JP5019050B2 - 液晶配向剤および液晶表示素子 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶配向剤および液晶表示素子に関する。
さらに詳しくは、電圧保持率および残像特性に優れる液晶配向膜を与える液晶配向剤および残像特性に優れる液晶表示素子に関する。
現在、液晶表示素子としては、ITO(インジウム−スズ酸化物)膜などからなる透明導電膜が設けられている基板表面に液晶配向膜を形成して液晶表示素子用基板とし、その2枚を対向配置してその間隙内に正の誘電異方性を有するネマチック型液晶の層を形成してサンドイッチ構造のセルとし、液晶分子の長軸が一方の基板から他方の基板に向かって連続的に90°捻れるようにした、いわゆるTN(Twisted Nematic)型液晶セルを有するTN型液晶表示素子が広く知られている。また、TN型液晶表示素子に比して高いコントラスト比を実現できるSTN(Super Twisted Nematic)型液晶表示素子が開発されている。上記TN型およびSTN型の液晶表示素子における液晶分子の配向は、ラビング処理の施された液晶配向膜により制御されるのが一般的である。
これらに対し、透明導電膜上に突起を設け、これにより液晶分子の配向規制を行い視野角特性を改善しようとするMVA(Multi−domain Vertical Allignment)型液晶表示素子(特許文献1および非特許文献1参照)、特殊な電極構造により液晶分子の配向制御を行なうEVA(Enhanced Vertical Allignment)型液晶表示素子(非特許文献2参照)、光配向法による垂直配向型液晶表示素子(非特許文献3参照)などの垂直配向型液晶表示素子が提案されている。これらの垂直配向型液晶表示素子は、視野角特性、コントラストなどに優れ、液晶配向膜の形成においてラビング処理を行わなくてよいなど、製造工程の面でも優れている。しかしながら、先に述べたTN型、STN型の液晶表示素子に比較して性能は未だ不十分であり、特に垂直配向性および液晶表示素子の残像特性に関する性能向上が求められている。
上記の問題を解決すべく、電圧保持率と残像特性との関係に着目し、アリル基を有するジアミン化合物を用いて合成されるポリイミドまたはそのイミド化重合体を液晶配向膜に用いることによって電圧保持率を向上し、これにより残存特性を改善しようとする試みがなされている(特許文献2参照)が、この技術によっても残像特性の改善は未だ不十分である。
さらに1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物およびピロメリット酸二無水物を含有する、テトラカルボン酸二無水物を用いて合成されるポリアミド酸を液晶配向剤として用いることにより、電圧保持率、残留電荷、残像特性を改善しようとする試みがなされている(特許文献3〜6参照)が、これらの技術では十分な電圧保持率が得られないという問題があった。
特開平11−258605号公報 国際公開第WO2005/052028号パンフレット 特願2001−206168号公報 特表2001−510497号公報 特開2001−296525号公報 特開平10−197875号公報 特開平6−222366号公報 特開平6−281939号公報 特開平5−107544号公報 "液晶"vol.3 No.2 117(1999年) "液晶"vol.3 No.4 272(1999年) "Jpn Appl.phys."Vol36 428(1997年)
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、垂直配向型液晶表示素子へ適用した場合良好な液晶配向性を示し、且つ電圧保持率および残像特性に優れる液晶配向膜を与える液晶配向剤ならびに残存特性に優れる液晶表示素子を提供することを特徴とする。
本発明の他の目的および利点は、以下の説明から明らかになろう。
本発明によると、本発明の上記目的は、第一に、
1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物および全テトラカルボン酸二無水物に対して1〜10モル%のピロメリット酸二無水物を含有するテトラカルボン酸二無水物と下記式(1)
Figure 0005019050
で表される化合物および全ジアミンに対して10〜50モル%のステロイド骨格を有するジアミンを含有するジアミンとを反応させて得られるポリアミック酸ならびにそのイミド化重合体よりなる群から選択される少なくとも一種の重合体を含有し、垂直配向型液晶表示素子の液晶配向膜を形成するために用いられる液晶配向剤によって達成される。
本発明の上記目的は、第二に、
上記の液晶配向剤からラビング処理を行わずに形成された液晶配向膜を具備する垂直配向型液晶表示素子によって達成される。
<ポリアミック酸>
本発明の液晶配向剤に含有されるポリアミック酸は、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物および全テトラカルボン酸二無水物に対して1〜10モル%のピロメリット酸二無水物を含有するテトラカルボン酸二無水物と上記式(1)で表される化合物および全ジアミンに対して10〜50モル%のステロイド骨格を有するジアミンを含有するジアミンとを反応させることにより合成することができる。
[テトラカルボン酸二無水物]
上記ポリアミック酸を合成するために使用されるテトラカルボン酸二無水物は、少なくとも1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物およびピロメリット酸二無水物を含有する。上記ポリアミック酸の合成に際しては、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物およびピロメリット酸二無水物以外の他のテトラカルボン酸二無水物を併用してもよい。
かかる他のテトラカルボン酸二無水物としては、例えば
ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジクロロ−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−テトラメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジシクロヘキシルテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、3,5,6−トリカルボキシノルボルナン−2−酢酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、
