JPH0778118B2 - ポリエステルの製造方法 - Google Patents

ポリエステルの製造方法

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JPH0778118B2
JPH0778118B2 JP2602887A JP2602887A JPH0778118B2 JP H0778118 B2 JPH0778118 B2 JP H0778118B2 JP 2602887 A JP2602887 A JP 2602887A JP 2602887 A JP2602887 A JP 2602887A JP H0778118 B2 JPH0778118 B2 JP H0778118B2
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高之 今村
治 金築
好治 亀山
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は,ポリエステルの製造方法に関するものであ
り,さらに詳しくは,短時間に高い極限粘度を有する色
調に優れたポリエステル,取り分けサーモトロピック液
晶性を有するポリエステルを製造する方法に関するもの
である。
(従来の技術) 従来より,ポリエステルは,一般成形品としての用途を
広く認められるに到っているが,多くのポリエステルは
曲げ強度,曲げ弾性率を始めとする種々の機械的物性が
不十分であるため,高物性を要求される分野には適して
いなかった。
近年,繊維,フィルムもしくは成形品のいずれかを問わ
ず,強度,剛性,耐熱性及び耐薬品性等に優れた素材に
対する要望が高まっている。
既に,かかる高物性を有するポリエステルの先鞭とし
て,W.J.ジャクソンはポリエチレンテレフタレートと4
−ヒドロキシ安息香酸とからなるサーモトロピック液晶
性ポリエステルを報告しており,かかるサーモトロピッ
ク液晶性ポリエステルに注目が集まっている。このサー
モトロピック液晶性ポリエステルは通常のサーモトロピ
ック液晶性を示さないポリエステルに数倍する機械的物
性を有しており,高機能性高分子に新しい可能性を見出
した。
一般に,このサーモトロピック液晶性ポリエステルは,
製造の第一工程でポリエチレンテレフタレートと4−ア
セトキシ安息香酸とを接触させてアシドリシス反応によ
りポリエチレンテレフタレートを解重合させ,次いでそ
の解重合物を第二工程で重縮合させることにより製造さ
れる。ところが,この製造方法には大きく分けて次の2
つの欠点があった。すなわち,第二工程での重縮合反
応速度が極めて緩慢であって生産性が低い。また,高
い極限粘度を有するサーモトロピック液晶性ポリエステ
ルを製造することが困難である。
これらの問題点を解決するための方策については,現在
盛んに研究されており,特許にも多数提案されている。
たとえば,特開昭60-186526号公報には,アシル芳香族
オキシカルボン酸とアルキレンテレフタレート成分とを
触媒の存在下に接触させる方法が開示されているが,こ
の方法も反応速度の促進効果の点では未だ不十分であっ
た。
(発明が解決しようとする問題点) このように,従来技術においては,生産性をある程度改
良することはできても,依然低生産性であることに変わ
りはなく,かつ,得られるポリエステルの極限粘度が不
十分であったり,たとえ高極限粘度のポリエステルが得
られたとしても,その製造には極めて長時間を要するた
め,得られるポリエステルの色調が劣ったりするという
欠点が残されていた。
したがって,本発明の主たる目的は,繊維,フィルム,
その他の成形品に特に適する,高極限粘度で色調に優れ
たポリエステル,取り分け物性に優れたサーモトロピッ
ク液晶性を有するポリエステルを短時間に製造する方法
を提供することにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは,前記のごとき問題点のないポリエステル
の製造方法について鋭意研究の結果,特定の極限粘度の
アルキレンテレフタレート成分と,そのアルキレンテレ
フタレート成分に含まれる全グリコール末端基の当量数
