JP6802967B2 - 表面修飾ナノダイヤモンドおよびナノダイヤモンド分散液 - Google Patents

表面修飾ナノダイヤモンドおよびナノダイヤモンド分散液 Download PDF

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本発明は、表面修飾を伴うナノダイヤモンド、および、ナノダイヤモンドの分散する溶液に関する。
近年、ナノダイヤモンドと呼称される微粒子状のダイヤモンド材料の開発が進められている。ナノダイヤモンドについては、用途によっては、粒径が10nm以下のいわゆる一桁ナノダイヤモンドが求められる場合がある。そのようなナノダイヤモンドの製造に関する技術については、例えば下記の特許文献1および特許文献2に記載されている。
特開2005−001983号公報 特開2010−126669号公報
ナノダイヤモンドは、バルクダイヤモンドがそうであるように高い機械的強度や、高い屈折率、高い熱伝導度などを示し得る。微粒子たるナノ粒子は、一般に、表面原子(配位的に不飽和である)の割合が大きいので、隣接粒子の表面原子間で作用し得るファンデルワールス力の総和が大きくて凝集(aggregation)しやすい。これに加えて、ナノダイヤモンド粒子の場合、隣接結晶子の結晶面間クーロン相互作用が寄与して非常に強固に集成する凝着(agglutination)という現象が生じ得る。ナノダイヤモンド粒子は、このように結晶子ないし一次粒子の間が重畳的に相互作用し得る特異な性質を有するところ、従来の技術においては、ナノダイヤモンドの一次粒子が溶媒中や樹脂材料中で分散した状態を創り出すことには、技術的困難を伴う。従来のナノダイヤモンド一次粒子におけるこのような分散性の低さは、ナノダイヤモンド粒子を含有する複合材料の設計上の自由度が低いことの要因であり、特に、有機材料とナノダイヤモンドとを複合化させるうえで障害となる場合がある。
本発明者らの知見によると、ステアリン酸で表面修飾されたナノダイヤモンド一次粒子は、表面修飾を伴わないナノダイヤモンド一次粒子よりも、樹脂材料中で分散しやすい傾向にある。ステアリン酸で表面修飾されたナノダイヤモンド一次粒子とは、ナノダイヤモンド一次粒子の表面に存在し且つプロトン化された水酸基とステアリン酸イオン(アニオン)との間の相互作用によって当該ステアリン酸イオンを表面に伴うナノダイヤモンドの一次粒子である。
しかしながら、ステアリン酸で表面修飾されたナノダイヤモンド一次粒子の粉体では、ナノダイヤモンドとステアリン酸イオンとの間の結合が155℃程度で熱分解する。樹脂材料に対してナノダイヤモンド粒子を充分に分散させるためには、樹脂材料が溶融した状態での混練が必要であるところ、ステアリン酸修飾のナノダイヤモンド粒子に熱分解を生じさせない程度の低温で溶融混練することが可能な樹脂材料の種類は、実用上、相当程度に限られる。
本発明は、以上のような事情のもとで考え出されたものであり、有機材料に対する親和性とともに高い耐熱性を実現するのに適した表面修飾ナノダイヤモンドを提供すること、および、そのようなナノダイヤモンドを含有する分散液を提供することを、目的とする。
本発明の第1の側面によると、表面修飾ナノダイヤモンドが提供される。この表面修飾ナノダイヤモンドは、ナノダイヤモンド粒子と、当該ナノダイヤモンド粒子を表面修飾している、カチオン界面活性剤のカチオンとを含む。カチオン界面活性剤とは、親水基および疎水基を併有する界面活性剤において、親水基にて電離を生じてカチオンとなり得る界面活性剤である。カチオン界面活性剤のカチオンとは、このような界面活性剤に由来するカチオンであって、正電荷を帯びた親水基と疎水基とを併有する。本表面修飾ナノダイヤモンドにおいては、カチオン界面活性剤由来のこのようなカチオンが、ナノダイヤモンド粒子を表面修飾しているのである。
ナノダイヤモンド一次粒子については、上述の結晶面間クーロン相互作用の原因となる所定の電荷分布を表面に伴うと考えられている。例えば、ナノダイヤモンド結晶子の一部の{111}面が負に帯電する安定な電荷分布について、モデル計算上の報告がある。本発明の第1の側面に係る表面修飾ナノダイヤモンドでは、電荷分布を伴って親水的なナノダイヤモンド粒子に対し、カチオン界面活性剤のカチオンは、その疎水基よりもそのカチオン性の親水基をナノダイヤモンド粒子に近接させる態様で、配向吸着して表面修飾をなす。カチオン界面活性剤のカチオンにおける疎水基は、表面修飾ナノダイヤモンドにおいてその周囲との界面の側に位置する。このような態様での表面修飾を伴うナノダイヤモンド粒子は、表面修飾を伴わないナノダイヤモンド粒子よりも、有機材料に対する親和性が高い。
また、本表面修飾ナノダイヤモンドでは、そのナノダイヤモンド粒子表面に点在しているアニオン性官能基のアニオンとカチオン界面活性剤のカチオンとの間の静電相互作用が、当該粒子表面に対する前記カチオンの配向吸着に寄与しているものと考えられる。ナノダイヤモンド粒子表面のアニオン性官能基としては、例えばカルボキシ基が挙げられる。加えて、ナノダイヤモンド結晶子の{111}面における上述の負の帯電領域とカチオン界面活性剤のカチオンとの間の静電相互作用も、当該粒子表面に対する前記カチオンの配向吸着に寄与し得るものと考えられる。ナノダイヤモンド粒子表面に対するカチオン界面活性剤のカチオンの配向吸着が、これら静電相互作用の重畳的寄与によって実現される構成は、ナノダイヤモンド粒子とカチオン界面活性剤のカチオンとの間の結合に関し、高い熱分解開始温度を実現するのに適する。例えば、当該構成は、ナノダイヤモンド粒子とカチオン界面活性剤のカチオンとの間の結合に関し、ステアリン酸修飾ナノダイヤモンド粒子の上述の熱分解の開始温度よりも高い熱分解開始温度を実現するうえで、好適である。本発明の第1の側面に係る表面修飾ナノダイヤモンドの熱分解開始温度は、例えば170℃以上である。熱分解開始温度は、例えば、空気雰囲気下かつ昇温速度10℃/分の条件で粉体たる試料に対して行う示差熱熱重量同時測定(TG-DTA)に基づいて求めることができる。
以上のように、本発明の第1の側面に係る表面修飾ナノダイヤモンドは、有機材料に対する親和性とともに、高い熱分解開始温度すなわち高い耐熱性を実現するのに適する。このようなナノダイヤモンド材料は、樹脂材料や有機溶剤とともにナノダイヤモンド粒子を含有する複合材料の設計において高い自由度を実現するうえで、好適である。
