JP2011140637A - セルロースエステル樹脂組成物、それを用いた光学フィルム及び液晶表示装置用偏光板 - Google Patents

セルロースエステル樹脂組成物、それを用いた光学フィルム及び液晶表示装置用偏光板 Download PDF

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Abstract

【課題】高いRth値を有し、高い耐ブリード性を有する光学フィルムの材料となるセルロースエステル樹脂組成物を提供する。また、該樹脂組成物からなる光学フィルム及びこの光学フィルムを用いた液晶表示装置用偏光板を提供する。
【解決手段】セルロースエステル樹脂(A)及び下記一般式(1)で表されるエポキシエステル化合物(B)を含有することを特徴とするセルロースエステル樹脂組成物及び当該セルロースエステル樹脂組成物からなることを特徴とする光学フィルムを用いる。
Figure 2011140637

(式中、R〜Rは、それぞれ独立して炭素原子数1〜3のアルキル基を表し、Ar及びArは、それぞれ独立して芳香族基又は置換基を有する芳香族基を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、偏光子保護フィルム等の光学フィルムに優れた光学性能を付与することができるセルロースエステル樹脂組成物、並びに該樹脂組成物を用いた光学フィルム及び液晶表示装置用偏光板に関する。
セルロースエステル樹脂フィルムは透明性、光学的等方性、強靭性であり、液晶表示装置の偏光子の材料であるポリビニルアルコール(以下、「PVA」と略記する。)との接着性が良好なことから、テレビ、ノートパソコン等の液晶表示装置の偏光板を構成する偏光子保護フィルムとして用いられている。
液晶表示装置には、視野角拡大機能が要求されており、斜め方向から見た場合の光漏れによるコントラスト低下を防止するために、従来から位相差フィルムを偏光子保護フィルムに重ねることで視野角補償が図られてきた。近年、液晶表示装置を軽量・薄型化するために、偏光子保護フィルム及び位相差フィルムの2枚のフィルムの機能をフィルムの1枚に集約した位相差機能付き偏光子保護フィルムが検討されている。
上記の位相差機能付き偏光子保護フィルムは、光学異方性を有することで厚さ方向の位相差を発現し、液晶表示装置の視野角を補償するものである。一般に位相差の程度は、レターデーション値によって把握することが可能である。特にフィルムの厚さ方向のレターデーション値(以下、「Rth値」と略記する。)によって、位相差の程度を評価することができる。
なお、厚さ方向のRth値とは、下記式(1)で定義される値である。
Rth={(nx+ny)/2−nz}×d (nm) (1)
(式中、nxはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率であり、nyはフィルム面内の進相軸方向の屈折率であり、nzはフィルムの厚さ方向の屈折率であり、dはフィルムの厚さ(nm)である。)
偏光子保護フィルムに位相差機能を付与する場合、一般にレターデーション上昇剤といわれるものを偏光子保護フィルムに添加して所望の位相差に調整する手法があり、レターデーション上昇剤の偏光子保護フィルムへの添加量に応じて、偏光子保護フィルムのRth値を調整することが可能である。したがって、同量の添加量で比較した場合、Rth値をより高くできるレターデーション上昇剤であるほど、偏光子保護フィルムのRth値を調整できる範囲が広がり、偏光子保護フィルムの薄型化にも対応できるため、Rth値をできるだけ高くできる材料が求められている。
上記のレターデーション上昇剤としては、1,2−プロピレングリコールとテレフタル酸とをエステル化した後、その末端をp−トルイル酸で封止して得られたエステル化合物(例えば、特許文献1参照。)や、1,2−プロピレングリコールと安息香酸とをエステル化して得られたエステル化合物と、イソフタル酸クロライドとフェノールとを反応して得られたエステル化合物との混合物(例えば、特許文献2参照。)が提案されている。これらのレターデーション上昇剤は、偏光子保護フィルムのRth値を上昇することはできるが、その上昇幅は充分なものではなかった。
また、偏光子保護フィルムには、液晶表示装置のバックライトの熱や高温多湿下での液晶表示装置の使用によって、偏光子保護フィルム表面から添加剤がブリード(にじみ出し)し、曇りを生じて映像の鮮明性が低下することがない耐ブリード性を有することも必要である。ここで、上記の特許文献1又は2に記載のエステル化合物は、その原料であるグリコール、アルコール、モノカルボン酸等が該エステル化合物中に残留して、それが揮発成分となるため耐ブリード性が低く、曇りを生じて映像の鮮明性が低下する問題があった。また、従来から、セルロースエステル樹脂フィルムに耐透湿性を付与するために用いられてきたトリフェニルホスフェート(TPP)も揮発性が高い問題があった。
