JPH085763B2 - 農薬用水面施用粒剤 - Google Patents

農薬用水面施用粒剤

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JPH085763B2
JPH085763B2 JP61159691A JP15969186A JPH085763B2 JP H085763 B2 JPH085763 B2 JP H085763B2 JP 61159691 A JP61159691 A JP 61159691A JP 15969186 A JP15969186 A JP 15969186A JP H085763 B2 JPH085763 B2 JP H085763B2
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豊 久保田
聖一 下野
茂 梅沢
武義 吉見
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三井東圧化学株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、農薬用水面施用粒剤に関する。詳しくは農
薬を水面に施用し、有効成分を水中に効果的に分散さ
せ、より有効に活性成分の効果を発揮させる粒剤に関す
る。特に殺虫剤を水性害虫や水際に生活環を持つ害虫の
防除のために水面に施用し、有効成分を水中に効果的に
分散させ、より有効に活性成分の効果を発揮させる粒剤
に関する。
〔従来技術〕 従来より、殺虫剤を粒剤の形で有効に利用しようとい
う試みは数多くなされてきた。最近では実用化されるも
のも現れ、その普及性はその殺虫剤の持つ有用性とあい
まって大いに注目されるところである。元来殺虫剤は他
の農薬に比して急性毒性が強く、その取扱い上からも最
も安全に使用出来る粒剤の研究は、世界的にも古くから
行われている。
粒剤がこうした施用方法において有利な点は、たとえ
低毒性とはいえ粉剤等の他の剤型においては薬剤散布者
が少なからず散布薬剤を浴びることになるのに対して、
粒剤の場合には先ずその危険性がほとんどない。それに
現在では日本においては水田用殺虫剤は粉剤が主である
が、パイプダスター等の機具を用いるため、散布する時
には一人では作業できないと言う欠点が有るのに対し、
粒剤では一人でも施用できる。また、更に大きな問題は
蚕毒を有する殺虫剤を施用する場合である。こうした殺
虫剤においては、飛散の少ないこの粒剤による施用方法
は極めて有利である。この観点に立てば、その他の有用
な生物に対して影響を有する場合にも、粒剤による施用
は現実的かつ有効な殺虫剤の使用方法といえる。
殺虫粒剤を水面に施用し、水性害虫や水際に生活環を
持つ害虫を防除するためには有効成分を如何に水中に効
果的に分散させるかという事が重要である。特に、難水
溶性活性成分を水面施用粒剤とする場合には、活性成分
を如何に水中に放出させるかが、大きな問題となる。
水面施用粒剤に関しては、乳剤を粒核に含浸させ水中
に徐々に放出する方法とか、水に対して膨潤性や親和性
を持つ担体と共に拡散させる方法等が考えられるが、い
ずれも充分な効果が得られない。これは活性成分の土壌
吸着が強いためと考えられ、必要以上の薬量を投下しな
ければ十分な防除効果が得られない。
このような観点から、従来より、より効率的に有効成
分を利用する粒剤化が研究されてきた。しかし、これら
の方法はいずれも一長一短があり、現実には実用化され
ていない。例えば、黒曜石等を発泡させたり、水に浮く
軽い担体に有効成分を保持させ粒剤自体を浮かせる方法
(特公昭48−1181号、47−1240号、48−1182号、44−86
00号、特開昭55−139308号、58−65203号公報)は、風
による影響が無視できず、均一に散布することが難し
い。比重1以下のプラスチック粒状物に有効成分を保持
させ、粒剤自体を浮かせる方法(特公昭45−9560号、48
−1180号、49−24222号、特開昭55−139308号公報)
