JPH0710975A - ポリエステルの製造方法 - Google Patents

ポリエステルの製造方法

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JPH0710975A
JPH0710975A JP7343094A JP7343094A JPH0710975A JP H0710975 A JPH0710975 A JP H0710975A JP 7343094 A JP7343094 A JP 7343094A JP 7343094 A JP7343094 A JP 7343094A JP H0710975 A JPH0710975 A JP H0710975A
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fatty acid
polyester
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acid anhydride
anhydride
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JP7343094A
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Masahiko Kajioka
岡 正 彦 梶
Tomokazu Nagao
尾 智 一 長
Masahiro Wakui
井 正 浩 涌
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Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】機械的特性および耐熱性に優れた全芳香族環骨
格から成る液晶ポリエステルの製造方法を提供する。 【構成】フェノール性水酸基を有する芳香族化合物を脂
肪酸無水物でアシル化して芳香族カルボン酸とエステル
交換する全芳香環骨格から成るポリエステルを製造する
際に、脂肪酸無水物を水酸基当量より大きくかつ1.0
5倍未満の量で使用する。蒸留塔付反応器を使用して、
副生するカルボン酸の一部を留去して脂肪酸無水物を濃
縮して還流する場合は、濃縮分だけ脂肪酸無水物量を減
じてこの当量範囲とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、機械的特性および耐熱
性に優れた全芳香環骨格から成る溶融時に異方性を示す
液晶ポリエステルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】全芳香環骨格から成るポリエステルは、
芳香族ヒドロキシカルボン酸あるいは芳香族ジオールと
芳香族ジカルボン酸との縮合重合(重縮合)などによっ
て製造され、場合によってはアミノ基を有する芳香族成
分に基づくアミノ基を骨格内に含有するものもある。ポ
リエステル中の芳香環の結合は芳香族のカルボキシル基
とフェノール性水酸基とのエステル結合であるが、これ
を両基の直接脱水縮合によって形成させることは通常困
難である。
【0003】そこで、水酸基を予め脂肪酸無水物でアシ
ル化した芳香族化合物、例えばパラアセトキシ安息香酸
を原料とし、これを芳香族カルボン酸とエステル交換し
て副生する脂肪酸を留出除去しながらポリエステルを製
造する手法が用いられる(特開昭64−33123号、
特開昭63−284221号)。一方、特開昭62−2
67323号に開示されているように、脂肪族ポリエス
テルを含む液晶ポリエステルを合成する際には、水酸基
当量に相当する量の0.01〜0.5倍量の脂肪酸無水
物(無水酢酸)をさらに添加して芳香族カルボン酸と反
応させる方法がある。
【0004】また、特開昭62−285916号および
特開平2−235923号に開示されているように、芳
香族ヒドロキシカルボン酸等を脂肪酸無水物で直接アシ
ルした後そのままエステル交換して液晶ポリエステルを
合成する方法がある。さらに、特開昭58−17922
3号に開示されているように、特殊な触媒を用いて直接
脱水縮合する方法がある。
【0005】しかしながら、水酸基を予めアシル化した
芳香族化合物を原料として用いる方法では、一般に原料
が高価であるという問題がある。特開昭58−1792
23号の方法では、触媒がポリエステル中に残存するた
め、樹脂特性、特に長期耐熱性等を損なうことがある。
特開昭62−285916号の方法では使用する脂肪酸
無水物の量が水酸基当量の1.05〜1.50倍である
が、全芳香環ポリエステルを合成した場合着色が著し
く、特性値は必ずしも良好ではない。特開平2−235