本発明の第1の側面において、好ましくは、ナノダイヤモンド粒子は爆轟法ナノダイヤモンド粒子(爆轟法によって生成したナノダイヤモンド粒子)である。爆轟法によって生成するナノダイヤモンドの一次粒子の粒径は一桁ナノメートルであるところ、このような構成は、ナノダイヤモンド粒径の小さなナノダイヤモンド含有複合材料を、本表面修飾ナノダイヤモンドを用いて作製するうえで、好適である。
本発明の第1の側面において、カチオン界面活性剤のカチオンは、好ましくは、第4級アンモニウムカチオンおよび/または第4級ホスホニウムカチオンである。このような構成は、本表面修飾ナノダイヤモンドにおいて、有機材料に対する親和性とともに例えば170℃以上の高い耐熱性を実現するうえで好適である。
本発明の第1の側面において、カチオン界面活性剤のカチオンの炭素数は、好ましくは10〜100である。このような構成は、本表面修飾ナノダイヤモンドにおいて、有機材料に対する高い親和性を実現するうえで好適である。
本発明の第1の側面において、好ましくは、ナノダイヤモンド粒子のpH9におけるゼータ電位はネガティブである。このような構成は、本表面修飾ナノダイヤモンドにおいて、カチオン界面活性剤のカチオンとナノダイヤモンド粒子との間において強い静電相互作用を実現するうえで好適であり、ひいては高い耐熱性を実現するうえで好適である。ナノダイヤモンド粒子のゼータ電位とは、ナノダイヤモンド濃度が0.2質量%で25℃のナノダイヤモンド水分散液におけるナノダイヤモンド粒子について測定される値とする。ナノダイヤモンド濃度0.2質量%のナノダイヤモンド水分散液の調製のためにナノダイヤモンド水分散液の原液を希釈する必要がある場合には、希釈液として超純水を用いるものとする。
本発明の第2の側面によると、ナノダイヤモンド分散液が提供される。このナノダイヤモンド分散液は、有機溶媒と、本発明の第1の側面に関して上述した構成を有して当該有機溶媒に分散している表面修飾ナノダイヤモンドとを含む。
このような構成のナノダイヤモンド分散液は、有機材料に対する親和性とともに高い耐熱性を実現するのに適する表面修飾ナノダイヤモンドを含有するところ、そのような表面修飾ナノダイヤモンドの供給材料として使用することが可能である。
本発明の一の実施形態に係る表面修飾ナノダイヤモンドの拡大模式図である。 本発明の一の実施形態に係るナノダイヤモンド分散液の拡大模式図である。 表面修飾ナノダイヤモンドの製造方法の一例の工程図である。
図1は、本発明の一の実施形態に係る表面修飾ナノダイヤモンドたるナノダイヤモンドXの拡大模式図である。ナノダイヤモンドXは、ナノダイヤモンド粒子であるND粒子11、および、表面修飾カチオン12を含む。
ND粒子11は、本実施形態では、その集合体の粒径D50(メディアン径)が10nm以下のナノダイヤモンド一次粒子である。ND粒子11の粒径D50は、好ましくは9nm以下、より好ましくは8nm以下、より好ましくは7nm以下である。ND粒子11の粒径が小さいほど、粒径の小さなナノダイヤモンドXを得やすい。一方、ND粒子11の粒径D50の下限は、例えば1nmである。ND粒子11の粒径D50は、動的光散乱法によって測定することができる。
ND粒子11は、例えば、爆轟法によって生成したナノダイヤモンド粒子、即ち、爆轟法ナノダイヤモンド粒子である。ナノダイヤモンド製造技術たる爆轟法によると、一次粒子の粒径が一桁ナノメートルであるナノダイヤモンドが生成し得る。爆轟法としては、空冷式爆轟法と水冷式爆轟法とが知られているところ、ND粒子11は、好ましくは空冷式爆轟法ナノダイヤモンド粒子である。空冷式爆轟法ナノダイヤモンド粒子は、水冷式爆轟法ナノダイヤモンド粒子よりも、一次粒子が小さい傾向にある。また、ND粒子11は、より好ましくは、空冷式であって有意量の酸素の共存する条件下での爆轟法によって生成したナノダイヤモンド粒子、即ち、空冷式酸素共存下爆轟法ナノダイヤモンド粒子である。空冷式酸素共存下爆轟法は、粒径が小さく且つ一次粒子表面の官能基量の多いナノダイヤモンドを生じさせるうえで好適である。空冷式酸素共存下爆轟法ナノダイヤモンド粒子の表面官能基としては、例えば、カルボキシ基や水酸基が挙げられる。
ND粒子11について、pH9におけるそのゼータ電位は好ましくはネガティブである。このような構成は、ND粒子11と、正電荷を帯びた親水基を有する後述の表面修飾カチオン12との間において、強い静電相互作用を実現するうえで好適である。ND粒子11と表面修飾カチオン12との間の強い静電相互作用は、後述の高い熱分解開始温度の実現に資する。ND粒子11のゼータ電位とは、ナノダイヤモンド濃度が0.2質量%で25℃のナノダイヤモンド水分散液におけるND粒子11について測定される値とする。ナノダイヤモンド濃度0.2質量%のナノダイヤモンド水分散液の調製のためにナノダイヤモンド水分散液の原液を希釈する必要がある場合には、希釈液として超純水を用いるものとする。
表面修飾カチオン12は、カチオン界面活性剤のカチオンであって、ND粒子11の親水的な表面性状を改質している修飾要素である。カチオン界面活性剤とは、親水基および疎水基を併有する界面活性剤において、親水基にて電離を生じてカチオンとなり得る界面活性剤である。カチオン界面活性剤のカチオンとは、このような界面活性剤に由来するカチオンであって、正電荷を帯びた親水基と疎水基とを併有する。ナノダイヤモンドXにおいては、カチオン界面活性剤由来のこのようなカチオン(表面修飾カチオン12)が親水的なND粒子11を表面修飾し、これによって有機材料に対する親和性が実現されている。
ナノダイヤモンドXにおける表面修飾カチオン12(カチオン界面活性剤のカチオン)は、例えば、第4級アンモニウムカチオンおよび/または第4級ホスホニウムカチオンを含む。表面修飾カチオン12として、一種類のカチオンを用いてもよいし、二種類以上のカチオンを用いてもよい。また、ナノダイヤモンドXにおいて有機材料に対する高い親和性を実現するという観点からは、表面修飾カチオン12の炭素数は10〜100であるのが好ましい。
