JP2608978B2 - ポリエステルの製造法 - Google Patents
ポリエステルの製造法Info
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ステルの製造法に関する。更に詳しくは、ナフタレン−
2,6−ジカルボン酸の低級アルキルエステルを主たる酸
成分としテトラメチレングリコールを主たるグリコール
成分とする優れた色調を耐熱性を有するポリエステルの
製造法に関する。
成分とするポリエステル、例えばポリテトラメチレンテ
レフタレート、ポリテトラメチレン−2,6−ナフタレン
−ジカルボキシレート等は種々の優れた機械特性を有
し、かつ成形性に優れた各種成形品素材として有用であ
ることが知られている。
チレン−2,6−ナフタレン−ジカルボキシレートを例に
とれば、ジメチル−2,6−ナフタレンジカルボキシレー
トとテトラメチレングリコールとをエステル交換反応せ
しめ、又は、2,6−ナフタレンジカルボン酸とテトラメ
チレングリコールとをエステル化反応せしめ、次いで生
成する2,6−ナフタレン−ジカルボン酸のテトラメチレ
ングリコールジエステル及び/又はその低重合体を重縮
合せしめる方法、いわゆるエステル交換法、又は直接重
合法が知られている。
リ−テトラメチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレ
ートを製造するに際し、グリコール成分/酸成分のモル
比を1.7〜5.0とし、エステル化反応を180℃〜230℃、重
縮合反応をポリマー融点〜275℃の範囲で行う方法、ま
た特公昭52−32671号公報や特公昭56−39340号公報には
エステル交換法でポリ−テトラメチレン−2,6−ナフタ
レンジカルボキシレートを製造するに際し、触媒として
Ti化合物とSb化合物あるいはTi化合物とMg化合物を併用
する方法等が提案されている。さらに、特開昭62−2907
22号公報には、フイルム形成用のポリエステルの製造法
として二官能性カルボン酸の低級アルキルエステルの酸
価を規定し、かつこのアルキルエステル中、及びジヒド
ロキシ化合物中の粒子数を規定してフイルム表面特性に
影響をおよぼすポリマー中の粗大粒子数を低減させる方
法が述べられている。
フランの生成量が大であったり、反応に長時間を有する
ために色調が悪かったり、さらに耐熱性が不十分であっ
たりするという様に欠点を有する。
リエステルの製造法について鋭意研究の結果、使用する
ナフタレン−2,6−ジカルボン酸の低級アルキルエステ
ルの酸価が特定量以下でかつ、熱分析による物性を限定
したものを原料として使用すると、生成するテトラヒド
ロフランの生成量が極めて少なく優れた特性を有するポ
リエステルが得られる事を見出し、本発明に到達した。
の低級アルキルエステルを主とするジカルボン酸成分と
テトラメチレングリコールを主とするグリコール成分と
をエステル交換した後、重縮合せしめてポリエステルを
製造するにあたり、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸エ
ステルとして酸価が0.1mg KOH/g以下であり、TGA(熱重
量分析)での減量開始温度が230℃以上であり、しかもD
SC(示差走査熱量計)測定による融点が190℃以上であ
るものを使用することを特徴とするポリエステルの製造
法である。
ナフタレン−2,6−ジカルボン酸の低級アルキルエステ
ル(以下2,6−DANと略記することがある)、すなわちナ
フタレン−2,6−ジカルボン酸のメチルエステル、ブチ
ルエステル等が主たる対象である。そして、本発明で使
用するエステルには、その一部(全酸成分に対して30モ
ル%以下、好ましくは20モル%以下)を他のジカルボン
酸、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、4,4′−ジフ
ェニルジカルボン酸、ジフェノキシエタン−4,4′−ジ
カルボン酸、ジフェニルスルホン−4,4′−ジカルボン
酸等の芳香族ジカルボン酸;セバチン酸;アジピン酸等
の脂肪族ジカルボン酸の低級アルキルエステルで置換し
たものも含まれる。
6−ジカルボン酸の低級アルキルエステルの「酸価」と
は、2,6−DANをP−キシレン:エタノール(2:1容積
比)の混合溶媒に溶解し、KOHアルコール性溶液で中和
滴定した際、2,6−DAN1gを中和するのに要するKOHのmg
数を表わす。ここで、使用される2,6−DANの酸価は0.1m
