時期に殺草作用のある農薬を施用することは、薬害による苗の発育不良や枯死を招く恐れがある。
苗の移植時に除草剤等の農薬を施用できれば、農作業の省力化に有効であるが、水稲の場合には、田植えから約1週間経過した後でなければ除草剤を施用できないのが現状である。
このような欠点を解消する目的で、圃場に施用された農薬から徐々に農薬活性成分が溶出するように工夫された各種の徐放性農薬が知られている。
【0004】
特開平2−286602号公報には、液状の農薬活性成分を含浸させた鉱物質粒体の表面を疎水性の微粉で被覆してなる粒状の徐放性農薬が開示されている。しかし、この徐放性農薬は施用された直後から農薬活性成分が溶出されるので、苗の移植時に施用するには不適当である。
特公昭64−5002号公報には、水溶性または蒸散性の農薬活性成分を熱可塑性樹脂で被覆してなる徐放性農薬が開示されている。しかし、この徐放性農薬では、農薬活性成分は熱可塑性樹脂からなる被膜を透過して放出されるものであるから、水溶性または蒸散性の農薬活性成分には有用であるが、難水溶性の農薬活性成分に適用することは困難である。一般に除草剤に用いられる農薬活性成分には、難水溶性のものが多く、これらの農薬活性成分を特公昭64−5002号公報に記載された被膜で被覆すると、溶出速度が極めて遅く所期の除草効果が得られないばかりか、作物が収穫された後まで土壌中に農薬活性成分が残留し、土壌を汚染するという問題を生ずる。
【0005】
特開平6−9304号公報および特開平6−72805号公報には、圃場に施用後、被膜の一部が溶解して生じた空隙から農薬活性成分が溶出する、時限溶出型の徐放性農薬が開示されている。また、特開平6−9303号公報および特開平6−80514号公報には、圃場に施用後、被膜の一部に生じた亀裂から農薬活性成分が溶出する、時限溶出型の徐放性農薬が開示されている。しかし、これらの時限溶出型の徐放性農薬では、いずれも被膜を二重構造とすることにより時限溶出性を得ており、その製造方法は複雑で、製品は高価なものとなる。また、農薬活性成分の溶出は被膜に生じた小さな空隙を介して行われるので溶出速度が遅く、難水溶性の農薬活性成分への適用が困難である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、徐放性農薬の上記現状を改善しようとするもので、圃場に施用後直ちには農薬活性成分を溶出せず、一定期間後に溶出を開始し、農作物の栽培期間内に溶出を完了する被覆農薬粒剤、特に難水溶性の農薬活性成分への適用に有効な被覆農薬粒剤、その製造方法およびこの被覆農薬粒剤の使用方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決する為の手段】
本発明者らは、上記の課題の解決のため鋭意検討した結果、難水溶性の農薬活性成分と水膨潤性物質とからなる農薬粒剤の表面を熱可塑性樹脂を主成分とする被膜で被覆した被覆農薬粒剤を圃場に施用すると、外部より被膜を透過して、徐々に内部へ浸透した水分を水膨潤性物質が吸収し、水膨潤性物質を含む農薬粒剤が次第に膨張して、一定期間後に被膜に亀裂を生じさせることにより、亀裂から多量の水分を吸収させ、農薬粒剤を急速に膨張させることにより、被膜の亀裂を大きく成長させて被膜を崩壊し、農薬粒剤中の難水溶性農薬活性成分に多量の水を接触させ、難水溶性農薬活性成分を外部に溶出させることにより所期の目的が達成されることを知り、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は以下の構成を有する。
(1)1種以上の難水溶性農薬活性成分と1種以上の水膨潤性物質とからなる農薬粒剤の表面が、熱可塑性樹脂を主成分とし且つ一層構造である被膜で被覆されている被覆農薬粒剤。
(2)熱可塑性樹脂がオレフィン重合体およびオレフィンを主成分とするオレフィン系共重合体である前記第(1)項に記載の被覆農薬粒剤。