を越える量の低級脂肪酸の酸無水物と,アシル芳香族オ
キシカルボン酸とを混合してから重縮合を行うことが極
めて効果的であることを知見し,本発明に到達した。
すなわち,本発明は,式(I)で表されるアシル芳香族
オキシカルボン酸成分とアルキレンテレフタレート成分
とからポリエステルを製造するに際し,極限粘度0.2dl/
g以下のアルキレンテレフタレート成分と,該アルキレ
ンテレフタレート成分の全グリコール末端基の当量数を
越える量の低級脂肪酸の酸無水物と,式(I)で表され
るアシル芳香族オキシカルボン酸とを混合し,しかるの
ち重縮合することを特徴とする少なくとも0.5dl/gの極
限粘度を有するポリエステルの製造方法を要旨とするも
のである。
(式において,Arは2価の芳香族基を示し,Rは炭素数2
〜5の低級アシル基を示す。ただし,芳香環は置換基で
置換されていてもよい。) 本発明の方法により製造したポリエステルの極限粘度
〔η〕は,少なくとも0.5dl/g,好ましくは0.5〜1.0dl/
g,最適には0.6〜0.8dl/gである。極限粘度が少なくとも
0.5dl/gでないと目的とする曲げ特性を始めとする各種
の物理的,機械的物性値が劣る。
本発明にいう極限粘度0.2dl/g以下のアルキレンテレフ
タレート成分とは,たとえばポリエチレンテレフタレー
ト,ポリブチレンテレフタレート等の公知の任意の各種
のホモポリマーやコポリマーの低重合度ポリマー,オリ
ゴマーあるいはビス(ヒドロキシアルキル)テレフタレ
ート等のモノマーをも包含するものであるが,特にポリ
エチレンテレフタレートが好適であり,かかるポリエチ
レンテレフタレートの極限粘度は0.2dl/g以下,好まし
くは0.1dl/g程度以下である。このように,エチレンテ
レフタレート成分としてはビス(β−ヒドロキシエチ
ル)テレフタレート(BHET)のほか,BHETの低重合体も
しくは極限粘度0.2dl/g以下のポリエチレンテレフタレ
ートを用いることができるが,その融点がアシル芳香族
オキシカルボン酸の融点より低いものないし同等のもの
を用いることが望ましい。すなわち,ポリエステルの製
造工程において,反応原料を順次昇温して反応させてい
く際に,かりに融点が同等であったとしてもポリエチレ
ンテレフタレートに対して反応性に勝るアシル芳香族オ
キシカルボン酸成分だけが単独でホモポリマーを構成し
易いうえに,前記したようにポリエチレンテレフタレー
トもしくはその低重合体の融点(BHETの融点は約110℃,
BHETの二量体の融点は約175℃,BHETの三量体以上の融点
は200℃以上)がアシル芳香族オキシカルボン酸の融点
(4−アセトキシ安息香酸の融点は約185℃)より高い
と,アシル芳香族オキシカルボン酸が先に溶解してホモ
ポリマー化反応が開始されて,それがポリマー中に不溶
異物となる場合があるからである。
なお,BHETは,例えば,H.ツアーン等がマクロモレキュラ
ー・ヘミー・64巻・18〜36頁(1963)に報告している方
法により合成できる。
本発明におけるポリエステルの製造に用いられるアシル
芳香族オキシカルボン酸としては前記式(I)で示され
る公知の任意のアシル芳香族オキシカルボン酸が用いら
れるが,サーモトロピック液晶性ポリエステルを得るた
めには,生成するサーモトロピック液晶性ポリエステル
の剛直部分を担うため,基本的にはパラ配向性もしくは
アンフィ配向性の化合物が選ばれることが必要である。
好ましい具体例としては,4−ヒドロキシ安息香酸,1−ヒ
ドロキシ−4−ナフトエ酸,4−ヒドロキシ−3−メチル
安息香酸,4−ヒドロキシ−3−クロル安息香酸あるいは
2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸の酢酸エステル,プロ
ピオン酸エステル,酪酸エステル,イソプロピオン酸エ
ステルあるいはα,α−ジメチルプロピオン酸エステル
等の低級脂肪酸エステルがあげられるが,4−アセトキシ
安息香酸が最適である。
なお,生成するポリエステルの液晶性を損ねない限り,
オルト,メタ,アナ,エピ,カタ,ペリ,プロスの各配
向性の化合物を共重合することができる。