第4級アンモニウムカチオンとしては、例えば、ジメチルジステアリルアンモニウムカチオン、ジメチルジパルミチルアンモニウムカチオン、テトラブチルアンモニウムカチオン、ステアリルトリメチルアンモニウムカチオン、ベヘニルトリメチルアンモニウムカチオン、テトラデシルトリメチルアンモニウムカチオン、テトラデシルジメチルベンジルアンモニウムカチオン、トリオクチルメチルアンモニウムカチオン、ドデシルトリメチルアンモニウムカチオン、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムカチオン、ヘプタデシルトリメチルアンモニウムカチオン、ベンゼトニウムカチオン、ベンジルドデシルジメチルアンモニウムカチオン、およびベンジルジメチルテトラデシルアンモニウムカチオンが挙げられる。これらは、界面活性剤として利用可能な第4級アンモニウム化合物に由来するカチオンである。
第4級ホスホニウムカチオンとしては、例えば、トリブチルヘキサデシルホスホニウムカチオン、ドデシルトリフェニルホスホニウムカチオン、メチルトリフェニルホスホニウムカチオン、ラウリルトリメチルホスホニウムカチオン、ステアリルトリメチルホスホニウムカチオン、トリオクチルメチルホスホニウムカチオン、ジステアリルジメチルホスホニウムカチオン、ジステアリルジベンジルホスホニウムカチオン、テトラブチルホスホニウムカチオン、オクチルトリフェニルホスホニウムカチオン、オクタデシルトリフェニルホスホニウムカチオン、およびトリフェニルドデシルホスホニウムカチオンが挙げられる。これらは、界面活性剤として利用可能な第4級ホスホニウム化合物に由来するカチオンである。
上述のND粒子11および上述の表面修飾カチオン12を含むナノダイヤモンドXについての粒径D50(メディアン径)は、本実施形態では50nm以下であり、好ましくは40nm以下、より好ましくは30nm以下、より好ましくは15nm以下である。例えば、ナノダイヤモンドを含有する透明樹脂部材の形成のために透明樹脂材料と複合化されるナノダイヤモンド材料としてナノダイヤモンドXを用いる場合、ナノダイヤモンドXの粒径が小さいほど、当該透明部材において高い透明性を実現しやすい。一方、ナノダイヤモンドXの粒径D50の下限は、例えば3nmである。ナノダイヤモンドXの粒径D50は、動的光散乱法によって測定することができる。
以上のような構成を具備するナノダイヤモンドXは、有機材料に対する親和性とともに、高い熱分解開始温度すなわち高い耐熱性を実現するのに適する。その理由は次の通りである。
ナノダイヤモンドの一次粒子間には、結晶面間クーロン相互作用が生ずるところ、ナノダイヤモンド一次粒子については、結晶面間クーロン相互作用の原因となる所定の電荷分布を表面に伴うと考えられている。例えば、ナノダイヤモンド結晶子の一部の{111}面が負に帯電する安定な電荷分布について、モデル計算上の報告がある。上述のナノダイヤモンドXでは、電荷分布を伴って親水的なナノダイヤモンド粒子たるND粒子11に対し、表面修飾カチオン12は、その疎水基よりもそのカチオン性の親水基をND粒子11に近接させる態様で、配向吸着して表面修飾をなす。表面修飾カチオン12の疎水基は、ナノダイヤモンドX(表面修飾ナノダイヤモンド)においてその周囲との界面の側に位置する。このような態様での表面修飾を伴うナノダイヤモンドXは、表面修飾を伴わないナノダイヤモンドよりも、有機材料に対する親和性が高い。
また、ナノダイヤモンドXでは、ND粒子11の表面に点在しているアニオン性官能基のアニオンと表面修飾カチオン12との間の静電相互作用が、ND粒子11の表面に対する表面修飾カチオン12の配向吸着に寄与しているものと考えられる。ND粒子11の表面のアニオン性官能基としては、例えばカルボキシ基が挙げられる。加えて、ND粒子11の{111}面における負の帯電領域と表面修飾カチオン12との間の静電相互作用も、ND粒子11の表面に対する表面修飾カチオン12の配向吸着に寄与し得るものと考えられる。ND粒子11の表面に対する表面修飾カチオン12の配向吸着が、これら静電相互作用の重畳的寄与によって実現されるという構成は、ND粒子11と表面修飾カチオン12との間の結合に関し、高い熱分解開始温度を実現するうえで好適である。例えば、当該構成は、ND粒子11と表面修飾カチオン12との間の結合に関し、ステアリン酸修飾ナノダイヤモンド粒子の熱分解開始温度155℃よりも高い熱分解開始温度を実現するうえで、好適である。ND粒子11と表面修飾カチオン12との間の熱分解の開始温度は、例えば170℃以上であり、好ましくは180℃以上、より好ましくは200℃以上、より好ましくは230℃以上、より好ましくは270℃以上である。本実施形態では、熱分解開始温度とは、空気雰囲気下かつ昇温速度10℃/分の条件で粉体たる試料に対して行う示差熱熱重量同時測定(TG-DTA)に基づいて求められる、ナノダイヤモンド粒子と表面修飾要素との間の熱分解に帰属される温度である。
以上のように、ナノダイヤモンドXは、有機材料に対する親和性とともに高い熱分解開始温度すなわち高い耐熱性を、実現するのに適するのである。このようなナノダイヤモンド材料は、樹脂材料や有機溶剤とともにナノダイヤモンド粒子を含有する複合材料の設計において、高い自由度を実現するうえで好適である。
図2は、本発明の一の実施形態に係るナノダイヤモンド分散液たるND分散液Yの拡大模式図である。ND分散液Yは、分散媒21および上述のナノダイヤモンドXを含む。図2では、ナノダイヤモンドXを球形で表す。
分散媒21は、ナノダイヤモンドXを分散させるための有機系分散媒であって、50質量%を超える有機溶媒を含む。分散媒21に含まれる有機溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、シクロヘプタン、シクロヘキサン、シクロペンタン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、デカヒドロナフタレン、ヘキサン、ヘプタン、パラフィン、ポリアルファオレフィン、ポリオールエステル、ポリアルキレングリコール、および鉱物油が挙げられる。分散媒21中の有機溶媒として、一種類の溶媒を用いてもよいし、二種類以上の溶媒を用いてもよい。
ナノダイヤモンドXは、上述のように、表面修飾カチオン12を表面に有することによって有機材料に対する親和性を得ているところ、本実施形態では、有機系分散媒たる分散媒21中にて互いに離隔してコロイド粒子として分散している。ND分散液YにおけるナノダイヤモンドXの濃度(固形分濃度)は、例えば0.001〜10質量%である。