923号の方法では使用する脂肪酸無水物の量を水酸基
当量の0.85〜1.0倍にすることを開示している
が、アシル化の平衡反応が非アシル化物側にずれるため
に原料の反応性が低くなって原料が昇華し反応器閉塞の
原因となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記問題点を
解決し、原料として高価なアシロキシ芳香族化合物を使
用せずに優れた特性値を有する全芳香環ポリエステルを
製造する方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の第1
の態様は、フェノール性水酸基を有する芳香族化合物を
脂肪酸無水物でアシル化して芳香族カルボン酸とエステ
ル交換する全芳香環骨格から成る溶融時に異方性を示す
液晶ポリエステルの製造であって、副生する脂肪酸を蒸
留しない反応系において、脂肪酸無水物をフェノール性
水酸基を有する芳香族化合物の水酸基当量より大きくか
つ1.05倍未満の量で使用することを特徴とするポリ
エステルの製造方法を提供する。
【0008】また、本発明の第2の態様は、フェノール
性水酸基を有する芳香族化合物を脂肪酸無水物でアシル
化して芳香族カルボン酸とエステル交換する全芳香環骨
格から成る溶融時に異方性を示す液晶ポリエステルの製
造であって、副生する脂肪酸を蒸留し、蒸留塔底で未反
応の脂肪酸無水物を蒸留しない場合に比べn倍に濃縮す
る反応系において、脂肪酸無水物をフェノール性水酸基
を有する芳香族化合物の水酸基当量より大きくかつ(1
+0.05/n)倍未満の量で使用することを特徴とす
るポリエステルの製造方法を提供する。
【0009】ここで、前記芳香族カルボン酸が芳香族ジ
カルボン酸および/または芳香族ヒドロキシカルボン酸
であり、フェノール性水酸基を有する芳香族化合物が芳
香族ジオールおよび/または芳香族ヒドロキシカルボン
酸であり、脂肪酸無水物が無水酢酸である。
【0010】本発明で使用される芳香族カルボン酸には
芳香族ジカルボン酸および芳香族ヒドロキシカルボン酸
があり、芳香族ジカルボン酸としてはテレフタル酸、イ
ソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4
´−ビフェニルジカルボン酸等があげられ、芳香族ヒド
ロキシカルボン酸には、パラヒドロキシ安息香酸、メタ
ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸
等がある。
【0011】本発明で使用されるフェノール性水酸基を
有する芳香族化合物には、上記芳香族ヒドロキシカルボ
ン酸およびハイドロキノン、レゾルシン、2,6−ナフ
タレンジオール、4,4´−ジヒドロキシビフェニル等
の芳香族ジオールが含まれる。
【0012】これらの芳香族カルボン酸およびフェノー
ル性水酸基を有する芳香族化合物では、芳香環がアルキ
ル基、ハロゲンあるいはアミノ基などで置換されている
もの、たとえばパラアミノ安息香酸でもよく、またその
フェノール性水酸基が半量を越えない範囲で脂肪酸によ
ってアシル化されたものであってもよい。
【0013】本発明で使用する脂肪酸無水物としては無
水酢酸、無水プロピオン酸等の炭素数が10以下の低級
脂肪酸無水物があげられるが、コストおよび取扱面から
無水酢酸が一般的である。
【0014】本発明において、フェノール性水酸基をア
シル化するための脂肪酸無水物が水酸基当量以下の場合
には、アシル化時の平衡が脂肪酸無水物側にずれてポリ
エステルへの重合時に原料が昇華し、反応系が閉塞しや
すいし、また、水酸基当量の1.05倍以上の場合に
は、ポリエステルの着色が著しくなり、また樹脂特性が
低下するためである。
【0015】本発明のポリエステルの製造方法は、芳香
族化合物のフェノール性水酸基を脂肪酸無水物でアシル
化し、昇温しながら芳香族カルボン酸とエステル交換す
る方法で全芳香環骨格から成る溶融時に異方性を示す液
晶ポリエステルを製造する際に、副生する脂肪酸を蒸留
しない反応系において、水酸基当量よりも多く水酸基当
量の1.05倍未満の脂肪酸無水物を使用することを特
徴とするものである。従って、脂肪酸無水物によるフェ
ノール性水酸基のアシル化反応および重縮合工程などの
反応条件は常法に準じたものでよいが、本発明の方法は
溶融時に異方性を示す液晶ポリエステルの製造に特に適
している。また重合反応促進のために触媒を使用しても
よいが、触媒の使用量は、樹脂特性の低下をおさえるた
め樹脂に対し金属基準で200ppm以下にとどめた方
がよく、触媒としては酢酸ナトリウム等があげられる。
【0016】本発明の方法により機械的特性および耐熱
性に優れて溶融時に異方性を示す液晶ポリエステルを容