は、担体が高価であり、生物分解を受け難い素材である
ことが、公害面で心配となる。固形沈降性物質に有効成
分とともにロウ状物質、プラスチック、無機発泡体等の
浮遊性物質を被覆し水中で有効成分を浮遊させる方法
(特公昭48−15613号、58−26882号公報)は、上記の欠
点をカバーするものであるが浮遊性物質として用いられ
ているプラスチック、ロウ状物質、無機発泡体等に活性
成分が取り込まれていて、これらの素材から活性成分が
溶出し難い欠点がある。水溶性担体が溶解した時に、空
気を保持したフィルム形成物質とともに有効成分を浮遊
させる方法(特開昭60−142901号公報)は、一度浮上し
た活性成分がフィルム内に保持された状態で先に記した
場合と同様に、風によって吹き寄せられ、結果的に均一
な施用処理が出来ないという欠点がある。粒状の一部に
アルカリ金属あるいはアルカリ土類金属の炭酸塩および
固体酸を用い、水中においてこれらが反応して炭酸ガス
を発生させ、その力で粒状物を浮上させ水面に有効成分
を拡展させる方法(特公昭47−27930号公報)は、保存
中に大気中の湿気により徐々に炭酸ガスが発生してしま
ったり、固体酸を使用しているため、化学的に酸性側で
不安定な活性成分には適用出来ない欠点がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、水に難溶性もしくは不溶性である殺虫性活
性成分を水中に効果的に分散させる水面施用粒剤を提供
することを課題とする。
〔課題を解決するための手段および作用〕
本発明者らは、前記課題を解決すべく種々検討を重ね
た結果、従来の公知技術からは予想できない水面施用粒
剤を調製することに成功し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、水に難溶性もしくは非水溶性の
殺虫性活性成分を、水に対する溶解度が100ppm以下であ
り、比重が1より軽い高沸点溶剤に溶解した比重が1よ
り軽い溶液を、固形担体に担持することからなる粒剤で
あって、該粒剤を水田に施用したとき、固形担体から分
離した殺虫活性成分を含む比重が1より軽い溶液が水中
に浮遊することを特徴とする農薬用水面施用粒剤であ
る。
本発明は、殺虫性活性成分を高沸点溶剤とともに担体
に保持させるものであるが、浮遊性物質を利用するとい
う点においては、特公昭48−15613号および58−26882号
公報記載の技術と近似している。しかし、特公昭48−15
613号記載の技術は、浮遊性物質としてポリウレタン、
ポリエチレン、パーライト等が挙げられており、後者に
おいては、パラフィン、ステアリン酸、ロジン、モクロ
ウ等のロウ状物質が用いられているのに対し、本発明に
おいては、高沸点溶剤そのものを浮遊性物質として用い
る点で全く異なるものである。また、水溶性担体を使用
出来るという点では、前記特公昭58−26882号および特
開昭60−142901号公報があるが、前者は、上記したよう
にロウ状物質を利用して浮遊させ、後者は、フィルム形
成物質に空気を保持させ、その浮力により浮遊させるも
のであり、本発明の水に難溶な溶剤の比重を利用して浮
遊させる粒剤とは本質的に異なる。すなわち、前者の粒
剤は水中に粒剤が没した時に、不均質に粒核表面に保持
されたロウ状物質の粗の部分から浸入した水によって、
粒核の素材が水に溶解または分散して、粒核が欠落し、
活性成分を含んだロウ状物質の殻が水面上に浮遊する。
後者も似たような水中の挙動によって粒剤が一旦水中に
没した後に粒核が欠落して、空気を保持したフィルムが
活性成分とともに水面上に浮遊する。本発明に係る粒剤
は、水に難溶な比重が1より軽い活性成分を含んだ高沸
点溶剤が単に水中において担体から離れて、水面上に浮
遊するものであり、全く異なるものであることは明らか
である。
本発明に係る農薬用水面施用粒剤は殺虫性活性成分と
高沸点溶剤を担体に保持させることにより調製される粒
剤である。ここで云う高沸点溶剤とは、比重が1より軽
く、水溶解度が低いことが要求される。その水溶解度
