JP5359166B2 - フッ素化ナノダイヤモンド分散液の作製方法 - Google Patents

フッ素化ナノダイヤモンド分散液の作製方法 Download PDF

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Description

本発明は、精密研磨剤、潤滑剤、熱交換流動媒体などとして有用な、フッ素化ナノダイヤモンド分散液の作製方法に関するものである。
トリニトロトルエン(TNT)、ヘキソゲン(RDX)などの酸素欠乏型爆薬を用いた衝撃加圧の爆射法(衝撃法)により得られたダイヤモンドは、一次粒子が3〜20nmと極めて小さいためナノダイヤモンド(ND)と呼ばれている(例えば、非特許文献1、非特許文献2)。NDはそのナノスケールの粒子径により、研磨剤、潤滑剤、熱交換流動媒体、樹脂、金属などとの複合材料、低誘電率膜、エミッター材などの電子材料、DNA担体、ウイルス捕捉用担体などの医療分野など、通常のダイヤモンドの用途以外にも広範囲な用途での利用が期待されている。NDを、このような用途を目的として工業的に利用する場合に、NDが100nm未満の微細な粒子で液体中に分散した分散液としての提供が求められる。しかし、ND微粒子表面には、非黒鉛質、黒鉛質皮膜などの不純物炭素層が融着し、また、クラスターダイヤモンド(CD)とも呼ばれるように、NDは通常、粒子径が50〜7500nmの二次、三次凝集体として製造されているため、これらの不純物炭素層の除去、凝集体の解砕を行う必要がある。また、ナノレベルオーダーの粒子を溶液中に分散して取り扱う場合、粒子が小さいほど粒子同士の凝集が起こりやすく、また凝集した粒子が沈降するため安定な分散液を得ることは非常に難しい。そのため、これらの問題の解決策として、ビーズミル湿式解砕機や超音波ホモジナイザーなどで、液体中に一次粒子のNDのまま安定に分散させる方法が種々検討されている(例えば、特許文献1、特許文献2)。
また、NDの二次、三次凝集体(CD)の解砕を目的に、CDとフッ素ガスとを反応させる方法も報告されている。例えば、CDを反応温度:300〜500℃、フッ素ガス圧:0.1MPa、反応時間:5〜10日にてフッ素と接触させると、ダイヤモンド構造を保持したままで、F/Cモル比が0.2程度(XPS、元素分析)のフッ素化CDが得られる(非特許文献3)。このフッ素処理により、二次粒子径が約40μmのCDは、その凝集が部分的に解けて200nm程度になることがTEMにより観測されている。また、CDの摩擦係数は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)との混合粉末での回転式摩擦試験により、著しく低下することが確認されている(非特許文献4)。これは、TEM観察によるNDの格子模様が明瞭になっていることから、高温での反応によりND表面の非黒鉛質炭素が除去され、更にND表面のCF基、CF2基、CF3基等の形成により表面エネルギーが低下したためと報告されている(非特許文献5)。また、反応温度:150、310、410、470℃、F2/H2流量比:3/1、反応時間:48時間のフッ素処理により、フッ素含有量5〜8.6at.%(EDXによる分析)のフッ素化NDを合成したことにより、元のNDよりもエタノールなどの極性溶媒に対する溶解性が向上する結果も報告されている(非特許文献6、特許文献3)。しかし、このフッ素化処理では、CDの凝集体全てを完全に解砕することは困難であるため、粒子径が100nm未満からなるナノオーダーのフッ素化NDが分散した分散液を得る場合、超音波ホモジナイザーなどの分散処理を行った後、遠心分離処理、フィルタ濾過などの分級操作が必須である。この分級操作により、分散するフッ素化NDの濃度が低下するため、高濃度でフッ素化NDが分散した分散液を得るためには、濃縮などの工程を行う必要がある。
特開2005−1983号公報 特開2005−97375号公報 US2005/0158549A1号明細書 大澤映二:砥粒加工学会誌,47,414(2003). 花田幸太郎:砥粒加工学会誌,47,422(2003). 大井辰巳、米本暁子、川崎晋司、沖野不二雄、東原秀和:第26回フッ素化学討論会要旨集(2002年11月)、p.24−25 米本暁子、大井辰巳、川崎晋司、沖野不二雄、片岡文昭、大澤映二、東原秀和:日本化学会第83回春季年会予稿集(2003年3月)、p.101 H.Touhara, K.Komatsu, T.Ohi, A.Yonemoto, S.Kawasaki, F.Okinoand H.Kataura: Third French-Japanese Seminar on Fluorine in Inorganic ChemistryandElectrochemistry (April, 2003) Y.Liu, Z.Gu, J.L.Margrave, and V.Khabashesku; Chem. Mater. 16, 3924 (2004).
