JP2018030741A - 表面修飾ナノダイヤモンド、前記表面修飾ナノダイヤモンドを含む分散液及び複合材料 - Google Patents

表面修飾ナノダイヤモンド、前記表面修飾ナノダイヤモンドを含む分散液及び複合材料 Download PDF

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Abstract

【課題】耐熱性に優れ、250℃以上の高温環境下でも、分散性及び有機材料に対する親和性に優れた表面修飾ナノダイヤモンドを提供する。
【解決手段】本発明の表面修飾ナノダイヤモンドは、ナノダイヤモンド粒子と、前記ナノダイヤモンド粒子を表面修飾しているホスホン酸イオン又はホスホン酸残基とを含む。前記ホスホン酸イオンは、例えば、下記式(1)で表される。また、前記ホスホン酸残基は、例えば、下記式(2)で表される。
【化1】

【選択図】なし

Description

本発明は、表面修飾ナノダイヤモンド、前記表面修飾ナノダイヤモンドの分散液、及び前記表面修飾ナノダイヤモンドを含む複合材料に関する。
近年、ナノダイヤモンドと呼称される微粒子状のダイヤモンド材料の開発が進められている。ナノダイヤモンドは、用途によっては、平均粒子径が10nm以下のいわゆる一桁ナノダイヤモンドが求められる場合がある。このようなナノダイヤモンドの製造に関する技術は、例えば下記特許文献1、2に記載されている。
特開2005−001983号公報 特開2010−126669号公報
ナノダイヤモンドは、バルクダイヤモンドがそうであるように高い機械的強度や、高い屈折率、高い熱伝導度などを示し得る。しかし、ナノ粒子(=ナノサイズの粒子)は、一般に、表面原子の割合が大きいので、隣接粒子の表面原子間で作用し得るファンデルワールス力の総和が大きく、凝集(aggregation)しやすい。これに加えて、ナノダイヤモンド粒子の場合、隣接結晶子の結晶面間クーロン相互作用が寄与して非常に強固に集成する凝着(agglutination)という現象が生じ得る。ナノダイヤモンド粒子は、このような性質を有するため、一次粒子の状態で溶媒中や樹脂材料中に分散させることは非常に困難であった。
本発明者らの知見によると、ナノダイヤモンド粒子の表面官能基にカルボン酸(例えば、ステアリン酸等)を反応させることによって、カルボン酸由来の表面修飾基を形成したナノダイヤモンドは、表面修飾を伴わないナノダイヤモンドよりも、樹脂材料中で分散しやすい傾向にある。
そして、樹脂材料に対してナノダイヤモンド粒子を充分に分散させるためには、樹脂材料が溶融した状態でナノダイヤモンド粒子を混練する必要があるが、カルボン酸によって表面修飾したナノダイヤモンドは、155℃程度の温度でカルボン酸由来の修飾基が熱分解してナノダイヤモンド表面から離脱することにより分散性を喪失するため、当該表面修飾ナノダイヤモンドの分散性を維持しつつ溶融混練可能な樹脂材料は、実用上、相当限定されるのが現状である。例えば、エンジニアリングプラスチックやスーパーエンジニアリングプラスチックは、溶融混練温度が200℃以上であり、これらに、カルボン酸によって表面修飾したナノダイヤモンドを高分散させることは非常に困難であった。
従って、本発明の目的は、耐熱性に優れ、250℃以上の高温環境下でも、分散性及び有機材料に対する親和性に優れた表面修飾ナノダイヤモンドを提供することにある。
本発明の他の目的は、前記表面修飾ナノダイヤモンドが有機溶媒中に高分散してなるナノダイヤモンド分散液を提供することにある。
本発明の他の目的は、前記表面修飾ナノダイヤモンドが樹脂中に高分散してなる複合材料を提供することにある。
本発明者等は上記課題を解決するため鋭意検討した結果、以下の事項を見いだした。
1.ナノダイヤモンド粒子の表面官能基にホスホン酸誘導体を反応させて得られる表面修飾ナノダイヤモンドは、ナノダイヤモンド粒子の表面官能基にカルボン酸を反応させて得られる表面修飾ナノダイヤモンドと同様に、分散性と有機材料に対する親和性を有すること
2.カルボン酸に比べ、ホスホン酸誘導体は、ナノダイヤモンド粒子の表面官能基である水酸基やアミノ基と結合して、より強固な一次結合を形成することができ(詳細には、ナノダイヤモンド粒子表面の水酸基は、ホスホン酸誘導体の2つの官能基と脱水縮合することにより強く共有結合することができ、ナノダイヤモンド粒子表面のアミノ基は、ホスホン酸誘導体の2つの官能基とイオン結合により塩を形成することができ)、より安定な表面修飾基を形成することができること、そのため耐熱性に優れ、250℃以上の高温環境下でも表面修飾基の分解を抑制することができ、分散性と有機材料に対する親和性を保持できること
本発明はこれらの知見に基づいて完成させたものである。
すなわち、本発明は、ナノダイヤモンド粒子と、前記ナノダイヤモンド粒子を表面修飾しているホスホン酸イオン又はホスホン酸残基とを含む、表面修飾ナノダイヤモンドを提供する。
本発明は、また、ホスホン酸イオンが、下記式(1)で表されるホスホン酸イオンであり、ホスホン酸残基が、下記式(2)で表されるホスホン酸残基である、前記の表面修飾ナノダイヤモンドを提供する。
(式中、R1は置換基としてハロゲン原子、アルコキシ基、水酸基、及びホスホリル基からなる群より選択される基を有していてもよい、炭素数7〜100の炭化水素基を示す。式(2)中のリン原子と一次結合で結合する2つの酸素原子から出る結合手がナノダイヤモンド粒子の表面官能基と結合する)
本発明は、また、熱分解開始温度が300℃以上である、前記の表面修飾ナノダイヤモンドを提供する。
本発明は、また、前記ナノダイヤモンド粒子が爆轟法ナノダイヤモンド粒子である、前記の表面修飾ナノダイヤモンドを提供する。
本発明は、また、有機溶媒と、前記有機溶媒に分散している、前記の表面修飾ナノダイヤモンドとを含む、ナノダイヤモンド分散液を提供する。
本発明は、また、樹脂と、前記樹脂に分散している、前記の表面修飾ナノダイヤモンドとを含む、複合材料を提供する。
本発明は、また、樹脂が、ガラス転移温度又は融点が150℃以上の熱可塑性樹脂である、前記の複合材料を提供する。
