JP2001139674A - 液晶性ポリエステルの製造方法 - Google Patents

液晶性ポリエステルの製造方法

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JP2001139674A JP32878399A JP32878399A JP2001139674A JP 2001139674 A JP2001139674 A JP 2001139674A JP 32878399 A JP32878399 A JP 32878399A JP 32878399 A JP32878399 A JP 32878399A JP 2001139674 A JP2001139674 A JP 2001139674A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶性ポリエステル、特に全芳香族液晶性ポ
リエステルを、容易に、短時間で、経済的に得ること。 【解決手段】 芳香族ジカルボン酸、芳香族ヒドロキシ
カルボン酸、芳香族ジオール、及び/又は芳香族ヒドロ
キシアミンからなり、芳香族環末端基数が下記式を満た
す液晶性ポリエステルのプレポリマー重合工程と、得ら
れたプレポリマーの重合度を上げるための固相重合工程
を行って液晶性ポリエステルを製造する。 【数1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機械的特性および
耐熱性に優れた、液晶性ポリエステル、特に全芳香族液
晶性ポリエステルの製造方法であって、プレポリマー溶
融重合と固相重合の2段階の重合を行い、プレポリマー
の芳香族環末端基数を特定の割合以上にした後、固相重
合を行う液晶性ポリエステルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、繊維、フィルムまたは成形品のい
ずれかを問わず、剛性、強度、耐熱性の優れた素材に対
する要望が高まっている。ポリエステルは、一般成形品
の用途を広く認められるに至っているが、多くのポリエ
ステルは、弾性率、強度が劣るため、高弾性率、高強度
が要求される用途には適していなかった。全芳香族液晶
性ポリエステルはその構造に基づき優れた性質を有する
が、特に耐熱性の点では著しく優れている。なかでもテ
レフタル酸やイソフタル酸と、パラヒドロキシ安息香酸
もしくはその誘導体と、4,4’−ジヒドロキシジフェ
ニルもしくはその誘導体などから得られる芳香族ポリエ
ステルは、射出成形可能でかつ各種物性、機械的性質、
電気的性質等に優れている上、高い耐熱性、耐薬品性、
耐油性、耐放射線性、寸法安定性などプラスチックの使
用分野における要求性能の多くの重要な性質を兼ね備え
ている樹脂であることが知られている。
【0003】全芳香族液晶性ポリエステルは、芳香族ヒ
ドロキジカルボン酸あるいは芳香族ジオールと芳香族ジ
カルボン酸との縮合重合(重縮合ともいう。)などによっ
て製造され、場合によってはアミノ基を有する芳香族成
分を骨格内に含有するものもある。ポリエステル中の芳
香族成分の結合は芳香族のカルボキシル基とフェノール
性水酸基等とのエステル結合であるが、このカルボキシ
ル基とフェノール性水酸基との直接脱水縮合によって形
成させることは通常困難である。そこで、フェノール性
水酸基を予め無水酢酸のような脂肪族カルボン酸無水物
でアシル化した芳香族化合物、例えばパラアセトキシ安
息香酸を原料とし、これを芳香族カルボン酸とエステル
交換して、副生する脂肪族カルボン酸を留出除去しなが
らポリエステルを製造する手法が用いられる(特開昭6
4−33123号、特開昭63−284221号公
報)。一方、特開昭62−267323号、特開平1−
230629号、特開平7−10975号公報に開示さ
れているように、脂肪族ポリエステルを含む液晶性ポリ
エステルを合成する際には、総フェノール性水酸基当量
に相当する量の0.01〜0.5倍量の脂肪族カルボン
酸無水物(例えば無水酢酸)を添加して芳香族カルボン
酸と反応させる方法がある。
【0004】これら液晶性ポリエステルは、溶融重合
法、固相重合法、懸濁重合法など公知の重合方法で製造
されるが、一般に高耐熱が要求されるポリマーについて
は固相重合法を用いる場合が多い。しかし、固相重合法
はポリマーの熱変形温度や融点よりも低い温度で反応さ
せることが必須であるので、必然的に溶融状態での重合
法、即ち溶融重合法と比較して反応速度が遅くなるとい
う問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】したがって、固相重合
法の反応終了時間は、溶融重合法と比較して長時間化が
避けられず、固相重合法においては、反応時間を如何に
短くするかという課題が残っていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる現
状に対して鋭意検討した結果、プレポリマーの末端基組
成を調整することにより、耐熱性や色相を劣化させるこ
となく、プレポリマーの固相重合速度の向上、即ち重合
時間の短縮が可能であることを見出し本発明に至った。
【0007】すなわち本発明の第1は、少なくとも構成
成分が、芳香族カルボン酸(A)及び水酸基を有する化
合物(B)からなり、溶融滞留時に異方性を示す液晶性
ポリエステルの製造方法において、芳香族環末端基数が
下記式(i)を満たす液晶性ポリエステルのプレポリマ
ー重合工程(1)と、得られたプレポリマーの重合度を
上げるための固相重合工程(2)を行うことを特徴とす
る液晶性ポリエステルの製造方法を提供する。
【数2】 本発明の第2は、芳香族カルボン酸(A)が芳香族ジカ
ルボン酸(a)及び/又は芳香族ヒドロキシカルボン酸
(c)であり、水酸基を有する化合物(B)が芳香族ジ
オール(b)、芳香族ヒドロキシカルボン酸(c)、及
び/又は芳香族ヒドロキシアミン(d)である本発明の
第1に記載の液晶性ポリエステルの製造方法を提供す
る。本発明の第3は、芳香族ヒドロキシカルボン酸
(c)がパラヒドロキシ安息香酸及び/又は2−ヒドロ
キシ−6−カルボキシナフタレンであることを特徴とす
る本発明の第1又は2に記載の液晶性ポリエステルの製
造方法を提供する。本発明の第4は、液晶性ポリエステ
ルが、構成成分として少なくともパラヒドロキシ安息香
