JP3709969B2 - 液晶性ポリマーの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は液晶性ポリマーの製造方法に関するものである。さらに詳しくは、溶融重合工程で低重合度の液晶性ポリマーを得、小粒子化工程を経た後、固相重合工程で高重合度の液晶性ポリマーを得る製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明の対象とする液晶性ポリマーは、ポリマーが溶融時に液晶相を示すものの総称であり、その本質は溶融時の液晶構造が成形固化後にも存在することにある。この本質から来る効果としてその優れた機械的強度が挙げられ、更に高精度の製品が得られ、成形収縮率及び線膨張係数が低いので温度変化に対する寸法安定性に優れ、又耐熱性、耐加水分解性、耐薬品性にも優れており、高度のエンジニアリングプラスチックスとして期待されている。
【0003】
液晶性ポリマーはその分子構造中に液晶性を発揮する成分、例えば芳香核密度を高くした芳香族成分を有し、分子の剛直性を増加させている。分子の剛直化は一般的に高重合度化を困難にするので、高重合度の液晶性ポリマーの製造は簡単ではない。
従来、液晶性ポリマーの高重合度化の手段としては、溶融重合により先ず微粉化しやすい程度の低粘度、低重合度を有するポリマーを得た後、リアクターから一旦取り出して粉砕し、微粉状態で固相重合させる手段が採られて来た。このように溶融重合工程、粉砕工程及び固相重合工程に分けた理由は、単独リアクターで高重合度の最終ポリマーを得ても、その高溶融粘度、高融点のためにリアクターからの重合体の全量排出が困難であり、全量排出が困難であることは連続式、バッチ式重合法の如何を問わず好ましくないことにある。
【0004】
しかも、上記粉砕工程を含む重合工程を採る場合は、溶融排出性のよい、粉砕に好都合の低重合度ポリマーが製造できるものの、微粉化工程及び得られた微粉の処理自体が煩雑な手段を要し、重合反応が充分には進んでいないためか未反応モノマー、低分子量副生成物等の揮発、昇華も多く、又低融点の故に微粉化物同士のスティッキング(粒子同士の相互融着)等のトラブルの発生もあり得る他、低重合度のポリマーの固相重合工程にかなりの長時間を要し、好ましい方法とはいえない。
また、微粉化物を使用する固相重合工程においては、従来は水平式の回転輸送型装置を使用する方式によるものであり、設置面積の広いシリンダ、回転体、その動力、固相重合時間調節装置等が必要であり、単純な重合工程であるにも関わらず高価な設置費を必要としてきた。
【0005】
一方、液晶性を有しない一般のポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂等)の製造方法として、溶融重合工程を経た後、上記のような微粉化工程に代えてチップ状、又はペレット状等「小粒子」なる概念で表現される、直径又は長さが2〜3mm以上の粒状体を製造して固相重合させる方法も提案されている(特開平2−69518号公報)が、微粉化を行っていないというのみで、低重合度の状態で固相重合工程に供していることに変わりはない。
従って前記同様に重合に長時間を要し、しかも固相重合工程においては、微粉化処理重合体の場合以上に低沸点物質の揮発、昇華等が多く、低融点の故にスティッキングも甚だしく、その処理が困難であり、実用性に欠けるので液晶性ポリマーの製造に応用使用することはできない。
以上のように、高重合度の液晶性ポリマーの製造においては、その方法自体の他、装置的にも問題があり、これらの解決による高重合度の液晶性ポリマーの製造方法の出現が望まれてきた。
【0006】
本明細書では、新計量法施行に伴い、単位として国際単位系を使用する。従って、従来、質量の意味で使用されていた「重量」は「質量」と記載する。これに合わせて、「重量%」、「重量部」等を「質量%」、「質量部」等と記載する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記溶融重合工程、小粒子化工程及び固相重合工程からなる高重合度の液晶性ポリマーの製造における各種問題点を解決し、上記液晶性ポリマーをより簡単に製造できる方法を提供することを課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定の溶融重合工程、小粒子化工程及び固相重合工程を採用することにより、上記問題を解決できることを見出し本発明を完成するに至った。本発明の要旨は、以下の通りである。
本発明の第1は、溶融重合工程で低重合度の液晶性ポリマーを得、小粒子化工程を経た後、固相重合工程で重合を進めて高重合度の液晶性ポリマーを得る製造方法において、溶融重合工程では溶融粘度が固相重合工程を経た高重合度の液晶性ポリマーの溶融粘度の1/20〜1/2の範囲の値であり、かつ溶融重合工程における最高重合温度よりも5℃以上低い温度の融点を有する低重合度の液晶性ポリマーを製造し、小粒子化工程では該低重合度の液晶性ポリマーを粒子径又は粒子長さを2mm以上の大きさに小粒子化し、固相重合工程では該小粒子をホッパー型重合リアクターに投入し、底部から不活性気体を導入しつつ固相重合を行うことを特徴とする高重合度の液晶性ポリマーの製造方法に関する。
