JP2008102260A - 液晶配向剤および液晶表示素子 - Google Patents

液晶配向剤および液晶表示素子 Download PDF

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Abstract

【課題】液晶配向剤として良好な塗布性を有し、良好な配向特性を発現することができ、長時間駆動によっても焼付きや残留DCを抑制する信頼性の高い液晶配向剤を提供する。
【解決手段】アミック酸繰返し単位およびイミド繰返し単位の少なくともいすれか一方の繰返し単位を有する重合体と1〜30nmの範囲にある粒子径を持つ炭素化合物を含有する液晶配向剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、液晶配向剤および液晶表示素子に関する。さらに詳しくは、長時間駆動しても焼付きや残留DCを抑制する信頼性の高い液晶配向剤および液晶表示素子に関する。
従来、少なくとも一方が透明導電膜である電極を介して液晶配向膜が表面に形成されている2枚の基板の間に、正の誘電異方性を有するネマティック型液晶の層を形成してサンドイッチ構造のセルとし、上記液晶分子の長軸が一方の基板から他方の基板に向かって連続的に90度捻れるようにしたTN(Twisted Nematic)型液晶セルを有するTN型液晶表示素子が知られている。
また、カイラル剤の添加によって当該液晶分子の長軸が基板間で180度以上にわたって連続的に捻れる状態を達成させ、これにより生じる複屈折効果を利用したSTN(Super Twisted Nematic)型液晶表示素子も存在する。さらに、最近においては、対向する基板間に負の誘電異方性を有するホメオトロピック配向状態のネマチック液晶層からなるMVA(Multi domain Vertical Alignment)方式やPVA(Patterned Vertical Alignment)方式に代表される垂直配向型液晶表示素子や、螺旋軸が基板法線と平行状態にあるコレステリック液晶層を形成させ、それらの液晶層中に色素を添加したゲスト−ホスト型の反射型液晶表示素子も開発されている。さらに、液晶を駆動するための2つの電極を片側の基板に配置し、基板面に平行な電界を発生させ、液晶分子を制御するIPS型液晶表示素子(In―Plane Switching)、応答速度と視野角特性に優れたOCB(Optically self−Compensated Bend)型液晶表示素子が開発されている。
これらの液晶表示素子における液晶の配向は、通常、液晶配向膜により発現される。液晶表示素子を構成する液晶配向膜の材料としては、従来よりポリイミド、ポリアミドおよびポリエステルなどが知られている。特に、ポリイミドは、耐熱性、液晶との親和性、機械的強度などに優れているため多くの液晶表示素子に使用されている。
しかしながら、最近では液晶表示素子も大型化、軽量化、低消費電力化などの面から高性能な表示素子としてめざましい発展を遂げており、それに伴い液晶配向膜に対する要求性能も益々厳しくなってきている。特に、長時間電圧を印加する焼付き試験、信頼性試験に対する要求が厳しくなってきている。しかし、従来より知られているポリイミドの前駆体であるポリアミック酸や、それを脱水閉環させて得られる構造を有するイミド系重合体などからなる液晶配向膜の中には、その液晶配向膜を用いて液晶表示素子を作成した場合、たとえ液晶配向能力が優れ、かつプレチルト角が安定であっても長時間駆動により焼付きや残留DCが発生するという問題がある。
さらに、液晶表示素子の焼付きや残留DC抑制を目的としてフラーレンを含有する試みもあるが(特許文献1)、通常のフラーレンを用いる場合には非極性溶媒、例えばキシレンやトルエンを溶媒として用いる必要がある。このような溶媒選択性は液晶配向剤としての組成に制限を加えるばかりでなく、液晶配向剤として求められる塗布性を悪化させる。特に、従来より知られているポリイミドの前駆体であるポリアミック酸や、それを脱水閉環させて得られる構造を有するイミド系重合体などを構成要素とする液晶配向剤では、これら重合体の溶解性を低下させるため、電極基板上に塗膜を形成する際に異物として析出したり、印刷機を用いた場合にはロール上で溶媒組成が変化することに起因した不良が発生するという問題がある。また、フラーレンを含有するだけでは焼付きや残留DC抑制が不十分であった。そこで、塗れ性、レベリング性、異物発生の抑制といった塗布性能を満足し、なおかつ、焼付きや残留DCを抑制することが求められている。
特開平11−223815号公報
本発明の目的は、液晶配向剤として良好な塗布性を有し、配向膜としたときに良好な配向特性を発現することができるとともに、長時間駆動によっても焼付きや残留DCを抑制する信頼性の高い液晶配向剤を提供することにある。
本発明の他の目的は、上記の如き優れた性能を示す本発明の液晶配向剤から形成された液晶配向膜を備えた液晶表示素子を提供することにある。
本発明のさらに他の目的および利点は以下の説明から明らかになろう。
本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、第1に、(A)テトラカルボン酸二無水物とジアミンの反応によって得られる下記式(I−1)および下記式(I−2)のそれぞれで表される繰り返し単位よりなる群から選ばれる少なくとも一種の繰り返し単位を有する重合体、並びに(B)1nm〜30nmの範囲にある粒子径を持つ炭素化合物を含有することを特徴とする液晶配向剤によって達成される。
Figure 2008102260
(式中、PおよびPは4価の有機基であり、QおよびQは2価の有機基である。)
また、本発明の上記目的および利点は、第2に、上記液晶配向剤から得られた液晶配向膜を具備してなることを特徴とする液晶表示素子によって達成される。
本発明の液晶配向剤によれば、電極基板への塗れ性、レベリング性、異物発生など、塗布性に関わる特性が良好であり、かつ、液晶表示素子とした場合、長時間駆動しても焼付きや残留DCを抑制する信頼性に優れた液晶表示素子を作成することができる。
本発明の液晶配向剤を用いた液晶表示素子は、TN型およびSTN型液晶表示素子に好適に使用できる以外に、使用する液晶を選択することにより、SH(Super Homeotropic)型、IPS(In−Plane Switching)型、垂直配向型、強誘電性および反強誘電性の液晶表示素子などにも好適に使用することができる。
さらに、本発明の液晶配向膜を有する液晶表示素子は、種々の装置に有効に使用でき、例えば卓上計算機、腕時計、置時計、計数表示板、ワードプロセッサ、パーソナルコンピューター、液晶テレビなどの表示装置に用いられる。
本発明における液晶配向剤は、液晶配向剤を構成する重合体に加えて、1nm〜30nmの範囲にある粒子径を持つ炭素化合物、好ましくはダイヤモンドを含有する。