酸を有する全芳香族液晶性ポリエステルであることを特
徴とする本発明の第1〜3のいずれかに記載の液晶性ポ
リエステルの製造方法を提供する。本発明の第5は、プ
レポリマー重合時に脂肪族カルボン酸無水物(E)をフ
ェノール性水酸基を有する芳香族化合物の水酸基当量の
1.02〜1.08倍の量で使用することを特徴とする
本発明の第1〜4のいずれかに記載の液晶性ポリエステ
ルの製造方法を提供する。本発明の第6は、脂肪族カル
ボン酸無水物(E)が無水酢酸であることを特徴とする
本発明の第5に記載の液晶性ポリエステルの製造方法を
提供する。本発明の第7は、プレポリマー重合時に、金
属系触媒をプレポリマーに対して金属重量基準200pp
m以下使用することを特徴とする本発明の第1〜6のい
ずれかに記載の液晶性ポリエステルの製造方法を提供す
る。本発明の第8は、プレポリマーの極限粘度[η]が、
0.2〜3.0dl/g(ペンタフロロフェノール中、60
℃)であることを特徴とする本発明の第1〜7のいずれ
かに記載の液晶性ポリエステルの製造方法を提供する。
本発明の第9は、固相重合工程(2)を200〜400
℃で行うことを特徴とする本発明の第1〜8のいずれか
に記載の液晶性ポリエステルの製造方法を提供する。本
発明の第10は、液晶性ポリエステルの極限粘度[η]
が2.0〜10.0dl/g、(ペンタフロロフェノール
中、60℃)であることを特徴とする本発明の第1〜9
のいずれか記載の液晶性ポリエステルの製造方法を提供
する。本発明の第11は、プレポリマー重合工程(1)
において、重合反応に続いて、プレポリマーの極限粘度
[η](ペンタフロロフェノール中、60℃)をO.2〜
3.Odl/gの範囲に保つようにして、芳香族環末端
基数が前記式(i)を満たすように熟成工程を行った
後、固相重合工程(2)を行うことを特徴とする本発明
の第1〜9のいずれかに記載の液晶性ポリエステルの製
造方法を提供する。本発明の第12は、熟成工程が、プ
レポリマーの最終重合温度の−10℃〜+10℃の範囲
で、減圧下、常圧下、もしくは加圧下に、又はこれらの
圧力下であってガス流通下に、撹拌を低下ないし停止さ
せた状態にすることにより行われることを特徴とする本
発明の第11に記載の液晶性ポリエステルの製造方法を
提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に係る液晶性ポリエステル
とは、溶融加工性ポリエステルで、溶融状態でポリマー
分子鎖が規則的な平行配列をとる性質を有しているもの
である。分子がこのように配列した状態をしばしば液晶
状態または液晶性物質のネマチック相という。このよう
なポリマー分子は、一般に細長く、偏平で、分子の長軸
に沿ってかなり剛性が高く、普通は同軸または平行のい
ずれかの関係にある複数の連鎖伸長結合を有している。
異方性溶融相の性質は、直交偏光子を利用した慣用の偏
光検査法により確認することができる。より具体的に
は、異方性溶融相の確認は、Leitz偏光顕微鏡を使用
し、Leitzホットステージにのせた溶融試料を窒素雰囲
気下で40倍の倍率で観察することにより行われる。本
発明のポリマーは直交偏光子の間で検査したときにたと
え溶融静止状態であっても偏光は透過し、光学的に異方
性を示す。
【0009】本発明に係る、好ましい液晶性ポリマー
は、一般溶剤には不溶である傾向を示し、したがって溶
液加工には不向きである。しかし、既に述べたように、
これらのポリマーは普通の溶融加工法により容易に加工
することができる。
【0010】本発明に係る液晶性ポリエステルは、芳香
族ポリエステル又は芳香族ポリエステルアミドが好まし
く、芳香族ポリエステル又は芳香族ポリエステルアミド
を同一分子鎖中に部分的に含むものであってもよい。特
に好ましくは、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ヒ
ドロキシアミン、芳香族ジアミンの群から選ばれた少な
くとも1種以上の化合物を構成成分として有する液晶性
芳香族ポリエステル、液晶性芳香族ポリエステルアミド
である。
【0011】本発明に係る液晶性ポリエステルは、より
具体的には、 (1)主として芳香族ヒドロキシカルボン酸(c)及び
/又はその誘導体の1種又は2種以上からなるポリエス
テル (2)主として芳香族ヒドロキシカルボン酸(c)及び
/又はその誘導体の1種又は2種以上、芳香族ジカルボ
ン酸(a)、脂環族ジカルボン酸(a’)及び/又はそ
の誘導体の1種又は2種以上、並びに、芳香族ジオール
(b)、脂環族ジオール(b’)、脂肪族ジオール
(b”)及び/又はその誘導体の少なくとも1種又は2
種以上とからなるポリエステル (3)主として芳香族ヒドロキシカルボン酸(c)及び
/又はその誘導体の1種又は2種以上、芳香族ヒドロキ
シアミン(d)、芳香族ジアミン(d’)及び/又はそ
の誘導体の1種又は2種以上、並びに、芳香族ジカルボ
ン酸(a)、脂環族ジカルボン酸(a’)及び/又はそ
の誘導体の1種又は2種以上とからなるポリエステルア
ミド (4)主として芳香族ヒドロキシカルボン酸(c)及び
/又はその誘導体の1種又は2種以上、芳香族ヒドロキ
シアミン(d)、芳香族ジアミン(d’)及び/又はそ
の誘導体の1種又は2種以上、芳香族ジカルボン酸
(a)、脂環族ジカルボン酸(a’)及び/又はその誘
導体の1種又は2種以上、並びに、芳香族ジオール
(b)、脂環族ジオール(b’)、脂肪族ジオール
(b”)及び/又はその誘導体の少なくとも1種又は2
種以上とからなるポリエステルアミド等が挙げられる。 更に上記の構成成分に、必要に応じて、安息香酸などの
単官能モノマー、芳香族ヒドロキシジカルボン酸や芳香
族トリカルボン酸等の3官能モノマー等の分子量調整剤
を併用してもよい。
【0012】本発明の液晶性ポリエステルの構成成分
(モノマー)の好ましい例は、 (i)2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ジヒ
ドロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン
及び6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸等のナフタレン化