本発明の第2は、固相重合を、低重合度の液晶ポリマーの融点より低く、かつ260℃以上の雰囲気温度で、ホッパー型重合リアクター内の小粒子が導入される不活性気体で浮揚しない状態で行う上記第1の発明の高重合度の液晶性ポリマーの製造方法に関する。
本発明の第3は、小粒子化が、溶融重合により得られた低重合度の液晶性ポリマーを多数の穿孔を有するダイプレートから押し出してストランドとし、該ストランドをカッティングして行われる上記第1又は第2の発明の高重合度の液晶性ポリマーの製造方法に関する。
本発明の第4は、溶融重合工程でアシル化剤を液晶性ポリマー原料中のヒドロキシル基の101〜109%当量添加使用する上記第1〜第3のいずれかの発明の高重合度の液晶性ポリマーの製造方法に関する。
本発明の第5は、液晶性ポリマーが芳香族ポリエステル又は芳香族ポリエステルアミドを主成分とする上記第1〜4のいずれかの発明の高重合度の液晶性ポリマーの製造方法に関する。
本発明の第6は、低重合度の液晶性ポリマーを製造する工程が、バッチ式重合を無洗浄で繰り返す方法により行われる上記第1〜5のいずれかの発明の高重合度の液晶性ポリマーの製造方法に関する。
本発明の第7は、固相重合が、連続重合法により行われる上記第1〜6のいずれかに記載の高重合度の液晶性ポリマーの製造方法に関する。
本発明の第8は、固相重合工程において、導入される不活性気体のガス比(単位時間当たりの不活性気体の質量と該低重合度の液晶性ポリマーの質量との比)が0.75〜20の範囲である上記第1〜7のいずれかに記載の高重合度の液晶性ポリマーの製造方法に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明に係る液晶性ポリマーは、高重合度の場合でも溶融成形できる液晶性ポリマーであれば特にその化学的構成については特に限定されるものではないが、芳香族ポリエステル又はこれにアミド結合が導入された芳香族ポリエステルアミドが特に好適である。なお、これらに、更にイミド結合、カーボネート結合、カルボジイミド結合やイソシアヌレート結合などのイソシアネート由来の結合等が導入されたものも使用しうる。
【0010】
次に本発明にいう液晶性ポリマーの上記化学的構成の具体例について述べる。
芳香族ポリエステルは、(1)芳香族ヒドロキシカルボン酸またはその誘導体の1種又は2種以上を主成分として使用したもの、(2)ジカルボン酸として芳香族ジカルボン酸を主成分とし、脂環族ジカルボン酸、又はこれらの誘導体の1種若しくは2種以上を併用したものと、ジオールとして芳香族ジオールを主成分とし、脂環族ジオール又は脂肪族ジオール、又はこれらの誘導体の1種若しくは2種以上を併用したもの、(3)前記(1)の一部を前記(2)の成分で置換したものを挙げることができる。
【0011】
より具体的には、(1)の芳香族ヒドロキシカルボン酸としてはp−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸等が例示でき、(2)芳香族ジカルボン酸としてはテレフタル酸、イソフタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、下記一般式〔1〕で表されるジカルボン酸等が例示でき、芳香族ジオールとしては2,6−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、レゾルシン、下記一般式〔2〕又は〔3〕で表されるジオール等が例示できる。
【0012】
【化1】
Figure 0003709969
【0013】
本発明に係る液晶性ポリマーが芳香族ポリエステルの場合、重合には一般のポリエステル樹脂の製造に用いられる公知の触媒が使用される。触媒としては、例えば酸化ゲルマニウム等のゲルマニウム化合物;シュウ酸第一スズ、酢酸第一スズ、アルキルスズ酸化物、ジアリールスズ酸化物等のスズ化合物;二酸化チタン,チタンアルコオキシド類,アルコオキシチタンケイ酸塩のようなチタン化合物;酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、酢酸亜鉛、酢酸第一鉄のような有機酸の金属塩;BF3,AlCl3のようなルイス酸類;アミン類、アミド類;塩酸、硫酸等の無機酸等を挙げることができる。
【0014】
ポリエステル化反応は、一般には界面重合法、低温溶液重合法、高温溶液重合法、溶融重合法があるが、本発明に係る液晶性ポリマーは経済的に高重合体を得ることを目的とする以上、低重合度の液晶性ポリマーを製造する工程では溶融重合法が好ましい。
該溶融重合法の場合、通常、脱水方式、脱フェノール方式(フェノラート化原料を使用)、及び脱酢酸方式(無水酢酸又はアセチル化原料を使用)があるが、脱酢酸方式が一般には多く採用されている。脱酢酸方式では、ヒドロキシ基のアセチル化物を原料として使用するよりも反応系に無水酢酸等のアシル化剤を添加する方法がより好ましい方法とされている。この場合、アシル化剤の使用量は特に限定されるものでないが、原料ヒドロキシ基に対して当量よりも1〜9%当量過剰に使用されることが好ましい。アシル化剤の使用量が1%当量未満の場合には、アセチル化反応の進行速度が遅く、得られた低重合度の液晶性ポリマーを固相重合させる際に、昇華物が多くなり易い問題があり、上記9%当量を超えると着色が激しくなり始め、荷重撓み温度(HDT)の低下を招き易いという問題がある。
