JP2008216988A - 液晶配向剤、液晶配向膜および液晶表示素子 - Google Patents
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Abstract
Description
また、カイラル剤の添加によって当該液晶分子の長軸が基板間で180度以上にわたって連続的に捻れる状態を達成させ、これにより生じる複屈折効果を利用したSTN(Super Twisted Nematic)型液晶表示素子も存在する。さらに最近においては、対向する基板間に負の誘電異方性を有するホメオトロピック配向状態のネマチック液晶層や螺旋軸が基板法線と平行状態にあるコレステリック液晶層を形成させ、それらの液晶層中に色素を添加したゲスト−ホスト型の反射型液晶表示素子も開発されている。これらの液晶表示素子における液晶の配向は、通常、ラビング処理が施された液晶配向膜により発現される。ここに、液晶表示素子を構成する液晶配向膜の材料としては、従来よりポリイミド、ポリアミドおよびポリエステルなどが知られている。特にポリイミドは、耐熱性、液晶との親和性、機械的強度などに優れているため多くの液晶表示素子に使用されている。
本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、第2に、本発明の液晶配向剤から形成された液晶配向膜によって達成される。
本発明の液晶表示素子は、種々の装置に有効に使用することができ、例えば、卓上計算機、腕時計、置時計、携帯電話、計数表示板、ワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ、液晶テレビなどの表示装置として好適に用いることができる。
当該重合体は、上記式(I−1)で表される繰り返し単位を有するポリアミック酸と上記式(I−2)で表される繰り返し単位を有するポリイミドとの混合物であってもよく、上記式(I−1)で表わされる繰返し単位と上記式(I−2)で表わされる繰返し単位を共に有する部分イミド化重合体であってもよい。
上記ポリアミック酸は、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物とを開環重付加させて得られ、ポリイミドは、通常、ポリアミック酸を脱水閉環させて得られる。部分イミド化重合体は、通常、アミック酸プレポリマーとイミドプレポリマーとを結合させてブロック共重合体を合成する方法により得ることができる。
[テトラカルボン酸二無水物]
上記式(I−1)で表される繰り返し単位(アミック酸結合単位)におけるP1で表される4価の有機基と、上記式(I−2)で表される繰り返し単位(イミド結合単位)P2で表される4価の有機基は、いずれもテトラカルボン酸二無水物に由来する基である。これらのテトラカルボン酸二無水物としては、例えば2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物の少なくともいずれかを含むことが好ましい。
3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、3,3’,4,4’−パーフルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイド二無水物、p−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、m−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルエーテル二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルメタン二無水物、エチレングリコール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、プロピレングリコール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、1,4−ブタンジオール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、1,6−ヘキサンジオール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、1,8−オクタンジオール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン−ビス(アンヒドロトリメリテート)、下記式(1)〜(4)のそれぞれで表される化合物などの芳香族テトラカルボン酸二無水物を挙げることができる。これらの他のテトラカルボン酸二無水物は1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
