JP2002194081A - 熱可塑性弾性体 - Google Patents

熱可塑性弾性体

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JP2002194081A
JP2002194081A JP2000393096A JP2000393096A JP2002194081A JP 2002194081 A JP2002194081 A JP 2002194081A JP 2000393096 A JP2000393096 A JP 2000393096A JP 2000393096 A JP2000393096 A JP 2000393096A JP 2002194081 A JP2002194081 A JP 2002194081A
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polyimide
elastic body
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dicarboxylic acid
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JP2000393096A
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Terushi Ueda
昭史 上田
Ken Futai
建 二井
Masaharu Fujimoto
雅治 藤本
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性に優れ、柔軟性、弾性回復性の良好
な熱可塑性弾性体の提供。 【解決手段】 ポリイミドセグメント(A)とポリエ
ステルセグメント(B)とのブロック共重合体からなる
弾性体であって、セグメント(A)の数平均分子量が8
00〜5000、かつセグメント(B)が脂肪族ジカル
ボン酸単位を含み、該共重合体の動的粘弾性測定から求
められる0℃におけるE'の値が109Pa以下かつ0℃
から50℃におけるtanδが0.4以下であり、ま
た、該共重合体の融点が180〜340℃、固有粘度が
0.5以上である熱可塑性弾性体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規な熱可塑性弾性
体に関する。さらに詳しくは、極めて耐熱性に優れ、柔
軟性、弾性回復性の良好である新規な熱可塑性弾性体に
関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性弾性体は、近年その成形の容易
性から種々提案され、また実用に供されている。しかし
ながら、これらの弾性体はいずれも200℃未満の温度
でも容易に変形してしまうため、これ以上の温度にさら
される分野へは展開し難いといった問題点があった。
【0003】しかるに、近年ではハンダ付けに耐える等
の耐熱性の要求される分野はますます増加し、弾性体に
おいても耐熱性のさらに優れたものが望まれている。
【0004】弾性体の耐熱性を改良する目的で、ポリイ
ミドセグメントとガラス転移温度が0℃以下のポリエス
テルセグメントとからなる弾性体が特開平4−8022
9号公報に提案されているが、その実施例に記載の弾性
体では室温での弾性回復性に劣り実質的にゴムとして用
いるのは困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記課題を
解決するためになされたもので、耐熱性に優れ、柔軟
性、弾性回復性の良好な新規な熱可塑性弾性体の提供を
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明はポリ
イミドセグメント(A)とポリエステルセグメント
(B)とのブロック共重合体からなる弾性体であって、
ポリイミドセグメント(A)の数平均分子量が800〜
5000、かつポリエステルセグメント(B)が脂肪族
ジカルボン酸単位を含み、該共重合体の動的粘弾性測定
から求められる0℃におけるE’の値が109Pa以下
