JP2008015497A - 液晶配向剤および横電界方式液晶表示素子 - Google Patents

液晶配向剤および横電界方式液晶表示素子 Download PDF

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貴之 川口
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博昭 徳久
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敦也 高橋
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Abstract

【課題】残像緩和特性に優れ、かつ高い電圧保持率を有する横電界方式の液晶表示素子およびそのための液晶配向剤を提供すること。
【解決手段】ポリアミック酸重合体とイミド化重合体からなる液晶配向剤であってポリアミック酸重合体を与えるテトラカルボン酸二無水物の少なくとも50モル%がピロメリット酸無水物であり、イミド化重合体を与えるジアミンの少なくとも0.5モル%がフッ素原子を含有するジアミン化合物であり、そしてポリアミック酸とイミド化重合体の合計に基づきポリアミック酸重合体を40〜90モル%含有する横電界方式液晶表示素子用液晶配向剤。
【選択図】なし

Description

本発明は横電界方式用液晶配向剤および横電界方式液晶表示素子に関する。さらに詳しくは、残像緩和挙動に優れ、かつ高い電圧保持率を有する横電界方式用液晶配向膜を与える液晶配向剤およびそれから得られる横電界方式液晶表示素子に関する。
基板の片側のみに電極を形成させ、基板と平行方向に電界を印加する横電界方式では、従来の上下基板に形成された電極に電圧を印加して液晶を駆動させる縦電界方式と比べ、広い視野角特性を有し、また高品位な表示が可能な液晶表示素子として知られている。そのような横電界方式を用いた液晶表示素子としては、例えば特許文献1中に記載されている。
横電界方式の液晶セルは視野角特性に優れているものの、基板内に形成される電極部分が少ないために、静電気が液晶セル内に蓄積されやすく、また駆動によって生じる非対称電圧の印加によっても液晶セル内に電荷が蓄積され、これらの蓄積された電荷が液晶の配向を乱したり、あるいは残像や焼き付きとして表示に影響を与え、液晶素子の表示品位を著しく低下させたりする問題点があった。
さらに、縦電界方式における残像、焼き付き現象は、液晶セル内に蓄積される電荷と対応するが、横電界方式での残像現象は、単純に液晶セル内に蓄積された電圧の影響だけではなく、液晶の種類や液晶セル作製のプロセス条件によっても変化することから、蓄積電圧だけではなく種々の要因が影響しているものと推定される。また、これらの残像現象や焼き付き現象は、液晶配向膜の種類にも影響されることから、それらの残像、焼き付きを低減させる液晶配向膜が求められている。
一方で、液晶配向膜は、液晶配向剤を印刷し、乾燥、焼成を行った後にラビング処理を行って形成されるのが一般的であるが、横電界方式液晶セルでは、基板の片側のみに電極構造を有するため基板の凹凸が大きく、また、窒化珪素などの絶縁体が基板表面に形成されていることもあり、従来の配向剤と比較してより印刷性に優れた液晶配向処理剤が求められている。さらには、従来の液晶セルと比較して、ラビング処理による剥離やラビング削れを引き起こしやすく、これらの剥がれや傷が表示品位を低下させる問題点があった。
即ち、横電界方式用液晶配向膜では、残像や焼き付きを低減させるだけではなく、発生した残像の回復性、印刷性、および耐ラビング性に優れた液晶配向処理剤により形成される液晶配向膜が求められていた。
かかる問題点に対して先行文献(特許文献2)では、芳香族テトラカルボン酸を構成する、特定構造の4価の有機基を有するポリアミック酸又はポリイミドの単位構造と、脂環式テトラカルボン酸を構成する、特定構造の4価の有機基を有するポリアミック酸又はポリイミドの単位構造とを、同時に含有する液晶配向処理剤を基板上に塗布、焼成した後にラビング処理を行って形成される液晶配向膜によって課題の解決を図っている。しかしながら、上記特許においても残像や焼きつき対策としては不十分であり、特に発生した残像の回復性(残像緩和性)については解決にいたっていない。
特開平5−505247号公報 WO2002−33481
本発明の目的は、従来技術の上記問題を解決して、残像緩和特性に優れ、かつ高い電圧保持率を有する横電界方式の液晶表示素子を提供することにある。
本発明の他の目的は、上記特性に優れた本発明の横電界方式液晶表示素子を与えることができる液晶配向剤を提供することにある。かかる問題点に対して、本発明の液晶配向剤としては、特定構造の4価の有機基を有するポリイミドと、ポリアミック酸を特定の比率で混合してなることを特徴とする。
本発明のさらに他の目的および利点は、以下の説明から明らかになろう。
本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、第一に、
下記式(I−1)で表される構造の繰返し単位からなるポリアミック酸重合体と、下記式(I−2)で表される構造および下記式(I−3)で表されるイミド構造の繰返し単位を有するイミド化重合体からなる液晶配向剤であって、Pの少なくとも50モル%がピロメリット酸無水物に由来するものであり、Qの少なくとも0.5モル%がフッ素原子を含有するジアミン化合物に由来するものであり、そしてポリアミック酸重合体とイミド化重合体の合計におけるポリアミック酸重合体の割合が40〜90重量%であることを特徴とする横電界方式液晶表示素子用液晶配向剤によって達成される。
Figure 2008015497
(ここでPはテトラカルボン酸を構成する4価の有機基を示し、かつQはジアミンを構成する2価の有機基を示す。)
Figure 2008015497
(ここでPはテトラカルボン酸を構成する4価の有機基を示し、かつQはジアミンを構成する2価の有機基を示す。)
また、本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、第2に、本発明の液晶配向剤から得られる液晶配向膜を具備してなることを特徴とする、横電界方式液晶表示素子によって達成される。
横電界方式液晶表示素子における問題点の一つとして、長時間駆動時における残像発生が表示素子としての品質低下を引き起こしている。本発明の液晶配向剤によれば、液晶配向膜としたとき、残像緩和特性に優れていることから、この問題点が解決される。これにより本発明の液晶配向剤を用いて形成した配向膜を有する横電界方式液晶表示素子は、残像緩和特性に優れ非常に表示品位が高いことから、種々の装置に有効に使用可能となり、例えば卓上計算機、腕時計、置時計、計数表示板、ワードプロセッサ、パーソナルコンピューター、携帯電話、液晶テレビなどの表示装置に用いることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明における液晶配向剤は、上記式(I−1)で表されるアミック酸構造の繰り返し単位からなるポリアミック酸と、上記式(I−2)で表わされるアミック酸構造および上記式(I−3)で表されるイミド構造の繰り返し単位を有するイミド化重合体からなる。
