JP2013101174A - 光ファイバケーブル及びその製造方法 - Google Patents

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【課題】結束部材で複数本の光ファイバ心線を束ねる作業を簡単に行えると共に中間分岐作業時に特定の光ファイバ心線を光ファイバユニットから容易に取り出すことのできる光ファイバーケーブルを提供する。
【解決手段】本発明の光ファイバケーブル1では、複数本の光ファイバ心線5を束ねた2本の結束部材6A、6Bの融点をBmp、外被4で光ファイバユニット2を被覆する押出成形時の外被樹脂温度をPt、押え巻きテープ3の融点をRmpとした場合に、Bmp<Pt<Rmpなる関係を有し、かつ、光ファイバユニット2の占有面積がケーブル内空隙面積の30%以上60%以下としている。こうすることで、外被4の押出成形時の熱で結束部材6A、6Bの交点が熱融着されて接合され、また、結束部材6A、6Bが押え巻きテープ3と熱融着するのを防止する。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数本の光ファイバ心線を結束部材で束ねた光ファイバユニットを外被で被覆してなる光ファイバケーブル及びその製造方法に関する。
例えば、特許文献1には、通信ケーブルの通信線を複数本寄り合わせた後に粗巻テープを螺旋状に巻き、さらにその粗巻テープの上から粘着テープを縦添えしたユニットを形成し、該ユニットにテープを巻いて外被で被覆した通信用ケーブルが開示されている。
特許文献2には、光ファイバケーブル等に収納されたユニットの粗巻き糸またはテープを一定周期で180度反転させて、その交点部で絡ませるようにした構造が開示されている。
特開平3−192610号公報 特開平8−180744号公報
しかしながら、特許文献1では、粘着テープによってしっかりと複数本の通信線が固定されているため、特定の通信線を取り出し難い。同じく、特許文献2では、一定周期で反転する粗巻き糸またはテープの交点部を絡めてあるので、やはり中間分岐作業がし難い。
また、特許文献1では、粘着テープを使用するため、その取り扱いが面倒であり、粘着力が強すぎると剥がれ難くなる。また、特許文献2では、2本の粗巻き糸またはテープを絡める作業が必要であるので、その作業が繁雑で面倒である。
そこで、本発明は、結束部材で複数本の光ファイバ心線を束ねる作業を簡単に行えると共に中間分岐作業時に特定の光ファイバ心線を光ファイバユニットから容易に取り出すことのできる光ファイバーケーブル及びその製造方法を提供することを目的とする。
第1の発明は、複数本の光ファイバ心線を少なくとも2本以上の結束部材で束ねた光ファイバユニットを、押え巻きテープを介して外被で被覆してなる光ファイバケーブルにおいて、少なくとも1本の結束部材は、複数本纏めた光ファイバ心線の心線束の周面に螺旋状にその長手方向に沿って巻き付けられ、他の結束部材は、同じく螺旋状にその長手方向に沿って巻き付けられるか或いは心線束の長手方向に沿って直線的に縦添えされることにより、それら結束部材が交差する交点で、該結束部材同士が接着された構造とされており、前記結束部材の融点をBmp、前記外被で前記光ファイバユニットを被覆する押出成形時の外被樹脂温度をPt、押え巻きテープの融点をRmpとした場合に、Bmp<Pt<Rmpなる関係を有し、かつ、光ファイバユニットの占有面積がケーブル内空隙面積の30%以上60%以下であることを特徴としている。
第2の発明は、第1の発明の光ファイバケーブルであって、前記結束部材が交差する交点は、外被被覆時の熱で熱融着されていることを特徴としている。
第3の発明は、第1の光ファイバケーブルの製造方法であって、前記光ファイバユニットを、押出成形によって前記外被で被覆するときの外被樹脂温度による熱で、前記結束部材が交差する交点を熱融着させて接着させることを特徴としている。
