JP7304853B2 - 組成物 - Google Patents
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Description
本発明の他の目的は、液晶ポリマーの成形温度以上の温度に耐熱性を有する酸化防止剤を提供することにある。
液晶ポリマーを構成する全構成単位における、
下記式(I)で示される構成単位の含有量が50~100モル%、
下記式(II)で示される構成単位の含有量が0~25モル%、
下記式(III)で示される構成単位の含有量が0~25モル%である
また、本発明の組成物の溶融物は流動性に優れると共に、固化に伴う収縮が小さく、反りの発生を抑制することができる。そのため、所望の形状の成形体を精度良く製造することができる。
さらに、本発明の組成物の成形体は、高温環境下(例えば150℃以上、400℃未満の高温環境下)でも物性の低下(例えば、靱性低下、脆化等)を長期に亘って抑制することができる。従って、高温での長期使用に耐える。
本発明の組成物は上記特性を備えるため、例えば、プリント基板実装用部品、コネクタ・ボビン・光ピックアップ部品のケース、マイクロモーター部品などの電気・電子部品材料;コンプレッサー部品、ショックアブソーバー部品等の自動車部品材料として好適に使用することができる。
本発明の組成物は、液晶ポリエステル及び液晶ポリエステルアミドから選択される少なくとも1種の液晶ポリマーと、ナノダイヤモンド粒子(以後、「ND粒子」と称する場合がある)とを、前記液晶ポリマー100重量部に対してナノダイヤモンド粒子を0.001~5重量部の割合で含有する。
本発明における液晶ポリマーは、光学異方性溶融相を形成し得る性質を有する溶融加工性ポリマーを指す。異方性溶融相の性質は、直交偏光子を利用した慣用の偏光検査法により確認することができる。より具体的には、異方性溶融相の確認は、Leitz偏光顕微鏡を使用し、Leitzホットステージに載せた溶融試料を窒素雰囲気下で40倍の倍率で観察することにより実施できる。本発明の液晶ポリマーは直交偏光子の間で検査したときに、たとえ溶融静止状態であっても偏光は通常透過し、光学的に異方性を示す。
式(I)で示される構成単位の含有量は、例えば50~100モル%である。
式(II)で示される構成単位の含有量は、例えば0~25モル%である。
式(III)で示される構成単位の含有量は、例えば0~25モル%である。
(1)主として芳香族ヒドロキシカルボン酸及びその誘導体の1種又は2種以上からなるポリエステル;
(2)主として
(a)芳香族ヒドロキシカルボン酸及びその誘導体の1種又は2種以上と、
(b)芳香族ジカルボン酸及びその誘導体の1種又は2種以上と、からなるポリエステル;
(3)主として
(a)芳香族ヒドロキシカルボン酸及びその誘導体の1種又は2種以上と、
(b)芳香族ジカルボン酸及びその誘導体の1種又は2種以上と、
(c)芳香族ジオール及びその誘導体の1種又は2種以上と、からなるポリエステル;
(4)主として
(a)芳香族ヒドロキシカルボン酸及びその誘導体の1種又は2種以上と、
(b)芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ジアミン、及びそれらの誘導体の1種又は2種以上と、
(c)芳香族ジカルボン酸及びその誘導体の1種又は2種以上と、からなるポリエステルアミド;
(5)主として
(a)芳香族ヒドロキシカルボン酸及びその誘導体の1種又は2種以上と、
(b)芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ジアミン、及びそれらの誘導体の1種又は2種以上と、
(c)芳香族ジカルボン酸及びその誘導体の1種又は2種以上と、
