JP2011113068A - ダイヤモンド微粒子を含有する透過型スクリーン - Google Patents

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Abstract

【課題】高い透過視認性と良好な散乱反射性とを両立するとともに、広い面積で均一な特性を有する透過型スクリーンを簡便に提供する。
【解決手段】基板と、前記基板上に設けた透明薄膜層と、前記透明薄膜層に含まれるメジアン径0.01〜1μmの光散乱体からなる透過型スクリーンであって、前記光散乱体が、爆射法で得られたグラファイト相を有するナノダイヤモンドを酸化処理して得られたダイヤモンド微粒子であることを特徴とする透過型スクリーン。
【選択図】図1

Description

本発明は、ヘイズが少なくかつコントラストの高い映写像を得ることのできる透過型スクリーンに関し、光散乱体としてダイヤモンド微粒子、フッ素化ダイヤモンド微粒子又はダイヤモンドをコアに有するコア/シェル型複合粒子を含有する透過型スクリーンに関する。
コンビニエンスストア等の商店の窓、デパート等のショーウインドー、イベントスペース等に設置された透明パーティション等に、その透過視認性を保持したまま、商品情報、広告等の様々なコンテンツを投影表示することは、きわめて有用なディスプレー手法である。具体的な実施形態として、例えば、窓、ショーウインドーに透明なプロジェクションスクリーンを貼合し、プロジェクターからコンテンツ画像を投影することが、近年行われている。
また、自動車、バイク、飛行機、ヘリコプター、船舶等の乗り物には、運転者(操縦者)等に各種情報を知らせるための様々な機器が設けられている。例えば自動車には、走行速度、回転数、燃料残量、時間、走行距離等を知らせるための機器が設けられている。自動車には、この他、ナビゲーション情報を知らせるためのナビゲーション装置が設けられることもある。
自動車においては、これらの情報表示のための機器の多くは、フロントウインドウ下方に配置されているため、運転中に運転者がフロントウインドウ下方の機器を見て情報を読み取る時は、視点を比較的大きく移動させている。そこで安全運転のために視点の移動距離を小さくすべく、ヘッドアップディスプレー(HUD)装置と呼ばれる表示装置が提案されている。HUD装置は、フロントウインドウ下部のウィンドウガラス面や、ウィンドウ近くの運転席(操縦席)内部に配置した透明なプロジェクションスクリーンにプロジェクターからコンテンツ画像を投影して、情報を表示するものであり、運転者は比較的小さな視点移動で情報を読み取ることができる。
プロジェクションスクリーンは、視野角依存性の少ない良好な投影画像を得るために、プロジェクターからの投影光を強く散乱反射する特性を有する。しかしながら、上述のように、窓、ショウウインドウ、透明パーティション、乗り物のフロントウインドウ等に従来の高散乱タイプのプロジェクションスクリーンを配置した場合、外からの光も投影光同様に散乱反射してしまうため、その透明基材が本来有している透過視認性を大きく損なってしまう。このため透過視認性を損なわず良好な散乱反射性を発現させることのできるプロジェクションスクリーンが望まれている。
特開2008-112040号(特許文献1)は、熱可塑性樹脂を含むマトリックス相及び分散相からなり、マトリックス相の屈折率と分散相の屈折率との関係を規定することにより、視認者側から投影される直線偏光に対して散乱反射性を有し、この直線偏光と直交する直線偏光については反射することなく高い透過性を有するとともに、フィルムを介した反対側からの光に対して全光線反射率がある程度低い光学特性を有する高分子フィルムを開示している。しかしながら、特開2008-112040号に記載の高分子フィルムは、マトリックス相及び分散相の構成成分を含む樹脂組成物を溶融押出キャスティングにより製膜した後、少なくとも一方向に延伸を行うことによって得られるため、延伸方向に垂直な方向の特性が不均一になる場合があり、さらなる改良が望まれている。
特開2008-112040号公報
従って、本発明の目的は、高い透過視認性と良好な散乱反射性とを両立するとともに、広い面積で均一な特性を有する透過型スクリーンを簡便に提供することである。
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者らは、爆射法により得られたグラファイト相を有するナノダイヤモンドを酸化処理した粒子、又はそれをフッ素化して得られるフッ素化ダイヤモンド微粒子が、ポリビニルブチラール等のポリマーに対する分散性に優れていること、及びダイヤモンド微粒子をポリマーに分散してなるフィルムは透過視認性を損なわず良好な散乱反射性を有することを見いだし、本発明に想到した。
すなわち、本発明の第一の透過型スクリーンは、基板と、前記基板上に設けた透明薄膜層と、前記透明薄膜層に含まれるメジアン径0.01〜1μmの光散乱体からなり、前記光散乱体が、爆射法で得られたグラファイト相を有するナノダイヤモンドを酸化処理して得られたダイヤモンド微粒子であることを特徴とする。
本発明の第二の透過型スクリーンは、基板と、前記基板上に設けた透明薄膜層と、前記透明薄膜層に含まれるメジアン径0.01〜1μmの光散乱体からなり、前記光散乱体が、爆射法で得られたグラファイト相を有するナノダイヤモンドを酸化処理して得られたダイヤモンド微粒子のコアと、有機ポリマー又はシリカのシェルとからなるコア/シェル型複合粒子であることを特徴とする。
前記ダイヤモンド微粒子は、フッ素処理されたフッ素化ダイヤモンド微粒子であるのが好ましい。
前記酸化処理は、酸化性化合物を含有する、水及び/又はアルコールからなる超臨界流体中で処理するのが好ましい。
前記酸化処理は、酸素を共存させた、水及び/又はアルコールからなる溶媒中で、前記溶媒の標準沸点以上の温度及び0.1 MPa(ゲージ圧)以上の圧力で処理するのが好ましい。
前記酸化処理は、380〜450℃で酸素を含む気体により処理するのが好ましい。
前記光散乱体を含有する透明薄膜層は2枚の基板の間に挟まれているのが好ましい。
前記透明薄膜層は高分子樹脂からなるのが好ましい。
前記基板がガラス又は高分子樹脂であることを特徴とする透過型スクリーン。
ヘッドアップディスプレー用スクリーンは、前記透過型スクリーンを用いたことを特徴とする。
本発明の透過型スクリーンは、透過視認性を損なわず良好な散乱反射性を有するので、ショーウインドーに用いる透過型スクリーンやヘッドアップディスプレー用スクリーンとして好適である。
本発明の透過型スクリーンの例を示す模式断面図である。 コア/シェル型複合粒子の例を示す模式図である。 スクリーンに光が入射した時の散乱方向を説明するための模式図である。 超臨界処理を行う装置の構成を示す概略図である。
[1] 透過型スクリーン
(1)構成
透過型スクリーン1は、図1(a)に示すように、基板11と、前記基板11上に設けた透明薄膜層12と、前記透明薄膜層12に含まれるメジアン径0.01〜1μmの光散乱体10からなる。透過型スクリーン1は、図1(b)に示すように、2枚の基板11a,11bの間に、前記光散乱体10を含有する透明薄膜層12を挟んでなるものであってもよい。
(2)基板
基板はガラス、高分子樹脂からなるのが好ましい。ガラスとしては、ケイ酸塩ガラス、リン酸塩ガラス、ホウ酸塩ガラス等の酸化ガラスが実用的であり、特にケイ酸ガラス、ケイ酸アルカリガラス、ソーダ石灰ガラス、カリ石灰ガラス、鉛ガラス、バリウムガラス、ホウケイ酸ガラス等のケイ酸塩ガラスが好ましい。
高分子樹脂としては可視光の透過性に優れたものが好ましく、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、ポリエステルアクリレート系樹脂、ポリウレタンアクリレート系樹脂、エポキシアクリレート系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、セルロース系樹脂、アセタール系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂等の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂等を用いることができる。
(3) 透明薄膜層
透明薄膜層は、前記基板に用いることのできる高分子樹脂を用いるのが好ましい。特に好ましいのはポリビニルアセタール系の樹脂であり、最も好ましいのはポリビニルブチラールである。基板及び透明薄膜層の両方を高分子樹脂で構成する場合、それらの樹脂は同じであっても異なっていてもよい。透明薄膜層の厚みは、5〜1000μmであるのが好ましく、10〜800μmであるのがより好ましく、20〜500μmであるのが最も好ましい。5μm未満の場合は十分な反射像が得られなくなり、1000μmを越えると像がぼけてしまう。透明薄膜層そのものを透過型シートとして用いても良い。