本発明の表面修飾ナノダイヤモンドは、その表面に耐熱性に優れたホスホン酸イオン又はホスホン酸残基からなる修飾基を備えるため、250℃以上の高温環境下でも、優れた分散性及び有機材料に対する良好な親和性を発揮することができる。従って、本発明の表面修飾ナノダイヤモンドは成形温度(若しくは溶融混練温度)が高い樹脂にも、分散性及び有機材料に対する親和性を喪失することなく溶融混合することができ、有機材料に、有機材料が透明である場合はその透明性を保持しつつ、ナノダイヤモンドが有する高い機械的強度や、高い屈折率、高い熱伝導度を付与することができる。
本発明の表面修飾ナノダイヤモンドの一例を示す拡大模式図である。 本発明の表面修飾ナノダイヤモンドの製造方法の工程図の一例である。 実施例2で得られた複合材料の断面のTEM写真である。
[表面修飾ナノダイヤモンド]
本発明の表面修飾ナノダイヤモンドは、ナノダイヤモンド粒子と、前記ナノダイヤモンド粒子を表面修飾しているホスホン酸イオン又はホスホン酸残基とを含む。尚、本発明の表面修飾ナノダイヤモンド(以後、ナノダイヤモンドを「ND」と称する場合がある)は、ホスホン酸イオン又はホスホン酸残基を単独で有していてもよく、ホスホン酸イオンとホスホン酸残基を組み合わせて有していてもよい。
図1は本発明の表面修飾NDの一例を示す拡大模式図であり、表面修飾ND[1]は、ND粒子[2]の表面に、ホスホン酸イオン又はホスホン酸残基[3]を備える。
表面修飾NDを構成するND粒子は、少なくともナノダイヤモンドの一次粒子を含み、その他、前記一次粒子が数個〜数十個程度凝集した二次粒子が含まれていても良い。
ND粒子としては、例えば、爆轟法ND(すなわち、爆轟法によって生成したND)や、高温高圧法ND(すなわち、高温高圧法によって生成したND)を使用することができる。本発明においては、なかでも、より分散性に優れる点で、すなわち一次粒子の粒子径が一桁ナノメートルである点で、爆轟法NDを使用することが好ましい。
前記爆轟法には、空冷式爆轟法と水冷式爆轟法が含まれる。本発明においては、なかでも、空冷式爆轟法が水冷式爆轟法よりも一次粒子が小さいNDを得ることができるうえで好ましい。また、爆轟は大気雰囲気下で行っても良く、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気、二酸化炭素雰囲気等の不活性ガス雰囲気下で行っても良い。従って、上記表面修飾工程に付すNDとしては、爆轟法NDが好ましく、より好ましくは空冷式爆轟法ND(すなわち、空冷式爆轟法によって生成したND)である。また、ND粒子は、平均粒子径が小さく且つ一次粒子表面の官能基量の多いND粒子を効率よく生じさせる点においてより好ましくは、空冷式であって不活性ガス雰囲気下での爆轟法によって生成したND粒子である。尚、ND粒子の表面官能基としては、例えば、アミノ基、水酸基、カルボキシル基が挙げられる。
ND粒子のpH9におけるゼータ電位は、ポジティブであってもネガティブであってもよいが、なかでもネガティブであることが、後述のホスホン酸誘導体との反応性に特に優れ、ホスホン酸誘導体由来のホスホン酸イオン又はホスホン酸残基を表面修飾基として形成し易い点で好ましい。ND粒子のゼータ電位とは、ND濃度が0.2質量%で25℃のND水分散液(pH:9)におけるND粒子について測定される値とする。ND濃度0.2質量%のND水分散液の調製のためにND水分散液の原液を希釈する必要がある場合には、希釈液として超純水を用いるものとする。
前記ND粒子を表面修飾するホスホン酸イオンは、例えば、下記式(1)で表される。また、前記ND粒子を表面修飾するホスホン酸残基はホスホン酸誘導体のホスホリル基から2つの水素原子を除いた基であり、例えば、下記式(2)で表される。
(式(1)、(2)中、R1は置換基としてハロゲン原子、アルコキシ基、水酸基、及びホスホリル基からなる群より選択される基を有していてもよい、炭化水素基を示す。式(2)中のリン原子と一重結合で結合する2つの酸素原子から出る結合手がナノダイヤモンド粒子の表面官能基と結合する)
1における炭化水素基には、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、及びこれらの2以上が結合した基が含まれる。R1における炭化水素基の炭素数は、例えば1〜100であり、なかでも、ND粒子に良好な分散性と有機材料に対する良好な親和性を付与することができる点で、好ましくは7〜100、更に好ましくは7〜50、特に好ましくは10〜30、最も好ましくは15〜30である。
前記脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基等の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基;ビニル基、アリル基、メタリル基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、5−ヘキセニル基、7−オクテニル基、9−デセニル基、11−ドデセニル基、オレイル基等の直鎖状又は分岐鎖状アルケニル基;エチニル基、プロピニル基等の直鎖状又は分岐鎖状アルキニル基等を挙げることができる。
前記脂環式炭化水素基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基;シクロペンテニル基、シクロへキセニル基等のシクロアルケニル基;ノルボルニル基、ノルボルネニル基、パーヒドロナフタレン−1−イル基、アダマンチル基、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン−3−イル基等の橋かけ環式炭化水素基等を挙げることができる。
前記芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基等を挙げることができる。
1における炭化水素基としては、有機材料(特に、樹脂)に対する良好な親和性を付与することができる点で、脂肪族炭化水素基が好ましく、特に直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が好ましい。
ND粒子と反応させることにより表面修飾としてのホスホン酸イオン又はホスホン酸残基を形成するホスホン酸誘導体としては、例えば、下記式(3)で表される。尚、下記式中のR1は上記に同じ。
1−P(=O)(OH)2 (3)