このような構成を有するND分散液Yは、有機材料に対する親和性とともに高い耐熱性を実現するのに適するナノダイヤモンドXを含有するところ、そのようなナノダイヤモンドXの供給材料として使用することが可能である。
図3は、ナノダイヤモンドXを製造するための方法の一例の工程図である。本方法は、生成工程S1、精製工程S2、pH調整工程S3、解砕工程S4、遠心分離工程S5、修飾化工程S6、および乾燥工程S7を含む。
生成工程S1では、空冷式であって有意量の酸素が共存する条件下での爆轟法が行われてナノダイヤモンドが生成する。まず、成形された爆薬に電気雷管が装着されたものを爆轟用の耐圧性容器の内部に設置し、容器内において大気組成の常圧の気体と使用爆薬とが共存する状態で、容器を密閉する。容器は例えば鉄製で、容器の容積は例えば0.5〜40m3である。爆薬としては、トリニトロトルエン(TNT)とシクロトリメチレントリニトロアミンすなわちヘキソーゲン(RDX)との混合物を使用することができる。TNTとRDXの質量比(TNT/RDX)は、例えば40/60〜60/40の範囲とされる。爆薬の使用量は、例えば0.05〜2.0kgである。
生成工程S1では、次に、電気雷管を起爆させ、容器内で爆薬を爆轟させる。爆轟とは、化学反応に伴う爆発のうち反応の生じる火炎面が音速を超えた高速で移動するものをいう。爆轟の際、使用爆薬が部分的に不完全燃焼を起こして遊離した炭素を原料として、爆発で生じた衝撃波の圧力とエネルギーの作用によってナノダイヤモンドが生成する。ナノダイヤモンドは、爆轟法により得られる生成物にて先ずは、隣接する一次粒子ないし結晶子の間がファンデルワールス力の作用に加えて結晶面間クーロン相互作用が寄与して非常に強固に集成し、凝着体をなす。
生成工程S1では、次に、室温での例えば24時間の放置により、容器およびその内部を降温させる。この放冷の後、容器の内壁に付着しているナノダイヤモンド粗生成物(上述のようにして生成したナノダイヤモンド粒子の凝着体および煤を含む)をヘラで掻き取る作業を行い、ナノダイヤモンド粗生成物を回収する。以上のような空冷式酸素共存下爆轟法によって、ナノダイヤモンド粒子の粗生成物を得ることができる。空冷式であって有意量の酸素が共存する条件下で実施される爆轟法は、粒径が小さく且つ一次粒子表面の官能基量の多いナノダイヤモンドを生じさせるうえで好適である。これは、空冷式酸素共存下爆轟法によると、ダイヤモンド結晶子が形成される過程において、原料炭素からのダイヤモンド核の成長が抑制されて、原料炭素の一部が(あるものは酸素等を伴って)表面官能基を形成するためであると考えられる。また、以上のような生成工程S1を必要回数行うことによって、所望量のナノダイヤモンド粗生成物を取得することが可能である。
精製工程S2は、本実施形態では、原料たるナノダイヤモンド粗生成物に例えば水溶媒中で強酸を作用させる酸処理を含む。爆轟法で得られるナノダイヤモンド粗生成物には金属酸化物が含まれやすいところ、この金属酸化物は、爆轟法に使用される容器等に由来するFe,Co,Ni等の酸化物である。例えば水溶媒中で所定の強酸を作用させることにより、ナノダイヤモンド粗生成物から金属酸化物を溶解・除去することができる(酸処理)。この酸処理に用いられる強酸としては、鉱酸が好ましく、例えば、塩酸、フッ化水素酸、硫酸、硝酸、および王水が挙げられる。酸処理では、一種類の強酸を用いてもよいし、二種類以上の強酸を用いてもよい。酸処理で使用される強酸の濃度は例えば1〜50質量%である。酸処理温度は例えば70〜150℃である。酸処理時間は例えば0.1〜24時間である。また、酸処理は、減圧下、常圧下、または加圧下で行うことが可能である。このような酸処理の後、例えばデカンテーションにより、固形分(ナノダイヤモンド凝着体を含む)の水洗を行う。沈殿液のpHが例えば2〜3に至るまで、デカンテーションによる当該固形分の水洗を反復して行うのが好ましい。
精製工程S2は、本実施形態では、酸化剤を用いてナノダイヤモンド粗生成物(精製終了前のナノダイヤモンド凝着体)からグラファイトを除去するための酸化処理を含む。爆轟法で得られるナノダイヤモンド粗生成物にはグラファイト(黒鉛)が含まれているところ、このグラファイトは、使用爆薬が部分的に不完全燃焼を起こして遊離した炭素のうちナノダイヤモンド結晶を形成しなかった炭素に由来する。例えば上記の酸処理を経た後に、例えば水溶媒中で所定の酸化剤を作用させることにより、ナノダイヤモンド粗生成物からグラファイトを除去することができる(酸化処理)。この酸化処理に用いられる酸化剤としては、例えば、クロム酸、無水クロム酸、二クロム酸、過マンガン酸、過塩素酸、及びこれらの塩が挙げられる。酸化処理では、一種類の酸化剤を用いてもよいし、二種類以上の酸化剤を用いてもよい。酸化処理で使用される酸化剤の濃度は例えば3〜50質量%である。酸化処理における酸化剤の使用量は、酸化処理に付されるナノダイヤモンド粗生成物100重量部に対して例えば300〜500重量部である。酸化処理温度は例えば100〜200℃である。酸化処理時間は例えば1〜24時間である。酸化処理は、減圧下、常圧下、または加圧下で行うことが可能である。また、酸化処理は、グラファイトの除去効率向上の観点から、鉱酸の共存下で行うのが好ましい。鉱酸としては、例えば、塩酸、フッ化水素酸、硫酸、硝酸、および王水が挙げられる。酸化処理に鉱酸を用いる場合、鉱酸の濃度は例えば5〜80質量%である。このような酸化処理の後、例えばデカンテーションまたは遠心沈降法により、固形分(ナノダイヤモンド凝着体を含む)の水洗を行う。水洗当初の上清液は着色しているところ、上清液が目視で透明になるまで、当該固形分の水洗を反復して行うのが好ましい。水洗を繰り返すことにより、不純物である電解質(NaCl等)が低減ないし除去される。電解質濃度が低いことは、本方法によって得られるナノダイヤモンド粒子について高い分散性および高い分散安定性を実現するうえで好適である。