フッ素化NDは、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類をはじめとする極性溶媒に良く分散し、特にジメチルスルホキシド、アセトン、N,N−ジメチルアセトアミドなどの非プロトン性極性溶媒に対しては非常に高い分散性を示す。しかし、フッ素化NDは粒子径100nm以上の凝集体(以下、凝集体と表記)や不純物炭素などを多く含んでいるため、これらの溶媒に粒子径が100nm未満からなるナノオーダーのフッ素化ND(以下、真性フッ素化NDと表記)のみが分散した分散液を得るためには、超音波ホモジナイザーなどを用いた分散処理の他に、遠心分離機などを用いた分級処理を行うことが必須となる。しかし、非プロトン性極性溶媒を分散媒として選択した場合、フッ素化NDの凝集体も非プロトン性極性溶媒に対して非常に高い分散性を示すため、遠心分離機による分級処理では、凝集体と真性フッ素化NDとを分級することが非常に困難である。遠心分離機の回転数を増加させて凝集体を除去することも不可能ではないが、その場合、真性フッ素化NDも凝集体と共に除去されるため、得られる分散液の濃度が低下し、フッ素化NDが1%以上分散した分散液を得ることが出来ない。フッ素化NDが1%以上分散した分散液を得るためには、濃縮などの操作を別に行う必要がある。しかし、分散液を濃縮した場合、フッ素化NDの分散性が低下し、平均粒子径が増大する可能性がある。遠心分離以外の分級操作として、濾紙やフィルタを用いた濾過によって分級する方法も考えられる。しかし、数10ml程度の少量に対しては分級可能であるが、工業的に1L以上の大容量を処理する場合、すぐに濾紙あるいはフィルタが目詰まりするため、分級が非常に困難であり、真性フッ素化NDが1%以上の濃度で分散した非プロトン性極性溶媒の分散液を得ることは出来ない状況にある。
本発明は、非プロトン性極性溶媒を分散媒とし、真性フッ素化NDが、1%以上の濃度で分散し、少なくとも120時間以上の長期に渡って、安定に分散した分散液を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、まずフッ素化NDと炭素数4以下のアルコールを混合し、超音波処理して得られる懸濁液を遠心分離による分級処理により、分散液を作製し、その分散液中のアルコール分を除去して得られる乾燥フッ素化NDが、非常に高い分散性を有することを見出した。そして、該乾燥フッ素化NDを非プロトン性極性溶媒に分散させることで、平均粒子径を増大させることなく、真性フッ素化NDの分散濃度を0.01〜15%の範囲で自由に調整可能であり、少なくとも120時間以上の長期に渡って安定な分散液を提供できることを見出し、本発明に至ったものである。
すなわち本発明は、フッ素化NDを非プロトン性極性溶媒に分散させることによりフッ素化ND分散液を作製する方法において、フッ素化NDと炭素数4以下のアルコールを混合し、超音波処理することにより懸濁液を作製し、得られる懸濁液を遠心分離による分級処理によりフッ素化NDの分散液を作製する精製工程、該精製工程で得られるフッ素化NDの分散液から前記アルコールを除去することにより乾燥フッ素化NDを作製する乾燥工程、該乾燥工程で得られる乾燥フッ素化NDと非プロトン性極性溶媒を混合し、超音波処理によりフッ素化ND分散液を作製する再分散工程からなることを特徴とする、フッ素化ND分散液の作製方法を提供するものである。
本発明の分散液作製方法では、真性フッ素化NDのみが、非プロトン性極性溶媒に分散した分散液を作製することが可能となる。また、本発明の乾燥工程で得られる乾燥フッ素化NDは、非プロトン性極性溶媒以外の溶媒にも分散可能であり、分散液の使用目的に合わせた分散媒の選択が可能となる。また、本発明の分散液作製方法により得られる、平均粒子径が3〜20nmであるフッ素化ND分散液は、平均粒子径を20nmより増大させることなく、少なくとも120時間以上の長期に渡って、安定に分散し、保存することが可能である。さらには、本発明の分散液作製方法により、分散液中のフッ素化NDの含有量を0.01〜15%の範囲で自由に調整可能となる。
以下、本発明をさらに詳述する。