1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−メチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−エチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−7−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−7−エチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−エチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5,8−ジメチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、3−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジオン−6−スピロ−3’−(テトラヒドロフラン−2’,5’−ジオン)、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、3,5,6−トリカルボキシ−2−カルボキシノルボルナン−2:3,5:6−二無水物、4,9−ジオキサトリシクロ[5.3.1.02,6]ウンデカン−3,5,8,10−テトラオン、下記式(T−I)または(T−II)
Figure 0005019050
(式(T−I)および(T−II)中、RおよびRは芳香環を有する2価の有機基を示し、RおよびRは水素原子またはアルキル基を示し、複数存在するRおよびRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)
で表される化合物などの脂肪族または脂環式テトラカルボン酸二無水物;
3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、3,3’,4,4’−パーフルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイド二無水物、p−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、m−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルエーテル二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルメタン二無水物、エチレングリコール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、プロピレングリコール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、1,4−ブタンジオール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、1,6−ヘキサンジオール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、1,8−オクタンジオール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン−ビス(アンヒドロトリメリテート)、下記式(T−1)〜(T−4)
Figure 0005019050
で表される化合物などの芳香族テトラカルボン酸二無水物を挙げることができる。これらは1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
これらのうち、ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5,8−ジメチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、ビシクロ[2,2,2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、3−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジオン−6−スピロ−3’−(テトラヒドロフラン−2’,5’−ジオン)、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、3,5,6−トリカルボキシ−2−カルボキシノルボルナン−2:3,5:6−二無水物、4,9−ジオキサトリシクロ[5.3.1.02,6]ウンデカン−3,5,8,10−テトラオン、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、上記式(T−I)で表される化合物のうち下記式(T−5)〜(T−7)
Figure 0005019050
で表される化合物および上記式(T−II)で表される化合物のうち下記式(T−8)
Figure 0005019050
で表される化合物が、良好な液晶配向性を発現させることができる観点から好ましい。特に好ましい他のテトラカルボン酸二無水物は、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物である。
本発明の液晶配向剤に含有されるポリアミック酸を合成するために使用されるテトラカルボン酸二無水物は、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物を全テトラカルボン酸二無水物に対して好ましくは60〜99モル%、より好ましくは65〜97モル%含有する。また、ピロメリット酸二無水物を全テトラカルボン酸二無水物に対して1〜10モル%含有するが、この値は好ましくは2〜10モル%である。
本発明の液晶配向剤に含有されるポリアミック酸を合成するために使用されるテトラカルボン酸二無水物は、さらに、他のテトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物を全テトラカルボン酸二無水物に対して50モル%以下含有することが好ましく、10〜40モル%含有することがより好ましく、さらに15〜35モル%含有することが好ましい。
各テトラカルボン酸二無水物を上記のような割合でそれぞれ含有するテトラカルボン酸二無水物を使用することにより、後述する溶媒に対して良好な溶解性を示す重合体を得ることができ、しかもこれを含有する液晶配向剤から形成される液晶配向膜は配向性に優れることとなる点で、好ましい。
[ジアミン]
上記ポリアミック酸を合成するために使用されるジアミンは、上記式(1)で表される化合物およびステロイド骨格を有するジアミンを含有する。上記ポリアミック酸の合成に際しては、これ以外のその他のジアミンを併用してもよい
上記ステロイド骨格を有するジアミンとしては、例えば下記式(D−I)
Figure 0005019050
(式(D−I)中、X1は−O−、−COO−、−OCO−、−NHCO−、−CONH−および−CO−から選ばれる2価の有機基を示し、Rはステロイド骨格を有する1価の有機基を示す。)
で表される化合物、下記式(D−II)
Figure 0005019050
(式(D−II)中、Xは−O−、−COO−、−OCO−、−NHCO−、−CONH−および−CO−から選ばれる2価の有機基を示し、Rはステロイド骨格を有する2価の有機基を示す。)
で表される化合物を挙げることができる。これらの具体例としては、上記式(D−I)で表される化合物として、例えば下記式(D−1)〜(D−6)
Figure 0005019050
Figure 0005019050
で表される化合物など;
上記式(D−II)で表される化合物として、例えば下記式(D−7)〜(D−9)
