JP2008001812A - フッ素化ナノダイヤモンドを含有した混合物および、この加熱処理品 - Google Patents

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Abstract

【課題】 絶縁性および熱伝導性に優れ、かつこれらの特性の高温状態における経時的変化が少ない耐熱性および耐久性に優れた複合材料となる混合物及びこれからなるフィルムなどの成形物を提供することである。
【解決手段】 フッ素化ナノダイヤモンドに、重量平均分子量が1,000から1,000,000の高分子量樹脂、アルコキシシラン含有化合物またはアルコキシシラン含有化合物を加水分解したものうち、少なくとも1つ以上を含有することを特徴とする混合物を提供する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、フッ素化ダイヤモンド粒子と高分子量樹脂、フッ素化ダイヤモンド粒子とアルコキシシラン、フッ素化ダイヤモンド粒子と高分子量樹脂とアルコキシシランを含有した混合物、該混合物を用いた分散液、成形材料に関する。
トリニトロトルエン、ヘキソゲンなどの酸素欠乏型爆薬を用いた衝撃加圧の爆射法により得られたダイヤモンドは、一次粒子が3〜20nmと極めて小さいためナノダイヤモンドと呼ばれているが、ナノダイヤモンド微粒子表面は非黒鉛質、黒鉛質皮膜などが融着し、粒子径が50〜7500nmの二次、三次凝集体として製造されているため、クラスターダイヤモンドとも呼ばれている。
ナノダイヤモンドはそのナノ粒子径により、研磨剤、潤滑剤、熱交換流動媒体、樹脂、金属などとの複合材料、低誘電率膜、低誘電率膜、エミッター材などの電子材料、DNA担体、ウイルス捕捉用担体などの医療分野など、通常のダイヤモンドの用途以外にも広範囲な用途での利用が期待されている。このようにナノダイヤモンドを複合材料などと工業的に利用する場合には、ナノダイヤモンドがナノオーダーの微細な粒子で液体中に分散した分散液、懸濁液としての提供が求められる。
既に、ダイヤモンド、窒化珪珪素、ボロンナイトライド、炭化珪素などを絶縁性と熱伝導性を兼ね備えた充填粉末剤(フィラー)として、樹脂と混合した半導体向け熱伝導性絶縁材料の報告はなされている(例えば特許文献1〜3)。これらのフィラーのなかでも、ダイヤモンドは熱伝導率が300W/mKと高いことで知られる(ポリイミドなどの耐熱樹脂は1 W/mK以下)。フィラーの粒径としては、得られる熱伝導性樹脂絶縁材による膜が配線導体の被覆性と平坦化を充分に満足し得るように、また配線導体パターンなどの微細形成のためにも粒径が均一で、小さいほど好ましいことがしられている。
しかし、ナノレベルオーダーから数百ナノオーダーのダイヤモンド粒子を取り扱う場合、粒子が小さいほど粒子同士の凝集が起こりやすい。0.5μm未満の粒子径であると熱伝導性の向上効果が小さく、かつ凝集によるフィルムに凹凸を生じやすいことが報告されている(特許文献4)。
これらの凝集体の解砕を目的に、ナノダイヤモンドとフッ素ガスとを反応させるフッ素化ナノダイヤモンドの合成が報告されている。すなわち、ナノダイヤモンドを反応温度:300〜500℃、フッ素ガス圧:1atm、反応時間:5〜10日にてフッ素化すると、ダイヤモンド構造が保持されたF/Cモル比が0.2程度(XPS、元素分析)のフッ素化ナノダイヤモンドが得られる(非特許文献1)。このフッ素処理により二次粒子径約40μmのダイヤモンドの凝集が部分的に解けて200nm程度になり、更にPTFEとの混合粉末での回転式摩擦試験結果で摩擦係数が著しく低下する(非特許文献2)。これは、TEM観察によるナノダイヤモンドの格子模様が明瞭になっていることから、高温での反応によりナノダイヤモンド表面のグラファイト類が除去され、更にナノダイヤモンド表面のCF基、CF基、CF基等の形成により表面エネルギーが低下した為と報告されている(非特許文献3)。
また、ナノダイヤモンドのグラファイト類不純物を除去する他の方法として、濃硝酸と濃硫酸の混酸中で処理することが報告されているが(特許文献5)、濃硝酸の沸点以上で処理することが必要とされ、作製プロセスが複雑となる。
近年、多層配線板、PGA(ピングリッドアレイ)、BGA(ボールグリッドアレイ)などの半導体パッケージに関して、内部の配線の高密度化や半導体素子などの電子部品の高集積化により、単位面積あたりの発熱量が大きくなったため、半導体パッケージからの熱放散をよくすることが望まれている。従来、特に基板材料としてエポキシ樹脂が主に用いられているが、経時的耐熱性、耐湿性が充分でないために徐如に劣化してしまうという問題点があった。
