JP2016218402A - 光ファイバユニット及び光ファイバケーブル - Google Patents

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Abstract

【課題】バンドル材を光ファイバ束の周囲にSZ状に巻き付けた場合に、バンドル材の巻き付け方向の反転箇所での接合に不良があっても、光ファイバを束られる光ファイバユニットを提供する。
【解決手段】複数の光ファイバを束ねた光ファイバ束6と、複数のバンドル材10とを備えた光ファイバユニット2である。バンドル材10は、光ファイバ束6の外周上で、巻き付き方向を交互に反転させながら、光ファイバ束6の長手方向に沿って巻き付けられているとともに、巻き付き方向の反転箇所において、別のバンドル材10と接合点15で接合されている。反転箇所で接合されるべき一対のバンドル材10A、10Dによって囲まれる領域の中に、別の一対のバンドル材10B、10Cの反転箇所における接合点15BCが存在する。
【選択図】図1

Description

本発明は、光ファイバユニット及び光ファイバケーブルに関する。
複数本の光ファイバを束ねた光ファイバの集合体を光ファイバユニットとして、光ファイバケーブルを構成する技術が知られている。その際、光ファイバの束に粗巻き糸(バンドル材)を巻きつけることにより、光ファイバの束がばらばらになることを抑制しつつ、バンドル材の色によって光ファイバユニットを識別する方法が一般的である。
このようなバンドル材に関連して、特許文献1には、光ファイバの束に対して複数のバンドル材を螺旋状に巻きつけて、バンドル材同士を互いに接合することにより光ファイバの束を結束する技術が開示されている。また、特許文献2(特に特許文献2の図7)には、複数本の光ファイバの束の周囲を2本のバンドル材で束ねるとともに、2本のバンドル材をSZ状に巻き付けて、巻き付け方向の反転箇所において2本のバンドル材を接着固定する技術が開示されている。
特開2011−169939号公報 特開2012−88454号公報
特許文献1では、光ファイバの束の周上に複数のバンドル材を螺旋状に巻き付け、バンドル材同士の交差点で互いに接合しているため、特定の光ファイバを取り出す中間分岐作業においてバンドル材同士の接合箇所を解く必要が生じる。その場合、バンドル材を螺旋状に手繰る必要があるため、光ファイバを取り出す作業に手間がかかり、また、手繰る作業において光ファイバに指が引っかかるなどにより光ファイバの断線を生じさせるおそれがあった。
これに対し、特許文献2のように2本のバンドル材を複数の光ファイバの束の周囲にSZ状に巻き付けた場合には、光ファイバを取り出す際の作業性が向上するという利点がある。但し、バンドル材の巻き付け方向の反転箇所での接合に不良があると、光ファイバを束ねられない状態になってしまう。
本発明は、バンドル材の巻き付け方向の反転箇所の接合に不良があっても、光ファイバの束を保持可能にすることを目的とする。
上記目的を達成するための主たる発明は、複数の光ファイバを束ねた光ファイバ束と、複数のバンドル材とを備え、前記バンドル材は、前記光ファイバ束の外周上で、巻き付き方向を交互に反転させながら、前記光ファイバ束の長手方向に沿って巻き付けられているとともに、巻き付き方向の反転箇所において、別のバンドル材と接合されており、前記反転箇所で接合されるべき一対の前記バンドル材によって囲まれる領域の中に、別の一対の前記バンドル材の前記反転箇所における接合点が存在することを特徴とする光ファイバユニットである。
本発明の他の特徴については、後述する明細書及び図面の記載により明らかにする。
本発明によれば、バンドル材の巻き付け方向の反転箇所の接合に不良があっても、光ファイバの束を保持可能である。
図1Aは、光ファイバユニット2を有する光ファイバケーブル1の断面図である。図1Bは、第1実施形態の光ファイバユニット2の斜視図である。 図2は、間欠固定型の光ファイバテープ7の説明図である。 図3は、バンドル材10の断面構造について説明する図である。 図4は、バンドル材10の巻き付け方を説明するための説明図である。 図5Aは、バンドル材10の巻き付け方を説明するためのバンドル材10の展開図である。図5Bは、変形例における接合点を説明するための展開図である。 図6Aは、本実施形態の反転箇所で接合される一対のバンドル材10によって囲まれる領域を示している。図6Bは、接合点15ADに不良があるときのバンドル材10の展開図である。 図7は、光ファイバユニット2の製造装置20の概要説明図である。 図8Aは、回転部材40に設けられたバンドル材通過部41(第1バンドル材通過部41A及び第2バンドル材通過部41B)の入口付近の斜視図である。図8Bは、バンドル材通過部41の出口付近の斜視図である。 図9A〜図9Eは、第1回転部材40A及び第2回転部材40Bの移動範囲の説明図である。 図10は、第2実施形態のバンドル材10の展開図である。 図11は、第3実施形態のバンドル材10の展開図である。 図12Aは、比較例の光ファイバユニット2の斜視図である。図12Bは、比較例のバンドル材10の巻き付け方を説明するためのバンドル材10の展開図である。図12Cは、比較例において接合点15に不良があるときのバンドル材の展開図である。
後述する明細書及び図面の記載から、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
複数の光ファイバを束ねた光ファイバ束と、複数のバンドル材とを備え、前記バンドル材は、前記光ファイバ束の外周上で、巻き付き方向を交互に反転させながら、前記光ファイバ束の長手方向に沿って巻き付けられているとともに、巻き付き方向の反転箇所において、別のバンドル材と接合されており、前記反転箇所で接合されるべき一対の前記バンドル材によって囲まれる領域の中に、別の一対の前記バンドル材の前記反転箇所における接合点が存在することを特徴とする光ファイバユニットが明らかとなる。このような光ファイバユニットによれば、バンドル材の巻き付け方向の反転箇所の接合に不良があっても、光ファイバの束を保持可能である。
或る一対の前記バンドル材が前記光ファイバ束の全周に巻き付けられているとともに、別の一対の前記バンドル材が前記光ファイバ束の全周に巻き付けられていることが望ましい。これにより、一方の一対のバンドル材の接合点が連続的に不良になった場合でも、他方の一対のバンドル材によって光ファイバの束を保持できる。
バンドル材は、前記反転箇所において前記別のバンドル材と接合されるとともに、前記別のバンドル材とは異なるバンドル材との交点において接合されていることが望ましい。これにより、バンドル材同士の接合が強固になる。