(d)芳香族ジオール及びその誘導体の1種又は2種以上と、からなるポリエステルアミド
ND粒子の一次粒子径(D50、メディアン径)は10nm以下であり、好ましくは8nm以下、特に好ましくは7nm以下、最も好ましくは6nm以下である。ND粒子の粒子径の下限は、例えば2nmである。
成形された爆薬に電気雷管が装着されたものを爆轟用の耐圧性容器の内部に設置し、容器内において大気組成の常圧の気体と使用爆薬とが共存する状態で、容器を密閉する。容器は例えば鉄製で、容器の容積は例えば0.5~40m3である。爆薬としては、トリニトロトルエン(TNT)とシクロトリメチレントリニトロアミンすなわちヘキソーゲン(RDX)との混合物を使用することができる。TNTとRDXの重量比(TNT/RDX)は、例えば40/60~60/40の範囲である。
酸処理工程は、生成工程を経て得られたND粒子の粗生成物に混入する金属性不純物を除去する工程であり、前記ND粒子の粗生成物を水中に分散して得られるND粒子の粗生成物分散液に、酸を添加して前記金属性不純物を酸に溶出させ、その後、金属性不純物が溶出した酸を分離・除去することで、金属性不純物を除去することができる。この酸処理に用いられる酸(特に、強酸)としては鉱酸が好ましく、例えば、塩酸、フッ化水素酸、硫酸、硝酸、王水等が挙げられる。これらは、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。酸処理に使用される酸の濃度は例えば1~50重量%である。酸処理温度は例えば70~150℃である。酸処理時間は例えば0.1~24時間である。また、酸処理は、減圧下、常圧下、または加圧下で行うことが可能である。金属性不純物が溶出した酸を分離・除去する方法としては、例えばデカンテーションにより行うことが好ましい。また、デカンテーションの際には、固形分(ND粒子を含む)の水洗を行うことが好ましく、特に、沈殿液のpHが例えば2~3に至るまで、水洗を反復して行うことが好ましい。
酸化処理工程は、酸化剤を用いてND粒子粗生成物からグラファイトを除去する工程である。爆轟法で得られるND粒子粗生成物にはグラファイト(黒鉛)が含まれるが、このグラファイトは、使用爆薬が部分的に不完全燃焼を起こして遊離した炭素のうちND粒子結晶を形成しなかった炭素に由来する。例えば上記の酸処理を経た後に、水溶媒中で所定の酸化剤を作用させることにより、ND粒子粗生成物からグラファイトを除去することができる。また、酸化剤を作用させることにより、ND粒子表面にカルボキシル基や水酸基などの酸素含有基を導入することができる。
本方法では、次に、乾燥工程を設けることが好ましい。例えば、上記工程を経て得られたND粒子含有溶液から噴霧乾燥装置やエバポレーター等を使用して液分を蒸発させた後、これによって生じる残留固形分を乾燥用オーブン内での加熱乾燥によって乾燥させる方法が挙げられる。加熱乾燥温度は、例えば40~150℃である。このような乾燥工程を経ることにより、ND粒子が得られる。
本方法では、次に、加熱酸化工程を設けることが好ましい。加熱酸化工程は、上記工程を経て得られたND粒子を、酸素を含有する気体の雰囲気下で加熱して酸化することにより、その表面にC=O基を有するND粒子を得る工程である。
本発明の組成物は、例えば、液晶ポリマーとND粒子とを、前記液晶ポリマーの融点(若しくは、軟化温度)以上の温度で溶融混練することにより製造することができる。
本発明の成形体は、上記組成物の固化物から成る。本発明の成形体は、例えば、上記組成物の溶融物を、所望の形状の反転形状の凹部を有する金型に充填し、その後、冷却して上記組成物を固化させることにより製造することができる。
本発明の酸化防止剤は、ND粒子(好ましくは、上述のND粒子)を含むことを特徴とする。本発明の酸化防止剤は、熱可塑性樹脂用の酸化防止剤として好適に使用することができる。