【0015】
次に本発明にいう液晶性ポリマーの他の化学的構成例、即ち芳香族ポリエステルアミドについて述べる。
芳香族ポリエステルアミドは、前記各種芳香族ポリエステルの製造の際、その原料中にカルボン酸と反応する、p−アミノフェノールのような芳香族ヒドロキシルアミン、芳香族ジアミン、これらの誘導体、及びその1種又は2種以上を加えて得られるものである。
【0016】
上記原料を使用して、重合用リアクター中で溶融重合法により高重合度の液晶性ポリマーを製造しようとして、所定の重合度を超える程度にまで重合を進めると、高温度下においても液晶性ポリマー特有の高粘度を示し、製品(成形用原料に使用される。)として取り出すことが困難になり、リアクターの洗浄、乾燥工程が必要となる。これにより、洗浄なしのバッチ式重合操作の繰り返し(バッチ式無洗浄繰り返し生産法)又は連続式重合が不可能になる。当然、洗浄工程が入れば製造能力を低下させることになる。特にグリコールによる高温条件下での洗浄操作は、危険を伴う作業であり、省略あるいは少なくすることが好ましい。
従って、取り出し得る所定の溶融粘度及び融点に達した時に溶融重合用リアクターから排出され、小粒子化されて、さらにホッパー型重合リアクターにおいて固相重合法により所定の重合度を得る手段が採られる。
【0017】
ここに取り出し得る所定の溶融粘度とは、固相重合工程前の低重合度の液晶性ポリマーの溶融粘度として把握できる特性であり、しかも固相重合工程終了時点の粘度、即ち重合工程最終粘度との関係で決められる粘度であり、本発明に係る製造方法においては固相重合終了後の液晶性ポリマーの溶融粘度の1/20〜1/2の範囲、さらに好ましくは1/10〜1/2の範囲にあることが要求され、低重合度の液晶性ポリエステルの好ましい一例についてその絶対値を示すと、融点+10〜30℃の測定温度で剪断速度1,000/秒の条件下で溶融粘度4〜15Pa・sec程度の範囲の値が示される。
【0018】
又、取り出し得る所定の融点とは、固相重合工程前の低重合度の液晶性ポリマーの融点として把握できる特性であり、しかも溶融温度が重合度の上昇とともに上昇した、溶融重合工程の、通常は終了時点の最高重合温度、即ち溶融重合工程最高重合温度との関係で決められる融点であり、本発明に係る製造方法においては溶融重合工程最高重合温度よりも少なくとも5℃以上低い融点であることが要求される。なお、溶融重合工程最高重合温度は、必ずしも厳密に溶融重合工程の終了時点の温度とは限らない。
【0019】
上記固相重合工程前溶融粘度が重合工程最終粘度の1/2を越える高い溶融粘度を有するか、あるいは固相重合工程前融点と溶融重合工程最高重合温度との差が5℃未満の場合は溶融重合体をリアクターから排出することが困難になり、実質的に生産の継続が不可能になる。又、前者の値が1/20未満の低い溶融粘度を有し、後者の値が上記同様に5℃未満の場合、溶融重合体のリアクターから排出は可能であるが、重合度が極度に低いために次に述べる小粒子の製造が困難になる。つまり、ストランドが脆くなり、微粉が大量に発生する。この微粉は先に述べたような不都合を招くと共に、固相重合後の分子量の不均一性を増大させて好ましくない。
本発明においては上記低重合度の液晶性ポリマーの溶融粘度及び融点を規定することにより、溶融重合用リアクターからの排出及び小粒子化操作を可能とする最大の重合度を溶融重合工程で得ようとするものである。
【0020】
溶融重合工程を経た重合体の小粒子化は、特に限定された装置を必要としないが、例えば、特開平8−192421号公報記載の方法で小粒子化される。合成樹脂のペレタイジング装置に相当する装置が好ましく、溶融重合用リアクターを加圧することにより、直径2mm以上、好ましくは3mm以上の多数の穿孔を有するダイプレートを装着した該リアクター底部に設けられたダイを通して多数本のストランドを形成させ、直ちに冷却し、ストランドカッターで切断して長さ3mm以上、好ましくは4mm以上のチップ又はペレットを形成させ、固相重合工程に移される。なお、ダイプレートの穿孔の直径が2mm未満では、実質的にストランドの押し出しが困難になり、生産効率が低下しやすい。又、20mmを超えると次の固相重合の速度を低下させるので好ましくなく、穿孔の直径は通常4〜8mmの範囲である。
以上のようにして溶融重合工程を経た重合体は、従来行われてきた微粉化に代え、小粒子の嵩高さを左右する寸法、例えば長さ、径、幅等のいずれかの内、最大の値を2mm以上、好ましくは3〜15mmにすることにより、本発明の効果を発揮させることができる。
【0021】
得られたチップ又はペレット等の小粒子はホッパー型固相重合槽に移される。間接加熱型リアクター、例えばパドル式ジャケット型リアクターのような攪拌翼のある固相重合槽は、小粒子に剪断力がかかるため、小粒子を変形させて不都合を生じ、望ましくない。これに対して、攪拌翼等のないホッパー型固相重合槽、流動床(層)式固相重合槽などが、小粒子に剪断力がかからないため望ましい装置である。なお、本発明では流動床(層)式固相重合槽を使用することも可能であるが、小粒子を浮遊させないで使用することが品質や生産効率上、好ましい。