また、電子写真複写機、ファクシミリ、プリンター等において、印刷・複写に用いられる定着ベルトには、耐熱性、剛性、絶縁性などに優れていると共に、熱伝導性に優れていることが要求される。従来は、ポリイミドとボランナイトライド、アルミナ、炭化ケイ素などの無機フィラーを複合した材料が用いられてきた。近年、特に定着速度を高めるために、さらに優れた熱伝導性と絶縁性が求められているが、従来の材料ではこれらの要求を満たすことが困難になってきている。
特開平7−110632号公報 特開平9−22618号公報 特開2003−193021号公報 特開平7−110632号公報 特開2004−238256号公報 大井辰巳、米本暁子、川崎晋司、沖野不二雄、東原秀和:第26回フッ素化学討論会予稿集(2002年11月) 米本暁子、大井辰巳、川崎晋司、沖野不二雄、片岡文昭、大澤映二、東原秀和:日本化学会第83回春季年会予稿集(2003年3月) H. Touhara, K. Komatsu, T. Ohi, A. Yonemoto, S. Kawasaki, F. Okino, and H. Kataura: Third French-Japanese Seminar on Fluorine in Inorganic Chemistry and Electrochemistry (April, 2003)
前述のように、成形において粒子が微細で均一なこと及び、物理的性質として熱伝導性と絶縁性に優れていることが求められている、半導体LSI素子の表面保護膜や層間絶縁材、半導体パッケージの封止材、電子写真複写機、ファクシミリ、プリンター等の定着ベルトに有用な材料として、ナノ粒子径であり熱伝導性に優れたナノダイヤモンドの適用が考えられる。しかしながら、ナノダイヤモンドは凝集しやすく導電性のグラファイト類の不純物を多く含んでいることから、成形や絶縁性に問題があり、半導体パッケージや定着ベルトへの適用は困難である。
本発明の目的は、絶縁性および熱伝導性に優れ、かつこれらの特性の高温状態における経時的変化が少ない耐熱性および耐久性に優れた複合材料となる混合物及びこれから製造したフィルムなどの成形物を提供することである。
本発明者らは、上記目的を達成するため、ナノダイヤモンドをフッ素化することにより導電性のグラファイト類不純物を一部除去されたフッ素化ナノダイヤモンドを用いることにより、熱伝導性、絶縁性および経時的耐熱性、耐湿性、剛性などの耐久性に優れるとの知見を見出し、本発明に至ったものである。
すなわち本発明は、フッ素化ナノダイヤモンドに、重量平均分子量が1,000から1,000,000の高分子量樹脂、アルコキシシラン含有化合物またはアルコキシシラン含有化合物が加水分解したシラノール含有化合物もしくは該シラノール含有化合物が重縮合した重合物うち、少なくとも1つ以上を含有する混合物であって、高分子量樹脂またはアルコキシシラン含有化合物がフッ素を含有することを特徴とし、高分子量樹脂が一般式(1)
Figure 2008001812
(式中、R1は水素単独でも良く、またはフッ素や塩素等のハロゲン原子、酸素原子ならびに分岐を含んでも良い炭素数が1〜40の鎖状炭化水素基または芳香族や脂環族を有する環状体であって、酸不安定性基を含有してもよい)で表される構造を含有することを特徴とする混合物である。
さらに本発明は、該混合物が水または有機溶媒に分散した分散液および該分散液を基板上に塗布し加熱処理することを特徴としたフィルムの製造方法を提供するものである。
または、該分散液からなるフッ素化ナノダイヤモンド含有成型体製造用原料を提供するものである。
本発明のフッ素化ナノダイヤモンドを含有する混合物、また該混合物を含有する分散液及びこれからなるフィルムなどの成形物は、熱伝導性と絶縁性に優れた複合材料を提供することが可能である。また、本発明の該混合物を含有する分散液は、精密研磨剤、潤滑溶剤、熱交換流動媒体などの有用な用途に使用可能である。また、本発明の該混合物を加熱処理することで得られる加工品は、半導体LSI素子の表面保護膜、封止材、層間絶縁材などの半導体製造用途や、複写機に用いられる定着ベルトに使用可能である。
以下、本発明をさらに詳述する。
本発明で使用するフッ素化ナノダイヤモンドは、ナノダイヤモンドとフッ素ガスとの直接反応、あるいはフッ素プラズマによるフッ素化等により、ナノダイヤモンド表面をフッ素で修飾して生成したフッ素化ナノダイヤモンドを用いる。
本発明に用いるフッ素化ナノダイヤモンドのフッ素含有量は5〜20wt%の範囲であることが好ましい。さらに好ましくは、フッ素含有量が10〜15wt%の範囲であることが好ましい。フッ素含有量が5wt%未満であると、フッ素含有の高分子量樹脂を用いる場合、樹脂との相溶性が低下するので好ましくない。フッ素含有量が20wt%以上である場合、非フッ素系の溶剤や添加剤との相溶性が低下するので好ましくない。
また、本発明に用いるフッ素化ナノダイヤモンド中のグラファイト類不純物の含有量は、ラマンスペクトルにおいて、グラファイト成分がダイヤモンド成分に対し10%以下の面積強度であることが好ましい。さらに好ましくは3%以下であることが好ましい。面積強度が10%を超える場合は、絶縁性が低下するので好ましくない。