重合容器に下記の原料を仕込んだ後、反応系の温度を140℃まで上昇させて、その温度で1時間反応させた。その後、更に325℃まで3.5時間かけて昇温し、そこから20分かけて5Torr(即ち667Pa)まで減圧して、酢酸、過剰の無水酢酸、及びその他の低沸分を留出させながら溶融重合を行った。撹拌トルクが所定の値に達した後、窒素を導入して減圧状態から常圧を経て加圧状態にして、重合容器の下部から液晶ポリマーを排出し、ストランドをペレタイズしてペレット状液晶ポリマーを得た。
得られた液晶ポリマーの融点は280℃、300℃における溶融粘度は44.0Pa・sであった。
4-ヒドロキシ安息香酸(HBA);1660g(73モル%)
2-ヒドロキシ-6-ナフトエ酸(HNA);837g(27モル%)
金属触媒(酢酸カリウム触媒);165mg
アシル化剤(無水酢酸);1714g
重合容器に下記の原料を仕込んだ後、反応系の温度を140℃まで上昇させて、その温度で1時間反応させた。その後、更に340℃まで4.5時間かけて昇温し、そこから15分かけて10Torr(即ち1330Pa)まで減圧して、酢酸、過剰の無水酢酸、及びその他の低沸分を留出させながら溶融重合を行った。撹拌トルクが所定の値に達した後、窒素を導入して減圧状態から常圧を経て加圧状態にして、重合容器の下部から液晶ポリマーを排出し、ストランドをペレタイズしてペレット状液晶ポリマーを得た。得られたペレット状液晶ポリマーには、更に、窒素気流下、300℃で2時間の熱処理を行った。
得られた液晶ポリマーの融点は336℃、350℃における溶融粘度は19.0Pa・sであった。
4-ヒドロキシ安息香酸(HBA);1380g(60モル%)
2-ヒドロキシ-6-ナフトエ酸(HNA);157g(5モル%)
テレフタル酸(TA);484g(17.5モル%)
4,4’-ジヒドロキシビフェニル(BP);388g(12.5モル%)
4-アセトキシアミノフェノール(APAP);126g(5モル%)
金属触媒(酢酸カリウム触媒);110mg
アシル化剤(無水酢酸);1659g
重合容器に下記の原料を仕込んだ後、反応系の温度を140℃まで上昇させて、その温度で1時間反応させた。その後、更に360℃まで5.5時間かけて昇温し、そこから30分かけて5Torr(即ち667Pa)まで減圧して、酢酸、過剰の無水酢酸、及びその他の低沸分を留出させながら溶融重合を行った。撹拌トルクが所定の値に達した後、窒素を導入して減圧状態から常圧を経て加圧状態にして、重合容器の下部から液晶ポリマーを排出し、ストランドをペレタイズしてペレット状液晶ポリマーを得た。得られたペレット状液晶ポリマーには、更に、窒素気流下、300℃で8時間の熱処理を行った。
得られた液晶ポリマーの融点は352℃、380℃における溶融粘度は23.0Pa・sであった。
4-ヒドロキシ安息香酸(HBA);37g(2モル%)
2-ヒドロキシ-6-ナフトエ酸(HNA);1218g(48モル%)
テレフタル酸(TA);560g(25モル%)
4,4’-ジヒドロキシビフェニル(BP);628g(25モル%)
金属触媒(酢酸カリウム触媒);165mg
アシル化剤(無水酢酸);1432g
TAインスツルメント社製DSCにて、液晶ポリマーを室温から20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm1)の観測後、(Tm1+40)℃の温度で2分間保持した後、20℃/分の降温条件で室温まで一旦冷却した後、再度、20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピークの温度を測定した。