【0022】
該ホッパー型固相重合槽には、不活性気体導入口をその底部に有し、一方、固相重合反応において発生、昇華、蒸発する反応副生成物が不活性気体と共に排出される排出口が上部壁に設けられている。
固相重合工程においては、小粒子はホッパー上部から投入され、下部排出口に至るまでホッパー内を上部から下部にかけてプラグフローの状態で降下する。この間、小粒子の液晶性ポリマーはホッパー底部から導入される不活性気体、例えば窒素ガスに常時さらされつつ、例えば、低重合度の液晶性ポリマー融点より低く、且つ260℃以上、好ましくは280℃以上の温度下に固相重合を進行させる。
ここに不活性気体の量は、堆積した小粒子を浮遊状態にしない程度の量及び速度であることが好ましく、かつ液晶性ポリマーとのガス比(単位時間当たりの不活性気体の質量と低重合度の液晶性ポリマーの質量との比)において0.75以上が好ましく、1.0以上、20以下がより好ましい。不活性気体は小粒子の間隙を通過すれば充分であり、浮遊状態にまで気体を導入する必要がないからである。
このように、不活性気体は、所定の重合温度に加熱することに加えて、固相重合により発生するガス状又は低沸点の反応副生成物の小粒子表面からの除去を助けるが、更に該反応副生成物のミスト化を防止し、液晶性ポリマーからの分離に効果的である。
【0023】
上記固相重合工程で発生するガス状又は低沸点の反応副生成物を含む不活性気体は、200℃以上に加熱し、2m/秒以上でホッパー排出口以後に接続されたトラップ、コンデンサー、スクラバー等に送ることにより、配管を閉塞することなく反応副生成物を捕獲することができる。
以上、本発明の内容を詳細に説明したが、次に実施例をもって更に説明する。
【0024】
【実施例】
以下、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお、融点は、下記方法で測定した。
〔融点測定法〕
プレポリマー(溶融重合で得られた低分子量液晶性ポリマーのことをいう。)又は液晶性ポリマーの試料量約10mgを秤量し、パーキンエルマー社製示差走査熱量計(DSC7型)を用いて50℃から370℃まで20℃/分の速度で昇温し、次いで50℃まで20℃/分の速度で降温し、再び370℃まで20℃/分の速度で昇温し、吸熱サーモグラムを測定した。融点は、昇温2度目の吸熱ピーク値から求めた。
〔溶融粘度測定法〕
溶融粘度測定装置(東洋精機(株)製キャピログラフ1B)を用い、1mmφ×20mmのキャピラリーで、測定温度:ポリマーの融点+10〜30℃、剪断速度:1,000/secの条件で、ポリマーの溶融粘度を測定した。
【0025】
(実施例1)
トルク計付攪拌装置、温度調節指示計、窒素ガス導入管、コンデンサー付の内容積6リットルの反応器に、パラヒドロキシ安息香酸1379g、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸188g、テレフタル酸470g、4,4’−ジヒドロキシビフェニル372g、p−アセチルアミノフェノール126gと、無水酢酸1646g(水酸基当量の1.02倍)および触媒として酢酸カリウム0.33g(生成樹脂に対し、K+質量基準で60ppm)を仕込んだ。
系内を窒素ガスで置換した後140℃に昇温し、1時間保持した。その後毎分約2℃の速度で昇温させて、副生する酢酸を留出除去しながら340℃まで昇温させ1時間その状態に保った。攪拌トルクの上昇が認められ、所定トルクに達した後、内容物のプレポリマーを取り出し、該プレポリマーをペレット状にした。該ペレット状プレポリマーのペレットサイズは、長さ8mm、径3mmの円筒状であった。該ペレット状プレポリマーの収率は98.8%であった。得られた該プレポリマーの溶融粘度は7.6Pa・s(340℃)であり、融点は325℃であった。
反応器を室温まで冷却したのち、反応器を洗浄することなく、引き続き上記同様の重合操作を行った。この重合操作を10回まで繰り返したが、重合反応・品質・収率等に変化がなかった。
該ペレット状プレポリマー2.0kgをホッパー型固相重合装置に入れて、毎分12リットルの加熱窒素気流中で2時間を要して室温から280℃へ昇温し、引き続き280℃で20時間固相重合反応を行った。得られた液晶性ポリエステルアミドは固く融着することなく簡単に排出することができた。該ポリエステルアミドの溶融粘度は32Pa・s(360℃)であり、融点は345℃であった。該ポリマーをヒートステージ付偏光顕微鏡で観察したところ溶融時に異方性を示すものであった。
【0026】
(実施例2)
ペレット状プレポリマーを溶融粘度2.1Pa・sで調製した以外は実施例1と同様に操作して液晶ポリエステルアミドのペレットを得た。融点は322℃、収率は99.1%であった。該ペレット状プレポリマーのペレットサイズは、長さ8mm、径3mmの円筒状であった。
反応器を室温まで冷却したのち、反応器を洗浄することなく、引き続き上記同様の重合操作を行った。この重合操作を10回まで繰り返したが、重合反応・品質・収率等に変化はなかった。
280℃からの固相重合時間を23時間とした以外は実施例1と同様に固相重合を行ったが、実施例1と同様、重合操作に困難を伴う挙動や現象は現れなかった。該ポリマーの溶融粘度は30Pa・s(360℃)、融点は344℃であった。該ポリマーをヒートステージ付偏光顕微鏡で観察したところ溶融時に異方性を示すものであった。
