JP2002012778A - 液晶性樹脂組成物、フィルム及びそれらの製造方法 - Google Patents

液晶性樹脂組成物、フィルム及びそれらの製造方法

Info

Publication number
JP2002012778A
JP2002012778A JP2001111830A JP2001111830A JP2002012778A JP 2002012778 A JP2002012778 A JP 2002012778A JP 2001111830 A JP2001111830 A JP 2001111830A JP 2001111830 A JP2001111830 A JP 2001111830A JP 2002012778 A JP2002012778 A JP 2002012778A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystalline
film
resin composition
temperature
inorganic compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001111830A
Other languages
English (en)
Inventor
Shino Moriyama
志乃 森山
Yoshitaka Obe
良隆 大部
Takazo Yamaguchi
登造 山口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP2001111830A priority Critical patent/JP2002012778A/ja
Publication of JP2002012778A publication Critical patent/JP2002012778A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】フィルム成形性等に優れ、溶融時に光学異方性
を呈する液晶性樹脂組成物、高湿度下においても高い酸
素及び水蒸気バリア性の両方を備え、かつ優れた耐熱性
を有するフィルム及びこれらの製造方法を提供するこ
と。 【解決手段】溶融時に光学異方性を呈する熱可塑性樹脂
(a)と、層状無機化合物(b)とを含み、溶融時に光学異
方性を呈する液晶性樹脂組成物、水以外の媒体に膨潤及
び/又はへき開させた無機化合物(b)の存在下に、熱可
塑性樹脂(a)を得るための樹脂材料を反応させる工程を
含む前記組成物の製造方法、並びに前記組成物を溶融押
出し成形したフィルムとその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フィルム成形性
(製膜性)等に優れ、溶融時に光学異方性を呈する液晶性
樹脂組成物、該組成物を用いた、湿度依存性が小さく、
酸素バリア性及び水蒸気バリア性に優れたフィルム及び
それらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、各種ポリマーから製造されるフィ
ルムは、日常生活に欠かせないものとなっている。例え
ば、高強力フィルム、高弾性フィルム、酸素バリア性フ
ィルム、導電性フィルム、耐熱性フィルム、あるいは光
バリア性フィルム等の各種のフィルムが開発されてい
る。中でも、酸素バリア性又は水蒸気バリア性を有する
フィルムは、包装用材料として産業用、民生用を問わず
我々の生活の中に浸透しつつある。従来、この分野に
は、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン
の延伸フィルム、ポリエチレンテレフタレート(以下P
ETと略す)の延伸フィルム、ポリ塩化ビニリデン(以下
PVDCと略す)フィルム、ケン化エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体(以下EVOHと略す)フィルム等が開発さ
れ、目的・用途により単層又は2層以上の多層フィルム
として利用されている。しかし、ガスバリア性を維持す
るためには多層化が必須の場合が多く、製造コストを上
げる要因の一つになっている。また最近、レトルトパウ
チ等の食品包装分野では、滅菌処理の効率化のため、高
温短時間処理する傾向にあり、耐熱性の高い包装材料が
求められている。例えば、シリカ、アルミナ等を蒸着し
たPETフィルム等が開発されているが、将来的には廃
棄物の分別や焼却方法に課題が残っている。また、PE
Tフィルムの耐熱性や酸素バリア性を改良したポリエチ
レンナフタレート(以下PENと略す)系包装材料(容器)
の開発がなされている。しかし、ハイガスバリア性(酸
素透過度1cc/m2・24hr・atm以下)用途には
ガスバリア性が未だ不十分である(例えば特開平8−1
13631号公報、特開平8−92467号公報)。更
に、酸素バリア性には優れるが、水蒸気バリア性能に劣
るEVOHに、水蒸気バリア性が優れるポリオレフィン
等をラミネートした多層フィルムも提案されている。し
かし、このような多層フィルムは、水蒸気バリア性にか
かる課題は解消されつつあるが、耐熱性に対しては課題
が残っている。
【0003】これらの包装材の分野においては、安価で
耐熱性があり、将来的な常温流通を想定した場合、水蒸
気バリア性、酸素バリア性が共に高いフィルム用樹脂材
料(ハイガスバリア材料)が望まれている。酸素バリア性
と水蒸気バリア性との両方を備える樹脂材料として、液
晶性ポリマー、特にサーモトロピック液晶性ポリエステ
ル(以下LCPと略すことがある)が注目され、これのフ
ィルム化の検討がなされている。例えば、脂肪族鎖を主
鎖に有するPET/p−ヒドロキシ安息香酸(以下PO
Bと略すことがある)からなる液晶性共重合ポリエステ
ル樹脂(特公平8−2974号公報)、他の半芳香族液晶
性ポリエステル(特公平6−53383号公報)のフィル
ム、及び全芳香族液晶性ポリエステル(特開平7−32
3506号公報、特開平7−251438号公報)のフ
ィルム等が報告されている。更に近年、ガスバリア性を
向上させる方法としては、層状無機化合物を樹脂中に分
散させる方法が提案されており、中でも層状無機化合物
を分散させたポリアミドフィルムが実用化されている
(特許第2603314号)。しかし、このポリアミドフ