本発明の光ファイバケーブルによれば、外被で光ファイバユニットを被覆する押出成形時の外被樹脂温度Ptを、結束部材の融点Bmpよりも高く、押え巻きテープの融点Rmpよりも低く(Bmp<Pt<Rmpなる関係)したことで、外被の押出成形時の熱で結束部材の交点が熱融着されて接着(接合)され、また、結束部材が押え巻きテープと熱融着することを防止できる。
また、本発明の光ファイバケーブルによれば、光ファイバユニットの占有面積をケーブル内空隙面積の30%以上60%以下としたので、結束部材が押え巻きテープを介して外被の内壁面と外被被覆時に接し易くなり、外被被覆時の熱で結束部材の交点が熱融着され、また、光ファイバケーブルの温度変化に伴う収縮時においても光ファイバ心線がケーブルの空隙内で伝送損失の劣化が生じるような曲がりの発生無く伝送損失変動を抑制することができる。これらの効果により、本発明によれば、結束部材で複数本の光ファイバ心線を束ねる作業を簡単に行えると共に、中間分岐作業時に特定の光ファイバ心線を光ファイバユニットから容易に取り出すことができる。
図1は本実施形態の光ファイバケーブルの断面図である。 図2(A)は光ファイバユニットの一例を示す側面図、図2(B)は結束部材が交差する部位において光ファイバ心線を省略して示した要部拡大図である。 図3は図2に示す光ファイバユニットの拡大断面図である。 図4は光ファイバ心線の拡大断面図である。 図5は図2で使用した結束部材の拡大断面図である。 図6は複数本を纏めて平糸としたものを結束部材に使用する例を示した断面図である。 図7は光ファイバケーブルの製造工程図である。 図8は複数本の心線束を同一の外被で被覆して製造する光ファイバケーブルの製造工程のうち、結束部材巻き付け工程を示す図である。
以下、本発明を適用した具体的な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
本実施形態の光ファイバケーブル1は、図1に示すように、光ファイバユニット2を、押え巻きテープ3を介して外被4で被覆した構造とされている。
光ファイバユニット2は、図2及び図3に示すように、複数本の光ファイバ心線5を少なくとも2本以上の結束部材6(6A、6B)で束ねることで、各光ファイバ心線5がばらけないように1束化した構造となっている。なお、図1〜図3では、光ファイバ心線5の数は同じでは無いが、図2及び図3ではその構造を判りやすくするために敢えてその数を変えてあるが、実際には光ファイバ心線5の数は同一の数となっている。
光ファイバ心線5は、例えば図4に示すように、中心に設けられる石英ガラスファイバ7と、その石英ガラスファイバ7の周囲に紫外線硬化型樹脂及び着色層を被覆して形成される着色光ファイバ素線8及び着色補強層9からなる。
この例では、図4に示す構造の光ファイバ心線を例に挙げたが、着色光ファイバ素線や着色光ファイバ素線を複数本並べて紫外線硬化型樹脂で一括被覆した光ファイバテープ心線、互いに隣接する光ファイバ素線間を間欠的に固定した光ファイバテープ心線も、本発明の光ファイバ心線に含むとする。
前記結束部材6は、図5に示すように、中心部に設けられる融点の高い高融点材料からなるコア部6aと、このコア部6aを覆って設けられ前記高融点材料よりも融点が低い低融点材料からなる外被部6bとを有した二重構造とされている。かかる結束部材6は、加熱されることで接着性を発現するが、加熱されない状態では接着性は発現されない特性を有している。また、結束部材6は、図5の例では断面形状を円形とした紐形状とされている。もちろん、結束部材6の形状は、図5の円形に限定されない。結束部材6は、1本で使用しても良いし、或いは、図6(a)、(b)のように複数本を纏めて平糸としたものを結束部材6として使用することもできる。図6(a)は、結束部材6の複数本を適当に平糸となるように纏めた例であり、図6(b)は、結束部材6の複数本を整列して平糸とした例である。