さらに、フッ素化ナノダイヤモンドの平均粒子径は0.02〜10μmの範囲であることが好ましい。より好ましくは、0.1〜5μmの範囲である。平均粒子径が0.02μm未満である場合、溶剤の種類によっては凝集構造を形成するので好ましくない。平均粒子径が10μmを超える場合、成形材料にした際に表面に凹凸を生じやすくなるために好ましくない。
本発明に用いるフッ素化ナノダイヤモンドの成形体中の混合割合としては、本発明のフッ素化ナノダイヤモンド含有混合物中の0.01〜95wt%が好ましい。なかでも5〜50wt%が更に好ましい。混合割合が95wt%を超える場合は加熱処理後の成形体の強度を保てず好ましくない。混合割合が0.01wt%未満の場合は熱伝導率の低下を招き好ましくない。
本発明に使用できる高分子樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ノボラック樹脂、ナイロン樹脂、ベンゾシクロブテン、ビスマレイミド・トリアジンポリイミド樹脂、スチレン系樹脂、アクリレート系樹脂、テトラフルオロエチレン樹脂などの汎用樹脂や、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポベンズイミダゾール、ポリベンズオキサゾール、ポリフェニレンサルファイド、ポリエステル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、液晶ポリマー等の芳香族樹脂が挙げられる。これらの樹脂はそれぞれ単独、もしくは二種類以上の樹脂を混合することで用いることも可能である。なかでもポリイミドやポリベンズオキサゾールが耐熱性の点で特に好ましい。
上記の樹脂にフッ素を導入したフッ素含有樹脂は、フッ素化ナノダイヤモンドとの相溶性を高める観点から、更に好ましい。なかでもフッ素含有ポリイミドやフッ素含有ポリベンズオキサゾールが耐熱性の点で特に好ましい。
フッ素を導入したフッ素含有樹脂のなかでも、一般式(1)の構造を含むヘキサフルオロイソプロパノール基およびこの基のアルコール部位を置換したヘキサフルオロイソプロパノール誘導体は、フッ素が有する撥水性、撥油性、低吸水性、耐熱性、耐候性、耐腐食性、透明性、低屈折率性を維持したまま、基材との密着性、有機溶媒およびアルカリ水溶液への溶解性を併せもつ点で好ましい。
本発明に使用する高分子樹脂の分子量としては1,000〜1,000,000の間が好ましい。分子量が1,000よりも小さい場合は、最終的に得られる成形体の強度が保てず好ましくない。分子量が1,000,000よりも大きい場合は、フッ素化ナノダイヤモンドを加えた分散液の粘度が高くなり過ぎるため、均一な分散状態を保てず好ましくない。なかでも分子量が3,000〜100,000の間が特に好ましい。
本発明に使用できるアルコキシシランは、一般式(2)
Figure 2008001812
(式中、R、Rはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基、炭素数1〜40のシクロアルキル基、炭素数1〜40のアルケニル基、炭素数1〜40のアシル基、炭素数1〜40のビニル基、炭素数1〜40のアリル基、炭素数1〜40のヒドロキシアルキル基、炭素数1〜40のアルキルエーテル基、炭素数1〜40のアルキルケトン基、炭素数1〜40のアルキルシアノ基または置換されたそれらの基であり、フッ素、塩素、酸素、イオウなどの原子を含んでいても良く、nは0〜3の整数を表す。)で表される。また、アルコキシシランは水と酸により得られるシラノール化合物、または該シラノール化合物が重縮合した重合物として、本発明に使用できる。例えば、アルコキシシランをアルコール溶媒に溶解させ、塩酸などの酸と水を反応させることによりシラノール化合物が得られ、さらにその反応を進行させるか、溶媒留去や加熱処理によるゾルゲル反応によりSi−O−Si結合含有の重合物を得ることができる。
係るアルコキシシランを例示するならば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシランおよびテトラブトキシシラン、トリメトキシエチルシラン、トリエトキシシラン、トリメトキシメチルシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジイソブチルジメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリプロポキシシラン、フェニルトリイソプロポキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、トリフェニルメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、4−ヒドロキシベンジルトリエトキシシラン、トリシクロヘキシルエトキシシラン、フェニル(メチル)−ジメトキシシラン、シクロヘキシル(エチル)フェニルメトキシシラン、ジシクロヘキシルジエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニル(ジメチル)メトキシシラン、およびビニル(シクロヘキシル)メチルメトキシシランなどが挙げられる。これらのアルコキシシランはそれぞれ単独、もしくは二種類以上のアルコキシシランを混合することで用いることも可能である。