(4)光散乱体
光散乱体のメジアン径が可視光の波長と同等以上になると前方散乱Sf(図3に示すように、入射光Iに対してスクリーン1の反対側で起こる散乱)が著しく強くなり、透過型スクリーンを透過してくる光が滲んでしまう。従って、前記光散乱体のメジアン径は1μm以下であり、400 nm以下であるのが好ましく、200 nm以下であるのがより好ましい。光散乱体のメジアン径が0.01μmより小さくなると後方散乱Sb(図3に示すように、入射光Iに対してスクリーン1の手前側で起こる散乱)がほとんど起こらなくなり、透過型スクリーンの散乱反射性が低下する。光散乱体のメジアン径は30 nm以上であるのが好ましい。
光散乱体は透明薄膜層を構成する材質よりも高い屈折率を有するのが好ましい。透明薄膜層として高分子樹脂を用いた場合、一般に高分子樹脂の屈折率は1.5〜1.6程度であるので、光散乱体の屈折率は2以上であるのが好ましく、2.3以上であるのがより好ましい。このような屈折率を有する光散乱体として、ダイヤモンド(屈折率2.4)が特に好ましい。ダイヤモンドとしては、爆射法で得られたグラファイト相を有するナノダイヤモンドを酸化処理して得られるダイヤモンド微粒子が好ましい。特に前記ダイヤモンド微粒子をフッ素処理して得られたフッ素化ダイヤモンド微粒子は、高分子樹脂への分散性に優れており、前記光散乱体として好適である。メジアン径0.01〜1μmのフッ素化ダイヤモンド微粒子は、1〜10 nm程度の径を有するナノ粒子が凝集した形状のものであるのが好ましい。
前記光散乱体として、前記ダイヤモンド微粒子の代わりに、図2(a)〜図2(c)に示すような、前記ダイヤモンド微粒子のコアと、有機ポリマー又はシリカのシェルとからなるコア/シェル型複合粒子を用いることもできる。フッ素化ダイヤモンド微粒子をコアとして用いても良い。前記光散乱体として、フッ素化ダイヤモンド微粒子と前記コア/シェル型複合粒子とを併用しても良い。
(i) ダイヤモンド微粒子
ダイヤモンド微粒子は、爆射法で得られた、グラファイト相を有するナノダイヤモンドを酸化処理して得られるものが好ましい。フッ素化ダイヤモンド微粒子は、前記グラファイト相を有するナノダイヤモンド又は前記酸化処理して得られたダイヤモンド微粒子をフッ素化することにより得られるものが好ましい。爆射法で得られたナノダイヤモンドを含む微粒子(グラファイト相を有するナノダイヤモンド)は、ダイヤモンドの表面をグラファイト系炭素が覆ったコア/シェル構造を有しており、そのため黒く着色しており光散乱体として用いるには好ましくない。このため酸化処理を施すことにより、グラファイト相がほとんど除去されたダイヤモンド微粒子とするのが好ましい。グラファイト相を除去してゆくと、それに応じて着色成分が減少してゆくが、グラファイト系炭素の表面に存在する-COOH、-OH等の親水性官能基も減少し、水、アルコール、エチレングリコール等の-OH基を有する溶媒(特に水)との親和性が低下する。フッ素化は、グラファイト系炭素の表面に存在する-COOH、-OH等の親水性官能基が微量に残存した状態のナノダイヤモンドに対して行ってもよいし、十分に酸化処理を施したナノダイヤモンドに対して行っても良い。どちらの場合もフッ素化により溶剤への親和性に優れたフッ素化ダイヤモンド微粒子となる。
このようにして得られたダイヤモンド微粒子及びフッ素化ダイヤモンド微粒子は、比重が3.38 g/cm3より大きいものであるのが好ましく、3.50 g/cm3以下であるのが好ましい。前述のように爆射法で得られたダイヤモンドは、1〜10 nm程度の径を有するナノサイズのダイヤモンドが凝集したメジアン径10〜250 nm(動的光散乱法)の粒子であるので、光散乱体として使用する場合、更に0.01〜1μmに凝集させて使用するのが好ましい。
(ii)コア/シェル型複合粒子
コア/シェル型複合粒子20は、図2(a)〜図2(c)に示すように、グラファイト相を有するナノダイヤモンドを酸化処理して得られるダイヤモンド微粒子のコア21と有機ポリマー、無機材料等のシェル22とからなるコア/シェル構造の複合粒子である。ダイヤモンドは2.4という高い屈折率を有するため、前記複合粒子の平均屈折率を高めることができる。そのため前記コア/シェル型複合粒子20を光散乱体として用いた時に、媒体(高分子樹脂等)との屈折率差が大きくなり、より高い散乱効果が得られる。また、ダイヤモンド微粒子を粒子内に含有させることにより、ダイヤモンドを単独で使用する場合に比べて、使用する分散媒に応じて粒子の材質を選択することができるので、粒子の分散安定性の付与が容易であり製造適性も向上させることができる。コア21として用いるダイヤモンド微粒子として前記フッ素化ダイヤモンド微粒子を用いるのが好ましい。
また爆射法で得られたダイヤモンドは、1〜10 nm程度の径を有するナノサイズのダイヤモンドが凝集したメジアン径10〜250 nm(動的光散乱法)の粒子であり、この粒子を光散乱体として使用する場合、例えば0.01〜1μmに凝集させる必要があるが、ナノサイズのダイヤモンド微粒子をコアとした複合粒子とすることで、容易に所望のサイズの粒子を得ることができる。
コア/シェル型複合粒子20中のダイヤモンド微粒子(コア21粒子)の含有量は2〜98質量%であるのが好ましく、10〜96質量%であるのが更に好ましく、20〜94質量%であるのが最も好ましい。2質量%未満ではダイヤモンド微粒子による屈折率向上の効果が小さく、98質量%以上ではシェルの被覆が不完全となり分散安定性の向上効果が劣る場合がある。コア/シェル型複合粒子内に含有するダイヤモンド微粒子(コア21)の数は、上記体積比率であれば特に制限はなく、図2(a)に示すように1個であっても良いし、図2(b)に示すように2個以上であっても良い。コア21が2個以上である場合は、図2(c)に示すようにコア21の大きさは一定でなくても良い。
ダイヤモンド微粒子(コア21)のメジアン径は、0.01〜1μmのメジアン径を有するコア/シェル型複合粒子を形成できる範囲であればどのような大きさであっても良く、10 nm以上1μm未満であるのが好ましく、20 nm以上0.9μm以下であるのがより好ましく、30 nm以上0.8μm以下であるのが最も好ましい。
コア/シェル型複合粒子は、シェル部が有機ポリマー又は無機材料からなるのが好ましい。有機ポリマーとしては、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂等が好ましく、無機材料としてはシリカ、金属酸化物等が好ましい。
[2] 透過型スクリーンの製造方法
透過型スクリーンは、高分子樹脂を溶融して光散乱体を含有させてシート化し、得られた透明薄膜を基板に張り合わせる方法、高分子樹脂を溶剤に溶解し光散乱体をその高分子樹脂溶液に分散させ塗料化したものを基板に成膜する方法等により作製することができる。
[3]ダイヤモンド微粒子及びフッ素化ダイヤモンド微粒子の製造方法
グラファイト相を有するナノダイヤモンドの酸化処理方法としては、(a) 硝酸等により高温高圧処理する方法(酸化処理A)、(b)水及び/又はアルコールからなる超臨界流体中で処理する方法(酸化処理B)、(c)水及び/又はアルコールからなる溶媒に酸素を共存させて、前記溶媒の標準沸点以上の温度及び0.1 MPa(ゲージ圧)以上の圧力で処理する方法(酸化処理C)、又は(d)380〜450℃で酸素を含む気体により処理する方法(酸化処理D)が挙げられる。これらの酸化処理は、単独で行ってもよいし、組み合わせて行っても良い。酸化処理を組み合わせる場合は、爆射法で得られた未精製の粗ダイヤモンド(以下、BDと言う)にまず酸化処理Aを施し、更に酸化処理B〜Cのいずれかを施すのが好ましい。
本願においては、爆射法で得られた未精製の粗ダイヤモンドをBDと言い、BD又はこのBDに酸化処理Aを施すことによりグラファイト相の一部が除去されたグラファイト-ダイヤモンド粒子を、グラファイト相を有するナノダイヤモンドと言う。また、グラファイト相を有するナノダイヤモンドに酸化処理B〜Cのいずれかの処理を施すことによりグラファイト相がほとんど除去された粒子が得られる。
(1) 爆射法によるBDの合成