特開2008−69225 特開2008−88292
本発明が解決しようとする課題は、高いRth値を有し、高い耐ブリード性を有する光学フィルムの材料となるセルロースエステル樹脂組成物を提供することである。また、該樹脂組成物からなる光学フィルム及びこの光学フィルムを用いた液晶表示装置用偏光板を提供することである。
本発明者らは、鋭意研究した結果、特定の構造を有するエポキシエステル化合物をセルロースエステル樹脂に添加することで、低い揮発性、高いRth値、高い耐透湿性、高い透明性及び高い耐ブリード性を有する光学フィルムの材料となるセルロースエステル樹脂組成物が得られることを見出し、発明を完成した。
すなわち、本発明は、セルロースエステル樹脂(A)及び下記一般式(1)で表されるエポキシエステル化合物(B)を含有することを特徴とするセルロースエステル樹脂組成物に関する。また、該樹脂組成物からなる光学フィルム及びこの光学フィルムを用いた液晶表示装置用偏光板に関する。
Figure 2011140637
(式中、R〜Rは、それぞれ独立して炭素原子数1〜3のアルキル基を表し、Ar及びArは、それぞれ独立して芳香族基又は置換基を有する芳香族基を表す。)
本発明のセルロースエステル樹脂組成物は、高いRth値を有し、高い耐ブリード性を有する光学フィルムの材料として用いることができる。また、本発明のセルロースエステル樹脂組成物を用いた光学フィルムは、高いRth値を有するため、光学補償機能を必要とする偏光子保護フィルムに好適に用いることができる。特に、VA(Vertically Aligned)方式の液晶表示に用いられる光学補償機能を有する偏光子保護フィルムには、高いRth値が要求されるため、本発明のセルロースエステル樹脂組成物からなる光学フィルムは非常に有用である。さらに、本発明のセルロースエステル樹脂組成物に用いるエポキシエステル化合物は、耐ブリード性が高いことから、高温下でも揮発による製膜ラインの汚染が少ないため、メンテナンス回数を削減でき、生産効率を向上することもできる。
まず、本発明のセルロースエステル樹脂組成物に用いるセルロースエステル樹脂(A)について説明する。セルロースエステル樹脂(A)は、綿花リンター、木材パルプ、ケナフ等から得られるセルロースの有する水酸基の一部、又は全部がエステル化されたものである。これらの中でも、綿花リンターから得られるセルロースをエステル化して得られるセルロースエステル樹脂を使用して得られるフィルムは、フィルムの製造装置を構成する金属支持体から剥離しやすく、フィルムの生産効率を向上させることが可能となるため好ましい。
前記セルロースエステル樹脂(A)の具体例としては、例えば、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネートブチレート、セルロースアセテートフタレート及び硝酸セルロース等が挙げられる。これらのセルロースエステル樹脂は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。本発明のセルロースエステル樹脂組成物からなるフィルムを光学フィルム、特に偏光子保護フィルムとして使用する場合には、セルロースアセテートを使用することが、機械的物性及び透明性に優れたフィルムを得ることができるため好ましい。
前記セルロースアセテートとしては、平均酢化度(結合酢酸量)が50.0〜62.5質量%の範囲のものであると、得られるセルロースエステル樹脂組成物からなる光学フィルムの耐透湿性を向上させることができるため好ましい。また、光学フィルムの耐透湿性をさらに向上させるためには、平均酢化度が52.5〜61.5質量%の範囲であるセルローストリアセテートがより好ましい。なお、平均酢化度は、セルロースアセテートの質量を基準として、該セルロースアセテートをケン化することによって生成する酢酸の質量割合である。
前記セルロースエステル樹脂(A)は、数平均分子量が30,000〜300,000の範囲のものであると、フィルムの機械的物性を向上することができるため好ましい。また、より高い機械的物性が必要な場合は、50,000〜200,000の範囲のものを用いるとより好ましい。
なお、前記セルロースエステル樹脂(A)の数平均分子量は、塩化メチレンを溶離液として使用して、ゲルパーミュエ−ションクロマトグラフ(GPC)を用いて測定したもので、標準ポリスチレンに換算した値として得ることができる。測定条件は、下記の通りである。
[数平均分子量(Mn)の測定条件]
測定装置:東ソー株式会社製「HLC−8320GPC」
カラム:昭和電工株式会社製「GPC K−G」(ガードカラム)
+昭和電工株式会社製「GPC K−806」
+昭和電工株式会社製「GPC K−805」
