JP6800445B2 - 表面修飾ナノダイヤモンド、前記表面修飾ナノダイヤモンドを含む分散液、及び複合材料 - Google Patents
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Description
本発明の他の目的は、前記表面修飾ナノダイヤモンドが有機溶媒中に高分散してなるナノダイヤモンド分散液を提供することにある。
本発明の他の目的は、前記表面修飾ナノダイヤモンドが樹脂中に高分散してなる複合材料を提供することにある。
1.ナノダイヤモンド粒子の表面官能基にフッ化アルキルホスホン酸を反応させて得られる表面修飾ナノダイヤモンドは、分散性と樹脂(特に、フッ素樹脂)に対する親和性に優れること
2.フッ化アルキルホスホン酸は、ナノダイヤモンド粒子の表面官能基である水酸基と脱水縮合により強固な一次結合を形成することができ、200℃以上の高温環境下でも分解することなくナノダイヤモンド粒子表面への結合を維持することができること
本発明はこれらの知見に基づいて完成させたものである。
更に、本発明の複合材料は、結晶化度が高い樹脂中に前記表面修飾ナノダイヤモンドを高度に分散した状態で含有するため、ナノダイヤモンドが有する特性を高度に具備する。従って、本発明の複合材料は、結晶性溶融成型樹脂等として、溶融成型により製造される物品であってナノダイヤモンドが有する特性を具備することが望まれる種々の物品の形成材料として好適に使用することができる。
更にまた、本発明の表面修飾ナノダイヤモンドを有機溶媒中に分散させてなるナノダイヤモンド分散液は、摩擦係数を下げる作用(減摩作用)を有する。そのため、減摩剤若しくは潤滑剤(上述の通り耐熱性に優れるため、好ましくは耐熱性減摩剤若しくは耐熱性潤滑剤)として機械部品(例えば、自動車や航空機等)の摺動部等に好適に使用される。
本発明の表面修飾ナノダイヤモンド(以後、ナノダイヤモンドを「ND」と称する場合がある)は、ND粒子と、前記ND粒子の表面を修飾するフッ化アルキルホスホン酸残基とを含む。
本発明の表面修飾NDは、例えば、爆轟法によってND粒子を生成し、生成したND粒子にフッ化アルキルホスホン酸を反応させることにより製造することができる。
空冷式であって不活性ガス雰囲気下での爆轟法によりNDを生成する場合、まず、成形された爆薬に電気雷管が装着されたものを爆轟用の耐圧性容器の内部に設置し、容器内において大気組成の常圧の気体と使用爆薬とが共存する状態で、容器を密閉する。容器は例えば鉄製で、容器の容積は例えば0.5〜40m3である。爆薬としては、トリニトロトルエン(TNT)とシクロトリメチレントリニトロアミンすなわちヘキソーゲン(RDX)との混合物を使用することができる。TNTとRDXの質量比(TNT/RDX)は、例えば40/60〜60/40の範囲である。
酸処理工程は、原料であるND粗生成物に例えば水溶媒中で強酸を作用させて金属酸化物を除去する工程である。爆轟法で得られるND粗生成物には金属酸化物が含まれやすく、この金属酸化物は、爆轟法に使用される容器等に由来するFe、Co、Ni等の酸化物である。例えば水溶媒中で所定の強酸を作用させることにより、ND粗生成物から金属酸化物を溶解・除去することができる。この酸処理に用いる強酸としては鉱酸が好ましく、例えば、塩酸、フッ化水素酸、硫酸、硝酸、及びこれらの混合物(=混酸)等が挙げられる。酸処理で使用する強酸の濃度は例えば1〜50質量%である。酸処理温度は例えば70〜150℃である。酸処理時間は例えば0.1〜24時間である。また、酸処理は、減圧下、常圧下、または加圧下で行うことが可能である。このような酸処理の後は、例えばデカンテーションにより、沈殿液のpHが例えば2〜3に至るまで、固形分(ND凝着体を含む)の水洗を行うことが好ましい。爆轟法で得られるND粗生成物における金属酸化物の含有量が少ない場合には、以上のような酸処理は省略してもよい。