Figure 0005019050
で表される化合物などを、それぞれ挙げることができる。
上記その他のジアミンとしては、例えば
p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノベンズアニリド、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,5−ジアミノナフタレン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジトリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジトリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、5−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、6−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)−10−ヒドロアントラセン、2,7−ジアミノフルオレン、9,9−ジメチル-2,7−ジアミノフルオレン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、4,4’−メチレン−ビス(2−クロロアニリン)、2,2’,5,5’−テトラクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジクロロ−4,4’−ジアミノ−5,5’−ジメトキシビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、1,4,4’−(p−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、2,2’−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、4,4’−ビス[(4−アミノ−2−トリフルオロメチル)フェノキシ]−オクタフルオロビフェニルなどの芳香族ジアミン;
1,1−メタキシリレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、4,4−ジアミノヘプタメチレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、テトラヒドロジシクロペンタジエニレンジアミン、ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダニレンジメチレンジアミン、トリシクロ[6.2.1.02,7]−ウンデシレンジメチルジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンなどの脂肪族または脂環式ジアミン;
2,3−ジアミノピリジン、2,6−ジアミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノピリミジン、5,6−ジアミノ−2,3−ジシアノピラジン、5,6−ジアミノ−2,4−ジヒドロキシピリミジン、2,4−ジアミノ−6−ジメチルアミノ−1,3,5−トリアジン、1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン、2,4−ジアミノ−6−イソプロポキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メトキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−1,3,5−トリアジン、4,6−ジアミノ−2−ビニル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−5−フェニルチアゾール、2,6−ジアミノプリン、5,6−ジアミノ−1,3−ジメチルウラシル、3,5−ジアミノ−1,2,4−トリアゾール、6,9−ジアミノ−2−エトキシアクリジンラクテート、3,8−ジアミノ−6−フェニルフェナントリジン、1,4−ジアミノピペラジン、3,6−ジアミノアクリジン、ビス(4−アミノフェニル)フェニルアミン、3,6−ジアミノカルバゾール、N−メチル−3,6−ジアミノカルバゾール、N−エチル−3,6−ジアミノカルバゾール、N−フェニル−3,6−ジアミノカルバゾール、N,N’−ジ(4−アミノフェニル)−ベンジジン、下記式(D−III)
Figure 0005019050
(式(D−III)中、Rはピリジン、ピリミジン、トリアジン、ピペリジンおよびピペラジンから選ばれる窒素原子を含む環構造を有する1価の有機基を示し、Xは2価の有機基を示す。)
で表される化合物、下記式(D−IV)
Figure 0005019050
(式(D−IV)中、Rはピリジン、ピリミジン、トリアジン、ピペリジンおよびピペラジンから選ばれる窒素原子を含む環構造を有する2価の有機基を示し、Xは2価の有機基を示し、複数存在するXはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)
で表される化合物などの、分子内に2つの1級アミノ基および該1級アミノ基以外の窒素原子を有するジアミン;
下記式(D−V)
Figure 0005019050
(式(D−V)中、Xは−O−、−COO−、−OCO−、−NHCO−、−CONH−および−CO−から選ばれる2価の有機基を示し、Rはフッ素原子を有する1価の有機基または炭素数6〜30のアルキル基を示す。)
で表される化合物;
下記式(D−VI)
Figure 0005019050
(式(D−VI)中、R10は炭素数1〜12の炭化水素基を示し、複数存在するR10は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、pは1〜3の整数であり、qは1〜20の整数である。)
で表される化合物;
下記式(D−10)または(D−11)
Figure 0005019050
(式(D−10)中のyは2〜12の整数であり、式(D−11)中のzは1〜5の整数である。)
で表される化合物などを、それぞれ挙げることができる。これらのジアミンは、単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
これらその他のジアミンのうち、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、1,5−ジアミノナフタレン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジトリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,7−ジアミノフルオレン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、1,4−シクロヘキサンジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、2,6−ジアミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノピリミジン、3,6−ジアミノアクリジン、3,6−ジアミノカルバゾール、N−メチル−3,6−ジアミノカルバゾール、N−エチル−3,6−ジアミノカルバゾール、N−フェニル−3,6−ジアミノカルバゾール、N,N’−ジ(4−アミノフェニル)−ベンジジン、上記式(D−III)で表される化合物のうち下記式(D−12)
