JP2011169939A - 光ファイバユニット及び光ファイバケーブル - Google Patents

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Abstract

【課題】光ファイバケーブルの中間後分岐の作業性を向上できるとともに、損失増加特性などのケーブル特性が劣化するのを防止できる技術を提供する。
【解決手段】光ファイバの集合体を束ねて、複数のバンドル材を長手方向に螺旋状に巻回してなる光ファイバユニットにおいて、複数のバンドル材のいずれか2本が交差している交差点の一部又は全部でバンドル材同士を接着し、バンドル材の接着された交差点の間隔を一定に保持する。
【選択図】図1

Description

本発明は、光ファイバの集合体をバンドル材で束ねた光ファイバユニット及びこの光ファイバユニットを収容した光ファイバケーブルに関する。
近年、インターネットの普及に伴い、光ファイバを一般家庭に直接引き込んで高速通信サービスを実現するFTTH(Fiber To The Home)が急速に拡大している。一般に、FTTHに用いられる光ファイバケーブルには、大容量のデータ通信に対応すべく光ファイバの集合体が収容されている。
ここで、光ファイバの集合体とは、光ファイバ素線(光ファイバの周囲に必要最小限の保護被覆を施したもの、以下、光ファイバ)、光ファイバテープ心線又は光ファイバユニットを複数集合したものを意味する。また、光ファイバ集合体をバンドル材により束ねたものを総称して光ファイバユニットと呼んでいる。
従来の光ファイバユニットは、光ファイバケーブルの細径化・高密度化を実現すべく、例えば、糸状又はテープ状のバンドル材により光ファイバ集合体を束ねた構成となっている(例えば特許文献1)。特許文献1には、光ファイバ集合体に2本のバンドル糸を逆向きに粗巻きし、バンドル糸が互いに交差するようにした光ファイバユニットが開示されている。
光ファイバケーブルからFTTH利用者宅に光ファイバを引き落とす場合には、光ファイバケーブルを中間分岐して所望の光ファイバユニットを取り出し、この光ファイバユニットから単心線を分離して取り出す必要がある。そこで、光ファイバユニットを識別できるように、ユニットごとにバンドル材の着色を変える等の工夫がなされている。
特開平9−26534号公報
しかしながら、特許文献1に記載の光ファイバユニットでは、光ファイバ集合体の周囲をバンドル糸で粗巻きしているだけで結束力が弱く、製造時や中間後分岐作業においてバンドル糸の交差点が移動して交差点間隔が広がると、その部分から光ファイバが単心で飛び出しやすくなり、損失増加を引き起こす虞がある。また、光ファイバユニットの末端ではバンドル糸がばらけてしまうため、ユニットごとの区別が困難となる。
本発明は、光ファイバケーブルの中間後分岐の作業性を向上できるとともに、損失増加特性などのケーブル特性が劣化するのを防止できる技術を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するためになされたもので、光ファイバの集合体を束ねて、複数のバンドル材を長手方向に螺旋状に巻回してなる光ファイバユニットにおいて、
前記複数のバンドル材のいずれか2本が交差している交差点の一部又は全部で、バンドル材同士が接着されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の光ファイバユニットにおいて、前記複数のバンドル材のうち少なくとも2本のバンドル材は互いに逆方向に巻回され、この逆方向に巻回されたバンドル材が交差している交差点の一部又は全部で、バンドル材同士が接着されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の光ファイバユニットにおいて、前記交差点の接着箇所の間隔は、10mm以上150mm以下であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の光ファイバユニットにおいて、前記複数のバンドル材は、20mm以上500mm以下のピッチで巻回されていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の光ファイバユニットを収容したケーブルコアの外周を外被で被覆してなることを特徴とする光ファイバケーブルである。
本発明に係る光ファイバユニットによれば、バンドル材の交差点の接着間隔が一定に保持されるので、光ファイバケーブルの中間後分岐作業時に単心線が不用意に飛び出すのを効果的に防止できる。また、光ファイバユニットの末端でバンドル材がばらけることもないので、ユニットごとに容易に区別できる。したがって、光ファイバケーブルの中間後分岐の作業性が格段に向上する。