【0027】
(実施例3)
ペレット状プレポリマーをペレットサイズ長さ12mm、径4mmで調製した以外は実施例1と同様に操作して液晶ポリエステルアミドのペレットを得た。該プレポリマーの溶融粘度は7.5Pa・s(340℃)、融点は325℃、収率は98.1%であった。
反応器を室温まで冷却したのち、反応器を洗浄することなく、引き続き上記同様の重合操作を行った。この重合操作を10回まで繰り返したが、重合反応・品質・収率等に変化はなかった。
実施例1と同様に固相重合を行ったが、重合操作に困難を伴う挙動や現象は現れなかった。該ポリマーの溶融粘度は31Pa・s(360℃)、融点は344℃であった。該ポリマーをヒートステージ付偏光顕微鏡で観察したところ溶融時に異方性を示すものであった。
【0028】
(比較例1)
ペレット状プレポリマーの溶融粘度を22Pa・sに調製した以外は実施例1と同様に操作して液晶ポリエステルアミドのペレットを得た。該プレポリマーの融点は335℃、収率は95.1%であった。該ペレット状プレポリマーのペレットサイズは、長さ8mm、径3mmの円筒状であった。
反応器を室温まで冷却したのち、反応器を洗浄することなく、引き続き上記同様の重合操作を行った。この重合操作を繰り返したが、4回目の重合操作時に攪拌翼が回転しなくなったために、重合は不可能となった。原因は、排出しきれなかったプレポリマーが反応器内に堆積し、固着したためであった。
280℃からの固相重合時間を5時間にした以外は、実施例1と同様に固相重合を行つた。重合操作に困難を伴う挙動や現象は現れなかった。該ポリマーの溶融粘度は33Pa・s(360℃)、融点は345℃であった。該ポリマーをヒートステージ付偏光顕微鏡で観察したところ溶融時に異方性を示すものであった。
【0029】
(比較例2)
プレポリマーを溶融粘度0.9Pa・s(340℃)で調製した以外は実施例1と同様に操作して液晶ポリエステルアミドのフレークを得た。該プレポリマーの重合度が低すぎて脆いために、ペレット状にカッティングは出来なかった。該フレークのサイズは0.5〜4mmの粒径の不均一なものであった。該プレポリマーの融点は322℃、収率は99.0%であった。
反応器を室温まで冷却したのち、反応器を洗浄することなく引き続き上記同様の重合操作を行った。この重合操作を10回まで繰り返したが、重合反応、品質、収率等に変化はなかった。
該フレーク状プレポリマーをホッパー型固相重合装置に入れて、毎分12リツトルの加熱窒素気流中で2時間を要して室温から280℃へ昇温し、引き続き280℃で35時間固相重合反応を行った。該フレーク状プレポリマーには、窒素気流に同伴するような低すぎる分子量のプレポリマーが含まれていた。得られた該ポリエステルアミドはホッパー内でスティッキング等を起こしており、排出することが困難であった。該ポリマーの溶融粘度は32Pa・s(360℃)、融点は346℃であった。該ポリマーをヒートステージ付偏光頭微鏡で観察したところ溶融時に異方性を示すものであった。
【0030】
(比較例3)
ペレット状プレポリマーのペレットサイズを、長さ1.5mm、径1.5mmに調製した以外は実施例1と同様に操作して液晶ポリエステルアミドのペレットを得た。該プレポリマーの溶融粘度は7.5Pa・s(340℃)、融点は325℃、収率は97.7%であった。
反応器を室温まで冷却したのち、反応器を洗浄することなく、引き続き上記同様の重合操作を行った。この重合操作を10回まで繰り返したが、重合反応・品質・収率等に変化はなかった。
該ペレット状プレポリマーをホッパー型固相重合装置に入れて、毎分12リットルの加熱窒素気流中で2時間を要して室温から280℃へ昇温し、引き続き280℃で20時間固相重合反応を行った。得られた該ポリエステルはホッパー内でスティッキング等を起こしており、排出することが困難であった。該ポリマーをヒートステージ付偏光顕微鏡で観察したところ溶融時に異方性を示すものであった。
【0031】
(比較例4)
トルク計付攪拌装置、温度調節指示計、窒素ガス導入管、コンデンサー付の内容積6リットルの反応器に、パラヒドロキシ安息香酸1379g,6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸188g、テレフタル酸470g、4,4’−ジヒドロキシビフェニル372g、p−アセチルアミノフェノール126gと、無水酢酸1646g(水酸基当量の1.02倍)および触媒として酢酸カリウム0.33g(生成樹脂に対し、K+基準で60ppm)を仕込んだ。系内を窒素ガスで置換した後140℃に昇温し1時間保持した。その後約毎分2℃の速度で昇温させて、副生する酢酸を留出除去しながら340℃まで昇温させ、系内を徐々に減圧した。減圧とともに攪拌トルクの上昇が認められたので、所定トルクに達した後減圧を解除し内容物を取り出した。該ポリマーをヒートステージ付偏光顕微鏡で観察したところ溶融時に異方性を示すものであった。該ポリマーの溶融粘度は33Pa・s(360℃)、融点は345℃、収率は94.2%であった。