は、約100ppm以下であればよいが、約20ppm以下である
ことがより好ましい。また、殺虫性活性成分を充分溶解
する性質も併せて必要である。本発明においては、溶剤
の性質が重要であり、ここに特徴を有する。具体的には
イソホロンやグリコールエーテル類たとえばエチレング
リコールモノブチルエーテルやジエチレングリコールモ
ノブチルエーテル等は比重が1より軽いが、水溶解度が
大き過ぎて不適当である。勿論、エチレングリコールモ
ノェニルエーテルなどは比重も1より重く、水溶解度も
高く不適当である。また、可塑剤として知られている高
沸点溶剤であるフタル酸アルキルエステル類において
は、一般には一部の低級アルキルエステルを除けば、そ
の水溶解度は極めて小さいものである。従って、その比
重により溶剤を選択することができる。即ち、フタル酸
アルキルエステル類ではその比重から、フタル酸ジ−2
−エチルヘキシルが選択される。その他のアジピン酸、
マレイン酸、、フマル酸、セバシン酸等のアルキルエス
テル類では比較的比重が軽いので水溶解度から選択しな
ければならない。その意味からは、ジ−2−エチルヘキ
シルエステル誘導体は殆どの酸において、この条件を満
たしている。最も適当な高沸点溶剤としては比重が1よ
り軽く、水溶解度が低い次のような溶剤が挙げられる。
たとえば、ラウリン酸n−ブチル、アジピン酸ジ−2−
エチルヘキシル、マレイン酸ジ−2−エチルヘキシル、
セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジ−2−
エチルヘキシル、フタル酸ジ−n−オクチル等が挙げら
れるが、勿論上記の条件を満たす高沸点溶剤であればこ
れらに限定されるものではない。本発明の粒剤の特徴
は、水中において担体が溶解したり、分散した時に、殺
虫性活性成分が溶剤とともに、溶剤の比重の軽さにより
浮遊することにより、活性物質が効果的に水中に分散さ
れ、有効に利用される点にある。従って、界面活性剤等
の添加は、その種類によつては、活性成分を含む溶剤の
浮遊性を破壊することになり、期待した殺虫効果が得ら
れない場合がある。しかし、界面活性剤の種類によつて
は、逆に効果を増強できるものもある。それは、比重が
1よりも軽く、その上、水面上を拡展するような性質を
有する界面活性剤である。そのような界面活性剤の使用
は本発明において何等支障はない。
活性成分の量に対する溶剤の量は、基本的には活性成
分の混合液の比重が1より軽ければ問題ないが、溶剤に
対する活性成分の溶解度の影響が考慮されなければなら
ない。溶剤の添加量については、使用する担体の種類等
によって異なるが、通常は粒剤に対して1〜15重量%を
使用する。
本発明に使用出来る殺虫性活性成分は、水溶解度が低
い方が好ましい。それは前記したように溶剤とともに浮
遊することが要求されるため、その水溶解度は使用され
る溶剤と同程度かそれ以下である方がよい。但し、殺虫
性活性成分の比重は1より軽い必要はなく、溶剤と活性
成分の混合液の比重が1より軽いことが重要であり、比
重が1より重い活性成分を用いる場合は溶剤の量により
調整すればよい。
次に、本発明に係る粒剤に使用される固形担体は、水
溶性であっても水分散性であってもよく、ひいては非水
溶性であってもよい。水溶性担体としては具体的には塩
化カリウム、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸ア
ンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム、尿
素、硼素、砂糖、水溶性ポリマー等が挙げられる。水分
散性担体としては、クレー、タルク、炭酸カルシウム、
ケイソウ土、ホワイトカーボン、ベントナイト、デンプ
ン、ガラス粉等が挙げられ、非水溶性の担体としては、
川砂やレンガ片等が挙げられる。これらの担体は単独で
使用してもよいし、混合して使用してもよく、これらに
限定されるものではない。
本発明の粒剤の調製方法は、一つには、予め粒核を準