ホスホン酸誘導体としては、例えば、(2−ブロモエチル)ホスホン酸、(2−クロロエチル)ホスホン酸、プロピルホスホン酸、(3−クロロプロピル)ホスホン酸、(3−ブロモプロピル)ホスホン酸、(4−ブロモブチル)ホスホン酸、(4−クロロブチル)ホスホン酸、1,4−ブチレンジホスホン酸、ヘプチルホスホン酸、n−オクチルホスホン酸、ヘキシルホスホン酸、ノニルホスホン酸、デシルホスホン酸、ウンデシルホスホン酸、ドデシルホスホン酸、テトラデシルホスホン酸、ヘキサデシルホスホン酸、(1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシル)ホスホン酸、オクタデシルホスホン酸等の直鎖状又は分岐鎖状アルキルホスホン酸又はその誘導体;ビニルホスホン酸等の直鎖状又は分岐鎖状アルケニルホスホン酸又はその誘導体;フェニルホスホン酸、シンナミルホスホン酸、4−メトキシフェニルホスホン酸、ベンズヒドリルホスホン酸、1,4−フェニレンジホスホン酸、(2−フェニルエチル)ホスホン酸、(4−ブロモフェニル)ホスホン酸、o−キシリレンジホスホン酸、(4−ヒドロキシベンジル)ホスホン酸等の芳香族ホスホン酸又はその誘導体等を挙げることができる。
本発明の表面修飾NDは、上述のホスホン酸誘導体由来のホスホン酸イオン又はホスホン酸残基が親水的なND粒子の表面を修飾し、これによって分散性と有機材料に対する親和性が実現される。
本発明の表面修飾NDの平均粒子径(メディアン径)は、例えば50nm以下であり、好ましくは40nm以下、より好ましくは30nm以下、より好ましくは15nm以下である。表面修飾NDの平均粒子径の下限は、例えば3nmである。表面修飾NDの平均粒子径が小さいほど、複合材料において高い透明性が得られる点で好ましい。尚、表面修飾NDの平均粒子径は、動的光散乱法によって測定することができる。
以上のような構成を具備する表面修飾NDは、分散性や有機材料に対する親和性と共に、高い熱分解開始温度すなわち高い耐熱性を実現するのに適する。その理由は次の通りである。
ND粒子は表面官能基として水酸基やアミノ基等を有する。前記ND粒子とホスホン酸誘導体[R1−P(=O)(OH)2]とを反応させると、[−P(=O)(OH)2]側が前記表面官能基と結合し、疎水性を示す炭化水素基(R1−基)が外側を向いた状態で表面修飾基を形成する。このような表面修飾基を備えたND粒子は、表面修飾基を有しないND粒子よりも、表面修飾基の立体障害によりND粒子同士の凝集が抑制され、優れた分散性を発揮することができる。また、前記疎水性を示す炭化水素基(R1−基)が有機材料に対して良好な親和性を示すため、有機材料に対して良好な濡れ性を発揮することができ、有機材料に対してなじみ易さを発揮することができる。
より詳細には、ホスホン酸誘導体は、ND粒子の表面官能基である水酸基と脱水縮合反応を行って、ホスホン酸残基よりなる表面修飾基を形成する。
また、ホスホン酸誘導体は、ND粒子の表面官能基であるアミノ基とイオン結合することにより、ホスホン酸イオンよりなる表面修飾基を形成する。
ホスホン酸誘導体は、ND粒子の表面官能基と前記の通り反応して、一次結合によりND粒子の表面に強固に結合する修飾基を形成することができる。そのように形成された表面修飾基は、カルボン酸由来の表面修飾基に比べ、熱的安定性に優れ、より高い熱分解開始温度が実現される。すなわち、本発明の表面修飾ND(ホスホン酸誘導体由来の表面修飾基を備えたND粒子)は、カルボン酸由来の表面修飾基を備えたND粒子に比べ、より高い温度環境下でも、表面修飾基の分解や離脱を抑制して、表面修飾基のND粒子表面への結合を維持することができ、ND粒子の分散性と有機材料に対する親和性とを維持することができる。
本発明の表面修飾NDの熱分解開始温度は、例えば250℃以上であり、好ましくは300℃以上、より好ましくは350℃以上である。熱分解開始温度の上限は、例えば500℃程度、好ましくは450℃、特に好ましくは400℃である。尚、本発明において、熱分解開始温度とは、ND粒子と表面修飾基との間の熱分解に帰属される温度であり、表面修飾NDの粉体を、空気雰囲気下かつ昇温速度10℃/分の条件で示差熱熱重量同時測定(TG-DTA)に付すことによって求められる。
以上のように、本発明の表面修飾NDは耐熱性に優れ、250℃以上の高温環境下でも、優れた分散性及び有機材料に対する良好な親和性を発揮することができる。そのため、本発明の表面修飾NDを使用すれば、樹脂と溶融混合して複合材料を製造する際の、樹脂の選択肢の幅が飛躍的に広がり、例えば、エンジニアリングプラスチックやスーパーエンジニアリングプラスチック等の高い成形温度を有する樹脂も選択可能となる。
[表面修飾ナノダイヤモンドの製造方法]
本発明の表面修飾NDは、例えば、爆轟法(より好ましくは空冷式爆轟法、特に好ましくは、空冷式であって不活性ガス雰囲気下での爆轟法)によってND粒子を生成し、得られたND粒子にホスホン酸誘導体を反応させる事により製造することができる。
以下に、本発明の表面修飾NDの製造方法の一例を、図2(生成工程S1、精製工程S2、pH調整工程S3、解砕工程S4、遠心分離工程S5、修飾化工程S6、および乾燥工程S7)に従って説明するが、本発明の表面修飾NDは以下の製造方法によって得られるものに限定されない。
(生成工程:S1)
生成工程S1では、空冷式であって不活性ガス雰囲気下での爆轟法によりNDを生成する。まず、成形された爆薬に電気雷管が装着されたものを爆轟用の耐圧性容器の内部に設置し、容器内において大気組成の常圧の気体と使用爆薬とが共存する状態で、容器を密閉する。容器は例えば鉄製で、容器の容積は例えば0.5〜40m3である。爆薬としては、トリニトロトルエン(TNT)とシクロトリメチレントリニトロアミンすなわちヘキソーゲン(RDX)との混合物を使用することができる。TNTとRDXの質量比(TNT/RDX)は、例えば40/60〜60/40の範囲である。
生成工程S1では、次に、電気雷管を起爆させ、容器内で爆薬を爆轟させる。爆轟とは、化学反応に伴う爆発のうち反応の生じる火炎面が音速を超えた高速で移動するものをいう。爆轟の際、使用爆薬が部分的に不完全燃焼を起こして遊離した炭素を原料として、爆発で生じた衝撃波の圧力とエネルギーの作用によってNDが生成する。生成したNDは、隣接する一次粒子ないし結晶子の間がファンデルワールス力の作用に加えて結晶面間クーロン相互作用が寄与して非常に強固に集成し、凝着体を成す。