本発明において用いる分散粒子は、NDとフッ素ガスとの直接反応、あるいはフッ素プラズマによるフッ素化などにより、ND表面をフッ素で修飾して生成したフッ素化NDである。このフッ素化NDのフッ素含有量は、10%以上であることが好ましく、フッ素含有量が10%未満である場合、乾燥工程において、アルコールを除去して得られる乾燥フッ素化NDが、再び凝集し、再分散工程で非プロトン性極性溶媒に分散し難くなる可能性がある。また、フッ素化はNDの最表面のみが反応し、表面一層にフッ素が付加していることが好ましく、もし、表面一層より内部にフッ素が付加している場合、ダイヤモンド構造の一部、あるいは全体が崩壊している可能性があり、粒径のばらつきや、粒子強度の低下を引き起こす可能性がある。表面一層にフッ素が付加している場合の最大フッ素含有量は、一次粒子の粒径によるが、例えば一次粒子の粒径がすべて3nmで、ダイヤモンドの結晶構造が、八面体型の単結晶であると仮定した場合、最大フッ素含有量は約34%となり、粒径が10nmでは14.5%である。
本発明の精製工程において用いるアルコールは、フッ素化NDが適度に分散し、かつ、乾燥しやすいものが好ましいため、炭素数4以下のアルコールを用いる。炭素数4以下のアルコールとして具体的には、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノールなどの他、テトラフルオロプロパノールなどの含フッ素系アルコール類なども挙げられる。なお、炭素数が4より大きいアルコール、例えばヘキサノールやオクタノールは、炭素数が増加するにつれて粘度が増加し、フッ素化NDの分散性が低下するため、真性フッ素化NDの分散液を得られない可能性がある。
また、本発明の再分散工程において用いる非プロトン性極性溶媒は、使用する用途に合わせた選択が可能であり、特に特定されないが、非プロトン性極性溶媒の代表例として、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、アセトン、ジメトキシエタン、ヘキサメチルリン酸トリアミドなどが挙げられる。
次に、本発明のフッ素化ND分散液の作製方法は、フッ素化NDと炭素数4以下のアルコールを混合し、超音波処理することにより懸濁液を作製し、得られる懸濁液を遠心分離による分級処理により、不純物および凝集体が除去されたフッ素化NDの分散液を作製する精製工程、該精製工程で得られるフッ素化NDの分散液中の炭素数4以下のアルコールを蒸留などの操作によって除去することにより乾燥フッ素化NDを作製する乾燥工程、該乾燥工程で得られる乾燥フッ素化NDと非プロトン性極性溶媒を混合し、超音波処理によってフッ素化ND分散液を作製する再分散工程からなる。
精製工程において、フッ素化NDと炭素数4以下のアルコールを混合する割合は、フッ素化NDと炭素数4以下のアルコールの全質量に対してフッ素化NDが0.5〜1.2%となるように混合することが好ましい。フッ素化NDを0.5%未満で混合した場合でも、本発明の目的を達成することは可能であるが、後の乾燥工程において、得られるフッ素化NDが少量であるため、フッ素化NDが非プロトン性極性溶媒に高濃度で分散した分散液を得るためには、精製工程または乾燥工程の規模を大きくしたり、各工程のバッチ回数を増加してフッ素化NDを作製する必要があり、生産性が低下する可能性がある。また、フッ素化NDを1.2%より多く混合した場合、後の超音波処理において、その効果が十分に発揮されず、目的の懸濁液を得ることが出来ない可能性がある。
また、精製工程において、フッ素化NDと炭素数4以下のアルコールとの懸濁液を作製する場合、超音波処理時の超音波の照射出力は400W以上であることが好ましい。照射出力が400W未満では、フッ素化NDが十分に懸濁せず、後の遠心分離による分級処理によって、真性フッ素化NDも沈殿する可能性がある。照射出力は400W以上であれば本発明の目的を十分に達成できるが、照射時間を考慮した場合、照射出力は600Wから1500Wであることがより好ましい。照射時間は処理するフッ素化NDと炭素数4以下のアルコールとの混合液の量にもよるため限定できないが、例えば混合液が100mlの場合、照射出力400Wで1h以上の処理が必要であるのに対し、照射出力700Wで0.5h、照射出力1500Wで0.1hで処理できる。なお、これ以上の照射時間で処理しても、本発明の目的達成に支障をきたすことはないが、分散濃度の増加などの効果が得られることは期待できない。