上記ポリアミック酸は、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物とを開環重付加させて得られ、イミド化重合体は、通常、ポリアミック酸を脱水閉環させて得られる。以下、本発明に用いられるポリアミック酸およびイミド化重合体の製法について述べる。
[テトラカルボン酸二無水物]
ポリアミック酸重合体の製造に用いられるテトラカルボン酸二無水物は、その少なくとも50モル%がピロメリット酸二無水物からなる。50モル%以下で含有することができるその他のテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジクロロ−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−テトラメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジシクロヘキシルテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、3,5,6−トリカルボキシノルボルナン−2−酢酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−メチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−エチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−7−メチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−7−エチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−エチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5,8−ジメチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、3−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジオン−6−スピロ−3’−(テトラヒドロフラン−2’,5’−ジオン)、3,5,6−トリカルボキシ−2−カルボキシノルボルナン−2:3,5:6−ジ無水物、ビシクロ[3.3.0]オクタン−2,4,6,8−テトラカルボン酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、下記式(III)および(IV)で表される化合物などの脂肪族および脂環式テトラカルボン酸二無水物;
Figure 2008015497
(式中、RおよびRは、芳香環を有する2価の有機基を示し、RおよびRは、水素原子またはアルキル基を示し、複数存在するRおよびRは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)
3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、3,3’,4,4’−パーフルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイド二無水物、p−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、m−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルエーテル二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルメタン二無水物、エチレングリコール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、プロピレングリコール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、1,4−ブタンジオール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、1,6−ヘキサンジオール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、1,8−オクタンジオール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン−ビス(アンヒドロトリメリテート)、下記式(1)〜(4)のそれぞれで表される化合物などの芳香族テトラカルボン酸二無水物を挙げることができる。これらは1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
Figure 2008015497
これらのうち、ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5,8−ジメチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、ビシクロ[2,2,2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、3−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジオン−6−スピロ−3’−(テトラヒドロフラン−2’,5’−ジオン)、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,5,6−トリカルボキシ−2−カルボキシノルボルナン−2:3,5:6−ジ無水物、ビシクロ[3.3.0]オクタン−2,4,6,8−テトラカルボン酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、上記式(III)で表される化合物のうち下記式(5)〜(7)で表される化合物および上記式(IV)で表される化合物のうち下記式(8)で表される化合物が、良好な液晶配向性を発現させることができる観点から好ましい。特に好ましいものとして、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、3−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジオン−6−スピロ−3’−(テトラヒドロフラン−2’,5’−ジオン)および下記式(5)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2008015497
また、上記イミド化重合体を与えるテトラカルボン酸二無水物としても、上記と同じものを用いることができる。これらのうち、溶解性と塗布性の観点から1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−エチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオンおよびピロメリット酸無水物よりなる群から選ばれる少なくとも1種を用いるのが好ましく、さらに、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、
