JP2002341205A - 光ファイバテープ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 多心の光ファイバテープを単心の光ファイバ
素子に通信されている状態で容易に分割する。多心の光
ファイバテープの単心分離を行った時及びハンドリング
作業を行った時の光伝送損失の変動を軽減する。 【解決手段】 複数本の光ファイバ素線が平面に並列に
配置され、隣接する光ファイバ素線が被覆層で結合され
てなる光ファイバテープにおいて、前記結合部の被覆層
の長手方向の結合力の強い被覆層と弱い結合被覆層が各
接合部で同位置に設けられているものである。また、前
記結合部の被覆層の長手方向に一定間隔で間欠的に結合
被覆層の結合力の強弱を与える構成からなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、通信媒体として用
いられる光ファイバテープに関し、特に、複数本の光フ
ァイバ素線が平面に並列に配置され、隣接する光ファイ
バ素線が被覆材料で結合されてなる光ファイバテープに
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、複数本の光ファイバ素線（心線）
を並列に配置して一括して被覆層を設けた光ファイバテ
ープが知られている。

【０００３】図４は、従来の光ファイバテープの一例の
構成を示す断面図である。図４に示すように、光ファイ
バ素線はコア及びクラッドからなる石英系光ファイバ１
とその外側の光ファイバ被覆層２からなる。ここで、光
ファイバ被覆層２は石英系光ファイバ１に機械的な衝撃
が加わらないようにする緩衝層をなしている。このよう
に構成される４本の光ファイバ素線は平面的に並列に配
置されて光ファイバテープ被覆層３’によって一体化さ
れている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、加入者まで
の通信回線の光化が進むようになり、多心の光ファイバ
テープを分岐し加入者に引き落とす必要がある。従来の
光ファイバ素線は着色層に剥離性の高い材料を用い、分
岐性を高めていた。しかしながら、従来の方法ではテー
プ心線から通信光が伝送されている光ファイバ単心線に
分離する場合に、光ファイバ単心に曲げやねじりが加わ
り伝送損失を増加や伝送データの欠損を与える場合があ
る。

【０００５】本発明の目的は、多心の光ファイバテープ
を単心の光ファイバ素線に通信されている状態でも容易
に分割することが可能な技術を提供することにある。

【０００６】本発明の他の目的は、多心の光ファイバテ
ープの単心分離を行った時及びハンドリング作業を行っ
た時の光伝送損失の変動を軽減することが可能な技術を
提供することにある。

【０００７】本発明の前記ならびにその他の目的と新規
な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らか
にする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記
のとおりである。

【０００９】第１の発明は、複数本の光ファイバ素線が
平面に並列に配置され、隣接する光ファイバ素線が被覆
層で結合されてなる光ファイバテープにおいて、前記結
合部の被覆層の長手方向の結合力の強い被覆層と弱い被
覆層が各接合部で同位置に設けられているものである。

【００１０】第１の発明によれば、前記結合部の被覆層
の長手方向の結合力の強い被覆層と弱い被覆層を各接合
部で同位置に設けることにより、隣接する光ファイバ素
線と光ファイバ素線の間の結合部において、結合力の弱
い部分に応力が与えられて分離され、その分離部を起点
として結合力が強い結合部分が分離されるので、光ファ
イバテープの複数の光ファイバ素線をそれぞれ別々の単
心の光ファイバ素線に通信された状態でも分離できる。

【００１１】第２の発明は、前記第１の発明の光ファイ
バテープにおいて、結合部の被覆層の長手方向に一定間
隔で間欠的に結合被覆層の結合力の強弱を与える構成か
らなる。

【００１２】第２の発明によれば、前記結合部の被覆層
の長手方向に一定間隔で間欠的に結合被覆層の結合力の
強弱を与える構成にすることにより、一定方向のみに結
合力の片寄りを与えると、分離が必要でない部分でも応
力が加わった時に分離してしまったり、長手方向の不均
一性により光ファイバ素線に極所的な曲げが与えられ損
失増加を与えるのを防止することができる。すなわち、
前記第１の発明の作用効果を奏するともに、その不都合
を解消することができる。