爆射法によるBDの合成は、例えば、水と多量の氷を満たした純チタン製の耐圧容器に、電気雷管を装着した爆薬[例えば、TNT(トリニトロトルエン)/HMX(シクロテトラメチレンテトラニトラミン)=50/50]を胴内に収納させ、片面プラグ付き鋼鉄製パイプを水平に沈め、この鋼鉄製パイプに鋼鉄製のヘルメットを被覆して、前記爆薬を爆裂させることにより行うことができる。反応生成物としてのBDは容器中の水及び氷中から回収する。
前記爆射法は、Science, Vol. 133, No.3467(1961), pp1821-1822、特開平1-234311号、特開平2-141414号、Bull. Soc. Chem. Fr. Vol. 134(1997), pp. 875-890、Diamond and Related materials Vol. 9(2000), pp861-865、Chemical Physics Letters, 222(1994), pp. 343-346、Carbon, Vol. 33, No. 12(1995), pp. 1663-1671、Physics of the Solid State, Vol. 42, No. 8(2000), pp. 1575-1578、K. Xu. Z. Jin, F. Wei and T. Jiang, Energetic Materials, 1, 19(1993)、特開昭63-303806号、特開昭56-26711報、英国特許第1154633号、特開平3-271109号、特表平6-505694号(WO93/13016号)、炭素, 第22巻, No. 2, 189〜191頁(1984)、Van Thiei. M. & Rec., F. H., J. Appl. Phys. 62, pp. 1761〜1767(1987)、特表平7-505831号(WO94/18123号)、米国特許第5861349号及び特開2006-239511号等に記載の方法を用いることができる。
(2)酸化処理工程
(i)酸化処理A
爆射法で得られた未精製の粗ダイヤモンド(BD)は、まず酸化処理Aを施すのが好ましい。酸化処理Aを施すことによりグラファイト相の一部が除去されたグラファイト-ダイヤモンド粒子が得られる。酸化処理Aは、(a) 爆射法で得られたBDを、酸中で酸化性分解処理する工程、(b)酸化性分解処理したBDを、更に厳しい条件で処理する酸化性エッチング処理工程、(c)酸化性エッチング処理後の液を中和する工程、(d)脱溶媒工程、及び(e)洗浄工程からなり、必要に応じてグラファイト-ダイヤモンド粒子分散液の(f)pH及び濃度を調製する工程、又は(g) 乾燥して微粉末とする工程からなる。
(a) 酸化性分解処理工程
回収したBDを55〜56質量%の濃硝酸、又は濃硝酸と濃硫酸との混合物とともに、1.4 MPa程度の圧力及び150〜180℃程度の温度で10〜30分間処理し、電気雷管等の混入金属、炭素等の夾雑物等の不純物を分解する。
(b) 酸化性エッチング処理工程
酸化性分解処理したBDは、濃硝酸中で酸化性分解処理よりも更に厳しい条件(例えば、1.4 MPa、200〜240℃)で行う。このような条件で10〜30分処理すると、BD表面を被覆する硬質炭素、すなわちグラファイトを徹底的に除去することができる。
(c) 中和工程
酸化性エッチング処理後のグラファイト-ダイヤモンド粒子を含む硝酸水溶液(pHが2〜6.95)に、それ自身又はその分解反応生成物が揮発性の塩基性物質を加えて中和反応させる。塩基性物質の添加によりpH7.05〜12に上昇する。前記塩基性物質を使用することにより、凝集したグラファイト-ダイヤモンド粒子内に浸透した塩基が、粒子内の硝酸と反応し、ガス化することにより凝集体を個々のグラファイト-ダイヤモンド粒子に解体するといった効果が得られる。この工程により、グラファイト-ダイヤモンド粒子の大きな比表面積及び孔部吸着空間が形成されるものと思われる。
塩基性材料としては、アンモニア、ヒドラジン、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エタノールアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジプロピルアミン、アリルアミン、アニリン、N,N-ジメチルアニリン、ジイソプロピルアミン、ジエチレントリアミンやテトラエチレンペンタミンのようなポリアルキレンポリアミン、2-エチルヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、ピペリジン、ホルムアミド、N,N-メチルホルムアミド、尿素等を挙げることができる。
(d) 脱溶媒工程
得られたグラファイト-ダイヤモンド粒子を含む液は、遠心分離、デカンテーション等により脱溶媒するのが好ましい。
(e) 水洗工程
脱溶媒したグラファイト-ダイヤモンド粒子は水洗するのが好ましい。洗浄操作は3回以上行うのが好ましい。水洗したダイヤモンド微粒子は、再度遠心分離し、脱水するのが好ましい。
(f) pH及び濃度を調製する工程
グラファイト-ダイヤモンド粒子分散液は、pH 4〜10、好ましくはpH5〜8、より好ましくはpH6〜7.5に調節する。グラファイト-ダイヤモンド粒子濃度は0.05〜16%、好ましくは0.1〜12%、より好ましくは1〜5%に調製するのが好ましい。液中に分散しているグラファイト-ダイヤモンド粒子は、ほとんどが2〜250 nmの粒径(数基準で80%以上、重量基準で70%以上が2〜250 nmの範囲にある)である。
BD及びBDに酸化処理Aを施して得られたグラファイト-ダイヤモンド粒子は、主として粒界及び表面にグラファイト相を有する。BD及びグラファイト-ダイヤモンド粒子は、グラファイト以外の不純物として、(i) 非晶質炭素、(ii) 炭化水素、ヘテロ原子含有炭化水素等の炭化水素不純物、及び(iii) 金属(鉄、珪素、硫黄等)、金属酸化物、金属塩(金属硫酸塩、金属カーボネート等)、金属カーバイド等の金属系不純物を有する。これらの不純物によりBD及びグラファイト-ダイヤモンド粒子の表面は、メチル基、メチレン基、メチン基、カルボニル基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、ニトロ基、硝酸エステル基、スルホン酸基、炭素原子に結合した水酸基(結合性水酸基)等の官能基が存在する。
(ii)酸化処理B
グラファイト相を有するナノダイヤモンド(BD、グラファイト-ダイヤモンド粒子等)は更に酸化処理B〜Dを施すことによりグラファイト層を除去するのが好ましい。酸化処理Bは、(a) グラファイト相を有するナノダイヤモンドと、酸化性化合物と、水及び/又はアルコールからなる溶媒とからなる混合物A(単に「混合物A」とよぶことがある)を調製し、(b) この混合物Aを、溶媒の臨界点以上の温度及び圧力にした状態でグラファイト相を有するナノダイヤモンドを処理し、(c) 得られたダイヤモンド微粒子を含む液を遠心分離して溶媒を除去する工程を有する。更に、脱溶媒したダイヤモンド微粒子を(d)水洗及び遠心分離により脱水する工程を設けるのが好ましい。工程(c)と(d)の間に、必要に応じて、脱溶媒したダイヤモンド微粒子を(e)塩基性溶液で中和する工程、及び(f)弱酸で処理する工程を設けてもよい。工程(c)又は(d)で得られたダイヤモンド微粒子は乾燥して微粉末にする。
(a) 混合物Aの調製工程
混合物Aは、グラファイト相を有するナノダイヤモンドの粉末に、酸化性化合物、及び水及び/又はアルコールからなる溶媒を混合することにより調製する。又は、前記溶媒にあらかじめグラファイト相を有するナノダイヤモンドを分散した液に、前記酸化性化合物又はその溶液を添加して調製しても良い。混合物Aには、酸化性化合物による酸化反応を促進させるため、塩基性化合物又は酸化性化合物を添加しても良い。
酸化性化合物としては、硝酸、過酸化水素、過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウム、過ホウ酸ナトリウム、過ホウ酸カリウム、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム、亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸カリウム、塩素酸リチウム、塩素酸ナトリウム、塩素酸カリウム、過塩素酸リチウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カリウム、過マンガン酸ナトリウム、過マンガン酸カリウム、マンガン酸ナトリウム、マンガン酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、重クロム酸カリウム、クロム酸カリウム等が挙げられ、硝酸及び過酸化水素が好ましい。