合物、 (ii)4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−
ジヒドロキシビフェニル等のビフェニル化合物 (iii)下記一般式(I)、(II)又は(III)で表わされる化
合物:
【0013】
【化1】
【0014】(但し、X:炭素数1〜4のアルキレンも
しくはアルキリデン、−0−、−SO−、−SO2−、−S
−、−CO−より選はれる基であり、Y:−(CH2)n−(n
=1〜4)、−O(CH2)nO−(n=1〜4)、−O−、−SO
−、−SO2−、−S−、−CO−より選ばれる基)、 (iv)p−ヒドロキシ安息香酸、テレフタル酸、ハイド
ロキノン、p−アミノフェノール及びp−フェニレンジ
アミン等のパラ位置換のベンゼン化合物、及びそれらの
核置換ベンゼン化合物(核置換の置換基は塩素、臭素、
炭素数1〜4のアルキル、フェニル、1−フェニルエチ
ルより選ばれる。)、及び (v)イソフタル酸、レゾルシン等のメタ位置換のベン
ゼン化合物、及びそれらの核置換ベンゼン化合物(核置
換の置換基は塩素、臭素、炭素数1〜4のアルキル、フ
ェニル、1−フェニルエチルより選ばれる。)である。
【0015】上述の構成成分の内、ナフタレン化合物、
ビフェニル化合物、パラ位置換ベンゼン化合物より選ば
れる1種又は2種以上の化合物を必須の構成成分として
含むものが更に好ましい例である。又、p−位置換ベン
ゼン化合物の内、p−ヒドロキシ安息香酸、メチルハイ
ドロキノン及び1−フェニルエチルハイドロキノンは特
に好ましい例である。
【0016】又、本発明に係る液晶性ポリエステルは、
上述の構成成分の他に、同一分子鎖中に部分的に異方性
溶融相を示さないポリアルキレンテレフタレートを含ん
でいてもよい。この場合のアルキル基の炭素数は2〜4
である。
【0017】本発明に係る、エステル形成性の官能基を
有する化合物の具体例及び液晶性ポリエステルの具体例
については、特公昭63−36633号公報に記載され
ている。本発明に係る、液晶性ポリエステルは、一般に
重量平均分子量が約2,000〜200,000、好ま
しくは約10,000〜50,000、特に好ましくは
約20,000〜30,000である。本発明に係る、
芳香族ポリエステルアミドは、一般に重量平均分子量が
約5,000〜50,000、好ましくは約10,00
00〜30,000、特に好ましくは15,000〜1
7,000である。上記の芳香族ポリエステル及びポリ
エステルアミドは、また、60℃でペンタフルオロフェ
ノールに、0.1重量%の濃度で溶解したときに、少な
くとも約2.0dl/g、たとえば約2.O〜10.O
dl/gの極限粘度[η]を一般に示す。以下、本発明
では極限粘度[η]は、ペンタフロロフェノール中、6
0℃で測定した値のことである。
【0018】かかる分子量の測定は、アミン分解による
末端基分析による方法、ゲルパーミエーションクロマト
グラフィーを用いて分子量を測定する方法、ペンタフル
オロフェノール溶液にして光散乱法を用いて分子量を測
定する方法、又は、その他のポリマーの溶液形成を伴わ
ない標準的測定法、たとえば圧縮成形フイルムについて
赤外分光法により末端基を定量する方法により行うこと
ができる。全芳香族液晶性ポリエステルを例にとると、
定量可能な末端基の種類は、以下のものである。 カルボキシル末端基:(ポリマー鎖)−φ−COOH 芳香族環末端基:(ポリマー鎖)−φ フェノール性ヒドロキシ末端基:(ポリマー鎖)−φ−
OH (但し、φはベンゼン環又はナフタレン環を示す。(ポ
リマー鎖)−φ−は、φにおける(ポリマー鎖)−に対
する他の基の置換位置が、ベンゼン環の場合にはp−位
又はm−位を示し、ナフタレン環の場合には1,4−、
1,5−又は2,6−位を示す。)
【0019】本発明で使用する脂肪族カルボン酸無水物
としては無水酢酸、無水プロピオン酸等の炭素数が10
以下の低級脂肪族カルボン酸無水物が挙げられるが、コ
ストおよび取扱面から無水酢酸が一般的である。本発明
において、上記モノマーの中の、芳香族ジオール
(b)、脂環族ジオール(b’)、脂肪族ジオール
(b”)、芳香族ヒドロキシカルボン酸(c)、芳香族
ヒドロキシアミン(d)の水酸基、特にフェノール性水
酸基をアシル化するための脂肪族カルボン酸無水物
(E)の使用量は、プレーポリマー製造時に、水酸基を
有する上記化合物、特にフェノール性水酸基を有する芳
香族化合物の水酸基当量の1.02〜1.08倍、好ま
しくは1.02〜1.06倍の量で、脂肪族カルボン酸
無水物(E)を使用する。脂肪族カルボン酸無水物
(E)の使用量が水酸基当量の1.02倍未満の場合に
は、アシル化時の平衡が脂肪族カルボン酸無水物側にず
れて、液晶性ポリエステルヘの重合時に水酸基を有する
化合物(B)等の原料が昇華し、反応系が閉塞しやすい
し、また重縮合反応が不充分になり、一方、水酸基当量
の1.08倍を超える場合には、ポリエステルの着色が
著しくなり、また得られた樹脂の特性が低下するので好
ましくない。
【0020】プレポリマー重合反応は約150℃から4
00℃、好ましくは約250℃から370℃で、常圧な
いしは減圧系において、不活性気体雰囲気中で行うこと
望ましい。重合温度は適宜に昇温させながら行うことが
でき、その昇温速度は使用するモノマーの性質に応じて
調整するとよい。
【0021】本発明では、プレポリマー重合工程(1)
およびこれに続く後述の固相重合工程(2)はいずれも
触媒の不存在下でも進行する。触媒不存在下で反応させ
る場合には、触媒残さが生じないので、得られた重合体
の後処理が不要となるメリットがある。しかしながら、
ルイス酸などのガス状非金属系触媒、たとえばハロゲン
化水素、好ましくは塩化水素や有機アミン系触媒を用い
る場合には固相重合時に反応系からこれを容易に除去す
ることができるので使用することができる。本発明方法
を効果的に達成するには、従来提案されているところの
液晶性ポリエステル製造のために適当とされる金属系触
媒を滞留安定性や色相を阻害しない範囲で使用すること
ができる。上記金属触媒としては、たとえばリチウム、
ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属;カルシウ
ム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属;アルミニウ
