JP2012201878A - ダイヤモンド含有複合樹脂組成物、及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】溶媒と、爆射法で得られたダイヤモンド微粒子と、全芳香族ポリアミドとからなるダイヤモンド含有複合樹脂組成物であって、前記ダイヤモンド微粒子が2.55〜3.48 g/cm3の比重を有し、前記溶媒がエチレングリコールモノブチルエーテル及びγ-ブチロラクトンを含む混合溶媒であることを特徴とするダイヤモンド含有複合樹脂組成物。
【選択図】図1
Description
(1)組成
本発明のダイヤモンド含有複合樹脂組成物は、爆射法で得られたダイヤモンド微粒子と全芳香族ポリアミド、全芳香族ポリアミド酸又は全芳香族ポリアミドイミドとをエチレングリコールモノブチルエーテル及びγ-ブチロラクトンを含む混合溶媒中に含有するものであり、前記混合溶媒への前記全芳香族ポリアミド、全芳香族ポリアミド酸又は全芳香族ポリアミドイミドの溶解、及び前記ダイヤモンド微粒子の分散によって得られる。
ダイヤモンド微粒子は、2.55〜3.48 g/cm3の比重を有する爆射法で得られたナノダイヤモンドを用いる。爆射法で得られた未精製のナノダイヤモンドは、ナノサイズのダイヤモンド粒子の表面をグラファイト系炭素が覆ったコア/シェル構造を有しており、黒く着色している。前記比重範囲を満たしていればこのまま用いても良いが、より着色の少ないダイヤモンド含有複合材料を得ようとする場合は、未精製のナノダイヤモンドを含む微粒子を酸化処理し、前記グラファイト相の一部又はほぼ全部を除去したダイヤモンド粒子を用いてダイヤモンド含有複合樹脂組成物を製造するのが好ましい。ナノダイヤモンド中に含まれる鉄等の不純物は、ダイヤモンドの酸化を促進するので、できるだけ除去するのが好ましい。
本発明の方法で用いる全芳香族ポリアミドは、実質的に下記式(A)及び式(B)、
―NH―Ar1―NH― ・・・(A)、
―OC―Ar2―CO― ・・・(B)
(ただし、Ar1及びAr2は各々独立に炭素数6〜20の二価の芳香族基を表わす。)
で表される2つの構成単位(それぞれ芳香族ジアミン成分及び芳香族ジカルボン酸成分)が交互に繰り返された構造を有する全芳香族ポリアミドである。
全芳香族ポリアミド酸は、全芳香族ポリイミドの前駆体であり、芳香族テトラカルボン酸(芳香族テトラカルボン酸二無水物)と二価のアミノ基有する芳香族化合物(芳香族ジアミン化合物)とを重合させることによって得られる。
本発明の方法で用いる全芳香族ポリアミドイミドは、(a)酸無水物基を有する三価の芳香族カルボン酸の誘導体(芳香族トリカルボン酸無水物)、及び(b)二価のアミノ基又はイソシアネート基を有する芳香族化合物(芳香族ジアミン化合物又は芳香族ジイソシアネート化合物)を反応させて得られる芳香族系樹脂である。
ダイヤモンド含有複合樹脂組成物に使用する溶媒は、エチレングリコールモノブチルエーテル及びγ-ブチロラクトンを含む混合溶媒である。これらの混合溶媒は、前記全芳香族ポリアミドを容易に溶解することができるとともに、前記ダイヤモンド微粒子を良好に分散することができるため、本発明の目的に好適である。
(1)ダイヤモンド微粒子
(a) 爆射法
爆射法によるダイヤモンド微粒子の合成は、水及び/又は氷の存在下で爆薬を爆発させて行うウエット法、水及び/又は氷を使用しないで空冷するドライ法等があるが、本発明では爆射法であればどの方法を採用しても良い。