酸性化合物としては、硝酸、硫酸、塩酸、リン酸、ホウ酸、フッ酸、臭化水素酸等の無機酸、及び蟻酸、酢酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸等の有機酸が挙げられ、無機酸が好ましく、硝酸がより好ましい。
塩基性化合物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、四ホウ酸リチウム、四ホウ酸ナトリウム、四ホウ酸カリウム、アンモニア等が挙げられる。
これらの化合物は複数種を併用してもよい。好ましい組合せとして、酸化性化合物と酸性化合物との組合せ(例えば、過酸化水素と硝酸との組合せ)、又は酸化性化合物と塩基性化合物との組合せ(例えば、過酸化水素とアンモニアとの組合せ)が挙げられる。
溶媒としては、水、アルコール又はこれらの混合液を用いる。アルコールとしては炭素数1〜3の低級アルコールが好ましい。低級アルコールの具体例として、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール及びこれらの混合液が挙げられる。
十分に精製するために、前記酸化性化合物の混合物A中の濃度は、0.01〜10 mol/Lが好ましく、0.1〜5mol/Lがより好ましい。
混合物A中のグラファイト相を有するナノダイヤモンドの濃度は、0.05〜16質量%が好ましく、0.1〜12質量%がより好ましく、1〜10質量%が最も好ましい。この濃度が16質量%を超えると、精製が不十分となる恐れがある。一方0.05質量%未満であると、回収時のロスの割合が多くなり、効率が悪い。
(b) 超臨界処理工程
混合物Aを溶媒の臨界点以上の温度及び圧力で処理する。水の臨界温度は374℃であり、臨界圧力は22.1 MPaである。メタノールの臨界温度は240℃であり、臨界圧力は8.0 MPaである。エタノールの臨界温度は243℃であり、臨界圧力は7.0 MPaである。イソプロパノールの臨界温度は244℃であり、臨界圧力は5.4 MPaである。n-プロパノールの臨界温度は264℃であり、臨界圧力は5.1 MPaである。処理温度は溶媒の臨界温度以上、600℃以下であるのが好ましく、550℃以下であるのがより好ましい。処理圧力は溶媒の臨界圧力以上、100 MPa以下であるのが好ましく、70 MPa以下であるのがより好ましく、50 MPa以下であるのが最も好ましい。処理時間は温度及び圧力により適宜設定すればよいが、1〜24時間が好ましい。
酸化性化合物を含む超臨界流体に、グラファイト相を有するナノダイヤモンドを接触させると、超臨界流体の有する高い拡散性と高い溶解性とにより、粒界のグラファイト相に前記化合物が深く浸透し、前記化合物によるグラファイト相の酸化が促進されるものと考えられる。このような激しい反応性を有する超臨界流体により、グラファイト相を効率的に分解することができる。
(c) 脱溶媒工程
得られたダイヤモンド微粒子を含む液は、遠心分離等により脱溶媒するのが好ましい。
(d) 水洗工程
デカンテーション法により、脱溶媒したダイヤモンド微粒子を水洗するのが好ましい。洗浄操作は3回以上行うのが好ましい。水洗したダイヤモンド微粒子は、再度遠心分離し、脱水するのが好ましい。
(e) 中和工程
工程(c)で脱溶媒したダイヤモンド微粒子を、塩基性溶液で中和してもよい。塩基性溶液としては水酸化ナトリウム水溶液及び水酸化カリウム水溶液が好ましい。塩基性溶液の濃度は0.01〜0.5 mol/Lが好ましい。脱溶媒したダイヤモンド微粒子に塩基性溶液を添加し、超音波処理するのが好ましい。中和後、遠心分離し、塩基性溶液を除去する。
(f) 弱酸処理工程
工程(e)で中和したダイヤモンド微粒子を弱酸溶液で洗浄するのが好ましい。弱酸溶液によって、中和処理後に残留しているナトリウム等の金属イオンを除去することができる。弱酸溶液の例として、0.01〜0.5 mol/Lの塩酸が挙げられる。中和したダイヤモンド微粒子に弱酸溶液を添加し、超音波処理するのが好ましい。洗浄後、遠心分離し、弱酸溶液を除去する。
(iii)酸化処理C
酸化処理Cは、(a) グラファイト相を有するナノダイヤモンドと、水及び/又はアルコールからなる溶媒とからなる混合物Bを調製し、(b) この混合物Bに酸素を共存させた状態で、処理溶媒の標準沸点以上の温度及び0.1 MPa(ゲージ圧)以上の圧力でグラファイト相を有するナノダイヤモンドを処理し、(c) 得られたダイヤモンド微粒子を含む液を遠心分離して溶媒を除去する工程を有する。更に、脱処理溶媒したダイヤモンド微粒子を(d)水洗及び遠心分離により脱水する工程を設けるのが好ましい。工程(c)又は(d)で得られたダイヤモンド微粒子は乾燥して微粉末にする。
(a)混合物Bの調製工程
混合物Bは、グラファイト相を有するナノダイヤモンドと、水及び/又はアルコールからなる溶媒とを混合することにより調製する。混合物B中のグラファイト相を有するナノダイヤモンドの濃度は、0.05〜16質量%が好ましく、0.1〜12質量%がより好ましく、1〜10質量%が最も好ましい。この濃度が16質量%を超えると、精製が不十分となる恐れがある。一方0.05質量%未満であると、回収時のロスの割合が多くなり生産性が悪化する。
溶媒としては、前記混合物Aの調製で用いることのできるものと同じものが使用できる。
(b) 精製処理工程
混合物Bをオートクレーブに入れ、酸素を導入する。オートクレーブ内に空気がある場合、酸素で置換するのが好ましい。酸素の導入量は、グラファイト相を有するナノダイヤモンド中のグラファイト1 gに対して、0.1モル以上が好ましく、0.15モル以上がより好ましく、0.2モル以上が最も好ましい。この導入量の上限は特に制限されない。ナノダイヤモンド中のグラファイトの割合は、例えば、JIS K2249に準拠してナノダイヤモンドの比重を測定し、この比重から、ダイヤモンドの比重を3.50 g/cm3とし、グラファイトの比重を2.25 g/cm3として算出することができる。
処理溶媒の標準沸点Tb以上及び0.1 MPa(ゲージ圧)以上となるように、オートクレーブ内の温度及び圧力を調整する。処理溶媒のTb以上及び0.1 MPa(ゲージ圧)以上にする限り、処理溶媒を亜臨界状態[Tb以上の温度及び0.1 MPa(ゲージ圧)以上の圧力で、かつ臨界温度Tc未満及び/又は臨界圧力Pc未満の状態]にしてもよいし、超臨界状態にしてもよい。亜臨界又は超臨界状態の酸素及び処理溶媒により、グラファイト相を効率的に選択酸化することができる。
処理温度の下限は(処理溶媒の臨界温度Tc-150℃)が好ましく、(Tc−100℃)がより好ましい。処理温度の上限は800℃が好ましく、600℃がより好ましい。処理圧力の下限は、処理溶媒の臨界圧力Pcの30%が好ましく、Pcの50%がより好ましく、Pcの70%が最も好ましい。処理圧力の上限は70 MPaが好ましく、50 MPaがより好ましい。処理時間は温度及び圧力により適宜設定すればよいが、0.1〜24時間が好ましい。
表1に、酸素、水及び低級アルコールのTb、Tc及びPcを示す。水及び低級アルコールのTcは、酸素のTc(-118℃)より遥かに高く、水及び低級アルコールのPcは、酸素のPc(5.1 MPa)以上である。従って、水及び/又は低級アルコールからなる処理溶媒をTb以上及び0.1 MPa(ゲージ圧)以上にした時、酸素は亜臨界状態のままか超臨界状態となり、処理溶媒を超臨界状態にした時、酸素も超臨界状態となる。
Figure 2011113068
(c) 脱溶媒工程
酸化処理Cと同様にして行う。
(d) 水洗工程
酸化処理Cと同様にして行う。
(iv)酸化処理D
酸化処理Dは、前記グラファイト相を有するナノダイヤモンドを反応管に入れ、常圧下で酸素を含む気体を流しながら380〜450℃に加熱する工程を有する。加熱温度は400〜430℃であるのが好ましい。酸素を含む気体は、酸素ガス、空気等を使用できるが、簡便さから空気が好ましい。
(3)メディア分散処理
爆射法により得られたBD、及びBDに酸化処理Aを施して得られたグラファイト-ダイヤモンド粒子の動的光散乱法で求めたメジアン径は30〜250 nmである。これらの粒子は、1〜10 nm程度の径を有するナノサイズのダイヤモンドが強固に凝集した凝集体である。酸化処理を効率よく行い、着色の少ないダイヤモンド微粒子を得るために、酸化処理B〜Dの前にBD又はグラファイト-ダイヤモンド粒子をビーズミル等の公知のメディア分散法により粉砕するのが好ましい。ビーズミルによる分散は、ジルコニアビーズを使用するのが好ましい。BD又はグラファイト-ダイヤモンド粒子をメディア分散することにより、メジアン径を100 nm以下にするのが好ましく、50 nm以下にするのがより好ましく、30 nm以下にするのが最も好ましい。