【００１３】第３の発明は、前記第２の発明の光ファイ
バテープにおいて、前記各隣接する光ファイバ素線の結
合部における結合被覆層の結合力の強弱の長手方向の位
置が一致している構成からなる。

【００１４】第４の発明は、前記第２の発明の光ファイ
バテープにおいて、前記各隣接する光ファイバ素線の結
合部における結合被覆層の結合力の強弱の長手方向の位
置が交互に異なる構成からなる。

【００１５】第５の発明は、前記第１乃至第４の発明の
うちいずれか１つの光ファイバテープにおいて、前記結
合部において結合力の強弱の被覆層の材料としては、紫
外線硬化樹脂に剥離材を混ぜたものを用いる。

【００１６】本発明の光ファイバテープを単心線光ファ
イバに分離する場合において、前記分割後の光ファイバ
素線(単心線)は、上下方向に肉厚である。すなわち、従
来の光ファイバ素線(単心線)の被覆層に外層がさらに設
けられたものである。

【００１７】以上説明したように、本願発明によれば、
隣接する光ファイバ素線の結合部において、長手方向の
結合被覆層の結合力に強弱を与えることにより、光ファ
イバ素線（単心）に通信されている状態でも容易に分割
できる。

【００１８】また、従来の構造で光ファイバ素線（単
心）分離を行った時及びハンドリング作業を行った時の
光伝送損失の変動を軽減できる。

【００１９】以下に、本発明について、本発明による実
施形態（実施例）とともに図面を参照して詳細に説明す
る。

【００２０】なお、本実施形態（実施例）を説明するた
めの全図において、同一機能を有するものは同一符号を
付け、その繰り返しの説明は省略する。

【００２１】

【発明の実施の形態】（実施例１）図１、本発明の実施
例１及び実施例２の光ファイバテープの概略構成を示す
斜視図、図２は正面図であり、１は石英系光ファイバ
（心線）、２は光ファイバ被覆層（保護用被覆層）、３
は光ファイバテープ、４は光ファイバ被覆外層（保護用
被覆層）、５は結合被覆層、５-１は結合力が強い結合
被覆層、５-２は結合力が弱い結合被覆層である。

【００２２】図１及び図２に示すように、本実施例１の
光ファイバテープ３は、前記４本の光ファイバ素線が平
面に並列に配置され、隣接する２本の光ファイバ素線の
光ファイバ被覆外層４の間には長手方向に結合力が異な
る結合被覆層５が設けられたものである。結合被覆層５
の長手方向の被覆の結合力の強い結合被覆層５-１と弱
い結合被覆層５-２がそれぞれ接合部で同位置に設けら
れている。

【００２３】前記光ファイバ素線は、コア及びクラッド
からなる石英系光ファイバ（心線）１とその外側の光フ
ァイバ被覆層２が設けられ、さらに光ファイバ被覆層２
の外側に光ファイバ被覆外層４が設けられている。ここ
で、光ファイバ被覆層２及び光ファイバ被覆外層４は石
英系光ファイバ１に機械的な衝撃が加わらないようにす
る緩衝層をなしている。前記光ファイバ被覆層２及び光
ファイバ被覆外層４としては、例えば、紫外線硬化樹脂
（ポリウレタン）を用いる。

【００２４】前記結合被覆層５の長手方向の結合力が異
なる材料、すなわち、光ファイバ素線間の結合被覆層５
の材料は、例えば、光ファイバを被覆している材料（保
護用被覆層２，４の材料）と同じ紫外線硬化樹脂に剥離
しやすい剥離材を混ぜたものを用いる。その紫外線硬化
樹脂に剥離しやすい剥離材を混ぜたものを用いることに
より結合力の大小をつけることが可能になる。

【００２５】前記隣接する２本の光ファイバ素線の光フ
ァイバ被覆外層４の間に、上下方向に結合力が異なる結
合被覆層５の被覆の結合力の強い結合被覆層５-１と弱
い結合被覆層５-２が長手方向で結合力が異なるように
配置されることにより、隣接する光ファイバ素線と光フ
ァイバ素線の間の結合部において、被覆の結合力が弱い
結合被覆層５-２の部分に応力が与えられて分離され、
その分離部を起点として被覆の結合力の強い結合被覆層
５-１が分離されるので、光ファイバテープ３の複数の
光ファイバ素線をそれぞれ別々の単心の光ファイバ素線
に通信された状態でも分離できる。