上記のアルコキシシランにフッ素を導入したフッ素含有アルコキシシランは、フッ素化ナノダイヤモンドとの相溶性を高める観点から、更に好ましい。フッ素含有アルコキシシラン中のフッ素含量は、用いる溶媒にも依存するが、5〜80wt%をとることができ、30〜60wt%がより好ましい。なかでも架橋密度を高める観点から、含フッ素トリアルコキシシランが好ましく、具体的に例示するなら、CF(CH)Si(OCH)、CF(CF)(CH)Si(OCHCH)、CF(CF)(CH)Si(OCHCH)が挙げられる。
本発明の混合物の分散液を得るための溶媒は、上記各成分と反応性を有しない限り、水、有機溶媒などを特に制限無く使用することが出来る。この有機溶媒の好適な具体例としては、テトラヒドロフラン、アニソール等のエーテル類、シクロヘキサノン、2−ブタノン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、2−オクタノン、アセトフェノン等のケトン類、n−ブチルカルビトールアセテート、酢酸ブチル、安息香酸メチル、γ―ブチロラクトン等のエステル類、ブチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のセロソルブ類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、さらには、ハイドロフルオロカーボン、ハイドロフルオロエーテル、ハイドロクロロフルオロカーボン、アルコール類のフッ化物など炭化水素のフッ化物などが挙げられる。これらは1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することが出来る。中でも、アルコール類および炭化水素のフッ化物が好ましい。上記溶媒を使用する場合、その配合量は、上記各成分の溶解性、基材への塗布工程等の作業性、所定の被膜の厚さなどを考慮して任意に設定される。
本発明混合物の上記各成分に加えて、本発明の目的および効果を損ねない範囲で、必要に応じて他の成分を配合することは任意である。
本発明の混合物の取り扱い性の向上、分散液の粘度の調整などを目的として、各種フィラーを配合しても良い。具体的に例示するならば、窒化珪素、窒化硼素、炭化珪素、酸化ベリリウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、アルミナ、結晶シリカ、非晶性シリカなどが好ましい。また、耐湿性を向上させるためにはアルミナ、シリカ、水酸化アルミニウム、アンチモン酸化物が好ましい。この成分を使用する場合、その配合量は、通常、本発明に用いられるフッ素化ナノダイヤモンド含有混合物中の0.5〜10wt%程度である。
本発明の混合物の分散液を用いて基材上に成形する場合、その基材との密着性の向上を目的として、1分子中にエポキシ基を1つ含む短官能エポキシ化合物、カーボンファンクショナルシランを添加してもよい。例えば、γ―グルシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ―グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらは1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することが出来る。この成分を使用する場合、その配合量は、通常、本発明に用いられるフッ素化ナノダイヤモンド含有混合物中の0.5〜2.0wt%程度である。
本発明の混合物の成形物表面の平滑性の向上を目的として、平均分子量500程度のメチルシリコーン系油、平均分子量が1500程度のフェニルシリコーン系油などのシリコーン系レベリング剤やハロゲンやフッ素化合物などを含有するノニオン系界面活性剤などを使用することが出来る。芳香族系、パラフィン系、オレフィン系、ナフテン系などの炭化水素系分散剤、長鎖カルボン酸アミン塩、高沸点エーテルを含むカルボン酸などのカルボン酸系特殊界面活性剤、炭化フッ素、非極性ポリメチレンなどのフッ素系高分子化合物なども使用することが出来る。この成分を使用する場合、その配合量は、通常、本発明に用いられるフッ素化ナノダイヤモンド含有混合物中の0.5〜10wt%程度である。