或る一対の前記バンドル材の前記反転箇所における接合点と、その接合点で接合された一対の前記バンドル材によって囲まれる領域の中の別の前記一対のバンドル材の前記反転箇所における接合点とが、前記光ファイバ束の長手方向に沿って配置されていることが望ましい。これにより、接合点の分離作業が行いやすくなる。
前記領域の中に、別の一対の前記バンドル材の前記反転箇所における接合点が複数存在することが望ましい。これにより、バンドル材同士の接合が強固になる。
複数の光ファイバユニットと、複数の前記光ファイバユニットを被覆する外被とを備えた光ファイバケーブルであって、前記光ファイバユニットは、複数の光ファイバを束ねた光ファイバ束と、複数のバンドル材とを備え、前記バンドル材は、前記光ファイバ束の外周上で、巻き付き方向を交互に反転させながら、前記光ファイバ束の長手方向に沿って巻き付けられているとともに、巻き付き方向の反転箇所において、別のバンドル材と接合されており、前記反転箇所で接合されるべき一対の前記バンドル材によって囲まれる領域の中に、別の一対の前記バンドル材の前記反転箇所における接合点が存在することが望ましい。これにより、バンドル材の巻き付け方向の反転箇所の接合に不良があっても、光ファイバの束を保持可能である。
===第1実施形態===
<光ファイバユニット2等の構成>
図1Aは、光ファイバユニット2を有する光ファイバケーブル1の断面図である。光ファイバケーブル1は、複数の光ファイバユニット2と、外被3とを有する。光ファイバユニット2は、複数の光ファイバ8をバンドル材10で束ねた構造である。光ファイバユニット2の詳しい構造については、後述する。ここでは、光ファイバケーブル1は、3本の光ファイバユニット2を有する。3本の光ファイバユニット2は押え巻きテープ5によって覆われており、その外側を外被3で被覆されている。外被3には、テンションメンバ4Aやリップコード4Bが埋設されている。
図1Bは、第1実施形態の光ファイバユニット2の斜視図である。光ファイバユニット2は、複数の光ファイバ8の束(光ファイバ束6)をバンドル材10で束ねた構造である。バンドル材10は、光ファイバ束6の外周上に巻き付けられており、これにより複数の光ファイバ8が束ねられてバラバラにならないようになっている。ここでは、光ファイバ束6は、複数枚の間欠固定型の光ファイバテープ7を束ねて構成されている。
図2は、間欠固定型の光ファイバテープ7の説明図である。
間欠固定型光ファイバテープ7は、複数(ここでは12本)の光ファイバ8を並列させて間欠的に連結した光ファイバテープ7である。隣接する2心の光ファイバ8は、連結部9Aによって連結されている。隣接する2心の光ファイバ8間には、複数の連結部9Aが長手方向に間欠的に配置されている。また、間欠固定型光ファイバテープ7の複数の連結部9Aは、長手方向及びテープ幅方向に2次元的に間欠的に配置されている。隣接する2心の光ファイバ8間の連結部9A以外の領域は、非連結部9Bになっている。非連結部9Bでは、隣接する2心の光ファイバ8同士は拘束されていない。これにより、間欠固定型光ファイバテープ7を丸めて筒状(束状)にしたり、折り畳んだりすることが可能になり、多数の光ファイバ8を高密度に束ねることが可能になる。
なお、光ファイバ束6を構成する間欠固定型光ファイバテープ7は、図に示したものに限られるものではない。例えば、連結部9Aの配置を変更しても良い。また、間欠固定型光ファイバテープ7を構成する光ファイバ8の数を変更しても良い。また、光ファイバ束6は、間欠固定型の光ファイバテープ7で構成されていなくても良く、例えば複数の単心光ファイバ8を束ねて構成されていても良い。
バンドル材10は、複数の光ファイバ8を束ねる部材である。バンドル材10は、複数の光ファイバ8を結束可能な糸状、紐状又はテープ状の部材である。バンドル材10は、光ファイバ束6の外周上に巻き付けられている。図中の光ファイバユニット2は、4本のバンドル材10によって光ファイバ束6を束ねているが、光ファイバユニット2のバンドル材10は、後述するように4本以上でも良い。以下の説明では、バンドル材10に添字(A〜D)を付けて、それぞれのバンドル材10を区別して説明することがある。
バンドル材10は所定の色で着色されており、識別部材としても機能する。各光ファイバユニット2のバンドル材10は、それぞれ異なる色に着色されており、識別可能である。図中のように各光ファイバユニット2が2本のバンドル材10を有する場合、バンドル材10の色の組み合わせによって、各光ファイバユニット2を識別することも可能である。また、バンドル材10を着色する代わりに、バンドル材10の表面に識別マークを印刷しても良い。
図3は、バンドル材10の断面構造について説明する図である。バンドル材10は、コア部11と、被覆部12とを有する。コア部11は、光ファイバユニット2の長手方向に伸びる部材であり、バンドル材10は複数本のコア部11を有する。被覆部12は、コア部11の外周を被覆し、コア部11の融点より低い融点を有する部材である。光ファイバユニット2を束ねる2本のバンドル材10は、被覆部12が融点以上に加熱されることにより発現する接着性により、両者の交点において熱融着されることになる。コア部11の融点と被覆部12の融点の差は20℃以上あることが好ましい。コア部11の融点は200〜230℃が好ましく、被覆部12の融点は150〜180℃が好ましい。また、被覆部12には、加熱して溶けても光ファイバ8と接着しないか或いは接着してもその接着力が低く、しかも光ファイバ8の被覆層を劣化させないことが望ましい。
コア部11及び被覆部12のそれぞれには、例えばポリプロピレン(PP)、ポリアミド(PA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の高融点樹脂、またはポリプロピレン繊維、ポリアミド繊維(登録商標であるナイロン等)、ポリエステル繊維(PET繊維等)等の高融点繊維、またはPET、PP等の高融点テープ或いはフィルムに対して加熱・冷却により軟化・固化を可逆的に繰り返すことが可能な熱可塑性樹脂、例えばポリエチレン(PE)、エチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)、エチレンエチルアクリレートコポリマー(EEA)のような低融点のもの、または熱可塑性樹脂やゴムをベースとし、加熱・冷却により軟化・固化を可逆的に繰り返すことが可能な、いわゆる加熱融解型(ホットメルト)の接着剤で覆ったもの等が使用できる。
なお、バンドル材10は、図3に示されるような高融点材料(コア部11)と低融点材料(被覆部12)との複合材ではなく、単一材料によって構成されるのであってもよい。例えば、高融点材料もしくは低融点材料のいずれかによって構成されていてもよいし、2本のバンドル材10の材質が異なってもよい。