Figure 0005019050
で表される化合物、上記式(D−IV)で表される化合物のうち下記式(D−13)
Figure 0005019050
で表される化合物、上記式(D−V)で表される化合物のうちドデカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン、ペンタデカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン、ヘキサデカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン、オクタデカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン、ドデカノキシ−2,5−ジアミノベンゼン、ペンタデカノキシ−2,5−ジアミノベンゼン、ヘキサデカノキシ−2,5−ジアミノベンゼン、オクタデカノキシ−2,5−ジアミノベンゼン、下記式(D−14)〜(D−16)
Figure 0005019050
で表される化合物または上記式(D−VI)で表される化合物のうち1,3−ビス(3−アミノプロピル)−テトラメチルジシロキサンが好ましい
本発明の液晶配向剤に含有されるポリアミック酸を合成するために使用されるジアミンは、上記式(1)で表される化合物を、全ジアミンに対して好ましくは30モル%以上、より好ましくは40〜80モル%、さらに好ましくは50〜75モル%含有する。上記ポリアミック酸を合成するために使用されるジアミンは、ステロイド骨格を有するジアミンを、全ジアミンに対して、10〜50モル%好ましくは10〜30モル%含有する。
各ジアミンを上記のような割合でそれぞれ含有するジアミンを使用することにより、電圧保持率および残像特性に優れる液晶配向膜を与える液晶配向剤を得られることとなり、好ましい。
[ポリアミック酸の合成]
本発明の液晶配向剤に含有されることのできるポリアミック酸は、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物および全テトラカルボン酸二無水物に対して1〜10モル%のピロメリット酸二無水物を含有するテトラカルボン酸二無水物と上記式(1)で表される化合物を含有するジアミンとを反応させることにより得られる。
ポリアミック酸の合成反応に供されるテトラカルボン酸二無水物とジアミンとの使用割合は、ジアミンのアミノ基1当量に対して、テトラカルボン酸二無水物の酸無水物基が0.5〜2当量となる割合が好ましく、さらに好ましくは0.7〜1.2当量となる割合である。
ポリアミック酸の合成反応は、好ましくは有機溶媒中において、好ましくは−20℃〜150℃、より好ましくは0〜100℃の温度条件下において、好ましくは1〜48時間、より好ましくは2〜12時間行われる。ここで、有機溶媒としては、生成するポリアミック酸を溶解できるものであれば特に制限はなく、例えば1−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、3−ヘキシルオキシ−N,N−ジメチルプロパンアミドなどのアミド化合物、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルトリアミドなどの非プロトン性化合物;m−クレゾール、キシレノール、フェノール、ハロゲン化フェノールなどのフェノール性化合物などを例示することができる。有機溶媒の使用量(a)は、通常、テトラカルボン酸二無水物およびジアミン化合物の総量(b)が、反応溶液の全量(a+b)に対して0.1〜30重量%になるような量であることが好ましい。
上記有機溶媒には、ポリアミック酸の貧溶媒であるアルコール、ケトン、エステル、エーテル、ハロゲン化炭化水素、炭化水素などを、生成するポリアミック酸が析出しない範囲で併用してもよい。かかる貧溶媒の具体例としては、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノール、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチル、乳酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルメトキシプロピオネ−ト、エチルエトキシプロピオネ−ト、シュウ酸ジエチル、マロン酸ジエチル、ジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、エチレングリコール−i−プロピルエーテル、エチレングリコール−n−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,4−ジクロロブタン、トリクロロエタン、クロルベンゼン、o−ジクロルベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジイソブチルケトン、イソアミルプロピオネート、イソアミルイソブチレート、ジイソペンチルエーテルなどを挙げることができる。
有機溶媒と貧溶媒とを併用する場合、貧溶媒の使用量は生成するポリアミック酸が析出しない範囲で適宜に設定することができるが、溶媒の全量に対して30重量%以下であることが好ましく、20重量%以下であることがより好ましい。
以上のようにして、ポリアミック酸を溶解してなる反応溶液が得られる。この反応溶液はそのまま液晶配向剤の調製に供してもよく、反応溶液中に含まれるポリアミック酸を単離したうえで液晶配向剤の調製に供してもよく、または単離したポリアミック酸を精製したうえで液晶配向剤の調製に供してもよい。ポリアミック酸の単離は、上記反応溶液を大量の貧溶媒中に注いで析出物を得、この析出物を減圧下乾燥する方法、あるいは、反応溶液をエバポレーターで減圧留去する方法により行うことができる。また、このポリアミック酸を再び有機溶媒に溶解し、次いで貧溶媒で析出させる方法、あるいは、エバポレーターで減圧留去する工程を1回または数回行う方法により、ポリアミック酸を精製することができる。
<イミド化重合体>
本発明の液晶配向剤に含有されることのできるイミド化重合体は、上記の如きポリアミック酸を脱水閉環してイミド化することにより得ることができる。
上記イミド化重合体の合成に用いられるテトラカルボン酸二無水物としては、上述したポリアミック酸の合成に用いられるテトラカルボン酸二無水物と同じ化合物を挙げることができる。また、本発明の液晶配向剤に含有されるイミド化重合体を合成するために用いられるジアミンとしては、上記のポリアミック酸の合成に用いられるジアミン化合物と同じジアミンを挙げることができる。
本発明の液晶配向剤に含有されるイミド化重合体は、原料であるポリアミック酸が有していたアミック酸構造のすべてを脱水閉環した完全イミド化物であってもよく、アミック酸構造の一部のみを脱水閉環し、アミック酸構造とイミド環構造とが併存する部分イミド化物であってもよい。