1nm〜30nmの粒子径を持つダイヤモンド(以下、ナノダイヤモンドという)としては、例えばナノ炭素研究所製ナノアマンドが挙げられる。ナノダイヤモンドは酸素欠如爆薬を用いた爆射法で製造され、化学洗浄により不純物を取り除き、精製されたものである。火薬を原料に爆発させると高圧力(20GPa以上)及び高温度(3,000K以上)になり、カーボンがダイヤモンド構造に変化する。この爆発により、ダイヤモンドブレンド(ダイヤモンド−非ダイヤモンド)が生成される。その後化学洗浄を行い、ナノダイヤモンドクラスターが生成する。このクラスターを化学修飾、超音波による分散工程を経て粒径100nm以下のナノダイヤモンドが生成される。本発明において使用するナノダイヤモンドは、1nm〜30nmの粒子径を持つナノダイヤモンドで、1nm未満の粒子系であれば、液晶配向剤に分散することが不可能となり、一方、30nmを越える粒子系であれば、液晶配向膜の膜厚均一性が損なわれる恐れがある。
本発明において、液晶配向剤にナノダイヤモンドを配合することにより、良好な塗布性を有し、かつ、不純物として液晶表示素子中に含まれるイオン性化合物が配向膜へ吸着された際イオンの電荷を逃すことによって、非対称性を原因とするイオンの分極による内部残留電界の発生を抑制して、特に液晶表示素子の連続駆動時にも、焼付きや残留DCなどを発生させず、高信頼な液晶素子が得られる。
また、本発明に用いられる重合体は、上記式(I−1)で表される繰り返し単位および上記式(I−2)で表される繰り返し単位よりなる群から選ばれる少なくとも一種の繰り返し単位を有する。かかる重合体としては、例えば上記式(I−1)で表わされる繰返し単位からなるポリアミック酸および当該ポリアミック酸を脱水閉環(イミド化)して得られる上記式(I−2)で表わされる繰返し単位からなるかまたは上記式(I−1)と(I−2)のそれぞれで表わされる繰返し単位を共に有するイミド化重合体が挙げられる。なお、本発明における「イミド化重合体」には、その繰り返し単位の全てがイミド化されているものも、部分的にイミド化されているものも含まれる。また、イミド環の一部がイソイミド環であってもよい。
本発明における好ましい重合体は、上記式(I−1)で表される繰り返し単位および上記式(I−2)で表される繰り返し単位を共に有する重合体である。このような重合体を有する液晶配向剤としては、例えば、下記(1)〜(3)の液晶配向剤が挙げられる。
(1) ポリアミック酸とイミド化重合体の両方を含有する液晶配向剤。
(2) アミック酸構造を有するプレポリマーと、イミド構造を有するプレポリマーとのブロック共重合体を含有する液晶配向剤。
(3) ポリアミック酸を部分的に脱水閉環させて得られるイミド化重合体を含有する液晶配向剤。
<ポリアミック酸>
本発明で用いられるポリアミック酸は、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物とを、開環重付加させて得られる。
[テトラカルボン酸二無水物]
上記ポリアミック酸の合成に用いられるテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジクロロ−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−テトラメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジシクロヘキシルテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、3,5,6−トリカルボキシノルボルナン−2−酢酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−メチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−エチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−7−メチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−7−エチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−エチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5,8−ジメチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、下記式(II)および(III)のそれぞれで表される化合物などの脂肪族および脂環式テトラカルボン酸二無水物;
Figure 2008102260
(式中、RおよびRは、芳香環を有する2価の有機基を示し、RおよびRは、水素原子またはアルキル基を示し、複数存在するRおよびRは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)
ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、3,3’,4,4’−パーフルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイド二無水物、p−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、m−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルエーテル二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルメタン二無水物、エチレングリコール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、プロピレングリコール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、1,4−ブタンジオール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、1,6−ヘキサンジオール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、1,8−オクタンジオール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン−ビス(アンヒドロトリメリテート)、下記式(1)〜(4)のそれぞれで表される化合物などの芳香族テトラカルボン酸二無水物を挙げることができる。これらの酸二無水物は1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
Figure 2008102260