備または調製し、これに殺虫性活性成分を高沸点溶剤に
溶解した液状物を被覆する方法である。被覆する方法
は、活性成分を含む高沸点溶剤を粒核と混合するか、粒
核に噴霧する等の通常の被覆方法をとればよい。また、
粒核を調製する際に殺虫性活性成分と溶剤を合わせて混
合、造粒し、粒剤とする方法をとってもよい。粒核の調
製方法としては、担体をそのまま使用してもよいし、所
望の大きさに粉砕等の方法で調製して用いてもよい。
又、場合によっては、水溶性もしくは水分散性の賦形剤
を用いて、所望の大きさに造粒して粒核とする。賦形剤
としては、ガム類、デキストリン、カルボキシメチルセ
ルロース、アルギン酸ナトリウム、デンプン、ポリビニ
ルアルコール等が挙げられる。賦形剤の量は、使用する
担体の種類にもよるが、粒核を形成するに必要な量であ
ればよい。通常、粒剤に対して1〜10重量%を使用す
る。
本粒剤は、水面近辺に生息する有害害虫、例えばイネ
ミズゾウムシ、ヒメトビウンカ、トビイロウンカ、ツマ
グロヨコバイ、ボウフラ等に対する防除に最も適してい
る。
また、本発明に係る粒剤は混合粒剤についても適用で
きる。この時、一方の活性成分のみが本発明に係る粒剤
の特製を必要とする場合でもよいし、いずれの活性成分
も本発明に係る粒剤の特性を必要とする場合でも問題は
ない。また、殺菌剤または除草剤との混合粒剤も同様に
本発明に係る粒剤を適用できる。
〔実施例〕
次に、実施例および試験例を示すが、本発明はこれら
に限定されるものではない。
実施例1 塩化カリウム98重量部とセロゲンPR(第一工業製薬
(株)製)2重量部を粉砕混合し、加水、造粒、乾燥し
て、粒核100重量部を得た。この粒核96重量部に、2−
(4−エトキシフェニル)−2−メチルプロピル3−フ
ェノキシベンジルエーテル〔以後エトフェンプロックス
と称す〕0.8重量部をアジピン酸−2−エチルヘキシル
3.2重量部に溶解した液状物を含浸させ、エトロフェン
プロックス0.8%を含む粒剤100重量部を得た。
実施例2 クレーとタルクの混合物(混合比=7:3)96重量部と
セロゲン3H(第一工業製薬(株)製)2重量部を粉砕混
合し、加水、造粒、乾燥し、粒核100重量部を得た。こ
の粒核96重量部にエトフェンプロックス0.8重量部をア
ジピン酸−2−エチルヘキシル3.2重量部に溶解した液
状物を含浸させて、エトフェンプロックス0.8%を含む
粒剤100重量部を得た。
実施例3 塩化カリウム88重量部、塩化ナトリウム10重量部とア
グリガムPG−0720(第一工業製薬(株)製)2重量部を
粉砕混合し、加水、造粒、乾燥して、粒核100重量部を
得た。この粒核97重量部にエトフェンプロックス0.5重
量部をラウリン酸n−ブチル2.5重量部に溶解した液状
物を含浸させて、エトフェンプロックス0.5%を含む粒
剤100重量部を得た。
実施例4 塩化カリウム47重量部、クレー47重量部、セロゲンPR
(第一工業製薬(株)製)2重量部、フタル酸ジ−2−
エチルヘキシル3.5重量部およびエトフェンプロックス
0.5重量部を粉砕混合し、加水、造粒、乾燥して、エト
フェンプロックス0.5%を含む粒剤100重量部を得た。
実施例5 塩化カリウム94重量部、セロゲンPR(第一工業製薬
(株)製)2重量部、アジピン酸−2−エチルヘキシル
3.5重量部およびエトフェンプロックス0.5重量部を粉砕
混合し、加水、造粒、乾燥してエトフェンプロックス0.
5%を含む粒剤100重量部を得た。
実施例6 硼砂97重量部に、エトフェンプロックス0.5重量部を
セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル2.5重量部に溶解し
た液状物を含浸させ、エトフェンプロックス0.5%を含
む粒剤100重量部を得た。
実施例7 塩化カリウムをブリケットマシーンにより粒核とし、
この粒核97重量部に、エトフェンプロックス0.5重量部
をアジピン酸ジ−2−エチルヘキシル2.5重量部に溶解
し、この液状物を含浸させて、エトフェンプロックス0.