ビーズミルによる分散は市販の装置を用いて行うことができる。連続的に分散液を供給しながら、ビーズによる粉砕を行うことができる装置を使用するのが好ましく、例えば0.1 mm径のジルコニアビーズを0.15 Lのベッセルに充填し、10 m/s程度の周速で回転子を回転させながら、5%程度のグラファイト-ダイヤモンド粒子の水分散物を0.12 L/minで供給し粉砕する。更に細かく分散させたい時は、0.05 mm径のジルコニアビーズを用いてもよい。
(4)ダイヤモンド微粒子の性質及び用途
爆射法で得られたBDに酸化処理Aを施し、更に酸化処理B〜Dのいずれかを施すことにより得られたダイヤモンド微粒子は、グラファイト相が十分に除去されている。具体的には、ラマンスペクトルにおけるダイヤモンドに帰属する1,330±10 cm-1のピーク強度I1が、グラファイトに帰属する1,610±100 cm-1のピーク強度I2より大きい(前者のピークの方が後者のピークより高い)。強度比I1/I2は1.2以上であるのが好ましい。
ダイヤモンド微粒子はまた、グラファイト相の除去に伴い多くの官能基が除去されている。具体的には、赤外吸収スペクトルにおける3,700 cm-1付近の炭素原子に結合した水酸基の伸縮振動に帰属されるピーク及び2,930 cm-1付近のメチレン基の伸縮振動に帰属されるピークが実質的に検出されない。
ダイヤモンド微粒子は、ナノサイズのダイヤモンドの一次粒子が凝集してなるメジアン径30 nm〜1μm(動的光散乱法)程度の粒子であり、10μm以上の粗大粒子を微量に含む。この粒子は、使用目的に応じて濾過、遠心分離、デカンテーション等の方法により比較的細かい粒子と粗大な粒子とを分離して使用するのが好ましい。前記コア/シェル型複合粒子のコア粒子として使用する場合は、比較的細かい粒子を使用し、そのまま光散乱体として使用する場合はメジアン径0.01〜1μmの粒子をフッ素化(後述)して使用する。
ダイヤモンド微粒子は前述の通りグラファイト相が十分に除去されているので、ダイヤモンド本来の性質(優れた機械的性質、化学的安定性、電気絶縁性、低誘電性、熱伝導性、耐熱性等)を十分に発揮することができる。ダイヤモンド微粒子は高い屈折率を有し、他の材料(透明樹脂、ガラス等)への分散性にも優れているので、光散乱体や、コア/シェル型複合粒子に好適である。
(5)フッ素化処理
フッ素化ダイヤモンド微粒子は、前記酸化処理により得られたダイヤモンド微粒子の表面をフッ素で修飾したものである。ダイヤモンド微粒子のフッ素化は、フッ素ガスと直接反応させる方法、又はフッ素プラズマによる方法等により行うことができる。
フッ素ガスと直接反応させる方法は、ダイヤモンド微粒子を入れた反応管(ニッケル製等)に、フッ素ガスとアルゴン等の不活性ガスとの混合ガスを300〜500℃で10〜500時間流すことにより行う。
フッ素化ダイヤモンド微粒子のフッ素含有量は0.1〜20 wt%であるのが好ましく、0.2〜15 wt%であるのが好ましい。フッ素含有量が0.1 wt%未満であると、フッ素含有の高分子樹脂を用いた時、樹脂との相溶性が低下する。フッ素含有量が20 wt%以上であると、非フッ素系の溶剤や添加剤との相溶性が低下する。
[4] コア/シェル型複合粒子の製造方法
コア/シェル型複合粒子は、ダイヤモンド微粒子のコアと、有機ポリマー又はシリカのシェルとからなるコア/シェル型複合粒子が好ましい。
(1) 有機ポリマーのシェルを有するコア/シェル型複合粒子
有機ポリマーのシェルを有するコア/シェル型複合粒子は、乳化重合、懸濁重合等により有機ポリマー粒子を合成する際に、前記ダイヤモンド微粒子を存在させることにより製造できる。ダイヤモンド微粒子が乳化重合、懸濁重合等で得られる有機ポリマー粒子中に取込まれ、図2(a)〜図2(c)で示すようなコア/シェル構造の複合粒子が生成する。
以下に有機ポリマーのシェルを有するコア/シェル型複合粒子(複合ポリマー粒子)の製造法の一例を具体的に説明する。
複合ポリマー粒子は、ノニオン界面活性剤(第1のノニオン界面活性剤)の存在下、ダイヤモンド微粒子が水性媒体中に分散した系において、曇点以上の温度でビニル単量体を重合することにより得ることができる。特に、曇点未満の温度で第1のノニオン界面活性剤とダイヤモンド微粒子分散液とを混合した後、曇点以上の温度に昇温し、ダイヤモンド微粒子表面に第1のノニオン界面活性剤を吸着させ、ビニル単量体を重合することにより、ダイヤモンド微粒子とビニル重合体とが有効に結合した複合粒子を得ることができる。
前記分散系では、第1のノニオン界面活性剤がダイヤモンド微粒子表面に吸着するにつれて、又はビニル単量体の重合が進行するにつれてダイヤモンド微粒子が疎水化し、分散安定性が低下して凝集ゲル化する場合がある。従って、疎水化したダイヤモンド微粒子を水性媒体中で分散安定化させるために、第2のノニオン界面活性剤を反応系に添加してもよい。第2のノニオン界面活性剤は、混合初期に添加してもよく、昇温時、重合初期、又は重合後に添加してもよい。好ましくは、第1のノニオン界面活性剤の曇点以上の温度になった後、第2のノニオン界面活性剤を添加するのが好ましい。
第2のノニオン界面活性剤の曇点は、第1のノニオン界面活性剤が吸着したダイヤモンド微粒子を分散安定化させるために、第1のノニオン界面活性剤の曇点を越える場合が多い。更に、ビニル単量体が重合する過程で、ダイヤモンド微粒子を安定化させるためには、重合温度を越える温度の曇点を有していることが好ましい。第2のノニオン界面活性剤は、疎水化されたダイヤモンド微粒子表面に配向し、ダイヤモンド微粒子を安定化し、更には第1のノニオン界面活性剤とともに、ビニル単量体の重合の場を提供する。
第2のノニオン界面活性剤の使用量は、ミセルを形成してビニル重合体単独粒子が生成するのを防ぐために、臨界ミセル濃度(CMC)以下であるのが好ましく、例えば、固形分換算で、ダイヤモンド微粒子100重量部に対して、0.01〜5重量部、好ましくは0.1〜3重量部、更に好ましくは0.1〜2重量部程度である。
乳化重合に一般的に使用されるアニオン界面活性剤を、分散安定化のために使用してもよい。第1のノニオン界面活性剤をダイヤモンド微粒子表面に有効に吸着させるために、第1のノニオン界面活性剤をダイヤモンド微粒子表面に吸着させた後に、アニオン界面活性剤を添加するのが好ましい。例えば、ノニオン界面活性剤がダイヤモンド微粒子へ均一に吸着した後、あるいはビニル単量体が重合し、安定化されたシード状複合粒子が生成した後に、アニオン界面活性剤を添加してもよい。
ビニル単量体は、前記分散系で重合可能な種々の方法で重合できる。好ましい重合方法は、水性媒体(特に、水)中でビニル単量体を重合する乳化重合法である。乳化重合法において、ビニル単量体を連続的あるいは段階的に反応系に仕込む方法が好ましい。ノニオン界面活性剤の存在下、ダイヤモンド微粒子が分散した系に一括に単量体を仕込むと、コア/シェル複合粒子の生成量が減少する場合がある。これは、ノニオン界面活性剤が単量体の油滴に溶解し、ダイヤモンド微粒子表面に吸着したノニオン界面活性剤が減少するためと考えられる。シードとして、安定な粒子が生成した後、ビニル単量体を一括に仕込んでもよい。反応系に単量体を添加する場合、単量体の組成は同一であってもよく、変化させてもよい。
重合開始剤としては、過酸化物(例えば、過酸化水素)、過硫酸塩(例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム)、水性アゾ化合物やレドックス重合開始剤が使用できる。
重合体の分子量の調整のため、連鎖移動剤、例えば、ビニル単量体に可溶な有機過酸化物、有機アゾ化合物、ハロゲン化炭化水素(四塩化炭素等)、メルカプタン類、チオール類を用いてもよい。連鎖移動剤の使用量は、例えば、ビニル単量体に対して5重量%以下である。
必要であれば、ダイヤモンド微粒子の分散安定性を高めるため、pH調整剤(例えば、酸(硫酸、塩酸等)、アンモニア、アミン等)を重合過程又は反応終了後の水性分散体に添加してもよい。重合系又は水性分散体のpHは、例えば、pH7〜9(例えば、7.5〜8.5)程度に調整してもよい。
ノニオン界面活性剤の曇点や臨界ミセル濃度(CMC)又は使用量を組み合わせて調整することにより、コア/シェル粒子(複合ポリマー粒子)/ビニル重合体粒子/ダイヤモンド微粒子の比率を任意にコントロールできる。