ィルムは、吸湿性であるため、高湿度下での酸素バリア
性及び水蒸気バリア性の課題が残っている。そこで、吸
湿性の小さい樹脂マトリックスとしてポリエステル系樹
脂を用いたフィルムが提案されている(特開平11−7
1509号公報等)。しかし、このフィルムは、フィル
ム製造の工程が煩雑であり、しかも、酸素バリア性及び
水蒸気バリア性に優れたLCPをマトリックスに用いた
フィルムに関する技術は、開示されていない。また、熱
可塑性樹脂と特定の層状珪酸塩とを含む熱可塑性樹脂組
成物において、該熱可塑性樹脂として液晶性ポリエステ
ルが使用しうることを教示した技術も提案されている
(特開平9−124836号公報)。しかし、この公報に
は、実際に液晶性ポリエステルを用いて熱可塑性樹脂組
成物を製造する方法が具体的に示されておらず、しか
も、フィルム化する技術については全く示されていな
い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、フィ
ルム成形性等に優れ、溶融時に光学異方性を呈する液晶
性樹脂組成物及びその製造方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、高湿度下においても高い酸素及び
水蒸気バリア性の両方を備え、かつ優れた耐熱性を有す
るフィルムおよびその製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、芳香族ヒドロキシ
カルボン酸単位、芳香族ジカルボン酸単位、芳香族ジオ
ール単位等の組み合わせを有する芳香族液晶性ポリエス
テルに代表される液晶性樹脂の重合時において、へき開
状態等の層状無機化合物を存在させる等の特定の方法を
採用することによって、層状無機化合物が液晶性樹脂中
に分散した、フィルム成形性等に優れる液晶性樹脂組成
物が得られることを見出し、更に、このような樹脂組成
物を、特定のインフレーション製膜法によって、薄膜成
形でき、かつガスバリア性(酸素バリア性、水蒸気バリ
ア性)に特に優れ、高湿度下においてもこの高バリア性
が保持されたフィルムが得られることを見出し、本発明
を完成した。
【0006】即ち、本発明によれば、溶融時に光学異方
性を呈する熱可塑性樹脂(a)と、層状無機化合物(b)と
を含み、溶融時に光学異方性を呈することを特徴とする
液晶性樹脂組成物が提供される。また本発明によれば、
水以外の媒体に膨潤及び/又はへき開させた無機化合物
(b)の存在下に、熱可塑性樹脂(a)を得るための樹脂材
料を反応させる工程を含む上記液晶性樹脂組成物の製造
方法が提供される。更に本発明によれば、水以外の媒体
に膨潤及び/又はへき開させた無機化合物(b)の存在下
に、熱可塑性樹脂(a)を得るための式(I)〜式(IV)で表
される化合物から選択される2種以上を含む樹脂材料を
重縮合反応させ、流動温度が、200℃以上かつ重縮合
反応温度より30℃以上低い温度の液晶性プレポリマー
を得、得られた液晶性プレポリマーを固化させた後、固
相状態で不活性気体雰囲気下、熱処理することを特徴と
する上記液晶性樹脂組成物の製造方法が提供される。
【0007】
【化5】
【0008】(式中、R1は水素原子、ホルミル基、アセ
チル基、プロピオニル基又はベンゾイル基を示し、R2
は水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ベンジ
ル基又はフェニル基を示す。Ar及びAr'は2価の芳
香族基を示す。但し、式(I)〜(IV)におけるR1及びR2
は、互いに同一でも異なってもよい。)更にまた本発明
によれば、上記液晶性樹脂組成物を溶融押出し成形した
フィルムが提供される。また本発明によれば、上記液晶
性樹脂組成物を、該組成物の流動温度以上、流動温度よ
り60℃高い温度以下において、インフレーション製膜
することを特徴とする上記フィルムの製造方法が提供さ
れる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下本発明を更に詳細に説明す
る。本発明に用いる溶融時に光学的異方性を呈する熱可
塑性樹脂(a)は、液晶性ポリマーとして種々知られてい
る。例えば、全芳香族系若しくは半芳香族系の、ポリエ
ステル、ポリエステルイミド、ポリエステルアミド又は
これらの混合物等が挙げられる。好ましくは液晶性ポリ
エステル単独若しくは液晶性ポリエステルを含む混合物
等が挙げられる。熱可塑性樹脂(a)は、特に限定されな
いが、10量体〜1000量体が好ましい。10量体未
満では、得られる組成物の成形品の機械的物性が低下す
る恐れがあり、1000量体を超える場合には成形温度
が高くなりすぎる可能性がある。
【0010】ここで、前記液晶性ポリエステルは、サー
モトロピック液晶ポリマーと呼ばれるポリエステルを意
味する。このような液晶性ポリエステルとしては、例え
ば、(i)異種の芳香族ヒドロキシカルボン酸を反応させ
て得られるもの、(ii)芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオ
ールと芳香族ヒドロキシカルボン酸とを反応させて得ら
れるもの、(iii)ベンゼン環やナフタレン環がハロゲン
やアルキル基等で核置換された上記(i)又は(ii)、(iv)
ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルに芳香族
ヒドロキシカルボン酸を反応させて得られるもの等が挙
げられる。特に、400℃以下の温度において光学異方
性の溶融体を形成するものが好ましい。
【0011】前記液晶性ポリエステルを構成する繰返し
構造単位としては、群(L−1)で示される、芳香族ヒド
ロキシカルボン酸に由来する繰返し構造単位、群(L−
2)及び(L−2')で示される、芳香族ジオールに由来す
る繰返し構造単位、群(L−3)で示される、芳香族ジカ
ルボン酸に由来する繰返し構造単位を例示できるが、こ
れらに限定されない。特に高いガスバリア性が求められ
る用途には、主鎖にアルキルなどの脂肪族鎖を含有して
いない、いわゆる全芳香族ポリエステルが好ましく用い
られる。
【0012】
【化6】
【0013】
【化7】
【0014】
【化8】
【0015】
【化9】
【0016】前記液晶性ポリエステルとして、機械的特
性、加工性のバランスの点から、式(A)で示される繰返