(3)被膜内に、エチレン・酢酸ビニル共重合体が15重量%以下配合されている前記第(1)項または前記第(2)項のに記載の被覆農薬粒剤。
(4)被膜内に、界面活性剤が配合されている前記第(1)項ないし前記第(3)項のいずれか1項に記載の被覆農薬粒剤。
(5)被膜内に、水に不溶性または水に難溶性の無機粉体が配合されている前記第(1)項ないし前記第(4)項のいずれか1項に記載の被覆農薬粒剤。
(6)外部より被膜を透過して、徐々に内部へ浸透した水分を水膨潤性物質が吸収し、水膨潤性物質を含む農薬粒剤が次第に膨張して、一定期間後に被膜に亀裂を生じさせることにより、亀裂から多量の水分を吸収させ、農薬粒剤を急速に膨張させることにより、被膜の亀裂を大きく成長させて被膜を崩壊し、農薬粒剤中の難水溶性農薬活性成分に多量の水を接触させ、難水溶性農薬活性成分を外部に溶出させることのできる前記第(1)項ないし前記第(5)項のいずれか1項に記載の被覆農薬粒剤。
(7)熱風流により流動状態にある農薬粒剤に対し、被膜構成材料が溶媒により溶解された混合溶解液を噴霧する一方、該農薬粒剤上の溶媒を乾燥除去し、農薬粒剤の表面に被膜を形成させる被覆農薬粒剤の製造方法。
(8)苗の移植時に、被覆農薬粒剤を施用する被覆農薬粒剤の使用方法。
【0009】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、被膜が崩壊するまでの一定期間は、農薬粒剤に含まれる難水溶性の農薬活性成分が外部へ溶出されることはないが、溶出開始後は、農薬活性成分が徐々に外部へ溶出される時限溶出型徐放性被覆農薬粒剤である。
本発明の被覆農薬粒剤は、外部より被膜を透過して、徐々に内部へ浸透した水分を水膨潤性物質が吸収し、次第に膨潤してゆく水膨潤性物質により、被膜の限界まで応力がかかると、被膜に亀裂が発生し、生じた亀裂から水分の進入が急速に進んで、水膨潤性物質の膨潤を加速させることにより、被膜の亀裂を大きく成長させ、被膜を速やかに崩壊し、農薬粒剤に含まれている難水溶性農薬活性成分に多量の水を接触させ、難水溶性農薬活性成分の溶出を開始させる機能を有するものである。被覆農薬粒剤の被膜崩壊写真を図1に示す。図1−aは、被覆農薬粒剤の写真であり、図1−bは、被膜崩壊後の被覆農薬粒剤の写真である。
【0010】
本発明では、被覆農薬粒剤を施用した後、被膜が崩壊し難水溶性農薬活性成分が溶出を開始するまでの時間(以下、被膜崩壊時間)を調整することができるが、これには、被膜の透湿性、被膜の限界強度および農薬粒剤の膨潤性を考慮する必要がある。
被膜の透湿性は、被膜の構成成分に大きく依存しており、被膜に用いられる熱可塑性樹脂や必要によって用いられる界面活性剤や無機粉体らが大きな影響を与える。被膜の限界強度は、被膜の構成成分と被膜の厚みに大きく依存しており、被膜に用いられる熱可塑性樹脂や被膜の厚みおよび厚みの均一性が大きな影響を与える。農薬粒剤の膨潤性は、農薬粒剤の構成成分である水膨潤性物質に依存している。
限界強度が大きく、透湿性が乏しく、厚く均一な被膜を用い、膨潤性の劣る水膨潤性物質を使用することにより、難水溶性農薬活性成分の被膜崩壊時間を長くできる。反面、限界強度が小さく、透湿性に優れ、薄く不均一な被膜を用い、膨潤性の優れる水膨潤性物質を使用することにより、被膜崩壊時間を短かくできる。
中でも、被膜崩壊時間は、被膜の透湿性に影響を受け易いので、被膜の透湿性の調整には注意を払う必要がある。被膜の透湿性が高すぎると、被覆農薬粒剤を水田のような水分の豊富な場所に施用した場合、水膨潤性物質が急激に膨張し、施用と同時に被膜が崩壊してしまったりする恐れがある。
本発明では、このような被膜の透湿性、被膜の限界強度および農薬粒剤の膨潤性を調整することで、使用に供する作物やその栽培条件に合った被覆農薬粒剤を得ることができるのである。
【0011】