かつ0℃から50℃におけるtanδが0.4以下であ
り、また、該共重合体の融点が180〜340℃、固有
粘度が0.5以上であることを特徴とする熱可塑性弾性
体である。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0008】本発明の熱可塑性弾性体を構成するポリイ
ミドセグメント(A)は、下記一般式(1)で示される
数平均分子量が800〜5000、好ましくは1000
〜3500のポリイミドオリゴマー残基である。
【0009】
【化1】
【0010】(式中、Aはテトラカルボン酸二酸無水物
残基、Bはジアミン残基、Xはエステル形成性官能基と
分子内酸無水物基とをおのおの1つ有する化合物の残基
もしくはテトラカルボン酸二酸無水物にエステル形成性
官能基を1つ有するアミン化合物を1分子イミド結合せ
しめた化合物の残基、nは該ポリイミドセグメントの数
平均分子量が800〜5000となる整数を示す。) このポリイミドセグメントの数平均分子量が800未満
の場合には、ハードセグメントとしての性能を発揮する
ことができなくなり、得られる弾性体の弾性回復率は悪
化する。一方、5000を超えて大きくなりすぎると、
ポリエステルセグメント(B)との相溶性が悪くなり、
ブロック共重合体を得ることができなくなるため好まし
くない。
【0011】このようなポリイミドセグメント(A)を
構成する成分としては、例えばAとしては、ピロメリッ
ト酸二酸無水物残基、ビフェニルテトラカルボン酸二酸
無水物残基、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二酸無水
物残基等が、Bとしては(CH26〜12で示されるアル
キレンジアミン残基が、Xとしては5−オキシフタル酸
残基、無水トリメリット酸残基、下式で示されるピロメ
リット酸とアミン化合物の反応生成物の残基等が例示さ
れる。
【0012】
【化2】
【0013】本発明の熱可塑性弾性体を構成するもう一
つの成分であるポリエステルセグメント(B)は、脂肪
族ジカルボン酸単位を含むものである。ポリエステルセ
グメント(B)として、脂肪族ジカルボン酸単位を含む
ポリエステルセグメントを用いることにより、柔軟性、
弾性回復性に優れる弾性体を得ることができる。脂肪族
ジカルボン酸単位は、全ジカルボン酸単位中10モル%
以上含むことが弾性回復性を良好にしやすくなるので好
ましく、20モル%以上含むことがより好ましく、50
モル%以上含むことが特に好ましい。ただし、ポリエス
テルセグメント(B)が脂肪族ジカルボン酸単位のみか
らなる場合には、結晶化しやすいので、芳香族ジカルボ
ン酸単位と脂肪族ジカルボン酸単位の両方を含んでなる
ものであることが好ましい。
【0014】また、本発明の熱可塑性弾性体の動的粘弾
性測定から求められる低温域でのtanδのピークが0
℃以下となるようにポリエステルセグメント(B)を選
択することが好ましい。また、ポリエステルセグメント
(B)は、本発明の熱可塑性弾性体を得た際に、実質的
に非晶性であることが好ましい。非晶性である場合、得
られる熱可塑性弾性体は経時的に安定して柔軟性と弾性
回復性を発現する。脂肪族ジカルボン酸の具体例として
は、アジピン酸、ピメリン酸、セバシン酸、アゼライン
酸、ドデカンジオン酸、1,3もしくは1,4−シクロ
ヘキサンジカルボン酸、シクロペンタンジカルボン酸、
4,4’−ジシクロヘキシルジカルボン酸等が挙げられ
る。脂肪族カルボン酸以外のカルボン酸の具体例として
は、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン−1,4
もしくは2,6−ジカルボン酸、アントラセンジカルボ
ン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−
ジフェニルエーテルジカルボン酸、5−スルホイソフタ
ル酸、3−スルホイソフタル酸ナトリウム等が挙げられ
る。また、ポリエステルセグメント(B)の結晶性を落
とすには、構成成分のジオールもしくはジカルボン酸成