このような酸化処理の後、ナノダイヤモンドをアルカリ溶液で処理してもよい。当該アルカリ処理により、ナノダイヤモンド表面の酸性官能基(例えばカルボキシ基)を塩(例えばカルボン酸塩)に変換することが可能である。使用されるアルカリ溶液としては、水酸化ナトリウム水溶液が挙げられる。当該アルカリ処理において、アルカリ溶液濃度は、例えば1〜50重量%であり、処理温度は例えば70〜150℃であり、処理時間は例えば0.1〜24時間である。また、このようなアルカリ処理の後、ナノダイヤモンドを酸溶液で処理してもよい。当該酸処理を経ることにより、ナノダイヤモンド表面の酸性官能基の塩を再び遊離の酸性官能基に戻すことが可能である。使用される酸溶液としては、塩酸が挙げられる。当該酸処理は、室温で行ってもよく、加熱下で行ってもよい。酸化処理後のアルカリ処理や、その後の酸処理を経たナノダイヤモンドについては、例えばデカンテーションまたは遠心沈降法により、固形分(ナノダイヤモンド凝着体を含む)の水洗を行う。
本方法では、次に、pH調整工程S3が行われる。pH調整工程S3は、上述の精製工程S2を経たナノダイヤモンド凝着体を含有する溶液のpHを後述の解砕工程S4より前に所定のpHに調整するための工程である。本工程では、例えば、精製工程S2を経て取得される沈殿液(ナノダイヤモンド凝着体を含む)に超純水を加えて懸濁液を得た後、当該懸濁液に酸やアルカリを加える。アルカリとしては、例えば水酸化ナトリウムを用いることができる。後の解砕工程S4(分散化処理)にてナノダイヤモンド粒子について高い分散性を得る観点や、解砕工程S4を経て生じたナノダイヤモンド粒子の分散状態を維持する(分散安定化)という観点から、本工程では、当該懸濁液のpHについて、好ましくは8〜12、より好ましくは9〜11に、調整する。ナノダイヤモンド凝着体を含有する懸濁液のpHを本工程で例えば9〜11に調整することによって、本方法によって作製されることとなるナノダイヤモンド水分散液のpHを例えば9〜11の範囲に設定することが可能である。
本方法では、次に、解砕工程S4が行われる。解砕工程S4は、ナノダイヤモンド凝着体を含有する溶液を解砕処理ないし分散化処理に付すことによってナノダイヤモンド凝着体(二次粒子)をナノダイヤモンド一次粒子に解砕ないし分散化するための工程である。
当該解砕処理は、例えば、高剪断ミキサー、ハイシアーミキサー、ホモミキサー、ボールミル、ビーズミル、高圧ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、またはコロイドミルを使用して行うことができる。
本方法では、次に、遠心分離工程S5が行われる。本工程では、上述の解砕工程S4を経たナノダイヤモンドを含有する溶液から、遠心力の作用を利用して粗大粒子を除去する(遠心分離処理)。本工程の遠心分離処理において、遠心力は例えば15000〜25000×gであり、遠心時間は例えば10〜120分である。これにより、ナノダイヤモンド粒子の分散する黒色透明の上清液(ナノダイヤモンド水分散液)を得ることができる。得られたナノダイヤモンド水分散液については、水分量を低減することによってナノダイヤモンド濃度を高めることができる。この水分量低減は、例えばエバポレーターを使用して行うことができる。以上のようにして、ナノダイヤモンド水分散液(ND水分散液)を得ることができる。
本方法では、次に、修飾化工程S6が行われる。修飾化工程S6は、上述の表面修飾カチオン12の供給源であるカチオン界面活性剤に由来するカチオンをND粒子11に作用させることによってND粒子11を表面修飾するための工程である。
本方法の修飾化工程S6では、まず、撹拌処理が行われる(第1撹拌処理)。この撹拌処理では、遠心分離工程S5で得られる上述のND水分散液と第1溶媒とを混合させて得られるナノダイヤモンド溶液、および、カチオン界面活性剤と第2溶媒とを含有する修飾化剤溶液を、撹拌して混合する。ナノダイヤモンド溶液におけるナノダイヤモンド濃度は、例えば0.01〜5質量%である。ナノダイヤモンド溶液のための第1溶媒は、ND粒子11が溶解性を示し得る溶媒である。第1溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、ジメチルスルホキシド、グリセリン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、およびN−メチル−2−ピロリドンが挙げられる。カチオン界面活性剤としては、例えば、表面修飾カチオン12として上記したカチオンを供給可能な化合物が用いられる。修飾化剤溶液におけるカチオン界面活性剤の濃度は、例えば0.01〜5質量%である。修飾化剤溶液のための第2溶媒は、当該カチオン界面活性剤が溶解性を示し得る溶媒である。第2溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、シクロヘプタン、シクロヘキサン、シクロペンタン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、デカヒドロナフタレン、ヘキサン、ヘプタン、パラフィン、ポリアルファオレフィン、ポリオールエステル、ポリアルキレングリコール、および鉱物油が挙げられる。第1撹拌処理ないし修飾化工程S6に供される溶液において、ナノダイヤモンド濃度は例えば0.005〜2.5質量%であり、カチオン界面活性剤濃度は例えば0.005〜2.5質量%であり、ナノダイヤモンドとカチオン界面活性剤との比率(質量比)は例えば10:1〜1:10である。また、第1撹拌処理において、処理に付される混合溶液の温度は例えば5〜80℃であり、撹拌時間は例えば0.1〜24時間である。
本方法の修飾化工程S6では、次に、蒸留処理が行われる。この蒸留処理では、例えば減圧蒸留によって、ナノダイヤモンド可溶性の第1溶媒および水の除去に向けて当該第1溶媒および水の上記混合溶液中の濃度を低減する。この蒸留処理において、蒸留温度は例えば40〜120℃であり、蒸留圧力は例えば1〜760mmHgであり、蒸留時間は例えば0.1〜2時間である。
この後、蒸留処理を経た溶液に対して第1溶媒および第2溶媒が追加されたうえで行われる再度の撹拌処理(第2撹拌処理)からその後に行われる蒸留処理(前記と同様の蒸留処理)までの一連の過程が、必要に応じて繰り返される。繰返し回数は例えば1〜20である。この繰返し過程での第2撹拌処理前に溶液に追加される第1溶媒の量は、上述の第1撹拌処理に供される混合溶液の調製における第1溶媒使用量の例えば10〜200%である。繰返し過程での第2撹拌処理前に溶液に追加される第2溶媒の量は、上述の第1撹拌処理に供される混合溶液の調製における第2溶媒使用量の例えば10〜200%である。また、繰返し過程の第2撹拌処理において、処理に付される溶液の温度は例えば5〜80℃であり、撹拌時間は例えば0.1〜24時間である。