これらのうち、ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5,8−ジメチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、ビシクロ[2,2,2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、3−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジオン−6−スピロ−3’−(テトラヒドロフラン−2’,5’−ジオン)、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、上記式(II)で表される化合物のうち下記式(5)〜(7)で表される化合物および上記式(III)で表される化合物のうち下記式(8)で表される化合物が、良好な液晶配向性を発現させることができる観点から好ましく、特に好ましいものとして、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、3−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジオン−6−スピロ−3’−(テトラヒドロフラン−2’,5’−ジオン)、ピロメリット酸二無水物および下記式(5)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2008102260
[ジアミン化合物]
上記ポリアミック酸の合成に用いられるジアミン化合物としては、例えばp−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノベンズアニリド、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,5−ジアミノナフタレン、5−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、6−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)−10−ヒドロアントラセン、2,7−ジアミノフルオレン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、4,4’−メチレン−ビス(2−クロロアニリン)、2,2’,5,5’−テトラクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジクロロ−4,4’−ジアミノ−5,5’−ジメトキシビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、1,4,4’−(p−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、2,2’−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、4,4’−ビス[(4−アミノ−2−トリフルオロメチル)フェノキシ]−オクタフルオロビフェニルなどの芳香族ジアミン;
1,1−メタキシリレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、4,4−ジアミノヘプタメチレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、テトラヒドロジシクロペンタジエニレンジアミン、ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダニレンジメチレンジアミン、トリシクロ[6.2.1.02,7]−ウンデシレンジメチルジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)などの脂肪族および脂環式ジアミン;
2,3−ジアミノピリジン、2,6−ジアミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノピリミジン、5,6−ジアミノ−2,3−ジシアノピラジン、5,6−ジアミノ−2,4−ジヒドロキシピリミジン、2,4−ジアミノ−6−ジメチルアミノ−1,3,5−トリアジン、1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン、2,4−ジアミノ−6−イソプロポキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メトキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−1,3,5−トリアジン、4,6−ジアミノ−2−ビニル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−5−フェニルチアゾール、2,6−ジアミノプリン、5,6−ジアミノ−1,3−ジメチルウラシル、3,5−ジアミノ−1,2,4−トリアゾール、6,9−ジアミノ−2−エトキシアクリジンラクテート、3,8−ジアミノ−6−フェニルフェナントリジン、1,4−ジアミノピペラジン、3,6−ジアミノアクリジン、ビス(4−アミノフェニル)フェニルアミンおよび下記式(IV)〜(V)のそれぞれで表される化合物などの、分子内に2つの1級アミノ基および該1級アミノ基以外の窒素原子を有するジアミン;
Figure 2008102260
(式中、Rは、ピリジン、ピリミジン、トリアジン、ピペリジンおよびピペラジンから選ばれる窒素原子を含む環構造を有する1価の有機基を示し、Xは2価の有機基を示す。)
Figure 2008102260
(式中、Rは、ピリジン、ピリミジン、トリアジン、ピペリジンおよびピペラジンから選ばれる窒素原子を含む環構造を有する2価の有機基を示し、Xは2価の有機基を示し、複数存在するXは、同一でも異なっていてもよい。)
下記式(VI)で表されるモノ置換フェニレンジアミン;下記式(VII)で表されるジアミノオルガノシロキサン;
Figure 2008102260
(式中、Rは、−O−、−COO−、−OCO−、−NHCO−、−CONH−および−CO−から選ばれる2価の有機基を示し、Rは、ステロイド骨格、トリフルオロメチル基およびフルオロ基から選ばれる基を有する1価の有機基または炭素数6〜30のアルキル基を示す。)
Figure 2008102260
(式中、Rは炭素数1〜12の炭化水素基を示し、複数存在するRは、それぞれ同一でも異なっていてもよく、pは1〜3の整数であり、qは1〜20の整数である。)
下記式(9)〜(13)のそれぞれで表される化合物などを挙げることができる。これらのジアミン化合物は、単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
Figure 2008102260
(式中、yは2〜12の整数であり、zは1〜5の整数である。)
これらのうち、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、1,5−ジアミノナフタレン、2,7−ジアミノフルオレン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、1,4−シクロヘキサンジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、上記式(9)〜(13)のそれぞれで表される化合物、2,6−ジアミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノピリミジン、3,6−ジアミノアクリジン、上記式(III)で表される化合物のうち下記式(14)で表される化合物、上記式(IV)で表される化合物のうち下記式(15)で表される化合物および上記式(V)で表される化合物のうち下記式(16)〜(22)のそれぞれで表される化合物が好ましい。