ム、アンチモン、ゲルマニウム、チタン、錫などの金
属;又は、これらの酸化物、水酸化物、塩化物、有機酸
塩などの金属化合物等が挙げられれる。具体的には、酢
酸マグネシウム水和物、酢酸カリウム、酢酸カルシウ
ム、酢酸リチウム、チタン酸テトラブチルなどが例示さ
れる。プレポリマー重合工程において、使用する金属系
触媒の量は、得られるプレポリマーに対して金属重量基
準200ppm以下、好ましくは0〜100ppmであ
る。触媒の量が上記範囲未満ではアシル化反応が不充分
で、反応速度が遅くなり、上記範囲を超えると分岐反応
等の副反応により色相の悪化あるいは物性の低下が起こ
る。
【0022】ここで、液晶性ポリエステルを溶融重合に
よリ製造する場合、重合体の重合度が上昇するにつれて
溶融液の粘度が上昇し、さらに重合を続けると急激に粘
度が上昇し、最終的には通常の撹拌では撹拌不能な状態
に至る。粘度上昇は急激であるために、通常は重合温度
の昇温が追い付かず、結果として重合が完結していない
にもかかわらず反応内容物は固相となる。あるいは、液
晶性ポリエステルの合成に使用するモノマーは、一般的
に昇華性物質であるために、高温での溶融重合中に重合
槽の壁や減圧系の配管にモノマーが付着し、生成した液
晶性ポリエステルの組成を所望の組成比に制御すること
が困難になる。それゆえ、溶融重合工程のみによリ希望
する重合度の重合体とすること困難であるので、溶融重
合工程から得られた重合体(プレポリマー)を固相で重
合させることによリさらに重合を進行させ、希望する重
合度にすることが必要となる。従って、本発明では溶融
重合によるプレポリマー重合工程(1)と、得られたプ
レポリマーの重合度を上げるための固相重合工程(2)
からなる二段重合法を使用する。なお、高重合体の溶融
温度以上に重合温度を上昇させることによりこれを溶融
させ、重合完結まで溶融状態で重合させる方法は、全芳
香族ポリエステルの場合、所望の重合度の重合体の溶融
温度がきわめて高く、該重合体の分解温度に近接してい
るため、かかる方法を採用することは困難である。
【0023】(プレポリマー重合工程)本発明において
は、例えば、トルク計付撹拌装置、温度調節指示計、ア
ルゴンガス導入管およびコンデンサーを備えた重合反応
器に、必要な原料モノマー、アシル化剤、触媒等を装入
し、系内をアルゴンガスのような不活性ガスで置換した
後に、アシル化を行いながら、液晶性ポリエステルプレ
ポリマーを製造する。第1段階のプレポリマー合成段階
では、反応器中で、プレポリマーの極限粘度[η]が、
O.2〜3.Odl/g、好ましくは0.3〜2.Od
1/gであり、プレポリマー合成の最終段階の重合温度
が該プレポリマーの融点以上となるような温度で重合す
る。この反応では、酸無水物(E)は、原料モノマーの
水酸基、特にフェノール性水酸基をアシル化する働きを
有し、この反応の際に酸無水物(E)から酢酸等の脂肪
族カルボン酸が副生してくる。この副生する脂肪族カル
ボン酸は通常、留出等により系外に除去させた後、反応
容器から内容物を排出してプレポリマーを得る。得られ
たプレポリマーの末端基組成は、ほぼモノマー仕込み量
に準じた組成となっている。しかし、本発明者は、パラ
ヒドロキシ安息香酸等の芳香族ヒドロキシカルボン酸由
来の芳香族カルボン酸末端が高温溶融状態に於いては脱
炭酸反応を起こし、フェニル等の芳香族環末端へ変換さ
れることを見出し、更には、芳香族環末端基数が多いほ
ど、後工程の固相重合反応の反応速度が速いことを見出
した。前記式(i)で示される芳香族環末端基への変換
率は、理論上の総芳香族カルボキシル末端基(脱炭酸が
起こらなかったと仮定した場合の芳香族カルボキシル末
端基のことである。)に対して7%以上、好ましくは1
0%以上、更に好ましくは15%以上であり、30%に
高めることも可能である。
【0024】芳香族環末端への変換の方法としては、反
応に続いて一定条件下に熟成することにより行うことが
好ましい。変換は、プレポリマー重合触媒の存在下に行
うことが好ましい。通常、芳香族環末端基への変換率
は、理論上の総芳香族カルボキシル末端基に対して、重
合反応のみでは5%以下であるのに対して、反応に加え
て一定条件下に熟成することにより上記のように増加す
る。本発明では、プレポリマーの極限粘度[η]が、ペン
タフロロフェノール中60℃で測定して、O.2〜3.
Odl/g、好ましくは0.3〜2.Od1/gの範囲
を保つようにして、所定温度で、所定時間熟成する工程
を設ける。熟成が、プレポリマーの最終合成温度の−1
0℃〜+10℃の範囲、好ましくは−5℃〜+5℃、実
質的には溶融重縮合時に適用した最終温度で、減圧下、
常圧下、もしくは加圧下、又はこれらの圧力下にガス流
通下で、撹拌を低下ないし停止(静置)させた状態で、
例えば、1分〜5時間行われる。
【0025】熟成時に減圧処理をする場合の圧力は、下
限が、好ましくは溶融重縮合に適用した最低圧力であ
り、上限が、好ましくは650mmHg(86,500
Pa)、更に好ましくは500mmHg(66,500
Pa)、特に好ましくは300mmHg(39,900
Pa)である。この圧力が上記範囲より低過ぎると、生
成したプレポリマーの分子量が上昇し、所望の分子量の
ものが得られなかったり、プレポリマーの溶融粘度が上
昇し、従来使用される縦型重合反応器の下部から溶融状
態で抜き出すことが困難になる可能牲がある。
【0026】尚、溶融重縮合終了後に、熟成時の所定の
処理圧力にまで調整する場合には、例えばガスを供給す
る方法が挙げられる。ここで用いられるガスとしては、
空気、窒素、酸素、炭酸ガス、アルゴン等各種のものが
挙げられるが、高温下でポリマーと反応しにくく、ま
た、ポリマーの熱劣化、酸化劣化等を起こしにくいとい
う意味で、窒素、アルゴン等の不活性ガスが好ましい。
また、この重縮合終了後の熟成の際、減圧処理の代わり
に、または減圧処理とともに、反応器にガスを流通する
ことも好ましい。ガスを流通することにより、ポリマー
中から発生したガスを系外に除去することができ、ま
た、重合時に発生し気相に残存していた脱離成分も系外
に除去することができる。流通するガスとしては、上述
した供給ガスが挙げられ、好ましくは、窒素、アルゴン
等の不活性ガスである。ガス流通量としては、0.1〜
100リットル/分が好ましく、さらに好ましくはO.