以上のような修飾化工程S6により、ND粒子11に対し、カチオン界面活性剤由来のカチオンがその親水基を近接させる態様で配向吸着して表面修飾をなすこととなる。修飾化工程S6を経ることにより、表面修飾ナノダイヤモンド(ナノダイヤモンドX)が有機系分散媒に分散する溶液(ND分散液Y)が得られる。
本方法では、次に、乾燥工程S7が行われる。本工程では、例えば、修飾化工程S6を経て得られる上記の溶液からエバポレーターを使用して液分を蒸発させた後、これによって生じる残留固形分を乾燥用オーブン内での加熱乾燥によって乾燥させる。加熱乾燥温度は、例えば40〜150℃である。このような乾燥工程S7を経ることにより、ナノダイヤモンドX(表面修飾ナノダイヤモンド)の粉体が得られる。
以上のようにして、表面修飾カチオン12を表面に伴うND粒子11であるナノダイヤモンドXを製造することができる。また、このナノダイヤモンドXを上述の分散媒21に分散させることによってND分散液Yを製造することができる。
〔実施例1〕
以下のような生成工程、精製工程、pH調整工程、解砕工程、遠心分離工程、修飾化工程、および乾燥工程を経て、表面修飾ナノダイヤモンドを作製した。
生成工程では、まず、成形された爆薬に電気雷管が装着されたものを爆轟用の耐圧性容器の内部に設置し、容器内において大気組成の常圧の気体と使用爆薬とが共存する状態で、容器を密閉した。容器は鉄製で、容器の容積は15m3である。爆薬としては、トリニトロトルエン(TNT)とシクロトリメチレントリニトロアミンすなわちヘキソーゲン(RDX)との混合物0.50kgを使用した。当該爆薬におけるTNTとRDXの質量比(TNT/RDX)は、50/50である。次に、電気雷管を起爆させ、容器内で爆薬を爆轟させた。次に、室温での24時間の放置により、容器およびその内部を降温させた。この放冷の後、容器の内壁に付着しているナノダイヤモンド粗生成物(上記爆轟法で生成したナノダイヤモンド粒子の凝着体と煤を含む)をヘラで掻き取る作業を行い、ナノダイヤモンド粗生成物を回収した。ナノダイヤモンド粗生成物の回収量は0.025kgであった。
上述のような生成工程を複数回行うことによって取得されたナノダイヤモンド粗生成物に対し、次に、精製工程の酸処理を行った。具体的には、当該ナノダイヤモンド粗生成物200gに6Lの10質量%塩酸を加えて得られたスラリーに対し、常圧条件での還流下で1時間の加熱処理を行った。この酸処理における加熱温度は85〜100℃である。次に、冷却後、デカンテーションにより、固形分(ナノダイヤモンド凝着体と煤を含む)の水洗を行った。沈殿液のpHが低pH側から2に至るまで、デカンテーションによる当該固形分の水洗を反復して行った。
次に、精製工程の酸化処理を行った。具体的には、まず、デカンテーション後の沈殿液に、5Lの60質量%硫酸水溶液と2Lの60質量%クロム酸水溶液とを加えてスラリーとした後、このスラリーに対し、常圧条件での還流下で5時間の加熱処理を行った。この酸化処理における加熱温度は120〜140℃である。次に、冷却後、デカンテーションにより、固形分(ナノダイヤモンド凝着体を含む)の水洗を行った。水洗当初の上清液は着色しているところ、上清液が目視で透明になるまで、デカンテーションによる当該固形分の水洗を反復して行った。次に、当該反復過程における最後のデカンテーションによって得られた沈殿液に対し、10質量%水酸化ナトリウム水溶液を1L加えた後、常圧条件での還流下で1時間の加熱処理を行った。この処理における加熱温度は70〜150℃である。次に、冷却後、デカンテーションによって沈殿液を得て、当該沈殿液について20質量%塩酸を加えることによってpHを2.5に調整した。この後、当該沈殿液中の固形分について、遠心沈降法により水洗を行った。
次に、pH調整工程を行った。具体的には、遠心沈降法による上記の水洗を経て取得された沈殿物に超純水を加えて固形分濃度8質量%の懸濁液を調製した後、水酸化ナトリウムの添加によって当該懸濁液のpHを10に調整した。このようにして、pHの調整されたスラリーを得た。
次に、解砕工程を行った。具体的には、粉砕装置ないし分散機たるビーズミル(商品名「ウルトラアペックスミルUAM−015」,寿工業株式会社製)を使用して、前工程で得たスラリー300mlを解砕処理に付した。本処理では、解砕メディアとしてジルコニアビーズ(直径0.03mm)を使用し、ミル容器内に充填されるビーズの量はミル容器の容積に対して60%とし、ミル容器内で回転するローターピンの周速は10m/sとした。また、装置を循環させるスラリーの流速を10L/hとして90分間の解砕処理を行った。
次に、遠心分離工程を行った。具体的には、上述の解砕工程を経たナノダイヤモンドを含有する溶液から、遠心力の作用を利用した分球操作によって粗大粒子を除去した(遠心分離処理)。本工程の遠心分離処理において、遠心力は20000×gとし、遠心時間は10分とした。これにより、黒色透明のナノダイヤモンド水分散液を得た。
遠心分離工程で得られたND水分散液について、pH試験紙(商品名「スリーバンドpH試験紙」,アズワン株式会社製)を使用してpHを確認したところ、9であった。本分散液のナノダイヤモンド固形分濃度は7.4質量%であった。本分散液に含まれるナノダイヤモンド粒子の粒径を動的光散乱法によって測定した結果、メディアン径(粒径D50)は5.4nmであった。本分散液の一部についてナノダイヤモンド濃度0.2質量%への超純水による希釈を行った後に当該分散液中のナノダイヤモンド粒子のゼータ電位を測定したところ、−48mV(25℃,pH9)であった。また、本分散液を乾固させて得られたナノダイヤモンド粉体について、固体13C-NMR分析を行った。その結果、分析対象の試料の13C DD/MAS NMRスペクトルにおいて、ナノダイヤモンドの主成分としてのsp3炭素のピークらと共にカルボキシ基(−COOHを含む−C(=O)O)に含まれる炭素(カルボキシ炭素)に由来するピークが観測された。ピークごとに波形分離を行ったうえで算出した、測定対象の総炭素中のカルボキシ炭素の割合は、0.5%であった。