生成工程S1では、次に、例えば、室温において24時間程度放置することにより放冷し、容器およびその内部を降温させる。この放冷の後、容器の内壁に付着しているND粗生成物(上述のようにして生成したNDの凝着体および煤を含む)をヘラで掻き取る作業を行い、ND粗生成物を回収する。以上のような方法によって、ND粒子の粗生成物を得ることができる。空冷式であって不活性ガス雰囲気下での爆轟法は、平均粒子径が小さく且つ一次粒子表面の官能基量の多いNDを生じさせるうえで好適である。これは、ダイヤモンド結晶子が形成される過程において、原料炭素からのダイヤモンド核の成長が抑制されて、原料炭素の一部が(あるものは酸素等を伴って)表面官能基を形成するためであると考えられる。また、以上のような生成工程S1を必要回数行うことによって、所望量のND粗生成物を取得することが可能である。
(精製工程:S2)
精製工程S2は、原料であるND粗生成物に例えば水溶媒中で強酸を作用させる酸処理を含む。爆轟法で得られるND粗生成物には金属酸化物が含まれやすく、この金属酸化物は、爆轟法に使用される容器等に由来するFe、Co、Ni等の酸化物である。例えば水溶媒中で所定の強酸を作用させることにより、ND粗生成物から金属酸化物を溶解・除去することができる(酸処理)。この酸処理に用いられる強酸としては鉱酸が好ましく、例えば、塩酸、フッ化水素酸、硫酸、硝酸、および王水が挙げられる。酸処理では、一種類の強酸を用いてもよいし、二種類以上の強酸を用いてもよい。酸処理で使用される強酸の濃度は例えば1〜50質量%である。酸処理温度は例えば70〜150℃である。酸処理時間は例えば0.1〜24時間である。また、酸処理は、減圧下、常圧下、または加圧下で行うことが可能である。このような酸処理の後、例えばデカンテーションにより、固形分(ND凝着体を含む)の水洗を行う。沈殿液のpHが例えば2〜3に至るまで、デカンテーションによる当該固形分の水洗を反復して行うのが好ましい。爆轟法で得られるND粗生成物における金属酸化物の含有量が少ない場合には、以上のような酸処理は省略してもよい。
精製工程S2は、酸化剤を用いてND粗生成物(精製終了前のND凝着体)からグラファイトを除去するための酸化処理を含む。爆轟法で得られるND粗生成物にはグラファイト(黒鉛)が含まれるが、このグラファイトは、使用爆薬が部分的に不完全燃焼を起こして遊離した炭素のうちND結晶を形成しなかった炭素に由来する。例えば上記の酸処理を経た後に、水溶媒中で所定の酸化剤を作用させることにより、ND粗生成物からグラファイトを除去することができる(酸化処理)。この酸化処理に用いられる酸化剤としては、例えば、クロム酸、無水クロム酸、二クロム酸、過マンガン酸、過塩素酸、及びこれらの塩が挙げられる。酸化処理では、一種類の酸化剤を用いてもよいし、二種類以上の酸化剤を用いてもよい。酸化処理で使用される酸化剤の濃度は例えば3〜50質量%である。酸化処理における酸化剤の使用量は、酸化処理に付されるND粗生成物100重量部に対して例えば300〜500重量部である。酸化処理温度は例えば100〜200℃である。酸化処理時間は例えば1〜24時間である。酸化処理は、減圧下、常圧下、または加圧下で行うことが可能である。また、酸化処理は、グラファイトの除去効率向上の観点から、鉱酸の共存下で行うのが好ましい。鉱酸としては、例えば、塩酸、フッ化水素酸、硫酸、硝酸、および王水が挙げられる。酸化処理に鉱酸を用いる場合、鉱酸の濃度は例えば5〜80質量%である。このような酸化処理の後、例えばデカンテーションまたは遠心沈降法により、固形分(ND凝着体を含む)の水洗を行う。水洗当初の上清液は着色しているが、この上清液が目視で透明になるまで、当該固形分の水洗を反復して行うのが好ましい。水洗を繰り返すことにより、不純物である電解質(NaCl等)が低減ないし除去される。電解質濃度が低いことは、本方法によって得られるND粒子について高い分散性および高い分散安定性を実現するうえで好適である。
このような酸化処理の後、NDをアルカリ溶液で処理してもよい。当該アルカリ処理により、ND表面の酸性官能基(例えばカルボキシル基)を塩(例えばカルボン酸塩)に変換することが可能である。使用されるアルカリ溶液としては、水酸化ナトリウム水溶液が挙げられる。当該アルカリ処理において、アルカリ溶液濃度は、例えば1〜50質量%であり、処理温度は例えば70〜150℃であり、処理時間は例えば0.1〜24時間である。また、このようなアルカリ処理の後、NDを酸溶液で処理してもよい。当該酸処理を経ることにより、ND表面の酸性官能基の塩を再び遊離の酸性官能基に戻すことが可能である。使用される酸溶液としては、塩酸等が挙げられる。当該酸処理は、室温で行ってもよく、加熱下で行ってもよい。酸化処理後のアルカリ処理や、その後の酸処理を経たNDについては、例えばデカンテーションまたは遠心沈降法により、固形分(ND凝着体を含む)の水洗を行う。
(pH調整工程:S3)
本方法では、次に、pH調整工程S3が行われる。pH調整工程S3は、上述の精製工程S2を経たND凝着体を含有する溶液のpHを後述の解砕工程S4より前に所定のpHに調整するための工程である。本工程では、例えば、精製工程S2を経て取得される沈殿液(ND凝着体を含む)に超純水を加えて懸濁液を得た後、当該懸濁液に酸やアルカリを加える。アルカリとしては、例えば水酸化ナトリウム等を用いることができる。後の解砕工程S4(分散化処理)にND粒子について高い分散性を得る観点や、解砕工程S4を経て生じたND粒子の分散状態を維持する(分散安定化)という観点から、本工程では、当該懸濁液のpHを、例えば8〜12に調整することが好ましく、より好ましくは9〜11である。
(解砕工程:S4)
本方法では、次に、解砕工程S4が行われる。以上のような一連の過程を経て精製された後であっても、爆轟法NDは、一次粒子間が非常に強く相互作用して集成している凝着体(二次粒子)の形態をとりやすい。この凝着体から多くの一次粒子を分離させるため、解砕工程S4が行われるのである。解砕工程S4は、ND凝着体を含有する溶液を解砕処理ないし分散化処理に付すことによってND凝着体(二次粒子)をND一次粒子に解砕ないし分散化するための工程である。
当該解砕処理は、例えば、高剪断ミキサー、ハイシアーミキサー、ホモミキサー、ボールミル、ビーズミル、高圧ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、またはコロイドミルを使用して行うことができる。
(遠心分離工程:S5)