5〜50リットル/分である。流通量が少ないと、ポリ
マーからの発生ガスおよび重合時に発生し気相に残存し
ていた脱離成分を系外に除去する効果が薄くなる。ま
た、流通量が多過ぎると、反応器内の温度が低下してポ
リマーの溶融粘度が上昇し、反応器の下部から溶融状態
で抜き出すことが困難になったり、流通するガスのコス
トが余計にかかったりする。
【0027】また、熟成時に加圧処理をする場合の圧力
は、下限が、好ましくは溶融重縮合に適用した最低圧力
であり、上限が、好ましくは5.0kg/cm2(49
0,000Pa)、更に好ましくは2.Okg/cm2
(196,000Pa)、特に好ましくは1.Okg/
cm2(98,000Pa)である。一方、圧力が高過
ぎると、ガス抜きの効果が薄れ、抜き出し時にストラン
ド中にガスが泡となって存在するなどしてストランドの
ふくれの原因となり、プレポリマーペレットの形状の悪
化、プレポリマー歩留りの低下を引き起こしたりする可
能性があり好ましくない。ここで用いられるガスとして
は、上述した供給ガスが挙げられ、好ましくは、窒素、
アルゴン等の不活性ガスである。
【0028】溶融重縮合終了後の熟成時間は、特に制限
はないが、1分〜5時間、好ましくは、3分〜2時間、
特に好ましくは、5分〜1時間である。この時間が短い
と、ポリマーが巻上ったままとなり、抜き出し速度が遅
くなったり、最終的な抜き出し量が減ったりする可能性
がある。一方この時間が長いと、ポリマーの分子量低
下、着色の原因となったりする可能性がある。なお、上
述した溶融重縮合終了後の熟成の際の減圧、ガスの流通
下の減圧及び/又は加圧の時間は、1分〜熟成時間まで
の間で選べばよいが、好ましくは5分〜1時間である。
減圧もしくは加圧と、ガスの流通は同時に行ってもよ
く、また別々に行ってもよく、更に、時間的に一部が重
複するようにしてもよい。
【0029】プレポリマーの融点は、200〜450
℃、好ましくは250〜400℃の範囲内にあることが
望ましい。このようなプレポリマーは、例えば、反応容
器から容易に取リ出して、次の固相法によるポリマー製
造の固相重合工程(2)に移すことができるため好まし
い。なお、このようにプレポリマーを合成する際には、
1段合成法または2段以上の工程からなる多段階の合成
法を採用することができるが、本発明においては、プレ
ポリマーの合成最終段階(すなわち1段の場合にはその
段、また多段の場合には合成最終段をいう。)における
プレポリマーの合成温度が、該プレポリマーの融点以上
となるような温度で合成することが望ましく、さらに好
ましくは250〜450℃、特に好ましくは300〜4
00℃の温度で合成する。このような温度でプレポリマ
ー合成を行うと、得られたプレポリマーを反応器から容
易に抜き出して、固相重合工程(2)に移送することが
できる。なお、例えば400℃を超えるような高温でプ
レポリマー合成を行うと、製品として得られる液晶性ポ
リエステルの物性が低下する傾向がみられる。
【0030】プレポリマー合成反応は、通常、O.3〜
8.O時間、好ましくはO.5〜4時間程度行われる。
なお、上記反応を行う際には、脂肪族カルボン酸無水物
の量は相当するフェノール性水酸基量の1.02〜1.
08倍の量で用いることが望ましい。前述したように、
フェノール性水酸基をアシル化するための脂肪族カルボ
ン酸無水物が水酸基当量の1.02倍以下の場合には、
アシル化時の平衡が脂肪族カルボン酸無水物側にずれて
ポリエステルヘの重合時に原料が昇華し、反応系が閉塞
しやすいし、また、水酸基当量の1.08倍以上の場合
には、ポリエステルの着色が著しくなり、また樹脂特性
が低下するためである。
【0031】(ポリマー化工程(固相重合工程))第2段
階では、第1段階で得られたプレポリマーを第1(溶融
重合)反応器から取リ出して、第2(固相重合)反応器
に導入し、この第2反応器中で、該プレポリマーを該プ
レポリマーの融点以下の温度、好ましくは該プレポリマ
ーの融点よリ20〜80℃低い温度で重合させて、極限
粘度[η]が2.O〜10.Od1/g、好ましくは
2.5〜8.Od1/gであるような液晶性ポリエステ
ルを製造する。ここで、得られたペレット状、粉末状ま
たはフレーク状のプレポリマーを、機械的に粉砕しまた
は粉砕することなくそのまま、第2反応器(固相重合反
応器)で、互いに固体が融着しない温度でさらに固相重
合させる。プレポリマーを機械粉砕のほか、直結した押
出機によりペレット化して、これを固相重合に供するこ
ともできる。固相重合反応器としては、多段式オーブ
ン、回転加熱用ドラム、たとえばロータリーオーブンホ
ッパーなどを使用することができる。また、固相重合工
程は、回分式、半回分式、連続式のいずれの方法によっ
ても行うことができるが、操作の簡便さ、経済性の面か
ら連続式が好ましい。
【0032】上記の固相重合は、場合によって減圧下で
行いうる。より容易に重合を進行させるには窒素等の不
活性ガス流通下で行うとよい。また乾燥空気を流すこと
によリ架橋され高重合度の重合体を得ることもできる。
不活性ガスの量は、液晶性ポリマーとの質量比(ガス
比)が、気体質量/樹脂質量=0.75〜20の範囲で
あることが好ましい。固相重合反応器にペレットとして
装入する場合には、減圧下で温度を上昇させ、高分子量
化することが好ましい。この場合、固相重合をできるだ
け均一に行うためにはペレットの直径を2cm以下、長
さを2cm以下にすることが好ましい。しかし、ペレッ
トを3mm以下のサイズにすると固相重合時や移送時に
粉体のブリッジングあるいは舞い上がり等により扱いが
困難となり望ましくない。
【0033】固相重合温度は、200〜400℃、好ま
しくは250〜380℃である。このような温度でプレ
ポリマーをポリマー化させると、曲げ弾性率、引張強
度、などの機械的性質に優れ、しかも耐熱性に優れ、溶
融成形可能な液晶性ポリエステルが得られる傾向があ
る。また、上記極限粘度を有するポリエステルは耐熱性
および曲げ剛性、引張強度などの機械強度に優れ、更に
溶融成形性に優れているので、耐熱性の成形体および繊
維となる傾向がある。
【0034】また本発明においては、プレポリマーから
の液晶性ポリエステルの固相重合反応は、反応条件等に
より異なり一概に決定されないが、通常、1〜40時間
程度行われる。上述したような方法で液晶性ポリエステ
ルの製造を行うと、2段階で該ポリエステルを製造する
ことができる。
【0035】このような液晶性ポリエステル、特に全芳
香族液晶性ポリエステルは、その極限粘度[η]が10.