【００２６】（実施例２）本実施例２は、図３に示すよ
うに、前記４本の光ファイバ素線が平面に並列に配置さ
れ、隣接する２本の光ファイバ素線の光ファイバ被覆外
層４の間には長手方向に結合力が異なる被覆の結合力の
強い結合被覆層５-１と弱い結合被覆層５-２の一対の組
み合わせが光ファイバテープ３の幅方向に異なるように
設けられる。つまり、前記結合被覆層５の長手方向の結
合力が前記各光ファイバ素線間で交互に入れ変わった構
成になるように配置されている。そして、長手方向に対
して結合力の強弱の組み合せを反転を繰り返すことによ
り、光ファイバ素線どうしの結合力の均一性を保つこと
ができる。

【００２７】前記光ファイバテープ３の幅方向及び長手
方向に被覆の結合力の強い結合被覆層５-１と弱い結合
被覆層５-２とを各光ファイバ素線間で交互に配置する
ように設けるのが好ましい。

【００２８】このように交互に配置することにより、光
ファイバ素線どうしの結合力のさらに均一性を保持する
ことができる。

【００２９】なお、前記被覆の結合力の強い結合被覆層
５−１と弱い結合被覆層５−２の組み合せは、本発明の
目的を達成するものであれば、どのような組み合せであ
ってもよい。

【００３０】以上、本発明者によってなされた発明を、
前記実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は、前
記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱し
ない範囲において種々変更可能であることは勿論であ
る。

【００３１】

【発明の効果】本願において開示される発明によって得
られる効果を簡潔に説明すれば、下記のとおりである。
本発明によれば、隣接する光ファイバ素線の結合部にお
いて、結合力の強弱を与えることにより、光ファイバ素
線（単心）に通信されている状態でも容易に分割でき
る。また、従来の構造で光ファイバ素線（単心）分離を
行った時及びハンドリング作業を行った時の光伝送損失
の変動を軽減できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例１の光ファイバテープの概略構
成を示す斜視図である。

【図２】図１の正面図である。

【図３】本発明の実施例１の光ファイバテープの概略構
成を示す斜視図である。

【図４】従来の光ファイバテープの概略構成を示す断面
図である。

【符号の説明】

１…石英系光ファイバ ２…光ファイバ被
覆層 ３…光ファイバテープ ３’…光ファイバ
テープ被覆層 ４…光ファイバ被覆外層 ５…結合被覆層 ５−１…結合力の強い結合被覆層 ５−２…結合力の
弱い結合被覆層

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数本の光ファイバ素線が平面に並列に
   配置され、隣接する光ファイバ素線が被覆層で結合され
   てなる光ファイバテープにおいて、前記結合部の被覆層
   の長手方向の結合力の強い被覆層と弱い被覆層が各接合
   部で同位置に設けられていることを特徴とする光ファイ
   バテープ。
2. 【請求項２】 前記結合部の被覆層の長手方向に一定間
   隔で間欠的に結合被覆層の結合力の強弱を与える構成か
   らなることを特徴とする請求項１に記載の光ファイバテ
   ープ。
3. 【請求項３】 前記各隣接する光ファイバ素線の結合部
   における結合被覆層の結合力の強弱の長手方向の位置が
   一致している構成からなることを特徴とする請求項２に
   記載の光ファイバテープ。
4. 【請求項４】 前記各隣接する光ファイバ素線の結合部
   における結合被覆層の結合力の強弱の長手方向の位置が
   交互に異なる構成からなることを特徴とする請求項２に
   記載の光ファイバテープ。
5. 【請求項５】 前記結合部において結合力の強弱の被覆
   層の材料としては、紫外線硬化樹脂に剥離材を混ぜたも
   のを用いることを特徴とする請求項１乃至請求項４のう
   ちいずれか１項に記載の光ファイバテープ。