本発明の被覆農薬粒剤には、農薬活性成分として殺虫作用、殺菌作用、除草作用および植物の生長調整作用等を有する難水溶性農薬活性成分を使用する。また、難水溶性農薬活性成分は、単独の成分であっても、複数の成分であっても良く、それらの種類および組み合わせには格別の制限はない。
本発明において、難水溶性農薬活性成分とは、農薬活性成分の水への溶解度が1000ppm(25℃)以下のものをいう。本発明においては、1000ppm(20℃)以下の難水溶性農薬活性成分が好ましく、600ppm以下が特に好ましく、50ppm以下がさらに好ましい。
水への溶解度の大きい農薬活性成分を使用すると、被覆農薬粒剤が溶出を開始する初期の段階において、多量の農薬活性成分が溶出し、作物に薬害を与えたり、長期間薬効を持続させることができなくなるので好ましくない。
【0012】
難水溶性農薬活性成分の具体例として、1−(6−クロロ−3−ピリジルメチル)−N−ニトロイミダゾリジン−2−イリデンアミン、3−アリルオキシ−1,2−ベンゾイソチアゾール−1,1−ジオキシド、2−クロロ−4−エチルアミノ−6−イソプロピルアミノ−s−トリアジン、1−(2−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イルスルホニル)−3−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル尿素、2−クロル−4,6−ビス(エチルアミノ)−S−トリアジン、2−ベンゾチアゾール−2−イルオキシ−N−メチルアセトアニリド、メチル=α−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イルカルバモイルスルファモイル)−ο−トルアート、S−(4−クロロベンジル)−N,N−ジエチルチオカーバメート、S−ベンジル=1,2−ジメチルプロピル(エチル)チオカルバマート、2,4−ジクロロフェニル−3′−メトキシ−4′−ニトロフェニルエーテル、2−メチルチオ−4−エチルアミノ−6−(1,2−ジメチルプロピルアミノ)−s−トリアジン、4−(2,4−ジクロロベンゾイル)−1,3−ジメチル−5−ピラゾリル−p−トルエンスルホネート、2−メチルチオ−4,6−ビス(エチルアミノ)−s−トリアジン、S−1−メチル−1−フェニルエチル=ピペリジン−1−カルボチオアート、1−(α,α−ジメチルベンジル)−3−(パラトリル)尿素、2−クロロ−N−(3−メトキシ−2−テニル)−2´,6´−ジメチルアセトアニリド、2−クロロ−2´,6´−ジエチル−N−(ブドキシメチル)アセトアニリド、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸エチル、2−メチル−4−クロロフェノキシ酢酸エチル、(E)−(S)−1−(4−クロロフェニル)−4,4−ジメチル−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ペンタ−1−エン−3−オール、(2RS,3RS)−1−(4−クロロフェニル)−4,4−ジメチル−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ペンタン−3−オール、4´−クロロ−2´−(α−ヒドロキシベンジル)イソニコチンアニリド等を例示することができる。
【0013】
本発明の被覆農薬粒剤に使用する水膨潤性物質とは、水を吸収することにより体積が膨張する物質であり、ベントナイト、澱粉、高吸水性高分子等を挙げることができる。
ベントナイトには、その組成や粒度により膨潤性が異なる。カルシウムイオンとマグネシウムイオンに富んだ膨潤性の低いカルシウム系ベントナイト、ソーダ処理により膨潤活性を人工的に付与した活性化ベントナイトなどの種類でも特に問題はないが、多量の水を吸収し膨潤性の高いナトリウム系ベントナイトが好ましい。
澱粉には、コーンスターチ、馬鈴薯澱粉等の天然の澱粉のほか、酸化澱粉、メチル澱粉、カルボキシメチル澱粉等の各種の加工澱粉を示すことができる。