5%を含む粒剤100重量部を得た。
実施例8 川砂95.5重量部およびエトフエンプロックス0.5重量
部をアジピン酸ジ−2−エチルヘキシル2.5重量部に溶
解した液状物と、ケイソウ土1.5重量部を混合して、エ
トフェンプロックス0.5%を含む粒剤100重量部を得た。
実施例9 粒状炭酸カルシウム95.5重量部およびエトフエンプロ
ックス0.5重量部をアジピン酸ジ−2−エチルヘキシル
2.5重量部に溶解した液状物と、ホワイトカーボン1.5重
量部を混合して、粒剤100重量部を得た。
実施例10 塩化カリウム98重量部とセロゲンPR(第一工業製
(株)製)2重量部を粉砕混合し、加水、造粒、乾燥し
て、粒核100重量部を得た。この粒核95.8重量部に、エ
トフエンプロックス0.5重量部とソルポール3153(東邦
化学(株)製界面活性剤)0.2重量部をアジピン酸ジ−
2−エチルヘキシル3.5重量部に溶解した液状物を含浸
させ、エトフェンプロックス0.5%を含む粒剤100重量部
を得た。
比較例1 塩化カリウム98重量部とセロゲンPR(第一工業製薬
(株)製)2重量部を粉砕混合し、加水、造粒、乾燥し
て、粒核100重量部を得た。この粒核96重量部に、エト
フエンブロックス0.8重量部をエチレングリコールモノ
ブチルエーテル3.2重量部に溶解した液状物を含浸さ
せ、エトフェンプロックス0.8%を含む粒剤100重量部を
得た。本試験に使用した溶剤エチレングリコールモノブ
チルエーテルは、比重が1より軽いが、水溶解度が高
い。
比較例2 比較例1と同様に調製した粒核96重量部に、エトフェ
ンプロックス0.8重量部をフタル酸ジブチル3.2重量部に
溶解した液状物を含浸させ、エトフェンプロックス0.8
%を含む粒剤100重量部を得た。本試験に使用した溶剤
フタル酸ジブチルは、水溶解度は低いが、比重が1以上
である。
比較例3 比較例1と同様に調製した粒核96重量部に、エトフェ
ンプロックス0.8重量部およびハイテノールNF−13(第
一工業製薬(株)製)0.1重量部をアジピン酸ジ−2−
エチルヘキシル3.1重量部に溶解した液状物を含浸さ
せ、エトフェンプロックス0.8%を含む粒剤100重量部を
得た。本試験に使用したハイテノールNF−13はノニオン
系界面活性剤である。
実施例および比較例において、いずれもその殺虫性活
性成分としてエトフェンプロックス〔2−(4−エトキ
シフェニル)−2−メチルプロピル3−フェノキシベン
ジルエーテル〕を用いているが、本発明はこれらに限定
されるものではなく、同じように水溶解度の低い化合物
であれば本発明の粒剤を適用できる。
次に混合粒剤の実施例を示す。
実施例11.殺虫剤との混合粒剤 塩化カリウム90重量部、s,s′−2−ジメチルアミノ
トリメチレンビス(チオカーバメート)4重量部および
セロゲンPR(第一製薬(株)製)2重量部を粉砕混合
し、加水、造粒、乾燥して、基剤96重量部を得た。この
基剤に、エトフェンプロックス0.8重量部をアジピン酸
ジ−2−エチルヘキシル3.2重量部に溶解した液状物を
含浸させ、混合粒剤100重量部を得た。本試験で使用し
た殺虫剤s,s′−2−ジメチルアミノトリメチレンビス
(チオカーバメート)は、パダン粒剤として市販されて
いる。
実施例12.殺菌剤と混合粒剤 塩化カリウム87.2重量部、エトフェンプロックス0.8
重量部、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル2重量部、
殺菌剤として3−アリロキシ−1,2−ベンゾイソチアゾ
ール−1,1−ジオキシド8重量部、およびセロゲンPR
(第一工業製薬(株)製)2重量部を粉砕混合し、加
水、造粒、乾燥して、殺菌剤との混合粒剤100重量部を
得た。本試験で用いた殺菌剤は、稲いもち病に対して水
面施用剤としてオリゼメート粒剤の名で市販されている
ものである。
試験例1.ヒメトビウンカに対する殺虫試験 1万分の1アールの樹脂性ポットに水稲を植え、湛水
状態にし、ここに実施例1、11、12および比較例1〜3
に準じで調製した粒剤を10アール当り2Kg水面に施用
し、経日的にポット上を金網円筒でカバーし、その中に
ヒメトビウンカ雌成虫を20頭ずつ放飼し、24時間後にそ
の死虫数を数え、死虫率を求めた。試験結果を表−1に
示す。
試験例2.ツマグロヨコバイに対する殺虫試験 試験例1と同様に準備したポットにツマグロヨコバイ