し単位(A)を、ポリマーを構成する繰返し単位全体に対
して25〜80モル%、特に30〜75モル%含む液晶
性ポリエステルが好ましく挙げられる。繰返し単位(A)
の割合が、25モル%未満若しくは80モル%を超える
場合、得られる液晶性樹脂組成物の加工温度が400℃
を越え、加工性が低下する恐れがあるので好ましくな
い。また、繰返し単位(A)に加えて、式(B)で示される
繰返し単位(B)を、ポリマーを構成する繰返し単位全体
に対して20〜75モル%含む液晶性ポリエステルも好
ましく挙げられる。更に、芳香族ジカルボン酸単位と芳
香族ジオール単位と芳香族ヒドロキシカルボン酸単位と
を含む芳香族液晶性ポリエステルも好ましく挙げられ
る。
【0017】本発明に用いる層状無機化合物(b)として
は、水以外の媒体に膨潤及び/又はへき開させることが
できるものが好ましい。膨潤及び/又はへき開しない無
機化合物(b)を用いる場合、上記熱可塑性樹脂(a)への
分散性が悪くなり、フィルム成形性(製膜性)等の加工性
の低下やフィルム外観の悪化、更にはフィルムとした際
のガスバリア性の低下等が生じる恐れがあるため好まし
くない。前記層状無機化合物(b)の膨潤の程度は、下記
膨潤性試験における膨潤値が5以上、好ましくは7以
上、さらに好ましくは10以上程度である。一方、へき
開の程度は、下記へき開性試験におけるへき開値が10
以上、好ましくは30以上、さらに好ましくは50以上
程度である。 膨潤性試験:層状無機化合物(b)2gを、水以外の媒体
100ml(例えば100mlのメスシリンダーを容器
として用い)に加え攪拌し、室温で1日間程度静置後、
層状無機化合物(b)の分散層と上澄みとの界面の目盛か
ら、層状無機化合物(b)の分散層の体積(ml)を膨潤値
とする。この数値が大きいほど膨潤性が高いことを意味
する。 へき開性試験:層状無機化合物(b)3gを水以外の媒体
150mlにゆっくり加え、分散機にて十分分散させた
後(室温)、この分散液100mlをとり1時間静置後、
膨潤性試験と同様に層状無機化合物(b)の分散層の体積
(ml)をへき開値とする。この数値が大きいほどへき開
性が高いことを意味する。また、この際の分散手法につ
いては特に制限はない。
【0018】前記無機化合物(b)のアスペクト比は、得
られるフィルムのガスバリア性、経済性及び入手のし易
さの観点から、後述する方法により測定したアスペクト
比が50〜5000、特に100〜5000、更には2
00〜3000が好ましい。また、無機化合物(b)の粒
径は、後述する方法により測定した平均粒径が5μm以
下、特に3μm以下が好ましい。上記アスペクト比(Z)
は、Z=L/aで求めることができる。ここでLは層状
無機化合物(b)の粒径であって、動的光散乱法により求
めた粒径、aは層状無機化合物(b)の層間距離である。
この層間距離aは、例えば、層状無機化合物(b)の粉末
をX線回折法等によって測定することにより求められ
る。詳細については、例えば、岩生周一ら編、「粘土の
事典」(35頁以下及び271頁以下、1985年、
(株)朝倉書店)、特開平7−251487号公報や特開
平6−93133号公報が参照できる。
【0019】本発明に用いる層状無機化合物(b)を構成
する材料としては、珪酸アルミニウム又は珪酸マグネシ
ウムの層から構成される層状フィロ珪酸鉱物等が挙げら
れる。例えば、モンモリロナイト、サポナイト、バイデ
ライト、ノントロナイト、ヘクトライト、スティブンサ
イト等のスメクタイト系粘土鉱物や、バーミキュライ
ト、雲母、カオリナイト等が挙げられる。これらは天然
物でも、合成物でもよい。好ましくはモンモリロナイ
ト、雲母等が挙げられる。層状無機化合物(b)は、その
層間距離を広げ得る、例えば、4級アンモニウムイオ
ン、ホスホニウムイオン、尿素、アルコール類等の化合
物(c)で修飾され、水以外の媒体による膨潤性及び/又
はへき開性を高くしたものの使用が好ましい。化合物
(c)としては、4級アンモニウムイオンが、熱可塑性樹
脂(a)の重合時に除去が容易であるため特に好ましい。
【0020】本発明の液晶性樹脂組成物は、その流動温
度(以下FTと略することがある)が350℃以下、特に
230〜340℃、更には235〜335℃であるのが
好ましい。流動温度が350℃を越えると、製膜加工す
る際の温度が400℃を越える恐れがあるので好ましく
ない。ここで、FTとは、毛細管型レオメーターで測定
され、4℃/分の昇温速度で加熱溶融された樹脂(本発
明の液晶性樹脂組成物)を、荷重100kgf/cm2
もとで、内径1mm、長さ10mmのノズルから押し出
した時に、溶融粘度が48000ポイズ(4800Pa
・Sに相当する)を示す温度(℃)をいう。
【0021】本発明の液晶性樹脂組成物は、次式で定義
される対数粘度(ηinh)が1.5dl/g以上、機械的
物性、成形性からみて特に4.5dl/g以上、更には
8.0dl/g以上であることが好ましい。また、ηin
hの上限は、成形性等からみて20dl/g、更には1
5dl/gであることが好ましい。ηinhが1.5dl
/g未満では、メルトテンション(MT)が小さく製膜性
や機械的強度に問題が生じる恐れがあるので好ましくな
い。 ηinh=(ln(ηrel))/C (式中、ηrelは相対粘度と呼ばれるもので、ポリマー溶
液と毛細管中の一定標線間を落下する時間の比(ポリマ
ー溶液/溶媒)である。Cは、ポリマー溶液の濃度で、
単位はg/dlである。) 本発明においてηinhは、溶媒として、3,5−ビス(ト
リフルオロメチル)フェノールを用い、ポリマー濃度
0.1g/dl、温度60℃でウベローデ粘度計にて測
定した値である。
【0022】本発明の液晶性樹脂組成物は、流動温度に
おいて剪断速度100sec-1もしくは1000sec
-1で測定した溶融粘度(η1)と、流動温度より20℃高
い温度においてη1と同じ剪断速度で測定した溶融粘度
2)との比(η2/η1)の値が0.20〜0.80、特
に0.25〜0.70であることが好ましい。従来の液
晶ポリエステルの(η2/η1)は、通常0.10以下であ
るが、本発明の液晶性樹脂組成物は、従来のものより大
きな値を示すものが好ましい。このような組成物は、溶
融粘度の温度依存性が小さく、加工時の成形安定性が良
くなる傾向にあると考えられる。
【0023】本発明の液晶性樹脂組成物は、流動温度よ