ダイヤモンド微粒子が水性媒体中に分散した系において、ノニオン界面活性剤の曇点以上の温度でビニル単量体を重合すると、少なくともコア/シェル構造の複合粒子を主成分とした水性分散体を得ることができる。更に、ノニオン界面活性剤の濃度が臨界ミセル濃度(CMC)未満でビニル単量体を重合すると、ダイヤモンド微粒子にノニオン界面活性剤を有効に吸着させることができ、コア/シェル構造の複合粒子を得ることができる。一方、ノニオン界面活性剤濃度が臨界ミセル濃度以上である場合、ビニル単量体の重合の場としてのミセルを形成し、ビニル重合体粒子を形成する場合がある。
ノニオン界面活性剤の使用量が、ダイヤモンド微粒子に対する飽和吸着量未満である場合、通常のダイヤモンド微粒子が主成分となり、飽和吸着量以上であれば、少なくともコア/シェル構造の複合粒子を主成分とする水性分散体を得ることができる。
以上のように、ノニオン界面活性剤の曇点以上の温度で重合する方法において、ノニオン界面活性剤の種類や濃度を調整することによって、コア/シェル複合粒子/ビニル重合体粒子/ダイヤモンド微粒子の比率をコントロールすることができる。より具体的には、次の通りである。
(a-1)ノニオン界面活性剤の濃度が、臨界ミセル濃度(CMC)未満であって、ダイヤモンド微粒子に対する飽和吸着量未満である場合、コア/シェル構造の複合粒子/ダイヤモンド微粒子の混合物で構成された水性分散体が得られる。
(a-2)ノニオン界面活性剤の濃度が、臨界ミセル濃度未満であって、ダイヤモンド微粒子に対する飽和吸着量以上である場合、コア/シェル複合粒子を主成分とする水性分散体を得ることができる。
(b-1)ノニオン界面活性剤の濃度が、臨界ミセル濃度以上であって、ダイヤモンド微粒子に対する飽和吸着量未満である場合、複合粒子/ビニル重合体粒子/ダイヤモンド微粒子の三成分系で構成された水性分散体を得ることができる。
(b-2)ノニオン界面活性剤の濃度が、臨界ミセル濃度以上であって、ダイヤモンド微粒子に対する飽和吸着量以上である場合、複合粒子/ビニル重合体粒子の混合物で構成された水性分散体を得ることができる。
なお、本明細書において、臨界ミセル濃度(CMC)とは、ダイヤモンド微粒子の存在下、ノニオン界面活性剤を添加した時、水相にミセルが生成する濃度を意味する。この臨界ミセル濃度はダイヤモンド微粒子の含有量や電解質濃度等により変化するが、界面活性剤の濃度と表面張力との関係から、表面張力が極小値となる濃度を見掛けの臨界ミセル濃度の指標とすることができる。例えば、ダイヤモンド微粒子や電解質が存在しない場合に比べて、これらの成分が存在すると、ノニオン界面活性剤の臨界ミセル濃度は大きくなる。なお、飽和吸着量は、慣用の方法であらかじめ測定することができる。平均粒子径が50 nm以下のダイヤモンド微粒子の場合、固形分換算でダイヤモンド微粒子100重量部に対して、0.5〜5重量部(例えば、1〜2重量部)程度である場合が多い。
水性分散体の固形分濃度は、用途等に応じて選択でき、例えば、10〜60重量%、好ましくは30〜55重量%、特に45〜55重量%程度である。
粒子表面でモノマーを重合し生成ポリマーでダイヤモンド微粒子を被覆する他の方法として、K. Nollen et al, Angew. Makromol. Chem., 6, 1 (1969)、F. Runge et al, Makromol. Chem., 81, 68 (1965)、K. Furusawa et al, J. Colloid and Interface Sci., 109, 69 (1986)、M. Hasegawa et al, J. Polym. Sci., Polym. Chem. Ed., 25, 3117, 3231 (1987)等に記載の、粒子表面の活性種による重合法、開始剤の吸着又は結合による重合法、モノマーの吸着、結合又は吸蔵による重合法、モノマーの表面吸着層への可溶化による重合法、生長鎖の沈着による重合法等が挙げられる。
(2) シリカのシェルを有するコア/シェル型複合粒子
シリカのシェルを有するコア/シェル型複合粒子(複合シリカ粒子)は、特開2007-284284、特開2009-51680等に記載の方法よって製造できる。
具体的には、例えば下記工程(I)〜(III)により製造することができる。
工程(I)
0.1〜50グラム/L前記ダイヤモンド微粒子と、及び0.1〜100ミリモル/Lの下記一般式(1)及び(2)で表される第四級アンモニウム塩から選ばれる少なくとも1種とを含む水溶性有機溶媒の分散液を調製する。
[R1(CH3)3N]+X- ・・・(1)
[R1R2(CH3)2N]+X- ・・・(2)
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立に炭素数4〜22の直鎖状又は分岐状アルキル基を示し、Xは1価陰イオンを示す。)
第四級アンモニウム塩は、ダイヤモンド微粒子の分散のために用いられる。前記一般式(1)及び(2)におけるR1及びR2は、炭素数4〜22、好ましくは炭素数6〜18、更に好ましくは炭素数8〜16の直鎖状又は分岐状のアルキル基である。炭素数4〜22のアルキル基としては、各種ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種ヘプチル基、各種オクチル基、各種ノニル基、各種デシル基、各種ドデシル基、各種テトラデシル基、各種ヘキサデシル基、各種オクタデシル基、各種エイコシル基等が挙げられる。
一般式(1)及び(2)におけるXは、高い結晶性を得るという観点から、好ましくはハロゲンイオン、水酸化物イオン、硝酸化物イオン、硫酸化物イオン等の1価陰イオンから選ばれる1種以上である。Xとしては、より好ましくはハロゲンイオンであり、更に好ましくは塩素イオン又は臭素イオンであり、最も好ましくは臭素イオンである。
一般式(1)で表されるアルキルトリメチルアンモニウム塩としては、ブチルトリメチルアンモニウムクロリド、ヘキシルトリメチルアンモニウムクロリド、オクチルトリメチルアンモニウムクロリド、デシルトリメチルアンモニウムクロリド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、テトラデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ブチルトリメチルアンモニウムブロミド、ヘキシルトリメチルアンモニウムブロミド、オクチルトリメチルアンモニウムブロミド、デシルトリメチルアンモニウムブロミド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド、テトラデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ステアリルトリメチルアンモニウムブロミド等が挙げられる。
一般式(2)で表されるジアルキルジメチルアンモニウム塩としては、ジブチルジメチルアンモニウムクロリド、ジヘキシルジメチルアンモニウムクロリド、ジオクチルジメチルアンモニウムクロリド、ジヘキシルジメチルアンモニウムブロミド、ジオクチルジメチルアンモニウムブロミド、ジドデシルジメチルアンモニウムブロミド、ジテトラデシルジメチルアンモニウムブロミド等が挙げられる。
これらの第四級アンモニウム塩の中では、特に一般式(1)で表されるアルキルトリメチルアンモニウム塩が好ましく、アルキルトリメチルアンモニウムブロミド又はアルキルトリメチルアンモニウムクロリドがより好ましく、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド又はドデシルトリメチルアンモニウムクロリドが特に好ましい。
シリカ源は、アルコキシシラン等の加水分解によりシラノール化合物を生成するものであり、下記一般式(3)〜(7)で示される化合物を挙げることができる。
SiY4 ・・・(3)
R3SiY3・・・(4)
R3 2SiY2・・・(5)
R3 3SiY ・・・(6)
Y3Si-R4-SiY3・・・(7)
(式中、R3はそれぞれ独立して、ケイ素原子に直接炭素原子が結合している有機基を示し、R4は炭素原子を1〜4個有する炭化水素基又はフェニレン基を示し、Yは加水分解によりヒドロキシ基になる1価の加水分解性基を示す。)
一般式(3)〜(7)において、R3がそれぞれ独立して、水素原子の一部がフッ素原子に置換していてもよい炭素数1〜22の炭化水素基であるのがより好ましく、具体的には炭素数1〜22、好ましくは炭素数4〜18、より好ましくは炭素数6〜18、特に好ましくは炭素数8〜16のアルキル基、フェニル基、又はベンジル基であり、R4が炭素数1〜4のアルカンジイル基(メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロパン-1,2-ジイル基、テトラメチレン基等)又はフェニレン基であり、Yが炭素数1〜22、より好ましくは炭素数1〜8、特に好ましくは炭素数1〜4のアルコキシ基、又はフッ素を除くハロゲン基であるのが好ましい。