1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオンおよび
1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−エチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオンから選ばれる少なくとも一種のテトラカルボン酸二無水物を用いるのがより好ましい。とりわけ2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物ならびに
1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオンおよび、
1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−エチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオンから選ばれる少なくとも1種との組合せが特に好ましい。この組合せにおいて、後者のテトラカルボン酸二無水物が50モル%以上となる割合で用いるのがさらに好ましい。
[ジアミン化合物]
上記ポリアミック酸の合成に用いられるジアミン化合物としては、例えばp−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノベンズアニリド、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,5−ジアミノナフタレン、3,3−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、5−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、6−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)−10−ヒドロアントラセン、2,7−ジアミノフルオレン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、4,4’−メチレン−ビス(2−クロロアニリン)、2,2’,5,5’−テトラクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジクロロ−4,4’−ジアミノ−5,5’−ジメトキシビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、1,4,4’−(p−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、2,2’−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、4,4’−ビス[(4−アミノ−2−トリフルオロメチル)フェノキシ]−オクタフルオロビフェニルなどの芳香族ジアミン;
1,1−メタキシリレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、4,4−ジアミノヘプタメチレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、テトラヒドロジシクロペンタジエニレンジアミン、ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダニレンジメチレンジアミン、トリシクロ[6.2.1.02,7]−ウンデシレンジメチルジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)などの脂肪族および脂環式ジアミン;
2,3−ジアミノピリジン、2,6−ジアミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノピリミジン、5,6−ジアミノ−2,3−ジシアノピラジン、5,6−ジアミノ−2,4−ジヒドロキシピリミジン、2,4−ジアミノ−6−ジメチルアミノ−1,3,5−トリアジン、1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン、2,4−ジアミノ−6−イソプロポキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メトキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−1,3,5−トリアジン、4,6−ジアミノ−2−ビニル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−5−フェニルチアゾール、2,6−ジアミノプリン、5,6−ジアミノ−1,3−ジメチルウラシル、3,5−ジアミノ−1,2,4−トリアゾール、6,9−ジアミノ−2−エトキシアクリジンラクテート、3,8−ジアミノ−6−フェニルフェナントリジン、1,4−ジアミノピペラジン、3,6−ジアミノアクリジン、ビス(4−アミノフェニル)フェニルアミンおよび下記式(V)または(VI)で表される化合物などの、分子内に2つの1級アミノ基および該1級アミノ基以外の窒素原子を有するジアミン;
Figure 2008015497
(式中、Rは、ピリジン、ピリミジン、トリアジン、ピペリジンおよびピペラジンから選ばれる窒素原子を含む環構造を有する1価の有機基を示し、Xは2価の有機基を示す。)
Figure 2008015497
(式中、R6 は、ピリジン、ピリミジン、トリアジン、ピペリジンおよびピペラジンから選ばれる窒素原子を含む環構造を有する2価の有機基を示し、Xは2価の有機基を示し、複数存在するXは、同一でも異なっていてもよい。)
下記式(VII)で表されるモノ置換フェニレンジアミン;下記式(VIII)で表されるジアミノオルガノシロキサン;
Figure 2008015497
(式中、Rは、−O−、−COO−、−OCO−、−NHCO−、−CONH−および−CO−から選ばれる2価の有機基を示し、Rは、ステロイド骨格、トリフルオロメチル基およびフルオロ基から選ばれる基を有する1価の有機基または炭素数6〜30のアルキル基を示す。)
Figure 2008015497
(式中、R9 は炭素数1〜12の炭化水素基を示し、複数存在するR9 は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、pは1〜3の整数であり、qは1〜20の整数である。
下記式(9)〜(13)のそれぞれで表される化合物などを挙げることができる。これらのジアミン化合物は、単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
Figure 2008015497
(式中、yは2〜12の整数であり、zは1〜5の整数である。)