高吸水性高分子には、セルロ−ス系高吸水性高分子、ポリビニルアルコ−ル、ポリアクリル酸ナトリウム等を例示することができる。
これらの水膨潤性物質は、単独で使用しても良く、複数の物質を併用しても良く、それらの種類および組み合わせには格別の制限はない。
【0014】
本発明においては、上記難水溶性農薬活性成分と上記水膨潤性物質とを混合し農薬粒剤とする。農薬粒剤は、0.5〜10mmの粒径のものが好ましく、1〜5mmの粒径のものがより好ましい。このような農薬粒剤は、慣行法に準じて造粒することによって得られるが、押し出し造粒法を用いると容易に得ることができる。また、この際、造粒助剤や結合剤を使用すると、上記農薬粒剤が得易くなる。
造粒助剤には、クレイ、カオリン、バーミキュライト等の無機質の粉粒体、籾殻等の有機質粉粒体さらには尿素、硫安、塩安等の肥料を例示することができる。
結合剤には、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルアルコール等を例示することができる。
【0015】
本発明においては、上記の農薬粒剤に対して、熱可塑性樹脂を主成分とする被膜で被覆する。
被膜の主成分として用いられる熱可塑性樹脂としては、透水性の小さな樹脂が好ましく、具体的には、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン、塩化ビニリデン、、ポリスチレン等のオレフィン重合体、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・一酸化炭素共重合体、ブテン・エチレン共重合体、ブテン・プロピレン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル・一酸化炭素共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタアクリル酸エステル共重合体等のオレフィンを主成分とするオレフィン系共重合体、塩化ビニリデン・塩化ビニル共重合体等の塩化ビニリデン系共重合体、ブタジエン重合体、イソプレン重合体、クロロプレン重合体、ブタジエン・スチレン共重合体、EPDM重合体、スチレン・イソプレン共重合体等のジエン系重合体、密ロウ、木ロウ、パラフィン等のワックス類等が使用できる。
これらの熱可塑性樹脂は、単独で使用しても良く、複数の物質を併用しても良い。また、必要に応じて、天然ゴム、ロジン等の天然樹脂、油脂、油脂変性物等を混合しても良い。これらの種類および組み合わせには格別の制限はない。
【0016】
なお、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル・一酸化炭素共重合体およびジエン系重合体のような弾性力の強い熱可塑性樹脂は、被膜に柔軟性を与え、農薬粒剤の膨潤による内部応力を緩和させる効果があるため、被膜崩壊時間を調節することができるが、これらの重合体が被膜中に多量に存在すると、被膜崩壊時間が極端に長くなったり、亀裂が生じなくなる恐れがあるため、被膜中の配合量は、20重量%未満が好ましく、15重量%以下とするのが更に好ましい。
【0017】
本発明においては、被膜の透湿性を調節することにより、被覆農薬粒剤の被膜の被膜崩壊時間を調節する目的で、被膜に界面活性剤を添加することができる。界面活性剤は、被膜の透湿性を向上させることができるので、被膜崩壊時間を早める効果がある。被膜に用いる熱可塑性樹脂の種類によっては、得られる被膜の透湿性が実用以上に低くなり、亀裂が発生し難くなる場合があるが、このような場合に用いると効果的である。
【0018】
界面活性剤としては、HLBが6〜20、好ましくは9〜16、さらに好ましくは11〜13のものを使用すると良い。界面活性剤のHLBが20を超すほど親水性が強くなり、界面活性剤が被膜中に均一に分散することができず、被膜に欠落が生成する原因となることがある。また、界面活性剤のHLBが6未満の親油性の強いものであると、被膜の透湿性を高めて被膜崩壊時間を早くするという効果が得られなくなるので好ましくない。