本方法では、次に、遠心分離工程S5が行われる。本工程では、上述の解砕工程S4を経たNDを含有する溶液から、遠心力の作用を利用して粗大粒子を除去する(遠心分離処理)。本工程の遠心分離処理において、遠心力は例えば15000〜25000×gであり、遠心時間は例えば10〜120分である。これにより、ND粒子の分散する黒色透明の上清液(ND水分散液)を得ることができる。得られたND水分散液については、水分量を低減することによってND濃度を高めることができる。この水分量低減は、例えばエバポレーターを使用して行うことができる。以上のようにして、ND水分散液を得ることができる。
(修飾化工程:S6)
本方法では、次に、修飾化工程S6が行われる。修飾化工程S6は、上述のホスホン酸誘導体をND粒子に作用させることによってND粒子を表面修飾するための工程である。
本方法の修飾化工程S6では、まず、後述のND溶液と修飾化剤溶液を、撹拌して混合する撹拌処理が行われる(第1撹拌処理)。
ND溶液:遠心分離工程S5で得られるND水分散液と第1溶媒とを含有する。
修飾化剤溶液:ホスホン酸誘導体と第2溶媒とを含有する。
ND溶液におけるND濃度は、例えば0.01〜5質量%である。ND溶液のための第1溶媒は、ND粒子が溶解性を示し得る溶媒であり、例えば、メタノール、エタノール、ジメチルスルホキシド、グリセリン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、およびN−メチル−2−ピロリドンが挙げられる。
修飾化剤溶液におけるホスホン酸誘導体の濃度は、例えば0.01〜5質量%である。修飾化剤溶液のための第2溶媒は、当該ホスホン酸誘導体が溶解性を示し得る溶媒であり、例えば、トルエン、キシレン、シクロヘプタン、シクロヘキサン、シクロペンタン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、デカヒドロナフタレン、ヘキサン、ヘプタン、パラフィン、ポリアルファオレフィン、ポリオールエステル、ポリアルキレングリコール、および鉱物油が挙げられる。
第1撹拌処理に供される溶液(ND溶液と修飾化剤溶液との混合溶液)において、ND濃度は例えば0.005〜2.5質量%であり、ホスホン酸誘導体濃度は例えば0.005〜2.5質量%であり、NDとホスホン酸誘導体との比率(質量比)は例えば10:1〜1:10である。また、第1撹拌処理において、処理に付される混合溶液の温度は例えば5〜80℃であり、撹拌時間は例えば0.1〜24時間である。
本方法の修飾化工程S6では、次に、蒸留処理が行われる。この蒸留処理では、第1撹拌処理を経た溶液が蒸留処理(好ましくは、減圧蒸留処理)に付され、第1溶媒および水が留去される。この蒸留処理において、蒸留温度は例えば40〜120℃であり、蒸留圧力は例えば1〜760mmHgであり、蒸留時間は例えば0.1〜2時間である。
この後、蒸留処理を経た溶液に対して第1溶媒および第2溶媒が追加されたうえで行われる再度の撹拌処理(第2撹拌処理)からその後に行われる蒸留処理(前記と同様の蒸留処理)までの一連の過程は、必要に応じて繰り返される。繰返し回数は例えば1〜20回である。この繰返し過程での第2撹拌処理前に溶液に追加される第1溶媒の量は、上述の第1撹拌処理に供される混合溶液の調製における第1溶媒使用量の例えば10〜200%である。繰返し過程での第2撹拌処理前に溶液に追加される第2溶媒の量は、上述の第1撹拌処理に供される混合溶液の調製における第2溶媒使用量の例えば10〜200%である。また、繰返し過程の第2撹拌処理において、処理に付される溶液の温度は例えば5〜80℃であり、撹拌時間は例えば0.1〜24時間である。
以上のような修飾化工程S6により、ND粒子に対し、ホスホン酸誘導体由来のホスホン酸イオン又はホスホン酸残基がND粒子の表面に吸着して表面修飾基を形成する。修飾化工程S6を経ることにより、表面修飾NDが前記第2溶媒に分散する溶液(ND分散液)が得られる。
(乾燥工程:S7)
本方法では、次に、乾燥工程S7が行われる。本工程では、例えば、修飾化工程S6を経て得られるND分散液からエバポレーターを使用して液分を蒸発させた後、これによって生じる残留固形分を乾燥用オーブン内での加熱乾燥によって乾燥させる。加熱乾燥温度は、例えば40〜150℃である。このような乾燥工程S7を経ることにより、表面修飾NDの粉体が得られる。
以上のようにして、ホスホン酸誘導体由来のホスホン酸イオン又はホスホン酸残基を表面に伴うND粒子である表面修飾NDを製造することができる。
[ナノダイヤモンド分散液]
本発明のナノダイヤモンド分散液(ND分散液)は、有機溶媒と、前記有機溶媒に分散している上述の表面修飾NDとを含む。前記表面修飾NDは有機溶媒中にて互いに離隔してコロイド粒子として分散していることが好ましい。
前記有機溶媒は、表面修飾NDを分散させるための分散媒であり、例えば、トルエン、キシレン、シクロヘプタン、シクロヘキサン、シクロペンタン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、デカヒドロナフタレン、ヘキサン、ヘプタン、パラフィン、ポリアルファオレフィン、ポリオールエステル、ポリアルキレングリコール、および鉱物油が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
ND分散液中の表面修飾NDの濃度(固形分濃度)は、例えば0.001〜10質量%である。
従って、ND分散液中の分散媒の含有量は、例えば90〜99.999質量%であり、前記分散媒における前記有機溶媒の含有量は、例えば50質量%以上、好ましくは80質量%以上、特に好ましくは90質量%以上である。尚、上限は100質量%である。
また、本発明のND分散液は、上述の表面修飾NDと有機溶媒以外にも他の成分を1種又は2種以上含有していても良いが、他の成分の含有量(2種以上含有する場合はその総量)はND分散液全量の例えば30質量%以下、好ましくは20質量%以下、特に好ましくは10質量%以下、最も好ましくは5質量%以下、とりわけ好ましくは1質量%以下である。尚、下限は0質量%である。従って、上述の表面修飾NDと有機溶媒の合計含有量はND分散液全量の例えば70質量%以上、好ましくは80質量%以上、特に好ましくは90質量%以上、最も好ましくは95質量%以上、とりわけ好ましくは99質量%以上である。