Od1/g以下、好ましくは2.0〜8.0d1/g、
さらに好ましくは2.5〜7.Od1/gであり、融点
が200〜450℃、好ましくは250〜400℃であ
る。
【0036】本発明の上記全芳香族ポリエステルは、実
質的に線状であることが好ましい。なお、このポリエス
テルの分子末端には、いずれのモノマー単位が位置して
もよい。また、常法によると、ポリエステル分子のカル
ボキシル基末端は、例えばメタノール、エタノール、イ
ソプロパノールのような一価の低級アルコールあるいは
フェノール、クレゾールのような一価の芳香族ヒドロキ
シ化合物にてエステル化されていてもよく、またポリエ
ステル分子のヒドロキシル末端は、例えば酢酸、プロピ
オン酸、安息香酸のような一価のカルボン酸にてエステ
ル化されていてもよい。
【0037】本発明による液晶性ポリエステルの製造方
法においては、さらに本発明の効果を阻害または低下さ
せない範囲で、安定剤、着色剤、充填剤などを添加して
重合することも可能である。このような充填剤としては
例えばシリカ、粉末石英、砂、ヒュームドシリカ、炭化
珪素、酸化アルミニウム、ガラス繊維、及びこれらの混
合物などが挙げられる。
【0038】また、本発明により得られた液晶性ポリエ
ステルは、種々の添加物を混合して樹脂組成物として使
用することができる。上記添加物としては、その目的に
応じて各種の繊維状、粉粒状、板状の無機充填材が配合
されていてもよい。繊維状充填材としては、ガラス繊
維、アスベスト繊維、シリカ繊維、シリカ、アルミナ繊
維、アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化硼素繊維、窒
化珪素繊維、硼素繊維、チタン酸カリウム繊維、更にス
テンレス、アルミニウム、チタン、銅、真鍮等の金属の
繊維状物などの無機質繊維状物質が挙げられる。一方、
粉粒状充填材としては、カーボンブラック、黒鉛、シリ
カ、石英粉末、ガラスビーズ、ミルドガラスファイバ
ー、ガラスバルーン、ガラス粉、珪酸カルシウム、珪酸
アルミニウム、カオリン、タルク、クレー、珪藻土、ウ
ォラストナイトの如き珪酸塩、酸化鉄、酸化チタン、酸
化亜鉛、三酸化アンチモン、アルミナの如き金属の酸化
物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムの如き金属の炭
酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムの如き金属の硫酸
塩、その他フェライト、炭化珪素、窒化珪素、窒化棚
素、各種金属粉末等が挙げられる。また、板状充填材と
しては、マイカ、ガラスフレーク、各種の金属箔等が挙
げられる。これらの無機充填材は一種又は二種以上併用
することが出来る。またこれらの無機充填材は、所望さ
れる物性によっては公知の表面処理剤を併用することが
可能である。例えば、エポキシ系化合物、イソシアネー
ト系化合物、チタネート系化合物、シラン系化合物等の
官能性化合物である。好ましくは、エポキシ化合物又は
ポリアミド化合物などアミノ系化合物以外の化合物で処
理したものがよい。無機充填材の添加量は、前記した液
晶性ポリエステル樹脂100重量部に対して1〜300
重量部である。これらの充填材はあらかじめ表面処理を
施して用いるか、又は材料の調製の際に同時に添加して
もよい。
【0039】さらに、上記液晶性ポリエステル樹脂組成
物は、目的に応じて、他の熱可塑性樹脂を添加すること
ができる。この場合に使用する熱可塑性樹脂は特に限定
されないが、例を示すと、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタ
レート、ポリブチレンナフタレート等の芳香族ポリエス
テル;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィ
ン;ポリアセタール(ホモ又はコポリマー);ポリスチレ
ン、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル
−プタジエン−スチレン共重合体、スチレン−ブタジエ
ン−アクリル酸(又はそのエステル)共重合体、アクリロ
ニトリルースチレン共重合体;ポリ塩化ビニル;各種ポ
リアミド;ポリフェニレンオキシド;ポリフェニレンサ
ルファイド;ポリスルホン;ポリエーテルスルホン;ポ
リケトン;ポリエーテルケトン;ポリイミド;ポリエー
テルイミド;ポリベンゾイミダゾール;ポリブタジエ
ン、ブチルゴム;シリコーン樹脂;フッ素樹脂;オレフ
ィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラ
ストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエス
テル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エ
ラストマー、ポリエーテル系熱可塑性エラストマー;ポ
リアクリレートを主とするコアシェル型の多層グラフト
共重合体等、あるいはこれらの変性体を挙げることがで
きる。またこれらの熱可塑性樹脂は2種以上混合して使
用することができる。
【0040】更に、上記組成物には、一般に熱可塑性樹
脂及び熱硬化性樹脂に添加される公知の樹脂添加剤、即
ち、酸化防止剤や紫外線吸収剤等の安定剤、帯電防止
剤、難燃剤、染料や顔料等の着色剤、潤滑剤等も要求性
能に応じ適宜添加することができる。
【0041】上記樹脂組成物は、一般に合成樹脂組成物
の調製に用いられる設備と方法により調製することがで
きる。即ち、必要な成分を混合し、一軸又は二軸の押出
機を使用して混練し、押出して成形用ペレットとするこ
とが出来、必要成分の一部をマスターバッチとして混
合、成形する方法、又、各成分の分散混合をよくするた
め液晶性ポリエステルの一部又は全部を粉砕し、混合し
て溶融押出すること等、何れも可能である。また、溶融
押出工程で、繊維等を、樹脂組成分が溶融した途中で添
加する方法は繊維充填材の破損が少なくて、効果が充分
に発揮される方法である。このようにして得た液晶性ポ
リエステルのペレットを用いて成形品を得る方法として
は、射出成形、押出成形、真空成形、圧縮成形等、一般
に公知の熱可塑性樹脂の成形法を用いて成形することが
できるが、最も好ましいのは、射出成形である。
【0042】本発明によリ得られる液晶性ポリエスステ
ルは、耐熱性、耐高温加水分解性、寸法安定性等に優
れ、曲げ剛性率、引張強度、耐衝撃強度等の機械的強度
に優れ、さらに溶融成形性に優れ、溶融時に異方性を示
す液晶性ポリエステルを容易に、短時間で、経済的に得
ることができる。また、上記特性を利用した液晶性ポリ
マーの工業的用途としては、射出成形、押出成形、圧縮
成形等の溶融成形による機械部品用材料、コネクタ、リ
レー、ボビン等の電気電子部品用材料、IC等の材料、
自動車の水平および垂直外板用材料、各種自動車部品用
材料、トランク、ケース等の容器用材料、フィルム、シ
ート、繊維等が挙げられる。
【0043】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。な
お、評価方法などは以下の通りである。 (融点)示差走査熱量計(パーキンエルマー社製DSC I
I型)を用いて、液晶性ポリエステルの試料量約10mg
を、50℃から450℃まで20℃/分の速度で昇温
し、次いで50℃まで20℃/分で降温し、再び450
℃まで20℃/分で昇温し、吸熱サーモグラムを測定し