酸化処理工程は、酸化剤を用いてND粗生成物からグラファイトを除去する工程である。爆轟法で得られるND粗生成物にはグラファイト(黒鉛)が含まれるが、このグラファイトは、使用爆薬が部分的に不完全燃焼を起こして遊離した炭素のうちND結晶を形成しなかった炭素に由来する。例えば上記の酸処理を経た後に、水溶媒中で所定の酸化剤を作用させることにより、ND粗生成物からグラファイトを除去することができる。この酸化処理に用いられる酸化剤としては、例えば、クロム酸、無水クロム酸、二クロム酸、過マンガン酸、過塩素酸、硝酸、及びこれらの混合物やこれらの塩が挙げられる。酸化処理で使用される酸化剤の濃度は例えば3〜50質量%である。酸化処理における酸化剤の使用量は、酸化処理に付されるND粗生成物100質量部に対して例えば300〜500質量部である。酸化処理温度は例えば100〜200℃である。酸化処理時間は例えば1〜24時間である。酸化処理は、減圧下、常圧下、または加圧下で行うことが可能である。このような酸化処理の後、例えばデカンテーションまたは遠心沈降法により、固形分(ND凝着体を含む)の水洗を行う。水洗当初の上清液は着色しているが、この上清液が目視で透明になるまで、当該固形分の水洗を反復して行うのが好ましい。水洗を繰り返すことにより、不純物である電解質(NaCl等)が低減ないし除去される。電解質濃度が低いことは、本方法によって得られるND粒子について高い分散性および高い分散安定性を実現するうえで好適である。
本方法では、次に、酸素酸化工程を設けることが好ましい。酸素酸化工程は、精製工程を経て得られたNDの表面を酸化して酸素含有基を形成する工程である。酸素酸化は、酸素雰囲気下、又は窒素で希釈された酸素雰囲気下で加熱処理(例えば、300〜400℃の温度で1〜5時間程度加熱する処理)を行うことが好ましい。
本方法では、次に、水素化工程を設けることが好ましい。水素化工程は、酸素酸化工程を経て得られた酸素含有基を有するNDを水素雰囲気下、又は窒素で希釈された水素雰囲気下で加熱処理(例えば、500〜700℃の温度で1〜10時間程度加熱する処理)を施すことにより、表面官能基として水酸基を有するNDを生成する工程である。
本方法では、次に、解砕工程を設けることが好ましい。解砕工程は、ND凝着体を含有する溶液を解砕若しくは分散化処理に付すことによってND凝着体(二次粒子)をND一次粒子に解砕若しくは分散化するための工程である。以上のような一連の過程を経て得られる爆轟法NDは、一次粒子間が非常に強く相互作用して集成している凝着体(二次粒子)の形態をとりやすい。そのため、解砕工程を設けて凝着体から多くの一次粒子を分離させることが好ましい。
本方法では、次に、遠心分離工程を設けることが好ましい。遠心分離工程では、上述の解砕工程を経たNDを含有する溶液から、遠心力の作用を利用して粗大粒子を除去する。本工程の遠心分離処理において、遠心力は例えば15000〜25000×gであり、遠心時間は例えば10〜120分である。これにより、ND粒子の分散する黒色透明の上清液(ND水分散液)を得ることができる。得られたND水分散液については、水分量を低減することによってND濃度を高めることができる。この水分量低減は、例えばエバポレーターを使用して行うことができる。以上のようにして、ND水分散液を得ることができる。
本方法では、次に、修飾化工程を設けることが好ましい。修飾化工程は、以上の工程を経て得られたND粒子に上述のフッ化アルキルホスホン酸を作用させることによってND粒子の表面を修飾する工程である。
ND溶液:遠心分離工程を経て得られたND水分散液と第1溶媒とを含有
修飾化剤溶液:フッ化アルキルホスホン酸と第2溶媒とを含有
本方法では、次に、乾燥工程を設けることが好ましい。本工程では、例えば、修飾化工程を経て得られるND分散液からエバポレーターを使用して液分を蒸発させた後、これによって生じる残留固形分を乾燥用オーブン内で加熱することによって乾燥させることができる。加熱乾燥温度は、例えば40〜150℃である。このような乾燥工程を経ることにより、表面修飾NDの粉体が得られる。
本発明のナノダイヤモンド分散液(ND分散液)は、有機溶媒と上述の表面修飾NDとを含む。前記表面修飾NDは有機溶媒中にて互いに離隔してコロイド粒子として分散していることが好ましい。