易に得ることができる。
【0017】本発明の方法は全芳香環液晶ポリエステル
の製造に好適であるが、骨格中にポリエチレンテレフタ
レート等の脂肪族鎖を含むものについては好ましくな
い。これは、含脂肪族ポリエステルを重合する場合に
は、例えばポリエチレンテレフタレート末端にパラヒド
ロキシ安息香酸をグラフト重合させる反応が必要である
が、このため一般に重合の助触媒でもある脂肪酸無水物
を相当量使用する必要がある。特開昭62−28591
6号および本発明の参考例中にも示されるように、含脂
肪族ポリエステルを重合する場合、水酸基当量の1.0
5倍以上の脂肪酸無水物を使用する必要があり、さもな
くば低重合速度に由来する重合時間の延長により、着
色、樹脂特性の低下を引き起こす。しかし、全芳香環ポ
リエステルの場合ではオーバーオールの重合速度が大き
いために水酸基当量より多く1.05倍未満の脂肪酸無
水物を使用すれば充分である。
【0018】本発明の方法では、脂肪酸無水物の使用量
を規定しているが、蒸留塔付反応器を使用して重合を行
なう時には注意を要する。フェノール性水酸基を脂肪酸
無水物でアシル化した後、副生する脂肪酸と未反応の脂
肪酸無水物を単純に蒸発させて系外へ留去した場合に比
べ、一般により高沸点の脂肪酸無水物は蒸留塔底側で濃
縮されるため、この塔底液を重合反応釜に戻した場合、
反応器内の脂肪酸無水物の濃度が高くなり、生成する液
晶ポリエステルの特性に悪影響を与える。蒸留による濃
縮の程度は、蒸留塔の理論段数や還流比に依存すること
は公知であり、したがって、一義的に脂肪酸無水物の使
用量を定義することはできない。しかし、本発明の意図
するところは、反応器内に存在する未反応の脂肪酸無水
物に最適範囲があることを開示することにある。したが
って、もし蒸留塔付重合反応器を使用する場合は、種々
の蒸留操作によって重合反応器内の脂肪酸無水物量が蒸
留操作を行なわない場合に比べどの程度多いかを計算
(あるいは実測)し、その量だけ仕込み量を減ずること
により対応可能である。たとえば、約5段、還流比1の
条件では、酢酸中に1%含まれる無水酢酸は約2%に濃
縮される。したがって、このような重合装置で重合を行
なう場合、脂肪酸無水物として無水酢酸を使用した場
合、良好な無水酢酸使用量は、フェノール性水酸基当量
より多く、1.025倍未満となる。
【0019】すなわち、蒸留塔付反応器を使用して重合
を行なう時には蒸留塔内で未反応の脂肪酸無水物が濃縮
されて、これが一定の還流比で反応器内にもどされるの
で、そのもどされる量の脂肪酸無水物を考慮して、その
分必要な脂肪酸量を減ずることができる。したがって蒸
留しない場合に比べn倍に濃縮された時は、脂肪酸無水
物をフェノール性水酸基を有する芳香族化合物の水酸基
当量より大きくかつ(1+0.05/n)倍未満の量で
使用する。すなわち蒸留塔で濃縮される場合でも反応器
内では、脂肪酸無水物をフェノール性水酸基を有する芳
香族化合物の水酸基当量より大きく、かつ1.05倍未
満の量となるようにすればよい。
【0020】
【実施例】以下に実施例を示して本発明を説明するが、
本発明はこれに限定されるものではない。
【0021】(実施例1)トルク計付攪拌装置、温度調
節指示計、アルゴンガス導入管、コンデンサー付の内容
積10Lの反応器に、パラヒドロキシ安息香酸3005
g、4,4´−ジヒドロキシビフェニル953g、テレ
フタル酸585g、イソフタル酸53g、2,6−ナフ
タレンジカルボン酸276gと、無水酢酸3398g
(水酸基当量の1.04倍)および触媒として酢酸ナト
リウム0.92g(生成樹脂に対し、Na+ 基準で60
ppm)を仕込んだ。系内をアルゴンガスで置換した後
147℃に昇温し1時間アセチル化した。その後約毎分
2℃昇温させて、副生する酢酸を留出除去しながら35
0℃まで昇温させ系内を徐々に減圧した。減圧とともに
攪拌トルクの上昇が認められたので、所定トルクに達し
た後減圧を解除し内容物を取り出した。この内容物をヒ
ートステージ付偏光顕微鏡で観察したところ溶融時に異
方性を示すものであった。これを冷却し、粉砕後射出成
形して生成ポリエステルの特性値を調べた。
【0022】(実施例2)無水酢酸の使用量を3332
g(水酸基当量の1.02倍)とした以外は実施例1と
同様に操作してポリエステルを得て、特性値を調べた。
【0023】(比較例1)無水酢酸の使用量を3561
g(水酸基当量の1.09倍)とした以外は実施例1と
同様に操作しポリエステルを得て、特性値を調べた。
【0024】(実施例3)無水酢酸の使用量を3365
g(水酸基当量の1.03倍)とした以外は実施例1と