これらのうち、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、1,5−ジアミノナフタレン、2,7−ジアミノフルオレン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン 、
2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、
2,2’−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、4,4’−ビス[(4−アミノ−2−トリフルオロメチル)フェノキシ]−オクタフルオロビフェニル、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、1,4−シクロヘキサンジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、上記式(9)〜(13)のそれぞれで表される化合物、2,6−ジアミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノピリミジン、3,6−ジアミノアクリジン、上記式(V)で表される化合物のうち下記式(14)で表される化合物、上記式(VI)で表される化合物のうち下記式(15)で表される化合物および上記式(VII)で表される化合物のうち下記式(16)〜(21)のそれぞれで表される化合物が好ましい。
Figure 2008015497
また、上記イミド化重合体に用いることのできるジアミン化合物は、フッ素原子を含有するジアミン化合物を少なくとも0.5モル%含有する。フッ素原子を含有するジアミン化合物は、好ましくは少なくとも1.0モル%、より好ましくは少なくとも2.0モル%含有する。当該、フッ素原子を含有するジアミンとしては、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、4,4’−ビス[(4−アミノ−2−トリフルオロメチル)フェノキシ]−オクタフルオロビフェニルを用いることが好ましい。99.5モル%以下で用いることができるその他のジアミンとしては上記と同じものを用いることができる。
[ポリアミック酸の合成反応]
ポリアミック酸の合成反応に供されるテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物の使用割合は、ジアミン化合物に含まれるアミノ基1当量に対して、テトラカルボン酸二無水物の酸無水物基が0.2〜2当量となる割合が好ましく、さらに好ましくは0.3〜1.2当量となる割合である。
ポリアミック酸の合成反応は、有機溶媒中において、好ましくは−20〜150℃、より好ましくは0〜100℃の温度条件下で行われる。ここで、有機溶媒としては、合成されるポリアミック酸を溶解できるものであれば特に制限はなく、例えばN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルトリアミドなどの非プロトン系極性溶媒;m−クレゾール、キシレノール、フェノール、ハロゲン化フェノールなどのフェノール系溶媒を挙げることができる。また、有機溶媒の使用量(a)は、好ましくはテトラカルボン酸二無水物およびジアミン化合物の総量(b)が、反応溶液の全量(a+b)に対して0.1〜30重量%になるような量であることが好ましい。
なお、前記有機溶媒には、ポリアミック酸の貧溶媒であるアルコール、ケトン、エステル、エーテル、ハロゲン化炭化水素、炭化水素などを、生成するポリアミック酸が析出しない範囲で併用することができる。かかる貧溶媒の具体例としては、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチル、乳酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルメトキシプロピオネ−ト、エチルエトキシプロピオネ−ト、シュウ酸ジエチル、マロン酸ジエチル、ジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、エチレングリコール−i−プロピルエーテル、エチレングリコール−n−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,4−ジクロロブタン、トリクロロエタン、クロルベンゼン、o−ジクロルベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジイソブチルケトン、イソアミルプロピオネート、イソアミルイソブチレート、ジイソペンチルエーテルなどを挙げることができる。
以上のようにして、ポリアミック酸を溶解してなる反応溶液が得られる。そして、この反応溶液を大量の貧溶媒中に注いで析出物を得、この析出物を減圧下乾燥するかまたは反応溶液をエバポレーターで減圧留去することによりポリアミック酸を得ることができる。また、このポリアミック酸を再び有機溶媒に溶解させ、次いで貧溶媒で析出させる工程、またはエバポレーターで減圧留去する工程を1回または数回行うことにより、ポリアミック酸を精製することができる。
<イミド化重合体>
本発明の液晶配向剤を構成するイミド化重合体は、上記ポリアミック酸を脱水閉環することにより調製することができる。ポリアミック酸の脱水閉環は、(i)ポリアミック酸を加熱する方法により、(ii)ポリアミック酸を有機溶媒に溶解し、この溶液中に脱水剤および脱水閉環触媒を添加し必要に応じて加熱する方法または(iii)テトラカルボン酸二無水物、ジアミン化合物およびジイソシアネート化合物とを混合し、必要に応じて加熱することにより、縮合させて合成する方法により行われる。
上記(i)のポリアミック酸を加熱する方法における反応温度は、好ましくは50〜200℃であり、より好ましくは60〜170℃である。反応温度が50℃未満では脱水閉環反応が十分に進行せず、反応温度が200℃を超えると得られるイミド化重合体の分子量が低下することがある。
一方、上記(ii)のポリアミック酸の溶液中に脱水剤および脱水閉環触媒を添加する方法において、脱水剤としては、例えば無水酢酸、無水プロピオン酸、無水トリフルオロ酢酸などの酸無水物を用いることができる。脱水剤の使用量は、ポリアミック酸の繰り返し単位1モルに対して0.01〜20モルとするのが好ましい。また、脱水閉環触媒としては、例えばピリジン、コリジン、ルチジン、トリエチルアミンなどの3級アミンを用いることができる。しかし、これらに限定されるものではない。脱水閉環触媒の使用量は、使用する脱水剤1モルに対して0.01〜10モルとするのが好ましい。なお、脱水閉環反応に用いられる有機溶媒としては、ポリアミック酸の合成に用いられるものとして例示した有機溶媒と同じものを挙げることができる。そして、脱水閉環反応の反応温度は、好ましくは0〜180℃、より好ましくは10〜150℃である。また、このようにして得られる反応溶液に対し、ポリアミック酸の精製方法と同様の操作を行うことにより、イミド化重合体を精製することができる。