バンドル材10の幅は、1mm以上2mm以下であることが望ましい。バンドル材10の幅が1mmよりも狭い場合、融着時に破断するおそれがある。また、バンドル材10の幅が2mmよりも広い場合、熱が十分に伝わらずに、融着し難くなる。本実施形態では、1.8〜1.9mmの幅(厚さ0.1mm)のバンドル材10が用いられている。
図4は、バンドル材10の巻き付け方を説明するための説明図である。図5Aは、バンドル材10の巻き付け方を説明するためのバンドル材10の展開図である。図5Aでは、光ファイバ束6の外周面を仮想的に円周面とした上で、光ファイバ束6の外周面上の位置を円柱座標系で示している。このため、図5Aの横軸は長手方向の位置を示している。また、縦軸は、基準位置(0度)からの角度を示しており、光ファイバ束6の外周面における周方向の位置を示している。以下、図1Bも参照しながら、光ファイバ束6に対するバンドル材10の巻き付け方について説明する。
バンドル材10は、光ファイバ束6の外周上に巻き付くようにして、光ファイバユニット2の長手方向に沿って半周分(180度分)の円弧を描くように配置されている。そして、バンドル材10は、接合点15において他のバンドル材10と接合(融着)されている。また、バンドル材10は、他のバンドル材10との接合点15(融着点)において光ファイバ束6に対する巻き付け方向が反転している。これにより、バンドル材10は、光ファイバ束6に対してSZ状に巻き付けられている。なお、以下の説明では、バンドル材10Aとバンドル材10Dとの接合点15には添字ADを付けるとともに、バンドル材10Bとバンドル材10Cとの接合点15には添字BCを付けることによって、それぞれの接合点15を区別して説明することがある。
バンドル材10は、光ファイバ束6の外周上で、巻き付き方向を交互に反転させながら、光ファイバ束6の長手方向に沿って巻き付けられており、巻き付き方向の反転箇所において、別のバンドル材10と接合されている。これにより、反転箇所における接合点を分離すれば、光ファイバ束6の外周を網状に覆っているバンドル材10を開くことができ、光ファイバユニット2から光ファイバ8を取り出すことができる。仮にバンドル材10が光ファイバ束6の外周上を一方向に螺旋状に巻き付いている場合には、バンドル材10を螺旋状に手繰ったり、バンドル材10を切断したりする必要が生じ、光ファイバ8を取り出す作業に手間がかかってしまう。つまり、仮にバンドル材10が一方向に螺旋状に巻き付いていると、螺旋状に巻き付けられたバンドル材10を解くのに作業時間がかかってしまう。これに対し、本実施形態では、例えば中間分岐作業時に、接合点15を外すだけで光ファイバ8を取り出すことができるので、作業が容易になる。すなわち、バンドル材10がSZ状に巻き付けられた光ファイバユニット2では、作業者が端末で各バンドル材10を引っ張ると容易に分離できるため、バンドル材10が一方向に螺旋状に巻き付けられた場合と比べて、作業時間を短縮化できる。
接合点15の接合強度は、接合点15が不意には破壊されず、その一方、作業者の手で容易に分離できる程度であることが望ましい。バンドル材10の接合点15の分離に必要な力は、バンドル材10の切断に要する力よりも小さいことが望ましいため、バンドル材10の接合強度は、バンドル材10の破断強度以下であることが望ましい。また、2本のバンドル材10は、中間分岐作業で光ファイバ8を取り出した後に、ヒーターで加熱したり、接着剤を塗布したりすることによって、再度接合することが可能であることが望ましい。
図4に示すように光ファイバユニット2を長手方向の一方側から見たとき、光ファイバ束6を挟むように接合点15が配置されている。ここでは説明のため、一方の接合点15の位置を基準位置(0度)とし、他方の接合点の位置を180度とする。第1実施形態では、基準位置にも180度の位置にも、接合点15AD及び接合点15BCが存在している。
まず、4本のバンドル材10のうちのバンドル材10A及びバンドル材10Dの巻き付き方を説明する。バンドル材10Aは、光ファイバ束6の外周上を時計回りに巻き付き(図4上図参照)、接合点15ADにおいてバンドル材10Dと接合され(図4上図参照)、巻き付き方向が反転して光ファイバ束6の外周上を反時計回りに巻き付き(図4中央図参照)、接合点15ADにおいてバンドル材Dと接合され(図4中央図参照)、再び光ファイバ束6の外周上を時計回りに巻き付き(図4下図(又は図4上図)参照)、これを繰り返す。また、バンドル材10Dは、光ファイバ束6の外周上を反時計回りに巻き付き(図4上図参照)、接合点15ADにおいてバンドル材10Aと接合され(図4上図参照)、巻き付き方向が反転して光ファイバ束6の外周上を時計回りに巻き付き(図4中央図参照)、接合点15ADにおいてバンドル材10Aと接合され(図4中央図参照)、再び光ファイバ束6の外周上を反時計回りに巻き付き(図4下図(又は図4上図)参照)、これを繰り返す。このようにして、図1Bに示すように、バンドル材10A及びバンドル材10Dが光ファイバ束6に対してSZ状に巻き付けられている。また、図4に示すように光ファイバユニット2を長手方向の一方側から見たとき、光ファイバ束6を挟むように2つの接合点15ADが配置される(接合点15ADが0度及び180度の位置に配置される)。
バンドル材10B及びバンドル材10Cも同様に、図1Bに示すように、光ファイバ束6に対してSZ状に巻き付けられている。また、図4に示すように光ファイバユニット2を長手方向の一方側から見たとき、光ファイバ束6を挟むように2つの接合点15BCが配置される(接合点15BCが0度及び180度の位置に配置される)。
接合点15で巻き付け方向を反転させた一対のバンドル材10が2組ある(バンドル材10A及びバンドル材10Dからなる組と、バンドル材10B及びバンドル材10Cからなる組である)。一方の組のバンドル材10(例えばバンドル材10A及びバンドル材10D)は、他方の組のバンドル材10(例えばバンドル材10B及びバンドル材10C)に対して、位相が180度ずれている(図5A参照)。このため、一方の組のバンドル材10の接合点15(例えば接合点15AD)は、他方の組のバンドル材10の接合点(例えば接合点15BC)に対して、長手方向の位置がずれていることになる。
また、バンドル材10A及びバンドル材10Bは、どちらも光ファイバ束6の外周上の基準位置(0度)から180度の範囲に巻き付けられている。但し、バンドル材10Aは、バンドル材10Bに対して、位相が180度ずれている(図5A参照)。このため、約90度の位置において、バンドル材10Aとバンドル材10Bとの交点が存在することになる。