前記高融点材料と低融点材料の融点の差としては、少なくとも20℃程度以上あることが好ましい。高融点材料の融点は、具体的には160℃程度が好ましく、低融点材料の融点は、具体的には120℃〜130℃程度が好ましい。また、外被部6bに使用される低融点材料には、加熱して溶けても光ファイバ心線5と接着しないか或いは接着してもその接着力が低く、しかも光ファイバ心線5の外被層(着色補強層9)を劣化させないことが要求される。
高融点材料及び低融点材料には、例えばポリアミド、PET(ポリエチレンテレフタレート)等の高融点樹脂、またはポリプロピレン繊維、ポリアミド繊維(登録商標であるナイロン、アラミド等)、ポリエステル繊維(PET繊維等)等の高融点繊維、またはPET、ポリプロピレン等の高融点テープ或いはフィルムに対して加熱・冷却により軟化・固化を可逆的に繰り返すことが可能な熱可塑性樹脂、例えばEVA(エチレン酢酸ビニルコポリマー)、EEA(エチレンエチルアクリレートコポリマー)のような低融点のもの、または熱可塑性樹脂やゴムをベースとし、加熱・冷却により軟化・固化を可逆的に繰り返すことが可能な、いわゆる加熱融解型(ホットメルト)の接着剤で覆ったもの等が使用できる。この他、LDPE(低密度ポリエチレン)、LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)、HDPE(高密度ポリエチレン)、ポリプロピレン、および、これらのコポリマー等も使用できる。融点の差は、前記材料の組成によって高融点、低融点とされる。
前記結束部材6は、図2では2本用いられており、複数本纏めた光ファイバ心線5の周囲に互いに巻き付け方向を逆向きとして螺旋状にその長手方向に沿って所定ピッチで巻き付けられている。例えば、一方の結束部材6Aは、円形状となるように纏めた数本の光ファイバ心線5の心線束5Aに対して時計回り方向に巻き付けて螺旋状となるようにその長手方向に沿って巻いてある。
これに対して、他方の結束部材6Bは、一方の結束部材6Aの巻き付け方向とは逆向きである反時計回り方向に巻き付けて螺旋状となるようにその長手方向に沿って巻いてある。これら2本の結束部材6A、6Bの巻き付け方向を互いに逆向きとして心線束5Aに巻き付けることで、図2に示すように、互いの結束部材6A、6Bが交差する交点部分が光ファイバ心線5の長手方向に複数形成される。
なお、この2本の結束部材6は、一方の結束部材6Aが螺旋状にその長手方向に沿って巻かれると共に、他方の結束部材6Bが光ファイバ心線5の心線束の長手方向に沿って直線的に縦添えされていてもよい。
前記結束部材6A、6Bの巻き付けピッチPは、例えば、何れも80mm〜200mmとすることが望ましい。結束部材6A、6Bの巻き付けピッチPが80mm未満であると、これら結束部材6A、6B相互の交点間隔が短すぎることにより中間分岐作業時の心線対照の際に、心線対照機で特定の光ファイバ心線を挟み込む際に光ファイバに曲げを加え、伝送損失変動を与える可能性がある。心線対照作業とは、任意の1本の光ファイバ心線を特定する作業であり、光線路の端末等から特定の波長の光を入射し、中間分岐地点で心線対照機で光ファイバ心線を挟み込み、光を検出する作業である。この一方、結束部材6A、6Bの巻き付けピッチPが200mmを越えると、これら結束部材6A、6Bの交点間隔が広すぎることにより、光ファイバ心線5の一束化性(まとまり)が悪くなるため視認性が劣り、作業性が悪くなったり、最悪の場合、誤って異なる光ファイバ心線5を切断してしまう可能性がある。したがって、結束部材6A、6Bの巻き付けピッチPは、前記範囲が好ましい。