本発明のND分散液は、有機材料に対する親和性とともに高い耐熱性を有する表面修飾NDを含有するため、そのような表面修飾NDの供給材料として好適に使用することができる。
[複合材料]
本発明の複合材料は、樹脂と、前記樹脂に分散している上述の表面修飾NDとを含む。本発明の複合材料は、例えば、樹脂と上述の表面修飾NDとを、前記樹脂のガラス転移温度又は融点以上の温度で加熱して溶融混合することにより調製することができる。
前記樹脂としては、熱可塑性樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂には、結晶性樹脂と非晶性樹脂が含まれる。樹脂は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
前記樹脂としては、特に制限されることがないが、本発明の複合材料は上記の通り耐熱性に優れた表面修飾NDを含有するため、成形温度が高い樹脂にも、表面修飾NDの分散性及び有機材料に対する親和性を喪失することなく、溶融混合することができる。
前記成形温度が高い樹脂(成形温度は、例えば250℃以上、好ましくは250〜400℃、特に好ましくは250〜350℃)としては、ガラス転移温度が高い非晶性樹脂(ガラス転移温度は、例えば150℃以上、好ましくは150〜350℃)、及び融点が高い結晶性樹脂(融点は、例えば150℃以上、好ましくは200℃以上、特に好ましくは200〜350℃)が挙げられる。
前記成形温度が高い樹脂には、例えば、プラスチック、エンジニアリングプラスチック、スーパーエンジニアリングプラスチック等が含まれる。
前記プラスチックとしては、例えば、メチルペンテンポリマー、シクロオレフィンポリマー等のポリオレフィン等が挙げられる。
前記エンジニアリングプラスチックとしては、例えば、ポリカーボネート(PC)、変性ポリフェニレンエーテル(mPPE)等の非晶性樹脂;ポリアミド6(PA6)、ポリアミド66(PA66)、ポリアセタール(POM)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の結晶性樹脂が挙げられる。
前記スーパーエンジニアリングプラスチックとしては、例えば、ポリアリレート(PAR)、ポリスルホン(PSU)、ポリフェニルスルホン(PPSU)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(PEI)等の非晶性樹脂;ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、液晶ポリマー(LCP)、ポリイミド(PI)、フッ素樹脂(PFA、EPA)等の結晶性樹脂が挙げられる。
表面修飾NDの含有量は用途に応じて適宜調整することができ、表面修飾NDの含有量は、樹脂に対して、例えば10〜0.0001質量%程度、好ましくは1〜0.001質量%である。
本発明の複合材料は、樹脂と表面修飾ND以外にも、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて種々の添加剤を含有することができる。前記添加剤としては、例えば、難燃剤、安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、導電性付与剤、滑剤、充填剤、分散剤、離型剤、発泡剤、着色剤、各種無機物(シリカ、金属微粒子など)、フィラー(ナノ炭素材料など)等を挙げることができる。これらの含有量(2種以上含有する場合はその総量)は、複合材料全量の例えば30質量%以下、好ましくは20質量%以下、特に好ましくは10質量%以下、最も好ましくは5質量%以下である。
本発明の複合材料は、250℃を超える温度で樹脂と溶融混合しても、分散性及び有機材料に対する親和性を発揮することができる上述の表面修飾NDを使用するため、ND(表面修飾NDを含む)を高分散状態で均一に含有することができ、透明な樹脂を使用する場合は、得られる複合材料においても前記樹脂の透明性は損なわれることなく維持される。
本発明の複合材料中の表面修飾NDの平均粒子径(D50、メディアン径)は、例えば2000nm以下であり、好ましくは500nm以下、より好ましくは200nm以下、より好ましくは50nm以下である。ND粒子の平均粒子径の下限は、例えば1nmである。表面修飾NDの平均粒子径は、電子顕微鏡(SEM、TEM)を用いて十分な数(例えば、100個以上、好ましくは300個以上;特に、100個、300個等)の表面修飾NDについて電子顕微鏡像を撮影し、これらの表面修飾NDの粒子径を計測し、算術平均することにより求められる。
本発明の複合材料は、ナノダイヤモンドが有する高い機械的強度や、高い屈折率、高い熱伝導度、耐熱性付与が求められる用途、例えば、機能性ハイブリッド材料、熱的機能材料(耐熱・蓄熱・熱電導・断熱材など)、フォトニクス材料(EL、LED、液晶、光ディスクなど)、バイオ・生体適合性材料、触媒、コーティング材料、塗料、インキ、めっき材料、研磨材、フィルム(例えば、タッチパネル、各種ディスプレイ等のハードコートフィルム、遮熱フィルム)、シート、スクリーン(例えば、透過型透明スクリーン)、フィラー(例えば、放熱用・機械特性向上用フィラー)、熱安定剤、耐熱性プラスチック基板材料(フレキシブルディスプレイ向け)等に好適に使用することができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。尚、実施例及び比較例における各値は以下の方法で測定した。
〈固形分濃度〉
ND水分散液における固形分濃度は、秤量した水分散液3〜5gの当該秤量値と、当該秤量分散液から加熱によって水分を蒸発させた後に残留する乾燥物(粉体)について精密天秤によって秤量した秤量値とに基づき、算出した。
〈メディアン径〉
ND水分散液に含まれるND粒子に関する上記のメディアン径(粒径D50)は、スペクトリス社製の装置(商品名「ゼータサイザー ナノZS」)を使用して、動的光散乱法(非接触後方散乱法)によって測定した値である。測定に供されたND水分散液は、ND濃度が0.2〜2.0質量%となるように超純水で希釈した後に、超音波洗浄機による超音波照射を経たものである。
〈ゼータ電位〉