本発明の方法が特に好適に適用できる例として第一構成
単位としてポリエチレンテレフタレート(PET),第二
構成単位として4−アセトキシ安息香酸とから得られる
ポリエステルを例にとって,本発明の製造方法を説明す
ることにする。
第一構成単位と第二構成単位の比率は,好ましくは繰り
返し単位モル比で5:95〜95:5であり,特に好ましくは3
0:70〜70:30であり,サーモトロピック液晶性ポリエス
テルを得るためには,第一構成単位と第二構成単位の比
率は,好ましくは繰り返し単位モル比で50:50〜70:30と
なる範囲で適宜選択すればよい。
本発明の製造方法において,低級脂肪酸の酸無水物はア
ルキレンテレフタレート成分の全グリコール末端基の当
量数を越える量用いて,アルキレンテレフタレート成分
と混合する。したがって,アルキレンテレフタレート成
分としてポリエチレンテレフタレート成分を用いた場
合,BHETの時は約8000当量/ton-BHET,BHETの二量体の時
は約4600当量/ton-BHETの二量体,極限粘度が0.1dl/g
の時は1200〜1500当量/ton-PET,極限粘度が0.2dl/gの
時は、600〜700当量/ton-PET程度低級脂肪酸の酸無水
物を用いるのが適当である。
かかる低級脂肪酸の酸無水物としては,炭素原子数2〜
8個の低級脂肪酸の酸無水物,たとえば無水酢酸,無水
プロピオン酸,無水モノクロル酢酸,無水ジクロル酢
酸,無水トリクロル酢酸,無水モノブロム酢酸,無水ジ
ブロム酢酸,無水トリブロム酢酸,無水モノフルオロ酢
酸,無水ジフルオロ酢酸,無水トリフルオロ酢酸,無水
ブロム酢酸,無水グルタル酸,無水マレイン酸,無水コ
ハク酸,無水β−ブロムプロピオン酸,無水酪酸,無水
イソ酪酸,無水プロピル酢酸,無水吉草酸,無水ピバル
酸等が挙げられるが,価格と沸点のレベルからいって,
無水酢酸が特に好適に用いられ,以後の説明は無水酢酸
(Ac2O)で代表させる。
本発明においては,所定量のアシル芳香族オキシカルボ
ン酸とポリエチレンテレフタレートを主たる構成成分と
するポリエステルとを前記した量の無水酢酸とともに反
応器に仕込み,後述する反応スケジュール(a),
(b),(c)及び(d)の順で反応させるのが特に好
適である。また,予めアルキレンテレフタレート成分と
無水酢酸を後述するスケジュール(a)で反応させ,そ
の後スケジュール(b)の任意の時点でアシル芳香族オ
キシカルボン酸と混合し,その後(c),(d)の順で
反応させるのがさらに好適である。
まず,(a)不活性雰囲気で,150℃を越えない温度で,3
0分〜4時間反応させる。温度が150℃を越えたり,反応
時間が30分未満であると反応が不十分となり,重縮合段
階における反応速度が緩慢になるときがあるため好まし
くない。一方,4時間以上反応させても,効果は飽和状態
となるだけであるから,経済面でもこれも好ましくな
い。ついで,(b)不活性雰囲気で,150℃〜230℃の温
度で,30分〜8時間反応させる。温度が230℃越えたり,
反応時間が30分未満であると,反応が不十分となり,最
終的に得られるポリエステルの極限粘度が上昇しなくな
ったり,4−アセトキシ安息香酸が前記したようにホモポ
リエステルを形成したり,4−アセトキシ安息香酸やAc2O
が飛散したりして好ましくない。一方,8時間以上反応さ
せても,効果は飽和状態となるばかりか却って得られる
ポリエステルの色調を損ねるだけであるから,これも好
ましくない。その後,(c)不活性雰囲気で,230℃から
250℃〜290℃の温度まで昇温し,遅くとも温度が270℃
に到達した時点で,フルバキュームまで60分以上,好ま
しくは,その時間が90分となるような減圧スケジュール
で減圧を開始する。温度が290℃越えたりすると,得ら
れるポリエステルの色調を損ねるだけであるし,一方,
減圧スケジュールが60分未満であると,4−アセトキシ安
息香酸が飛散したりしてともに好ましくない。しかるの
ち,(d)通常250〜290℃の温度で,1torr程度の高減圧
下に数十分〜数時間,溶融相で酢酸(AcOH)を溜出させ
つつ,重縮合反応させることによって,ポリエステルを