次に、修飾化工程を行った。具体的には、まず、ナノダイヤモンド溶液および修飾化剤溶液をそれぞれ調製した。ナノダイヤモンド溶液は、遠心分離工程後に濃縮してナノダイヤモンド濃度を5質量%としたND水分散液1ml(ナノダイヤモンド含有量50mg)とメタノール20mlとを混合して調製したものである。修飾化剤溶液は、カチオン界面活性剤たるジメチルジステアリルアンモニウムブロミド(東京化成工業株式会社製)50mgをトルエン20mlに溶解させて調製したものである。次に、これらナノダイヤモンド溶液および修飾化剤溶液を混合した溶液について、マグネティックスターラーを使用して100mlナスフラスコ中で撹拌した(第1撹拌処理)。この撹拌処理において、処理に付される溶液の温度は23℃とし、撹拌時間は4時間とした。次に、撹拌処理を経た溶液について、ロータリーエバポレーターを使用した蒸留処理を行い、20mlになるまで溶媒を留去した。この蒸留処理において、処理に付される溶液の温度は50℃とし、蒸留圧力は230mmHgとし、蒸留時間は約10分間である。次に、撹拌処理を経た溶液にメタノール20mlおよびトルエン10mlを加えた後、当該溶液について、マグネティックスターラーを使用して100mlナスフラスコ中で撹拌した(第2撹拌処理)。この撹拌処理において、処理に付される溶液の温度は23℃とし、撹拌時間は4時間とした。次に、第2撹拌処理を経た溶液について、第1撹拌処理後の蒸留処理と同様の蒸留処理を行い、20mlになるまで溶媒を留去した。そして、メタノール20mlおよびトルエン10mlを追加したうえで行う第2撹拌処理からその後の蒸留処理までの一連の過程を、合計20回繰り返した。以上のような修飾化工程により、ジメチルジステアリルアンモニウムカチオンで表面修飾のなされたナノダイヤモンド粒子の分散するトルエン溶液(20ml)が得られた。
次に、乾燥工程を行った。具体的には、修飾化工程で得られたナノダイヤモンド分散トルエン溶液からエバポレーターを使用して液分を蒸発させた後、これによって生じた残留固形分を乾燥用オーブン内での加熱乾燥によって乾燥させた。加熱乾燥温度は120℃とした。
以上のようにして、第4級アンモニウムカチオンたるジメチルジステアリルアンモニウムカチオンで粒子表面が修飾された表面修飾ナノダイヤモンドを製造した。この表面修飾ナノダイヤモンド(粉体)について、示差熱熱重量同時測定(TG-DTA)によって熱分解開始温度を求めたところ、190℃であった。
〈固形分濃度〉
ND水分散液に関する上記の固形分濃度は、秤量した分散液3〜5gの当該秤量値と、当該秤量分散液から加熱によって水分を蒸発させた後に残留する乾燥物(粉体)について精密天秤によって秤量した秤量値とに基づき、算出した。
〈メディアン径〉
ND水分散液に含まれるナノダイヤモンド粒子に関する上記のメディアン径(粒径D50)は、スペクトリス社製の装置(商品名「ゼータサイザー ナノZS」)を使用して、動的光散乱法(非接触後方散乱法)によって測定した値である。測定に供されたND水分散液は、ナノダイヤモンド濃度が0.2〜2.0質量%となるように超純水で希釈した後に、超音波洗浄機による超音波照射を経たものである。
〈ゼータ電位〉
ND水分散液に含まれるナノダイヤモンド粒子に関する上記のゼータ電位は、スペクトリス社製の装置(商品名「ゼータサイザー ナノZS」)を使用して、レーザードップラー式電気泳動法によって測定した値である。測定に供されたND水分散液は、ナノダイヤモンド濃度0.2質量%への超純水による希釈を行った後に超音波洗浄機による超音波照射を経たものである。また、測定に供されたND水分散液のpHは、pH試験紙(商品名「スリーバンドpH試験紙」,アズワン株式会社製)を使用して確認した値である。
〈固体13C-NMR分析〉
ND水分散液から得られたナノダイヤモンド粉体に関する上記の固体13C-NMR分析は、固体NMR装置(商品名「CMX−300 Infinity」,Chemagnetics社製)を使用して行う固体NMR法によって実施した。測定法その他、測定に係る条件は、以下のとおりである。
測定法:DD/MAS法
測定核周波数:75.188829 MHz(13C核)
スペクトル幅:30.003 kHz
パルス幅:4.2μsec(90°パルス)
パルス繰り返し時間:ACQTM 68.26msec,PD 15sec
観測ポイント:2048(データポイント:8192)
基準物質:ポリジメチルシロキサン(外部基準:1.56ppm)
温度:室温(約22℃)
試料回転数:8.0 kHz
〈熱分解温度〉
表面修飾ナノダイヤモンドについての上記の熱分解開始温度は、示差熱熱重量同時測定装置(商品名「TG/DTA6300」,株式会社日立ハイテクサイエンス製)を使用して、空気雰囲気下かつ昇温速度10℃/分の条件で行った。
〔実施例2〕
修飾化工程で用いる修飾化剤溶液が異なること以外は実施例1に関して上述したのと同様の過程を経て、実施例2の表面修飾ナノダイヤモンドを製造した。本実施例で用いた修飾化剤溶液は、カチオン界面活性剤たるトリブチルヘキサデシルホスホニウムブロミド(東京化成工業製)50mgをトルエン20mlに溶解させて調製したものである。本実施例の表面修飾ナノダイヤモンド(粉体)について、実施例1の表面修飾ナノダイヤモンドと同様に、示差熱熱重量同時測定(TG-DTA)によって熱分解開始温度を求めたところ、280℃であった。
〔比較例1〕
修飾化工程で用いる修飾化剤溶液が異なること以外は実施例1に関して上述したのと同様の方法によって、比較例1の表面修飾ナノダイヤモンドを製造した。本比較例で用いた修飾化剤溶液は、アニオン界面活性剤たるステアリン酸(関東化学製)50mgをトルエン20mlに溶解させて調製したものである。本比較例の表面修飾ナノダイヤモンド(粉体)について、実施例1の表面修飾ナノダイヤモンドと同様に、示差熱熱重量同時測定(TG-DTA)によって熱分解開始温度を求めたところ、155℃であった。
〔評価〕
実施例1,2の表面修飾ナノダイヤモンドでは、カチオン界面活性剤のカチオンがナノダイヤモンド粒子の表面を修飾している。このような実施例1,2の表面修飾ナノダイヤモンドは、アニオン界面活性剤のアニオンがナノダイヤモンド粒子表面を修飾している比較例1の表面修飾ナノダイヤモンドよりも、高い熱分解開始温度を示した。したがって、実施例1,2の表面修飾ナノダイヤモンドは、比較例1の表面修飾ナノダイヤモンドよりも、耐熱性が高いと評価することができる。