さらに、精製工程における遠心分離による分級処理において、真性フッ素化NDからなる分散液を得るには、超音波照射後の懸濁液を相対遠心加速度が3500G〜6000Gの遠心分離による分級処理を行うことが好ましい。相対遠心加速度が3500G未満の場合、フッ素化NDの凝集体が完全に除去できず、真性フッ素化NDからなる分散液を得ることができない。また、6000Gより高い相対遠心加速度で処理した場合、真性フッ素化NDも沈殿して除去され、フッ素化NDの分散濃度が低下する可能性がある。なお、遠心分離の処理時間は、相対遠心加速度、使用する遠沈管の容量などによって異なるため、限定できないが、例えば、50mlの遠沈管を用いた場合、相対遠心加速度4500Gで0.5h、相対遠心加速度6000Gで0.1hで十分である。
次に、乾燥工程において、真性フッ素化NDからなる分散液中の炭素数4以下のアルコールを除去する方法としては、蒸留(減圧蒸留、常圧蒸留など)を行うことが好ましい。乾燥機などで、単純に加熱して乾燥処理を行うことも可能であるが、本発明で使用するアルコールは引火性であり、発火、爆発する危険性があるため、その場合はNなど不活性ガスを雰囲気ガスに用いるなどの対策が必要である。処理時間を短縮し、安全に操作を行うには、減圧蒸留を用いるのが一般的であろう。
再分散工程において、フッ素化NDと非プロトン性極性溶媒の混合濃度は、フッ素化NDと非プロトン性極性溶媒の全質量に対し、フッ素化NDが0.01〜15%の範囲であることが好適であり、使用する目的に合わせた濃度調整が可能である。なお、15%より高い濃度では、フッ素化NDの安定性が低下する可能性があり、最悪の場合、120時間以内に沈殿を発生する可能性がある。
また、再分散工程において、フッ素化NDを非プロトン性極性溶媒に分散させ、安定な分散液を得るためには、フッ素化NDと非プロトン性極性溶媒の混合物に、超音波処理を行う必要がある。精製工程同様、超音波の照射出力は400W以上であることが好ましい。照射出力が400W未満では、フッ素化NDが十分に分散しない可能性があるが、照射出力が400W以上であれば本発明の目的を十分に達成できる。照射時間は処理するフッ素化NDと非プロトン性混合溶媒との混合液の量、混合濃度などにもよるため限定できないが、例えば混合液の全量が100mlで、フッ素化NDの混合濃度が1%の場合、照射出力400Wで0.2h以上、照射出力700Wで0.1h以上の処理が必要である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
実施例1〜5
あらかじめ、ND(甘粛凌云納米材料有限公司製、ナノダイヤモンド精製粉、粒径:3〜20nm、販売代理店:(株)ニューメタルス エンド ケミカルス コーポレーション)を圧力1kPaで3時間、400℃に加熱して、NDに含まれる水分を除去した。乾燥処理を行ったNDを20g、ニッケル製の反応管に入れ、これに20℃で、フッ素ガスを流量20ml/min、アルゴンガスを流量380ml/minで流通した。そして、試料を400℃に加熱し、140時間、アルゴンガスとフッ素ガスの流通を継続し、NDとフッ素ガスを反応させ、フッ素化NDを作製した。なお、作製したフッ素化NDのフッ素含有量は元素分析により12%であった。
得られたフッ素化NDを、炭素数4以下のアルコールとしてエタノール(実施例1〜3)あるいはイソプロピルアルコール(実施例4、5)300mlに2.4g投入し、超音波ホモジナイザー(VCX-750、Sonics&materials社製)によって、出力700Wの超音波照射を0.5時間行い、フッ素化NDが分散した懸濁液を作製した。
次に、得られた懸濁液を遠心機(CN−2060、HSIANGTAI社製)により、回転数6000rpm(相対遠心加速度3900G)で40min分級処理し、遠心分離後の上澄み液を採取して分散液を得た。この分散液について平均粒子径および、分散粒子濃度を測定したところ、含有する最大粒子径は56nm、平均粒子径は12nm、分散粒子濃度は0.4%であった。
得られた分散液300mlをロータリーエバポレーター(N−1000T、東京理化器械株式会社製)で減圧蒸留し、フッ素化NDの乾燥物0.9gを得た。以上の、フッ素化NDと炭素数4以下のアルコールとを混合し減圧蒸留までの操作を繰り返し行い、フッ素化NDの乾燥物を合計10g得た。