同様に、バンドル材10C及びバンドル材10Dは、どちらも光ファイバ束の外周上の180度から360度(0度)の範囲に巻き付けられている。但し、バンドル材10Cは、バンドル材10Dに対して、位相が180度ずれている(図5A参照)。このため、約270度の位置において、バンドル材10Cとバンドル材10Dとの交点が存在することになる。
図5Aでは、バンドル材10の接合箇所15が、光ファイバ束6に対する巻き付け方向の反転箇所のみであるが、バンドル材10の接合箇所はこれに限られるものではない。図5Bは、変形例における接合点を説明するための展開図である。図5Bに示すように、バンドル材10は、光ファイバ束6に対する巻き付け方向の反転箇所だけでなく、他のバンドル材10と交差する交点でそのバンドル材10と接合されても良い。例えば、バンドル材10Aは、光ファイバ束6に対する巻き付け方向の反転箇所でバンドル材10Dと接合されているだけでなく、バンドル材10Bとの交点でバンドル材10Bと接合されている。
<接合不良について>
図12Aは、比較例の光ファイバユニット2の斜視図である。比較例においても、SZ状に巻き付けられたバンドル材10が、別のバンドル材10との接合点15において光ファイバ束6に対する巻き付け方向が反転している。
図12Bは、比較例のバンドル材10の巻き付け方を説明するためのバンドル材10の展開図である。図12Bには、1ピッチ分のバンドル材10B及びバンドル材10Cによって囲まれる領域がハッチングされている。言い換えると、接合点15BCによって接合される一対のバンドル材10(バンドル材10B及びバンドル材10C)の網目の一つがハッチングされている。比較例では、図に示す通り、ハッチングされた領域の中には、別のバンドル材10(バンドル材10Aやバンドル材10D)の接合点が存在しない。
また、比較例では、或るバンドル材10が光ファイバ束6の外周面上に占める範囲には、別のバンドル材10が存在しない。例えば、バンドル材10Bが光ファイバ束6の外周面上に占める90度〜180度の範囲には、別のバンドル材10が存在しない。
図12Cは、比較例において接合点15に不良があるときのバンドル材の展開図である。ここでは、バンドル材10Bの接合点15BCに不良があるときのバンドル材10の展開図が示されている。例えば光ファイバユニット2の製造時にバンドル材10Bに異常が生じたり、光ファイバユニット2の製造後にバンドル材10Bに異常な張力が掛かったりすると、図12Cに示すように、接合点15BCが形成されなかったり、接合点15BCが破壊されたりすることによって、接合点15BCが連続的に不良になることがある。接合点15BCが連続的に不良になった場合には、バンドル材10B及びバンドル材10Cが分離することになる。
比較例では、バンドル材10Bの接合点15BCが連続的に不良になった場合に、光ファイバ束6の外周を覆うバンドル材10の網が開いてしまい、光ファイバ束6を束ねられない状態になってしまう。この結果、比較例では、バンドル材10の接合点に不良があると、光ファイバ束6を構成する複数の光ファイバがバラバラになるおそれがある。
図6Aは、本実施形態の反転箇所で接合される一対のバンドル材10によって囲まれる領域を示している。図中には、バンドル材10A及びバンドル材10Dの所定方向への反転箇所での接合点15ADから次の同じ方向への反転箇所での接合点15ADまでの間におけるバンドル材10A及びバンドル材10Dに囲まれる領域がハッチングされている。すなわち、1ピッチ分のバンドル材10A及びバンドル材10Dによって囲まれる領域がハッチングされている。言い換えると、接合点15ADによって接合される一対のバンドル材10(バンドル材10A及びバンドル材10D)の網目の一つがハッチングされている。
本実施形態では、ハッチングされた領域の中に、別の一対のバンドル材10(バンドル材10B及びバンドル材10C)の反転箇所における接合点15BCが存在する。このように、本実施形態では、所定方向への反転箇所で接合されるべき一対のバンドル材10(ここではバンドル材10A及びバンドル材10D)によって囲まれる領域の中に、別の一対のバンドル材10(ここではバンドル材10B及びバンドル材10C)の反転箇所における接合点15が存在する。
図6Bは、接合点15ADに不良があるときのバンドル材10の展開図である。本実施形態においても、接合点15ADが連続的に不良になった場合には、バンドル材10A及びバンドル材10Dが分離することになる。
但し、本実施形態では、図6Aに示すように、ハッチングされた領域の中に接合点15BCが存在している。このため、接合点15ADが連続的に不良になった場合でも、接合点15BC(ハッチング領域の中の接合点)によって、光ファイバ束6の外周を覆うバンドル材10の網が開かずに済む。したがって、本実施形態では、接合点15ADが連続的に不良になっても、光ファイバ束6がバンドル材10によって束ねられた状態を保持することができる。
ところで、本実施形態では、或るバンドル材10が光ファイバ束6の外周面上に占める範囲には、別のバンドル材10が存在している。例えば、図6Aに示すように、バンドル材10Aが光ファイバ束6の外周面上に占める0度〜180度の範囲には、別のバンドル材10Bが存在している。言い換えると、本実施形態では、或るバンドル材10が光ファイバ束6の外周面上に占める範囲と、別のバンドル材10が光ファイバ束6の外周面上に占める範囲とが重複している。このため、図6Cに示すように接合点15ADが連続的に不良になり、バンドル材10Aが光ファイバ束6を束ねる機能を果たせない場合でも、別のバンドル材10Bによって、光ファイバ束6の外周を覆うバンドル材10の網が開かずに済む。
また、本実施形態では、接合点15で巻き付け方向を反転させた一対のバンドル材10が2組あり、一方の一対のバンドル材10が光ファイバ束6の全周に巻き付けられているとともに、他方の一対のバンドル材10も光ファイバ束6の全周に巻き付けられている。具体的には、バンドル材10A及びバンドル材10Dからなる一対のバンドル材10が光ファイバ束6の全周に巻き付けられているとともに、バンドル材10B及びバンドル材10Cからなる一対のバンドル材10も光ファイバ束6の全周に巻き付けられている。このため、一方の一対のバンドル材10(例えばバンドル材10A及びバンドル材10D)の接合点15(例えばバンドル材15AD)が連続的に不良になった場合でも、他方の一対のバンドル材10(例えばバンドル材10B及びバンドル材10C)によって光ファイバ束6を束ねた状態に保持することができる。
また、図5Bに示すように、バンドル材10Aが、光ファイバ束6に対する巻き付け方向の反転箇所でバンドル材10D(別のバンドル材に相当)と接合されているだけでなく、バンドル材10B(別のバンドル材とは異なるバンドル材に相当)との交点でバンドル材10Bと接合されても良い。このように、バンドル材10が、光ファイバ束6に対する巻き付け方向の反転箇所だけでなく、他のバンドル材10との交点で接合されることによって、バンドル材10同士の接合が強固になるため、光ファイバ束6を束ねた状態に維持しやすくなる。