未精製のダイヤモンドの酸化処理方法としては、(i) 硝酸等の共存下で高温高圧処理する方法(酸化処理A)、(ii)水及び/又はアルコールからなる超臨界流体中で処理する方法(酸化処理B)、(iii)水及び/又はアルコールからなる溶媒に酸素を共存させて、前記溶媒の標準沸点以上の温度及び0.1 MPa(ゲージ圧)以上の圧力で処理する方法(酸化処理C)、又は(iv)380〜450℃で酸素を含む気体により処理する方法(酸化処理D)が挙げられる。これらの酸化処理は、単独で行ってもよいし、組合せて行っても良い。酸化処理を組合せる場合は、爆射法で得られた未精製のダイヤモンドにまず酸化処理Aを施し、さらに酸化処理B〜Cのいずれかを施すのが好ましい。
爆射法により得られた未精製のダイヤモンド、及び前記酸化処理を施したナノダイヤモンドの動的光散乱法で求めたメジアン径は150〜250 nmである。これらの粒子は、前述したように、メジアン径2〜10 nm程度のダイヤモンド一次粒子が強固に凝集した凝集体である。ダイヤモンド微粒子の凝集がより少ないダイヤモンド含有複合樹脂組成物及びダイヤモンド含有複合材料を得るために、未精製又は前記酸化処理を施したダイヤモンド微粒子をビーズミル等の公知のメディア分散法により粉砕するのが好ましい。ビーズミルによる分散は、ジルコニアビーズを使用するのが好ましい。未精製又は前記酸化処理を施したダイヤモンド微粒子をメディア分散することにより、メジアン径を100 nm以下にするのが好ましく、50 nm以下にするのがより好ましく、30 nm以下にするのが最も好ましい。
前記爆射法で得られた未精製のナノダイヤモンド、又は前記酸化処理により得られたナノダイヤモンドは、(i)フルオロアルキル基含有オリゴマーを使用した方法、(ii)フルオロアルキルアゾ化合物を用いた方法、(iii)フッ素ガスと直接反応させる方法、(iv)ClF、ClF3、ClF5等のハロゲンフッ化物を反応させる方法、(v)フッ素プラズマによる方法等により、その表面をフッ素又はフッ素を有する基で修飾することができる。本発明の目的には、前記フルオロアルキル基含有オリゴマーを使用した方法を用いるのが好ましい。
高分子主鎖の両末端にフルオロアルキル基が直接炭素−炭素結合により導入された高分子界面活性剤(含フッ素オリゴマー)は、水溶液中又は有機溶媒中において自己組織化したナノレベルの分子集合体を形成することが知られている。このフルオロアルキル基が末端に導入された含フッ素オリゴマーを用いることにより、フルオロアルキル基で修飾したナノダイヤモンドを形成することができる。
下記反応式に記載したように、ナノダイヤモンドの存在下で、パーフルオロヘキサンに溶解したアゾビスパーフルオロオクチル1に、Xeエキシマランプにより波長172 nmの光を室温で照射することによりナノダイヤモンドにパーフルオロオクチルを付加させることができる。この反応はアルゴン気流下で行い、前記照射時間は10分〜2時間程度である。なお、この方法に用いるナノダイヤモンドは、パーフルオロヘキサンに分散しやすいようにあらかじめ疎水化処理を行うのが好ましい。
(iii-a)フッ素ガスを用いる第一の方法
フッ素ガスと直接反応させる方法は、ナノダイヤモンドをフッ素ガスと接触させ加熱することにより行う。フッ素ガスは、アルゴン等の不活性ガスと混合して用いるのが好ましい。このときフッ素ガスの濃度は0.01〜100 vol%、好ましくは0.1〜80 vol%、より好ましくは1〜50 vol%である。前記不活性ガスとしてはアルゴンの他に、窒素、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン等を用いることができる。反応させるガスには、ナノダイヤモンドの酸化が進まないように酸素を含まないのが好ましい。