ポリアミック酸またはポリイミドの合成に用いられるジアミン化合物としては、例えばp−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノベンズアニリド、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,5−ジアミノナフタレン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、5−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、6−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)−10−ヒドロアントラセン、2,7−ジアミノフルオレン、9,9−ジメチル−2,7−ジアミノフルオレン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、4,4’−メチレン−ビス(2−クロロアニリン)、2,2’,5,5’−テトラクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジクロロ−4,4’−ジアミノ−5,5’−ジメトキシビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、1,4,4’−(p−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、2,2’−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、4,4’−ビス[(4−アミノ−2−トリフルオロメチル)フェノキシ]−オクタフルオロビフェニル、4−(4’−トリフルオロメトキシベンゾイロキシ)シクロヘキシル−3,5−ジアミノベンゾエートなどの芳香族ジアミン;
1,1−メタキシリレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、4,4−ジアミノヘプタメチレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、テトラヒドロジシクロペンタジエニレンジアミン、ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダニレンジメチレンジアミン、トリシクロ[6.2.1.02,7]−ウンデシレンジメチルジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンなどの脂肪族および脂環式ジアミン;
2,3−ジアミノピリジン、2,6−ジアミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノピリミジン、5,6−ジアミノ−2,3−ジシアノピラジン、5,6−ジアミノ−2,4−ジヒドロキシピリミジン、2,4−ジアミノ−6−ジメチルアミノ−1,3,5−トリアジン、1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン、2,4−ジアミノ−6−イソプロポキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メトキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−1,3,5−トリアジン、4,6−ジアミノ−2−ビニル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−5−フェニルチアゾール、2,6−ジアミノプリン、5,6−ジアミノ−1,3−ジメチルウラシル、3,5−ジアミノ−1,2,4−トリアゾール、6,9−ジアミノ−2−エトキシアクリジンラクテート、3,8−ジアミノ−6−フェニルフェナントリジン、1,4−ジアミノピペラジン、3,6−ジアミノアクリジン、ビス(4−アミノフェニル)フェニルアミン、3,6−ジアミノカルバゾール、N−メチル−3,6−ジアミノカルバゾール、N−エチル−3,6−ジアミノカルバゾール、N−フェニル−3,6−ジアミノカルバゾール、N,N’−ジ(4−アミノフェニル)−ベンジジンおよび下記式(III)〜(VI)のそれぞれで表される化合物などの、分子内に2つの1級アミノ基および該1級アミノ基以外の窒素原子を有するジアミン;
下記式(V)で表されるモノ置換フェニレンジアミン;下記式(VI)で表されるジアミノオルガノシロキサン;
下記式(9)〜(13)のそれぞれで表される化合物などを挙げることができる。これらのジアミン化合物は、単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