た。融点(℃)は2度目の吸熱ピークの値から求めた。 (溶融粘度)溶融粘度測定装置(東洋精機製キャピログラ
フ 1B)を用い、1mmφ×20mmのキャピラリー
でポリマー融点+10〜30℃の温度条件で、せん断速
度1,000/secにおける溶融粘度を測定した。 (末端基分析)末端基分析は、前記アミン分解による分析
法(末端基分析法:高分子学会予稿集Vol.44, No.4, 57
7(1995)「LCPの新規末端基分析法と数平均分子量に
ついて」)に準じて測定した。
【0044】(実施例1)トルク計付撹拌装置、温度調節
指示計、アルゴンガス導入管、コンデンサー付の内容積
6リットルの反応器に、パラヒドロキシ安息香酸137
9g、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸188g、テレ
フタル酸470g、4,4’−ジヒドロキシビフェニル
372g、p−アセチルアミノフェノール126gと、
無水酢酸1711g(水酸基当量の1.06倍)および
触媒として酢酸カリウム0.33g(生成樹脂に対し、
金属K換算、重量基準で60ppm)を仕込んだ。系内
をアルゴンガスで置換した後、140℃に昇温し、1時
間アセチル化した。その後約毎分2℃で昇温させて、副
生する酢酸を留出、除去しながら340℃まで昇温さ
せ、減圧下1時間その状態に保ち、撹拌トルクの上昇が
認められ、所定トルクに達した。その後、温度条件を保
って、撹拌を停止した。リアクター内に窒素を導入し減
圧状態から常圧状態に移行した後、O.5時間静止させ
て熟成を行った。その後、反応器から内容物を取り出し
プレポリマーのペレットを得た。得られたプレポリマー
の極限粘度[η]は、1.1Odl/gであり、融点は
320℃であった。得られたプレポリマーの、式(i)
に示すフェニル末端基数の割合は、15%であった。ペ
レット状プレポリマーを常圧固相重合用オーブンに入れ
て、毎分12リットルの窒素気流中で2時間を要して室
温から280℃へ昇温し、280℃で15時間、固相重
合反応を行った。得られた液晶性ポリエステルはラクガ
ン(落雁)状を呈していたが、固く融着することなく、
簡単に固相重合前のペレット状にほぐすことができた。
このポリエステルの極限粘度[η]は7.38(dl/
g)であり、溶融粘度(360℃)は41Pa・sec
であり、DSC測定による融点は341℃であり、ガラ
ス転移温度(Tg)は検出されなかった。この内容物を
ヒートステージ付偏光顕微鏡で観察したところ溶融時に
異方性を示すものであった。
【0045】(実施例2)プレポリマー重合反応後の静止
時間を1時間にした以外は、実施例1と同様に操作し
た。得られたプレポリマーの極限粘度[η]は1.10
dl/gであり、DSCによる融点は320℃であっ
た。該プレポリマーの、式(i)に示すフェニル末端数
の割合は21%であった。ペレット状プレポリマーを実
施例1と同様に固相重合して得られたポリエステルの極
限粘度[η]は8.65(dl/g)であり、溶融粘度
(360℃)は45Pa・secであり、DSC測定に
よる融点は341℃であり、ガラス転移温度は検出され
なかった。この内容物をヒートステージ付偏光顕微鏡で
観察したところ溶融時に異方性を示すものであつた。
【0046】(比較例1)プレポリマー重合反応後に静
止滞留をしなかったこと以外は、実施例1と同様に操作
した。該プレポリマーの極限粘度[η]は1.10dl
/gであり、融点は320℃であった。得られたプレポ
リマーの、式(i)に示すフェニル末端数の割合は4%
であった。ペレット状プレポリマーを実施例1と同様に
固相重合して得られたポリエステルの極限粘度[η]は
6.21(dl/g)であり、溶融粘度(360℃)は
32Pa・secであり、融点は336℃であり、ガラ
ス転移温度は検出されなかった。この内容物をヒートス
テージ付偏光顕微鏡で観察したところ溶融時に異方性を
示した。
【0047】(実施例3)バラヒドロキシ安息香酸18
43g、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸636g、テ
レフタル酸28gと、無水酢酸1810g(水酸基当量
の1.06倍)および触媒として酢酸カリウム0.33
g(生成樹脂に対して金属K換算、重量基準で60pp
m)を仕込んで行った以外は実施例1と同様に操作して
プレポリマーを得た。得られたプレポリマーの極限粘度
[η]は1.02dl/gであり、融点324℃であっ
た。得られたプレポリマーの、式(i)に示すフェニル
末端数の割合は13%であった。ペレット状プレポリマ
ーを実施例1と同様に固相重合して得られたポリエステ
ルの極限粘度[η]は、6.78(dl/g)であり、
溶融粘度(350℃)は33Pa・secであり、融点
は322℃であり、ガラス転移温度は検出されなかっ
た。この内容物をヒートステージ付偏光顕微鏡で観察し
たところ溶融時に異方性を示した。
【0048】(比較例2)プレポリマー重合反応後に静
止滞留をしなかったこと以外は実施例3と同様に操作し
た。得られたプレポリマーの極限粘度[η]は1.02
dl/gであり、融点は323℃であった。得られたプ
レポリマーの、式(i)に示すフェニル末端数の割合は
4%であった。ペレット状プレポリマーを実施例1と同
様に固相重合して得られたポリエステルの極限粘度
[η]は5.34(d.l/g)であり、溶融粘度(3
50℃)は25Pa・secであり、融点は322℃で
あり、ガラス転移温度は検出されなかった。この内容物
をヒートステージ付偏光顕微鏡で観察したところ溶融時
に異方性を示した。
【0049】(実施例4)パラビドロキシ安息香酸13
40g、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸183g、
4,4’−ジヒドロキシビフェニル512g、テレフタ
ル酸457gと、無水酢酸1750g(水酸基当量の
1.06倍)および触媒として酢酸カリウム0.33g
(生成樹脂に対して金属K換算、重量基準で60pp
m)を仕込んで行った以外は実施例1と同様に操作して
液晶性ポリエステルのプレポリマーを得た。該プレポリ
マーの極限粘度[η]は1.11dl/gであり、融点
は321℃であった。得られた該プレポリマーの、式
(i)に示すフェニル末端数の割合は17%であった。
ペレット状プレポリマーを実施例1と同様に固相重合し
て得られたポリエステルの極限粘度[η]は7.54
(dl/g)であり、溶融粘度(360℃)は42Pa
・secであり、融点は341℃であり、ガラス転移温
度は検出されなかった。この内容物をヒートステージ付
偏光顕微鏡で観察したところ溶融時に異方性を示した。
【0050】(比較例3)プレポリマー重合反応後に静
止滞留をしなかったこと以外は実施例4と同様に操作し
た。得られたプレポリマーの極限粘度[η]は1.11
dl/gであり、融点は321℃であった。得られたプ
レポリマーの、式(i)に示すフェニル末端数の割合は
5%であった。ペレット状プレポリマーを実施例1と同
様に固相重合して得られたポリエステルの極限粘度
[η]は6.53(dl/g)であり、溶融粘度(36
0℃)は36Pa・secであり、融点は339℃であ
り、ガラス転移温度(Tg)は検出されなかった。この
内容物をヒートステージ付偏光顕微鏡で観察したところ
溶融時に異方性を示した。
【0051】(実施例5)実施例1と同様にして得られ
たペレット状プレポリマーを、連続式ホッパー型固相重
合装置に毎時15kgの速度で装置上部より投入し、装
置内で15時間経過した後に、毎時15kgの速度で装