本発明のフィルムを製造する方法としては、基板上にスピンコート法、ロールコート法、流延塗布法等により該分散液を塗布した後、加熱処理する方法が挙げられる。その加熱条件としては、該分散液中の溶媒の種類や量、または混合物の組成等により変わるが、通常、80〜400℃、好ましくは100〜380℃の範囲である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
[フッ素化ナノダイヤモンドの作成]
あらかじめ、市販ナノダイヤモンド(甘粛凌でん納米材料有限公司製、ナノダイヤモンド精製粉、粒径:3〜20nm)を1kPaで3時間、400℃に加熱して、ナノダイヤモンドに含まれる水分を除去した。乾燥処理を行ったナノダイヤモンドを20g、ニッケル製の反応管に入れ、これに20℃で、フッ素ガスを流量20ml/min、アルゴンガスを流量380ml/minで流通した。そして、ナノダイヤモンドを400℃に加熱し、140時間、アルゴンガスとフッ素ガスの流通を継続し、ナノダイヤモンドとフッ素ガスを反応させ、フッ素化ナノダイヤモンドを作成した。なお作成したフッ素化ナノダイヤモンドのフッ素含有量はXPS、元素分析の結果から、15wt%であった。
また、作成したフッ素化ナノダイヤモンド中に含まれるグラファイト成分はラマンスペクトル測定(ニコレー社製顕微レーザーラマンAlmegaXRを使用)の結果から、1.5%(ラマンスペクトル上での、ダイヤモンドに対するグラファイトの面積強度)であった。
さらに作成したフッ素化ナノダイヤモンドの平均粒子径は、分散媒の種類により異なるが、分散媒10mlにフッ素化ナノダイヤモンドを100mg投入し、超音波ホモジナイザー(VCX−750、Sonics&Materials社製)によって出力400Wの超音波照射を0.5時間行い分散液を作成し、動的光散乱法による粒度分布測定器(FPAR1000、大塚電子製)で得られた分散液中の平均粒子径を算出した。その結果、平均粒子径は、分散媒がN,N−ジメチルアセトアミドの場合は53nm、テトラフルオロプロパノールの場合は101nmであった。
[ポリマー1の作成]
4,4’−オキシジアニリン(5.00g、0.025mol)とピロメリット酸無水物(5.45g、0.025mol)を200ml三口フラスコ中で、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc) 50ml中で窒素雰囲気下、25℃で24時間攪拌する。反応後、反応液を水とメタノール混合物(50/50,vol/vol)1000mlに投入し白色沈殿を得た。ろ別後、沈殿物を圧力0.1kPaで乾燥し、式(3)の構造のポリマー1(10.20g(98%収率)、固有粘度:0.95dL/g(DMAc中、30℃))を得た。GPC測定から求めたポリスチレン換算でのMwは70,000であった。
Figure 2008001812
[ポリマー2の作成]
4,4’−オキシジアニリンを2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジンにしたこと以外は、ポリマー1の作成と同様の方法で、式(4)の構造のポリマー2(13.00g(97%収率)、固有粘度:0.75dL/g(DMAc中、30℃))を得た。GPC測定から求めたポリスチレン換算でのMwは56,000であった。
Figure 2008001812
[ポリマー3の作成]
3,3‘−ビス(1−ヒドロキシ−1−トリフルオロメチル−2,2,2−トリフルオロエチル)―4,4’−オキシジアニリン(13.30g、0.025mol)とイソフタル酸クロリド(5.08g、0.025mol)を200ml三口フラスコ中で、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc) 50ml中で窒素雰囲気下、25℃で24時間攪拌する。反応後、反応液を水とメタノール混合物(50/50,vol/vol)1000mlに投入し白色沈殿を得た。ろ別後、沈殿物を圧力0.1kPaで乾燥し、式(5)の構造のポリマー3(15.90g(96%収率)、固有粘度:0.45dL/g(DMAc中、30℃))を得た。GPC測定から求めたポリスチレン換算でのMwは42,000であった。
Figure 2008001812
[ポリマー4の作成]
3,5−ビス(ヘキサフルオロ−2−ヒドロキシ−2−プロピル)シクロヘキシルメタクリレート 10.00g(0.020mol)、重合開始剤アゾビスイソブチロニトリル 0.07g(0.40mmol)、溶媒メチルエチルケトン(MEK)30.0gを300mlナスフラスコ中に加え、60℃にて15時間攪拌した。得られた反応液をn−ヘキサンに投入し、式(6)の構造のポリマー4(8.60g(収率86%))を得た。GPC測定から求めたポリスチレン換算でのMwは25,000であった。
Figure 2008001812
[ポリマー5の作成]