【0019】
界面活性剤としては、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤および両性界面活性剤をいずれも使用することができ、単一種の界面活性剤であってもよく、複数の界面活性剤を混合物として上記HLBの範囲に調整して用いることもできる。特に、本発明においてはノニオン界面活性剤が好ましい。
界面活性剤の具体例としては、アニオン界面活性剤として、高級脂肪酸塩類、高級アルキルジカルボン酸塩類、高級アルコール硫酸エステル塩類、高級アルキル・スルフォン酸塩類、高級アルキル・ジスルフォン酸塩類、スルフォン化高級脂肪酸塩類、高級アルキル燐酸エステル塩類等を挙げることができ、カチオン性界面活性剤として、高級アルキル・アミン塩類、第4級アンモニウム塩等を例示することができ、ノニオン性界面活性剤として、ポリオールの脂肪酸エステル、ポリエチレン・オキサイド縮合型等を例示することができる。
【0020】
また、界面活性剤の添加量としては、被膜全量に対して、0.01〜20重量%の範囲であることが好ましく、0.05〜10重量%の範囲がより好ましい。0.01重量%より少ないと、用いる界面活性剤の効果が得られ難くなり、反面20重量%を越えると不経済となる。
【0021】
本発明においては、被覆農薬粒剤の被膜崩壊時間を調整する目的で、被膜内に無機粉体を添加することができる。無機粉体は、被膜の被膜崩壊時間を早める効果がある。無機粉体としては、水に不溶性ないし難水溶性のものが好ましい。具体的には、タルク、クレイ、金属酸化物、珪酸塩鉱物、硫黄等を挙げることができる。
これらの無機粉体は、被膜内に完全に埋没する必要があるので、その粒径が50μm以下のもの、好ましくは20μm以下のものを使用し、またその添加量は、被膜全量に対して50重量%以上とするのが好ましいが、格別これらの値に限定されるものではない。
【0022】
本発明の被覆農薬粒剤の製造方法は、熱風流により流動状態にある農薬粒剤に対し、被膜構成材料が溶媒により溶解された混合溶解液を噴霧する一方、該農薬粒剤上の溶媒を乾燥除去し、農薬粒剤の表面に被膜を形成させる被覆農薬粒剤の製造方法である。
【0023】
製造方法に使用し得る被覆装置の一例を、添付図面を参照しながら説明する。本発明の製造方法は、図2に示される噴流層を用いて行うのが最も好ましい。
この噴流層は、転動または流動状態にある農薬粒剤5に対し、被膜構成材料の混合溶解液12をポンプ6によって、スプレーノズル4により噴霧し、農薬粒剤5の表面に吹き付けて、該表面を被覆すると同時並行的に、熱交換器8で加熱された高温気体をブロアー10によって噴流塔1に下部から流入させ、該高速熱風流によって、農薬粒剤5の表面に付着している混合溶解液中の溶媒を瞬時に蒸発乾燥させるものである。
【0024】
本発明の被覆農薬粒剤の使用方法は、苗の移植と同時に、被覆農薬粒剤を施用する方法である。
本発明では、農薬活性成分が必要となる時期に合わせて、難水溶性農薬活性成分を溶出させることができ、農作物に対し薬害を発生させず、環境を悪化させることのない低濃度で溶出を持続させることができる。
これにより、苗の移植と同時に、被覆農薬粒剤を施用しても、根が活着してから難水溶性農薬活性成分の溶出が開始し、溶出された難水溶性農薬活性成分は、除草、殺菌および殺虫のために、全てが消費されるので、移植苗に悪影響を及ぼさず、農作物を安全に生産することができる。
本発明では、希望する時期に被覆農薬粒剤を施用して何ら差し支えないが、移植と同時に施用すると農作業時間の大幅な短縮ができる。
【0025】
【実施例】