同様に操作してポリエステルを得て、特性値を調べた。
【0025】(実施例4)無水酢酸の使用量を3427
g(水酸基当量の1.049倍)とした以外は実施例1
と同様に操作してポリエステルを得て、特性値を調べ
た。
【0026】(比較例2)無水酢酸の使用量を3267
g(水酸基当量)とした以外は実施例1と同様に操作し
た。しかし、昇温操作中に留出管が昇華物で閉塞したた
め樹脂を回収することが出来なかった。閉塞物を分析し
たところ、パラアセトキシ安息香酸およびパラヒドロキ
シ安息香酸が検出された。図1に、実施例1〜4および
比較例1におけるポリエステル製造時の無水酢酸過剰率
と得られたポリエステルの曲げ弾性率ならびに熱変形温
度(HDT)との関係を示す。この図からわかるよう
に、使用する無水酢酸の過剰率は水酸基当量より多く水
酸基当量の1.05倍未満が良好である。なお、熱変形
温度の測定はASTM D−648(18.6kg/cm2
重)により、また曲げ弾性率の測定はASTM D−7
90によって行った。図2に、実施例1〜4および比較
例1におけるポリエステル製造時の無水酢酸過剰率と得
られたポリエステルの白色度との関係を示す。無水酢酸
過剰率が水酸基当量の1.05倍以上では白色度が急激
に低下する。なお、白色度はスガ試験機社製SM3型を
用いて、JIS L1015に準拠してL値を測定し
た。
【0027】(参考例1〜7)パラヒドロキシ安息香酸
3094g、テレフタル酸585g、4,4´−ジヒド
ロキシビフェニル655g、パラアミノ安息香酸44
g、ポリエチレンテレフタレート(フェノール/テトラ
クロロエタンの混合重量比50/50の混合溶媒中で、
0.5g/dlの濃度、30℃で測定した対数粘度が0.7
0)430gおよび表1に示す無水酢酸量を使用し、最
終到達温度を335℃とした以外は実施例1と同様の操
作を行なった。図3に、得られたポリエステルの特性値
を示す。骨格中にポリエチレンテレフタレート等の脂肪
族鎖を含む場合、特開昭62−285916号に開示さ
れているように、無水酢酸の過剰率は当量の1.05倍
以上が良好である。
【0028】
【表1】
【0029】(実施例5)トルク計付攪拌装置、温度調
節指示計、アルゴンガス導入管、蒸留塔(理論段数5
段)付の内容積10lの反応器にパラヒドロキシ安息香
酸3005g、4,4’−ジヒドロキシビフェニル95
3g、テレフタル酸585g、イソフタル酸53g、
2,6−ナフタレンジカルボン酸276gと無水酢酸3
332g(水酸基当量の1.02倍)および触媒として
酢酸ナトリウム0.92g(生成樹脂に対し、Na+
準で60ppm)を仕込んだ。系内をアルゴンガスで置
換した後147℃に昇温し1時間アセチル化した。この
時蒸留塔は全還流とした。その後約毎分1.8℃昇温さ
せて、副生する酢酸を還流比1で蒸留しながら、塔頂液
を留出除去し、最終的に350℃まで昇温させた。その
後蒸留塔を取り外し、系内を徐々に減圧した。減圧とと
もに攪拌トルクの上昇が認められたので、所定トルクに
達した後減圧を解除し内容物を取り出した。この内容物
をヒートステージ付偏光顕微鏡で観察したところ溶融時
に異方性を示すものであった。これを冷却し、粉砕後射
出成形して生成ポリエステルの特性値を調べた。また、
留出液を分析することにより、反応器内に残る無水酢酸
の量は実施例1とほぼ同じであることがわかった。
【0030】(実施例6)無水酢酸の使用量を3316
g(水酸基当量の1.015倍)とした以外は実施例5
と同様に操作してポリエステルを得て、特性値を調べ
た。
【0031】(比較例3)無水酢酸の使用量を3365
g(水酸基当量の1.03倍)とした以外は実施例5と
同様に操作してポリエステルを得て、特性値を調べた。
図4に、実施例5、6および比較例3におけるポリエス
テル製造時の無水酢酸過剰率と得られたポリエステルの
アイゾット(Iz0d )衝撃強度ならびに熱変形温度(H
DT)との関係を示す。この図からわかるように、留出
液を蒸留し、無水酢酸を反応器内に一部戻す場合、無水
酢酸使用量の最適範囲は少し変化するが、簡単な蒸留計
算、例えばMacabe-Thiele 法による計算で予想される無
水酢酸濃縮率から容易に計算できる。実施例5、6比較
例3の蒸留条件ではアセチル化後の未反応無水酢酸は約
2倍に濃縮されるため、次のような計算から仕込み無水
酢酸の最適範囲を求めることができる。 実施例1の反応系の最適範囲 1.00〜1.05未
満(対水酸基当量) アセチル化後の未反応無水酢酸 0.00〜0.05未
満 実施例5の反応系での無水酢酸濃縮率 2倍 計算される実施例5の反応系での最適無水酢酸過剰率 0.00/2+1〜0.05/2+1=1.00〜1.