+昭和電工株式会社製「GPC K−803」
検出器:RI(示差屈折計)
データ処理:東ソー株式会社製「EcoSEC Data Analysis バージョン1.07」
カラム温度:25℃
展開溶媒:塩化メチレン
流速:1.0mL/分
試料:樹脂固形分換算で0.1質量%の塩化メチレン溶液をマイクロフィルター(孔径0.45μm)でろ過したものを使用する。
注入量:0.2mL
標準試料:前記「HLC−8320GPC」の測定マニュアルに準拠して、分子量が既知の下記の単分散ポリスチレンを用いた。
(標準試料:単分散ポリスチレン)
東ソー株式会社製「A−300」
東ソー株式会社製「A−500」
東ソー株式会社製「A−1000」
東ソー株式会社製「A−2500」
東ソー株式会社製「A−5000」
東ソー株式会社製「F−1」
東ソー株式会社製「F−2」
東ソー株式会社製「F−4」
東ソー株式会社製「F−10」
東ソー株式会社製「F−20」
東ソー株式会社製「F−40」
東ソー株式会社製「F−80」
東ソー株式会社製「F−128」
東ソー株式会社製「F−288」
本発明に用いる下記一般式(1)で表されるエポキシエステル化合物(B)は、レターデーション上昇剤(調整剤)として用いるもので、前記セルロースエステル樹脂(A)に添加することで、高いRth値を付与できるともに、低透湿性も付与できる。また、高温多湿下でも揮発性が低いという特徴を有している。
Figure 2011140637
(式中、R〜Rは、それぞれ独立して炭素原子数1〜3のアルキル基を表し、Ar及びArは、それぞれ独立して芳香族基又は置換基を有する芳香族基を表す。)
上記一般式(1)中のR〜Rは、それぞれ独立して炭素原子数1〜3のアルキル基を表すが、これらの中でもセルロースエステル樹脂との相溶性が良好かつより高い厚さ方向のレターデーション(Rth値)を発現する点、及び材料が容易に入手できる点からメチル基が好ましい。また、上記一般式(1)中のAr及びArは、それぞれ独立して芳香族基又は置換基を有する芳香族基を表す。前記置換基を有する芳香族基の置換基としては、例えば、炭素原子数1〜3のアルキル基、炭素原子数1〜3のアルコキシ基、フェニル基、メチルフェニル基、フェニルフェニル基、メチルフェニルフェニル基、シアノ基、フルオロ基、ニトロ基等が挙げられる。前記芳香族基は、これらの置換基を複数有するものでもよい。さらに、前記芳香族基の中でも、フェニル基、メチルフェニル基、メチルフェニルフェニル基は、セルロースエステル樹脂との相溶性が良好かつ高い厚さ方向のレターデーション(Rth値)の発現を両立する点から好ましい。
前記エポキシエステル化合物(B)は、エポキシ化合物と芳香族モノカルボン酸とを反応させることにより得ることができる。前記エポキシ化合物としては、ビフェノール類とエピクロルヒドリンとの反応によって得られるジグリシジルエーテル型のエポキシ化合物が挙げられる。このエポキシ化合物の具体的な例として、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジグリシジルオキシビフェニル(市販品では、ジャパンエポキシレジン株式会社製「jER YX−4000」(エポキシ当量180〜192))等のビフェノール型エポキシ化合物を使用できる。
前記芳香族モノカルボン酸としては、例えば、安息香酸、ジメチル安息香酸、トリメチル安息香酸、テトラメチル安息香酸、エチル安息香酸、プロピル安息香酸、クミン酸、o−トルイル酸、m−トルイル酸、p−トルイル酸、アニス酸、エトキシ安息香酸、プロポキシ安息香酸、シアノ安息香酸、フルオロ安息香酸、ニトロ安息香酸、4−フェニル安息香酸、4−(3−メチルフェニル)安息香酸、4−(4−メチルフェニル)安息香酸、4−(3,5−ジメチルフェニル)安息香酸、2−メチル−4−フェニル安息香酸、2,6−ジメチル−4−フェニル安息香酸、2,6−ジメチル−4−(3,5−ジメチルフェニル)安息香酸、ナフトエ酸、ニコチン酸、フロ酸、1−ナフタレンカルボン酸、2−ナフタレンカルボン酸等が挙げられる。これらの芳香族モノカルボン酸は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
前記エポキシエステル化合物(B)は、前記エポキシ化合物のエポキシ基と前記芳香族モノカルボン酸のカルボキシル基とを反応させることによって合成することができる。反応温度としては、80〜130℃の範囲が好ましく、100℃〜115℃の範囲がより好ましい。反応時間としては、10〜25時間の範囲が好ましい。また、前記エポキシ化合物と前記芳香族モノカルボン酸との仕込み比は、エポキシ化合物のエポキシ基のモル数と、芳香族モノカルボン酸のモル数の比(エポキシ基モル数)/(芳香族モノカルボン酸のモル数)が、1/0.9〜1.0の範囲であることが好ましい。