以下、農薬粒剤の調整、製造例および実施例を用い、詳細を説明する。なお、本実施例は本発明をなんら限定するものではない。尚、以下の実施例における「%」は特にことわりがない限り「重量%」である。
【0026】
(農薬粒剤の調整)
表1に示される組成からなる粒剤原料を、加水しながらニーダーで混練し、これを押し出し造粒し、整粒機にて球形造粒した。次に、該造粒物を乾燥し、難水溶性農薬活性成分を含有した粒径0.8〜1.4mmφの各種農薬粒剤を得た。なお、農薬粒剤Dにおいて用いた高分子は、水に溶解して加えた。
【0027】
(製造例)
塔径250mm、高さ2000mm、空気噴出口径50mm、円錘角50度の形状を有する噴流塔1内へ、高温熱風を下部から上部に向けて流入する。高温熱風は、ブロアー10から送風され、オリフィス流量計9を通り、熱交換器8によって高温に加熱されて、噴流塔1に流入され、噴流塔1の上部に設置されている排ガス用出口3から排出される。この高温熱風が循環している噴流塔1の内部に、表2に示される農薬粒剤5を、噴流塔1の側面に設置されている粒剤投入口2から10Kg投入し、図1に示されるように農薬粒剤5を粉体流動させる。この際、流量および熱風温度は、各サンプル毎に適宜調節する必要があり、流量はオリフィス流量計で測定しながら調節し、熱風温度は、T1の熱風温度、T2の粒剤温度、T3の排気温度を測定しながら調節する。本実施各例においては、流量(9)4m3 /min、熱風温度(T1)100℃±2℃で実施した。
他方、溶解槽11に、表2に示される被膜材料と溶媒としてテトラクロロエチレンを投入し、混合撹拌することによって、2.5%被膜材料溶解液を得る。該溶解液は、ポンプ6によって噴流塔1の下部に設置されている開口0.6mmフルコーン型一流体ノズルであるスプレーノズル4に、流速0.3kg/minで輸送され、粉体流動中の農薬粒剤5に向かって噴霧され、吹き付けられる。
このような吹き付け操作は、流動中の農薬粒剤のT2が所定の温度に達した時点から開始され、所定時間スプレーした後、所定時間の乾燥を実施し、乾燥が終了した時点で、ブロアー10を止め、被覆された農薬粒剤5を、噴流塔1の最下部にある抜き出し口7より排出し、表2に記載する被覆率を有する実施例1〜12の被覆農薬粒剤を得た。
【0028】
(放出確認試験)
前記製造例によって得られた各被覆農薬粒剤の放出確認試験を実施した。放出確認試験は、該被覆農薬粒剤に亀裂が入り、被膜が破壊されることにより、内部の農薬粒剤が外部に放出されるまでの時間(放出開始時間)を測定したものである。
試験方法は以下の記載に準じて行った。
ビーカーに500mlの蒸留水と0.1gの該被覆農薬粒剤を投入し、経時的な該被覆農薬粒剤の被膜崩壊状態を観察した。また、ビーカー中の蒸留水を、定期的にサンプリングし、蒸留水中の難水溶性農薬活性成分を、高速液体クロマトグラフィにて分析を行い、難水溶性農薬活性成分の溶出が検出された時間を、農薬粒剤の放出開始時間とした。
このときの水温は20℃で、投入後30日まで測定を行った。この結果を表2に示す。
【0029】
また、実施例2の崩壊過程を図3に示した。図3−aは、実施例2の該被覆農薬粒剤をビーカーに投入してから6時間後、図3−bは、6時間5分後、図3−cは、6時間10分後の連続写真である。
図3の連続写真より明らかなように、該被覆農薬粒剤は、亀裂が発生するまでに一定時間を要し、その間の難水溶性農薬活性成分の溶出は全く起こらないが、ひとたび亀裂が発生すると、被膜崩壊が加速度的に起こり、内部の農薬粒剤が速やかに放出される。
また、実施例2〜6は、界面活性剤の添加量を変動させたものであるが、加える界面活性剤の量が多くなるほど、放出開始時間が短くなり、放出開始時間の調整に有効であることが判る。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【0033】
【発明の効果】
以上のように、本発明の被覆農薬粒剤は、難水溶性農薬活性成分を含有した農薬粒剤を任意に放出できるものであり、これにより、具体的に以下の効果が得られた。