分に側鎖にアルキル基などを有する分岐構造のものを用
いたり、ジカルボン酸もしくはジオールを複数種類用い
るのがよい。
【0015】本発明の熱可塑性弾性体におけるポリイミ
ドセグメント(A)とポリエステルセグメント(B)と
の量比は、得られる弾性体に要求される弾性特性によっ
て任意に選択することができるが、通常A/B(重量
比)は95/5〜5/95とするのが好ましく、好まし
くは10/90〜60/40、特に弾性回復性能が要求
される分野で使用する場合には15/85〜40/60
とするのが好ましい。
【0016】本発明の熱可塑性弾性体は、上述したポリ
イミドセグメント(A)とポリエステルセグメント
(B)とからなるブロック共重合体であるが、動的粘弾
性から求められる0℃におけるE’の値が109Pa以
下かつ0℃〜50℃におけるtanδの値が0.4以下
である必要がある。0℃におけるE’の値が109Pa
以上かつtanδの値が0.4以上である場合弾性体と
して使用するには弾性回復が劣る。
【0017】熱可塑性弾性体の0℃におけるE’の値が
109Pa以下のものを得るためには、各種の製造条件
が関与するが、特にポリエステルセグメント(B)の結
晶性およびTgを低下させることが有効であり、また、
0℃〜50℃におけるtanδの値を0.4以下にする
ことについても各種の製造条件が関与するが、特にポリ
エステルセグメント(B)を構成するジカルボン酸単位
中の芳香族ジカルボン酸単位の割合を低下させることが
有効である。
【0018】本発明の熱可塑性弾性体は、上述のポリイ
ミドセグメント(A)とポリエステルセグメント(B)
とからなるブロック共重合体であるが、その融点及び固
有粘度がそれぞれ180〜340℃および0.5以上で
ある。
【0019】融点が180℃未満の場合には耐熱性が劣
り、逆に340℃を超える場合には高分子量のブロック
共重合体が得難くなるし、成形も困難となる傾向があ
る。好ましい融点は200〜320℃である。
【0020】一方、本発明にいう固有粘度は、オルトク
ロロフェノール中35℃で測定した値を意味するが、
0.5以上、好ましくは0.6以上とする必要がある。
固有粘度が0.5未満の場合には最終的に得られる成形
物の機械特性(引張り強度等)、弾性回復性能等が悪化
する。
【0021】本発明の熱可塑性弾性体を製造するには、
例えばポリエステルセグメント(B)を構成するエステ
ル形成性成分を重縮合反応させ、その反応が完結する以
前の段階でポリイミドオリゴマーを添加し、次いで得ら
れるブロック共重合体の固有粘度が0.5以上になるま
でさらに重合することにより製造される。
【0022】ここで用いられるポリイミドオリゴマー
は、前記ポリイミドセグメントを構成するイミド形成性
成分を、N−メチルピロリドン等の極性溶媒中で所望の
数平均分子量となるよう各成分の反応割合を選択して反
応させ、次いで、150℃以上に加熱してイミド化する
ことにより容易に合成できる。なお、ブロック共重合体
の融点は、製造条件及びポリイミドセグメントとの割合
により若干変わってくるが、通常は用いるポリイミドオ
リゴマーの融点よりやや低めになるので、用いるオリゴ
マーの融点はやや高めの200〜340℃の範囲にある
ことが好ましい。また、ポリイミドオリゴマーの末端基
は、エステル形成性官能基、例えば水酸基、カルボキシ
ル基、低級アルキルカルボン酸エステル基等を有してい
る必要がある。好ましく用いられるポリイミドオリゴマ
ーとしては、ピロメリット酸無水物/ドデカメチレンジ
アミン/2−アミノエタノール
【0023】
【化3】
【0024】ピロメリット酸無水物/トリメリット酸無
水物/ドデカメチレンジアミン
【0025】
【化4】
【0026】等を挙げることができる。
【0027】以下、ポリエステルの一般的製造法である
溶融重合法によって製造する場合を例に挙げて説明す
る。
【0028】ポリエステルの溶融重合法は、通常ジカル
ボン酸またはその低級アルキルエステルと、ジオールと
を、触媒の存在下または非存在下にエステル化反応また
はエステル交換反応させてジカルボン酸のビスジオール
エステルもしくはその初期重縮合反応物を得る反応(第