フッ素ガスと反応させる他の方法として、ナノダイヤを入れた反応炉に、150℃、で3〜4時間不活性ガス中で加熱し、その後反応炉にフッ素ガス及びフッ化水素(例えば、3:1)を入れ、150℃のまま48時間加熱することによりフッ素化を行う方法がある。不活性ガスとしては、ヘリウム、窒素、アルゴンが使用でき、又は真空で処理しても良い。
前記爆射法で得られた未精製のナノダイヤモンド、又は前記酸化処理して得られたナノダイヤモンドに、シリル化剤、アルコキシシラン、シランカップリング剤等を反応させることによりナノダイヤモンドの表面に存在する水酸基等の親水性基を、ケイ素を含む有機基に置換することができる。ケイ素化処理は、シリル化剤を用いるのが好ましい。
全芳香族ポリアミドは溶液重合法、界面重合法、溶融重合法等の公知の方法によって製造することができる。重合度は芳香族ジアミン成分(前記式(A)で表される構成単位に対応)と芳香族ジカルボン酸成分(前記式(B)で表される構成単位に対応)の比率によってコントロールできる。重合度(ポリマーの分子量)は、特有粘度(inherent viscosity)ηinh[98質量%濃硫酸に0.5 g/100 mLの濃度(c)で溶かしたポリマー溶液を30℃で測定した相対粘度ηrelから、ηinh=(lnηrel)/cで求めた値]で評価することができ、ηinhが0.05〜20 dL/gであるのが好ましく、1〜10 dL/gであるのがより好ましい。
全芳香族ポリアミド酸は公知の重合方法を用いて製造することができる。好ましい重合方法として、(a)芳香族ジアミンを有機極性溶媒中に溶解し、これと実質的に等モルの芳香族テトラカルボン酸二無水物を反応させて重合する方法、(b)芳香族テトラカルボン酸二無水物とこれに対し過小モル量の芳香族ジアミン化合物とを有機極性溶媒中で反応させ、両末端に酸無水物基を有するプレポリマーを得た後、芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミン化合物とが実質的に等モルとなるように芳香族ジアミン化合物を反応させて重合する方法、(c)芳香族テトラカルボン酸二無水物とこれに対し過剰モル量の芳香族ジアミン化合物とを有機極性溶媒中で反応させ、両末端にアミノ基を有するプレポリマーを得た後、芳香族ジアミン化合物を追加添加し、芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミン化合物とが実質的に等モルとなるように芳香族テトラカルボン酸二無水物を用いて重合する方法、(d)実質的に等モルの芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンの混合物を有機極性溶媒中で反応させて重合する方法等が挙げられる。
全芳香族ポリアミドイミド樹脂は、(1)前述の(a)成分(酸成分)及び(b)成分(ジアミン化合物又はジイソシアネート化合物成分)とを一度に使用し、反応させてポリアミドイミド樹脂を合成する方法、(2)(a)成分と(b)の過剰量とを反応させて末端にイソシアネート基を有するアミドイミドオリゴマーを合成した後、(a)成分を追加し反応させてポリアミドイミド樹脂を合成する方法、又は(3)(a)成分の過剰量と(b)成分を反応させて末端に酸又は酸無水物基を有するアミドイミドオリゴマーを合成した後、(a)成分と(b)成分を追加し反応させてポリアミドイミド樹脂を合成する方法により製造することができる。