液晶ポリマーの溶融粘度は、(株)東洋精機製作所製キャピログラフ(ピストン径:10mm)を使用し、内径1mm、長さ20mmのオリフィスを用いて以下の条件で、ISO11443に準拠して測定した。
シリンダー温度:
液晶ポリマーがLCP1の場合:300℃
液晶ポリマーがLCP2の場合:350℃
液晶ポリマーがLCP3の場合:380℃
せん断速度:1000sec-1
成形された爆薬に電気雷管が装着されたものを爆轟用の耐圧性容器(鉄製、容積は15m3)の内部に設置して容器を密閉した。爆薬としては、TNTとRDXとの混合物(TNT/RDX=50/50)0.50kgを使用した。次に、電気雷管を起爆させ、容器内で爆薬を爆轟させた。次に、室温での24時間の放置により、容器およびその内部を降温させた。この放冷の後、容器の内壁に付着しているND粒子粗生成物(上記爆轟法で生成したND粒子の凝着体と煤を含む)をヘラで掻き取る作業を行い、ND粒子粗生成物を回収した。
ガス雰囲気炉(商品名「ガス雰囲気チューブ炉 KTF045N1」,光洋サーモシステム(株)製)を使用して加熱酸化工程を行った。
具体的には、上述のようにして得られたND1(4.5g)をガス雰囲気炉の炉心管内に静置し、炉心管に窒素ガスを流速1L/分で30分間通流させ続けた後、通流ガスを窒素から酸素と窒素との混合ガス(酸素濃度:4体積%)へと切り替えて当該混合ガスを流速1L/分で炉心管に通流させ続けた。混合ガスへの切り替えの後、炉内を加熱設定温度400℃まで昇温させた。昇温速度については、加熱設定温度より20℃低い380℃までは10℃/分とし、その後、380℃から加熱設定温度までは1℃/分とした。そして、炉内の温度条件を400℃に維持しつつ、炉内のND粒子粉体について酸素酸化処理を行った。処理時間は3時間とした。以上のようにして、ND粒子粉体(ND2)を得た。加熱酸化工程に付される前のND粒子粉体の量に対する加熱酸化工程を経た後のND粒子粉体の量の割合(収率)は96%であった。FT-IRでは、図2に示すとおり、1776.44cm-1に表面官能基におけるケトン基(C=O)に由来する吸収ピークが見られた。尚、2800~3000cm-1には目立った吸収ピークは見られなかった。
加熱酸化工程の加熱設定温度を475℃に変更した以外は実施例2と同様にしてND粒子粉体(ND3)を得た。尚、昇温速度については、加熱設定温度より20℃低い455℃までは10℃/分とし、その後、455℃から加熱設定温度までは1℃/分とした。
加熱酸化工程に付される前のND粒子粉体の量に対する加熱酸化工程を経た後のND粒子粉体の量の割合(収率)は70%であった。FT-IRでは、図3に示すとおり、1800cm-1付近に表面官能基におけるケトン基(C=O)に由来する吸収ピークが見られた。尚、2800~3000cm-1には目立った吸収ピークは見られなかった。
実施例1と同様の方法で得られたND1(4.5g)をガス雰囲気炉の炉心管内に静置し、炉心管に窒素ガスを流速1L/分で30分間通流させ続けた後、通流ガスを窒素から水素と窒素との混合ガスへと切り替えて当該混合ガスを流速1L/分で炉心管に通流させ続けた。混合ガス中の水素濃度は2体積%である。混合ガスへの切り替えの後、炉内を加熱設定温度800℃まで昇温させた。昇温速度については、加熱設定温度より20℃低い780℃までは10℃/分とし、その後、780℃から加熱設定温度までは1℃/分とした。そして、炉内の温度条件を800℃に維持しつつ、炉内のND粒子粉体について水素還元処理を行った。処理時間は5時間とした。このようにして、ND粒子粉体(ND4)を得た。
加熱還元処理に付される前のND粒子粉体の量に対する加熱還元処理を経た後のND粒子粉体の量の割合(収率)は93%であった。FT-IRでは、図4に示すとおり、2940cm-1付近に表面官能基におけるC-Hに由来する吸収ピークが見られ、1710cm-1付近の表面官能基におけるケトン基(C=O)に由来する吸収ピークはほとんど見られなかった。