これらのうち、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、1,5−ジアミノナフタレン、2,7−ジアミノフルオレン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、1,4−シクロヘキサンジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4−(4’−トリフルオロメトキシベンゾイロキシ)シクロヘキシル−3,5−ジアミノベンゾエート、上記式(9)〜(13)のそれぞれで表される化合物、2,6−ジアミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノピリミジン、3,6−ジアミノアクリジン、3,6−ジアミノカルバゾール、N−メチル−3,6−ジアミノカルバゾール、N−エチル−3,6−ジアミノカルバゾール、N−フェニル−3,6−ジアミノカルバゾール、N,N’−ジ(4−アミノフェニル)−ベンジジン、上記式(III)で表される化合物のうち下記式(14)で表される化合物、上記式(IV)で表される化合物のうち下記式(15)で表される化合物および上記式(V)で表される化合物のうちドデカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン、ペンタデカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン、ヘキサデカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン、オクタデカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン、ドデカノキシ−2,5−ジアミノベンゼン、ペンタデカノキシ−2,5−ジアミノベンゼン、ヘキサデカノキシ−2,5−ジアミノベンゼン、オクタデカノキシ−2,5−ジアミノベンゼン、下記式(16)〜(22)のそれぞれで表される化合物、および、上記式(VI)で表される化合物のうち1,3−ビス(3−アミノプロピル)−テトラメチルジシロキサンが好ましい。
ポリアミック酸の合成反応に供されるテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物の使用割合は、ジアミン化合物に含まれるアミノ基1当量に対して、テトラカルボン酸二無水物の酸無水物基が0.5〜2当量となる割合が好ましく、さらに好ましくは0.7〜1.2当量となる割合である。
ポリアミック酸の合成反応は、有機溶媒中において、好ましくは−20〜150℃、より好ましくは0〜100℃の温度条件下で行われる。ここで、有機溶媒としては、合成されるポリアミック酸を溶解できるものであれば特に制限はなく、例えばN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルトリアミドなどの非プロトン系極性溶媒;m−クレゾール、キシレノール、フェノール、ハロゲン化フェノールなどのフェノール系溶媒を例示することができる。また、有機溶媒の使用量(a)は、テトラカルボン酸二無水物およびジアミン化合物の総量(b)が、反応溶液の全量(a+b)に対して0.1〜30重量%になるような量であることが好ましい。
前記有機溶媒には、ポリアミック酸の貧溶媒であるアルコール、ケトン、エステル、エーテル、ハロゲン化炭化水素、炭化水素などを、生成するポリアミック酸が析出しない範囲で併用することができる。かかる貧溶媒の具体例としては、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチル、乳酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルメトキシプロピオネ−ト、エチルエトキシプロピオネ−ト、シュウ酸ジエチル、マロン酸ジエチル、ジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、エチレングリコール−i−プロピルエーテル、エチレングリコール−n−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,4−ジクロロブタン、トリクロロエタン、クロルベンゼン、o−ジクロルベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、イソアミルプロピオネート、イソアミルイソブチレート、ジイソペンチルエーテルなどを挙げることができる。
本発明の液晶配向剤を構成するイミド化重合体は、上記の如きポリアミック酸を脱水閉環することにより調製することができる。本発明で用いるポリイミドは、イミド化率100%未満の、部分的に脱水閉環されたものであってもよい。ここでいう「イミド化率」とは、ポリマーの全繰り返し単位中、イミド環またはイソイミド環を有する繰り返し単位の割合を、百分率で表した値である。イミド化率が10〜80%であるイミド化重合体を含有する配向剤は、特にTFT型素子に用いられる場合、電圧保持率が高いという評価を得ることができる。ポリアミック酸の脱水閉環は、(i)ポリアミック酸を加熱する方法により、または(ii)ポリアミック酸を有機溶媒に溶解し、この溶液中に脱水剤および脱水閉環触媒を添加し必要に応じて加熱する方法により行われる。
上記(i)のポリアミック酸を加熱する方法における反応温度は、好ましくは50〜200℃であり、より好ましくは60〜170℃である。反応温度が50℃未満では脱水閉環反応が十分に進行し難く、反応温度が200℃を超えると得られるイミド化重合体の分子量が低下することがある。