ダイヤモンド含有複合樹脂組成物を調製する方法としては、 (a)全芳香族ポリアミド、全芳香族ポリアミド酸又は全芳香族ポリアミドイミドの溶液に、ダイヤモンド微粒子粉末を添加する方法、(b)全芳香族ポリアミド、全芳香族ポリアミド酸又は全芳香族ポリアミドイミドの溶液とダイヤモンド微粒子の溶媒分散液とを混合する方法、(c) ダイヤモンド微粒子の溶媒分散液に固体の全芳香族ポリアミド、全芳香族ポリアミド酸又は全芳香族ポリアミドイミドを添加する方法、(d) ダイヤモンド微粒子の溶媒分散液中で、全芳香族ポリアミド、全芳香族ポリアミド酸又は全芳香族ポリアミドイミドのIn-situ重合を行う方法等が挙げられる。ダイヤモンド微粒子を複合樹脂組成物中に均一に分散させるためには上記(b)又は(d)の方法が好ましい。
本発明のダイヤモンド含有複合材料は、本発明のダイヤモンド含有複合樹脂組成物から得ることができる。例えば、ダイヤモンド含有複合樹脂組成物を公知の溶液キャスト法によりフィルムに成形することにより、ダイヤモンド含有複合材料からなるフィルムを形成することができる。また湿式、乾式又は乾式と湿式とを併用した公知の紡糸方法により、ダイヤモンド含有複合材料からなる糸を形成することができる。
(1)ナノダイヤモンドの作製
TNT(トリニトロトルエン)とRDX(シクロトリメチレントリニトラミン)を40/60の比で含む0.65 kgの爆薬1を、脱気した水を凍らせて形成した氷の容器2aに充填し(図1(a))、同じく脱気した水を凍らせて形成した氷の容器2bで蓋をした(図1(b))。前記爆薬1には、起爆用爆薬及び電気雷管を取り付けた。氷の重さは容器2a,2b合わせて15 kgであった。
脱水精製した2152 gのN-メチル-2-ピロリドンに、27.04 gのp-フェニレンジアミン及び50.06 g の3、4’-ジアミノジフェニルエーテルを常温で添加し、窒素気流下で溶解させた後、氷冷し攪拌しながら101.51 gのテレフタル酸ジクロリドを添加した。その後80℃になるまで徐々に昇温し、80℃で60分間反応させた後、水酸化カルシウム37.04 gを添加して中和し、全芳香族ポリアミド樹脂溶液を得た。得られた樹脂溶液を水に滴下して再沈殿させ乾燥させることにより、全芳香族ポリアミド樹脂の粉末を得た。
得られた未精製のナノダイヤモンドをエチレングリコールモノブチルエーテル、N-メチル-2-ピロリドン及びγ-ブチロラクトン(35:35:30の質量比)の混合溶媒に1質量%の濃度で分散させ、一方、得られた全芳香族ポリアミド樹脂を、同じ前記混合溶媒に5質量%となるように溶解させた。前記未精製のナノダイヤモンドを分散物と前記全芳香族ポリアミド樹脂溶液とを等重量で混合し、ダイヤモンド含有複合樹脂組成物を得た。
(1) 全芳香族ポリアミド酸溶液の調製
窒素導入管、温度計、及び攪拌棒を備えた容器を窒素置換した後、108質量部のフェニレンジアミンを入れ、次いで3600質量部のN-メチル-2-ピロリドンを加えて完全に溶解させてから、420質量部のN-メチル-2-ピロリドンに溶解した292.5質量部のジフェニルテトラカルボン酸二無水物を加えて、25℃にて12時間攪拌し、褐色の粘調な全芳香族ポリアミド酸溶液ポリアミド酸溶液を得た。
実施例1で作製した未精製のナノダイヤモンドをエチレングリコールモノブチルエーテル、N-メチル-2-ピロリドン及びγ-ブチロラクトン(35:35:30の質量比)の混合溶媒に0.5質量%の濃度で分散させた。一方で、得られた全芳香族ポリアミド酸溶液に、エチレングリコールモノブチルエーテル、N-メチル-2-ピロリドン及びγ-ブチロラクトンを添加し、溶媒組成が35:35:30(質量比)及び全芳香族ポリアミド酸濃度が3質量%となるように調製した。前記未精製のナノダイヤモンドを分散物と前記全芳香族ポリアミド酸溶液とを等重量で混合し、ダイヤモンド含有複合樹脂組成物を得た。
(1) 全芳香族ポリアミドイミド樹脂溶液の調製