本発明の液晶配向剤に含有されるイミド化重合体は、そのイミド化率が60%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、さらに80%以上であることが好ましい。イミド化率が60%以上のイミド化重合体を用いることによって、残像特性により優れる液晶配向膜を形成しうる液晶配向剤を得ることができる。
上記イミド化率は、イミド化重合体のアミック酸構造の数とイミド環構造の数との合計に対するイミド環構造の数の占める割合を百分率で表したものである。このとき、イミド環の一部がイソイミド環であってもよい。イミド化率は、イミド化重合体を適当な重水素化溶媒(例えば重水素化ジメチルスルホキシド)に溶解し、テトラメチルシランを基準物質として室温でH−NMRを測定した結果から、下記数式(i)により求めることができる。
イミド化率(%)=(1−A/A×α)×100 (i)
(数式(i)中、Aは化学シフト10ppm付近に現れるNH基のプロトン由来のピーク面積であり、Aはその他のプロトン由来のピーク面積であり、αはイミド化重合体の前駆体(ポリアミック酸)におけるNH基のプロトン1個に対するその他のプロトンの個数割合である。)
ポリアミック酸の脱水閉環は、好ましくは(i)ポリアミック酸を加熱する方法により、または(ii)ポリアミック酸を有機溶媒に溶解し、この溶液中に脱水剤および脱水閉環触媒を添加し必要に応じて加熱する方法により行われる。
上記(i)のポリアミック酸を加熱する方法における反応温度は好ましくは50〜200℃であり、より好ましくは60〜170℃である。反応時間は好ましくは1〜120時間であり、より好ましくは2〜48時間である。反応温度が50℃未満では脱水閉環反応が十分に進行せず、反応温度が200℃を超えると得られるイミド化重合体の分子量が低下することがある。
一方、上記(ii)のポリアミック酸の溶液中に脱水剤および脱水閉環触媒を添加する方法において、脱水剤としては、例えば無水酢酸、無水プロピオン酸、無水トリフルオロ酢酸などの酸無水物を用いることができる。脱水剤の使用量は、所望するイミド化率によるが、ポリアミック酸のアミック酸構造の1モルに対して0.01〜20モルとするのが好ましい。また、脱水閉環触媒としては、例えばピリジン、コリジン、ルチジン、トリエチルアミンなどの3級アミンを用いることができる。しかし、これらに限定されるものではない。脱水閉環触媒の使用量は、使用する脱水剤1モルに対して0.01〜10モルとするのが好ましい。イミド化率は上記の脱水剤、脱水閉環剤の使用量が多いほど高くすることができる。脱水閉環反応に用いられる有機溶媒としては、ポリアミック酸の合成に用いられるものとして例示した有機溶媒を挙げることができる。脱水閉環反応の反応温度は好ましくは0〜180℃であり、より好ましくは10〜150℃である。反応時間は好ましくは1〜24時間であり、より好ましくは2〜8時間である。
上記方法(ii)においては、上記のようにしてイミド化重合体を含有する反応溶液が得られる。この反応溶液は、これをそのまま液晶配向剤の調製に供してもよく、反応溶液から脱水剤及び脱水閉環触媒を除いたうえで液晶配向剤の調製に供してもよく、イミド化重合体を単離したうえで液晶配向剤の調製に供してもよく、または単離したイミド化重合体を精製したうえで液晶配向剤の調製に供してもよい。反応溶液から脱水剤及び脱水閉環触媒を除くには、例えば溶媒置換などの方法を適用することができる。イミド化重合体の単離、精製は、ポリアミック酸の単離、精製方法として上記したのと同様の操作を行うことにより行うことができる。
−末端修飾型の重合体−
本発明の液晶配向剤に含有されるポリアミック酸またはイミド化重合体は、分子量が調節された末端修飾型のものであってもよい。末端修飾型の重合体を用いることにより、本発明の効果が損なわれることなく液晶配向剤の塗布特性などをさらに改善することができる。このような末端修飾型の重合体は、ポリアミック酸を合成する際に、分子量調節剤を重合反応系に添加することにより行うことができる。分子量調節剤としては、例えば酸一無水物、モノアミン化合物、モノイソシアネート化合物などを挙げることができる。
上記酸一無水物としては、例えば無水マレイン酸、無水フタル酸、無水イタコン酸、n−デシルサクシニック酸無水物、n−ドデシルサクシニック酸無水物、n−テトラデシルサクシニック酸無水物、n−ヘキサデシルサクシニック酸無水物などを挙げることができる。上記モノアミン化合物としては、例えばアニリン、シクロヘキシルアミン、n−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン、n−ウンデシルアミン、n−ドデシルアミン、n−トリデシルアミン、n−テトラデシルアミン、n−ペンタデシルアミン、n−ヘキサデシルアミン、n−ヘプタデシルアミン、n−オクタデシルアミン、n−エイコシルアミンなどを挙げることができる。上記モノイソシアネート化合物としては、例えばフェニルイソシアネート、ナフチルイソシアネートなどを挙げることができる。
分子量調節剤の使用割合は、ポリアミック酸を合成する際に使用するテトラカルボン酸二無水物およびジアミンの合計100重量部に対して好ましくは20重量部以下であり、より好ましくは10重量部以下である。
−溶液粘度−
以上のようにして得られるポリアミック酸またはイミド化重合体は、濃度10重量%の溶液としたときに、20〜800mPa・sの溶液粘度を持つものであることが好ましく、30〜500mPa・sの溶液粘度を持つものであることがより好ましい。
上記重合体の溶液粘度(mPa・s)は、当該重合体の良溶媒(例えばγ−ブチロラクトン)を用いて調製した濃度10重量%の重合体溶液につき、E型回転粘度計を用いて25℃において測定した値である。
<その他の添加剤>
本発明の液晶配向膜は、上記の如きポリアミック酸およびそのイミド化重合体よりなる群から選択される少なくとも一種の重合体を含有する。本発明の液晶配向剤に含有される重合体としては、イミド化重合体であることが好ましい。
本発明の液晶配向膜は、上記の如き重合体を必須成分として含有するが、必要に応じてその他の成分を含有していてもよい。かかるその他の成分としては、例えば分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物(以下、「エポキシ化合物」という。)、官能性シラン化合物などを挙げることができる。
上記エポキシ化合物としては、例えばエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、2,2−ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,3,5,6−テトラグリシジル−2,4−ヘキサンジオール、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3−(N−アリル−N−グリシジル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(N,N−ジグリシジル)アミノプロピルトリメトキシシランなどを挙げることができる。