前記エポキシ化合物のエポキシ基と前記芳香族モノカルボン酸のカルボキシル基とを反応において、必要に応じて触媒を用いてもよい。この触媒としては、例えば、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリフェニルホスフィン等のホスフィン化合物;2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、4−フェニル−2−メチルイミダゾール等のイミダゾール系化合物;トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリヘキシルアミン、トリアミルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリアチレンジアミン、ジメチルフェニルアミン、ジメチルベンジルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等のアミン化合物;ジメチルアミノピリジン等のピリジン化合物などが挙げられる。これらの触媒は、前記エポキシ化合物及び前記芳香族モノカルボン酸の合計100質量部に対して0.05〜1質量部使用することが好ましい。
本発明のセルロースエステル樹脂組成物は、前記セルロースエステル樹脂(A)100質量部に対して、前記エポキシエステル化合物(B)を0.5〜30質量部の範囲で含有したものであると、高い位相差機能と低透湿性とを付与でき、高温多湿下でも該樹脂組成物中から成分が揮発する揮発性が低減できるので好ましい。また、揮発性をより低減するとともに、高い位相差機能と低透湿性とを付与する場合、前記セルロースエステル樹脂(A)100質量部に対して、前記エポキシエステル化合物(B)を1〜20質量部の範囲で含有したものがより好ましい。
また、本発明のセルロースエステル樹脂組成物では、本発明の効果を損なわない範囲内で、前記セルロースエステル樹脂(A)に前記エポキシエステル化合物(B)以外の各種添加剤を添加することができる。
前記各種添加剤としては、例えば、改質剤(可塑剤も含む)、紫外線吸収剤、レターデーション上昇剤、樹脂、マット剤、劣化防止剤(例えば、酸化防止剤、過酸化物分解剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、酸捕獲剤等)、染料などの添加剤が挙げられる。また、これらの添加剤は、後述するソルベントキャスト法において、有機溶剤中に前記セルロースエステル樹脂(A)及び前記エポキシエステル化合物(B)を溶解、混合する際に、併せて添加することもできる。
前記改質剤(可塑剤も含む)としては、例えば、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート等のリン酸エステル;ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート等のフタル酸エステル;エチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、トリメチロールプロパントリベンゾエート、ペンタエリスリトールテトラアセテート、アセチルクエン酸トリブチルなどが挙げられる。
前記紫外線吸収剤としては、例えば、オキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等が挙げられる。この紫外線吸収剤の添加量は、前記セルロースエステル樹脂(A)100質量部に対して、0.01〜2質量部の範囲であることが好ましい。
前記レターデーション上昇剤としては、レターデーション値(Rth値)が上昇するものであれば何ら制限はないが、例えば、4−シアノ−4’−ペンチルビフェニルのような液晶化合物、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸エステル化合物、1,3,5−トリアジン環を有する化合物等が挙げられる。このレターデーション上昇剤の添加量は、前記セルロースエステル樹脂(A)100質量部に対して、0.01〜20質量部の範囲が好ましく、特に1〜10質量部の範囲がより好ましい。
前記添加剤として用いる樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリメタクリル酸メチル等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステルエーテル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、トルエンスルホンアミド樹脂等が挙げられる。