反応器を室温まで冷却したのち、反応器を洗浄することなく、引き続き上記同様の重合操作を行った。この重合操作を繰り返したが、3回目の重合操作時に攪拌翼が回転しなくなったために、重合は不可能となった。原因は、排出しきれなかったプレポリマーが反応器内に堆積し、固着したためであった。
【0032】
(実施例4)
パラヒドロキシ安息香酸1843g、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸636g、テレフタル酸28gと、無水酢酸1741g(水酸基当量の1.02倍)および触媒として酢酸カリウム0.33g(生成樹脂に対し、K+基準で60ppm)を仕込んで行った以外は実施例1と同様の操作と評価を行った。該プレポリマーの溶融粘度は7.3Pa・s(330℃)、融点は315℃、収率は96.7%であった。該ペレット状プレポリマーのペレットサイズは、長さ8mm、径3mmの円筒状であった。
反応器を室温まで冷却したのち、反応器を洗浄することなく、引き続き上記同様の重合操作を行った。この重合操作を10回まで繰り返したが、重合反応・品質・収率等に変化はなかった。
該ペレツト状プレポリマーをホッパー型固相重合装置に入れて、毎分12リットルの加熱窒素気流中で2時間を要して室温から280℃へ昇温し、引き続き280℃で20時間固相重合反応を行った。得られた該ポリエステルは固く融着することなく簡単に排出することができた。該ポリエステルの溶融粘度は32Pa・s(340℃)であり、融点は323℃であった。該ポリマーをヒートステージ付偏光顕微鏡で観察したところ溶融時に異方性を示すものであった。
【0033】
(実施例5)
ペレット状プレポリマーを溶融粘度2.2Pa・sで調製した以外は実施例4と同様に操作して液晶ポリエステルのペレットを得た。該プレポリマーの融点は312℃、収率は97.9%であった。該ペレット状プレポリマーのペレットサイズは、長さ8mm、径3mmの円筒状であった。
反応器を室温まで冷却したのち、反応器を洗浄することなく、引き続き上記同様の重合操作を行った。この重合操作を10回まで繰り返したが、重合反応・品質・収率等に変化はなかった。
280℃からの固相重合時間を23時間とした以外は実施例4と同様に固相重合を行ったが、重合操作に困難を伴う挙動や現象は現れなかった。該ポリマーの溶融粘度は30Pa・s(340℃)であった。該ポリマーをヒートステージ付偏光顕微鏡で観察したところ溶融時に異方性を示すものであった。
【0034】
(比較例5)
パラヒドロキシ安息香酸1843g、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸636g、テレフタル酸28gと、無水酢酸1741g(水酸基当量の1.02倍)および触媒として酢酸カリウム0.38g(生成樹脂に対し、K+基準で60ppm)を仕込んだ。系内を窒素ガスで置換した後、140℃に昇温し1時間保持した。その後約毎分2℃の速度で昇温させて、副生する酢酸を留出除去しながら340℃まで昇温させ、系内を徐々に減圧した。減圧とともに攪拌トルクの上昇が認められたので、所定トルクに達した後減圧を解除し内容物を取り出した。該ポリマーをヒートステージ付偏光顕微鏡で観察したところ溶融時に異方性を示すものであった。該ポリエステルの溶融粘度は33Pa・s(340℃)、融点は325℃、収率は95.2%であった。
反応器を室温まで冷却したのち、反応器を洗浄することなく、引き続き上記同様の重合操作を行った。この重合操作を繰り返したが、3回目の重合操作時に攪拌翼が回転しなくなったために、重合は不可能となった。原因は、排出しきれなかったプレポリマーが反応器内に堆積し、固着したためであった。
【0035】
(実施例6)
パラヒドロキシ安息香酸1340g、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸183g、4,4’−ジヒドロキシビフェニル512g、テレフタル酸457g、無水酢酸1684g(水酸基当量の1.02倍)および触媒として酢酸カリウム0.33g(生成樹脂に対し、K+基準で60ppm)を仕込んで行った以外は実施例1と同様に操作して液晶ポリエステルのペレットを得た。該プレポリマーの溶融粘度は7.6Pa・s(340℃)、融点は327℃、収率は97.8%であった。該ペレット状プレポリマーのペレットサイズは、長さ8mm、径3mmの円筒状であった。
反応器を室温まで冷却したのち、反応器を洗浄することなく、引き続き上記同様の重合操作を行った。この重合操作を10回まで繰り返したが、重合反応・品質・収率等に変化はなかった。
該ペレット状プレポリマーをホッパー型固相重合装置に入れて、毎分12リットルの加熱窒素気流中で2時間を要して室温から280℃へ昇温し、引き続き280℃で20時間固相重合反応を行った。得られた該ポリエステルは固く融着することなく簡単に排出することができた。該ポリエステルの溶融粘度は35Pa・s(360℃)であり、融点は341℃であった。該ポリマーをヒートステージ付偏光顕微鏡で観察したところ溶融時に異方性を示すものであった。
【0036】
(比較例6)