1段反応)と、その後減圧下または不活性ガス気流下に
重縮合反応させて高重合度反応物を得る反応(第2段階
反応)とからなる。
【0029】本発明においては、前記ポリエステルセグ
メント(B)を構成するエステル形成性成分を上記にし
たがって溶融重合させる際、溶融重合反応が完結する以
前の段階、好ましくはエステル交換反応終了前であって
固有粘度が0.2に達する以前の段階で、前記ポリイミ
ドオリゴマーを添加し、さらに溶融重合反応させること
により容易に得られる。ポリイミドオリゴマーの添加時
期があまりに遅くなりすぎると、ブロック共重合が進行
しなくなってポリイミドオリゴマーがポリマー中に分散
されただけの状態になったり、固有粘度が所望の値まで
あがらなくなったりする傾向があるので好ましくない。
【0030】また、このブロック共重合の反応は、ポリ
イミドオリゴマーが溶融する条件下で行う必要がある
が、この条件は、用いるポリイミドオリゴマーの組成、
重合度、ポリエステルセグメントとの構成割合によって
異なってくる。通常は反応温度をあげる方法がとられ、
反応液が透明になる温度で反応させるが、必要ならば不
活性媒体を添加し、溶液状態で反応させてもよい。
【0031】なお、これらの方法によっても溶解性が向
上しない場合には、ポリイミドセグメントとポリエステ
ルセグメントとの相溶性が不足していると考えられるの
で、この場合には、オリゴマーの分子量を下げるか、ま
たはポリイミドオリゴマーまたはポリエステルの構成成
分を変更する必要がある。
【0032】本発明の熱可塑性弾性体を実用に供する場
合には、重合時に以下に挙げる触媒や安定剤を添加して
用いてもよい。エステル交換反応および重縮合に用いら
れる好適な触媒の例としてはチタン触媒が挙げられ、特
にテトラブチルチタネート、テトラメチルチタネートな
どのテトラアルキルチタネート、シュウ酸チタンカリ等
のシュウ酸金属等が好ましい。また、その他の触媒とし
ては、ジブチルスズオキサイド、ジブチルスズジラウリ
レート等のスズ化合物、酢酸マンガン、酢酸マグネシウ
ム、酢酸亜鉛などの化合物が挙げられる。
【0033】また、この熱可塑性弾性体には、公知の安
定剤(例えば、耐熱安定剤、耐光安定剤等)を含有させ
てもよい。耐熱安定剤としては、例えば4,4−ビス
(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)等のフェノール
化合物、N,N−ビス(β−ナフチル)−p−フェニレ
ンジアミン等のアミン化合物、ジラウリルチオネート等
のイオウ化合物等を挙げることができる。また、耐光安
定剤としては、例えば置換ベンゾフェノン、ベンゾトリ
アゾール化合物等を挙げることができる。
【0034】また、この熱可塑性弾性体には、公知の多
官能成分を含有させてもよい。多官能成分としては、ト
リメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ピロメ
リット酸とその無水物、トリメリット酸とその無水物、
スルホイソフタル酸ジメチルナトリウム及び2官能以上
のエポキシ基、オキサゾリン基、カルボジイミド基等を
含む化合物を例としてあげられる。
【0035】さらに本発明の熱可塑性弾性体の良好な耐
熱性と柔軟性のバランスをさらに高めるために、熱可塑
性弾性体に結晶核剤や有機または無機の補強用繊維ある
いは有機または無機の粉体を含有してもよく、成形品と
したあとさらにアニール処理を行ってポリエステル成分
の結晶化を促進し耐熱性を高めてもよい。
【0036】さらに、本発明の熱可塑性弾性体は、押出
成形、射出成形、加圧成形等の通常の溶融成形により目
的にかなった形状に成形することができる。また使用目
的により他の熱可塑性樹脂、例えばポリエステル、ポリ
アミド、ポリフェニレンオキシド、ポリアセタール、ポ
リイミド、ポリカーボネート、ポリウレタンなどの縮合
系樹脂や、付加重合系樹脂、さらには熱硬化性樹脂とブ
レンドして用いることができる。これらの樹脂に本発明
のブロック共重合体を添加することによって耐熱性、柔
軟性、耐衝撃性等を付与することができる。また、これ