前記マット剤としては、例えば、酸化珪素、酸化チタン、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、リン酸カルシウム、カオリン、タルク等が挙げられる。このマット剤は、前記セルロースエステル樹脂(A)100質量部に対して、0.1〜0.3質量部の範囲が好ましい。
前記染料としては、通常使用されている公知慣用のものを用いることができ、その添加量は本発明の目的を阻害しない範囲であれば、特に限定しない。
本発明のセルロースエステル樹脂組成物は、光学フィルムに使用することができる。本発明の光学フィルムは、前記セルロースエステル樹脂組成物をフィルム状に成形することにより得ることができる。成形方法としては、例えば、本発明のセルロースエステル樹脂組成物を押出機等で溶融混練し、Tダイ等を用いることでフィルム状に成形する方法が挙げられる。
また、本発明の光学フィルムは、前記成形方法の他に、前記セルロースエステル樹脂組成物を有機溶剤中に均一に溶解、混合して得られた樹脂溶液を金属支持体上に流延し乾燥させるソルベントキャスト法での成形によっても得ることができる。ソルベントキャスト法によりフィルムを得た場合、成形途中でのフィルム中の前記セルロースエステル樹脂(A)の配向を抑制することができるため、得られるフィルムは、実質的に光学等方性を示す。この光学等方性を示すフィルムは、光学フィルムとして液晶ディスプレイ等の部材として使用することができ、特に偏光子保護フィルムとして有用である。また、このソルベントキャスト法により得られるフィルムは、その表面に凹凸が形成されにくく、表面平滑性に優れるという特長を有するため、ソルベントキャスト法がより好ましいフィルムの成形方法である。
ソルベントキャスト法は、前記セルロースエステル樹脂(A)及び前記エポキシエステル化合物(B)を有機溶剤中に溶解させ、得られた樹脂溶液を金属支持体上に流延させる第1の工程、流延させた前記樹脂溶液中に含まれる有機溶剤を乾燥させフィルムを形成する第2の工程、及び金属支持体上に形成されたフィルムを金属支持体から剥離し加熱乾燥させる第3の工程からなる。
第1の工程で使用する金属支持体としては、無端ベルト状又はドラム状の金属、例えばステンレス製で、その表面が鏡面仕上げの施されたものを使用することができる。前記金属支持体上に、前記樹脂溶液を流延させる際には、得られるフィルムに異物が混入することを防止するために、フィルターで濾過した樹脂溶液を使用することが好ましい。
第2の工程における乾燥方法としては、例えば30〜50℃の温度範囲の風を前記金属支持体の上面及び下面に当てることで、流延した前記樹脂溶液中に含まれる有機溶剤のおよそ50〜80質量%程度を蒸発させ、前記金属支持体上にフィルムを形成させる方法がある。
第3の工程は、前記第2の工程で形成されたフィルムを金属支持体上から剥離し、前記第2の工程よりも高温で加熱乾燥させる工程である。前記加熱乾燥方法としては、例えば100〜160℃の温度範囲で段階的に温度を上昇させる方法が寸法安定性を良くするために好ましい。前記温度範囲で加熱乾燥することによって、前記第2の工程で得られたフィルム中に残存する有機溶剤をほぼ完全に除去することができる。
前記樹脂溶液中の不揮発分濃度としては、3〜50質量%の範囲が好ましく、5〜40質量%の範囲がより好ましい。
前記有機溶剤としては、セルロースエステル樹脂(A)及び前記エポキシエステル化合物(B)を溶解できるものであれば特に限定されないが、例えば、セルロースエステル樹脂(A)としてセルロースアセテートを使用する場合は、セルロースアセテートの良溶媒として、例えばメチレンクロライド等の有機ハロゲン化合物やジオキソラン類を使用することができる。また、この良溶媒に対して、メタノール、エタノール、2−プロパノール、n−ブタノール、シクロヘキサン、シクロヘキサノン等の貧溶媒を併用することが、フィルムの生産効率を向上することができるので好ましい。良溶媒と貧溶媒とを混合して使用する場合の質量割合は、良溶媒/貧溶媒=75/25〜95/5(質量%)の範囲が好ましい。
本発明の光学フィルムの膜厚は、10〜100μm範囲であることが好ましい。光学フィルムの中でも偏光子保護フィルムとして使用する場合には、その膜厚が15〜80μmの範囲であれば、液晶表示装置の薄型化を図ることが可能で、かつ優れたフィルム強度、湿熱変化による寸法安定性及び耐透湿性を維持することができる。
また、本発明の光学フィルムは、光学補償機能を有する偏光子保護フィルムに使用することができる。この偏光子保護フィルムには、TN(Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)、OCB(Optically Compensatory Bend)等の液晶表示方式に応じて特定の範囲の異方性が求められる。特に、本発明の光学フィルムは、VA方式の液晶表示に用いられる光学補償機能を付与した偏光子保護フィルムに好適に用いることができる。