製造することができる。
本発明においては,前記した二つの構成単位の他,例え
ば,2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)プロパン,
ハイドロキノン,レゾルシン,4,4′−ジヒドロキシビフ
ェニル,1,4−ブタンジオール,1,6−ヘキサンジオール,
1,4−シクロヘキサンジオール,1,4−シクロヘキサンジ
メタノール,ペンタエリスリトール,2,6−ナフタレンジ
カルボン酸,イソフタル酸,フタル酸,アジピン酸,セ
バシン酸,2,2−ビス(4′−カルボキシフェニル)プロ
パン,ビス(4−カルボキシフェニル)メタン,ビス
(4−カルボキシフェニル)エーテル,1,4−シクロヘキ
サンジカルボン酸等が共重合成分として好適に用いられ
る。
また,通常重縮合反応には触媒が用いられるが,本発明
の方法によりポリエステルを製造する際には,たとえ
ば,各種金属化合物あるいは有機スルホン酸化合物の中
から選ばれた1種以上の化合物を用いることができる。
かかる金属化合物としては,アンチモン,チタン,ゲル
マニウム,スズ,亜鉛,アルミニウム,マグネシウム,
カルシウム,マンガン,ナトリウム,カリウムあるいは
コバルトなどの化合物が用いられ,一方有機スルホン酸
化合物としては,スルホサリチル酸,o−スルホ無水安息
香酸(OSB)などの化合物が用いられるが,三酸化アン
チモン(CS)やOSBが特に好適に用いられる。前記触媒
の添加量としては,ポリエステルの構成単位1モルに対
し通常0.1×10-4〜100×10-4モル,好ましくは0.5×10
-4〜50×10-4モル,最適には1×10-4〜10×10-4モル用
いられる。
本発明の方法によれば,たとえば熱的特性値としては融
点200℃以上,熱変形温度60℃以上,好ましくは融点220
℃以上,熱変形温度100℃以上,最適には融点220〜250
℃,熱変形温度100〜130℃のポリエステルが得られる
が,かかるポリエステルは耐熱性と各種の物理的,機械
的特性値とを兼ね備えている点で好ましいものである。
(作用) 本発明の方法によって高い極限粘度を有し,色調にも優
れ,しかも異物のないポリエステルを短時間に製造する
ことができる理由は十分解明されているわけではない
が,以下のように推察される。
アルキレンテレフタレート成分の全グリコール末端基
の当量数を越える低級脂肪酸の酸無水物を添加してアル
キレンテレフタレート成分と反応させるので,アルキレ
ンテレフタレート成分のグリコール末端が有効にアセチ
ル化され,もって重縮合時の反応速度が著しく増大す
る。
アルキレンテレフタレート成分として比較的極限粘度
の低いものを用い,かつ低級脂肪酸の酸無水物が過剰に
存在するため,アシル芳香族オキシカルボン酸が単独で
ホモポリエステルを形成するのを抑制し,異物が極めて
少ない。
(実施例) 以下,実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明す
る。
なお,例中,ポリマーの〔η〕は,フェノール−四塩化
エタン等重量混合溶媒中20℃で測定した溶液粘度から求
めた。また,アルキレンテレフタレート成分の全グリコ
ール末端基は,極限粘度から逆算した全末端基数から後
述するカルボキシル末端基数を引いて求めた。また,カ
ルボキシル末端基はベンジルアルコール中で1/10規定の
水酸化ナトリウム溶液で滴定して求めた。また,サーモ
トロピック液晶性はホットステージ付Leitz偏光顕微鏡
で確認した。
参考例1 テレフタル酸とエチレングリコールとを常法によりエス
テル化し,エステル化反応率95%のBHETおよびその低重
合体を得た。
このエステル化反応物にCSをポリエステルの構成単位1
モルに対し2×10-4モル添加し,重縮合時間を適宜選択
することにより,第1表に示す種々の〔η〕のポリエチ
レンテレフタレート(PET)をそれぞれ得た。
参考例2 ジメチルテレフタレートと1,4−ブタンジオールとを常
法によりエステル交換してメタノールを溜出させたの
ち,触媒としてテトラブチルチタネートをポリエステル
の構成単位1モルに対し5×10-4モル添加して予備重縮