り25℃以上高い温度で、キャピラリー内径2.1m
m、長さ8mm、ピストン速度5mm/分の条件で測定
されるMTが、3.0g以上、特に4.5g以上、更に
は6.0g以上であることが好ましい。またMTの上限
は、30.0g、特に25.0gが好ましい。MT測定
時に測定される切断時の巻取り速度は、通常10m/分
以上、好ましくは10〜100m/分、さらに好ましく
は20〜80m/分である。熱可塑性樹脂(a)の樹脂組
成にも依存するが、MT値が3.0g未満の場合は、イ
ンフレーション製膜温度域が狭くなる場合があるので好
ましくない。
【0024】本発明の液晶性樹脂組成物において、熱可
塑性樹脂(a)と層状無機化合物(b)との配合割合は、通
常、熱可塑性樹脂(a):層状無機化合物(b)が質量比で
95.0〜99.9:0.1〜5.0が好ましい。
【0025】本発明の液晶性樹脂組成物の製造方法とし
ては、例えば、水以外の媒体に膨潤及び/又はへき開さ
せた無機化合物(b)の存在下に、熱可塑性樹脂(a)を得
るための樹脂材料を反応させる工程を含む方法、より好
ましくは、水以外の媒体に膨潤及び/又はへき開させた
無機化合物(b)の存在下に、熱可塑性樹脂(a)を得るた
めの上記式(I)〜式(IV)で表される化合物から選択され
る2種以上を含む樹脂材料を重縮合反応させ、流動温度
が、200℃以上かつ重縮合反応温度より30℃以上低
い温度の液晶性プレポリマーを得、得られた液晶性プレ
ポリマーを固化させた後、粉砕し、固相状態で不活性気
体雰囲気下、熱処理する方法等が挙げられる。上記水以
外の媒体に膨潤及び/又はへき開させた無機化合物(b)
の存在下とは、膨潤及び/又はへき開した無機化合物
(b)と該水以外の媒体とを含む、液状若しくはスラリー
状等の流動状態の無機化合物(b)の存在下であること
が、無機化合物(b)を、得られる熱可塑性樹脂(a)中に
より均一に分散させることが可能になる点より好まし
い。
【0026】前記水以外の媒体に無機化合物(b)を膨潤
及び/又はへき開させるための媒体は、熱可塑性樹脂
(a)の重合を阻害しないように、熱可塑性樹脂(a)を得
るための樹脂材料に応じて適宜選択する必要がある。例
えば、樹脂材料として、芳香族ヒドロキシカルボン酸及
び/又は芳香族ジオールを用いる場合は、エステル化剤
として用いられる低級脂肪族酸の酸無水物を媒体として
用いることが好ましい。この酸無水物は、上記式(I)〜
(IV)が得やすく、これらを用いた重合反応が進行し易
く、重合段階での副生成物が除去し易い等の理由によ
り、特に好ましい。なお、水は重合(エステル化反応)を
阻害する。膨潤及び/又はへき開の程度は、上述した好
ましい膨潤値及びへき開値になるようにすれば良い。熱
可塑性樹脂(a)を製造する際の反応時から、上記水以外
の媒体に膨潤及び/又はへき開させた無機化合物(b)を
存在させないで、熱可塑性樹脂(a)を得るための反応を
固相状態のまま行なうときに、水以外の媒体に膨潤及び
/又はへき開させた層状無機化合物(b)を添加して熱可
塑性樹脂(a)と混合させる場合には、層状無機化合物
(b)が熱可塑性樹脂(a)中において混ざり難く、この無
機化合物(b)の分散性が低下し所望の効果が得られ難
い。更に、この熱処理する段階においては、高温になり
すぎて媒体が急激に蒸発し、層状無機化合物(b)が再度
凝集し、所望の液晶性樹脂組成物が得られない。
【0027】本発明の製造方法において、熱可塑性樹脂
(a)を得るための樹脂材料としては、上記式(I)〜(IV)
で示される化合物、これらのベンゼン核やナフタレン核
がハロゲンやアルキル基等で置換された核置換化合物又
はこれらの混合物等が挙げられる。
【0028】式(I)で表される化合物としては、例え
ば、4−ヒドロキシ安息香酸、4−ホルモキシ安息香
酸、4−アセトキシ安息香酸、4−プロピオニルオキシ
安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸メチル、4−ヒドロ
キシ安息香酸プロピル、4−ヒドロキシ安息香酸フェニ
ル、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4−アセトキシ
安息香酸メチル、4−アセトキシ安息香酸フェニル等が
挙げられ、特に4−ヒドロキシ安息香酸又は4−アセト
キシ安息香酸の使用が好ましい。式(I)で表される核置
換化合物としては、例えば、3−クロロ−4−ヒドロキ
シ安息香酸、2−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸、
2,3−ジクロロ−4−ヒドロキシ安息香酸、3,5−
ジクロロ−4−ヒドロキシ安息香酸、2,5−ジクロロ
−4−ヒドロキシ安息香酸、3−ブロモ−4−ヒドロキ
シ安息香酸及びこれらのアセチル化物等が挙げられる。
ガスバリア性を向上する目的でこれらは併用することも
できる。
【0029】式(II)で表される化合物としては、例え
ば、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、6−アセトキシ
−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メ
チル、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル、6−
アセトキシ−2−ナフトエ酸メチル等が挙げられ、特
に、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、6−アセトキシ
−2−ナフトエ酸の使用が好ましい。式(II)で表される
核置換化合物としては、例えば、6−ヒドロキシ−5−
クロロ−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−7−クロロ
ー2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−4,7−ジクロロ
−2−ナフトエ酸及びこれらのアセチル化物等が挙げら
れる。ガスバリア性を向上する目的でこれらは併用する
こともできる。
【0030】式(III)で表わされる化合物としては、例
えば、1,4−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジヒド
ロキシベンゼン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、
4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−ジ
ヒドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジヒドロキシ
ジフェニルエタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル
エーテル、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、
4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、2,6
−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフ
タレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、およびこれ
ら化合物名における「ジヒドロキシ」を「ジアセトキ
シ」、「ジプロピオニルオキシ」又は「ジベンゾイルオ
キシ」に変更した化合物等が挙げられる。更には、これ
らにメチル基、第3級ブチル基等のアルキル基;フェニ
ル基等のアリール基;メトキシ基等のアルコキシ基;又
は塩素原子等のハロゲン原子が核置換した化合物等が挙
げられる。これらはガスバリア性を向上する目的で併用
することができる。好ましい化合物としては、例えば、
1,4−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジヒドロキシ
ベンゼン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、4,
4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、2,6−ジヒ
ドロキシナフタレン、4,4’−ジヒドロキシジフェニ
ルメタン、及びこれら化合物名の「ジヒドロキシ」を
「ジアセトキシ」に変更した化合物等が挙げられる。更
に好ましい化合物としては、例えば、1,4−ジヒドロ
キシベンゼン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、
4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、及びこれ
ら化合物名の「ジヒドロキシ」を「ジアセトキシ」に変
更した化合物等が挙げられ、特に好ましい化合物として
は、4,4’−ジヒドロキシジフェニル又は4,4’−
ジアセトキシジフェニルが挙げられる。
【0031】式(IV)で表される化合物としては、例え
ば、テレフタル酸、テレフタル酸メチル、テレフタル酸
エチル、テレフタル酸プロピル、テレフタル酸ベンジ
ル、テレフタル酸フェニル、2,6−ジカルボキシナフ
タレン、2,6−ジメチルオキシカルボニルナフタレ
ン、2,6−ジエチルオキシカルボニルナフタレン、
2,6−ジプロピルオキシカルボニルナフタレン、2,
6−ジベンジルオキシカルボニルナフタレン、2,6−
ジフェニルオキシカルボニルナフタレン、イソフタル
酸、イソフタル酸メチル、イソフタル酸エチル、イソフ
タル酸プロピル、イソフタル酸ベンジル、イソフタル酸
フェニル等が挙げられる。更には、これらにメチル基、
第3級ブチル基等のアルキル基;フェニル基等のアリー
ル基;メトキシ基等のアルコキシ基;又は塩素原子等の
ハロゲン原子が核置換した化合物等が挙げられる。これ
らはガスバリア性を向上する目的で併用することができ
る。
【0032】前記樹脂材料には、得られる液晶性樹脂組
成物の物性や加工性(製膜性)に重大な影響を与えない範
囲で、例えば、3−ヒドロキシ安息香酸、3−ホルモキ
シ安息香酸、3−アセトキシ安息香酸、3−プロピオニ
ルオキシ安息香酸、3−ヒドロキシ安息香酸メチル、3
−ヒドロキシ安息香酸プロピル、3−ヒドロキシ安息香
酸フェニル、3−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、3−ア
セトキシ安息香酸メチル、4’−ヒドロキシビフェニル
−4−カルボン酸、4’−アセトキシビフェニル−4−
カルボン酸、4−アミノ安息香酸、3−アミノ安息香
酸、4−アミノフェノール、3−アミノフェノール等を
併用することができる。
【0033】本発明の製造方法において、水以外の媒体
に膨潤及び/又はへき開させた無機化合物(b)の存在下
に、熱可塑性樹脂(a)を得るための樹脂材料を反応させ
るにあたり、これらの重合槽への仕込みは一括方式で
も、回分方式でも良い。更に、層状無機化合物(b)を水
以外の媒体に膨潤及び/又はへき開する際に、上記式
(I)〜(IV)で表される化合物等の樹脂材料が存在してい
ても良い。前記反応は、不活性気体、例えば、窒素雰囲
気下等で、常圧、減圧、またはそれらの組み合わせて行
うことができ、反応過程は、回分式、連続式又はこれら
の組合せで行なうことができる。また、上記式(I)〜(I
V)の少なくとも1つに、フェノール性水酸基を有する化
合物を用いる場合には、これらをより重縮合し易い化合
物に変える反応、例えば、無水酢酸等の酸無水物を用い
るエステル化反応を、重縮合反応に先立って、膨潤及び
/又はへき開状態の層状無機化合物(b)の存在下、該重
縮合反応を行うのとは別の、若しくは同一の反応槽で行
った後、引き続き重縮合反応を行うことが好ましい。上
記式(I)〜(IV)の少なくとも1つに、フェノール性水酸
基を有する化合物を用いる場合には、該フェノール性水
酸基の当量以上、より好ましくは1.1〜1.3倍当量
の無水酢酸等の低級脂肪族酸の酸無水物に層状無機化合
物(b)を膨潤及び/又はへき開させて、上記式(I)〜(I
V)で表される化合物から選択される2種以上と共に反応
槽に仕込み、エステル化反応を行った後、重縮合反応さ
せるのがより好ましい。この際、エステル化反応槽とし
て、SUS316、チタン、ハステロイ等の耐腐食性材
料からなる反応槽の使用が可能である。また、液晶性樹
脂組成物が高い色調(L値)を必要とする場合は、グラス
ライニングされた反応槽等を使用することが好ましい。
【0034】前記重縮合反応の温度は、通常270〜3