また、結束部材6A、6Bは、複数本の光ファイバ心線5を束ねた光ファイバユニット2の複数個を同一のケーブル内に収納した場合に、複数あるうちのどの光ファイバユニットに属するものであるかを識別するために着色されている。例えば、同一のケーブルに3本の光ファイバユニット2が収納されている光ファイバーケーブルでは、ある一つの光ファイバユニット2の結束部材6の色を黄色、他の光ファイバユニット2の結束部材6の色を青色、残りの結束部材6の色を緑色として、これら3本の光ファイバユニット2を識別する。
2本の結束部材6A、6Bの交点Tは、外被4で光ファイバユニット2を被覆する外被被覆時の熱で熱融着して、当該結束部材6A、6B同士が接着されている。接着強度は、強固なものではなく、光ファイバ心線5を引っ掛けた際、光ファイバ心線5への損傷及びその伝送特性に影響を与えることのない程度の強度であることが望ましい。こうすることで、中間分岐作業時において複数本あるうちの特定の光ファイバ心線5を取り出す際に、結束部材6A、6Bを切断することなく接着部を手で外して取り出し部位を広げることが可能となる。なお、2本の結束部材6A、6Bは、中間分岐作業で光ファイバ心線5を取り出した後に、ヒーターによる熱を加えることで再度接着可能である。
押え巻きテープ3は、光ファイバケーブル1の端末部から口出しする時あるいは中間分岐作業時に、ケーブル内から光ファイバ心線5を取り出し易くするために、光ファイバユニット2が外被4に対して接着しないように設けられる。かかる押え巻きテープ3は、光ファイバユニット2をその外側から包み込むようにしてケーブル長手方向に縦添え、もしくは横巻きされている。
外被4は、光ファイバユニット2を内部に収容するように被覆している。外被4には、光ファイバケーブル1の中心を通る線上に、前記光ファイバユニット2を挟んでその両側にケーブル曲げ方向を規制する抗張力体9、9が設けられている。また、外被4には、光ファイバユニット1の中心を通る線上であって2本の抗張力体9、9を結ぶ線と直交する線上に、前記光ファイバユニット2を挟んでその両側に引き裂き紐15、15が設けられている。かかる外被4は、光ファイバユニット2に対して押え巻きテープ3を介在させながら押出成形することで、該光ファイバユニット2をその内部に収容するようにして被覆する。
そして、本実施形態の光ファイバケーブル1では、結束部材6の融点をBmp、外被4で光ファイバユニット2を被覆する押出成形時の外被樹脂温度をPt、押え巻きテープ3の融点をRmpとした場合に、Bmp<Pt<Rmpなる関係を有し、かつ、光ファイバユニット2の占有面積がケーブル内空隙面積の30%以上60%以下としている。ケーブル内空隙面積は、光ファイバケーブル1の長手方向に対して垂直な断面において外被4の中心に形成される内部空間10の断面積から押え巻きテープ3の断面積を引いた面積と定義する。
前記条件とすることで、外被4を押出成形した際に結束部材6の交点部が押え巻きテープ3を介して外被4と接触し、その外被被覆時の熱で前記結束部材6の交点Tが熱融着されて接着され、かつ、押え巻きテープ3は外被4と熱融着されることなく非接合状態となる。
前記条件を満たさない場合、例えばBmp>Ptである場合は、結束部材6は外被被覆時の熱で融着されない。また、Pt>Rmpである場合は、押え巻きテープ3が溶融し、外被4と押え巻きテープ3とが接着してしまうため、ケーブル廃棄時に分別が困難となりリサイクル性が損なわれてしまう。結束部材6の交点Tを外被被覆時の熱で熱融着させて接着させ、かつ、押え巻きテープ3を溶融させないようにするためには、Bmp<Pt<Rmpなる条件が必要となる。