合し,〔η〕が0.15dl/gのポリブチレンテレフタレート
(PBT)を製造した。
参考例3 前記した,H.ツアーン等の文献の31頁に記載されている
方法で,反応率99.7%以上のBHET及びそき二量体を製造
した。元素分析の結果は,BHETに対しC=56.4%(理論
値56.7%),H=5.3%(理論値5.6%)であり,その融点
は108〜109℃であった。一方,BHETの二量体に対しC=5
9.4%(理論値59.2%),H=4.9%(理論値5.0%)であ
り,その融点は173〜175℃であった。
実施例1 参考例1で得た〔η〕が0.1dl/g,グリコール末端基の当
量数1123当量/tonのPETを不活性雰囲気下の重縮合反応
機に仕込み,無水酢酸を1500当量/ton-PET添加し,150
℃で1時間攪拌混合した。その後,PETに対し,1.5倍モル
の4−アセトキシ安息香酸を添加し,5時間かけて230℃
まで順次昇温し,そのまま2時間攪拌混合した。次い
で,さらに2時間かけて270℃まで昇温し,その後,フ
ルバキューム(1torr)まで90分となるような減圧スケ
ジュールで減圧を開始した。最終的に270℃の温度で,0.
3torrの減圧下に4時間,溶融相で重縮合反応させた結
果,極限粘度0.78,L値が74.2,a値が−1.0,b値が10.9で
色調に優れた異物のないサーモトロピック液晶性ポリエ
ステルが得られた。
実施例2〜4,比較例1〜5 実施例1において用いたポリエステルに代えて,参考例
1で得た他のポリエステルを用い,かつ,無水酢酸の添
加量を種々変更した以外は実施例1とほぼ同様に反応さ
せてサーモトロピック液晶性ポリエステルを得た。結果
を第1表に示した。
実施例5〜8 反応条件を変更した以外は実施例1とほぼ同様に反応さ
せてサーモトロピック液晶性ポリエステルを得た。結果
を第2表に示した。
実施例9 PETと4−アセトキシ安息香酸のモル比を2:1とした以外
は実施例1とほぼ同様に反応させてサーモトロピック液
晶性を有しないポリエステルを得た。結果を第2表に示
した。
実施例10 アシル芳香族オキシカルボン酸として4−アセトキシ安
息香酸と3−アセトキシ安息香酸をモル比で7:3とした
以外は実施例1とほぼ同様に反応させてサーモトロピッ
ク液晶性を有しないポリエステルを得た。結果を第2表
に示した。
実施例11 アシル芳香族オキシカルボン酸として2−アセトキシ−
6−ナフトエ酸を用いた以外は実施例1とほぼ同様に反
応させてサーモトロピック液晶性ポリエステルを得た。
結果を第2表に示した。
実施例12 PETのかわりに参考例2で得たポリブチレンテレフタレ
ート(全グリコール末端基の当量数550当量/ton)を用
いた以外は実施例3とほぼ同様に反応させてサーモトロ
ピック液晶性ポリエステルを得た。結果を第2表に示し
た。
実施例13 参考例3で得たBHETを不活性雰囲気下の反応機に仕込
み,無水酢酸を9600当量/ton-BHET添加して138℃で1
時間攪拌混合した。その後,BHETに対し,1.5倍モルの4
−アセトキシ安息香酸を添加し,5時間かけて180℃まで
順次昇温し,そのまま2時間攪拌混合した。次いで,さ
らに2時間かけて270℃まで昇温し,その後,フルバキ
ューム(1torr)まで90分となるような減圧スケジュー
ルで減圧を開始した。最終的に270℃の温度で,0.3torr
の減圧下に4時間,溶融相で重縮合反応させた結果,極
限粘度0.74,L値が76.4,a値が−2.1,b値が8.3で色調に優
れた異物のないサーモトロピック液晶性ポリエステルが
得られた。
実施例14 BHETに代えて参考例3で得たBHETの二量体を用い,無水
酢酸を9600当量/ton-BHET二量体添加した以外は実施例
13と同じようにして,極限粘度0.62,L値が74.5,a値が−
1.8,b値が8.7で色調に優れた異物のないサーモトロピッ
ク液晶性ポリエステルが得られた。
(本発明の効果) 本発明によれば, (1)色調と物理的,機械的強度に優れた高極限粘度の
ポリエステルを得ることができる。
(2)原料の昇華が僅少で,重合時間が短く,異物のな