イミド化重合体を室温で減圧乾燥した後、重水素化ジメチルスルホキシドに溶解させ、テトラメチルシランを基準物質として室温で1H−NMRを測定し、下記式(ii)で示される式により求めることができる。
イミド化率(%)=(1−A1/A2×α)×100 −−−−−−(ii)
A1:NH基のプロトン由来のピーク面積(10ppm)
A2:その他のプロトン由来のピーク面積
α :重合体の前駆体(ポリアミック酸)における、NH基のプロトン1個に対するその他のプロトンの個数割合
上記ポリアミック酸およびイミド化重合体は、分子量が調節された末端修飾型のものであってもよい。この末端修飾型の重合体を用いることにより、本発明の効果が損われることなく液晶配向剤の塗布特性などを改善することができる。このような末端修飾型のものは、ポリアミック酸を合成する際に、酸一無水物、モノアミン化合物、モノイソシアネート化合物などを反応系に添加することにより合成することができる。ここで、酸一無水物としては、例えば無水マレイン酸、無水フタル酸、無水イタコン酸、n−デシルサクシニック酸無水物、n−ドデシルサクシニック酸無水物、n−テトラデシルサクシニック酸無水物、n−ヘキサデシルサクシニック酸無水物などを挙げることができる。また、モノアミン化合物としては、例えばアニリン、シクロヘキシルアミン、n−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン、n−ウンデシルアミン、n−ドデシルアミン、n−トリデシルアミン、n−テトラデシルアミン、n−ペンタデシルアミン、n−ヘキサデシルアミン、n−ヘプタデシルアミン、n−オクタデシルアミン、n−エイコシルアミンなどを挙げることができる。また、モノイソシアネート化合物としては、例えばフェニルイソシアネート、ナフチルイソシアネートなどを挙げることができる。
本発明の配向剤に使用する重合体は、10重量%の溶液としたときに、20〜800mPa・sの粘度を持つものであることが好ましく、30〜500mPa・sの粘度を持つものであることがより好ましい。
なお、重合体の溶液粘度(mPa・s)は、所定の溶媒を用い、所定の固形分濃度に希釈した溶液についてE型回転粘度計を用いて25℃で測定した。
本発明の液晶配向剤は上記式(A)で表されるイミダゾール化合物を含有する。イミゾダール化合物は、単独でまたは2種類以上を組み合わせて使用できる。上記式(A)中、R1、R2およびR3は、互に独立に水素原子またはアルキル基であり、好ましくは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基である。また、nは0〜3の整数であり、好ましくは0または1である。イミゾダール化合物としては、例えば下記式(23)〜(27)のそれぞれで表わされる化合物が好ましいものとして挙げられる。これらイミダゾール化合物の配合割合は、重合体100重量部に対して、好ましくは0.1〜40重量部である。
本発明の液晶配向剤は、上記ポリアミック酸および/またはポリイミド、上記イミダゾール化合物、および任意的に添加されるその他の成分が有機溶媒中に溶解含有されて構成される。本発明の液晶配向剤を構成する重合体における、アミック酸結合単位とイミド結合単位の合計結合単位数に対するイミド結合単位数の割合は10〜80%である。
これら官能性シラン含有化合物の配合割合は、重合体100重量部に対して、好ましくは40重量部以下である。
本発明の液晶配向剤を用いて得られる液晶表示素子は、例えば次の方法によって製造することができる。
また、本発明の液晶配向剤により形成された液晶配向膜に、例えば特開平6−222366号公報や特開平6−281937号公報に示されているような、紫外線を部分的に照射することによってプレチルト角を変化させるような処理、あるいは特開平5−107544号公報に示されているような、ラビング処理を施した液晶配向膜表面にレジスト膜を部分的に形成し、先のラビング処理と異なる方向にラビング処理を行った後にレジスト膜を除去して、液晶配向膜の液晶配向能を変化させるような処理を行うことによって、液晶表示素子の視界特性を改善することが可能である。
ここに、シール剤としては、例えば硬化剤およびスペーサーとしての酸化アルミニウム球を含有するエポキシ樹脂などを用いることができる。
また、液晶セルの外表面に貼り合わされる偏光板としては、ポリビニルアルコールを延伸配向させながら、ヨウ素を吸収させたH膜と称される偏光膜を酢酸セルロース保護膜で挟んだ偏光板またはH膜そのものからなる偏光板を挙げることができる。
イミド化重合体を室温で減圧乾燥した後、重水素化ジメチルスルホキシドに溶解させ、テトラメチルシランを基準物質として室温で1H−NMRを測定し、下記式(ii)で示される式により求めた。
イミド化率(%)=(1−A1/A2×α)×100 −−−−−−(ii)
A1:NH基のプロトン由来のピーク面積(10ppm)
A2:その他のプロトン由来のピーク面積
α :重合体の前駆体(ポリアミック酸)における、NH基のプロトン1個に対するその他のプロトンの個数割合
液晶表示素子に5Vの電圧を60マイクロ秒の印加時間、167ミリ秒のスパンで印加した後、印加解除から167ミリ秒後の電圧保持率を測定した。測定装置は(株)東陽テクニカ製VHR−1を使用した。電圧保持率が95%以上の場合を良、それ以外の場合を不良と判断した。