ND水分散液に含まれるND粒子に関する上記のゼータ電位は、スペクトリス社製の装置(商品名「ゼータサイザー ナノZS」)を使用して、レーザードップラー式電気泳動法によって測定した値である。測定に供されたND水分散液は、超純水を使用してND濃度を0.2質量%に希釈した後、超音波洗浄機を用いて超音波照射を行ったものである。また、測定に供されたND水分散液のpHは、pH試験紙(商品名「スリーバンドpH試験紙」、アズワン(株)製)を使用して確認した値である。
〈熱分解開始温度〉
表面修飾NDの熱分解開始温度は、示差熱熱重量同時測定装置(商品名「TG/DTA6300」、(株)日立ハイテクサイエンス製)を使用して、空気雰囲気下かつ昇温速度10℃/分の条件で行った。
〔実施例1〕
以下のような生成工程、精製工程、pH調整工程、解砕工程、遠心分離工程、修飾化工程、および乾燥工程を経て、表面修飾NDを作製した。
生成工程では、まず、成形された爆薬に電気雷管が装着されたものを爆轟用の耐圧性容器の内部に設置して容器を密閉した。容器は鉄製で、容器の容積は15m3である。爆薬としては、トリニトロトルエン(TNT)とシクロトリメチレントリニトロアミンすなわちヘキソーゲン(RDX)との混合物0.50kgを使用した。当該爆薬におけるTNTとRDXの質量比(TNT/RDX)は、50/50である。次に、電気雷管を起爆させ、容器内で爆薬を爆轟させた。次に、室温での24時間の放置により、容器およびその内部を降温させた。この放冷の後、容器の内壁に付着しているND粗生成物(上記爆轟法で生成したND粒子の凝着体と煤を含む)をヘラで掻き取る作業を行い、ND粗生成物を回収した。ND粗生成物の回収量は0.025kgであった。
上述のような生成工程を複数回行うことによって取得されたND粗生成物に対し、次に、精製工程の酸処理を行った。具体的には、当該ND粗生成物200gに6Lの10質量%塩酸を加えて得られたスラリーに対し、常圧条件での還流下で1時間の加熱処理を行った。この酸処理における加熱温度は85〜100℃である。次に、冷却後、デカンテーションにより、固形分(ND凝着体と煤を含む)の水洗を行った。沈殿液のpHが低pH側から2に至るまで、デカンテーションによる当該固形分の水洗を反復して行った。
次に、精製工程の酸化処理を行った。具体的には、まず、デカンテーション後の沈殿液に、5Lの60質量%硫酸水溶液と2Lの60質量%クロム酸水溶液とを加えてスラリーとした後、このスラリーに対し、常圧条件での還流下で5時間の加熱処理を行った。この酸化処理における加熱温度は120〜140℃である。次に、冷却後、デカンテーションにより、固形分(ND凝着体を含む)の水洗を行った。水洗当初の上清液は着色しているところ、上清液が目視で透明になるまで、デカンテーションによる当該固形分の水洗を反復して行った。
次に、当該反復過程における最後のデカンテーションによって得られた沈殿液に対し、10質量%水酸化ナトリウム水溶液を1L加えた後、常圧条件での還流下で1時間の加熱処理を行った。この処理における加熱温度は70〜150℃である。次に、冷却後、デカンテーションによって沈殿液を得て、当該沈殿液について20質量%塩酸を加えることによってpHを2.5に調整した。この後、当該沈殿液中の固形分について、遠心沈降法により水洗を行った。
次に、pH調整工程を行った。具体的には、遠心沈降法による上記の水洗を経て取得された沈殿物に超純水を加えて固形分濃度7質量%の懸濁液を調製した後、水酸化ナトリウムの添加によって当該懸濁液のpHを10に調整した。このようにして、pHの調整されたスラリーを得た。
次に、解砕工程を行った。具体的には、粉砕装置ないし分散機たるビーズミル(商品名「ウルトラアペックスミルUAM−015」、寿工業(株)製)を使用して、前工程でpH調整して得たスラリー300mLを解砕処理に付した。本処理では、解砕メディアとしてジルコニアビーズ(直径0.03mm)を使用し、ミル容器内に充填されるビーズの量はミル容器の容積に対して60%とし、ミル容器内で回転するローターピンの周速は10m/sとした。また、装置を循環させるスラリーの流速を10L/hとして90分間の解砕処理を行った。
次に、遠心分離工程を行った。具体的には、上述の解砕工程を経たNDを含有する溶液から、遠心力の作用を利用した分球操作によって粗大粒子を除去した(遠心分離処理)。本工程の遠心分離処理において、遠心力は20000×gとし、遠心時間は10分とした。これにより、黒色透明のND水分散液を得た。
遠心分離工程で得られたND水分散液について、pH試験紙(商品名「スリーバンドpH試験紙」、アズワン(株)製)を使用してpHを確認したところ、9であった。本分散液のND固形分濃度は6質量%であった。本分散液に含まれるND粒子の粒径を動的光散乱法によって測定した結果、メディアン径(粒径D50)は5.4nmであった。本分散液の一部についてND濃度0.2質量%への超純水による希釈を行った後に当該分散液中のND粒子のゼータ電位を測定したところ、−48mV(25℃,pH9)であった。
次に、修飾化工程を行った。具体的には、まず、ND溶液および修飾化剤溶液をそれぞれ調製した。ND溶液は、遠心分離工程後に濃縮してND濃度を5質量%としたND水分散液1mL(ND含有量50mg)とメタノール20mLとを混合して調製したものである。修飾化剤溶液は、オクタデシルホスホン酸(東京化成工業(株)製)50mgをトルエン20mLに溶解させて調製したものである。次に、これらND溶液および修飾化剤溶液を混合した溶液について、マグネティックスターラーを使用して100mLナスフラスコ中で撹拌した(第1撹拌処理)。この撹拌処理において、処理に付される溶液の温度は23℃とし、撹拌時間は4時間とした。次に、撹拌処理を経た溶液について、ロータリーエバポレーターを使用した蒸留処理を行い、20mLになるまで溶媒を留去した。この蒸留処理において、処理に付される溶液の温度は50℃とし、蒸留圧力は230mmHgとし、蒸留時間は約10分間である。次に、撹拌処理を経た溶液にメタノール20mLおよびトルエン10mLを加えた後、当該溶液について、マグネティックスターラーを使用して100mLナスフラスコ中で撹拌した(第2撹拌処理)。この撹拌処理において、処理に付される溶液の温度は23℃とし、撹拌時間は4時間とした。次に、第2撹拌処理を経た溶液について、第1撹拌処理後の蒸留処理と同様の蒸留処理を行い、20mLになるまで溶媒を留去した。そして、メタノール20mLおよびトルエン10mLを追加したうえで行う第2撹拌処理からその後の蒸留処理までの一連の過程を、合計20回繰り返した。以上のような修飾化工程により、オクタデシルホスホン酸で表面修飾のなされたND粒子(=表面修飾ND)の分散するトルエン溶液(20mL、表面修飾ND含有量:0.5質量%)が得られた。