025 図4から、最適無水酢酸の範囲は1.00〜1.025
倍(対水酸基当量)であることが確認できる。なお、I
z0d 衝撃強度の測定はASTM−D−256(ノッチ
付)によって行なった。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、溶融時に異方性を示す
液晶ポリエステルを、安価な原料と、比較的少量の無水
酢酸とから安定的に製造できる。得られるポリエステル
の機械的特性および耐熱性は公知の方法による製品に比
べて優れ、さらに副生する酢酸の処理量の低減が可能に
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1〜4および比較例1におけるポリエ
ステル製造時の無水酢酸過剰率と得られたポリエステル
の特性との関係を示すグラフである。
【図2】 実施例1〜4および比較例1におけるポリエ
ステル製造時の無水酢酸過剰率と得られたポリエステル
の白色度との関係を示すグラフである。
【図3】 参考例におけるポリエステル製造時の無水酢
酸過剰率と得られたポリエステルの特性との関係を示す
グラフである。
【図4】 実施例5、6および比較例3のポリエステル
製造時の無水酢酸過剰率と得られたポリエステルの特性
との関係を示すグラフである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フェノール性水酸基を有する芳香族化合物
    を脂肪酸無水物でアシル化して芳香族カルボン酸とエス
    テル交換する全芳香環骨格から成る溶融時に異方性を示
    す液晶ポリエステルの製造であって、副生する脂肪酸を
    蒸留しない反応系において、脂肪酸無水物をフェノール
    性水酸基を有する芳香族化合物の水酸基当量より大きく
    かつ1.05倍未満の量で使用することを特徴とするポ
    リエステルの製造方法。
  2. 【請求項2】フェノール性水酸基を有する芳香族化合物
    を脂肪酸無水物でアシル化して芳香族カルボン酸とエス
    テル交換する全芳香環骨格から成る溶融時に異方性を示
    す液晶ポリエステルの製造であって、副生する脂肪酸を
    蒸留し、蒸留塔底で未反応の脂肪酸無水物を蒸留しない
    場合に比べn倍に濃縮する反応系において、脂肪酸無水
    物をフェノール性水酸基を有する芳香族化合物の水酸基
    当量より大きくかつ(1+0.05/n)倍未満の量で
    使用することを特徴とするポリエステルの製造方法。
  3. 【請求項3】前記芳香族カルボン酸が芳香族ジカルボン
    酸および/または芳香族ヒドロキシカルボン酸であり、
    フェノール性水酸基を有する芳香族化合物が芳香族ジオ
    ールおよび/または芳香族ヒドロキシカルボン酸であ
    り、脂肪酸無水物が無水酢酸である請求項1または2に
    記載のポリエステルの製造方法。
JP7343094A 1993-04-13 1994-04-12 ポリエステルの製造方法 Withdrawn JPH0710975A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6774203B1 (en) 1999-11-18 2004-08-10 Polyplastics Co., Ltd. Method for producing liquid crystalline polyester
CN106810676A (zh) * 2017-01-12 2017-06-09 苏州大学 一种芳香族聚酯及其制备方法

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