本発明の複合材料は、樹脂と上述の表面修飾NDとを含む。前記表面修飾NDは樹脂中に分散した状態(特に、前記樹脂に高分散した状態)で含有されることが好ましい。
ND分散液における固形分濃度は、秤量した分散液3〜5gの当該秤量値と、当該秤量分散液から加熱によって分散媒を蒸発させた後に残留する乾燥物(粉体)について精密天秤によって秤量した秤量値とに基づき、算出した。
表面修飾NDの熱分解開始温度は、示差熱熱重量同時測定装置(商品名「TG/DTA6300」、(株)日立ハイテクサイエンス製)を使用して、空気雰囲気下かつ昇温速度10℃/分の条件で行った。
以下のような生成工程、精製工程、酸素酸化工程、水素化工程、解砕工程、修飾化工程、乾燥工程を経て、表面修飾ND分散液、及び表面修飾ND粉末を製造した。
まず、成形された爆薬に電気雷管が装着されたものを爆轟用の耐圧性容器の内部に設置して容器を密閉した。容器は鉄製で、容器の容積は15m3であった。爆薬としては、トリニトロトルエン(TNT)とヘキソーゲン(RDX)との混合物0.50kgを使用した。当該爆薬におけるTNTとRDXの質量比(TNT/RDX)は、50/50であった。次に、電気雷管を起爆させ、容器内で爆薬を爆轟させた。次に、室温での24時間の放置により、容器およびその内部を降温させた。この放冷の後、容器の内壁に付着しているナノダイヤモンド粗生成物(上記爆轟法で生成したナノダイヤモンド粒子の凝着体と煤を含む)をヘラで掻き取る作業を行い、ナノダイヤモンド粗生成物を回収した。
次に、上述のような生成工程を複数回行うことによって取得されたナノダイヤモンド粗生成物に対して精製工程の酸処理を行った。具体的には、当該ナノダイヤモンド粗生成物200gに6Lの10質量%塩酸を加えて得られたスラリーに対し、常圧条件での還流下で1時間の加熱処理を行った。この酸処理における加熱温度は85〜100℃であった。次に、冷却後、デカンテーションにより、固形分(ND凝着体と煤を含む)の水洗を行った。沈殿液のpHが低pH側から2に至るまで、デカンテーションによる当該固形分の水洗を反復して行った。
次に、精製工程の溶液酸化処理ないし混酸処理を行った。具体的には、酸処理後のデカンテーションを経て得た沈殿液(ND凝着体を含む)に、6Lの98質量%硫酸水溶液と1Lの69質量%硝酸水溶液とを加えてスラリーとした後、このスラリーに対し、常圧条件での還流下で48時間の加熱処理を行った。この酸化処理における加熱温度は140〜160℃であった。次に、冷却後、デカンテーションにより、固形分(ND凝着体を含む)の水洗を行った。水洗当初の上澄み液は着色しているところ、上澄み液が目視で透明になるまで、デカンテーションによる当該固形分の水洗を反復して行った。
次に、ガス雰囲気炉(商品名「ガス雰囲気チューブ炉 KTF045N1」,光洋サーモシステム(株)製)を使用して酸素酸化処理を行った。具体的には、上述のようにして得られたND粉体4.5gをガス雰囲気炉の炉心管内に静置し、炉心管に窒素ガスを流速1L/分で30分間通流させ続けた後、通流ガスを窒素から酸素と窒素との混合ガスへと切り替えて当該混合ガスを流速1L/分で炉心管に通流させ続けた。混合ガス中の酸素濃度は4体積%であった。混合ガスへの切り替えの後、炉内を加熱設定温度350℃まで昇温させた。昇温速度については、加熱設定温度より20℃低い330℃までは10℃/分とし、その後、330℃から加熱設定温度350℃までは1℃/分とした。そして、炉内の温度条件を350℃に維持しつつ、炉内のND粉体について酸素酸化処理を行った。処理時間は3時間とした。以上のようにして、酸素酸化工程ないし酸素酸化処理を経たND粉体を得た。
次に、上述のガス雰囲気炉を引き続き使用して水素化工程を行った。具体的には、酸素酸化工程を経たND粉体が内部に配されているガス雰囲気炉に対して窒素ガスを流速1L/分で30分間通流させ続けた後、通流ガスを窒素から水素と窒素との混合ガスへと切り替えて当該混合ガスを流速1L/分で炉心管に通流させ続けた。混合ガス中の水素濃度は2体積%であった。混合ガスへの切り替えの後、炉内を加熱設定温度600℃まで昇温させた。昇温速度は10℃/分とした。そして、炉内の温度条件を600℃に維持しつつ、炉内のND粉体について水素化処理を行った。処理時間は5時間とした。以上のようにして、ND粉体を得た。