本実施形態の光ファイバケーブル1の中間分岐作業時には、作業者は、或る接合点15(例えば接合点15AD)を手で分離するとともに、その接合点15で接合された一対のバンドル材10によって囲まれる領域の中の別の一対のバンドル材10の接合点(例えば接合点15BC)を分離する。すなわち、作業者は、或る接合点15(例えば接合点15AD)を手で分離した後、その接合点15で接合されていた一対のバンドル材10の網目の中の別の接合点(例えば接合点15BC)を分離する。これにより、光ファイバ束6の外周を網状に覆っているバンドル材10を開くことができ、光ファイバ8を取り出すことができる。また、このような分離作業を作業者が繰り返し行えば、光ファイバ束6の外周を網状に覆っているバンドル材10を長手方向に沿って開くことができる。
そして、本実施形態の光ファイバユニットによれば、分岐作業時に分離すべき接合点15が長手方向に沿って配置されている。すなわち、或る接合点15(例えば接合点15AD)と、その接合点15で接合された一対のバンドル材10によって囲まれる領域(図5Aのハッチングの領域)の中の別の一対のバンドル材10の接合点15(例えば接合点15BC)とが、長手方向に沿って配置されている。このため、作業者は、任意の接合点15を分離した後、その接合点15を起点に長手方向に隣接する接合点15を順に分離すればよいので、分離すべき接合点15を見つけやすくなる。
<光ファイバユニット2の製造方法>
ここでは、図5Bに示すように接合した4本のバンドル材10を有する光ファイバユニット2の製造方法について説明する。
図7は、光ファイバユニット2の製造装置20の概要説明図である。図8Aは、回転部材40に設けられたバンドル材通過部41(第1バンドル材通過部41A及び第2バンドル材通過部41B)の入口付近の斜視図である。図8Bは、バンドル材通過部41の出口付近の斜視図である。以下の説明では、光ファイバ束6を送り出す方向を「送出方向」と呼ぶ。図中の左から右に向かう方向が送出方向である。
製造装置20は、複数の光ファイバ8を束ねた光ファイバ束6の外周上にバンドル材10(ここでは4本のバンドル材10)を巻き付けて光ファイバユニット2を製造する製造装置である。製造装置20は、ファイバ通過パイプ30と、回転部材40(第1回転部材40A及び第2回転部材40B)と、加熱部50とを有する。
ファイバ通過パイプ30は、光ファイバ束6を送出方向に送り出すためのファイバ通過部材である。ファイバ通過パイプ30は、円筒状(管状)の部材であり、光ファイバ束6は、送出方向上流側の開口(入口)からファイバ通過パイプ30に入り、ファイバ通過パイプ30を通過して、送出方向下流側の開口(出口)から送出方向に送り出される。ファイバ通過パイプ30の下流側には加熱部50が配置されており、ファイバ通過パイプ30を通過した光ファイバ束6は、すぐに加熱部50に送り込まれることになる。
回転部材40は、ファイバ通過パイプ30の外周に配置され、送出方向を軸として揺動しながらバンドル材10を送り出す回転体である。回転部材40は、第1回転部材40Aと第2回転部材40Bとを有する。第1回転部材40Aは、ファイバ通過パイプ30(ファイバ通過部材)の外周に配置された円筒状の部材である。第2回転部材40Bは、第1回転部材40Aの外周に配置された円筒状の部材である。第1回転部材40Aと第2回転部材40Bは、互いに逆方向に回転しながら揺動することになる。
第1回転部材40Aは、ファイバ通過パイプ30(ファイバ通過部材)に対して回転可能に設けられている。第1回転部材40Aは、2つの第1バンドル材通過部41Aを有している。2つの第1バンドル材通過部41Aは、ファイバ通過パイプ30を挟んで対称となる位置に配置されている。第1回転部材40Aが送出方向を軸として回転すると、第1バンドル材通過部41Aは、送出方向を軸として光ファイバ束6(ファイバ通過パイプ30を通過する光ファイバ束6)の外周で円弧を描くように移動する。第1回転部材40Aは、第1ガイドパイプ42A及び第1押さえパイプ43Aから構成されており、第1ガイドパイプ42Aには長手方向に沿った第1ガイド溝421Aが2つ形成されている。第1押さえパイプ43Aが第1ガイド溝421Aを覆うことによって、第1バンドル材通過部41Aが構成されている。第1回転部材40Aが送出方向を軸として回転すると、2つのバンドル材通過部41Aは、送出方向を軸として光ファイバ束6の外周で円弧を描くように移動する。
第2回転部材40Bは、第1回転部材40Aに対して回転可能に設けられている。第2回転部材40Bは、2つの第2バンドル材通過部41Bを有している。2つの第2バンドル材通過部41Bは、ファイバ通過パイプ30を挟んで対称となる位置に配置されている。第2回転部材40Bが送出方向を軸として回転すると、第2バンドル材通過部41Bは、送出方向を軸として光ファイバ束6の外周で円弧を描くように移動する。第2ガイドパイプ42B及び第2押さえパイプ43Bから構成されており、第2ガイドパイプ42Bには長手方向に沿った第2ガイド溝421Bが2つ形成されている。第2抑えパイプ43Bが第2ガイド溝421Bを覆うことによって、第2バンドル材通過部41Bが構成されている。第2回転部材40Bが送出方向を軸として回転すると、2つの第2バンドル材通過部41Bは、送出方向を軸として光ファイバ束6の外周で円弧を描くように移動する。
図9A〜図9Eは、第1回転部材40A及び第2回転部材40Bの移動範囲の説明図である。なお、図9A〜図9Eでは、回転部材40の内側に配置されているファイバ通過パイプ30と、ファイバ通過パイプ30を通過する光ファイバ束6は不図示としている。図9Aには、第1回転部材40A及び第2回転部材40Bの中間位置が示されている。中間位置とは、回転部材40の移動範囲の中間の位置である。この中間位置では、2つの第1バンドル材通過部41Aと2つの第2バンドル材通過部41Bが並んで配置されている。第1回転部材40A及び第2回転部材40Bは、この中間位置を中心として、時計回りに120度、反時計回りに120度の範囲(つまり、プラスマイナス120度の範囲)で揺動する。「揺動」とは、送出方向を軸とする往復回転運動を意味する。
図9B及び図9Cに示すように、長手方向の一方側から見たとき、第1回転部材40Aは、中間位置から時計回りに120度回転し、第2回転部材40Bは、中間位置から反時計回りに120度回転する。図9Bの状態から図9Cの状態までの間で第1バンドル材通過部41A及び第2バンドル材通過部41Bがすれ違うことになる。これにより、回転部材40の送出方向下流端において、光ファイバ束6の外周にバンドル材10A及びバンドル材10Dの交点が形成されるとともに、バンドル材10B及びバンドル材10Cの交点が形成されながら、4本のバンドル材10が送出方向に送り出されることになる。