攪拌機、冷却管、窒素導入管、及び温度計を備えた2リットル四つ口フラスコに、192.1 g(1.0モル)のトリメリット酸無水物、26.4 g(0.1モル)の4,4′-ジイソシアナト-3,3′-ジメチルビフェニル、21.0 g(0.1モル)の1,5-ジイソシアナトナフタレン、200.2 g(0.8モル)の4,4′-ジイソシアナトジフェニルメタン、970 gのγ-ブチロラクトンを仕込み、3.1 gの N-メチル-2-ピロリドンを加え120℃まで昇温し、約6時間反応させた。分子量19300となったら加熱を停止し、277 gのγ-ブチロラクトンを添加し、不揮発分25重量%の全芳香族ポリアミドイミド樹脂溶液を得た。
実施例1で作製した未精製のナノダイヤモンドをエチレングリコールモノブチルエーテル、N-メチル-2-ピロリドン及びγ-ブチロラクトン(35:35:30の質量比)の混合溶媒に2質量%の濃度で分散させた。一方で、得られた全芳香族ポリアミドイミド樹脂溶液に、エチレングリコールモノブチルエーテル、N-メチル-2-ピロリドン及びγ-ブチロラクトンを添加し、溶媒組成が35:35:30(質量比)及び全芳香族ポリアミドイミド樹脂濃度が10質量%となるように調製した。前記未精製のナノダイヤモンドを分散物と前記全芳香族ポリアミドイミド酸溶液とを等重量で混合し、ダイヤモンド含有複合樹脂組成物を得た。
(1) 酸化処理ナノダイヤモンド粉末の作製
実施例1で作製した未精製のナノダイヤモンドを60質量%硝酸水溶液と混合し、160℃、14気圧、20分の条件で酸化性分解処理を行った後、130℃、13気圧、1時間で酸化性エッチング処理を行った。酸化性エッチング処理により、未精製のナノダイヤモンドからグラファイトが一部除去された粒子が得られた。この粒子を、アンモニアを用いて、210℃、20気圧、20分還流し中和処理した後、自然沈降させデカンテーションにより35質量%硝酸での洗浄を行い、さらにデカンテーションにより3回水洗し、遠心分離により脱水し、120℃で加熱乾燥し、酸化処理したナノダイヤモンドの粉末を得た。この酸化処理したナノダイヤモンドの粉末の比重は3.38 g/cm3であり、メジアン径は130 nm(動的光散乱法)であった。比重から計算して、90体積%のダイヤモンドと10体積%のグラファイト系炭素からなっていると推定された。
未精製のナノダイヤモンドの代わりに酸化処理ナノダイヤモンド粉末を用いた以外、実施例1〜3と同様にして、ダイヤモンド含有複合樹脂組成物をそれぞれ作製した。
(1) 精製ナノダイヤモンドの作製
実施例2で作製した酸化処理ナノダイヤモンドの粉末をビーズミルにより分散処理した。ビーズミルによる分散は、アシザワファインテック株式会社製スターミルLMZを用いて行った。243 gの前記ナノダイヤモンドの粉末を水/トリエチレングリコール(50:50の容量比)に分散して5質量%の水分散液を調製し、ディゾルバーで予備分散した。0.1 mm径のジルコニアビーズを0.15 Lのベッセルに充填し、10 m/sの周速で回転子を回転させながら、前記ナノダイヤモンドの粉末の分散液を0.12 L/minで供給し、連続的に分散処理を行った。約2時間分散処理した後のナノダイヤモンド粒子はメジアン径40 nmであった。
未精製のナノダイヤモンドの代わりに精製ナノダイヤモンド粉末を用いた以外、実施例1〜3と同様にして、ダイヤモンド含有複合樹脂組成物をそれぞれ作製した。
(1)フッ素化ダイヤモンド微粒子の作製
実施例2で得られた酸化処理ナノダイヤモンドの粉末を3質量%の濃度でメタノールに分散させ、下記式:
未精製のナノダイヤモンドの代わりにフルオロアルキル基修飾ナノダイヤモンド粉末を用いた以外、実施例1〜3と同様にして、ダイヤモンド含有複合樹脂組成物をそれぞれ作製した。
(1) ケイ素化ダイヤモンド微粒子の作製