得られたポリマー4を3.00g、クロロメチルメチルエーテル 0.24g(0.003mol)、水素化ナトリウム 0.096g(0.004mol)、テトラヒドロフラン 10.0gを100mlナスフラスコ中に加え、25℃で3時間攪拌した。得られた反応液を水に投入し、得られた沈殿物をメチルエチルケトン(MEK)に再溶解後、n−ヘキサンに投入し、式(7)の構造のポリマー5(2.90g)を得た。GPC測定から求めたポリスチレン換算でのMwは27,000であった。NMRスペクトルから求めたRはH/−CHOCH= 60/40であった。
Figure 2008001812
作成したフッ素化ナノダイヤモンドと作成したポリマー1をN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)中で混合し、超音波ホモジナイザー(VCX−750、Sonics&Materials社製)によって出力400Wの超音波照射を0.5時間行い、分散液(重量比:フッ素化ナノダイヤモンド/ポリマー1/DMAc=3/7/40)を作成した。得られた分散液をガラス基板上にスピンコート法にて塗布後、100℃、200℃、350℃にて各1時間加熱処理後、剥離することで形状が保持されたフィルム状の成形物を得た(膜厚20μm)。得られた成形物の25℃における熱伝導率は50.5W/mK、絶縁破壊強度は20.9kV/mmであった。
作成したポリマー1を作成したポリマー2に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法でフィルム状の成形物を作成した(膜厚25μm)。得られた成形物の25℃における熱伝導率は55.9W/mK、絶縁破壊強度は20.2kV/mmであった。
作成したポリマー1を作成したポリマー3に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法でフィルム状の成形物を作成した(膜厚24μm)。得られた成形物の25℃における熱伝導率は48.0W/mK、絶縁破壊強度は21.5kV/mmであった。
作成したフッ素化ナノダイヤモンドとビスフェノールA型エポキシ樹脂(MW=5,000)をDMAc中で混合し、超音波ホモジナイザー(VCX−750、Sonics&Materials社製)によって出力400Wの超音波照射を0.5時間行ったのち、硬化剤としてシクロヘキサンジカルボン酸無水物を加え、分散液(重量比:フッ素化ナノダイヤモンド/ビスフェノールA型エポキシ樹脂/無水フタル酸/DMAc=3/6/1/40)を作成した。速やかに、得られた分散液をガラス基板上にスピンコート法にて塗布後、100℃、200℃にて各1時間加熱処理後、剥離することで形状が保持されたフィルム状の成形物を得た(膜厚20μm)。得られた成形物の25℃における熱伝導率は52.1W/mK、絶縁破壊強度は16.3kV/mmであった。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(MW=5,000)をビスフェノールAF型エポキシ樹脂(MW=5,500)に変更したこと以外は、実施例4と同様の方法でフィルム状の成形物を作成した(膜厚30μm)。得られた成形物の25℃における熱伝導率は54.3W/mK、絶縁破壊強度は17.1kV/mmであった。
作成したフッ素化ナノダイヤモンドとポリメチルメタクリレート(PMMA)(MW=20,000)をメチルエチルケトン(MEK)中で混合し、超音波ホモジナイザー(VCX−750、Sonics&Materials社製)によって出力400Wの超音波照射を0.5時間行い、分散液(重量比:フッ素化ナノダイヤモンド/PMMA/MEK=3/7/40)を作成した。得られた分散液をガラス基板上にスピンコート法にて塗布後、100℃、250℃にて各1時間加熱処理後、剥離することで形状が保持されたフィルム状の成形物を得た(膜厚25μm)。得られた成形物の25℃における熱伝導率は47.1W/mKであった。
作成したフッ素化ナノダイヤモンドと作成したポリマー7をメチルエチルケトン(MEK)中で混合し、超音波ホモジナイザー(VCX−750、Sonics&Materials社製)によって出力400Wの超音波照射を0.5時間行い、分散液(重量比:フッ素化ナノダイヤモンド/ポリマー7/MEK=3/7/40)を作成した。得られた分散液をガラス基板上にスピンコート法にて塗布後、100℃、250℃にて各1時間加熱処理後、剥離することで形状が保持されたフィルム状の成形物を得た(膜厚20μm)。得られた成形物の25℃における熱伝導率は46.1W/mKであった。