第1回転部材40A及び第2回転部材40Bが移動範囲の一端に達すると、第1回転部材40A及び第2回転部材40Bは、回転方向を反転させて、移動範囲の他端まで回転する。例えば、図9B及び図9Cに示すように、第1回転部材40Aが時計回りに回転し、第2回転部材40Bが反時計回りに回転した後、次に、図9D及び図9Eに示すように、第1回転部材40Aは、反時計回りに回転し、第2回転部材40Bは、時計回りに回転する。図9Dの状態から図9Eの状態までの間においても、第1バンドル材通過部41A及び第2バンドル材通過部41Bがすれ違うことになる。これにより、回転部材40の送出方向下流端において、光ファイバ束6の外周にバンドル材10A及びバンドル材10Dの交点が形成されるとともに、バンドル材10B及びバンドル材10Cの交点が形成されることになる。
バンドル材10A及びバンドル材10Dに着目すると、図9Bの状態から図9Cの状態までの間に交点が形成されるとともに、図9Dの状態から図9Eの状態までの間に交点が形成されており、この2つの交点は、光ファイバ束6を挟んで反対側に位置している。光ファイバ束6を挟んで反対側に形成される2つの交点は、加熱部50でそれぞれ融着されることになる。これにより、図1Aや図5Bに示すように、光ファイバ束6を挟むように2つの接合点15ADが形成されることになる。
同様に、バンドル材10B及びバンドル材10Bに着目すると、図9Bの状態から図9Cの状態までの間に交点が形成されるとともに、図9Dの状態から図9Eの状態までの間に交点が形成されており、この2つの交点は、光ファイバ束6を挟んで反対側に位置している。光ファイバ束6を挟んで反対側に形成される2つの交点は、加熱部50でそれぞれ融着されることになる。これにより、図1Aや図5Bに示すように、光ファイバ束6を挟むように2つの接合点15BCが形成されることになる。
バンドル材10は、最終的には光ファイバ束6の外周の半周分(180度分)に巻き付けられるのに対し、バンドル材10を送り出す回転部材40(第1回転部材40A及び第2回転部材40B)は、この最終的なバンドル材10の巻き付き角度(180度)よりも大きい角度(240度)で回転する。これは、回転部材40からバンドル材10を送り出した後、加熱部50にてバンドル材10が接合されるまでの間に、バンドル材10が解けてバンドル材10の巻き付き角度が小さくなっても、2本のバンドル材10の交点が消滅することを回避するためである。
なお、図8Bに示すように、ファイバ通過パイプ30、第1回転部材40A及び第2回転部材40Bの送出方向下流端は、ほぼ同じ位置である。ファイバ通過パイプ30の送出方向下流端からは光ファイバ束6が送り出され、第1回転部材40A及び第2回転部材40Bの送出方向下流端からはバンドル材10がそれぞれ送り出される。第1回転部材40A及び第2回転部材40Bが送出方向を軸として揺動すると、第1バンドル材通過部41A及び第2バンドル材通過部41Bは、送出方向を軸として、光ファイバ束6の外周で円弧を描くように往復移動する。これにより、回転部材40の送出方向下流端において、光ファイバ束6の外周に2本のバンドル材10の交点が形成されながら、バンドル材10が送出方向下流側の加熱部50に送り込まれることになる。
加熱部50は、バンドル材10の交点を加熱してバンドル材10同士を交点で融着する部材(ヒーター)である。加熱部50は、ファイバ通過パイプ30及び回転部材40よりも送出方向下流側に配置されている。加熱部50は、光ファイバユニット2(光ファイバ束6及びバンドル材10)を通過させるためのユニット通過部51(貫通穴)を有する。光ファイバユニット2を構成する光ファイバ束6及びバンドル材10が加熱部50を通過するとき、光ファイバ束6の外周には、4本のバンドル材10の交点が形成されている。この交点が加熱部50によって加熱されることによって融着されて、バンドル材10が接合されることになる。
上記の製造方法によれば、図5Bに示すように、バンドル材10Aが、光ファイバ束6に対する巻き付け方向の反転箇所でバンドル材10D(別のバンドル材に相当)と融着接合されるだけでなく、バンドル材10B(別のバンドル材とは異なるバンドル材に相当)との交点も融着接合される。なお、光ファイバユニット2の製造方法は、上記の方法に限られるものではなく、他の方法でも良い。また、バンドル材10の接合は、加熱による融着に限られず、接着剤を用いた接着でも良い。
ところで、上記の製造方法の回転部材40(第1回転部材40A及び第2回転部材40B)の回転角度を小さくすれば、比較例(図12B)に示すようにバンドル材10を接合することも可能である。但し、図12Bに示す比較例のようにバンドル材10を接合する場合には、回転部材40の揺動周期を速くする必要があり、この結果、光ファイバユニット2の製造時にバンドル材10に異常な張力がかかってしまい、接合点が連続的に不良になりやすくなるおそれがある。これに対し、上記の製造方法によって本実施形態(図5B)に示すようにバンドル材10を接合する場合には、回転部材40の揺動周期を遅くすることができるため、接合点15の不良が生じにくくなるという利点がある。
===第2実施形態===
第1実施形態の光ファイバユニット2では、バンドル材10が4本であったが、バンドル材10が4本以上でも良い。第2実施形態の光ファイバユニット2は、6本のバンドル材10を有している。
図10は、第2実施形態のバンドル材10の展開図である。第2実施形態においても、バンドル材10は、光ファイバ束6の外周上で、巻き付き方向を交互に反転させながら、光ファイバ束6の長手方向に沿って巻き付けられており、巻き付き方向の反転箇所において、別のバンドル材10と接合されている。例えばバンドル材10Aは、光ファイバ束6の外周上で、巻き付き方向を交互に反転させながら、光ファイバ束6の長手方向に沿って巻き付けられており、巻き付き方向の反転箇所において、別のバンドル材10Fと接合されている。
第2実施形態では、接合点15で巻き付け方向を反転させた一対のバンドル材10が3組ある(第1実施形態では、一対のバンドル材10が2組であった)。すなわち、第2実施形態では、バンドル材10A及びバンドル材10Fからなる組と、バンドル材10B及びバンドル材10Cからなる組と、バンドル材10D及びバンドル材10Eからなる組とによって、3組の一対のバンドル材がある。それぞれの一対のバンドル材10は、他の一対のバンドル材10に対して、位相が120度ずれている。このため、それぞれの一対のバンドル材10の接合点15(例えば接合点15AF)は、他の一対のバンドル材10の接合点(例えば接合点15BCや接合点15DE)に対して、長手方向の位置がずれていることになる。