上記(iii)の反応において用いられるジイソシアネート化合物の具体例としては、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート;シクロヘキサン−1,2−ジイソシアネート、1−メチルシクロヘキサン−2,4−ジイソシアネート、1,2−ジメチルシクロヘキサン−ω,ω’−ジイソシアネート、1,4−ジメチルシクロヘキサン−ω,ω’−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,3,5−トリメチル−2−プロピルシクロヘキサン−1ω,2ω−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネートなどの脂環式ジイソシアネート;ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、1−メチル−2,4−フェニレンジイソシアネート、1−メチル−2,6−フェニレンジイソシアネート、下記式(22)〜(26)のそれぞれで表されるジイソシアネ−トなどの芳香族ジイソシアネートが挙げられる。
Figure 2008015497
これらのうち、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、1−メチル−2,4−フェニレンジイソシアネート、1−メチル−2,6−フェニレンジイソシアネートが好ましいものとして挙げられる。これらは単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。なお、上記(iii)の反応には特に触媒は必要とされず、反応温度は、通常50〜200℃、好ましくは100〜160℃である。
イミド化重合体は、イミド化率30%以上100%未満、さらに好ましくは50%以上100%未満であり、特に好ましくは75%以上100%未満である。ここで、「イミド化率」とは、イミド化重合体における繰り返し単位の総数に対する、上記式(I−3)で表されるイミド環を形成してなる繰り返し単位の数の割合を%で表したものとする。このとき、イミド環の一部がイソイミド環であっても良い。イミド化率は、重合体のH−NMRから下記数式(1)により求めることができる。

イミド化率(%)=(1−A1/A2×α)×100 (1)

(数式(1)中、A1はNH基のプロトンに由来する化学シフト10ppm付近のピーク面積であり、A2は芳香族プロトンに由来する化学シフト7〜8ppm付近のピーク面積であり、αはイミド化反応前のポリアミック酸におけるNH基のプロトン1個に対する芳香族プロトンの個数の割合である。)
<末端修飾型の重合体>
上記ポリアミック酸およびイミド化重合体は、分子量が調節された末端修飾型のものであってもよい。この末端修飾型の重合体を用いることにより、本発明の効果が損なわれることなく液晶配向剤の塗布特性などを改善することができる。このような末端修飾型のものは、ポリアミック酸を合成する際に、酸一無水物、モノアミン化合物、モノイソシアネート化合物などを反応系に添加することにより合成することができる。ここで、酸一無水物としては、例えば無水マレイン酸、無水フタル酸、無水イタコン酸、n−デシルサクシニック酸無水物、n−ドデシルサクシニック酸無水物、n−テトラデシルサクシニック酸無水物、n−ヘキサデシルサクシニック酸無水物などを挙げることができる。また、モノアミン化合物としては、例えばアニリン、シクロヘキシルアミン、n−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン、n−ウンデシルアミン、n−ドデシルアミン、n−トリデシルアミン、n−テトラデシルアミン、n−ペンタデシルアミン、n−ヘキサデシルアミン、n−ヘプタデシルアミン、n−オクタデシルアミン、n−エイコシルアミンなどを挙げることができる。また、モノイソシアネート化合物としては、例えばフェニルイソシアネート、ナフチルイソシアネートなどを挙げることができる。
<重合体の溶液粘度>
以上のようにして得られるポリアミック酸およびイミド化重合体は、その溶液粘度(mPa・s)の値が、好ましくは20〜800mPa・s、より好ましくは30〜500mPa・sである。
本発明における粘度(mPa・s)の値は、N−メチル−2−ピロリドンを溶媒として用い、固形分濃度10重量%の溶液についてE型回転粘度計を用いて25℃で粘度の測定を行ったものである。
<液晶配向剤>
本発明の液晶配向剤は、上記重合体が、通常、有機溶媒中に溶解含有されて構成される。本発明の液晶配向剤において、上記ポリアミック酸重合体とイミド化重合体は、それらの合計に基づいて、それぞれ40〜90モル%および10〜60モル%で含有され、好ましくはそれぞれ45〜85モル%および15〜55モル%で含有される。
本発明の液晶配向剤を構成する有機溶媒としては、ポリアミック酸の合成反応に用いられるものとして例示した溶媒と同じものを挙げることができる。また、ポリアミック酸の合成反応の際に併用することができるものとして例示した貧溶媒と同じものも適宜選択して併用することができる。特に好ましい溶媒組成は、前記の溶媒を組み合わせて得られる組成であって、配向剤中で重合体が析出せず、かつ、配向剤の表面張力が25〜40mN/mの範囲となるような組成である。
本発明の液晶配向剤における固形分濃度は、粘性、揮発性などを考慮して選択される。好ましくは1〜10重量%の範囲である。すなわち、本発明の液晶配向剤は、基板表面に塗布され、液晶配向膜となる塗膜を形成するが、固形分濃度が1重量%未満である場合には、この塗膜の膜厚が過小となって良好な液晶配向膜を得難い。固形分濃度が10重量%を超える場合には、塗膜の膜厚が過大となって良好な液晶配向膜を得難く、また、液晶配向剤の粘性が増大して塗布特性が劣り易くなる。
なお、特に好ましい固形分濃度の範囲は、基板に液晶配向剤を塗布する際に用いる方法によって異なる。例えば、スピンナー法による場合には1.5〜4.5重量%の範囲が特に好ましい。印刷法による場合には、固形分濃度を3〜9重量%の範囲とし、それにより、溶液粘度を12〜50mPa・sの範囲とするのが特に好ましい。インクジェット法による場合には、固形分濃度を1〜5重量%の範囲とし、それにより、溶液粘度を3〜15mPa・sの範囲とするのが特に好ましい。
また、本発明の液晶配向剤を調製する際の温度は、好ましくは0℃〜200℃、より好ましくは20℃〜60℃である。
本発明の液晶配向剤は、エポキシ基を有する化合物(以下、「エポキシ基含有化合物」ともいう)を含有していてもよい。かかるエポキシ基含有化合物としては、例えば1,3,5,6−テトラグリシジル−2,4−ヘキサンジオール、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4、4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4、4’−ジアミノジフェニルエーテル、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−p−キシレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−3、4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−1、3−プロパンジアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4、4’−ジアミノヘプタメチレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノエチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−2、2’−ジメチル−4、4’−アミノビフェニル、N,N−ジグリシジル−ベンジルアミン、N,N−ジグリシジル−アミノメチルシクロヘキサンなどを好ましいものとして挙げることができる。