雌成虫を放飼し、その死虫数を数え、死虫率を求めた。
試験結果を表−2に示す。
試験例3.稲いもち病に対する防除試験 1万分の1アールの樹脂製ポットに水稲を植え、湛水
状態とし、ここに実施例6の粒剤および市販のオリゼメ
ート粒剤を10アール当り4および8Kg水面施用した。施
用時期は稲いもち病菌接種前1、4、6日とした。防除
効果は、いもち病菌接種後1週間目に葉上の病斑数を数
えた。試験は5反復にて行った。結果を表−3に示す
が、数字は各区の平均値を示す。
本試験例は他剤との混合粒剤において、他剤の効果に
対する影響について試験したものである。供試した粒剤
は、稲いもち病用殺菌剤との混合粒剤であり、何ら殺菌
剤としての防除効果に影響を与えていないことは明らか
である。
〔発明の効果〕
本発明の粒剤を使用すれば、試験例の結果から明らか
なように、水に難溶な土壌吸着性の強い殺虫性活性成分
の効果を、水面施用にて有効に発揮させることが出来
る。その対象になる有害害虫としては、イネミズゾウム
シ、ヒメトビウンカ、トビイロウンカ、ツマグロヨコバ
イ、ボウフラ等が挙げられるが、勿論これらに限定され
るものではない。
殺虫性活性成分は、時に他の昆虫等に対して影響を与
えることがあるが、例えば、蚕や蜜蜂等に対して強い毒
性を有する殺虫性活性成分では、そのために使用が限定
される。しかし、本発明の粒剤であればほとんどこれら
の益虫に対しては影響はなく、農業上有用な殺虫性活性
成分を充分に利用出来る。
また、本発明の水面施用粒剤は、他の農薬等との混合
剤も可能である。すなわち、水面施用で防除効果を発揮
出来る農薬等との混合粒剤も、お互いの効果を減ずるこ
となく、混合剤になし得る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−141401(JP,A) 特開 昭58−124704(JP,A) 特公 昭47−24123(JP,B1)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水に難溶性もしくは非水溶性の殺虫性活性
    成分を、水に対する溶解度が100ppm以下であり、比重が
    1より軽い高沸点溶剤に溶解した比重が1より軽い溶液
    を、固形担体に担持することからなる粒剤であって、該
    粒剤を水田に施用したとき、固形担体から分離した殺虫
    活性成分を含む比重が1より軽い溶液が水中に浮遊する
    ことを特徴とする農薬用水面施用粒剤。
  2. 【請求項2】固形担体が水溶性担体である特許請求の範
    囲第一項記載の農薬用水面施用粒剤。
  3. 【請求項3】殺虫性活性成分が2−(4−エトキシフェ
    ニル)−2−メチルプロピル3−フェノキシベンジルエ
    ーテルである特許請求の範囲第一項記載の農薬用水面施
    用粒剤。
  4. 【請求項4】高沸点溶剤が、ラウリン酸n−ブチル、ア
    ジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、マレイン酸ジ−2−
    エチルヘキシル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、
    フタル酸ジ−2−エチルヘキシルまたはフタル酸ジ−n
    −オクチルである特許請求の範囲第一項記載の農薬用水
    面施用粒剤。
JP61159691A 1986-07-09 1986-07-09 農薬用水面施用粒剤 Expired - Lifetime JPH085763B2 (ja)

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Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61159691A JPH085763B2 (ja) 1986-07-09 1986-07-09 農薬用水面施用粒剤

Applications Claiming Priority (1)

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JP61159691A JPH085763B2 (ja) 1986-07-09 1986-07-09 農薬用水面施用粒剤

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