本発明の光学フィルムは、Rth値が100nm以上を有していることが好ましく、100〜500nmの範囲のRth値を有していることが、液晶物質由来の位相差を効果的に補償することができるためより好ましい。
所望の光学異方性を有する偏光子保護フィルムを得るためには、本発明のセルロースエステル樹脂組成物への前記エポキシエステル化合物(B)の添加量を調整することにより可能である。特に本発明で用いる前記エポキシエステル化合物(B)は、少量添加で高いRth値を得ることができるため、比較的高いRth値が求められるVA、OCB、及びTN等の液晶表示方式を採用した液晶表示装置にも、揮発性を低減した上で、所望のRth値に調整することができる。
光学フィルムの膜厚が80μmの場合、セルロースエステル樹脂(A)のみからなるフィルムの透湿度は、800〜900g/m・24h程度であるため、前記エポキシエステル化合物(B)を添加した本発明のセルロースエステル樹脂組成物からなる光学フィルムは、600g/m・24h以下の透湿度であれば、光学フィルムの膜厚を20〜60μm程度まで薄くしたとしても優れた耐透湿度が得られるため好ましく、100〜600g/m・24hの範囲の透湿度であることがより好ましい。
本発明の光学フィルムは、高い光学性能のみならず、高い耐透湿性、高い透明性、低い揮発性などに優れることから、例えば、液晶表示装置の光学フィルムやハロゲン化銀写真感光材料の支持体等に使用できる。ここで、前記光学フィルムとしては、例えば、偏光子保護フィルム、位相差フィルム、反射板、拡散フィルム、視野角拡大フィルム、防眩フィルム、反射防止フィルム、帯電防止フィルム、カラーフィルター等が挙げられる。これらの光学フィルムのうち、前記したような優れた特性に加えて、高いRth値を有する光学フィルムは、視野角補償機能を有する偏光子保護フィルムとして使用することが可能である。
本発明の液晶表示装置用偏光板は、ポリビニルアルコール(PVA)フィルムにヨウ素化合物等の二色性分子を配向させた偏光子の片側又は両側に本発明の光学フィルムを偏光子保護フィルムとして貼付した構造のものである。なお、この液晶表示装置用偏光板は、液晶セルの両側にクロスニコルの状態で配置される。
以下に実施例と比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。
[合成例1]エポキシエステル化合物(1)の合成
温度計、攪拌器及び還流冷却器を備えた1リットルの四つ口フラスコに、テトラメチルビフェノール型エポキシ化合物(エポキシ当量187g/eq.)299g、安息香酸195g及び触媒としてトリフェニルホスフィン1gを加えて、0.005MPaの減圧下、115℃で20時間反応し、エポキシエステル化合物(1)(酸価0.7、水酸基価178)を得た。
[合成例2]エポキシエステル化合物(2)の合成
温度計、攪拌器及び還流冷却器を備えた1リットルの四つ口フラスコに、テトラメチルビフェノール型エポキシ化合物(エポキシ当量187g/eq.)299g、パラトルイル酸217g及び触媒としてトリフェニルホスフィン1gを加えて、0.005MPaの減圧下、115℃で24時間反応し、エポキシエステル化合物(2)(酸価0.2、水酸基価171)を得た。
[合成例3]エポキシエステル化合物(3)の合成
温度計、攪拌器及び還流冷却器を備えた1リットルの四つ口フラスコ中に、ビスフェノールA型エポキシ化合物(エポキシ当量187g/eq.)280g、パラトルイル酸204g及び触媒としてトリフェニルホスフィン1gを加えて、0.005MPaの減圧下、115℃で15時間反応し、エポキシエステル化合物(3)(酸価0.4、水酸基価184)を得た。
[合成例4]エポキシエステル化合物(4)の合成
温度計、攪拌器及び還流冷却器を備えた1リットルの四つ口フラスコ中に、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(エポキシ当量172g/eq.)261g、安息香酸185g及び触媒としてトリフェニルホスフィン1gを加えて、0.005MPaの減圧下、115℃で15時間反応し、エポキシエステル化合物(4)(酸価0.9、水酸基価185)を得た。
[合成例5]エステル化合物(1)の合成
温度計、攪拌器、還流冷却器及び窒素導入管を備えた1リットルの四つ口フラスコに、1,2−プロピレングリコール167g、テレフタル酸ジメチル175g、p−トルイル酸272g、エステル化触媒としてテトラブチルチタネート0.05gを仕込み、窒素気流下で攪拌しながら230℃まで段階的に昇温し、合計12時間脱水縮合反応させた。反応後、190℃で未反応の1,2−プロピレングリコール等を減圧留去することによって、エステル化合物(1)(酸価0.5、水酸基価13)を得た。
[合成例6]エステル化合物(2)の合成