また、本発明の液晶配向剤は、官能性シラン含有化合物(以下、「シランカップリング剤」ともいう)を含有していてもよい。かかるシランカップリング剤としては、例えば3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、N−トリメトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、10−トリメトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、10−トリエトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、9−トリエトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、メチル3−[2−(3−トリメトキシシリルプロピルアミノ)エチルアミノ]プロピオネートなどを挙げることができる。
[液晶表示素子]
本発明の横電界方式液晶表示素子は、例えば次の方法によって製造することができる。
(1)ITO(Indium Tin Oxide)等の透明電極またはクロム等の金属電極が櫛歯状にパターニングされた基板と、電極が設けられていない対向基板の一面とに、それぞれ、本発明の液晶配向剤を例えばロールコーター法、スピンナー法、印刷法、インクジェット法などの方法によって塗布し、次いで、塗布面を加熱することにより樹脂膜を形成する。ここに、基板としては、例えばフロートガラス、ソーダガラスなどのガラス;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネートなどのプラスチックからなる透明基板を用いることができる。これら電極のパターニングには、フォト・エッチング法やスパッタ法、化学気相成長法などが用いられる。液晶配向剤の塗布に際しては、基板表面と樹脂膜との接着性をさらに良好にするために、例えば官能性シラン含有化合物、官能性チタン含有化合物などを予め塗布することもできる。液晶配向剤塗布後の加熱温度は、好ましくは80〜300℃であり、より好ましくは120〜250℃である。なお、本発明の液晶配向剤は、塗布後に有機溶媒を除去することによって配向膜となる樹脂膜を形成するが、イミド化をさらに進めようとするときには、さらに加熱することによって脱水閉環を進行させ、よりイミド化された樹脂膜とすることもできる。形成される樹脂膜の膜厚は、好ましくは0.001〜1μmであり、より好ましくは0.005〜0.5μmである。
(2)形成された樹脂膜面を、例えばナイロン、レーヨン、コットンなどの繊維からなる布を巻き付けたロールで一定方向に擦るラビング処理を行う。これにより、液晶分子の配向能が樹脂膜に付与されて液晶配向膜となる。
また、本発明の液晶配向剤により形成された液晶配向膜に、例えば特開平6−222366号公報や特開平6−281937号公報に示されているような、紫外線を部分的に照射することによってプレチルト角を変化させるような処理、あるいは特開平5−107544号公報に示されているような、ラビング処理を施した液晶配向膜表面にレジスト膜を部分的に形成し、先のラビング処理と異なる方向にラビング処理を行った後にレジスト膜を除去して、液晶配向膜の液晶配向能を変化させるような処理を行うことによって、液晶表示素子の視界特性を改善することが可能である。
(3)上記のようにして電極が形成された基板と、電極のない基板とをそれぞれ1枚ずつ作製し、それぞれの液晶配向膜におけるラビング方向が逆平行となるように、2枚の基板を、間隙(セルギャップ)を介して対向配置し、2枚の基板の周辺部をシール剤を用いて貼り合わせ、基板表面およびシール剤により区画されたセルギャップ内に液晶を注入充填し、注入孔を封止して液晶セルを構成する。そして、液晶セルの外表面、すなわち、液晶セルを構成するそれぞれの基板の他面側に、偏光板を、その偏光方向が当該基板の一面に形成された液晶配向膜のラビング方向と一致するように貼り合わせることにより、横電界方式液晶表示素子が得られる。
ここに、シール剤としては、例えば硬化剤およびスペーサーとしての酸化アルミニウム球を含有するエポキシ樹脂などを用いることができる。
液晶としては、ネマティック型液晶およびスメクティック型液晶を挙げることができ、その中でもネマティック型液晶が好ましく、例えばシッフベース系液晶、アゾキシ系液晶、ビフェニル系液晶、フェニルシクロヘキサン系液晶、エステル系液晶、ターフェニル系液晶、ビフェニルシクロヘキサン系液晶、ピリミジン系液晶、ジオキサン系液晶、ビシクロオクタン系液晶、キュバン系液晶などを用いることができる。
また、液晶セルの外表面に貼り合わされる偏光板としては、ポリビニルアルコールを延伸配向させながら、ヨウ素を吸収させたH膜と称される偏光膜を酢酸セルロース保護膜で挟んだ偏光板またはH膜そのものからなる偏光板を挙げることができる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。実施例および比較例における残像緩和測定、電圧保持率は以下の方法により評価した。
[残像緩和測定]
一つの液晶表示素子をDC5V、AC3.5V、60Hzの矩形波で2時間駆動させ、もう一方の液晶表示素子は駆動させずにおいたのち、2つの液晶表示素子の駆動条件をAC3.5V、60Hzの矩形波に変化させた際に生じる2つの液晶表示素子の輝度差を、消失するまでの時間を1秒刻みで計測し、その時間が300秒以内の場合を良、300秒以上の場合を不良と判断した。
[電圧保持率]
60℃において、液晶表示素子に5Vの電圧を60マイクロ秒の印加時間、167ミリ秒のスパンで印加した後、印加解除から167ミリ秒後の電圧保持率を測定した。測定装置は(株)東陽テクニカ製VHR−1を使用した。電圧保持率が95重量%以上の場合を良、それ以外の場合を不良と判断した。
[溶液粘度]
合成例中の溶液粘度(mPa・s)の値は、N−メチル−2−ピロリドンを溶媒として用い、固形分濃度10重量%の溶液についてE型回転粘度計を用いて25℃で粘度の測定を行った。
合成例1(イミド化重合体の合成)