作成したフッ素化ナノダイヤモンドとテトラエトキシシランを、水とエタノールの混合溶媒(重量比:水/エタノール=1/4)中にて混合し、超音波ホモジナイザー(VCX−750、Sonics&Materials社製)によって出力400Wの超音波照射を0.5時間行い、分散液(重量比:フッ素化ナノダイヤモンド/テトラエトキシシラン/混合溶媒=3/7/40)を作成した。得られた分散液にテトラエトキシシラン1molに対して0.03mol相当量の塩酸を加え速やかにガラス基板上にスピンコート法にて塗布後、100℃、200℃、350℃にて各1時間加熱処理後、剥離することで形状が保持されたフィルム状の成形物を得た(膜厚20μm)。得られた成形物の25℃における熱伝導率は62.0W/mK、絶縁破壊強度は14.1kV/mmであった。
テトラエトキシシランをCF(CF)(CH)Si(OCHCH)に変更したこと以外は、実施例7と同様の方法でフィルム状の成形物を作成した(膜厚30μm)。得られた成形物の25℃における熱伝導率は71.0W/mK、絶縁破壊強度は16.1kV/mmであった。
作成したフッ素化ナノダイヤモンドと作成したポリマー2とCF(CF)(CH)Si(OCHCH)をN,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)、エタノール、水の混合溶媒(重量比:DMAc/エタノール/水=5/4/1)中で混合し、超音波ホモジナイザー(VCX-750、Sonics&Materials社製)によって出力400Wの超音波照射を0.5時間行い、分散液(重量比:フッ素化ナノダイヤモンド/ポリマー2/CF(CF)(CH)Si(OCHCH)/混合溶媒= 3/5/2/40)を作成した。得られた分散液にCF(CF)(CH)Si(OCHCH)1molに対して0.03mol相当量の塩酸を加え速やかにガラス基板上にスピンコート法にて塗布後、100℃、200℃、350℃にて各1時間加熱処理後、剥離することで形状が保持されたフィルム状の成形物を得た(膜厚25μm)。得られた成形物の25℃における熱伝導率は65.2W/mK、絶縁破壊強度は18.5kV/mmであった。
作成したポリマー2を作成したポリマー3に変更したこと以外は、実施例9と同様の方法でフィルム状の成形物を作成した(膜厚22μm)。得られた成形物の25℃における熱伝導率は67.4W/mKであった、絶縁破壊強度は19.5kV/mmであった。
[比較例1]
作成したポリマー3とDMAcを混合(重量比:ポリマー5/DMAc=3/7)し、これをガラス基板上にスピンコート法にて塗布後、100℃、200℃、350℃にて各1時間加熱処理後、剥離することで形状が保持されたフィルム状の成形物を得た(膜厚35μm)。得られた成形物の25℃における熱伝導率は0.51W/mKであった。
[比較例2]
ビスフェノールAF型エポキシ樹脂(MW=5,500)と硬化剤としてシクロヘキサンジカルボン酸無水物をDMAc中で混合(重量比:ビスフェノールAF型エポキシ樹脂/シクロヘキサンジカルボン酸無水物/DMAc=6/1/28)し、これをガラス基板上にスピンコート法にて塗布後、100℃、250℃、にて各1時間加熱処理後、剥離することで形状が保持されたフィルム状の成形物を得た(膜厚20μm)。得られた成形物の25℃における熱伝導率は0.18W/mKであった。
[比較例3]
PMMA(Mw=20,000)とMEKを混合(重量比:PMMA/MEK=3/7)し、これをガラス基板上にスピンコート法にて塗布後、100℃、250℃にて各1時間加熱処理後、剥離することで形状が保持されたフィルム状の成形物を得た(膜厚25μm)。得られた成形物の25℃における熱伝導率は0.31W/mKであった。
[比較例4]
CF(CF)(CH)Si(OCHCH)をN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、エタノール、水の混合溶媒(重量比:DMAc/エタノール/水=5/4/1)中で混合し(重量比:CF(CF)(CH)Si(OCHCH)/混合溶媒= 1/4)、得られた均一溶液にCF(CF)(CH)Si(OCHCH)1molに対して0.03mol相当量の塩酸を加え速やかにガラス基板上にスピンコート法にて塗布後、100℃、200℃、350℃にて各1時間加熱処理後、剥離することで形状が保持されたフィルム状の成形物を得た(膜厚20μm)。得られた成形物の25℃における熱伝導率は1.21W/mKであった。
[比較例5]
作成したポリマー2とCF(CF)(CH)Si(OCHCH)をN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、エタノール、水の混合溶媒(重量比:DMAc/エタノール/水=5/4/1)中で混合(重量比:ポリマー2/CF(CF)(CH)Si(OCHCH)/混合溶媒= 5/2/28)して得られた溶液に、CF(CF)(CH)Si(OCHCH)1molに対して0.03mol相当量の塩酸を加え速やかにガラス基板上にスピンコート法にて塗布後、100℃、200℃、350℃にて各1時間加熱処理後、剥離することで形状が保持されたフィルム状の成形物を得た(膜厚30μm)。得られた成形物の25℃における熱伝導率は0.70W/mKであった。