次に、解砕工程を行った。具体的には、まず、上述の水素化工程を経たND粉体0.9gと純水29.1mLとを50mLのサンプル瓶に加えて混合し、スラリー約30mLを得た。次に、当該スラリーについて、遠心分離処理(遠心力20000×gで10分間)とその後の超音波処理を施した。超音波処理においては、超音波照射器(商品名「超音波洗浄機 AS−3」,アズワン社製)を使用して、当該スラリーに対して2時間の超音波照射を行った。この後、ビーズミリング装置(商品名「並列四筒式サンドグラインダー LSG−4U−2L型」,アイメックス(株)製)を使用してビーズミリングを行った。具体的には、100mLのミル容器に超音波照射後のスラリー30mLと直径30μmのジルコニアビーズとを投入して封入し、装置を駆動させてビーズミリングを実施した。このビーズミリングにおいて、ジルコニアビーズの投入量はミル容器の容積に対して33%であり、ミル容器の回転速度は2570rpmであり、ミリング時間は2時間であった。
上述のようにして得られたND分散液について、動的光散乱法によってNDの粒度分布を測定した。具体的には、Malvern社製の装置(商品名「ゼータサイザー ナノZS」)を使用して、NDの粒度分布を動的光散乱法(非接触後方散乱法)によって測定した。測定に付されたND分散液は、固形分濃度ないしND濃度が2.1質量%であり、超音波洗浄機による超音波照射を経たものである。測定の結果、NDの粒径D50(メディアン径)は5.05nmであり、NDの粒径D90は7.54nmであった。
上述のようにして得られたND分散液に含まれるND粒子に関するゼータ電位について、Malvern社製の装置(商品名「ゼータサイザー ナノZS」)を使用して、レーザードップラー式電気泳動法によって測定した。測定に付されたND分散液は、固形分濃度ないしND濃度が0.2質量%となるように超純水で希釈した後に超音波洗浄機による超音波照射を経たものである。ゼータ電位測定温度は25℃である。本測定の結果、ND分散液(pH8.07)のゼータ電位は41.8mVであった。
次に、修飾化工程を行った。具体的には、まず、ND溶液および修飾化剤溶液をそれぞれ調製した。
ND溶液は、上記遠心分離処理を経て得られたND分散液1mL(ND含有量20mg)とメタノール20mLとを混合したものである。
修飾化剤溶液は、(1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシル)ホスホン酸(東京化成工業(株)製)50mgをトルエン20mLに溶解したものである。
次に、100mLナスフラスコ中にND溶液と修飾化剤溶液を仕込み、マグネティックスターラーを使用して、23℃において4時間撹拌した(第1撹拌処理)。
次に、第1撹拌処理後の溶液について、ロータリーエバポレーターを使用して、液量が20mLになるまで溶媒を留去した。この蒸留処理において、処理に付される溶液の温度は50℃とし、蒸留圧力は230mmHgとし、蒸留時間は約10分間とした。
次に、蒸留処理後の溶液にメタノール20mLおよびトルエン10mLを加え、マグネティックスターラーを使用して、23℃において4時間撹拌した(第2撹拌処理)。
次に、第2撹拌処理後の溶液について、第1撹拌処理後の溶液に行ったのと同様に蒸留処理を行い、液量が20mLになるまで溶媒を留去した。そして、第2撹拌処理からその後の蒸留処理までの一連の過程を、合計20回繰り返した。以上のような修飾化工程により、(1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシル)ホスホン酸残基で表面修飾されたND粒子(=表面修飾ND)の分散するトルエン溶液20mLが得られた。
次に、乾燥工程を行った。具体的には、修飾化工程で得られたND分散トルエン溶液からエバポレーターを使用して液分を蒸発させた後、これによって生じた残留固形分を乾燥用オーブン内での加熱乾燥によって乾燥させた。加熱乾燥温度は120℃とした。