置下部より排出することにより、固相重合反応を行っ
た。不活性ガスとして窒素を用い、窒素をガス比1(毎
時15kgの窒素流量)で装置下部より導入し、装置上
部より排出した。反応温度の調節は、ジャケットと窒素
を290℃に昇温して行った。該ポリエステルの極限粘
度[η]は7.11(dl/g)であり、溶融粘度(3
60℃)は40Pa・secであり、融点は345℃で
あった。該ポリマーをヒートステージ付偏光顕微鏡で観
察したところ、溶融時に異方性を示すものであった。
【0052】(実施例6)実施例2と同様にして得られ
たペレット状プレポリマーを、連続式ホッパー型固相重
合装置に毎時15kgの速度で装置上部より投入し、装
置内で15時間経過した後に、毎時15kgの速度で装
置下部より排出することにより固相重合反応を行った。
不活性ガスとして窒素を用い、窒素をガス比1(毎時1
5kgの窒素流量)で装置下部より導入し、装置上部よ
り排出した。反応温度の調節は、ジャケットと窒素を2
90℃に昇温して行った。該ポリエステルの極限粘度
[η]は8.55(dl/g)であり、溶融粘度(36
0℃)は45Pa・secであり、融点は347℃であ
った。該ポリマーをヒートステージ付偏光顕微鏡で観察
したところ溶融時に異方性を示すものであった。
【0053】(比較例4)比較例1と同様にして得られ
たペレット状プレポリマーを使用した以外は、実施例5
と同様の重合操作を行った。該ポリエステルの極限粘度
[η]は6.29(dl/g)であり、溶融粘度(36
0℃)は33Pa・secであり、融点は338℃であ
った。該ポリマーをヒートステージ付偏光顕微鏡で観察
したところ溶融時に異方性差示すものであった。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、第1段目のプレポリマ
ー重合工程を溶融重合で行った後、熟成工程を設け、次
に第2段目のポリマー重合工程を固相重合で行うことに
より、溶融時に異方性を示す液晶性ポリエステルを容易
に、短時間で、経済的に得ることができた。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08G 69/44 C08G 69/44 Fターム(参考) 4J001 DA03 DC16 EB46 EB55 EB56 EB57 EB58 EB60 EB75 EE27C EE53A GA12 GA15 GB02 GB03 GB11 JB01 JB02 JB11 JB18 4J029 AA05 AA06 AB04 AD01 AD10 AE01 AE02 AE03 BB04A BB04B BB05A BB11A BB12A BB13A BE05A BF14A BF16 BF17 BH01 BH02 CB05A CB05B CB06A CB11A CB12A CE04 CF14 CH01 CH02 DA15 DB07 DB11 DB13 EB05A FA17 JA061 JA091 JB042 JB162 JB171 JC052 JF031 JF041 JF131 JF141 JF221 JF321 JF361 JF371 JF471 KB01 KB02 KB05 KB22 KC02 KC05 KD01 KD17 KE05 KE12 KE15 KF07 KJ02

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも構成成分が、芳香族カルボン
    酸(A)及び水酸基を有する化合物(B)からなり、溶
    融滞留時に異方性を示す液晶性ポリエステルの製造方法
    において、芳香族環末端基数が下記式(i)を満たす液
    晶性ポリエステルのプレポリマー重合工程(1)と、得
    られたプレポリマーの重合度を上げるための固相重合工
    程(2)を行うことを特徴とする液晶性ポリエステルの
    製造方法。 【数1】
  2. 【請求項2】 芳香族カルボン酸(A)が芳香族ジカル
    ボン酸(a)及び/又は芳香族ヒドロキシカルボン酸
    (c)であり、水酸基を有する化合物(B)が芳香族ジ
    オール(b)、芳香族ヒドロキシカルボン酸(c)、及
    び/又は芳香族ヒドロキシアミン(d)である請求項1
    に記載の液晶性ポリエステルの製造方法。
  3. 【請求項3】 芳香族ヒドロキシカルボン酸(c)がパ
    ラヒドロキシ安息香酸及び/又は2−ヒドロキシ−6−
    カルボキシナフタレンであることを特徴とする請求項1
    又は2に記載の液晶性ポリエステルの製造方法。
  4. 【請求項4】 液晶性ポリエステルが、構成成分として
    少なくともパラヒドロキシ安息香酸を有する全芳香族液
    晶性ポリエステルであることを特徴とする請求項1〜3
    のいずれかに記載の液晶性ポリエステルの製造方法。
  5. 【請求項5】 プレポリマー重合時に脂肪族カルボン酸
    無水物(E)をフェノール性水酸基を有する芳香族化合
    物の水酸基当量の1.02〜1.08倍の量で使用する
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の液晶
    性ポリエステルの製造方法。
  6. 【請求項6】 脂肪族カルボン酸無水物(E)が無水酢
    酸であることを特徴とする請求項5に記載の液晶性ポリ
    エステルの製造方法。
  7. 【請求項7】 プレポリマー重合時に、金属系触媒をプ
    レポリマーに対して金属重量基準200ppm以下使用す
    ることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の液
    晶性ポリエステルの製造方法。
  8. 【請求項8】 プレポリマーの極限粘度[η]が、0.2
    〜3.0dl/g(ペンタフロロフェノール中、60℃)で
    あることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の
    液晶性ポリエステルの製造方法。
  9. 【請求項9】 固相重合工程(2)を200〜400℃
    で行うことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載
    の液晶性ポリエステルの製造方法。
  10. 【請求項10】 液晶性ポリエステルの極限粘度[η]
    が2.0〜10.0dl/g、(ペンタフロロフェノール
    中、60℃)であることを特徴とする請求項1〜9のい
    ずれか記載の液晶性ポリエステルの製造方法。
  11. 【請求項11】 プレポリマー重合工程(1)におい
    て、重合反応に続いて、プレポリマーの極限粘度[η]
    (ペンタフロロフェノール中、60℃)をO.2〜3.
    Odl/gの範囲に保つようにして、芳香族環末端基数が前
    記式(i)を満たすように熟成工程を行った後、固相重
    合工程(2)を行うことを特徴とする請求項1〜9のい
    ずれかに記載の液晶性ポリエステルの製造方法。
  12. 【請求項12】 熟成工程が、プレポリマーの最終重合
    温度の−10℃〜+10℃の範囲で、減圧下、常圧下、
    もしくは加圧下に、又はこれらの圧力下であってガス流
    通下に、撹拌を低下ないし停止させた状態にすることに
    より行われることを特徴とする請求項11に記載の液晶
    性ポリエステルの製造方法。
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