Figure 2008102260
Figure 2008102260
ポリアミック酸の合成反応に供されるテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物との使用割合は、ジアミン化合物に含まれるアミノ基1当量に対して、テトラカルボン酸二無水物に含まれる酸無水物基が0.2〜2当量となる割合が好ましく、さらに好ましくは0.3〜1.4当量となる割合である。テトラカルボン酸二無水物に含まれる酸無水物基の割合が0.2当量未満の場合および2当量を超える場合のいずれの場合も、得られる重合体の分子量が小さくなりすぎ、液晶配向剤の塗布性が劣ることがある。
本発明における液晶配向剤を構成するポリアミック酸は、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物との反応により合成される。ポリアミック酸の合成反応は、有機溶媒中で、好ましくは0〜150℃、より好ましくは0〜100℃の温度条件下で行われる。反応温度が0℃より低いと化合物の溶剤に対する溶解性が劣る場合があり、150℃を超えると得られる重合体の分子量が低下する場合がある。
ポリアミック酸の合成に用いられる有機溶媒としては、テトラカルボン酸二無水物、ジアミン化合物および反応で生成するポリアミック酸を溶解し得るものであれば特に制限はなく、例えばγ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホリルトリアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどの非プロトン系極性溶媒;m−クレゾール、キシレノール、フェノール、ハロゲン化フェノールなどのフェノール系溶媒を挙げることができる。
有機溶媒の使用量(A)は、反応原料であるテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物との総量(B)が反応溶液の全量(A+B)に対して0.1〜30重量%になる量であることが好ましい。
なお、上記有機溶媒には、ポリアミック酸の貧溶媒であるアルコール、ケトン、エステル、エーテル、ハロゲン化炭化水素、炭化水素などを、生成するポリアミック酸が析出しない範囲で併用することができる。係る貧溶媒の具体例としては、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、トリエチレングリコール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、シュウ酸ジエチル、マロン酸ジエチル、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プレピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、乳酸エチル、乳酸メチル、乳酸ブチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−メチル−3−メトキシブタノール、3−エチル−3−メトキシブタノール、2−メチル−2−メトキシブタノール、2−エチル−2−メトキシブタノール、3−メチル−3−エトキシブタノール、3−エチル−3−エトキシブタノール、2−メチル−2−エトキシブタノール、2−エチル−2−エトキシブタノール、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,4−ジクロロブタン、トリクロロエタン、クロルベンゼン、o−ジクロルベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどを挙げることができる。これらの溶媒は1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
以上の合成反応によって、ポリアミック酸を溶解してなる重合体溶液が得られる。そして、この重合体溶液を大量の貧溶媒中に注いで析出物を得、この析出物を減圧下乾燥することによりポリアミック酸を得ることができる。また、このポリアミック酸を再び有機溶媒に溶解させ、次いで貧溶媒で析出する工程を1回または数回行うことにより、ポリアミック酸の精製を行うことができる。
<ポリイミド>
本発明における液晶配向剤を構成するポリイミドは、下記方法(1)〜(3)により調製することができる。また、ポリアミック酸の繰り返し単位の一部が脱水閉環された、いわゆるイミド化率が100%未満である重合体も、本発明における液晶配向剤に好適に用いられる。
方法(1):ポリアミック酸を加熱して脱水閉環する方法。
この方法における反応温度は、好ましくは60〜300℃であり、より好ましくは120〜250℃である。反応温度が60℃未満ではイミド化反応が十分に進行せず、反応温度が300℃を超えると得られるポリイミドの分子量が小さくなることがある。
方法(2):ポリアミック酸を有機溶媒に溶解し、この溶液中に脱水剤およびイミド化触媒を添加し、必要に応じて加熱する方法。
この方法において、脱水剤としては、例えば無水酢酸、無水プロピオン酸、無水トリフルオロ酢酸などの酸無水物を用いることができる。脱水剤の使用量は、ポリアミック酸の繰り返し単位1モルに対して1.6〜20モルとするのが好ましい。また、イミド化触媒としては、例えばピリジン、コリジン、ルチジン、トリエチルアミンなどの3級アミンを用いることができる。しかしこれらに限定されるものではない。イミド化触媒の使用量は、使用する脱水剤1モルに対して0.5〜10モルとするのが好ましい。イミド化反応に用いられる有機溶媒としては、ポリアミック酸の合成に用いられる有機溶媒として例示したものと同じ有機溶媒を挙げることができる。そして、イミド化反応の反応温度は、好ましくは0〜180℃、より好ましくは60〜150℃である。
方法(3):テトラカルボン酸二無水物とジイソシアネート化合物とを混合し、縮合させる方法。
この方法に使用されるジイソシアネート化合物の具体例としては、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート化合物;シクロヘキサンジイソシアネートなどの脂環式ジイソシアネート化合物;ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルエーテル−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルスルホン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルスルフィド−4,4’−ジイソシアネート、1,2−ジフェニルエタン−p,p’−ジイソシアネート、2,2−ジフェニルプロパン−p,p’−ジイソシアネート、2,2−ジフェニル−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−p,p’−ジイソシアネート、2,2−ジフェニルブタン−p,p’−ジイソシアネート、ジフェニルジクロロメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルフルオロメタン−4,4’−ジイソシアネート、ベンゾフェノン−4,4’−ジイソシアネート、N−フェニル安息香酸アミド−4,4’−ジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート化合物を挙げることができる。これらのジイソシアネート化合物は、単独でまたは2種以上組合せて用いることができる。