50℃、好ましくは280〜330℃である。温度が2
70℃未満では反応の進行が遅く、350℃を越えると
分解等の副反応が生じ易いので好ましくない。この際、
多段階の反応温度を採用しても良いし、場合により、反
応途中で、あるいは最高温度に達したら直ぐに反応生成
物である液晶性樹脂組成物を溶融状態で抜出し、回収す
ることができる。前記重縮合反応は、通常、無触媒下で
も十分進行するが、必要に応じて、Ge、Sn、Ti、
Sb、Co、Mn等の酸化物、酢酸塩等の化合物を触媒
として使用することもできる。食品包装用フィルムに使
用する場合は、触媒成分の除去等が必要な場合があるの
で無触媒での反応が好ましい。重縮合反応を行なう反応
槽の形状は、公知のものが使用できる。縦型の反応槽の
場合、多段のパドル翼、タービン翼、モンテ翼、ダブル
ヘリカル翼を備えることが好ましく、横型の反応槽で
は、1軸又は2軸の攪拌軸に垂直に、種々の形状の翼、
例えばレンズ翼、眼鏡翼、多円平板翼等が設置されてい
るものがよい。また、翼にねじれを付けて、攪拌性能や
送り機構を向上させたものでもよい。反応槽の加熱は、
熱媒、気体、電気ヒーターにより行うが、均一加熱とい
う目的で攪拌軸、翼、邪魔板等も加熱することが好まし
い。反応槽が多段に分かれていたり、仕切られている場
合には、最終部分の反応温度が前記重縮合反応温度とな
るように反応を制御すれば良い。重縮合反応の時間は、
反応条件等により適宜決定できるが、通常、0.5〜5
時間が好ましい。
【0035】前記重縮合反応により、例えば、上記式
(I)〜(IV)で表される化合物から選択される2種以上を
樹脂材料として用いた場合には、得られる液晶性プレポ
リマーの流動温度は、200℃以上かつ重縮合反応温度
より30℃以上低い温度であることが重要である。好ま
しくは、得られる液晶性プレポリマーの流動温度が、2
10℃以上かつ重縮合温度より35℃以上低い温度であ
ることが好ましい。得られる液晶性プレポリマーの流動
温度が、200℃未満では、液晶性プレポリマーの分子
量が低く、成形加工性等の物性上の問題が生じる恐れが
ある。また固相重合等の後処理を施す際に、液晶性樹脂
組成物同士の融着や副生物が大量に生じ、経済的にも好
ましくない。一方、流動温度が、重縮合反応温度より3
0℃以上低い温度でない場合は、液晶性プレポリマーの
粘度が高くなり、回収が困難となるばかりか、攪拌混合
性も悪くなり、不均一加熱のため、得られる組成物の熱
安定性に影響を及ぼすことがある。また、工業的にバッ
チ重合方式を採用した場合、重合槽洗浄コストが増大す
るため、重合槽の連続使用が有利となる条件や、溶融抜
出し条件の設定が特に重要である。反応釜槽の洗浄方法
としては、例えば、特開平5−29592号公報や、特
開平5−29593号公報に記載された、グリコール類
及び/又はアミン類を用いた洗浄法が挙げられる。
【0036】前記得られた液晶性プレポリマーを、溶融
状態で取出す場合、不活性気体雰囲気中、例えば、窒素
雰囲気中で実施することが、得られる液晶性樹脂組成物
の色調の点で好ましいが、水分が少ない場合は空気中で
も良い。得られた液晶性プレポリマーを溶融状態で取出
す方法としては、公知の押出機、ギヤポンプ等を用いて
行なうことができるが、単にバルブによってだけでも良
い。取出した液晶性プレポリマーは、通常、しばらくす
ると固化するので、目的に応じて、ストランドカッター
やシートカッターでカットしたり、粉砕することができ
る。また、大量かつ短時間処理する場合には、例えば、
特開平6−256485号公報に記載される定量供給装
置を経てダブルベルトクーラーで冷却する方法等を行な
うことができる。
【0037】溶融状態で回収された液晶性プレポリマー
は、未反応原料を除去したり、分子量を上げ物性を向上
させる等のために、固化した後、例えば、粉砕し、固相
状態で不活性気体雰囲気下、熱処理することにより所望
の液晶性樹脂組成物を得ることができる。また、減圧重
合法を併用して分子量を上げる場合は、液晶性プレポリ
マーを取り出す際の溶融粘度の関係から、所望のMTを
示すまで分子量を上げると、液晶性プレポリマーの連続
的な回収が困難な場合があったり、高温処理するため、
重合釜や抜出し口等に滞留した液晶性プレポリマーがコ
ンタミとなる問題が生じる。
【0038】前記液晶性プレポリマーの粉砕は、例え
ば、公知の粉砕機等を用いて、通常、平均粒径(Ros
in−Rammlar法)3mm以下、好ましくは0.
5mm以下、更に好ましくは0.1〜0.4mmの粒子
(パウダー)に粉砕することが好ましい。平均粒子径が3
mmを超えると、表面層と内部との間で、重合速度、未
反応原料の反応の結果生じた副生物の拡散時間が異なる
ことから、分子量分布を広げたり、除去すべきものを十
分除去できないために発泡やガス発生の原因となる場合
があるので好ましくない。
【0039】前記熱処理は、液晶性プレポリマーを固相
重合させる処理が好ましく、この際の昇温速度、最高処
理温度は、液晶性プレポリマーの粒子を融着させないよ
うに選択することが好ましい。融着を起こした場合、表
面積が減少し、重縮合反応や低沸点成分の除去が遅くな
り好ましくない。熱処理としての固相重合の最高処理温
度としては、液晶性プレポリマーの粒子を融着させなよ
うに、200〜300℃の範囲、より好ましくは230
〜295℃の範囲で不活性気体雰囲気下に処理すること
が効果的である。200℃未満では、反応が遅く、処理
時間がかかり不経済であり、300℃を超える場合に
は、粉体粒子同士が融着したり、溶融したりするため固
相状態が保持できないので好ましくない。前記熱処理の
際の不活性気体としては、窒素、ヘリウム、アルゴン、
炭酸ガス等から選ばれるものが好ましく、さらに好まし
くは窒素である。空気、特に酸素が存在する場合、得ら
れる液晶性樹脂組成物が酸化され、物性低下や着色が起
こり易いので好ましくない。前記固相重合を行なう際の
装置としては、既知の乾燥機、反応機、混合機、電気炉
等を用いることができるが、上記の趣旨から鑑み、密閉
度の高いガス流通式の装置が好ましい。
【0040】本発明の液晶性樹脂組成物を、通常の成形
加工に供するための形態は、特に限定されないが、例え
ば、パウダー又は2軸押出機等で加熱溶融下にペレット
状に造粒した後のペレット(造粒ペレット)等が好まし
く、特に、造粒ペレットが望ましい。