上記の如きエポキシ化合物の使用割合としては、重合体の総量(液晶配向剤に含有される上記ポリアミック酸およびそのイミド化重合体の合計量をいう。)100重量部に対して好ましくは40重量部以下であり、より好ましくは0.1〜30重量部である。
上記官能性シラン化合物としては、例えば3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、N−トリメトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、10−トリメトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、10−トリエトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、9−トリエトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリエトキシシランなどを挙げることができる。
上記の如き官能性シラン化合物の使用割合としては、重合体の総量100重量部に対して好ましくは2重量部以下であり、より好ましくは0.2重量部以下である。
<液晶配向剤>
本発明の液晶配向剤は、上記の如きポリアミック酸およびそのイミド化重合体よりなる群から選択される少なくとも1種ならびに必要に応じて任意的に配合されるその他の添加剤が、好ましくは有機溶媒中に溶解含有されて構成される。
上記有機溶媒としては、ポリアミック酸の合成反応に用いられるものとして例示した溶媒を挙げることができる。また、ポリアミック酸の合成反応の際に併用することができるものとして例示した貧溶媒も適宜選択して併用することができる。
本発明の液晶配向剤に使用される特に好ましい有機溶媒としては、例えばN−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、γ−ブチロラクタム、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、エチレングリコールモノメチルエーテル、乳酸ブチル、酢酸ブチル、メチルメトキシプロピオネ−ト、エチルエトキシプロピオネ−ト、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、エチレングリコール−i−プロピルエーテル、エチレングリコール−n−ブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、イソアミルプロピオネート、イソアミルイソブチレート、ジイソペンチルエーテルなどを挙げることができる。これらは単独で使用することができ、または2種以上を混合して使用することができる。
本発明の液晶配向剤における固形分濃度(液晶配向剤の溶媒以外の成分の合計重量が液晶配向剤の全重量に占める割合)は、粘性、揮発性などを考慮して適宜に選択されるが、好ましくは1〜10重量%の範囲である。すなわち、本発明の液晶配向剤は、後述するように基板表面に塗布され、好ましくは加熱されることにより液晶配向膜となる塗膜が形成されるが、固形分濃度が1重量%未満である場合には、この塗膜の膜厚が過小となって良好な液晶配向膜を得ることができず、一方固形分濃度が10重量%を超える場合には、塗膜の膜厚が過大となって良好な液晶配向膜を得ることができず、また、液晶配向剤の粘性が増大して塗布特性が劣るものとなる。
特に好ましい固形分濃度の範囲は、基板に液晶配向剤を塗布する際に用いる方法によって異なる。例えばスピンナー法による場合には固形分濃度1.5〜4.5重量%の範囲が特に好ましい。印刷法による場合には、固形分濃度を3〜9重量%の範囲とし、それにより溶液粘度を12〜50mPa・sの範囲とすることが特に好ましい。インクジェット法による場合には、固形分濃度を1〜5重量%の範囲とし、それにより、溶液粘度を3〜15mPa・sの範囲とすることが特に好ましい。
本発明の液晶配向剤を調製する際の温度は、好ましくは0℃〜200℃であり、より好ましくは20℃〜60℃である。
<液晶表示素子>
本発明の液晶表示素子は、上記の如き本発明の液晶配向剤から形成された液晶配向膜を具備するものである。
本発明の液晶表示素子は、例えば以下(1)ないし(3)の工程により製造することができる。
(1)先ず、パターニングされた透明導電膜が設けられている基板二枚を一対として、その各透明性導電膜形成面上に、本発明の液晶配向剤を、例えばロールコーター法、スピンナー法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法などの適宜の塗布によりそれぞれ塗布し、次いで、各塗布面を加熱することにより塗膜を形成する。ここに、基板としては、例えばフロートガラス、ソーダガラスなどのガラス;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリ(脂環式オレフィン)などのプラスチックからなる透明基板を用いることができる。基板の一面に設けられる透明導電膜としては、酸化スズ(SnO)からなるNESA膜(米国PPG社登録商標)、酸化インジウム−酸化スズ(In−SnO)からなるITO膜などを用いることができ、パターニングされた透明導電膜を得るには、例えばパターンなし透明導電膜を形成した後フォト・エッチングによりパターンを形成する方法、透明導電膜を形成する際に所望のパターンを有するマスクを用いる方法などによることができる。液晶配向剤の塗布に際しては、基板表面および透明導電膜と塗膜との接着性をさらに良好にするために、基板表面のうち塗膜を形成するべき面に、官能性シラン化合物、官能性チタン化合物などを予め塗布する前処理を施しておいてもよい。
液晶配向剤塗布後の加熱温度は好ましくは30〜300℃であり、より好ましくは40〜250℃であり、加熱時間は好ましくは1〜30分であり、より好ましくは5〜20分である。形成される塗膜の膜厚は、好ましくは0.001〜1μmであり、より好ましくは0.005〜0.5μmである。
(2)上記のようにして形成された塗膜面に対して、垂直配向型液晶表示素子の液晶配向膜を形成する本発明の場合はラビング処理を行わない。本発明の場合には、上記塗膜をそのまま液晶配向膜として用いる。
さらに、本発明の液晶配向剤により形成された液晶配向膜に対し、例えば特許文献7(特開平6−222366号公報)や特許文献8(特開平6−281939号公報)に示されているような液晶配向膜の一部に紫外線を照射することによって液晶配向膜の一部の領域のプレチルト角を変化させる処理や、特許文献9(特開平5−107544号公報)に示されているような液晶配向膜表面の一部にレジスト膜を形成したうえで先のラビング処理と異なる方向にラビング処理を行った後にレジスト膜を除去する処理を行い、液晶配向膜が領域ごとに異なる液晶配向能を持つようにすることによって得られる液晶表示素子の視界特性を改善することが可能である。