フーリエ変換赤外分光光度計(商品名「FT-720」、(株)堀場製作所製)に、加熱真空撹拌反射(商品名「Heat Chamber Type-1000℃」、(株)エス・ティ・ジャパン製)を取り付けた装置を用いて測定した。ND粒子の吸着水を除去するために、真空度2×10-3Pa条件下、150℃で1分間加熱後にFT-IR測定を実施した。
下記表1に示す処方にて各成分を混合し、(株)東洋精機製作所製プラストミルを用いて、下記のシリンダー温度で30分間溶融混練して組成物を得、得られた組成物の耐熱性を下記方法で評価した。
シリンダー温度:
液晶ポリマーとしてLCP1を含有する場合:300℃
液晶ポリマーとしてLCP2を含有する場合:350℃
液晶ポリマーとしてLCP3を含有する場合:370℃
得られた組成物を、TAインスツルメント製熱重量測定装置を用いて、乾燥空気毎分60mLフロー下、室温から370℃まで毎分10℃で昇温し、370℃到達後、2時間保持して、室温及び370℃における組成物の重量を測定し、下記式から重量減少率を算出した。
重量減少率=370℃における重量/室温における重量×100(%)
実施例8及び比較例1で得られた組成物を各50mgはかり取り、ESR試料管(内径約3.5mmφの石英管)に入れ、昇温ESR測定を下記条件下、下記解析方法で実施した。結果を図5に示す。
付属装置:高温キャビティ(日本電子(株)製)
測定条件
測定温度:室温~設定温度
中心磁場:3278G付近
磁場掃引範囲:500G
変調:100kHz,1G
マイクロ波:9.21GHz,1mW
掃引時間:120s×1time
時定数:100ms
データポイント数:4095points
キャビティ:TE011,円筒型
高温測定用の装置を使用し、昇温に伴うラジカル量の変化、g値、線幅の変化を調べた。本装置では、Mnマーカーを同時測定し、マーカーの信号を基準にてg値の算出及び検出感度の補正を行った。
合成空気[21%O2(N2バランス)]を30mL/minで流通させた雰囲気で昇温ESR測定(昇温速度:10℃/min)を行った。ラジカルの定量は、炭素上の不対電子がすべて局在電子(常磁性体)であることを仮定して行った。すなわち、局在スピンの信号強度は絶対温度の逆数(1/T)に比例するため、各温度における信号強度を室温での信号強度に換算し、室温で測定した標準試料の信号強度と比較して不対電子数を算出した。
下記表2に示す処方で各成分を混合し、二軸押出機(商品名「TEX30α」、(株)日本製鋼所製)を用い、下記のシリンダー温度にて溶融混練して組成物を得た。尚、ミルドガラスファイバーとしては、日東紡(株)製のPF70E001を使用した。
シリンダー温度:
液晶ポリマーとしてLCP1を含有する場合、300℃
液晶ポリマーとしてLCP2を含有する場合、350℃
〔成形条件〕
金型温度:80℃
射出速度:200mm/sec
保圧:50MPa
得られた成形体を熱風恒温槽(商品名「EPEC-18」、(株)いすゞ製作所製)内に空気雰囲気下、2000時間、260℃で静置した。その後、槽内から取り出して、ヒートエージング試験後の成形体を得た。
破断曲げ歪(%)=600×[たわみ(mm)]×[試験片厚み(mm)]/[支点間距離(mm)] (1)
靱性保持率(%)=[ヒートエージング2000時間の破断曲げ歪(%)]/[ヒートエージング0時間における破断曲げ歪(%)]×100 (2)
試験速度:1mm/min
支点間距離:12.8mm
圧子半径:0.5mm
支持台半径:2mm
[1] 液晶ポリエステル及び液晶ポリエステルアミドから選択される少なくとも1種の液晶ポリマーと、ナノダイヤモンド粒子とを、前記液晶ポリマー100重量部に対してナノダイヤモンド粒子を0.001~5重量部の割合で含有する組成物。