実施例2で得られた酸化処理ナノダイヤモンドの粉末をメチルイソブチルケトンに3質量%の濃度で分散させ、トリメチルクロロシランのメチルイソブチルケトン溶液(濃度7.5質量%)を1:1の容量で加え、48時間撹拌してナノダイヤモンドをトリメチルシランで修飾した。得られた分散物をメチルイソブチルケトンで洗浄後、乾燥し、トリメチルシラン修飾ナノダイヤモンド粉末を得た。
未精製のナノダイヤモンドの代わりにトリメチルシラン修飾ナノダイヤモンド粉末を用いた以外、実施例1〜3と同様にして、ダイヤモンド含有複合樹脂組成物をそれぞれ作製した。
2a,2b・・・容器
Claims (12)
- 溶媒と、爆射法で得られたダイヤモンド微粒子と、全芳香族ポリアミド、全芳香族ポリアミド酸又は全芳香族ポリアミドイミドとからなるダイヤモンド含有複合樹脂組成物であって、前記ダイヤモンド微粒子が2.55〜3.48 g/cm3の比重を有し、前記溶媒がエチレングリコールモノブチルエーテル及びγ-ブチロラクトンを含む混合溶媒であることを特徴とするダイヤモンド含有複合樹脂組成物。
- 請求項1に記載のダイヤモンド含有複合樹脂組成物において、前記混合溶媒がさらにN-メチル-2-ピロリドンを含むことを特徴とするダイヤモンド含有複合樹脂組成物。
- 請求項2に記載のダイヤモンド含有複合樹脂組成物において、前記混合溶媒が30質量%以上のγ-ブチロラクトン及び35質量%以下のN-メチル-2-ピロリドンを含むことを特徴とするダイヤモンド含有複合樹脂組成物。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のダイヤモンド含有複合樹脂組成物において、前記混合溶媒が50質量%以上のγ-ブチロラクトンを含むことを特徴とダイヤモンド含有複合樹脂組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のダイヤモンド含有複合樹脂組成物において、前記ダイヤモンド微粒子が、前記全芳香族ポリアミド、全芳香族ポリアミド酸又は全芳香族ポリアミドイミドに対して0.01〜20質量%の範囲で含有することを特徴とするダイヤモンド含有複合樹脂組成物。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のダイヤモンド含有複合樹脂組成物において、前記ダイヤモンド微粒子がフッ素又はケイ素を有するダイヤモンド微粒子であることを特徴とするダイヤモンド含有複合樹脂組成物。
- 請求項6に記載のダイヤモンド含有複合樹脂組成物において、前記フッ素を有するダイヤモンド微粒子がフルオロアルキル基含有オリゴマーを使用したフッ素化ダイヤモンド微粒子であることを特徴とするダイヤモンド含有複合樹脂組成物。
- ダイヤモンド微粒子と全芳香族ポリアミド、全芳香族ポリアミド酸又は全芳香族ポリアミドイミドとを含有するダイヤモンド含有複合樹脂組成物を製造する方法であって、エチレングリコールモノブチルエーテル及び/又はγ-ブチロラクトンを含む溶媒を用いて、爆射法で得られた2.55〜3.48 g/cm3の比重を有するダイヤモンド微粒子を分散させる工程、及び前記全芳香族ポリアミド、全芳香族ポリアミド酸又は全芳香族ポリアミドイミドを溶解する工程を有することを特徴とする方法。
- 請求項1〜8に記載のダイヤモンド含有複合樹脂組成物を用いて製造されたダイヤモンド含有複合材料。
- 請求項9に記載のダイヤモンド含有複合材料からなる成形品。
- 請求項9に記載のダイヤモンド含有複合材料からなるフィルム又はシート。
- 請求項9に記載のダイヤモンド含有複合材料からなる繊維。
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