次に、乾燥工程を行った。具体的には、修飾化工程で得られたND分散トルエン溶液からエバポレーターを使用して液分を蒸発させた後、これによって生じた残留固形分を乾燥用オーブン内での加熱乾燥によって乾燥させた。加熱乾燥温度は120℃とした。
以上のようにして、オクタデシルホスホン酸で粒子表面が修飾された表面修飾ND(1)(粉体)を得た。この表面修飾ND(1)について、示差熱熱重量同時測定(TG-DTA)によって5%重量減少率を示す熱分解開始温度を求めたところ、350℃であった。
〔実施例2〕
実施例1で得られた表面修飾ND(1)0.015g(樹脂に対して0.05質量%となるように)とメチルペンテンポリマー(三井化学(株)製、製品名「TPX」、グレード名RT18、融点:230℃)30gを260℃に昇温した溶融混練機((株)東洋精機製作所製、ラボプラストミル)中で5分間混練して、メチルペンテンポリマーと表面修飾ND(1)の複合材料を得た。
得られた複合材料の断面をTEM写真で観察したところ、ナノダイヤモンド粒子の一次粒子や、一次粒子が十数個ほど凝集した二次粒子が混在した状態で分散しており、平均粒子径は、数nm〜数十nm程度であった(図3参照)。すなわち、表面修飾ND(1)が高度に分散していた。そのため、メチルペンテンポリマーの透明性が維持されていた。
得られた複合材料を示差熱熱重量同時測定(TG-DTA)によって5%重量減少率を示す熱分解開始温度を求めたところ、399℃であった。
更に、得られた複合材料を5cm四方、厚み500μmの型枠を使用して280℃に昇温したミニテストプレス機((株)東洋精機製作所製、MP−2FH)に供し、圧力5MPaで、5分間プレスを行った後、水で急冷した。得られたプレス片を7号ダンベル型に切り出し、引っ張り試験を行った。弾性率は1950MPa、降伏点応力は34MPaであった。
〔比較例1〕
修飾化工程において、オクタデシルホスホン酸50mgをトルエン20mLに溶解させて調製した修飾化剤溶液に代えて、ステアリン酸(関東化学製)50mgをトルエン20mLに溶解させて調製した修飾化剤溶液を使用した以外は実施例1と同様にして、ステアリン酸で粒子表面が修飾された表面修飾ND(2)(粉体)を得た。得られた表面修飾ND(2)について、示差熱熱重量同時測定(TG-DTA)によって5%重量減少率を示す熱分解開始温度を求めたところ、155℃であった。
〔比較例2〕
表面修飾ND(1)に代えて、表面修飾ND(2)を使用した以外は実施例2と同様にメチルペンテンポリマーと溶融混練を行ったところ、表面修飾ND(2)は溶融混練温度(260℃)に耐えられず分散性が失われた。その結果、得られた複合材料中において、ND粒子は凝集し、黒い塊となって偏在していた。黒い塊の大きさは、目視で確認したところ、0.1mm〜1mm程度であった。
〔参考例〕
メチルペンテンポリマー(三井化学(株)製、製品名「TPX」、グレード名RT18、融点:230℃)単体の5%重量減少率を示す熱分解開始温度は369℃であった。
また、前記メチルペンテンポリマー単体を5cm四方、厚み500μmの型枠を使用して280℃に昇温したミニテストプレス機((株)東洋精機製作所製、MP−2FH)に供し、圧力5MPaで、5分間プレスを行った後、水で急冷した。得られたプレス片を7号ダンベル型に切り出し、引っ張り試験を行った。弾性率は1930MPa、降伏点応力は29MPaであった。
〔評価〕
ホスホン酸誘導体(具体的には、オクタデシルホスホン酸イオン)で表面修飾した表面修飾ND(1)は、カルボン酸(具体的には、ステアリン酸)で表面修飾した表面修飾ND(2)よりも、高い熱分解開始温度を示した。したがって、表面修飾ND(1)は、表面修飾ND(2)よりも、耐熱性が高いと評価できる。これは、カルボン酸よりもホスホン酸誘導体の方が、ND粒子の表面官能基と強く相互作用する表面修飾基を形成することができることを示唆している。
また、前記のように高い耐熱性を有する表面修飾ND(1)は、成型温度が高い樹脂との溶融混練が可能である。表面修飾ND(1)について、メチルペンテンポリマー(融点:230℃)と溶融混練を行ったところ、透明性を維持できるほど樹脂中に高度に分散することができた。また、表面修飾ND(1)を樹脂中に分散することで樹脂の分解温度や耐熱性が向上した。さらに、機械特性面では降伏点応力が向上した。一方、表面修飾ND(2)は成型温度において表面修飾基が分解してND表面から失われたため、樹脂中での分散安定性を喪失し、得られた複合材料中においてND粒子は目に見えるほどの大きさに凝集し、偏在していた。
1 表面修飾ナノダイヤモンド
2 ナノダイヤモンド粒子
3 ホスホン酸イオン又はホスホン酸残基

Claims (7)

  1. ナノダイヤモンド粒子と、前記ナノダイヤモンド粒子を表面修飾しているホスホン酸イオン又はホスホン酸残基とを含む、表面修飾ナノダイヤモンド。
  2. ホスホン酸イオンが、下記式(1)で表されるホスホン酸イオンであり、ホスホン酸残基が、下記式(2)で表されるホスホン酸残基である、請求項1に記載の表面修飾ナノダイヤモンド。
    (式中、R1は置換基としてハロゲン原子、アルコキシ基、水酸基、及びホスホリル基からなる群より選択される基を有していてもよい、炭素数7〜100の炭化水素基を示す。式(2)中のリン原子と一次結合で結合する2つの酸素原子から出る結合手がナノダイヤモンド粒子の表面官能基と結合する)
  3. 熱分解開始温度が300℃以上である、請求項1又は2に記載の表面修飾ナノダイヤモンド。
  4. 前記ナノダイヤモンド粒子が爆轟法ナノダイヤモンド粒子である、請求項1〜3の何れか1項に記載の表面修飾ナノダイヤモンド。
  5. 有機溶媒と、前記有機溶媒に分散している、請求項1〜4の何れか1項に記載の表面修飾ナノダイヤモンドとを含む、ナノダイヤモンド分散液。
  6. 樹脂と、前記樹脂に分散している、請求項1〜4の何れか1項に記載の表面修飾ナノダイヤモンドとを含む、複合材料。
  7. 樹脂が、ガラス転移温度又は融点が150℃以上の熱可塑性樹脂である、請求項6に記載の複合材料。
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