この方法には特に触媒は必要とされず、反応温度は、好ましくは50〜200℃、より好ましくは100〜160℃である。
このようにして得られる重合体溶液に対し、ポリアミック酸の精製方法と同様の操作を行うことにより、ポリイミドを精製することができる。
<ポリアミック酸およびポリイミドの固有粘度>
以上のようにして得られるポリアミック酸およびポリイミドの固有粘度(30℃、N−メチル−2−ピロリドン中で測定。以下において同じ。)は、好ましくは0.05〜10dl/g、より好ましくは0.05〜5dl/gである。
<末端修飾型の重合体>
本発明の液晶配向膜を形成する液晶配向剤に用いられるポリアミック酸およびポリイミドは、末端修飾型の重合体であってもよい。この末端修飾型の重合体は、分子量が調節され、本発明の効果を損うことなく、液晶配向剤の塗布特性などを改善することができる。末端修飾型の重合体は、ポリアミック酸を合成する際に、酸無水物、モノアミン化合物またはモノイソシアネート化合物を反応系に添加することにより合成することができる。
末端修飾型の重合体を得るためポリアミック酸を合成する際の反応系に添加される酸無水物としては、例えば無水マレイン酸、無水フタル酸、無水イタコン酸、n−デシルサクシニック酸無水物、n−ドデシルサクシニック酸無水物、n−テトラデシルサクシニック酸無水物、n−ヘキサデシルサクシニック酸無水物などを挙げることができる。また、反応系に添加されるモノアミンとしては、例えばアニリン、シクロヘキシルアミン、n−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン、n−ウンデシルアミン、n−ドデシルアミン、n−トリデシルアミン、n−テトラデシルアミン、n−ペンタデシルアミン、n−ヘキサデシルアミン、n−ヘプタデシルアミン、n−オクタデシルアミン、n−エイコシルアミンなどのアルキルアミン類;3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−[N−アリル−N−(2−アミノエチル)]アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−[(3−トリメトキシシリル)プロピル]ジエチレントリアミンなどを挙げることができる。また、モノイソシアネート化合物としては、例えばフェニルイソシアネート、ナフチルイソシアネートなどを挙げることができる。
<液晶配向剤>
本発明の液晶配向剤は、本発明の液晶配向剤は、上記(A)重合体と(B)粒子径1〜30nmの炭化化合物、好ましくはナノダイヤモンドが、好ましくは有機溶媒中に溶解含有されて構成される。本発明の液晶配向剤における(B)ナノダイヤモンドの配合割合は、液晶配向剤に基づいて、好ましくは10ppm〜10重量%、より好ましくは、20ppm〜5重量%、さらに好ましくは、50ppm〜2重量%である。10ppm未満であると、残留DC抑制効果が不十分となる場合があり、10重量%を超えると、印刷性が悪化する場合がある。
なお、本発明の液晶配向剤は、上記したポリイミドおよび/またはポリアミック酸が、通常、有機溶媒中に溶解含有されて構成される液晶配向剤より形成することもできる。この場合には液晶配向剤を構成する有機溶媒としては、ポリアミック酸の合成反応に用いられる有機溶媒として例示した有機溶媒と同じものを挙げることができる。また、ポリアミック酸の合成反応の際に併用することができる貧溶媒として例示した溶媒と同じ貧溶媒も適宜選択して併用することができる。
本発明の液晶配向膜を提供する液晶配向剤における固形分濃度は、粘性、揮発性などを考慮して選択されるが、好ましくは1〜20重量%の範囲であり、さらに好ましくは1〜10重量%の範囲である。すなわち、本発明の液晶配向剤は、基板表面に塗布され、液晶配向膜となる塗膜が形成されるが、固形分濃度が1重量%未満である場合には、この塗膜の膜厚が過小となって良好な液晶配向膜を得難い。また、固形分濃度が20重量%を超える場合には、塗膜の膜厚が過大となって良好な液晶配向膜を得難く、また、液晶配向剤の粘性が増大して塗布特性が劣り易くなる。
また、本発明の液晶配向膜を形成する液晶配向剤には、基板表面に対する接着性を向上させる観点から、分子内に少なくとも一つのエポキシ基を有する化合物が含有されていてもよい。かかるエポキシ基含有化合物としては、例えばエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、2,2−ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,3,5,6−テトラグリシジル−2,4−ヘキサンジオール、N,N,N’,N’,−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’,−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタンなどを好ましいものとして挙げることができる。
これらのエポキシ化合物は、単独であるいは2種以上組合せて使用することができる。これらエポキシ化合物の配合割合は、液晶配向剤を構成する他の固形分100重量部に対して、好ましくは40重量部以下、より好ましくは0.05〜30重量部である。
さらに、本発明の液晶配向膜を形成する液晶配向剤には、基板表面に対する接着性を向上させる観点から、官能性シラン含有化合物が含有されていてもよい。
かかる官能性シラン含有化合物としては、例えば3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、N−トリメトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、10−トリメトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、10−トリエトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、9−トリエトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリエトキシシランなどを挙げることができる。
これら官能性シラン含有化合物の配合割合は、液晶配向剤を構成する他の固形分100重量部に対して、好ましくは40重量部以下、より好ましくは0.05〜30重量部である。
<液晶配向膜および液晶表示素子>