なお、最大粒子径と平均粒子径は、動的光散乱法による粒度分布測定器(FPAR1000、大塚電子製)を用いて測定を行い、粒子径毎の頻度を分散粒子の質量によって換算した質量換算粒度分布から、算出される値を採用し、分散粒子濃度は、分散液を10g秤量し、乾燥機により50℃で乾燥して分散媒を除去後、残存した粒子の質量を秤量し分散粒子濃度を算出した。
非プロトン性極性溶媒として、N−メチル−2−ピロリドン(CAS番号:872−50−4、実施例1、2、4)、あるいはN,N-ジメチルアセトアミド(CAS:127−19−5、実施例3、5)を用い、フッ素化NDの乾燥物の質量がフッ素化NDの乾燥物と非プロトン性極性溶媒の合計質量に対して、実施例1及び3、4は1%、実施例2は12%、実施例5は5%となるように混合し、超音波ホモジナイザー(VCX-750)によって、出力700Wの超音波照射を0.1時間行い、フッ素化NDの分散液を作製した。こうして得られた各分散液について、120時間静置した後に、分散粒子濃度、最大粒子径、平均粒子径を測定した。いずれも、得られた分散液の分散粒子濃度は、非プロトン性極性溶媒との混合時に調整した濃度と一致した。
比較例1
炭素数4以下のアルコールの代わりにオクタノール(炭素数8)を用いる以外は、上記実施例1〜5と同様の方法でフッ素化NDを、オクタノール(炭素数8)300mlに2.4g投入し、超音波ホモジナイザー及び遠心機による分級処理を行ったが、遠心分離後、全てのフッ素化ND粒子が沈殿したため、フッ素化NDの分散液は得られなかった。
比較例2、3
上記実施例1〜5と同様の方法でフッ素化したフッ素化NDを、フッ素化NDの質量がフッ素化NDと非プロトン性極性溶媒(比較例2:N−メチル−2−ピロリドン、比較例3:N,N-ジメチルアセトアミド)の合計質量に対して、1%になるよう混合し、超音波ホモジナイザー(VCX-750)によって、出力700Wの超音波照射を0.5時間行い、フッ素化NDが分散した懸濁液を作製した。次に、得られた懸濁液を遠心機(CN−2060)により、回転数6000rpm(相対遠心加速度3900G)で40min分級処理し、遠心分離後の上澄み液を採取して分散液を得た。この分散液について、120時間静置した後の、最大粒子径、平均粒子径、および分散粒子濃度を測定した。
比較例4
上記比較例2で作製したフッ素化ND分散液20mlを乾燥機(DSR−111、いすゞ製作所社製)により、分散粒子濃度が2%になるまで溶媒を蒸発させて濃縮した。得られた濃縮液ついて最大粒子径、平均粒子径、および分散粒子濃度を測定した。
実施例1〜5、比較例1〜4の結果をまとめて表1に示す。なお表1中の分散粒子濃度、最大粒子径、平均粒子径は、実施例1〜5については再分散工程で得られた分散液の値を示し、比較例2、3は遠心分離後の上澄み液の値、比較例4は濃縮して得られた分散液の値をそれぞれ示している。
本発明の作製方法により得られるフッ素化NDの分散液は、研磨剤、潤滑剤、熱交換流動媒体、樹脂、金属などとの複合材料、低誘電率膜、エミッター材などの電子材料、DNA担体、ウイルス捕捉用担体などの医療分野など、通常のダイヤモンドの用途以外にも広範囲な用途での利用が可能となる。

Claims (1)

  1. フッ素化ナノダイヤモンドを非プロトン性極性溶媒に分散させることによりフッ素化ナノダイヤモンド分散液を作製する方法において、フッ素化ナノダイヤモンドと炭素数4以下のアルコールを混合し、超音波処理することにより懸濁液を作製し、得られる懸濁液を遠心分離による分級処理によりフッ素化ナノダイヤモンドの分散液を作製する精製工程、該精製工程で得られるフッ素化ナノダイヤモンドの分散液から前記アルコールを除去することにより乾燥フッ素化ナノダイヤモンドを作製する乾燥工程、該乾燥工程で得られる乾燥フッ素化ナノダイヤモンドと非プロトン性極性溶媒を混合し、超音波処理によりフッ素化ナノダイヤモンド分散液を作製する再分散工程からなることを特徴とする、フッ素化ナノダイヤモンド分散液の作製方法。
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