温度計、攪拌器、還流冷却器及び窒素導入管を備えた2リットルの四ツ口フラスコに、1,2−プロピレングリコールを334g、安息香酸を976g、エステル化触媒としてテトライソプロピルチタネート0.079gを仕込み、窒素気流下で攪拌しながら230℃まで段階的に昇温し、合計10時間脱水縮合反応させた。反応後、200℃で未反応の1,2−プロピレングリコール等を減圧留去することによって、エステル化合物(2)(酸価0.09、水酸基価6.0)を得た。
[合成例7]エステル化合物(3)の合成
温度計、攪拌器、窒素導入管を備えた2リットルのセパラブルフラスコに、蒸留水1000mlを仕込み、窒素を導入しながら水酸化ナトリウム72gを入れ、窒素を充分にバブリングさせ、蒸留水中および反応系内の酸素を除去した。そこへ、フェノール51gを1時間かけて溶解させた後、60℃まで昇温した。別のフラスコにトルエン600mlを入れ、イソフタル酸クロライド55gを溶解させた。水溶液を窒素気流下で攪拌しながら、イソフタル酸クロライド溶液を滴下し、60℃で4時間攪拌を続けた。次いで水溶液相を取り除いた後、生成物を含むトルエン相をイオン交換水で数回洗浄した。その後、トルエンを減圧留去し、残った溶液をヘプタン中に滴下して結晶を析出させた。これを濾過して乾燥させることにより、エステル化合物(3)(酸価0.30、水酸基価10.0)を得た。
上記のテトラメチルビフェノール型エポキシ化合物、ビスフェノールA型エポキシ化合物及びビスフェノールF型エポキシ化合物のエポキシ当量はJIS K 7236−2001に準じて測定した。また、エポキシエステル化合物(1)〜(4)及びエステル化合物(1)〜(3)の酸価、水酸基価はJIS K 0070−1992に準じて測定した。
上記のエポキシエステル化合物(1)〜(4)及びエステル化合物(1)〜(3)について、下記の方法で揮発性を評価するため、下記の方法で加熱減量値を測定した。なお、エステル化合物(2)及び(3)については、エステル化合物(2)30質量%、エステル化合物(3)70質量%の混合物で加熱減量値を測定した。また、下記比較例5で用いたトリフェニルホスフェート(TPP)についても加熱減量値を測定した。
(加熱減量値の測定方法)
TG−DTA(示差熱熱重量同時測定装置;セイコーインスツル株式会社製「DMS6200」)を用いて、140℃で60分間加熱し、加熱前後の質量変化から加熱残量値(単位:質量%)を測定した。
[実施例1]
次にトリアセチルセルロース(ダイセル化学工業株式会社製「LT−35」)10質量部及び上記の合成例1で得たエポキシエステル化合物(1)1質量部を、メチレンクロライド81質量部及びメタノール9質量部からなる混合溶剤に加えて溶解し、ドープ液を調製した。このドープ液をガラス板上に厚さ0.9mmとなるように流延し、室温で16時間乾燥させた後、50℃で30分間乾燥させ、さらに120℃で30分乾燥させることで、膜厚80μmのフィルムを得た。
[実施例2]
実施例1で用いたエポキシエステル化合物(1)に代えて、合成例2で得たエポキシエステル化合物(2)を用いた以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。
[実施例3]
実施例1で用いたエポキシエステル化合物(1)の配合量を1質量部から0.5質量部に変更した以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。
[比較例1〜3]
実施例1で用いたエポキシエステル化合物(1)に代えて、エポキシエステル化合物(3)、(4)及びエステル化合物(1)をそれぞれ用いた以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。
[比較例4]
比較例3で用いたエステル化合物(1)の配合量を1質量部から0.5質量部に変更した以外は実施例3と同様にしてフィルムを得た。
[比較例5]
実施例1で用いたエポキシエステル化合物(1)1質量部に代えて、エステル化合物(2)0.3質量部及びエステル化合物(3)0.7質量部を用いた以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。
[比較例6]
実施例1で用いたエポキシエステル化合物(1)に代えて、トリフェニルホスフェート(以下、「TPP」と略記する。)を用いた以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。
[比較例7]
トリアセチルセルロースのみを用いて、実施例1と同様にしてフィルムを得た。
上記の実施例1〜3及び比較例1〜7で得たフィルムについて、厚さ方向のレターデーション値(Rth値)、透湿度、ヘイズ値(湿熱試験前後)について、下記の方法で測定した。
(厚さ方向のレターデーション値(Rth値)の測定方法)