本発明の液晶配向剤により、例えば次の方法によって液晶配向膜を製造することができる。
(1)パターニングされた透明導電膜が設けられている基板の一面に、本発明の液晶配向剤を例えばロールコーター法、スピンナー法、印刷法などの方法によって塗布し、次いで、塗布面を加熱することにより塗膜を形成する。基板としては、例えばフロートガラス、ソーダガラスなどのガラス;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネートなどのプラスチックからなる透明基板を用いることができる。基板の一面に設けられる透明導電膜としては、酸化スズ(SnO)からなるNESA膜(米国PPG社登録商標)、酸化インジウム−酸化スズ(In−SnO)からなるITO膜などを用いることができる。これらの透明導電膜のパターニングには、フォト・エッチング法や予めマスクを用いる方法が用いられる。
液晶配向剤の塗布に際しては、基板表面および透明導電膜と塗膜との接着性をさらに良好にするために、基板の該表面に、官能性シラン含有化合物、官能性チタン含有化合物などを予め塗布することもできる。液晶配向剤塗布後の加熱温度は、好ましくは80〜300℃であり、より好ましくは120〜250℃である。
なお、ポリアミック酸を含有する本発明の液晶配向剤は、塗布後に有機溶媒を除去することによって配向膜となる塗膜を形成するが、さらに加熱することによって脱水閉環を進行させ、よりイミド化された塗膜とすることもできる。形成される塗膜の膜厚は、好ましくは0.001〜1μmであり、より好ましくは0.005〜0.5μmである。
(2)形成された塗膜面を、必要に応じて、例えばナイロン、レーヨン、コットンなどの繊維からなる布を巻き付けたロールで一定方向に擦るラビング処理を行い、これにより、液晶分子の配向能を塗膜に付与させて液晶配向膜としてもよい。液晶分子の配向能を付与する方法としては、配向膜が形成される少なくとも一方の基板に突起形状またはパターン形状を形成することでも達成でき、これはMVAあるいはPVA方式として知られている。
また、本発明の液晶配向剤により形成された液晶配向膜に、例えば特開平6−222366号公報や特開平6−281937号公報に示されているような、紫外線を部分的に照射することによってプレチルト角を変化させるような処理、あるいは特開平5−107544号公報に示されているような、ラビング処理を施した液晶配向膜表面にレジスト膜を部分的に形成し、先のラビング処理と異なる方向にラビング処理を行った後にレジスト膜を除去して、液晶配向膜の液晶配向能を変化させるような処理を行うことによって、液晶表示素子の視界特性を改善することが可能である。
さらに、本発明の液晶表示素子は、例えば、上記工程に引き続き以下の工程により得られる。
(3)上記のような何れかの方法によって液晶配向膜が形成された基板を2枚作製し、2枚の基板を間隙(セルギャップ)を介して対向配置し、2枚の基板の周辺部をシール剤を用いて貼り合わせ、基板表面およびシール剤により区画されたセルギャップ内に液晶を注入充填し、注入孔を封止して液晶セルを構成する。
そして、液晶セルの外表面、すなわち、液晶セルを構成するそれぞれの基板の他面側に、偏光板を、貼り合わせることにより、液晶表示素子が得られる。
シール剤としては、例えば硬化剤およびスペーサーとしての酸化アルミニウム球を含有するエポキシ樹脂などを用いることができる。
液晶としては、ネマティック型液晶を挙げることができ、例えばシッフベース系液晶、アゾキシ系液晶、ビフェニル系液晶、フェニルシクロヘキサン系液晶、エステル系液晶、ターフェニル系液晶、ビフェニルシクロヘキサン系液晶、ピリミジン系液晶、ジオキサン系液晶、ビシクロオクタン系液晶、キュバン系液晶などを用いることができる。また、これらの液晶に、例えばコレスチルクロライド、コレステリルノナエート、コレステリルカーボネートなどのコレステリック型液晶や商品名「C−15」「CB−15」(メルク社製)として販売されているようなカイラル剤などを添加して使用することもできる。
また、液晶セルの外表面に貼り合わされる偏光板としては、ポリビニルアルコールを延伸配向させながら、ヨウ素を吸収させたH膜と称される偏光膜を酢酸セルロース保護膜で挟んだ偏光板またはH膜そのものからなる偏光板を挙げることができる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。
本発明の実施例および比較例における液晶配向剤の塗布性、これを用いて作製した液晶表示素子における液晶の焼付きならびに残留DCは、以下の方法により評価した。
[塗布性]
顕微鏡を用いて塗膜表面を観察しハジキによる(ピンホール)形成の有無を観測した。
[焼付き]
焼付きは残像消去時間で評価した。残像消去時は、液晶表示素子に10Vの直流電圧を1時間印加した後、当該電圧の印加を解除し、表示画面を目視により観察して、電圧の印加を解除してから画面上の残像が確認されなくなるまでの時間とした。ナノダイヤモンドを配するか否かの点でのみ異なる液晶配向剤を用いて作製された液晶セル間で残像消去時間を比較し、残像消去時間が短い方を焼付き「良好」とした。
[残留DC]
液晶表示素子に直流5.0Vを重畳した30Hz、2.0Vの矩形波を70℃の環境温度で1時間印加し、直流電圧を切った直後のフリッカを観察した。ナノダイヤモンドを配するか否かの点でのみ異なる液晶配向剤を用いて作製された液晶セル間で残像消去時間を比較し、残像消去時間が短い方を焼付き「良好」とした。
合成例1
テトラカルボン酸二無水物として、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物448.34g(1.0モル)、ジアミン化合物としてp−フェニレンジアミン86.51g(0.8モル)、上記式(16)で表されるジアミン104.56g(0.2モル)を固形分濃度が20重量%になるように、N−メチル−2−ピロリドンに加え、室温で4時間反応させた。次いで、反応溶液を大過剰のメチルアルコールに注いで反応生成物を沈澱させた。その後、メチルアルコールで洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥させることにより、対数粘度0.75dl/g、イミド化率0%のポリアミック酸290gを得た。得られたポリアミック酸30gをN−メチル−2−ピロリドン570gに溶解させ、ピリジン23.4gおよび無水酢酸18.1gを添加し110℃で4時間脱水閉環させ、上記と同様にして沈殿、洗浄、減圧を行い、対数粘度0.80dl/g、イミド化率50%のイミド化重合体(これを「イミド化重合体(A−1)」とする。)17.5gを得た。
合成例2〜7
表1に示すジアミンとテトラカルボン酸二無水物を用いてポリアミック酸を合成し、表1に示す量の触媒を加えることで脱水閉環させた以外は合成例1と同様にしてイミド化重合体(A−2〜A−7)を得た。
Figure 2008102260
合成例8
テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物224.17g(0.5モル)および1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン157.14g(0.5モル)、ジアミン化合物としてp−フェニレンジアミン94.62g(0.875モル)、2,2−ジトリフルオロメチルー4,4−ジアミノビフェニル32.02g(0.1モル)、3,6−ビス(4−アミノベンゾイルオキシ)コレスタン(上記式(9)で表される化合物、以下同じ)6.43g(0.01モル)およびオクタデカノキシ−2,5−ジアミノベンゼン4.04g(0.03モル)をN−メチル−2−ピロリドン4,500gに溶解させ、60℃で6時間反応させた。次いで、反応溶液を大過剰のメチルアルコールに注いで反応生成物を沈澱させた。その後、メチルアルコールで洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥させることにより、対数粘度0.87dl/g、イミド化率0%のポリアミック酸410gを得た。得られたポリアミック酸30gをN−メチル−2−ピロリドン570gに溶解させ、ピリジン23.4gおよび無水酢酸18.1gを添加し110℃で4時間脱水閉環させ、上記と同様にして沈殿、洗浄、減圧を行い、対数粘度0.80dl/g、イミド化率100%のイミド化重合体(これを「イミド化重合体(A−8)」とする。)17.5gを得た。
合成例9
テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物224.17g(0.5モル)および1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン157.14g(0.5モル)、ジアミン化合物としてp−フェニレンジアミン94.62g(0.875モル)、ビスアミノプロピルテトラメチルジシロキサン24.85g(0.1モル)、3,6−ビス(4−アミノベンゾイルオキシ)コレスタン6.43g(0.01モル)およびオクタデカノキシ−2,5−ジアミノベンゼン4.04g(0.03モル)をN−メチル−2−ピロリドン4,500gに溶解させ、60℃で6時間反応させた。次いで、反応溶液を大過剰のメチルアルコールに注いで反応生成物を沈澱させた。その後、メチルアルコールで洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥させることにより、対数粘度0.82dl/g、イミド化率0%のポリアミック酸370gを得た。得られたポリアミック酸30gをN−メチル−2−ピロリドン570gに溶解させ、ピリジン23.4gおよび無水酢酸18.1gを添加し110℃で4時間脱水閉環させ、上記と同様にして沈殿、洗浄、減圧を行い、対数粘度0.77dl/g、イミド化率100%のイミド化重合体(これを「イミド化重合体(A−9)」とする。)18.5gを得た。
合成例10
テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物224.17g(0.5モル)および1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン157.14g(0.5モル)、ジアミン化合物としてp−フェニレンジアミン89.21g(0.825モル)、2,2’−ジトリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル32.02g(0.1モル)、1−(3,5−ジアミノベンゾイルオキシ)−4−(4−トリフルオロメチルベンゾイルオキシ)−シクロヘキサン(上記式(20)で表される化合物、以下同じ)25.34g(0.06モル)およびオクタデカノキシ−2,5−ジアミノベンゼン4.04g(0.03モル)をN−メチル−2−ピロリドン4,500gに溶解させ、60℃で6時間反応させた。次いで、反応溶液を大過剰のメチルアルコールに注いで反応生成物を沈澱させた。その後、メチルアルコールで洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥させることにより、対数粘度0.90dl/g、イミド化率0%のポリアミック酸410gを得た。得られたポリアミック酸30gをN−メチル−2−ピロリドン570gに溶解させ、ピリジン23.4gおよび無水酢酸18.1gを添加し110℃で4時間脱水閉環させ、上記と同様にして沈殿、洗浄、減圧を行い、対数粘度0.83dl/g、イミド化率100%のイミド化重合体(これを「イミド化重合体(A−10)」とする。)17.5gを得た。
合成例11
テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物224.17g(0.5モル)および1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン157.14g(0.5モル)、ジアミン化合物としてp−フェニレンジアミン94.08g(0.87モル)、ビスアミノプロピルテトラメチルジシロキサン24.85g(0.1モル)および3,6−ビス(4−アミノベンゾイルオキシ)コレスタン6.65g(0.015モル)、アニリン2.79g(0.03モル)をN−メチル−2−ピロリドン4,500gに溶解させ、60℃で6時間反応させた。次いで、反応溶液を大過剰のメチルアルコールに注いで反応生成物を沈澱させた。その後、メチルアルコールで洗滌し、減圧下40℃で15時間乾燥させることにより、対数粘度0.78dl/g、イミド化率0%のポリアミック酸350gを得た。得られたポリアミック酸30gをN−メチル−2−ピロリドン570gに溶解させ、ピリジン23.4gおよび無水酢酸18.1gを添加し110℃で4時間脱水閉環させ、上記と同様にして沈殿、洗浄、減圧を行い、対数粘度0.77dl/g、イミド化率100%のイミド化重合体(これを「イミド化重合体(A−11)」とする。)17.5gを得た。
合成例12
テトラカルボン酸二無水物としてピロメリット酸二無水物109.06g(0.5モル)および1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物98.06g(0.5モル)、ジアミン化合物として4,4’−ジアミノジフェニルエーテル200.2g(1.0モル)をN−メチル−2−ピロリドン4,500gに溶解させ、60℃で6時間反応させた。次いで、反応溶液を大過剰のメチルアルコールに注いで反応生成物を沈澱させた。その後、メチルアルコールで洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥させることにより、対数粘度0.88dl/g、イミド化率0%のポリアミック酸(これを「ポリアミック酸(B−1)」とする。)290gを得た。
合成例13
テトラカルボン酸二無水物としてピロメリット酸二無水物109.06g(0.5モル)および1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物98.06g(0.5モル)、ジアミン化合物を4,4’−ジアミノジフェニルメタン198.27g(1.0モル)をN−メチル−2−ピロリドン4,500gに溶解させ、60℃で6時間反応させた。次いで、反応溶液を大過剰のメチルアルコールに注いで反応生成物を沈澱させた。その後、メチルアルコールで洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥させることにより、対数粘度0.92dl/g、イミド化率0%のポリアミック酸(これを「ポリアミック酸(B−2)」とする。)310gを得た。