また、光ファイバユニット2の占有面積がケーブル内空隙面積の30%未満であると、内部空間10に対して光ファイバユニット2の占有面積が小さすぎて、結束部材6の交点Tが押え巻きテープ3を介して外被4の内壁面に接触し難くなり、外被被覆時の熱で結束部材6が熱融着しない。逆に、光ファイバユニット2の占有面積がケーブル内空隙面積の60%を超えると、光ファイバユニット2の占める割合が大きすぎてケーブルの温度変化時に対する収縮時に光ファイバ心線5が蛇行できるクリアランスが小さくなり、光ファイバ心線5が小径に曲げられて伝送特性が悪化する。結束部材6の交点Tを外被被覆時の熱で熱融着させて接着させ、かつ、内部空間10で光ファイバ心線5が曲がりによる伝送損失が発生しない範囲で蛇行できるようにして伝送損失変動を抑制できるようにするためには、光ファイバユニット2の占有面積がケーブル内空隙面積の30%以上60%以下なる条件が必要となる。
前記光ファイバユニット2の占有面積がケーブル内空隙面積の30%以上60%以下が望ましいのは、以下の実験結果に基く。次の条件の下に試作ケーブルを作成した。試作ケーブルは、光ファイバユニットを1ユニットとし、その光ファイバユニットを結束部材(融点Bmpが125℃)で一束化し、その上に押え巻きテープ(0.25mm厚のポリエステルテープ、融点Rmpが258℃)を施し、外被(直鎖状低密度ポリエチレン、融点Ptが124℃)に抗張力体(φ0.7mmの鋼線)を実装し、外被樹脂温度Ptを155℃として押出成形して外径(直径)7.5mmの光ファイバケーブルを製造した。なお、ケーブル内空隙面積は一定とし、これに対する光ファイバユニットの占める割合は、光ファイバ心線数を増減することで調整した。結果を表1に示す。
Figure 2013101174
評価に際しては、光ファイバユニット上の結束部材の交点の接着性については、接着されていない場合、架空布設時の中間分岐や端末分岐時に光ファイバ心線の各々がばらけてしまい、作業性が悪化する懸念がある。このことから、試作ケーブルの端末から内部の光ファイバユニットを10m口出しし、交点の9割以上が接着している場合を○、9割未満である場合は×とした。
ケーブル伝送特性については、空隙中の光ファイバユニットが占める割合が大きすぎると、ケーブルの温度変化時に対する収縮時に光ファイバ心線が曲がりによる伝送損失が発生しない範囲で蛇行できるクリアランスが小さく、光ファイバ心線が小径に曲げられて伝送特性が悪化することが懸念される。そこで、光ファイバケーブルをドラムに巻き付けて−30℃の部屋に12時間入れた後に伝送損失を測定し、続いて+70℃の部屋に12時間入れて伝送損失を測定することを3サイクル繰り返して行い(ヒートサイクル)、伝送損失変動が初期から0.15dB/km未満である場合を○、0.15dB/km以上である場合を×とした。
この結果、光ファイバユニットの占有面積がケーブル内空隙面積の30%以上60%以下の場合に、結束部材の交点での接着性が良好で、かつ、ケーブル伝送特性も損なわないことが確認された。
次に、本実施形態の光ファイバケーブルの製造方法について説明する。前記した光ファイバケーブル1を製造するには、図7に示すように、複数本纏めた光ファイバ心線5の心線束5Aを、同図中矢印Xで示す方向に走行させる。光ファイバ心線5には、図4に示す構造の光ファイバ心線を使用した。
そして、前記心線束5Aに対して2本の結束部材6A、6Bを巻き付ける。結束部材6A、6Bは、心線束5Aの走行経路途中に設けたリング形状の口金11A、11Bの中心孔12を通すことで、前記心線束5Aの長手方向に沿う。前記中心孔12は、心線束5Aの直径よりも若干大きな円形孔として形成されている。一方の結束部材6Aは、図7中矢印M1で示すように前記心線束5Aを中心に時計回り方向或いは反時計回り方向に回転させて前記口金11Aの中心孔12に通して、前記心線束5Aに対して螺旋状に巻き付ける。他方の結束部材6Bは、図7中矢印M2で示すように前記心線束5Aを中心に前記結束部材6Aと反対方向に回転させて同じく前記口金11Bの中心孔12に通して、前記心線束5Aに対して螺旋状に巻き付ける。なお、2本の結束部材6A、6Bは、それぞれの紙管16A、16Bから繰り出され、それぞれの口金11A、11Bに供給される。