いポリエステルを経済的に製造できる。
(3)本発明によって得られるサーモトロピック液晶性
ポリエステルは特に高物性を要求される用途に使用され
る素材として極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐佐木 新吾 愛知県岡崎市舳越町上川成1 審査官 杉原 進

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(I)で表されるアシル芳香族オキシカ
    ルボン酸成分とアルキレンテレフタレート成分とからポ
    リエステルを製造するに際し,極限粘度0.2dl/g以下の
    アルキレンテレフタレート成分と,該アルキレンテレフ
    タレート成分の全グリコール末端基の当量数を越える量
    の低級脂肪酸の酸無水物と,式(I)で表されるアシル
    芳香族オキシカルボン酸とを混合し,しかるのち重縮合
    することを特徴とする少なくとも0.5dl/gの極限粘度を
    有するポリエステルの製造方法。 (式において,Arは2価の芳香族基を示し,Rは炭素数2
    〜5の低級アシル基を示す。ただし,芳香環は置換基で
    置換されていてもよい。)
  2. 【請求項2】得られるポリエステルがサーモトロピック
    液晶性ポリエステルである特許請求の範囲第1項記載の
    ポリエステルの製造方法。
  3. 【請求項3】アルキレンテレフタレート成分がエチレン
    テレフタレート成分であり,アシル芳香族オキシカルボ
    ン酸が4−アセトキシ安息香酸であり,低級脂肪酸の酸
    無水物が無水酢酸である特許請求の範囲第1項記載のポ
    リエステルの製造方法。
  4. 【請求項4】アルキレンテレフタレート成分と,低級脂
    肪酸の酸無水物と,アシル芳香族オキシカルボン酸とを
    混合するに際し,予めアルキレンテレフタレート成分と
    低級脂肪酸の酸無水物を混合し,その混合物をアシル芳
    香族オキシカルボン酸と混合する特許請求の範囲第1項
    記載のポリエステルの製造方法。
  5. 【請求項5】式(I)で表されるアシル芳香族オキシカ
    ルボン酸成分とアルキレンテレフタレート成分とからポ
    リエステルを製造するに際し,極限粘度0.2dl/g以下の
    アルキレンテレフタレート成分と,該アルキレンテレフ
    タレート成分の全グリコール末端基の当量数を越える量
    の低級脂肪酸の酸無水物と,式(I)で表されるアシル
    芳香族オキシカルボン酸とを混合し,(a)〜(d)の
    各工程を順次実施することを特徴とするポリエステルの
    製造方法。 (式において,Arは2価の芳香族基を示し,Rは炭素数2
    〜5の低級アシル基を示す。ただし,芳香環は置換基で
    置換されていてもよい。) (a)不活性雰囲気下,150℃を越えない温度で30分〜4
    時間反応させる工程 (b)不活性雰囲気下,150〜230℃の温度で30分〜8時
    間反応させる工程 (c)不活性雰囲気下,230℃から250℃〜290℃の温度ま
    で昇温し,遅くとも270℃に到達した時点で,フルバキ
    ュームまで60分以上かける減圧スケジュールで減圧を開
    始する工程 (d)減圧下,250℃〜290℃の温度で数十分〜数時間重
    縮合する工程
JP2602887A 1986-05-22 1987-02-06 ポリエステルの製造方法 Expired - Lifetime JPH0778118B2 (ja)

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JP61-118343 1986-05-22
JP11834386 1986-05-22

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JPS6399227A JPS6399227A (ja) 1988-04-30
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