シリカ源の好適例としては、次の化合物が挙げられる。
(a)一般式(3)において、Yが炭素数1〜3のアルコキシ基であるか、又はフッ素を除くハロゲン基であるシラン化合物。
(b)一般式(4)又は(5)において、Yが炭素数1〜3のアルコキシ基であるか、又はフッ素を除くハロゲン基であり、R3がフェニル基、ベンジル基、又は水素原子の一部がフッ素原子に置換されている炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜5の炭化水素基であるトリアルコキシシラン又はジアルコキシシラン。
(c)一般式(6)において、Yが炭素数1〜3のアルコキシ基であるか、又はフッ素を除くハロゲン基であり、R3がフェニル基、ベンジル基、又は水素原子の一部がフッ素原子に置換されている炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜5の炭化水素基であるモノアルコキシシラン。
(d)一般式(7)において、Yがメトキシ基又はエトキシ基であって、R4がメチレン基、エチレン基又はフェニレン基である化合物。
これらの中で、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、1,1,1-トリフルオロプロピルトリエトキシシランが特に好ましい。
分散液中のダイヤモンド微粒子の含有量は、好ましくは0.1〜50グラム/L、より好ましくは0.3〜40グラム/L、特に好ましくは0.5〜30グラム/Lである。第四級アンモニウム塩の含有量は、好ましくは0.1〜100ミリモル/L、より好ましくは1〜100ミリモル/L、特に好ましくは5〜80ミリモル/Lである。
ダイヤモンド微粒子及び第四級アンモニウム塩を含有させる順序は特に制限はない。例えば、(i)溶液を撹拌しながら第四級アンモニウム塩、ダイヤモンド微粒子の順に投入する、(ii)溶液を撹拌しながらダイヤモンド微粒子と第四級アンモニウム塩を同時に投入する、(iii) ダイヤモンド微粒子、第四級アンモニウム塩の投入後に撹拌する等の方法を採用することができるが、これらの中では(i)の方法が好ましい。
ダイヤモンド微粒子及び第四級アンモニウム塩を含有する溶液には、複合シリカ粒子の形成を阻害しない限り、その他の成分として、陽イオン界面活性剤等の界面活性剤、有機化合物、無機化合物等の他の成分を添加してもよく、前記のように、シリカや有機基以外の他の元素を担持したい場合は、それらの金属を含有するアルコキシ塩やハロゲン化塩等の金属原料を製造時又は製造後に添加することもできる。
工程(II)
工程(I)で得られた分散液に、加水分解によりシラノール化合物を生成するシリカ源を0.1〜100ミリモル/Lの濃度となるように加える工程である。シリカ源の含有量は、好ましくは0.1〜100ミリモル/L、より好ましくは1〜100ミリモル/L、特に好ましくは5〜80ミリモル/Lである。
工程(III)
工程(II)で得られた分散液を10〜100℃、好ましくは10〜80℃の温度で所定時間撹拌した後、静置することで、ダイヤモンド微粒子の表面に、第四級アンモニウム塩とシリカ源によりメソ細孔構造が形成され、内部にダイヤモンド微粒子を包含した複合シリカ粒子を含む水分散液が得られる。撹拌処理時間は温度によって異なるが、通常10〜80℃で0.1〜24時間で行う。
複合シリカ粒子は、水中に懸濁した状態で得られる。用途によってはこれをそのまま使用することもできるが、好ましくは複合シリカ粒子を分離して使用する。分離方法としては、濾過法、遠心分離法等を採用することができる。
複合シリカ粒子は、通常陽イオン界面活性剤等を含む状態で得られるが、酸性溶液と1回又は複数回接触させる(例えば、複合シリカ粒子を酸性水溶液中で混合する)ことにより陽イオン界面活性剤を除去することができる。用いる酸性溶液としては、塩酸、硝酸、硫酸等の無機酸;酢酸、クエン酸等の有機酸;陽イオン交換樹脂等を水やエタノール等に加えた液が挙げられるが、塩酸が特に好ましい。pHは通常1.5〜5.0に調整される。
本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
実施例1
(1) グラファイト-ダイヤモンド粒子粉末の作製
TNT(トリニトロトルエン)とRDX(シクロトリメチレントリニトロアミン)を60/40の比で含む0.65 kgの爆発物を3 m3の爆発チャンバー内で爆発させて生成するBDを保存するための雰囲気を形成した後、同様の条件で2回目の爆発を起こしBDを合成した。爆発生成物が膨張し熱平衡に達した後、15 mmの断面を有する超音速ラバルノズルを通して35秒間ガス混合物をチャンバーより流出させた。チャンバー壁との熱交換及びガスにより行われた仕事(断熱膨張及び気化)のため、生成物の冷却速度は280℃/分であった。サイクロンで捕獲した生成物(黒色の粉末、BD)の比重は2.55 g/cm3、メジアン径(動的光散乱法)は220 nmであった。このBDは比重から計算して、76容積%のグラファイト系炭素と24容積%のダイヤモンドからなっていると推定された。
このBDを60質量%硝酸水溶液と混合し、酸化性分解処理を160℃、14気圧、20分の条件で行った後、酸化性エッチング処理を130℃、13気圧、1時間で行った。酸化性エッチング処理により、BDからグラファイトが一部除去され、グラファイト-ダイヤモンド粒子となった。以下中和[アンモニアを使用し、210℃、20気圧、20分還流した。]、傾斜による分離、洗浄[35質量%硝酸で洗浄]、遠心分離、及び乾燥し、グラファイト-ダイヤモンドの粉末Aを得た。この粉末Aの比重は3.38 g/cm3であり、メジアン径は130 nm(動的光散乱法)であった。比重から計算して、10容積%のグラファイト系炭素と90容積%のダイヤモンドとからなっていると推定された。
(2)硝酸による酸化処理
得られたグラファイト-ダイヤモンド粒子(粉末A)は、図4に示す装置を用いて超臨界状態で酸化処理した。この装置は、ハステロイ(登録商標)製オートクレーブ31(容量10 mL)と、これを加熱する炉32とを具備し、オートクレーブ31には、内容物の温度を検出するための温度計36と、管40とが挿入されている。管40は三方継手41を介して、一方はオートクレーブ31内の圧力を制御する背圧制御器33に接続されており、もう一方は超純水タンク38に接続されている。背圧制御器33は、背圧制御弁と、圧力センサとを具備し、三方継手41と背圧制御器33との間には、冷却コイル34が設けられており、背圧制御器33の後段には廃液容器35が設けられている。三方継手41と超純水タンク38との間には、超純水を送液するポンプ39が設けられている。背圧制御器33及び温度計36にはコンピュータ37が接続されており、背圧制御器33及び温度計36でそれぞれ検出した、オートクレーブ31内の圧力及び温度をコンピュータ37により記録することができる。
2.1質量%の粉末Aの水分散液と、13.4 Nの硝酸(61質量%、比重1.38、和光純薬工業株式会社製)とを体積比9:1で混合した反応液(7 mL)を、前記オートクレーブ31に入れ、管40及び温度計36を取り付け、炉32内に設置した。オートクレーブ31内の圧力が30 MPaに到達するまで、タンク38から超純水を0.5 mL/分の流量で送液した後、超純水の流量を0.1 mL/分に下げ、昇温を開始した。三方継手41から排出されたグラファイト等の不純物を含む水がオートクレーブ31に逆流するのを防止するために、超純水の流量を0.1 mL/分に保持しながら、オートクレーブ31内を30 MPaの圧力、及び374〜500℃の温度に3.5時間保持することにより、前記グラファイト-ダイヤモンド粒子を硝酸で超臨界処理した。超純水の流量を0.1 mL/分に保持したまま室温まで冷却した後、大気圧まで減圧し、精製されたナノダイヤモンドを含む液を回収した。
精製されたナノダイヤモンドを含む液を、自然沈降させデカンテーションにより3回水洗し、更に遠心分離により脱水し、120℃で加熱乾燥し、ダイヤモンド微粒子Aを得た。デカンテーションを繰り返したことにより、粒径の小さなナノサイズダイヤモンドは除去され、比較的粗大な凝集粒子が回収された。得られたダイヤモンド微粒子Aのメジアン径は410 nm、比重は3.46 g/cm3であった。この比重から算出した組成は、ダイヤモンド97体積%及びグラファイト3体積%であった。メジアン径は動的光り散乱法により測定した。
(3)ダイヤモンド微粒子Aのフッ素化