自動複屈折率計(王子計測機器株式会社製「KOBRA−WR」)を用いて平行ニコル回転法により、フィルムの厚さ方向のレターデーション値(Rth値)を測定した。なお、測定するフィルムは、温度23℃、相対湿度20%の環境下で12時間以上調湿した後、同環境下で測定した。
(透湿度の測定方法)
JIS Z 0208に準じて、フィルムの透湿度を測定し、80μmの厚さに換算した。なお、測定条件は、温度40℃、相対湿度90%とした。
(ヘイズ値の測定方法)
濁度計(日本電色工業株式会社製「ND−1001DP」)を用いて、JIS K 7105に準じて、フィルムのヘイズ値を測定した。また、耐ブリード性を評価するため、湿熱試験(温度85℃、相対湿度90%の恒温恒湿中に5日間放置)したフィルムについても同様にヘイズ値を測定した。
実施例1〜3及び比較例1〜6で用いた添加剤の構造式及び揮発性(加熱残量値)を表1に、実施例1〜3及び比較例1〜7で得たフィルムの評価結果を表2に示す。
Figure 2011140637
Figure 2011140637
表1及び2の評価結果から、本発明のセルロースエステル樹脂組成物を用いた実施例1及び2のフィルムでは、用いたエポキシエステル化合物(1)又は(2)のビフェニル骨格部分の芳香環の配向性が高く、電子分極率の異方性が高いため、これをセルロースエステルに添加したフィルムにおいて178nm又は164nmと非常に高いRth値を発現することが分かった。また、エポキシエステル化合物(1)の添加量を実施例1の半分とした実施例3においても、129nmと高いRth値を発現し、より少ない添加量でも本発明で期待する効果が得られることが分かった。
また、エポキシエステル化合物(1)又は(2)のビフェニル骨格に置換されているアルキル基が、エポキシエステル化合物(1)又は(2)の分子間の芳香環のスタッキング緩和及びセルロースエステルとの相溶性向上に寄与するため、フィルムは高い透明性と高い耐ブリード性を維持した。さらに、フィルムの透湿度は600g/m・24h以下、化合物の加熱減量値は0.1%未満であったことから、耐透湿性、耐揮発性に優れることが分かった。
一方、比較例1は、ビスフェノールA型エポキシ化合物を原料としたエポキシエステル化合物(3)を用いた例であり、比較例2は、ビスフェノールF型エポキシ化合物を原料としたエポキシエステル化合物(4)を用いた例であるが、いずれのフィルムも芳香環の配向性が低く、Rth値はそれぞれ54nm及び53nmと低いことが分かった。
比較例3は、エステル化合物(1)をセルロースエステルに添加した例である。この比較例3のフィルムは、Rth値が119nmと比較的高い値であったが、同じ添加量でRth値が178nm及び164nmであった本発明のセルロースエステル樹脂組成物(実施例1及び2)には及ばなかった。また、エステル化合物(1)は低分子成分を含むため、加熱減量値が高く、本発明で期待する効果は得られないことが分かった。
比較例4は、エステル化合物(1)を比較例3の半分の添加量としてセルロースエステルに添加した例である。この比較例4のフィルムは、Rth値が81nmとなり、同じ添加量でRth値が129nmであった本発明のセルロースエステル樹脂組成物(実施例3)には及ばなかった。また、エステル化合物(1)は低分子成分を含むため、加熱減量値が高いことが分かった。
比較例5は、エステル化合物(2)及びエステル化合物(3)の混合物をセルロースエステルに添加した例である。この比較例5のフィルムは、Rth値が87nmと低いことが分かった。
比較例6は、従来からセルロースエステルに耐透湿性を付与するために用いられていたTPPをセルロースエステルに添加した例である。この比較例6のフィルムは、Rth値が25nmと非常に低い上に、化合物自身が低分子であるため、加熱減量値が高いことが分かった。
比較例7は、無添加のセルロースエステルであるが、Rth値が20nmと非常に低いことが分かった。

Claims (4)

  1. セルロースエステル樹脂(A)及び下記一般式(1)で表されるエポキシエステル化合物(B)を含有することを特徴とするセルロースエステル樹脂組成物。
    Figure 2011140637
    (式中、R〜Rは、それぞれ独立して炭素原子数1〜3のアルキル基を表し、Ar及びArは、それぞれ独立して芳香族基又は置換基を有する芳香族基を表す。)
  2. 前記セルロースエステル樹脂(A)100質量部に対して、前記エポキシエステル化合物(B)を0.5〜50質量部含有する請求項1記載のセルロースエステル樹脂組成物。
  3. 請求項1又は2記載のセルロースエステル樹脂組成物からなることを特徴とする光学フィルム。
  4. 請求項3記載の光学フィルムを有する液晶表示装置用偏光板。
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