らの樹脂を本発明のブロック共重合体に添加することに
よりこれらの樹脂の利点を本発明の熱可塑性弾性体に付
与することもできる。
【0037】本発明の熱可塑性弾性体は、柔軟性および
耐熱性が要求される分野、電気電子用途、自動車部品用
途、耐熱性を要求されるシート、フィルム、チューブ、
パッキン等の各種工業材料に有用である。
【0038】
【実施例】以下に実施例によって本発明の効果を説明す
る。なお、実施例中ポリイミドセグメント(A)の重量
%は、両末端にあるエステル形成基を除いた部分の含有
割合を示し、「部」とは「重量部」を示す。また、数平
均分子量の測定は下記にしたがった。 数平均分子量の測定 ポリイミドオリゴマーを生成し、N−メチルピロリドン
中で理論量の約1.5倍の無水酢酸とともに封管中で1
60℃に加熱し、30分後取り出して冷却後全量蒸留水
中に投入し、30分沸騰させた後、冷却、滴定により酸
の量を求めた。一方、ポリイミドオリゴマーを含まな
い、同様の処理をしたブランクの滴定値を求め、その差
からポリイミドオリゴマーの末端OH基を求めた。な
お、ポリイミドオリゴマーの末端はすべてOHであると
して数平均分子量を計算した。 柔軟性 JIS K−6301に従い、プレス成形で得られたサ
ンプルを全体の厚さが4mm以上になるように重ねたサ
ンプルを用いて、JIS A型項を測定して柔軟性の指
標とした。 弾性回復 25℃の室温で、長さ100mm、幅50mm、厚さ2
mmの短冊状のプレス成型試片を机の上に置き、一片を
固定し、中心にあたる端から50mmの部分から垂直に
なるまで手で折り曲げ手を離してから1秒以内に机の上
に接触すれば○、接触しなければ×とした。 耐熱性 試験片をギヤオーブン中80℃、250時間放置した後
上記方法にて柔軟性、弾性回復を測定した。 動的粘弾性測定 セイコー電子工業(株)製DMS110を使用した。測
定条件は、測定温度:−120℃〜250℃、測定周波
数:10Hz、昇温速度:2℃/minとした。0℃で
のE’の値及び0℃から50℃の間でのtanδの最高
値を示す。なお、測定試験片は実施例に記載のプレス試
験片を切り出して用いた。 [実施例1] ポリイミドオリゴマー(A−1)の製造 攪拌機付の容器内で窒素雰囲気下、ドデカメチレンジア
ミン24.0部、2−アミノエタノール3.7部を50
0部のN−メチルピロリドンに溶解し、ピロメリット酸
二酸無水物32.7部を、攪拌しながら添加した。添加
後、徐々に反応温度を上げ、90℃で30分間反応させ
た。次いで、昇温して反応温度を180℃とし、少量の
窒素を通流させて生成する水を溶媒の一部とともに除去
しながら3時間反応させた後、約5倍量のアセトン中に
反応性生物(スラリー状)を添加した。得られた沈殿を
濾別し、アセトンで十分洗浄後、150℃で乾燥した。
【0039】得られたポリイミドオリゴマーは51.7
部(数平均分子量約1790)であり、示差走査熱量計
を用い20℃/分の昇温速度下で測定した融点(吸熱ピ
ークのピーク温度)は274〜301℃(3ピーク)で
あった。 弾性体の製造 高真空可能な攪拌機付反応器に、セバシン酸ジメチル2
30部及び3−メチル−1,5−ペンタンジオール11
8部を触媒テトラブチルチタネート0.03部とともに
仕込、加熱して生成するメタノールを留去しながらエス
テル交換反応させた。ほぼ理論量のメタノール(約80
ml)が留去した後、上記ポリイミドオリゴマー(A−
1)を92部添加し、窒素雰囲気下常圧300℃で30
分間反応させ、次いで徐々に昇温すると同時に、減圧し
て最終的には310℃、0.2mmHgとなして重縮合
反応させた。減圧開始後50分反応させた後、反応物を
取り出した。得られたポリマーの固有粘度は0.80、
示差走査熱量計で測定した融点は282℃であった。ま
た、ポリイミドセグメントの含有量は25重量%であっ
た。
【0040】得られたブロック共重合体を310℃でプ
レス成形し、長さ100mm、幅50mm、厚さ2mm
の板を得た。測定結果を表1に示す。
【0041】[実施例2] 弾性体の製造 実施例1において、セバシン酸ジメチルの代わりにアジ