g KOH/g以下である必要があり、0.05mg KOH/g以下が好
ましく、0.03mg KOH/g以下が特に好ましい。その酸価が
0.1mg KOH/gを超える場合にはテトラメチレングリコー
ルの環化を促進する酸触媒として作用するためか、副生
成物のテトラヒドロフランの副生量が大となり、またエ
ステル交換反応からオリゴマー化する生成反応と分解反
応の平衡を分解反応の方向にずらせてしまう効果のため
か反応速度が低下し、結果的に得られるポリマーの物性
も悪くなりかつ色調も好ましくない。
ルエステルの「TGA(熱重量分析)での減量開始温度」
とは、一般的な熱分析計例えばDupont社製Thermal Anal
yzer 1090 Bの様なTGA測定装置による測定において、第
1図ので示される様に20℃/minで昇温した際の接線A,
B,Cのうち接線A及びBの交点で表わされる温度であ
る。そして、その低級アルキルエステルの減量開始温度
は230℃以上でなければならない。エステル交換反応中
にも分解しやすくなるためか230℃未満の場合にはポリ
マーの着色も大であり耐熱性も不十分となる。
は、上記と同様の熱分析装置によるDSCの測定におい
て、第2図ので示される様に、20℃/minで昇温した際
のピーク値で表わされる点である。そしてその融点は19
0℃以上でなければならず、190℃未満の場合には(減量
開始温度が230℃未満の場合と同様に)、ポリマーの着
色性及び耐熱性が不充分となる。
2,6−ジカルボン酸の低級アルキルエステルは、明細書
第10頁以下で、後述するように特開昭48−14656号公報
に示されるような方法で得られた低級アルキルエステル
を、特公昭46−3057号公報(公報第3頁表1及び表2参
照)又は特開平1−249746号公報(同公報、第1頁特許
請求の範囲及び第4頁右下欄発明の効果参照)に記載さ
れている如き精製法により、更に精製して高純度化した
ものである。このような精製処理により、低級アルキル
エステルの酸価は0.1mg KOH/g以下となり、着色のない
高純度のものとなる。そして、かような高純度の低級ア
ルキルエステルはTGAでの減量開始温度が230℃以上を呈
する耐熱性を備え、DCSによる融点も190℃以上(20℃/m
inの昇温速度)となる。本発明は低級アルキルエステル
に関する種々の精製手段の中から、特定の酸価と高純度
を備えたものを選択している。
チレングリコールを主たる対象とするが、その一部(全
グリコール成分に対して30モル%以下、好ましくは20モ
ル%以下)を他のグリコール例えばエチレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、トリメチレングリコー
ル、ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコー
ル、シクロヘキサンジメチロール等で置換えてもよい。
レンジカルボキシレート(ポリエステル)は従来公知の
方法で製造することができる。
ステル交換触媒(例えばテトラブチルチタネート)の存
在下、加熱しエステル交換反応させ、得られたグリコー
ルエステルを更に重縮合触媒(例えばテトラブチルチタ
ネート)の存在下、真空下加熱し重縮合せしめることに
よって得られる。
剤、紫外線吸収剤等)、顔料、螢光増白剤、その他の各
種添加剤を用いることができる。
級アルキルエステル及びテトラメチレングリコールを主
成分とするポリエステルを副生するテトラヒドロフラン
の量が極めて少なく、色調良好でかつ耐熱性の優れたポ
リマーとして製造することができる。
の「部」とあるのは「重量部」を表わし、固有粘度
「η」はフェノール/テトラクロルエタン(3:2重量
部)中、35℃で測定した溶液粘度から求めたものであ
る。
L,a,b値を求めた。L値は明るさを表わし、L=100は白
色、L=0は黒色である。a値は赤味〜緑味を示し、0
を中心にして十側に大きい程赤味を帯び、一側に大きい
程緑味を帯びていることを示す。またb値は黄味〜青味
を示し、0を中心にして十側に大きい程黄味を帯び、一
側に大きい程青味を帯びていることを示す。
conix)の方法[マクロモレキュラー・ヘミー(Makromo
l.Chem.)26,226(1958)]によって測定した値であり
ポリマー106g当りのカルボキシル基当量数であり、[CO
OH]が大きい程、加水分解性、耐熱性が悪くポリマー物
性の目安となる。
ジカルボン酸の低級アルキルエステルは例えば特開昭48
−14656号公報に示される様な方法で製造されたものを