[2] 前記液晶ポリマーが下記構成を有する、[1]に記載の組成物。
液晶ポリマーを構成する全構成単位における、
式(I)で示される構成単位の含有量が50~100モル%、
式(II)で示される構成単位の含有量が0~25モル%、
式(III)で示される構成単位の含有量が0~25モル%である
[3] 液晶ポリマーを構成する全構成単位に対する、式(I)で表される構成単位と式(II)で表される構成単位と式(III)で表される構成単位の合計含有量が占める割合が70モル%以上である、[1]又は[2]に記載の組成物。
[4] 液晶ポリマーを構成する全構成単位に対する、式(VI)で示される構成単位の含有量が占める割合が30モル%以下である、[1]~[3]の何れか1つに記載の組成物。
[5] 液晶ポリマーの融点若しくは軟化点が250~400℃である、[1]~[4]の何れか1つに記載の組成物。
[6] 下記液晶ポリマーの溶融粘度が5~100Pa・sである、[1]~[5]の何れか1つに記載の組成物。
液晶ポリマーの溶融粘度:液晶ポリマーの融点若しくは軟化点よりも10~30℃高いシリンダー温度において、せん断速度1000sec-1で測定した溶融粘度である。
[7] ナノダイヤモンド粒子が爆轟法ナノダイヤモンド粒子である、[1]~[6]の何れか1つに記載の組成物。
[8] ナノダイヤモンド粒子のメディアン径が10nm以下である、[1]~[7]の何れか1つに記載の組成物。
[9] ナノダイヤモンド粒子が、表面にカルボニル基を有するナノダイヤモンド粒子である、[1]~[8]の何れか1つに記載の組成物。
[10] ナノダイヤモンド粒子のフーリエ変換赤外分光光度計による赤外吸収スペクトルにおいて、1700~1850cm-1の最大ピークが、2800~3000cm-1の最大ピークよりも高い、[1]~[9]の何れか1つに記載の組成物。
[11] 電子スピン共鳴法により測定される、25℃におけるラジカル発生量が2×1016~2×1018spins/gである、[1]~[10]の何れか1つに記載の組成物。
[12] 電子スピン共鳴法により測定される、320℃におけるラジカル発生量が2×1016~2×1018spins/gである、[1]~[11]の何れか1つに記載の組成物。
[13] 電子スピン共鳴法により測定される、400℃におけるラジカル発生量が、25℃におけるラジカル発生量の3.0倍以下である、[1]~[12]の何れか1つに記載の組成物。
[14] 空気中にて、昇温速度10℃/分で、50℃から370℃まで昇温した場合の重量減少率が2.5重量%以下である、[1]~[13]の何れか1つに記載の組成物。
[15] [1]~[14]の何れか1つに記載の組成物の固化物から成る成形体。
[16] ナノダイヤモンド粒子を含む、熱可塑性樹脂用酸化防止剤。
[17] ナノダイヤモンド粒子が爆轟法ナノダイヤモンド粒子である、[16]に記載の熱可塑性樹脂用酸化防止剤。
[18] ナノダイヤモンド粒子のメディアン径が10nm以下である、[16]又は[17]に記載の熱可塑性樹脂用酸化防止剤。
[19] ナノダイヤモンド粒子が、表面にカルボニル基を有するナノダイヤモンド粒子である、[16]~[18]の何れか1つに記載の熱可塑性樹脂用酸化防止剤。
[20] ナノダイヤモンド粒子のフーリエ変換赤外分光光度計による赤外吸収スペクトルにおいて、1700~1850cm-1の最大ピークが、2800~3000cm-1の最大ピークよりも高い、[16]~[19]の何れか1つに記載の熱可塑性樹脂用酸化防止剤。
[21] 融点若しくは軟化温度が250℃以上である熱可塑性樹脂用酸化防止剤である、[16]~[20]の何れか1つに記載の熱可塑性樹脂用酸化防止剤。