また、バンドル材における接着点以外の部分は柔軟に動くことができるので、バンドルされた光ファイバは必要以上に拘束されない。したがって、バンドルされた光ファイバは曲げに柔軟に追従できるので、曲げ応力により損失増加が増大するなどケーブル特性が劣化するのを防止できる。
第1実施形態に係る光ファイバユニットの概略構成を示す図である。 面ファスナ構造の一例を示す図である。 光ファイバユニットを収容したスロット型光ファイバケーブルの概略構成を示す図である。 第2実施形態に係る光ファイバユニットの概略構成を示す図である。 第3実施形態に係る光ファイバユニットの概略構成を示す図である。 第4実施形態に係る光ファイバユニットの概略構成を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る光ファイバユニットの概略構成を示す図である。
図1に示すように、第1実施形態の光ファイバユニット1は、光ファイバ集合体11にバンドル材12を長手方向に螺旋状に巻回して構成されている。第1実施形態において、光ファイバ集合体11は10本の光ファイバ111,111・・で構成されている。
バンドル材12は2本のバンドル材12a,12bで構成され、これらは互いに逆方向に巻回されている(いわゆる交差巻き)。また、バンドル材12a,12bが交差している交差点Cの一部又は全部において、バンドル材12a,12b同士が接着されている。
なお、バンドル材の形状は、糸状であってもテープ状であってもよい。また、交差点Cの一部において接着する場合は、1つおきに接着したり、2つおきに接着したりというように、等間隔で接着する。
ここで、交差点の接着箇所の間隔は10mm以上150mm以下となるようにするのが望ましい。交差点の接着間隔が10mm未満では、バンドル材12の弛み部分が少なくなるために、光ファイバユニット1の中間部で任意の光ファイバ111を単心線で取り出す際に切断しづらく、また、切断した心線を取り出しづらい。そこで、交差点の接着間隔の下限値を10mmとしている。また、交差点の接着間隔が150mmを超えると、光ファイバユニットの結束力が弱くなるため、接着箇所間において光ファイバが飛び出し、損失増加を引き起こす虞がある。また、端末で光ファイバユニットの識別がしづらくなる。そこで、交差点の接着間隔の上限値を150mmとしている。
これにより、バンドル材12a,12bで光ファイバ111を適切に拘束できる上、中間後分岐作業時の作業性が損なわれることもない。また、光ファイバユニット1の末端でバンドル材12がほどけて光ファイバ111がばらけるのを効果的に防止できる。
また、バンドル材12a,12bの巻回ピッチは、それぞれ20mm以上500mm以下とするのが望ましい。バンドル材12の巻回ピッチが20mm未満では、バンドル材12の弛み部分が少なくなるために、光ファイバユニット1の中間部で任意の光ファイバ111を単心線で取り出す際に切断しづらく、また、切断した心線を取り出しづらい。そこで、バンドル材12の巻回ピッチの下限値を20mmとしている。また、一方のバンドル材12(例えば12a)の巻回ピッチが500mmを超えると、交差点の接着間隔(10mm以上150mm以下)を満たすためには、他方のバンドル材12(例えば12b)の巻回ピッチを細かくする必要があるため、製造性が悪くなる。そこで、バンドル材12の巻回ピッチの上限値を500mmとしている。
これにより、光ファイバケーブルの中間後分岐作業において、光ファイバユニット1から光ファイバ111を単心線で取り出しやすくなる。
バンドル材12a,12bの交差点Cを接着する手法としては以下のものが考えられる。例えば、バンドル材12a,12bを、光ファイバ集合体11に用いられている樹脂材料(例えば光ファイバ111の一次被覆材料)よりも低融点の樹脂材料で構成する。
バンドル材12a,12bを光ファイバ集合体11に巻回した後、接着する交差点Cに加熱処理を施すことによりバンドル材12a,12bを容易に接着することができる。なお、この加熱処理により光ファイバ集合体11が受ける影響は微小なので、光ファイバ特性が劣化することはない。
また例えば、バンドル材12a,12bを、接触面にフック部又はループ部が形成された面ファスナで構成する。例えば図2に示すように、一方のバンドル材12aの接触面に鍵状のフック部Fを設け、他方のバンドル材12bの接触面にループ部Lを設ける。
なお、バンドル材12a,12bの両方の接触面にフック部とループ部の両方を設けるようにしてもよいし、フック部又はループ部の形状は特に制限されない。例えば、クラレファスニング株式会社やYKK株式会社などが提供する様々な面ファスナを利用できる。