パラヒドロキシ安息香酸1340g、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸183g、4,4’−ジヒドロキシビフェニル512g、テレフタル酸457g、無水酢酸1684g(水酸基当量の1.02倍)および触媒として酢酸カリウム0.33g(生成樹脂に対し、K+基準で60ppm)を仕込んだ。系内を窒素ガスで置換した後140℃に昇温し1時間保持した。その後毎分約2℃昇温させて、副生する酢酸を留出除去しながら340℃まで昇温させ系内を徐々に減圧した。減圧とともに攪拌トルクの上昇が認められたので、所定トルクに達した後減圧を解除し内容物を取り出した。該ポリマーをヒートステージ付偏光顕微鏡で観察したところ溶融時に異方性を示すものであった。該ポリエステルの溶融粘度は31Pa・s(360℃)、融点は342℃、収率は93.6%であった。
反応器を室温まで冷却したのち、反応器を洗浄することなく、引き続き上記同様の重合操作を行った。重合操作を繰り返したが、3回目の重合操作時に攪拌翼が回転しなくなったために、重合は不可能となった。原因は、排出しきれなかったプレポリマーが反応器内に堆積し、固着したためであった。
【0037】
(実施例7)
パラヒドロキシ安息香酸1458g、テレフタル酸292g、2,6−ナフタレンジカルボン酸380g、ハイドロキノン291g,p−アセチルアミノフェノール133g、無水酢酸1740g(水酸基当量の1.02倍)および触媒として酢酸カリウム0.33g(生成樹脂に対し、K+基準で60ppm)を仕込んで行った以外は実施例1と同様に操作して液晶ポリエステルのペレットを得た。該プレポリマーの溶融粘度は7.9Pa・s(340℃)、融点は321℃、収率は98.0%であった。該ペレット状プレポリマーのペレットサイズは、長さ8mm、径3mmの円筒状であった。
反応器を室温まで冷却したのち、反応器を洗浄することなく、引き続き上記同様の重合操作を行った。この重合操作を10回まで繰り返したが、重合反応・品質・収率等に変化はなかった。
該ペレツト状プレポリマーをホッパー型固相重合装置に入れて、毎分12リットルの加熱窒素気流中で2時間を要して室温から300℃へ昇温し、引き続き280℃で20時間固相重合反応を行った。得られた該ポリエステルは固く融着することなく簡単に排出することができた。該ポリエステルの溶融粘度は32Pa・s(360℃)であり、融点は332℃であった。該ポリマーをヒートステージ付偏光頭微鏡で観察したところ溶融時に異方性を示すものであった。
【0038】
(比較例7)
パラヒドロキシ安息香酸1458g、テレフタル酸292g、2,6−ナフタレンジカルボン酸380g、ハイドロキノン291g、p−アセチルアミノフェノール133g、無水酢酸1740g(水酸基当量の1.02倍)および触媒として酢酸カリウム0.33g(生成樹脂に対し、K+基準で60ppm)を仕込んだ。系内を窒素ガスで置換した後140℃に昇温し1時間保持した。その後毎分約2℃の速度で昇温させて、副生する酢酸を溜出除去しながら340℃まで昇温させ系内を徐々に減圧した。減圧とともに攪拌トルクの上昇が認められたので、所定トルクに達した後減圧を解除し内容物を取り出した。該ポリマーをヒートステージ付偏光顕微鏡で観察したところ溶融時に異方性を示すものであった。該ポリエステルの溶融粘度は34Pa・s(360℃)、融点は333℃、収率は93.3%であった。
反応器を室温まで冷却したのち、反応器を洗浄することなく、引き続き上記同様の重合操作を行った。この重合操作を繰り返したが、2回目の重合操作時に攪拌翼が回転しなくなったために、重合が不可能になった。原因は、排出しきれなかったプレポリマーが反応容器内に堆積、固着したためであった。
【0039】
(実施例8)
実施例1と同様にして得られたペレット状プレポリマーを、連続式ホッパー型固相重合装置に毎時15kgの速度で装置上部より投入し、不活性ガスとして窒素を用い、ガス比1(毎時15kgの窒素流量)で装置下部より導入し、装置上部より排出しながら、装置内で15時間ペレットを浮揚させることなく、滞留させた後に、毎時15kgの速度で装置下部より排出して固相重合反応を行った。反応温度への加熱は、ジャケットと窒素を290℃に昇温して行った。得られたポリエステルアミドの溶融粘度は33Pa・sec(360℃)であり、融点は345℃であった。該ポリマーをヒートステージ付偏光顕微鏡で観察したところ溶融時に異方性を示すものであった。
【0040】
(実施例9)
実施例1と同様にして得られたペレット状プレポリマーを、連続式ホッパー型固相重合装置に毎時15kgの速度で装置上部より投入し、不活性ガスとして窒素を用い、ガス比3(毎時45kgの窒素流量)で装置下部より導入し装置上部より排出しながら、装置内で13時間ペレットを浮揚させることなく滞留させた後に、毎時15kgの速度で装置下部より排出して固相重合反応を行った。反応温度への加熱は、ジャケットと窒素を290℃に昇温して行った。得られたポリエステルアミドの溶融粘度は32Pa・sec(360℃)であり、融点は344℃であった。該ポリマーをヒートステージ付偏光顕微鏡で観察したところ溶融時に異方性を示すものであった。
【0041】
(実施例10)
実施例4と同様にして得られたペレット状プレポリマーを、実施例9と同様にして固相重合反応を行った。反応は285℃で行った。得られたポリエステルの溶融粘度は34Pa・sec(340℃)であり、融点は323℃であった。該ポリマーをヒートステージ付偏光顕微鏡で観察したところ溶融時に異方性を示すものであった。