テトラカルボン酸二無水物として、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物22.1g(0.1モル)とジアミン化合物としてp−フェニレンジアミン9.7g(0.09モル)と4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル3.2g(0.01モル)を、N−メチル−2−ピロリドン315gに溶解させ、60℃で4時間反応させることにより、溶液粘度35mPa・sのポリアミック酸溶液350gを得た。次いで、得られたポリアミック酸溶液にN−メチル−2−ピロリドン350gを追加し、ピリジン39.5gおよび無水酢酸30.6gを添加し110℃で4時間脱水閉環させた。イミド化反応後、系内の溶剤を未使用のN−メチル−2−ピロリドンで溶剤置換し(本操作にてイミド化反応に使用したピリジン、無水酢酸を系外に除去した)、固形分濃度10重量%、溶液粘度40mPa・s、イミド化率92%のイミド化重合体(A−1)溶液340gを得た。
合成例2(イミド化重合体の合成)
合成例1において、ジアミン化合物としてp−フェニレンジアミン8.7g(0.08モル)と4,4’−ジアミノジフェニルメタン2.0g(0.01モル)と4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル3.2g(0.01モル)を用いた以外は合成例1と同様にして、ポリアミック酸を得、さらにこれを用いて合成例1と同様にしてイミド化反応を行い、溶液粘度30mPa・s、イミド化率93%のイミド化重合体(A−2)24.9gを得た。
合成例3(イミド化重合体の合成)
テトラカルボン酸二無水物として、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物22.1g(0.1モル)、ジアミン化合物としてp−フェニレンジアミン8.7g(0.08モル)と4,4’−ジアミノジフェニルエーテル2.0g(0.01モル)と4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル3.2g(0.01モル)を、N−メチル−2−ピロリドン315gに溶解させ、60℃で4時間反応させることにより、溶液粘度36mPa・sのポリアミック酸溶液350gを得た。次いで、得られたポリアミック酸溶液にN−メチル−2−ピロリドン350gを追加し、ピリジン15.7gおよび無水酢酸20.3gを添加し110℃で4時間脱水閉環させた。イミド化反応後、系内の溶剤を未使用のN−メチル−2−ピロリドンで溶剤置換し(本操作にてイミド化反応に使用したピリジン、無水酢酸を系外に除去した)、溶液粘度42mPa・s、イミド化率80%のイミド化重合体(A−3)溶液330gを得た。
合成例4(イミド化重合体の合成)
合成例3において、ジアミン化合物としてp−フェニレンジアミン9.7g(0.09モル)と2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン3.4g(0.01モル)を用いた以外は合成例3と同様にして、ポリアミック酸を得、さらにこれを用いて合成例3と同様にしてイミド化反応を行い、溶液粘度38mPa・s、イミド化率83%のイミド化重合体(A−4)溶液327gを得た。
合成例5(イミド化重合体の合成)
合成例3において、ジアミン化合物としてp−フェニレンジアミン9.7g(0.09モル)と2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン5.2g(0.01モル)を用いた以外は合成例3と同様にして、ポリアミック酸を得、さらにこれを用いて合成例3と同様にしてイミド化反応を行い、溶液粘度42mPa・s、イミド化率83%のイミド化重合体(A−5)溶液322gを得た。
合成例6(イミド化重合体の合成)
合成例1において、テトラカルボン酸二無水物として、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物11.2g(0.05モル)と1,3,3a、4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン15.7g(0.05モル)用いた以外は、合成例1と同様にしてポリアミック酸を得、さらにこれを用いて合成例1と同様にしてイミド化反応を行い、溶液粘度47mPa・s、イミド化率91%のイミド化重合体(A−6)19.0gを得た。
合成例7(イミド化重合体の合成)
テトラカルボン酸二無水物として、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物11.2g(0.05モル)と1,3,3a、4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン15.7g(0.05モル)とジアミン化合物としてp−フェニレンジアミン9.7g(0.09モル)と2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン3.3g(0.01モル)を、N−メチル−2−ピロリドン320gに溶解させ、40℃で4時間反応させることにより、溶液粘度40mPa・sのポリアミック酸溶液360gを得た。次いで、得られたポリアミック酸溶液にN−メチル−2−ピロリドン360gを追加し、ピリジン15.7gおよび無水酢酸20.3gを添加し80℃で4時間脱水閉環させた。イミド化反応後、系内の溶剤を未使用のN−メチル−2−ピロリドンで溶剤置換し(本操作にてイミド化反応に使用したピリジン、無水酢酸を系外に除去した)、溶液粘度43mPa・s、イミド化率82%のイミド化重合体(A−7)溶液351gを得た。
合成例8(イミド化重合体の合成)
合成例3において、ジアミン化合物としてp−フェニレンジアミン7.6g(0.07モル)と2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル4.2g(0.02モル)と4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル3.2g(0.01モル)用いた以外は、合成例3と同様にしてポリアミック酸を得、さらにこれを用いて合成例3と同様にしてイミド化反応を行い、溶液粘度38mPa・s、イミド化率79%のイミド化重合体(A−8)溶液341gを得た。
合成例9(イミド化重合体の合成)
合成例3において、ジアミン化合物としてp−フェニレンジアミン10.8g(0.1モル)用いた以外は、合成例3と同様にしてポリアミック酸を得、さらにこれを用いて合成例3と同様にしてイミド化反応を行い、溶液粘度105mPa・s、イミド化率78%のイミド化重合体(A−9)溶液351gを得た。
合成例10(ポリアミック酸重合体の合成)
テトラカルボン酸二無水物として、ピロメリット酸無水物21.8g(0.1モル)、ジアミン化合物としてp−フェニレンジアミン10.8g(0.1モル)を、N−メチル−2−ピロリドン168gに溶解させ、40℃で4時間反応させることにより、溶液粘度70mPa・sのポリアミック酸(B−1)溶液200gを得た。
合成例11(ポリアミック酸重合体の合成)
ジアミン化合物としてp−フェニレンジアミン2.2g(0.02モル)と4,4’−ジアミノジフェニルエーテル16.0g(0.08モル)を用いた以外は合成例10と同様にして、溶液粘度69mPa・sのポリアミック酸(B−2)溶液205gを得た。