[22] 昇温速度10℃/分(空気中)で測定される5%重量減少温度が450℃以上である、[16]~[21]の何れか1つに記載の熱可塑性樹脂用酸化防止剤。
[23] ナノダイヤモンド粒子の含有量が酸化防止剤全量の60重量%以上である、[16]~[22]の何れか1つに記載の熱可塑性樹脂用酸化防止剤。
[24] ナノダイヤモンド粒子の、熱可塑性樹脂用酸化防止剤としての使用。
[25] ナノダイヤモンド粒子が爆轟法ナノダイヤモンド粒子である、[24]に記載の熱可塑性樹脂用酸化防止剤としての使用。
[26] ナノダイヤモンド粒子のメディアン径が10nm以下である、[24]又は[25]に記載の熱可塑性樹脂用酸化防止剤としての使用。
[27] ナノダイヤモンド粒子が、表面にカルボニル基を有するナノダイヤモンド粒子である、[24]~[26]の何れか1つに記載の熱可塑性樹脂用酸化防止剤としての使用。
[28] ナノダイヤモンド粒子のフーリエ変換赤外分光光度計による赤外吸収スペクトルにおいて、1700~1850cm-1の最大ピークが、2800~3000cm-1の最大ピークよりも高い、[24]~[27]の何れか1つに記載の熱可塑性樹脂用酸化防止剤としての使用。
[29] ナノダイヤモンド粒子が爆轟法ナノダイヤモンド粒子である、[24]~[28]の何れか1つに記載の熱可塑性樹脂用酸化防止剤としての使用。
[30] ナノダイヤモンド粒子のメディアン径が10nm以下である、[24]~[29]の何れか1つに記載の熱可塑性樹脂用酸化防止剤としての使用。
[31] ナノダイヤモンド粒子が、表面にカルボニル基を有するナノダイヤモンド粒子である、[24]~[30]の何れか1つに記載の熱可塑性樹脂用酸化防止剤としての使用。
[32] ナノダイヤモンド粒子のフーリエ変換赤外分光光度計による赤外吸収スペクトルにおいて、1700~1850cm-1の最大ピークが、2800~3000cm-1の最大ピークよりも高い、[24]~[31]の何れか1つに記載の熱可塑性樹脂用酸化防止剤としての使用。
[33] ナノダイヤモンド粒子を用いて熱可塑性樹脂用酸化防止剤を製造する、熱可塑性樹脂用酸化防止剤の製造方法。
Claims (8)
- 液晶ポリエステル及び液晶ポリエステルアミドから選択される少なくとも1種の液晶ポリマーと、フーリエ変換赤外分光光度計による赤外吸収スペクトルにおいて、1700~1850cm -1 の最大ピークが、2800~3000cm -1 の最大ピークよりも高いナノダイヤモンド粒子とを、前記液晶ポリマー100重量部に対してナノダイヤモンド粒子を0.001~5重量部の割合で含有する組成物。
- ナノダイヤモンド粒子が爆轟法ナノダイヤモンド粒子である、請求項1又は2に記載の組成物。
- 電子スピン共鳴法により測定される、320℃におけるラジカル発生量が2×1016~2×1018spins/gである、請求項1~3の何れか1項に記載の組成物。
- 電子スピン共鳴法により測定される、400℃におけるラジカル発生量が、25℃におけるラジカル発生量の3.0倍以下である、請求項1~4の何れか1項に記載の組成物。
- 請求項1~5の何れか1項に記載の組成物の固化物から成る成形体。
- フーリエ変換赤外分光光度計による赤外吸収スペクトルにおいて、1700~1850cm -1 の最大ピークが、2800~3000cm -1 の最大ピークよりも高いナノダイヤモンド粒子を含む、液晶ポリエステル及び液晶ポリエステルアミドから選択される少なくとも1種の液晶ポリマー用酸化防止剤。
- 昇温速度10℃/分(空気中)で測定される5%重量減少温度が450℃以上である、請求項7に記載の酸化防止剤。
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