【0041】本発明の液晶性樹脂組成物を、ペレット状
に造粒する方法としては、既知の方法を用いることがで
きる。例えば、前記液晶性プレポリマーを得た重合槽か
ら溶融状態で、溝付きの平行ローラーに液晶性プレポリ
マーを供給し、ストランド状(紐状)に賦形し、ストラン
ドカッター等で切断する方法、液晶性樹脂組成物の粉体
を、一般に使用されている一軸又は二軸の押出機を用い
溶融混練し、空冷又は必要に応じて水冷した後、通常用
いられるペレタイザー(ストランドカッター)でペレット
に賦形する方法等が挙げられる。液晶性樹脂組成物が、
高分子量と考えられる高FTの場合は、高混練機が必要
な場合がある。このような場合の溶融混練に際しては、
混練装置のシリンダー設定温度(ダイヘッド温度)は、2
00〜380℃の範囲が好ましく、より好ましくは23
0〜370℃、更に好ましくは240〜360℃であ
る。
【0042】本発明の液晶性樹脂組成物は、必要に応じ
て、例えば、有機充填剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安
定剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、無機又は有機系着色
剤、防錆剤、架橋剤、発泡剤、蛍光剤、表面平滑剤、表
面光沢改良剤、フッ素樹脂等の離型改良剤等の各種添加
剤を含んでいても良く、これらは製造工程中あるいはそ
の後の加工工程において添加することができる。
【0043】本発明のフィルムは、上述の本発明の液晶
性樹脂組成物を溶融押出し成形したフィルムである。本
発明のフィルムは、酸素バリア性と水蒸気バリア性との
両方を兼ね備えている。例えば、23℃、相対湿度60
%及び90%で測定したフィルムの酸素透過度を、フィ
ルム厚さ25μmの酸素透過度に換算した際の値が、共
に0.5cc/m2・24hr・atm以下である酸素バ
リア性と、40℃、相対湿度90%で測定したフィルム
の水蒸気透過度が0.5g/m2・24hr以下である
水蒸気バリア性とを兼ね備えていることが好ましい。本
発明のフィルムの厚さは特に制限はないが、通常1〜5
00μm、好ましくは5〜200μm、特に好ましくは
5〜60μmである。本発明のフィルム中に含まれる層
状無機化合物(b)の層間距離は、フィルム成形性、フィ
ルム外観及びガスバリア性の観点から、本発明の液晶性
樹脂組成物を製造する際に使用する層状無機化合物(b)
の前記化合物(c)で修飾する前の層状無機化合物(b)の
層間距離に対して、1.1倍以上、好ましくは1.3倍
以上、さらには1.5倍以上拡大していることが好まし
い。
【0044】本発明のフィルムを製造するには、例え
ば、Tダイから溶融樹脂を押し出し、巻き取るTダイ
法、環状ダイスを設置した押し出し機から溶融樹脂を円
筒状に押し出し、冷却、巻き取るインフレーション製膜
法、あるいは射出成形法や押し出し法で得られたシート
をさらに一軸延伸する方法等が挙げられるが、好ましく
は、上述の本発明の液晶性樹脂組成物の温度が、該組成
物の流動温度以上、流動温度より60℃高い温度以下に
なる条件で、インフレーション製膜する本発明の方法等
が好ましく挙げられる。
【0045】前記インフレーション製膜する方法として
は、例えば、本発明の液晶性樹脂組成物を、環状スリッ
トのダイを備えた溶融混練押出機に供給し、シリンダー
設定温度を、通常200〜320℃、好ましくは210
〜310℃、更に好ましくは220〜300℃として溶
融混錬を行って押出機に環状スリットから筒状フィルム
を上方または下方に押し出す。この際、環状スリットの
間隔は通常0.25〜2mm、好ましくは0.5〜1.
5mm、環状スリットの直径は通常20〜1000m
m、好ましくは25〜600mmである。次いで、溶融
押出しされた筒状の溶融樹脂フィルムに、長手方向(M
D)にドラフトをかけると共に、この筒状フィルムの内
側から空気又は、窒素ガス等の不活性ガス等を吹き込む
ことにより、長手方向に直角な横手方向(TD)にフィル
ムを膨張延伸させる方法等が挙げられる。
【0046】前記インフレーション製膜において、好ま
しいTD延伸倍率、即ちブロー比は1.5〜15であ
り、更に好ましくは2.5〜15である。また、好まし
いMD延伸倍率、即ちドロー比は1.5〜60であり、
更に好ましくは2.5〜50である。ここで、ブロー比
は、(円筒型のフィルムの直径)/(ダイスの直径)で求め
られ、ドロー比は、(環状スリットの面積)/(フィルム
の断面積)から求められる。インフレーション製膜時の
設定条件が上記範囲外であると、厚さが均一でシワのな
い強度のあるフィルムの製造が困難であるので好ましく
ない。フィルム製膜時の剪断速度は、公知(例えば特開
平2−3430号公報)の方法で計算されるが、好まし
くは50〜500sec-1、より好ましくは60〜40
0sec-1、更には70〜300sec-1である。
【0047】前記製造方法において、膨張させたフィル
ムは、通常、その円周を、空気又は不活性ガス、例えば
窒素ガス等で冷却した後、ニップロールを通過させて引
き取ることができる。インフレーション製膜に際して
は、液晶性樹脂組成物の組成に応じて、筒状の溶融体フ
ィルムが均一な厚さで表面が平滑な状態に膨張するよう
な条件を適宜選択して行なうことができる。
【0048】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳しく説明する
が、これによって本発明の範囲が限定されるものではな
い。なお、各物性は次に示す方法により測定した。 <流動温度(FT)の測定>4℃/分の昇温速度で加熱溶
融されたサンプル樹脂約2gを、100kg/cm2
荷重下において、内径1mm、長さ10mmのノズルか
ら押し出し、その際の溶融粘度が48000ポイズ(4
800Pa・Sに相当する)を示す温度(℃)を、毛細管
式レオメーター((株)島津製作所製、高化式フローテス
ターCFT500型)を用いて測定した。
【0049】<層状無機化合物(b)の層間距離の測定>
層状無機化合物(b)の層間距離を、X線回折装置(RI
NT 2500−TTR、リガク製)を用い、液晶性樹脂
組成物を調整する前の層状無機化合物(b)と、フィルム
に含まれる層状無機化合物(b)との回折測定を行うこと
により測定した。液晶性樹脂組成物を調整する前の層状