更に精製して高純度化し、熱履歴を短くしたものであ
る。
ルと硫酸とを使用して加熱し、加圧、攪拌下エステル化
させ反応液を冷却、過した後析出した結晶が粗ナフタ
レン−2,6−ジカルボン酸のジメチルエステルとして得
られ、さらに芳香族炭化水素等によって再結晶、精製
し、使用に際して、熱履歴を短くしたものである。
タレンジカルボキシレートの融点として184.5℃と示さ
れ、また、特開昭62−290722号公報には酸価0.52〜0.69
mg KOH/gの例が示されている。
が194℃であるジメチル−2,6−ナフタレンジカルボキシ
レート97.6部、テトラメチレングリコール43.3部、テト
ラブチルチタネート0.027部をエステル交換槽に入れ、
エステル交換反応率が(メタノール留出量から)理論量
の70%になる時点に反応槽が190℃となる様に昇温しな
がら反応させ、ついで得られた反応生成物を、重縮合反
応槽へ移し高真空へ減圧しながら、265℃へ昇温し、0.5
mmHgの高真空下の反応時間が60分となった時点で反応を
終了させた。
色調 L−86.0,a=−3.1,b=4.1で優れた色調を有する
ものであった。
ボキシレートの酸価、減量開始温度、融点の異なるもの
を種々使用した以外は、実施例1と同様に実施した。そ
の結果を表−1に示す。
る。また第2図は本発明のナフタレン−2,6−ジカルボ
ン酸の低級エステルのDSCからの融点の測定例を示すグ
ラフである。
Claims (1)
- 【請求項1】ナフタレン−2,6−ジカルボン酸の低級ア
ルキルエステルを主とするジカルボン酸成分とテトラメ
チレングリコールを主とするグリコール成分とをエステ
ル交換した後、重縮合せしめてポリエステルを製造する
にあたり、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸低級アルキ
ルエステルとして酸価が0.1mg KOH/g以下であり、TGA
(熱重量分析)での減量開始温度が230℃以上であり、
しかもDSC(示差走査熱量計)測定による融点が190℃以
上であるものを使用することを特徴とするポリエステル
の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23992290A JP2608978B2 (ja) | 1990-09-12 | 1990-09-12 | ポリエステルの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23992290A JP2608978B2 (ja) | 1990-09-12 | 1990-09-12 | ポリエステルの製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04120129A JPH04120129A (ja) | 1992-04-21 |
JP2608978B2 true JP2608978B2 (ja) | 1997-05-14 |
Family
ID=17051843
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23992290A Expired - Lifetime JP2608978B2 (ja) | 1990-09-12 | 1990-09-12 | ポリエステルの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2608978B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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TW346555B (en) * | 1994-04-19 | 1998-12-01 | Teijin Ltd | Base film for photographic film |
JP4495207B2 (ja) | 2007-12-27 | 2010-06-30 | 富士通株式会社 | ストレージシステム、ストレージシステムの制御方法、およびストレージシステムの制御装置 |
-
1990
- 1990-09-12 JP JP23992290A patent/JP2608978B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
---|---|
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