さらに乾燥した表面修飾ND(1)をヘキサン中に0.02質量%となるように超音波処理を行い、再分散させた。NDの粒径D50(メディアン径)は136nmであり、NDの粒径D90は163nmであった。
実施例1で得られた表面修飾ND(1)0.03g(後述のETFEに対して0.1質量%となる量)とエチレン・テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)(旭硝子(株)製、製品名「Fluon」、グレード名LM−730AP、融点:225℃、MFR:20〜30g/10分)30gを250℃に昇温した溶融混練機((株)東洋精機製作所製、ラボプラストミル)中で5分間混練し、その後、室温まで冷却して、ETFEと表面修飾ND(1)の複合材料(1)を得た。
得られた複合材料(1)について、その断面をTEM写真で観察したところ、ND粒子の一次粒子や、一次粒子が十数個ほど凝集した二次粒子が混在した状態で分散しており、平均粒子径は、数十nm程度であった(図2参照)。すなわち、表面修飾ND(1)が高度に分散していた。
また、得られた複合材料(1)について、DSCを用いて結晶化度を測定した。
得られた複合材料(1)を5cm四方、厚み500μmの型枠を使用して280℃に昇温したミニテストプレス機((株)東洋精機製作所製、MP−2FH)に供し、圧力5MPaで、5分間プレスを行った後、水で急冷した。得られたプレス片を7号ダンベル型に切り出したものを試験片として使用し、下記条件で引っ張り試験を行った。
<測定条件>
測定装置:万能引張試験機(型名「テンシロン RTG1310」、(株)エー・アンド・デイ製)
温度/湿度:23℃/50%
引張速度:10mm/min
標線間距離:12mm
チャック間距離:20mm
ロードセル:250N
表面修飾ND(1)を使用しなかった以外は実施例2と同様に行った。すなわち、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)(旭硝子(株)製、製品名「Fluon」、グレード名LM−730P、融点:225℃)30gを250℃に昇温した溶融混練機((株)東洋精機製作所製、ラボプラストミル)中で5分間混練した。
混練後のETFEの固化物について、実施例2と同様の方法で引っ張り試験を行った。
表面修飾ND(1)に代えて、実施例1の水素化工程において得られたND粉体(以後、「表面未修飾ND」と称する)を使用した以外は実施例2と同様にして、ETFEと表面未修飾NDの複合材料(2)を得た。
得られた複合材料(2)について、その断面をTEM写真で観察したところ、ETFEと表面未修飾NDの親和性が低かったためか、ND粒子は大きく凝集した二次粒子の状態で分散しており、平均粒子径は数μm程度であった(図3、4参照)。
また、複合材料(2)について、実施例2と同様の方法で引っ張り試験を行った。
2 ナノダイヤモンド粒子
3 フッ化アルキルホスホン酸残基
Claims (8)
- ナノダイヤモンド粒子と、前記ナノダイヤモンド粒子を表面修飾するフッ化アルキルホスホン酸残基とを含む、表面修飾ナノダイヤモンド。
- フッ化アルキルホスホン酸残基が、下記式(1’)及び/又は(2’)で表されるフッ化アルキルホスホン酸残基である、請求項1に記載の表面修飾ナノダイヤモンド。
- 熱分解開始温度が250℃以上である、請求項1又は2に記載の表面修飾ナノダイヤモンド。
- 有機溶媒と、請求項1〜3の何れか1項に記載の表面修飾ナノダイヤモンドとを、前記有機溶媒100質量部に対して前記表面修飾ナノダイヤモンドを0.0001〜10質量部の割合で含有する、ナノダイヤモンド分散液。
- 樹脂と請求項1〜3の何れか1項に記載の表面修飾ナノダイヤモンドとを含む、複合材料。
- 樹脂と請求項1〜3の何れか1項に記載の表面修飾ナノダイヤモンドとの溶融混合物である、請求項5に記載の複合材料。
- 樹脂が、ガラス転移温度又は融点が150℃以上の熱可塑性樹脂である、請求項5又は6に記載の複合材料。
- 樹脂が、熱可塑性フッ素樹脂である、請求項5〜7の何れか1項に記載の複合材料。
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