【0042】
(実施例11)
実施例6と同様にして得られたペレット状プレポリマーを、実施例9と同様にして固相重合反応を行った。反応は285℃で行った。得られたポリエステルの溶融粘度は36Pa・sec(360℃)であり、融点は342℃であった。該ポリマーをヒートステージ付偏光顕微鏡で観察したところ溶融時に異方性を示すものであった。
【0043】
(実施例12)
実施例7と同様にして得られたペレット状プレポリマーを、実施例9と同様にして固相重合反応を行った。反応は310℃で行った。該ポリ主ステルの溶融粘度は34Pa・sec(360℃)であり、融点は334℃であった。該ポリマーをヒートステージ付偏光顕微鏡で観察したところ溶融時に異方性を示すものであった。
【0044】
(実施例13)
実施例1と同様にして得られたペレット状プレポリマーを、連続式ホッパー型固相重合装置に毎時15kgの速度で装置上部より投入し、不活性ガスとして窒素を用い、ガス比0.5(毎時7.5kg窒素流量)で装置下部より導入し、装置上部より排出しながら、装置内で29時間ペレットを浮揚させることなく滞留させた後に、毎時15kgの速度で装置下部より排出して固相重合反応を行った。反応温度への加熱はジャケットと窒素を290℃に昇温して行った。得られたポリエステルアミドの溶融粘度は33Pa・sec(360℃)であり、融点は345℃であった。該ポリマーをヒートステージ付偏光顕微鏡で観察したところ溶融時に異方性を示すものであった。
上記実施例、比較例における原料成分のモル%、重合条件、プレポリマー及びポリマーの特性等を表1〜3にまとめて示した。
【0045】
【表1】
Figure 0003709969
【0046】
【表2】
Figure 0003709969
【0047】
【表3】
Figure 0003709969
【0048】
なお、表1〜3における略号は以下の通りである。
HBA:パラヒドロキシ安息香酸
HNA:6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸
TA:テレフタル酸
NDA:2,6−ナフタレンジカルボン酸
BP:4,4’−ジヒドロキシビフェニル
HQ:ハイドロキノン
APAP:p−アセチルアミノフェノール
【0049】
【発明の効果】
本発明によれば、上記のように特定の条件下に溶融重合工程、小粒子化工程及び固相重合工程をとることにより、溶融重合工程において従来のように粉末化ではなくて小粒子にできるに充分な高い重合度まで重合することが、溶融重合器の洗浄を行わずに、繰り返して可能となり、小粒子化状態で、短時間で固相重合により高重合度の液晶性ポリマーを得ることが効率よくできるようになった。また、溶融重合のみの場合に比べ、HDT、融点等のより耐熱性の高い液晶性ポリマーを得ることができる。

Claims (8)

  1. 溶融重合工程で低重合度の液晶性ポリマーを得、小粒子化工程を経た後、固相重合工程で重合を進めて高重合度の液晶性ポリマーを得る製造方法において、溶融重合工程では溶融粘度が固相重合工程を経た高重合度の液晶性ポリマーの溶融粘度の1/20〜1/2の範囲の値であり、かつ溶融重合工程における最高重合温度よりも5℃以上低い温度の融点を有する低重合度の液晶性ポリマーを製造し、小粒子化工程では該低重合度の液晶性ポリマーを粒子径又は粒子長さを2mm以上の大きさに小粒子化し、固相重合工程では該小粒子をホッパー型重合リアクターに投入し、底部から不活性気体を導入しつつ固相重合を行うことを特徴とする高重合度の液晶性ポリマーの製造方法。
  2. 固相重合を、低重合度の液晶ポリマーの融点より低く、かつ260℃以上の雰囲気温度で、ホッパー型重合リアクター内の小粒子が不活性気体で浮揚しない状態で行う請求項1記載の高重合度の液晶性ポリマーの製造方法。
  3. 小粒子化を、溶融重合により得られた低重合度の液晶性ポリマーを多数の穿孔を有するダイプレートから押し出してストランドとし、該ストランドをカッティングして行う請求項1又は2記載の高重合度の液晶性ポリマーの製造方法。
  4. 溶融重合工程でアシル化剤を、液晶性ポリマー原料中のヒドロキシル基の101〜109%当量添加使用する請求項1〜3のいずれかに記載の高重合度の液晶性ポリマーの製造方法。
  5. 液晶性ポリマーが芳香族ポリエステル又は芳香族ポリエステルアミドを主成分とする請求項1〜4のいずれかに記載の高重合度の液晶性ポリマーの製造方法。
  6. 低重合度の液晶性ポリマーを製造する工程が、バッチ式重合を無洗浄で繰り返す方法により行われる請求項1〜5のいずれかに記載の高重合度の液晶性ポリマーの製造方法。
  7. 固相重合工程が、連続重合法により行われる請求項1〜6のいずれかに記載の高重合度の液晶性ポリマーの製造方法。
  8. 固相重合工程において、導入される不活性気体のガス比(単位時間当たりの不活性気体の質量と該低重合度の液晶性ポリマーの質量との比)が0.75〜20の範囲である請求項1〜7のいずれかに記載の高重合度の液晶性ポリマーの製造方法。
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