合成例14
テトラカルボン酸二無水物として1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物196.12g(1.0モル)、ジアミン化合物として4,4’−ジアミノジフェニルエーテル200.2g(1.0モル)をN−メチル−2−ピロリドン4,500gに溶解させ、60℃で6時間反応させた。次いで、反応溶液を大過剰のメチルアルコールに注いで反応生成物を沈澱させた。その後、メチルアルコールで洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥させることにより、対数粘度0.90dl/g、イミド化率0%のポリアミック酸(これを「ポリアミック酸(B−3)」とする。)290gを得た。
合成例15
テトラカルボン酸二無水物として1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物196.12g(1.0モル)、ジアミン化合物として2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル212g(1.0モル)をN−メチル−2−ピロリドン4,500gに溶解させ、60℃で6時間反応させた。次いで、反応溶液を大過剰のメチルアルコールに注いで反応生成物を沈澱させた。その後、メチルアルコールで洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥させることにより、対数粘度0.99dl/g、イミド化率0%のポリアミック酸(これを「ポリアミック酸(B−4)」とする。)290gを得た。
合成例16
テトラカルボン酸二無水物としてピロメリット酸二無水物109.06g(0.5モル)および1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物98.06g(0.5モル)、ジアミン化合物として2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル212g(1.0モル)をN−メチル−2−ピロリドン4,500gに溶解させ、60℃で6時間反応させた。次いで、反応溶液を大過剰のメチルアルコールに注いで反応生成物を沈澱させた。その後、メチルアルコールで洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥させることにより、対数粘度0.95dl/g、イミド化率0%のポリアミック酸(これを「ポリアミック酸(B−5)」とする。)310gを得た。
実施例1
合成例1で得られたイミド化重合体(A−1)100重量部と、N−メチル−2−ピロリドンに分散させた状態のナノアマンド(ナノ炭素研究所製)0.02mg、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4、4’−ジアミノジフェニルメタンを20重量部とをN−メチル−2−ピロリドン/ブチルセロソルブ(50/50(重量比))混合溶媒に溶解させて固形分濃度6重量%の溶液とし、この溶液を孔径1μmのフィルターを用いて濾過し、本発明の液晶配向剤を調製した。用いたナノアマンドの粒径は、8nm〜10nmのものである。上記液晶配向剤を、液晶配向膜印刷機(日本写真印刷機(株)製)を用いてITO膜からなる透明電極付きガラス基板の透明電極面に塗布し、80℃のホットプレート上で1分間乾燥後、200℃のホットプレート上で10分間乾燥し、平均膜厚600オングストロームの被膜を形成した。この基板を倍率20倍の顕微鏡にて観察したところ、印刷ムラおよびピンホールは見られず、印刷性は良好であった。
この被膜にナイロン型の布を巻き付けたロールを有するラビングマシーンにより、ロール回転数500rpm、ステージ移動速度3cm/秒、毛足押しこみ長さ0.4mmでラビング処理を行い、液晶配向膜を形成した。次に、上記液晶配向膜形成基板をイソプロピルアルコールに1分間浸漬した後、100℃のホットプレート上で5分間乾燥した。次に、上記基板一対の液晶配向膜を有するそれぞれの外縁に、直径5.5μmの酸化アルミニウム球入りエポキシ樹脂接着剤を塗布した後、液晶配向膜面が相対するように重ね合わせて圧着し、接着剤を硬化させた。次いで、液晶注入口より一対の基板間に、ネマチック型液晶(メルク社製、MLC−6608または、MLC−6221)を充填した後、アクリル系光硬化接着剤で液晶注入口を封止し、基板の外側の両面に偏向板を張り合わせ、本発明の液晶表示素子を作製した。
実施例1と比較例1の残留DCを比較したところ、実施例1が優良であった。実施例1と比較例1の残像消去時間を比較したところ、実施例1が優良であった。
実施例2〜14および比較例1〜14
合成例2〜16のそれぞれで得られたポリアミック酸及び/またはイミド化重合体を用い、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4、4’−ジアミノジフェニルメタンの添加量、溶剤比を変更させた以外は実施例1と同様にして、液晶配向剤を調製し、基板上に被膜を形成して印刷性を観察し、さらに液晶表示素子を作製して残留DCを評価し、残像消去時間を観察した。結果を表2および表3に示す。
Figure 2008102260
Figure 2008102260

Claims (6)

  1. 下記式(I−1)および下記式(I−2)のそれぞれで表される繰り返し単位よりなる群から選ばれる少なくとも一種の繰り返し単位を有する重合体、並びに1nm〜30nmの範囲にある粒子径を持つ炭素化合物を含有することを特徴とする液晶配向剤。
    Figure 2008102260
    (式中、PおよびPは4価の有機基であり、QおよびQは2価の有機基である。)
  2. 炭素化合物が超分散ダイヤモンドである請求項1に記載の液晶配向剤。
  3. 炭素化合物が、溶媒であるγ−ブチロラクトンまたはN−メチル−2−ピロリドンに分散可能な超分散ダイヤモンドである請求項1に記載の液晶配向剤。
  4. 液晶配向剤に基づいて、炭素化合物の含有量が10ppm〜10重量%である請求項3に記載の液晶配向剤。
  5. 上記式(I−1)中のPおよび上記式(I−2)中のPの少なくとも一部が2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物に由来する請求項1に記載の液晶配向剤。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の液晶配向剤から得られた液晶配向膜を具備してなることを特徴とする液晶表示素子。
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