(1)従来の農薬は、施用すると同時に環境水と接するため施用後、直ちに溶出が開始していたが、本発明の被覆農薬粒剤は、一定期間難水溶性農薬活性成分の溶出を抑制することができる。
(2)従来の被覆農薬粒剤では、被膜の透過性を利用した水分移動によって、農薬活性成分を外部に溶出しているので、難水溶性農薬活性成分を使用できなかったが、本発明の被覆農薬粒剤では、難水溶性農薬活性成分の使用が可能となり、使用できる農薬活性成分の選択幅が広がった。
(3)本発明の被覆農薬粒剤は、被膜が崩壊し、難水溶性農薬活性成分を含有する農薬粒剤を放出できるで、従来の徐放型被覆農薬粒剤と異なり、被膜内部の農薬活性成分水溶液濃度が低くなるに従い、溶出速度が遅くなったり、被膜内部に長期間農薬活性成分残留物が存在することがないので、難水溶性農薬活性成分を完全溶出でき、使用効率が良く、残留物による危険がない。また、難水溶性農薬活性成分の使用量を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】被覆農薬粒剤の被膜破壊写真
【図2】噴流層のフローシートの図
【図3】実施例2の被覆農薬粒剤の経時的被膜破壊写真
【符号の説明】
1.噴流塔
2.粒剤投入口
3.排ガス出口
4.スプレーノズル
5.農薬粒剤
6.ポンプ
7.抜き出し口
8.熱交換器
9.オリフィス流量計
10.ブロアー
11.溶解槽
12.被膜材料の混合溶解液
T1 .熱風温度
T2 .粒体温度
T3 .排気温度
SL.スチーム
Claims (8)
- 1種以上の難水溶性農薬活性成分と1種以上の水膨潤性物質とからなる農薬粒剤の表面が、熱可塑性樹脂を主成分とし且つ一層構造である被膜で被覆されていることを特徴とする被覆農薬粒剤。
- 熱可塑性樹脂がオレフィン重合体およびオレフィンを主成分とするオレフィン系共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の被覆農薬粒剤。
- 被膜内に、エチレン・酢酸ビニル共重合体が15重量%以下配合されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の被覆農薬粒剤。
- 被膜内に、界面活性剤が配合されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の被覆農薬粒剤。
- 被膜内に、水に不溶性または水に難溶性の無機粉体が配合されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の被覆農薬粒剤。
- 外部より被膜を透過して、徐々に内部へ浸透した水分を水膨潤性物質が吸収し、水膨潤性物質を含む農薬粒剤が次第に膨張して、一定期間後に被膜に亀裂を生じさせることにより、亀裂から多量の水分を吸収させ、農薬粒剤を急速に膨張させることにより、被膜の亀裂を大きく成長させて被膜を崩壊し、農薬粒剤中の難水溶性農薬活性成分に多量の水を接触させ、難水溶性農薬活性成分を外部に溶出させることのできる請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の被覆農薬粒剤。
- 熱風流により流動状態にある、1種以上の難水溶性農薬活性成分と1種以上の水膨潤性物質とからなる農薬粒剤に対し、被膜構成材料が溶媒により溶解された混合溶解液を噴霧する一方、該農薬粒剤上の溶媒を乾燥除去し、該農薬粒剤の表面に被膜を形成させることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の被覆農薬粒剤の製造方法。
- 苗の移植時に、請求項1から6の何れか1項に記載の被覆農薬粒剤を施用することを特徴とする被覆農薬粒剤の使用方法。
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