10 gのダイヤモンド微粒子Aをニッケル製の反応管に入れ、フッ素ガスを流量15 ml/min及びアルゴンガスを流量385 ml/minで流通しながら400℃で120時間加熱し、ダイヤモンド微粒子Aの粒子表面をフッ素で修飾したフッ素化ダイヤモンド微粒子Aを作製した。得られたフッ素化ダイヤモンド微粒子Aのメジアン系は415 nmであり、フッ素含有量はXPS及び元素分析の結果から12 wt%であった。
(4)透過型スクリーンの作製
ポリビニルブチラール樹脂(ブチラール化度:65.9モル%、アセチル基量:0.9モル%)100質量部に対し、可塑剤として40質量部のトリエチレングリコール-ビス-2-エチルブチレートと、2質量部のフッ素化ダイヤモンド微粒子Aを添加し、3本ロールミキサーにより約70℃で約15分間混練した後、型押出機を使って180℃で厚さ約0.3 mmにフィルム化し、ロールに巻き取ることにより、樹脂膜Aを得た。この樹脂膜Aを2枚の透明なガラス基板(縦30 cm×横30 cm×厚み3 mm)の間に挟み、これをゴムバックに入れて20 Torrの真空度で20分間脱気した後、脱気したままの状態で90℃のオーブンに移し、90℃で30分間保持しつつ真空プレスし、合わせガラスの予備接着を行った。予備接着された合わせガラスをオートクレーブに入れ、温度135℃、圧力12 kg/cm2 の条件で20分間本接着を行って、透過型スクリーンを作製した。
実施例2
ポリビニルブチラール100質量部及びトリエチレングリコール-ビス-2-エチルブチレート40質量部を含むメチルエチルケトン(MEK)溶液(ポリビニルブチラール:10質量%)に、実施例1で作製したフッ素化ダイヤモンド微粒子Aを2質量%添加し、十分攪拌した後、超音波洗浄器を用いて均一分散させた。フッ素化ダイヤモンド微粒子Aは、前記MEK溶液に良好に分散した。この溶液を透明なガラス基板(縦30 cm×横30 cm×厚み3 mm)の片面にディップ法により塗布及び乾燥し、200μmの厚みの透明薄膜層を有する透過型スクリーンを作製した。
実施例3
(1) グラファイト-ダイヤモンドの分散処理
実施例1で得られたグラファイト-ダイヤモンドの粉末Aをビーズミルにより分散処理した。ビーズミルによる分散は、アシザワファインテック株式会社製スターミルLMZを用いて行った。243 gの粉末Aを水/トリエチレングリコール(50:50の容量比)に分散して5質量%の水分散液を調製し、ディゾルバーで予備分散した。0.1 mm径のジルコニアビーズを0.15 Lのベッセルに充填し、10 m/sの周速で回転子を回転させながら、前記粉末Aの分散液を0.12 L/minで供給し、連続的に分散処理を行った。約2.0 h分散処理した後のグラファイト-ダイヤモンドの粉末Aはメジアン径40 nmであった。
(2)酸素による酸化処理
ビーズミルによって分散処理した粉末Aの2.0質量%水分散液30 mLを、オートクレーブ(容量50 mL、SUS316製)に入れ、酸素導入管、温度計及び調圧弁を有する蓋で密封し、炉内に設置した。オートクレーブ内の空気を酸素で置換した後、オートクレーブ内が1.0 MPa(ゲージ圧)の圧力となるように、室温で酸素を導入した。オートクレーブを平均昇温速度6.5℃/分で昇温し、400±5℃の温度及び24.8±1 MPaの圧力で1時間保持した。オートクレーブを室温まで冷却した後、大気圧まで減圧し、精製されたナノダイヤモンドを含む液を回収した。この液は、上澄みと薄い灰色を呈する精製ナノダイヤモンドの沈殿とに分離していた。
前記精製されたナノダイヤモンドを含む液は、濾過膜を通し1μm以上の粗大な粒子を除去した後、遠心分離により脱水し、水で再分散させる操作を3回行うことにより水洗し、更に遠心分離により脱水し、120℃で加熱乾燥し、ダイヤモンド微粒子Bを得た。得られたダイヤモンド微粒子Bのメジアン径は210 nmであり、比重は3.48 g/cm3であった。この比重から算出した組成は、ダイヤモンド98体積%及びグラファイト2体積%であった。
(3) ダイヤモンド微粒子Bを内包する複合シリカ粒子
ダイヤモンド微粒子Bのコアとシリカのシェルとからなるコア/シェル型複合粒子を以下の方法により作製した。100 mlのステンレス容器に、20 gのメタノール、0.35 gのドデシルトリメチルアンモニウムブロミド、2 gのダイヤモンド微粒子Bのイソプロパノール分散液(15質量%)を添加した。その分散液に5 mmol/L水酸化ナトリウム水溶液60 gを加え、1分間撹拌後、テトラメトキシシラン0.34 gをゆっくりと加え、5時間撹拌後、12時間静置し熟成させた。得られた白色沈殿物をろ別し、水洗、乾燥の後、1℃/分の速度で600℃まで昇温したのち、2時間600℃で焼成し、ダイヤモンド微粒子Bをシリカで内包したダイヤモンド含有シリカ粒子Aを得た。このダイヤモンド含有シリカ粒子Aは、メジアン径0.8μmであった。
(4) 透過型スクリーンの作製
フッ素化ダイヤモンド微粒子Aの代わりに、ダイヤモンド含有シリカ粒子Aを用いて、実施例1と同様にして透過型スクリーンを作製した。
実施例1〜3で作製した透過型スクリーンは高い透過視認性と良好な散乱反射性とを有しおり、ヘッドアップディスプレー等のスクリーンとして好適であった。
1・・・透過型スクリーン
10・・・光散乱体
11、11a、11b・・・基板
12・・・透明薄膜層
20・・・コア/シェル型複合粒子
21・・・コア
22・・・シェル
I・・・入射光
Sf・・・前方散乱
Sb・・・後方散乱
31・・・オートクレーブ
32・・・加熱炉
33・・・背圧制御器
34・・・冷却コイル
35・・・廃液容器
36・・・温度計
37・・・コンピュータ
38・・・超純水タンク
39・・・ポンプ
40・・・管
41・・・三方継手

Claims (10)

  1. 基板と、前記基板上に設けた透明薄膜層と、前記透明薄膜層に含まれるメジアン径0.01〜1μmの光散乱体からなる透過型スクリーンであって、前記光散乱体が、爆射法で得られたグラファイト相を有するナノダイヤモンドを酸化処理して得られたダイヤモンド微粒子であることを特徴とする透過型スクリーン。
  2. 基板と、前記基板上に設けた透明薄膜層と、前記透明薄膜層に含まれるメジアン径0.01〜1μmの光散乱体からなる透過型スクリーンであって、前記光散乱体が、爆射法で得られたグラファイト相を有するナノダイヤモンドを酸化処理して得られたダイヤモンド微粒子のコアと有機ポリマー又はシリカのシェルとからなるコア/シェル型複合粒子であることを特徴とする透過型スクリーン。
  3. 請求項1又は2に記載の透過型スクリーンにおいて、前記ダイヤモンド微粒子が、フッ素処理されたフッ素化ダイヤモンド微粒子であることを特徴とする透過型スクリーン。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の透過型スクリーンにおいて、前記酸化処理が、酸化性化合物を含有する、水及び/又はアルコールからなる超臨界流体中で処理するものであることを特徴とする透過型スクリーン。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の透過型スクリーンにおいて、前記酸化処理が、酸素を共存させた、水及び/又はアルコールからなる溶媒中で、前記溶媒の標準沸点以上の温度及び0.1 MPa(ゲージ圧)以上の圧力で処理するものであることを特徴とする透過型スクリーン。
  6. 請求項1〜3のいずれかに記載の透過型スクリーンにおいて、前記酸化処理が、380〜450℃で酸素を含む気体により処理するものであることを特徴とする透過型スクリーン。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の透過型スクリーンにおいて、前記光散乱体を含有する透明薄膜層が2枚の基板の間に挟まれていることを特徴とする透過型スクリーン。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の透過型スクリーンにおいて、前記透明薄膜層が高分子樹脂からなることを特徴とする透過型スクリーン。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の透過型スクリーンにおいて、前記基板がガラス又は高分子樹脂であることを特徴とする透過型スクリーン。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の透過型スクリーンを用いたことを特徴とするヘッドアップディスプレー用スクリーン。
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