光ファイバ集合体11に対して、まず接触面を上にしてバンドル材12aを巻回し、次いで接触面を下にしてバンドル材12bを巻回すると、交差点Cでフック部とループ部が係合する。したがって、バンドル材12a,12bを接着するための工程を新たに設けることなく、交差点Cにおいてバンドル材12a,12bを容易に接着することができる。
なお、面ファスナとして機能させるためには、バンドル材12の形状をテープ状とするのが望ましいが、糸状とした場合でも実現可能である。この場合、接触面は特定できないので、糸状バンドル材12の全面にフック部又はループ部を設けることとなる。
また例えば、表面に紫外線硬化型樹脂を塗布したものをバンドル材12a,12bとして使用する。バンドル材12a,12bを光ファイバ集合体11に巻回した後、接着する交差点Cに紫外線を照射することにより両者を容易に接着することができる。
テープ状のバンドル材12を用い、交差点Cで下側となるバンドル材(例えば12a)の一方の面(光ファイバ11a,11b・・と接触しない面)にだけ紫外線硬化型樹脂を塗布しておけば、バンドル材12aと光ファイバ111が接着することもない。なお、交差点Cにおいて樹脂が紫外線で硬化しやすいように、交差点Cで上側となるバンドル材(例えば12b)には透明の樹脂材料を用いるのが望ましい。
上述した3手法によれば、交差点Cにおいてバンドル材12a,12bを極めて簡単に接着することができる。
図3は、第1実施形態に係る光ファイバユニットを収容したスロット型光ファイバケーブルの概略構成を示す図である。
図3に示すように、光ファイバケーブル100は、長手方向に沿って一定の撚りピッチで螺旋状に延在する5条の収納溝102aを有するスロットロッド102を備えている。スロットロッド102のそれぞれの収納溝102aには、2本の光ファイバユニット1,1が収納溝102aに添わせるようにして収容されている。スロットロッド102の外周面には、光ファイバユニット1の脱落を防止するために押え糸(図示略)が巻回され、さらに押え巻きテープ103が縦添えで設けられている。そして、その外側がポリエチレンなどからなる外被(シース)104で被覆されている。また、スロットロッド102の中心には、例えば鋼線、鋼撚り線、又はガラス強化繊維などからなるテンションメンバ(抗張力体)105が配設されている。
第1実施形態の光ファイバユニット1は上述した構成を有しているので、バンドル材12a,12bが接着された交差点Cの間隔は一定に保持される。したがって、光ファイバケーブルの中間後分岐作業時に光ファイバ111が不用意に飛び出すのを効果的に防止できる。また、光ファイバユニット1の末端でバンドル材12a,12bがほどけて光ファイバ111がばらけることもないので、ユニットごとに容易に区別できる。
また、バンドル材12a,12bの接着された交差点C以外は柔軟に動くことができ、バンドルされた光ファイバ111は必要以上に拘束されない。したがって、バンドルされた光ファイバ111は曲げに柔軟に追従できる。
さらに、光ファイバ集合体11のサイズに寄らず、容易にユニット化することができるので、寸法制御やユニットサイズごとの使い分けが容易となる。
そして、光ファイバケーブル100に光ファイバユニット1を収容することで、中間後分岐の作業性を格段に向上できるとともに、曲げ応力により損失増加が増大するなどケーブル特性が劣化するのを防止できる。
[第2実施形態]
図4は、第2実施形態に係る光ファイバユニットの概略構成を示す図である。
図4に示すように、第2実施形態の光ファイバユニット2は、光ファイバ集合体21にバンドル材12を長手方向に螺旋状に巻回して構成されている。第2実施形態において、バンドル材12の構成及び巻き付け態様、並びに交差点Cの接着方法などは、第1実施形態と同様である。
第2実施形態では、光ファイバ集合体21が、4枚の光ファイバテープ心線(以下、テープ心線)211,211・・を積層して束ねた構成となっている。このテープ心線211は、5本の光ファイバを並列に配置して一括被覆したものである。
上述した構成を有する第2実施形態の光ファイバユニット2及びこの光ファイバユニット2を収容した光ファイバケーブル100においても第1実施形態と同様の効果が奏される。
[第3実施形態]
図5は、第3実施形態に係る光ファイバユニットの概略構成を示す図である。図5(a)に光ファイバユニットの全体、図5(b)にA−A断面、図5(c)に光ファイバテープ心線の連結態様を示している。
図5に示すように、第3実施形態の光ファイバユニット3は、光ファイバ集合体31にバンドル材12を長手方向に螺旋状に巻回して構成されている。第3実施形態において、バンドル材12の構成及び巻き付け態様、並びに交差点Cの接着方法などは、第1実施形態と同様である。