[比較例6]
作成したフッ素化ナノダイヤモンドを市販のナノダイヤモンドに変更したこと以外は、実施例3と同様の方法でフィルム状の成形物を作成した(膜厚23μm)。得られた成形物の25℃における熱伝導率は49.0W/mK、絶縁破壊強度は16.5kV/mmであった。
[比較例7]
作成したフッ素化ナノダイヤモンドを市販のナノダイヤモンドに変更したこと以外は、実施例5と同様の方法でフィルム状の成形物を作成した(膜厚21μm)。得られた成形物の25℃における熱伝導率は53.0W/mK、絶縁破壊強度は13.5kV/mmであった。
[比較例8]
作成したフッ素化ナノダイヤモンドを市販のナノダイヤモンドに変更したこと以外は、実施例8と同様の方法でフィルム状の成形物を作成した(膜厚20μm)。得られた成形物の25℃における熱伝導率は69.0W/mK、絶縁破壊強度は13.2kV/mmであった。
[比較例9]
作成したフッ素化ナノダイヤモンドを市販のナノダイヤモンドに変更したこと以外は、実施例9と同様の方法でフィルム状の成形物を作成した(膜厚30μm)。得られた成形物の25℃における熱伝導率は64.1W/mK、絶縁破壊強度は14.2kV/mmであった。
上記における熱伝導率は、レーザーフラッシュ法熱伝導測定装置(アルバック社製TC−7000)を用いて熱拡散率と比熱容量を測定し、その測定結果から熱伝導率を求め、絶縁破壊強度は、25型CRT用真空外囲器のファンネル部から切り出したガラスピース(50mm×50mm×4mm)上に測定対象物の成形物を作成し、ガラスパネル部から切り出したガラスピース(50mm×50mm×4mm)を載置して、200℃で1時間焼成し、焼成後のサンプルピース封着部の両側に直流電圧を印加、破壊した時の電圧をガラスの厚さで除した値を絶縁破壊強度として求め、膜厚は、Slone社製Dektak3030にて測定して求めた。
また、フッ素化ナノダイヤモンドの混合有無による熱伝導率の比較を表1に記載した。
Figure 2008001812
表1から、フッ素化ナノダイヤモンドを含有することにより熱伝導率が高くなっていることがわかる。
さらに、フッ素化ナノダイヤモンドを含有する場合とナノダイヤモンドを含有する場合における熱伝導率及び絶縁破壊強度の比較を表2に記載した。
Figure 2008001812
表2から、フッ素化ナノダイヤモンド含有する成形物とナノダイヤモンドを含有する成形物は、熱伝導率はほぼ同等であるが、絶縁破壊強度はフッ素化ナノダイヤモンドを含有する成形物の方が明らかに高く、絶縁性に優れていることがわかる。
本発明により得られるフッ素化ナノダイヤモンド含有の混合物は、絶縁性および熱伝導性に優れる為、半導体LSI素子の表面保護膜、封止材、層間絶縁材、CMP用スラリー材などの半導体製造用途や、複写機に用いられる定着ベルトなどに利用可能である。

Claims (9)

  1. フッ素化ナノダイヤモンドと、重量平均分子量が1,000から1,000,000の高分子量樹脂を混合したことを特徴とする混合物。
  2. フッ素化ナノダイヤモンドと、アルコキシシラン含有化合物または、アルコキシシラン含有化合物が加水分解したシラノール含有化合物もしくは該シラノール含有化合物が重縮合した重合物を混合したことを特徴とする混合物。
  3. フッ素化ナノダイヤモンドと重量平均分子量が1,000から1,000,000の高分子量樹脂と、アルコキシシラン含有化合物またはアルコキシシラン含有化合物が加水分解したシラノール含有化合物もしくは該シラノール含有化合物が重縮合した重合物を混合したことを特徴とする混合物。
  4. 高分子量樹脂がフッ素を含有することを特徴とする請求項1または3に記載の混合物。
  5. アルコキシシラン含有化合物がフッ素を含有することを特徴とする請求項2または3に記載の混合物。
  6. 高分子量樹脂が一般式(1)で表される構造を含有することを特徴とする請求項1、3、4のいずれか記載の混合物。
    Figure 2008001812

    (式中、Rは水素単独でも良く、またはフッ素や塩素等のハロゲン原子、酸素原子ならびに分岐を含んでも良い炭素数が1〜40の鎖状炭化水素基または芳香族や脂環族を有する環状体であって、酸不安定性基を含有してもよい)。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の混合物が水または有機溶媒に分散した分散液。
  8. 請求項7に記載の分散液からなるフッ素化ナノダイヤモンド含有成型体製造用原料。
  9. 請求項7に記載の分散液を基板上に塗布し、加熱処理することを特徴とするフィルムの製造方法。
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