X ナノダイヤモンド(表面修飾ナノダイヤモンド)
11 ND粒子(ナノダイヤモンド粒子)
12 表面修飾カチオン(カチオン界面活性剤のカチオン)
Y ND分散液(ナノダイヤモンド分散液)
21 分散媒
S1 生成工程
S2 精製工程
S3 pH調整工程
S4 解砕工程
S5 遠心分離工程
S6 修飾化工程
S7 乾燥工程

Claims (6)

  1. 空冷式酸素共存した爆轟法によりナノダイヤモンド組成物を得る工程と、前記ナノダイヤモンド組成物を酸処理してから酸化処理してナノダイヤモンド凝着体を含有する溶液を得る工程と、前記溶液を遠心力15000〜25000×gで遠心分離処理した上清液からメディアン径1〜10nmのナノダイヤモンド粒子を得る工程と、前記ナノダイヤモンド粒子にカチオン界面活性剤のカチオンを作用させる工程を経て、
    前記ナノダイヤモンド粒子と、
    前記ナノダイヤモンド粒子を表面修飾している、カチオン界面活性剤のカチオンと、を含み、
    前記カチオン界面活性剤のカチオンが、静電相互作用によりナノダイヤモンド粒子に配向吸着して表面修飾をなすカチオンであって、ジメチルジステアリルアンモニウムカチオン、ジメチルジパルミチルアンモニウムカチオン、テトラブチルアンモニウムカチオン、ステアリルトリメチルアンモニウムカチオン、ベヘニルトリメチルアンモニウムカチオン、トリオクチルメチルアンモニウムカチオン、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムカチオン、へプタデシルトリメチルアンモニウムカチオン、ベンゼトニウムカチオン、ベンジルドデシルジメチルアンモニウムカチオン、およびベンジルジメチルテトラデシルアンモニウムカチオンから選択される少なくとも1種の第4級アンモニウムカチオンである、表面修飾ナノダイヤモンドを製造する、表面修飾ナノダイヤモンドの製造方法
  2. 空冷式酸素共存した爆轟法によりナノダイヤモンド組成物を得る工程と、前記ナノダイヤモンド組成物を酸処理してから酸化処理してナノダイヤモンド凝着体を含有する溶液を得る工程と、前記溶液を遠心力15000〜25000×gで遠心分離処理した上清液からメディアン径1〜10nmのナノダイヤモンド粒子を得る工程と、前記ナノダイヤモンド粒子にカチオン界面活性剤のカチオンを作用させる工程を経て、
    前記ナノダイヤモンド粒子と、
    前記ナノダイヤモンド粒子を表面修飾している、カチオン界面活性剤のカチオンと、を含み、
    前記カチオン界面活性剤のカチオンが、トリブチルヘキサデシルホスホニウムカチオン、メチルトリフェニルホスホニウムカチオン、ラウリルトリメチルホスホニウムカチオン、ステアリルトリメチルホスホニウムカチオン、トリオクチルメチルホスホニウムカチオン、ジステアリルジメチルホスホニムカチオン、ジステアリルジベンジルホスホニウムカチオン、テトラブチルホスホニウムカチオン、オクチルトリフェニルホスホニウムカチオン、オクタデシルトリフェニルホスホニウムカチオン、およびトリフェニルドデシルホスホニウムカチオンから選択される少なくとも1種のホスホニウムカチオンである、表面修飾ナノダイヤモンドを製造する、表面修飾ナノダイヤモンドの製造方法
  3. 空冷式酸素共存した爆轟法によりナノダイヤモンド組成物を得る工程と、前記ナノダイヤモンド組成物を酸処理してから酸化処理してナノダイヤモンド凝着体を含有する溶液を得る工程と、前記溶液を遠心力15000〜25000×gで遠心分離処理した上清液からメディアン径1〜10nmのナノダイヤモンド粒子を得る工程と、前記ナノダイヤモンド粒子にカチオン界面活性剤のカチオンを作用させる工程を経て、
    前記ナノダイヤモンド粒子と、
    前記ナノダイヤモンド粒子を表面修飾している、カチオン界面活性剤のカチオンと、を含み、
    前記カチオン界面活性剤のカチオンが、静電相互作用によりナノダイヤモンド粒子に配向吸着して表面修飾をなすカチオンであって、ジメチルジステアリルアンモニウムカチオン、ジメチルジパルミチルアンモニウムカチオン、テトラブチルアンモニウムカチオン、ステアリルトリメチルアンモニウムカチオン、ベヘニルトリメチルアンモニウムカチオン、トリオクチルメチルアンモニウムカチオン、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムカチオン、へプタデシルトリメチルアンモニウムカチオン、ベンゼトニウムカチオン、ベンジルドデシルジメチルアンモニウムカチオン、およびベンジルジメチルテトラデシルアンモニウムカチオンから選択される少なくとも1種の第4級アンモニウムカチオン、および
    トリブチルヘキサデシルホスホニウムカチオン、メチルトリフェニルホスホニウムカチオン、ラウリルトリメチルホスホニウムカチオン、ステアリルトリメチルホスホニウムカチオン、トリオクチルメチルホスホニウムカチオン、ジステアリルジメチルホスホニムカチオン、ジステアリルジベンジルホスホニウムカチオン、テトラブチルホスホニウムカチオン、オクチルトリフェニルホスホニウムカチオン、オクタデシルトリフェニルホスホニウムカチオン、およびトリフェニルドデシルホスホニウムカチオンから選択される少なくとも1種のホスホニウムカチオンの混合物である、表面修飾ナノダイヤモンドを製造する、表面修飾ナノダイヤモンドの製造方法
  4. 前記表面修飾ナノダイヤモンドの熱分解開始温度が170℃以上である、請求項1から3のいずれか一つに記載の表面修飾ナノダイヤモンドの製造方法
  5. 前記ナノダイヤモンド粒子のpH9におけるゼータ電位はネガティブである、請求項1からのいずれか一つに記載の表面修飾ナノダイヤモンドの製造方法
  6. 請求項1から5のいずれか一つに記載の製造方法を経て表面修飾ナノダイヤモンドを得、得られた表面修飾ナノダイヤモンドを有機溶媒に分散させることによって、
    前記有機溶媒と、
    前記有機溶媒に分散している表面修飾ナノダイヤモンドと、を含む、ナノダイヤモンド分散液を製造する、ナノダイヤモンド分散液の製造方法
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