(3)上記のようにして液晶配向膜が形成された一対の基板間隙(セルギャップ)を介して対向配置し、二枚の基板の周辺部をシール剤を用いて貼り合わせ、基板表面およびシール剤により区画されたセルギャップ内に液晶を注入充填し、注入孔を封止して液晶セルを構成する。そして、液晶セルの外表面に、偏光板を貼り合わせることにより、液晶表示素子を得ることができる。ここに、シール剤としては、例えば硬化剤およびスペーサーとしての酸化アルミニウム球を含有するエポキシ樹脂などを用いることができる。液晶としては、ネマチック型液晶およびスメクチック型液晶を挙げることができ、その中でもネマチック型液晶が好ましく、例えばシッフベース系液晶、アゾキシ系液晶、ビフェニル系液晶、フェニルシクロヘキサン系液晶、エステル系液晶、ターフェニル系液晶、ビフェニルシクロヘキサン系液晶、ピリミジン系液晶、ジオキサン系液晶、ビシクロオクタン系液晶、キュバン系液晶などを用いることができる。また、これらの液晶に、例えばコレスチルクロライド、コレステリルノナエート、コレステリルカーボネートなどのコレステリック型液晶;商品名「C−15」「CB−15」(メルク社製)として販売されているようなカイラル剤;p−デシロキシベンジリデン−p−アミノ−2−メチルブチルシンナメートなどの強誘電性液晶などを、添加して使用してもよい。
液晶セルの外表面に貼り合わされる偏光板としては、ポリビニルアルコールを延伸配向させながらヨウ素を吸収させた「H膜」と称される偏光膜を酢酸セルロース保護膜で挟んだ偏光板またはH膜そのものからなる偏光板を挙げることができる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
なお、以下の合成例におけるイミド化重合体のイミド化率は、イミド化重合体を室温で十分に減圧乾燥した後に重水素化ジメチルスルホキシドに溶解し、テトラメチルシランを基準物質として室温で測定したH−NMRから、上記数式(i)に従って計算により求めた。
合成例1
テトラカルボン酸二無水物として1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物93g(0.48モル)およびピロメリット酸二無水物5g(0.03モル)ならびにジアミン化合物として2,4−ジアミノ−N,N−ジアリルアニリン(上記式(1)で表される化合物)81g(0.4モル)および上記式(D−3)で表される化合物52g(0.1モル)をN−メチル−2−ピロリドン928gに溶解し、60℃で6時間反応を行い、ポリアミック酸を含有する溶液を得た。得られたポリアミック酸溶液を少量分取し、N−メチル−2−ピロリドンを加え、ポリアミック酸濃度10重量%の溶液として溶液粘度を測定したところ、53mPa・sであった。
次いで、得られたポリアミック酸溶液に、N−メチル−2−ピロリドン1,160gを追加し、ピリジン198gおよび無水酢酸204gを添加して110℃で4時間脱水閉環反応を行なった。脱水閉環反応後、系内の溶剤を新たなγ―ブチロラクトンで溶剤置換(本操作にて脱水閉環イミド化反応に使用したピリジンおよび無水酢酸を系外に除去した。)することにより、イミド化率約93%のイミド化重合体(A−1)を含有する溶液約1,300gを得た。このイミド化重合体溶液を少量分取し、γ−ブチロラクトンを加えてイミド化重合体濃度10重量%の溶液として溶液粘度を測定したところ、65mPa・sであった。
合成例2(参考例)
テトラカルボン酸二無水物として1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物93g(0.48モル)およびピロメリット酸二無水物5g(0.03モル)ならびにジアミン化合物として2,4−ジアミノ−N,N−ジアリルアニリン61g(0.3モル)および4−[4−(4−トランス−n−ヘプチルシクロヘキシル)フェノキシ]−1,3−ジアミノベンゼン76g(0.2モル)をN−メチル−2−ピロリドン944gに溶解し、60℃で6時間反応を行い、ポリアミック酸を含有する溶液を得た。得られたポリアミック酸溶液を少量分取し、N−メチル−2−ピロリドンを加え、ポリアミック酸濃度10重量%の溶液として溶液粘度を測定したところ、56mPa・sであった。
次いで、得られたポリアミック酸溶液にN−メチル−2−ピロリドン1,180gを追加し、ピリジン198gおよび無水酢酸204gを添加して110℃で4時間脱水閉環反応を行なった。脱水閉環反応後、系内の溶剤を新たなγ―ブチロラクトンで溶剤置換(本操作にて脱水閉環反応に使用したピリジンおよび無水酢酸を系外に除去した。)することにより、イミド化率約94%のイミド化重合体(A−2)を含有する溶液約1,300gを得た。このイミド化重合体溶液を少量分取し、γ−ブチロラクトンを加えてイミド化重合体濃度10重量%の溶液として溶液粘度を測定したところ、67mPa・sであった。
合成例3
テトラカルボン酸二無水物として1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物64g(0.33モル)、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物34g(0.15モル)およびピロメリット酸二無水物5g(0.03モル)ならびにジアミン化合物として2,4−ジアミノ−N,N−ジアリルアニリン81g(0.4モル)および上記式(D−3)で表される化合物52g(0.1モル)をN−メチル−2−ピロリドン956gに溶解し、60℃で6時間反応を行い、ポリアミック酸を含有する溶液を得た。得られたポリアミック酸溶液を少量分取し、N−メチル−2−ピロリドンを加え、ポリアミック酸濃度10重量%の溶液として溶液粘度を測定したところ、52mPa・sであった。
次いで、得られたポリアミック酸溶液にN−メチル−2−ピロリドン1,195gを追加し、ピリジン198gおよび無水酢酸204gを添加して110℃で4時間脱水閉環反応を行なった。脱水閉環化反応後、系内の溶剤を新たなγ―ブチロラクトンで溶剤置換(本操作にて脱水閉環化反応に使用したピリジンおよび無水酢酸を系外に除去した。)することにより、イミド化率約93%のイミド化重合体(A−3)を含有する溶液約1,300gを得た。このイミド化重合体溶液を少量分取し、γ−ブチロラクトンを加えてイミド化重合体濃度10重量%の溶液として溶液粘度を測定したところ、63mPa・sであった。
比較合成例1
テトラカルボン酸二無水物として1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物98g(0.5モル)ならびにジアミン化合物として2,4−ジアミノ−N,N−ジアリルアニリン81g(0.4モル)、および上記式(D−3)で表される化合物52g(0.1モル)をN−メチル−2−ピロリドン926gに溶解し、60℃で6時間反応を行い、ポリアミック酸を含有する溶液を得た。得られたポリアミック酸溶液を少量分取し、N−メチル−2−ピロリドンを加え、ポリアミック酸濃度10重量%の溶液として溶液粘度を測定したところ、52mPa・sであった。
次いで、得られたポリアミック酸溶液にN−メチル−2−ピロリドン1,158gを追加し、ピリジン198gおよび無水酢酸204gを添加して110℃で4時間脱水閉環反応を行なった。脱水閉環化反応後、系内の溶剤を新たなγ―ブチロラクトンで溶剤置換(本操作にて脱水閉環化反応に使用したピリジンおよび無水酢酸を系外に除去した。)することにより、イミド化率約93%のイミド化重合体(B−1)を含有する溶液約1,300gを得た。このイミド化重合体溶液を少量分取し、γ−ブチロラクトンを加えてイミド化重合体濃度10重量%の溶液として溶液粘度を測定したところ、62mPa・sであった。