ピン酸ジメチル157部、イソフタル酸ジメチル19
部、メチルペンタンジオールの代わりにエチレングリコ
ール100部を用いる以外は実施例1と同様に重合し
て、固有粘度は0.78の弾性体を得た。この共重合体
は、示差走査熱量計で測定した融点は303であった。
また、ポリイミドセグメントの含有量は23重量%であ
った。
【0042】得られたブロック共重合体から実施例1と
同様な板を得た。測定結果を表1に示す。
【0043】[比較例1]実施例1において、セバシン
酸ジメチルの代わりにイソフタル酸ジメチル194部、
メチルペンタンジオールの代わりに1,10−デカンジ
オール174部及びエチレングリコール16部を用いる
以外は実施例1と同様に重合して、固有粘度は0.75
の弾性体を得た。この共重合体は、示差走査熱量計で測
定した吸熱曲線の280〜305℃の範囲に3つの吸熱
ピークを持つものであった。また、ポリイミドセグメン
トの含有量は25重量%であった。得られたブロック共
重合体から実施例1と同様な板を得た。測定結果を表1
に示す。
【0044】
【表1】 比較例で得られた弾性体は、E’とtanδの値が本発
明の範囲外であり、弾性体として用いるには弾性回復が
劣っていた。これに対し、実施例で得られた本発明の範
囲内のE’とtanδの値をもつ熱可塑性弾性体は、弾
性回復に優れ、また、耐熱性、柔軟性が良好であった。
【0045】
【発明の効果】本発明の熱可塑性弾性体は、熱可塑性で
あって通常の熱可塑性樹脂と同様に成形できるととも
に、200℃を超える高温でも形状を保ち、柔軟性、弾
性回復性が良好となる利点があり、電気電子用途、自動
車部品用途、耐熱性を要求されるシート、フィルム、チ
ューブ、パッキン等の各種工業材料に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤本 雅治 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社中央技術研究所内 Fターム(参考) 4J043 PA04 PA09 QB26 QB28 QB31 RA24 RA35 SA06 SA71 SB01 SB03 TA12 TA14 TA22 TB01 TB03 UA122 UA132 UA761 UB402 ZA12 ZA32 ZB11 ZB51 ZB60

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリイミドセグメント(A)とポリエス
    テルセグメント(B)とのブロック共重合体からなる弾
    性体であって、ポリイミドセグメント(A)の数平均分
    子量が800〜5000、かつポリエステルセグメント
    (B)が脂肪族ジカルボン酸単位を含み、該共重合体の
    動的粘弾性測定から求められる0℃におけるE’の値が
    109Pa以下かつ0℃から50℃におけるtanδが
    0.4以下であり、また、該共重合体の融点が180〜
    340℃、固有粘度が0.5以上であることを特徴とす
    る熱可塑性弾性体。
  2. 【請求項2】 ポリエステルセグメント(B)が分岐構
    造を有している請求項1の熱可塑性弾性体。
  3. 【請求項3】 ポリエステルセグメント(B)が芳香族
    ジカルボン酸単位と脂肪族ジカルボン酸単位の両方を含
    んでいる請求項1の熱可塑性弾性体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006028289A1 (en) * 2004-09-10 2006-03-16 Ube Industries, Ltd. Modified polyimide resin and curable resin composition
JP2019117796A (ja) * 2017-08-23 2019-07-18 宇部興産株式会社 電極用バインダー樹脂、電極合剤ペースト、電極、及び電極の製造方法

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