次に、2本の結束部材6A、6Bで一束化された心線束5Aに対して押え巻き治具13にて押え巻きテープ3を、前記心線束5Aの周面に巻き付けて縦添えする。そして、2本の抗張力体9、9及び引き裂き紐15、15と共に外被4を押出成型機14にて押し出し、一束化された心線束5Aを被覆することで光ファイバケーブル1を製造する。
外被4の押し出し時には、外被被覆時の外被樹脂温度による熱で、2本の結束部材6A、6Bの交差する交点が熱融着して接合される。このため、心線束5Aは、外被4で被覆されたケーブル内で結束部材6A、6Bが解けてばらけることが防止される。
本実施形態の光ファイバケーブルの製造方法では、押出成形によって外被4を被覆するときの外被樹脂温度による熱で、結束部材6A、6Bが交差する交点Tを熱融着させて接着するので、前記交点Tを外被4で被覆する前工程で事前加熱する必要が無く、外被被覆時に同時に行えることから製造コストを抑えることができる。そして、このようにして製造された光ファイバケーブル1によれば、架空布設後の接続作業等において、クロージャ等への余長取り回しなどの観点から、ユニット化され包縛されていることで作業性が飛躍的に向上する。
また、以上のようにして製造された光ファイバケーブル1を、ケーブル端末部から口出しして特定の光ファイバ心線5を取り出すケーブル端末作業と、ケーブル途中から外被4を剥ぎ取って特定の光ファイバ心線5を取り出す中間分岐作業を行った場合、何れの場合も心線束5Aがばらけることなく特定の光ファイバ心線5を取り出すことができる。
なお、図7の例では、1本の心線束5Aを外被4で被覆して光ファイバケーブル1を製造する例であるが、図8に示すように複数本(この例では4本)の心線束5Aを同一の外被4で被覆して光ファイバケーブル1を製造する場合は、複数本の心線束5Aを並列させてそれぞれの心線束5Aにそれぞれの口金11A、11Bで結束部材6A、6Bを巻き付けるようにする。
本発明は、複数本の光ファイバ心線を結束部材で束ねた光ファイバユニットを外被で被覆してなる光ファイバケーブルに利用することができる。
1 光ファイバケーブル
2 光ファイバユニット
3 押え巻きテープ
4 外被
5 光ファイバ心線
6(6A、6B) 結束部材
10 内部空間

Claims (3)

  1. 複数本の光ファイバ心線を少なくとも2本以上の結束部材で束ねた光ファイバユニットを、押え巻きテープを介して外被で被覆してなる光ファイバケーブルにおいて、
    少なくとも1本の結束部材は、複数本纏めた光ファイバ心線の心線束の周面に螺旋状にその長手方向に沿って巻き付けられ、他の結束部材は、同じく螺旋状にその長手方向に沿って巻き付けられるか或いは心線束の長手方向に沿って直線的に縦添えされることにより、それら結束部材が交差する交点で、該結束部材同士が接着された構造とされており、
    前記結束部材の融点をBmp、前記外被で前記光ファイバユニットを被覆する押出成形時の外被樹脂温度をPt、押え巻きテープの融点をRmpとした場合に、Bmp<Pt<Rmpなる関係を有し、かつ、光ファイバユニットの占有面積がケーブル内空隙面積の30%以上60%以下である
    ことを特徴とする光ファイバケーブル。
  2. 請求項1に記載の光ファイバケーブルであって、
    前記結束部材が交差する交点は、外被被覆時の熱で熱融着されている
    ことを特徴とする光ファイバケーブル。
  3. 請求項1に記載の光ファイバケーブルの製造方法であって、
    前記光ファイバユニットを、押出成形によって前記外被で被覆するときの外被樹脂温度による熱で、前記結束部材が交差する交点を熱融着させて接着させる
    ことを特徴とする光ファイバケーブルの製造方法。
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