図10には、反転箇所で接合される一対のバンドル材10によって囲まれる領域がハッチングされている。図中には、バンドル材10A及びバンドル材10Fの所定方向への反転箇所での接合点15AFから次の同じ方向への反転箇所での接合点15AFまでの間におけるバンドル材10A及びバンドル材10Fに囲まれる領域がハッチングされている。すなわち、1ピッチ分のバンドル材10A及びバンドル材10Fによって囲まれる領域がハッチングされている。言い換えると、接合点15AFによって接合される一対のバンドル材10(バンドル材10A及びバンドル材10F)の網目の一つがハッチングされている。
第2実施形態においても、ハッチングされた領域の中に、別の一対のバンドル材10の反転箇所における接合点15BC及び接合点15DEが存在する。このように、本実施形態では、所定方向への反転箇所で接合されるべき一対のバンドル材10(ここではバンドル材10A及びバンドル材10F)によって囲まれる領域の中に、別の一対のバンドル材10(ここではバンドル材10B及びバンドル材10Cの組、又はバンドル材10D及びバンドル材10Eの組)の反転箇所における接合点15が存在する。このため、接合点15AFが連続的に不良になった場合でも、接合点15BC及び接合点15DE(ハッチング領域の中の接合点)によって、光ファイバ束6の外周を覆うバンドル材10の網が開かずに済む。したがって、第2実施形態においても、接合点15AFが連続的に不良になっても、光ファイバ束6がバンドル材10によって束ねられた状態を保持することができる。
また、第2実施形態では、ハッチングされた領域の中に、別の一対のバンドル材10の反転箇所における接合点15が複数(ここでは2つ)存在する。このため、第2実施形態では、中間分岐作業時には、作業者は、或る接合点15(例えば接合点15AD)を手で分離するとともに、その接合点15で接合された一対のバンドル材10によって囲まれる領域の中の複数の接合点15(例えば接合点15BC及び接合点15DE))を分離する必要がある。第2実施形態では、分岐作業時に分離すべき接合点15が長手方向に沿って配置されていないため、第1実施形態と比べると作業性が劣るが、バンドル材10同士の接合が強固になるため、光ファイバ束6を束ねた状態に維持しやすくなるという利点がある。
ところで、第2実施形態においても、或るバンドル材10が光ファイバ束6の外周面上に示す範囲には、別のバンドル材10が存在している。例えば、バンドル材10Aが光ファイバ束6の外周面上に占める0度〜180度の範囲には、複数の別のバンドル材10(ここではバンドル材10B、バンドル材10C、バンドル材10D及びバンドル材10E)が存在している。言い換えると、第2実施形態においても、或るバンドル材10が光ファイバ束6の外周面上に占める範囲と、別のバンドル材10が光ファイバ束6の外周面上に占める範囲とが重複している。このため、例えば接合点15AFが連続的に不良になり、バンドル材10Aが光ファイバ束6を束ねる機能を果たせない場合でも、別のバンドル材10によって、光ファイバ束6の外周を覆うバンドル材10の網が開かずに済む。
また、第2実施形態では、接合点15で巻き付け方向を反転させた一対のバンドル材10が3組あり、それぞれの組の一対のバンドル材は、光ファイバ束6の全周に巻き付けられている。このため、或る一対のバンドル材10(例えばバンドル材10A及びバンドル材10F)の接合点15(例えばバンドル材15AF)が連続的に不良になった場合でも、他の一対のバンドル材10によって光ファイバ束6を束ねた状態に保持することができる。
なお、第2実施形態においても、バンドル材10が、光ファイバ束6に対する巻き付け方向の反転箇所で別のバンドル材10と接合されているだけでなく、別のバンドル材とは異なるバンドル材との交点でバンドル材10と接合されても良い。例えば、バンドル材10Aが、光ファイバ束6に対する巻き付け方向の反転箇所でバンドル材10Fと接合されているだけでなく、バンドル材10Bやバンドル材10Dとの交点で接合されても良い。これにより、バンドル材10同士の接合が強固になるため、光ファイバ束6を束ねた状態に維持しやすくなる。
===第3実施形態===
前述の実施形態では、各バンドル材10は、光ファイバ束6の外周上に巻き付くようにして、光ファイバユニット2の長手方向に沿って半周分(180度分)の円弧を描くように配置されていた。また、前述の実施形態では、各バンドル材10は、巻き付き方向の反転箇所では、どちらの方向に反転する場合にも、同じバンドル材10と接合されていた。但し、SZ状に巻き付けられるバンドル材10の周回角度は、180度に限られるものではない。また、バンドル材10は、巻き付き方向の反転方向に応じて異なるバンドル材10と接合されても良い。
図11は、第3実施形態のバンドル材10の展開図である。第3実施形態においても、バンドル材10は、光ファイバ束6の外周上で、巻き付き方向を交互に反転させながら、光ファイバ束6の長手方向に沿って巻き付けられており、巻き付き方向の反転箇所において、別のバンドル材10と接合されている。
各バンドル材10は、光ファイバ束6の外周上に巻き付くようにして、光ファイバユニット2の長手方向に沿って1/3周分(120度分)の円弧を描くように配置されている。例えばバンドル材10Aは、光ファイバ束6の外周上で、巻き付き方向を交互に反転させながら、光ファイバ束6の長手方向に沿って巻き付けられることによって、光ファイバ束6の外周上の0度〜120度の範囲に配置されている。
また、各バンドル材10は、巻き付き方向の反転方向に応じて異なるバンドル材10と接合されている。例えばバンドル材10Aは、所定方向への反転箇所では接合点15ADにおいてバンドル材10Dと接合されているとともに、逆方向への反転箇所では接合点15AFにおいてバンドル材10Fに接合されている。
図11には、反転箇所で接合される一対のバンドル材10によって囲まれる領域がハッチングされている。図中には、バンドル材10A及びバンドル材10Dの所定方向への反転箇所での接合点15ADから次の同じ方向への反転箇所での接合点15ADまでの間におけるバンドル材10A及びバンドル材10Dに囲まれる領域がハッチングされている。すなわち、1ピッチ分のバンドル材10A及びバンドル材10Dによって囲まれる領域がハッチングされている。言い換えると、接合点15ADによって接合される一対のバンドル材10(バンドル材10A及びバンドル材10D)の網目の一つがハッチングされている。