図1に示したようなITO電極を持つセルを作製した。電極Aに直流電圧6.0V、電極Bに直流電圧0.5Vを室温、80℃の各温度にて20時間印加した。ストレス解放後、電極A、Bに直流電圧0.1〜3.0Vを0.1V刻みに印加した。それぞれの電圧での電極A,Bの輝度差により焼き付き特性を判断した。輝度差が大きい場合、焼き付き特性が悪いと判断した。
テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物110g(0.5モル)および1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン160g(0.5モル)、ジアミン化合物としてp−フェニレンジアミン96g(0.87モル)、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン25g(0.1モル)、および3,6−ビス(4−アミノベンゾイルオキシ)コレスタン13g(0.02モル)、モノアミンとしてN−オクタデシルアミン8.1g(0.03モル)をN−メチル−2−ピロリドン960gに溶解させ、60℃で6時間反応させることにより溶液粘度60mPa・sのポリアミック酸溶液(これをポリアミック酸(B−1)とする)を得た。次いで、得られたポリアミック酸溶液にN−メチル−2−ピロリドン2,700gを追加し、ピリジン400gおよび無水酢酸410gを添加し110℃で4時間脱水閉環させた。イミド化反応後、系内の溶剤を未使用のγ−ブチロラクトンで溶剤置換し(本操作にてイミド化反応に使用したピリジン、無水酢酸を系外に除去した)、固形分濃度15.0重量%、固形分濃度6.0重量%時の溶液粘度16.0mPa・s、イミド化率95%のイミド化重合体「A−1」溶液1,500gを得た。
テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物190g(0.85モル)および1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン47g(0.15モル)、ジアミン化合物としてp−フェニレンジアミン92g(0.86モル)、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン25g(0.1モル)、および3,6−ビス(4−アミノベンゾイルオキシ)コレスタン19g(0.03モル)、モノアミンとしてアニリン2.8g(0.03モル)をN−メチル−2−ピロリドン1,100gに溶解させ、60℃で6時間反応させることにより溶液粘度60mPa・sのポリアミック酸溶液を得た。次いで、得られたポリアミック酸溶液にγ−ブチロラクトン3,900gを追加し、ピリジン400gおよび無水酢酸410gを添加し110℃で4時間脱水閉環させた。イミド化反応後、系内の溶剤を未使用のN−メチル−2−ピロリドンで溶剤置換し(本操作にてイミド化反応に使用したピリジン、無水酢酸を系外に除去した)、固形分濃度15.0重量%、固形分濃度6.0重量%時の溶液粘度16.0mPa・s、イミド化率95%のイミド化重合体(A−2)溶液1,600gを得た。
テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物220g(1.0モル)、ジアミン化合物としてp−フェニレンジアミン110g(0.99モル)、およびコレスタ二ル−3,5−ジアミノベンゾエート7.8g(0.015モル)をN−メチル−2−ピロリドン3,100gに溶解させ、室温で3時間反応させることにより溶液粘度210mPa・sのポリアミック酸溶液(これをポリアミック酸(B−2)とする)を得た。次いで、得られたポリアミック酸溶液にN−メチル−2−ピロリドン3,400gを追加し、ピリジン400gおよび無水酢酸300gを添加し110℃で4時間脱水閉環させた。イミド化反応後、系内の溶剤を未使用のγ−ブチロラクトンで溶剤置換し(本操作にてイミド化反応に使用したピリジン、無水酢酸を系外に除去した)、固形分濃度9.0重量%、固形分濃度3.1重量%時の溶液粘度15.0mPa・s、イミド化率90%のイミド化重合体(A−3)溶液2,300gを得た。
テトラカルボン酸二無水物として1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物200g(1.0モル)、ジアミン化合物として2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル210g(1.0モル)をN−メチル−2−ピロリドン370g、γ−ブチロラクトン3,300gに溶解させ、40℃で3時間反応させ、溶液粘度160mPa・sのポリアミック酸(これをポリアミック酸(B−3)とする)溶液を得た。
テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物110g(0.5モル)および1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン160g(0.5モル)、ジアミン化合物としてp−フェニレンジアミン82g(0.76モル)、ビスアミノプロピルテトラメチルジシロキサン25g(0.1モル)、4−(4’−トリフルオロメトキシベンゾイロキシ)シクロヘキシル−3,5−ジアミノベンゾエート35g(0.08モル)、および4,4’−ジアミノジフェニルメタン9.9g(0.05モル)、モノアミンとしてアニリン1.4g(0.015モル)をN−メチル−2−ピロリドン1,300gに溶解させ、60℃で6時間反応させることにより、溶液粘度55mPa・sのポリアミック酸を得た。得られたポリアミック酸をN−メチル−2−ピロリドン2,500gに溶解させ、ピリジン400gおよび無水酢酸410gを添加し110℃で4時間脱水閉環させた。イミド化反応後、系内の溶剤を未使用のN−メチル−2−ピロリドンで溶剤置換し(本操作にてイミド化反応に使用したピリジン、無水酢酸を系外に除去した)、固形分濃度17.0重量%、固形分濃度6.0重量%時の溶液粘度13.0mPa・s、イミド化率95%のイミド化重合体(A−4)溶液1,800gを得た。
合成例1で得られたポリイミド(A−1)および合成例4で得られたポリアミック酸(B−3)を、ポリイミド:ポリアミック酸=20:80(重量比)になるように、γ−ブチロラクトン/N−メチル−2−ピロリドン/ブチルセロソルブ混合溶剤(重量比71/17/12)に溶解させて、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタンを重合体100重量部に対して2重量部、イミダゾール化合物として前記式(23)で表される化合物を重合体100重量部に対し2.5重量部溶解させ、固形分濃度6重量%の溶液とし、十分な攪拌後、この溶液を孔径1μmのフィルターを用いて濾過し、本発明の液晶配向剤を調製した。イミド化率上記液晶配向剤を、厚さ1mmのガラス基板の一面に設けられたITO膜からなる透明導電膜上に液晶配向膜印刷機(日本写真印刷機(株)製)を用いて塗布し、80℃のホットプレート上で1分間乾燥後、200℃のホットプレート上で10分間乾燥し、平均膜厚600オングストロームの被膜を形成した。この被膜にレーヨン製の布を巻き付けたロールを有するラビングマシーンにより、ロールの回転数400rpm、ステージの移動速度3cm/秒、毛足押し込み長さ0.4mmでラビング処理を行った。上記液晶配向膜塗布基板を、超純水中で1分間超音波洗浄した後、100℃のクリーンオーブン内で10分間乾燥した。次に、一対の透明電極/透明電極基板の上記液晶配向膜塗布基板の液晶配向膜を有するそれぞれの外縁に、直径5.5μmの酸化アルミニウム球入りエポキシ樹脂接着剤を塗布した後、液晶配向膜面が相対するように重ね合わせて圧着し、接着剤を硬化させた。次いで、液晶注入口より基板間に、ネマティック型液晶(メルク社製、MLC−6221)を充填した後、アクリル系光硬化接着剤で液晶注入口を封止し、基板の外側の両面に偏光板を張り合わせ、液晶表示素子を作製した。得られた液晶表示素子の電圧保持率を評価した。本発明で得られた液晶配向剤は、電圧保持率が99%以上と高い値を示した。また、焼き付き試験を行ったところ、ストレス温度によらず良好な結果を示した。
合成例1〜5で得られたポリイミド(A−1)〜(A−4)およびポリアミック酸(B−1)〜(B−3)と、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタンをγ−ブチロラクトンを主成分とする混合溶剤に溶解させ、更に実施例2、3および比較例1、3、5、7、9には前記式(24)で表されるイミダゾール化合物を溶解させ、固形分濃度6重量%の溶液を得、この溶液を孔径1μmのフィルターでろ過することにより、本発明の液晶配向剤を調製した。このようにして調製された液晶配向剤の各々を用い、実施例1と同様にして、基板表面上に被膜を形成し、当該液晶配向膜が形成された基板を用いて液晶表示素子を作製した。そして、電圧保持率を評価した。また、焼き付き試験も行った。それぞれの結果を表1に示す。
Claims (5)
- 上記式中のP1もしくはP2が、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオンおよび1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物よりなる群から選ばれるテトラカルボン酸二無水物から2つの酸無水物基を除去した残基を含む請求項1に記載の液晶配向剤。
- 分子内に少なくとも1つのエポキシ基を有する化合物を、上記重合体100重量部に対し0.1〜30重量部さらに含む請求項1または2に記載の液晶配向剤。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の液晶配向剤から形成された液晶配向膜。
- 請求項4に記載の液晶配向膜を具備することを特徴とする液晶表示素子。
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