合成例12(ポリアミック酸重合体の合成)
テトラカルボン酸二無水物として、ピロメリット酸無水物17.4g(0.08モル)と1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物4.0g(0.02モル)を用いた以外は合成例10と同様にして、溶液粘度83mPa・sのポリアミック酸(B−3)溶液188gを得た。
合成例13(ポリアミック酸重合体の合成)
テトラカルボン酸二無水物として、ピロメリット酸無水物19.6g(0.09モル)と1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物2.0g(0.01モル)を用いた以外は合成例10と同様にして、溶液粘度82mPa・sのポリアミック酸(B−4)溶液208gを得た。
合成例14(ポリアミック酸重合体の合成)
テトラカルボン酸二無水物として、ピロメリット酸無水物19.6g(0.09モル)と1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物2.0g(0.01モル)、ジアミン化合物として4,4’−ジアミノジフェニルエーテル20.0g(0.1モル)を用いた以外は合成例10と同様にして、溶液粘度80mPa・sのポリアミック酸(B−5)溶液198gを得た。
合成例15(ポリアミック酸重合体の合成)
ジアミン化合物として4,4’−ジアミノジフェニルメタン19.8g(0.1モル)を用いた以外は合成例10と同様にして、溶液粘度67mPa・sのポリアミック酸(B−6)溶液202gを得た。
合成例16(ポリアミック酸重合体の合成)
テトラカルボン酸二無水物として、ピロメリット酸無水物19.6g(0.09モル)と1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物2.0g(0.01モル)、ジアミン化合物としてp−フェニレンジアミン2.2g(0.02モル)と4,4’−ジアミノジフェニルエーテル16.0g(0.08モル)を用いた以外は合成例10と同様にして、溶液粘度78mPa・sのポリアミック酸(B−7)溶液212gを得た。
合成例17(ポリアミック酸重合体の合成)
テトラカルボン酸二無水物として、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物19.6g(0.1モル)を用いた以外は合成例10と同様にして、溶液粘度80mPa・sのポリアミック酸(B−8)溶液182gを得た。
実施例1
合成例1で得られたイミド化重合体(A−1)および合成例10で得られたポリアミック酸(B−1)を、イミド化重合体:ポリアミック酸=20:80(重量比)になるように、N−メチル−2−ピロリドン/ブチルセロソルブ混合溶液(重量比80/20)に溶解させて、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(分子量 約400)を重合体100に対して5重量部溶解させ固形分濃度4重量%の溶液とした。この溶液を孔径1μmのフィルターを用いて濾過し、本発明の膜形成用組成物を調製した。
次に、一面に櫛歯状に設けられたクロム電極を有する厚さ1mmのガラス基板上に、当該膜形成用組成物をスピンナーにより塗布し、230℃のホットプレート上で10分間乾燥することで、膜厚約800オングストロームの樹脂膜を形成した。
形成された樹脂膜面を、ナイロン製の布を巻き付けたロールを有するラビングマシーンを用いてラビング処理を行い、液晶配向膜とした。ここに、ラビング処理条件は、ロールの回転数1,000rpm、ステージの移動速度25mm/秒、毛足押し込み長さ0.4mmとした(この基板を「基板A」とする)。該基板について耐ラビング性を評価したところ、ラビングによる削れや削れカスは観測されなかった。
同様に、厚さ1mmのガラス基板の一面に、当該膜形成用組成物をスピンナーにより塗布し、230℃のホットプレート上で10分間乾燥することで、膜厚約800オングストロームの樹脂膜を形成した。
形成された樹脂膜面を、ナイロン製の布を巻き付けたロールを有するラビングマシーンを用いてラビング処理を行い、液晶配向膜とした。ここに、ラビング処理条件は、ロールの回転数1,000rpm、ステージの移動速度25mm/秒、毛足押し込み長さ0.4mmとした(この基板を「基板B」とする)。
続いてラビング処理された液晶挟持基板の液晶配向膜を有する基板の外縁に、直径5.5μmの酸化アルミニウム球入りエポキシ樹脂接着剤を塗布した後、それぞれの液晶配向膜におけるラビング方向が逆平行となるように2枚の基板を間隙を介して対向配置し、外縁部同士を当接させて圧着して接着剤を硬化させた。次いで、液晶注入口より一対の基板間に、ネマティック型液晶(メルク社製、MLC−2042)を充填した後、アクリル系光硬化接着剤で液晶注入口を封止し、基板の外側の両面に偏光板を張り合わせ、液晶表示素子を作製した。
得られた液晶表示素子について残像緩和を評価したところ、300秒以内と良好な値が得られ、さらに電圧保持率を評価したところ、95重量%以上と比較的高い値が得られた。結果を表1にまとめて示す。
実施例2〜37
表1に示した重合体の組合せを表1に示した混合比で用いる他は、実施例1と同様の操作を行った。結果を表1に示した。
比較例1〜12
表2に示した重合体および混合比で用いる他は、実施例1と同様の操作を行った。結果を表2に示した。
Figure 2008015497
Figure 2008015497

Claims (3)

  1. 下記式(I−1)で表される構造の繰返し単位からなるポリアミック酸重合体と、下記式(I−2)で表される構造および下記式(I−3)で表されるイミド構造の繰返し単位を有するイミド化重合体からなる液晶配向剤であって、Pの少なくとも50モル%がピロメリット酸無水物に由来するものであり、Qの少なくとも0.5モル%がフッ素原子を含有するジアミン化合物に由来するものであり、そしてポリアミック酸重合体とイミド化重合体の合計におけるポリアミック酸重合体の割合が40〜90重量%であることを特徴とする横電界方式液晶表示素子用液晶配向剤。
    Figure 2008015497
    (ここでPはテトラカルボン酸を構成する4価の有機基を示し、かつQはジアミンを構成する2価の有機基を示す。)
    Figure 2008015497
    (ここでPはテトラカルボン酸を構成する4価の有機基を示し、かつQはジアミンを構成する2価の有機基を示す。)
  2. 上記式(I−2)、(I−3)中のPが1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオンおよびピロメリット酸無水物よりなる群から選ばれる少なくとも1種に由来するものである、請求項1に記載の横電界方式液晶表示素子用液晶配向剤。
  3. 請求項1および2のいずれかに記載の液晶配向剤から得られる液晶配向膜を具備してなることを特徴とする、横電界方式液晶表示素子。
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