第3実施形態では、光ファイバ集合体31が、3本の光ファイバテープ心線(以下、テープ心線)311,311,311を束ねた構成となっている。図5(b)において連結線で結ばれた4本の光ファイバが1つのテープ心線311を構成する。このテープ心線311は、図5(c)に示すように、4本の光ファイバ311a,311a・・を並列に配置して、連結部材311bにより間欠的に連結したものである。連結部材311bは、例えば紫外線硬化性樹脂や熱硬化性樹脂などの公知の接着樹脂を所定のパターンで塗布し、硬化させることにより形成される。
上述した構成を有する第3実施形態の光ファイバユニット3及びこの光ファイバユニット3を収容した光ファイバケーブル100においても第1実施形態と同様の効果が奏される。
[第4実施形態]
図6は、第4実施形態に係る光ファイバユニットの概略構成を示す図である。
図6に示すように、第4実施形態の光ファイバユニット4は、光ファイバ集合体41にバンドル材42を長手方向に螺旋状に巻回して構成されている。
第4実施形態では、光ファイバ集合体41が、第1実施形態に示す光ファイバユニット(区別のためサブユニットと称する)1,1,・・で構成されている。また、バンドル材42は2本のテープ状のバンドル材42a,42bで構成され、これらは互いに逆方向に巻回されている。そして、バンドル材42a,42bが交差している交差点C1の一部又は全部において、バンドル材42a,42b同士が接着されている。
上述した構成を有する第4実施形態の光ファイバユニット4及びこの光ファイバユニット4を収容した光ファイバケーブル100においても第1実施形態と同様の効果が奏される。
なお、第4実施形態では、サブユニット1におけるバンドル材12a,12bの交差点Cと、光ファイバユニット4におけるバンドル材42a,42bの交差点C1の両方においてバンドル材12,42を接着してもよいし、一方においてバンドル材12又は42を接着するようにしてもよい。また、サブユニット1とのバンドル材12と光ファイバユニット4のバンドル材42の着色や形状、太さを変えることにより、識別性を良くすることができる。
また、サブユニット1の代わりに、第2実施形態の光ファイバユニット2又は第3実施形態の光ファイバユニット3を用いることもできる。さらには、光ファイバユニット4をサブユニットとしてユニット化する場合に本発明を適用することもできる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
上記実施形態では、バンドル材12又は42を2本で構成した場合について説明したが、本発明は3本以上のバンドル材で光ファイバ集合体を束ねる場合にも適用できる。この場合、いずれか2本のバンドル材が交差している交差点の一部又は全部で、バンドル材同士を接着すればよい。
また、2本のバンドル材が同一方向に異なるピッチで巻回されている場合にも交差点が形成されるので、このような交差点においてバンドル材同士を接着するようにしてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 光ファイバユニット
11 光ファイバ集合体
12 バンドル材
111 光ファイバ
C 交差点

Claims (5)

  1. 光ファイバの集合体を束ねて、複数のバンドル材を長手方向に螺旋状に巻回してなる光ファイバユニットにおいて、
    前記複数のバンドル材のいずれか2本が交差している交差点の一部又は全部で、バンドル材同士が接着されていることを特徴とする光ファイバユニット。
  2. 前記複数のバンドル材のうち少なくとも2本のバンドル材は互いに逆方向に巻回され、この逆方向に巻回されたバンドル材が交差している交差点の一部又は全部で、バンドル材同士が接着されていることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバユニット。
  3. 前記交差点の接着箇所の間隔は、10mm以上150mm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光ファイバユニット。
  4. 前記複数のバンドル材は、20mm以上500mm以下のピッチで巻回されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の光ファイバユニット。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の光ファイバユニットを収容したケーブルコアの外周を外被で被覆してなることを特徴とする光ファイバケーブル。
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