比較合成例2
テトラカルボン酸二無水物として1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物98g(0.5モル)ならびにジアミン化合物として2,4−ジアミノ−N,N−ジアリルアニリン61g(0.3モル)および4−[4−(4−トランス−n−ヘプチルシクロヘキシル)フェノキシ]−1,3−ジアミノベンゼン76g(0.2モル)をN−メチル−2−ピロリドン941gに溶解し、60℃で6時間反応を行い、ポリアミック酸を含有する溶液を得た。得られたポリアミック酸溶液を少量分取し、N−メチル−2−ピロリドンを加え、ポリアミック酸濃度10重量%の溶液として溶液粘度を測定したところ、48mPa・sであった。
次いで、得られたポリアミック酸溶液にN−メチル−2−ピロリドン1,177gを追加し、ピリジン198gおよび無水酢酸204gを添加して110℃で4時間脱水閉環反応を行なった。脱水閉環化反応後、系内の溶剤を新たなγ―ブチロラクトンで溶剤置換(本操作にて脱水閉環化反応に使用したピリジンおよび無水酢酸を系外に除去した。)することにより、イミド化率約95%のイミド化重合体(B−2)を含有する溶液約1,300gを得た。このイミド化重合体溶液を少量分取し、γ−ブチロラクトンを加えてイミド化重合体濃度10重量%の溶液として溶液粘度を測定したところ、55mPa・sであった。
比較合成例3
テトラカルボン酸二無水物として1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物93g(0.5モル)およびピロメリット酸二無水物5g(0.03モル)ならびにジアミン化合物として4,4'−ジアミノジフェニルエーテル80g(0.4モル)および上記式(D−3)で表される化合物52g(0.1モル)をN−メチル−2−ピロリドン944gに溶解し、60℃で6時間反応を行い、ポリアミック酸を含有する溶液を得た。得られたポリアミック酸溶液を少量分取し、N−メチル−2−ピロリドンを加え、ポリアミック酸濃度10重量%の溶液として溶液粘度を測定したところ、52mPa・sであった。
次いで、得られたポリアミック酸溶液にN−メチル−2−ピロリドン924gを追加し、ピリジン198gおよび無水酢酸204gを添加して110℃で4時間脱水閉環反応を行なったところ、ゲル状の重合体が析出した。このゲル状重合体は、N−メチル−2−ピロリドンおよびγ−ブチロラクトンの双方に溶解しなかったため、以降の分析および評価は行なわなかった。
実施例1
<液晶配向剤の調製>
上記合成例1で得られたイミド化重合体(A−1)を含有する溶液に、γ−ブチロラクトン(BL)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)およびブチルセロソルブ(BC)を加えて溶媒組成がBL:NMP:BC=71:17:12(重量比)、固形分濃度4重量%の溶液とし、この溶液を孔径1μmのフィルターを用いて濾過することにより、液晶配向剤を調製した。
<電圧保持率の評価>
上記で調製した液晶配向剤を、液晶配向膜印刷機(日本写真印刷機(株)製)を用いてITO膜からなる透明電極付きガラス基板の透明電極面に塗布し、80℃のホットプレート上で1分間加熱し、さらに200℃のホットプレート上で10分間加熱することにより、平均膜厚600Åの塗膜を形成した。この操作を繰り返し、塗膜を有する基板を2枚(一対)製造した。これら基板上の塗膜を倍率20倍の顕微鏡にて観察したところ、印刷ムラおよびピンホールは見られず、塗布性は良好であった。
この塗膜付き基板一対の液晶配向膜を有するそれぞれの外縁に、直径5.5μmの酸化アルミニウム球入りエポキシ樹脂接着剤を塗布した後、液晶配向膜面が相対するように重ね合わせて圧着し、接着剤を硬化させた。次いで、液晶注入口より一対の基板間に、ネガ型液晶(メルク社製、MLC−2038)を充填した後、アクリル系光硬化接着剤で液晶注入口を封止することにより、電圧保持率を評価するための液晶セルを製造した。
この液晶セルに対し、60℃の環境温度で5Vの電圧を60マイクロ秒の印加時間、167ミリ秒のスパンで印加した後、印加解除から167ミリ秒後の電圧保持率を測定した。測定装置は(株)東陽テクニカ製VHR−1を使用した。電圧保持率が95%以上の場合を電圧保持率「良」、それ以外の場合を電圧保持率「不良」として評価した。
<残像特性の評価>
基板として図1のようなITO電極を持つ基板を使用したほかは上記<電圧保持率の評価>に記載した方法に準じて残像特性を評価するための液晶セルを製造した。電極Aに直流電圧6.0V、電極Bに直流電圧0.5Vを室温にて24時間印加した。電圧を除去後、電極A、Bに直流電圧0.1〜5.0Vを0.1V刻みに印加したときの電極AおよびBに相当する領域における輝度差を評価した。輝度差が小さい場合に残像特性「良」、輝度差が大きい場合に残像特性「不良」として評価した。
実施例2および3ならびに比較例1および2
イミド化重合体(A−1)を含有する溶液の代わりに表1に記載の重合体を含有する溶液をそれぞれ用いたほかは上記実施例1と同様にして液晶配向剤を調製して評価した。評価結果を表1に示した。
実施例2は参考例である。
Figure 0005019050
残像特性の評価のために製造した液晶セルの模式図。

Claims (5)

  1. 1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物および全テトラカルボン酸二無水物に対して1〜10モル%のピロメリット酸二無水物を含有するテトラカルボン酸二無水物と下記式(1)
    Figure 0005019050
    で表される化合物および全ジアミンに対して10〜50モル%のステロイド骨格を有するジアミンを含有するジアミンとを反応させて得られるポリアミック酸ならびにそのイミド化重合体よりなる群から選択される少なくとも一種の重合体を含有し、垂直配向型液晶表示素子の液晶配向膜を形成するために用いられることを特徴とする、液晶配向剤。
  2. テトラカルボン酸二無水物がさらに2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物を含有する、請求項1に記載の液晶配向剤。
  3. さらに、分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物を含有する、請求項1または2に記載の液晶配向剤。
  4. 基板上に、請求項1〜3のいずれか一項に記載の液晶配向剤を塗布して塗膜を形成し、次いで該塗膜を加熱する、垂直配向型液晶表示素子の液晶配向膜の形成方法であって、
    前記塗膜に対してラビング処理を行わないことを特徴とする、前記方法。
  5. 請求項1〜のいずれか一項に記載の液晶配向剤からラビング処理を行わずに形成された液晶配向膜を具備することを特徴とする、垂直配向型液晶表示素子。
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