第3実施形態においても、ハッチングされた領域の中に、別の一対のバンドル材10の反転箇所における接合点15BCが存在する。このため、接合点15ADが連続的に不良になった場合でも、接合点15BC(ハッチング領域の中の接合点)によって、光ファイバ束6の外周を覆うバンドル材10の網が開かずに済む。したがって、第3実施形態においても、接合点15ADが連続的に不良になっても、光ファイバ束6がバンドル材10によって束ねられた状態を保持することができる。
第3実施形態では、第1実施形態と同様に、分岐作業時に分離すべき接合点15が長手方向に沿って配置されている。すなわち、或る接合点15(例えば接合点15AD)と、その接合点15で接合された一対のバンドル材10によって囲まれる領域の中の別の一対のバンドル材10の接合点15(例えば接合点15BC)とが、長手方向に沿って配置されている。このため、第3実施形態においても、作業者は、任意の接合点15を分離した後、その接合点15を起点に長手方向に隣接する接合点15を順に分離すればよいので、分離すべき接合点15を見つけやすくなる。
ところで、第3実施形態においても、或るバンドル材10が光ファイバ束6の外周面上に占める範囲には、別のバンドル材10が存在している。例えば、バンドル材10Aが光ファイバ束6の外周面上に占める0度〜120度の範囲には、別のバンドル材10Bが存在している。言い換えると、第3実施形態においても、或るバンドル材10が光ファイバ束6の外周面上に占める範囲と、別のバンドル材10が光ファイバ束6の外周面上に占める範囲とが重複している。このため、接合点15ADが連続的に不良になり、バンドル材10Aが光ファイバ束6を束ねる機能を果たせない場合でも、別のバンドル材10Bによって、光ファイバ束6の外周を覆うバンドル材10の網が開かずに済む。
なお、第3実施形態においても、バンドル材10が、光ファイバ束6に対する巻き付け方向の反転箇所で別のバンドル材10と接合されているだけでなく、別のバンドル材とは異なるバンドル材との交点でバンドル材10と接合されても良い。例えば、バンドル材10Aが、光ファイバ束6に対する巻き付け方向の反転箇所でバンドル材Dやバンドル材10Fと接合されているだけでなく、バンドル材10Bとの交点でバンドル材10Bと接合されても良い。これにより、バンドル材10同士の接合が強固になるため、光ファイバ束6を束ねた状態に維持しやすくなる。
===その他の実施形態===
上述の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更・改良され得ると共に、本発明には、その等価物が含まれることは言うまでもない。
<バンドル材10の数について>
上述の実施形態では、光ファイバ束6に巻き付けられるバンドル材10の数が4本、または6本の例について説明されていた。しかし、1つの光ファイバユニット2に設けられるバンドル材10の数はこの限りではない。例えば、8本以上であったり、奇数本であったりしてもよい。
<回転部材40について>
前述の回転部材40は、第1回転部材40A及び第2回転部材40Bによって構成されていた。但し、回転部材40を構成する回転可能な部材は、2つに限られず、3つ以上であってもよい。また、前述の回転部材は、円筒状の部材(パイプ)で構成されていたが、例えば円環状の部材で構成しても良い。
1 光ファイバケーブル、2 光ファイバユニット、3 外被、
4A テンションメンバ、4B リップコード、5 押え巻きテープ、
6 光ファイバ束、7 間欠固定型光ファイバテープ、
8 光ファイバ、9A 連結部、9B 非連結部、
10 バンドル材、
11 コア部、12 被覆部、
15 接合点、
20 製造装置、30 ファイバ通過パイプ、
40 回転部材(40A 第1回転部材、40B 第2回転部材)、
41 バンドル材通過部(41A 第1バンドル材通過部、41B 第2バンドル材通過部)、
42A 第1ガイドパイプ、421A 第1ガイド溝、
42B 第2ガイドパイプ、421B 第2ガイド溝、
43A 第1押さえパイプ、43B 第2押さえパイプ、
50 加熱部、51 ユニット通過部

Claims (6)

  1. 複数の光ファイバを束ねた光ファイバ束と、複数のバンドル材とを備え、
    前記バンドル材は、
    前記光ファイバ束の外周上で、巻き付き方向を交互に反転させながら、前記光ファイバ束の長手方向に沿って巻き付けられているとともに、
    巻き付き方向の反転箇所において、別のバンドル材と接合されており、
    前記反転箇所で接合されるべき一対の前記バンドル材によって囲まれる領域の中に、別の一対の前記バンドル材の前記反転箇所における接合点が存在する
    ことを特徴とする光ファイバユニット。
  2. 請求項1に記載の光ファイバユニットであって、
    或る一対の前記バンドル材が前記光ファイバ束の全周に巻き付けられているとともに、
    別の一対の前記バンドル材が前記光ファイバ束の全周に巻き付けられている
    ことを特徴とする光ファイバユニット。
  3. 請求項1又は2に記載の光ファイバユニットであって、
    バンドル材は、前記反転箇所において前記別のバンドル材と接合されるとともに、前記別のバンドル材とは異なるバンドル材との交点において接合されている
    ことを特徴とする光ファイバユニット。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の光ファイバユニットであって、
    或る一対の前記バンドル材の前記反転箇所における接合点と、その接合点で接合された一対の前記バンドル材によって囲まれる領域の中の別の前記一対のバンドル材の前記反転箇所における接合点とが、前記光ファイバ束の長手方向に沿って配置されている
    ことを特徴とする光ファイバユニット。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の光ファイバユニットであって、
    前記領域の中に、別の一対の前記バンドル材の前記反転箇所における接合点が複数存在することを特徴とする光ファイバユニット。
  6. 複数の光ファイバユニットと、複数の前記光ファイバユニットを被覆する外被とを備えた光ファイバケーブルであって、
    前記光ファイバユニットは、複数の光ファイバを束ねた光ファイバ束と、複数のバンドル材とを備え、
    前記バンドル材は、
    前記光ファイバ束の外周上で、巻き付き方向を交互に反転させながら、前記光ファイバ束の長手方向に沿って巻き付けられているとともに、
    巻き付き方向の反転箇所において、別のバンドル材と接合されており、
    前記反転箇所で接合されるべき一対の前記バンドル材によって囲まれる領域の中に、別の一対の前記バンドル材の前記反転箇所における接合点が存在する
    ことを特徴とする光ファイバケーブル。
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