無機化合物(b)の層間距離は、層間を広げうる化合物
(c)で修飾する前の層間距離を測定した。 <粒径測定>粒度分布計(MICROTRAC UPA、Honeywell製)
を使用し、層状無機化合物(b)の平均粒径Lを測定し
た。層状無機化合物としては、層間を広げうる化合物
(c)で修飾する前の化合物を用い、水に十分に分散させ
た状態で測定を行った。 <アスペクト比>上述の方法で求めた層間距離aと平均
粒径Lとを用いて、層状無機化合物(b)のアスペクト比
Zを、Z=L/aの式により決定した。 <膨潤性試験>100mLのメスシリンダーに無水酢酸
100mLを入れ、続いて、ゆっくりと層状無機化合物
(b)2gを加える。室温にて24時間静置後、上記メス
シリンダー内における層状無機化合物(b)の分散層(け
ん濁部分)と上澄みとの界面の目盛りから層状無機化合
物(b)の分散層の体積(ml)を読み取り、膨潤値とし
た。 <へき開性試験>層状無機化合物(b)3gを無水酢酸1
50mlにゆっくり加え、分散機(特殊機化工業製、
T.K.オートホモミキサー)で、3100rpm、9
0分間分散させた後、この分散液100mlをメスシリ
ンダーに採取する。60分間静置後、上記メスシリンダ
ー内における層状無機化合物(b)の分散層と上澄みとの
界面の目盛りから層状無機化合物(b)の分散層の体積
(ml)を読み取り、へき開値とした。
【0050】<光学異方性の測定>加熱ステージ上に置
かれた粒径250μm以下のサンプル樹脂粉末を偏光
下、10℃/分で昇温して、肉眼観察又は透過光量をX
Yレコーダーに記録することにより、サンプル樹脂の溶
融状態における光学異方性を測定した。 <溶融粘度の測定>キャピログラフ1B型(東洋精機製
作所製)を用いて、内径0.5mm、長さ10mmのキ
ャピラリーに試料約10gを仕込み、一定温度下に所定
の剪断速度(100sec-1、1000sec-1)下に試
料の溶融粘度を測定した。 <メルトテンション(溶融張力)試験>キャピログラフ1
B型(東洋精機製作所製)を用いて、内径2.095m
m、長さ8.0mmのキャピラリーに試料約10gを仕
込み、ピストンの押出し速度を5.0mm/分とし、速
度可変巻取機で自動昇速しながら試料を糸状に引き取
り、切断したときの張力(メルトテンション)および巻取
り速度を測定した。
【0051】<酸素透過度の測定>JIS K7126
B法に準拠して、OX−TRAN2/20型(Modern Co
ntrol社製)を用い、温度23.5℃、相対湿度60%お
よび90%の2条件でフィルムの酸素透過度を測定し
た。単位はcc/m2・24hr・atmである。また
下式を用いて25μm厚さでの酸素透過度を求め、単位
はcc/m2・24hr・atm(25μm)とした。 (25μm厚さでの酸素透過度)=(測定した酸素透過度)
×(フィルム厚さ)/25 <水蒸気透過度(透湿度)>JIS Z0208(カップ
法)に準拠して、温度40℃、相対湿度90%の条件で
測定した。単位はg/m2・24hrである。また下式
を用いて25μm厚さでの透湿度を求めた。単位はg/
2・24hr(25μm)である。 (25μm厚さでの透湿度)=(測定した透湿度)×(フィ
ルム厚さ)/25
【0052】実施例1 層状無機化合物(b)として親油性フッ素雲母系鉱物(コ
ープケミカル社、商品名MPE)を用いたが、このフッ
素雲母の親油性にする前の(化合物(c)による層間距離
を広げる操作を行っていないもの)フッ素雲母系鉱物の
平均粒径は2.7μm、層間距離は1.25nmであ
り、アスペクト比は2160、膨潤値は14、へき開値
は100であった。 (1)分散 3リットルの四ツ口セパラブルフラスコに、4−ヒドロ
キシ安息香酸1224.9g(8.9モル)、6−ヒドロ
キシ−2−ナフトエ酸556.5g(3.0モル)、親油
性フッ素雲母系鉱物(コープケミカル社、商品名MPE)
32.1g、及び無水酢酸1329.9g(13.0モ
ル)を投入し、分散機(特殊機化工業製、T.K.オート
ホモミキサー)にて7000rpmで90分間高速攪拌
し、混合液を得た。 (2)溶融重合 上記フラスコの外側に、熱電対を取り付け、さらにジム
ロート冷却管、窒素導入管を備えた内温測定用の熱電対
を取り付けたト型連結管及びイカリ型攪拌翼を取り付
け、上記混合物を、150℃で還流下約3時間アセチル
化反応させ、続いて1℃/分で昇温し320℃で保持し
て溶融重縮合を行った。この際、重縮合反応で副生する
酢酸は留去し続けた。重合途中(前記320℃到達から
90分後)において、撹拌を停止し、ポリマーを溶融状
態で取出したところ、容易に取出すことができた。ま
た、重合槽及び攪拌翼へのポリマーの付着は殆どなかっ
た。得られたポリマーはしばらくすると固化した。収量
は1539g(理論収量に対して、96.2%)であっ
た。同様の操作を3回繰り返し、得られたポリマーを3
〜5cm角程度の大きさに切断した後、粉砕機を用いて
平均粒径1mm以下に粉砕した。この粉砕物の流動温度
(FT)を測定したところ255℃であった。またこのポ
リマーの溶融時における光学異方性を測定したところ光
学異方性を示した。 (3)固相重合 上記で得られたポリマー粉砕物を、アルミ製トレーに入
れ、窒素雰囲気炉に仕込み、窒素雰囲気下において28
0℃まで昇温し、同温度で5時間保持して固相重合を行
なった。放冷後、得られた粉末状の液晶性ポリエステル
を重合炉から取出し、FTを測定したところ305℃で
あった。ここでの重量減少は、約1.3%であった。
【0053】(4)造粒 得られた液晶ポリエステルを、池貝機販(株)製のPCM
−30二軸押出機にて、ダイヘッド温度を315℃に設
定し、スクリュー回転数100rpmで溶融混練を行っ
て、FTが278℃の液晶ポリエステルペレットを得
た。このペレットの308℃(FT+30℃)におけるメ
ルトテンションを測定したところ、7.9gであり、こ
の際の巻取り速度は11.8m/分であった。また、6
0℃で測定した対数粘度(ηinh)は、8.5dl/gで
あった。溶融粘度等を表1に示す。 (5)インフレーション製膜 ラボプラストミル(東洋精機製作所製)に30mmφの二
軸押出機を設置し、ヘッド部に25mmφ、ダイギャッ
プ0.75mmのインフレーションダイを取り付け、シ
リンダー設定温度280〜300℃、シリンダーのスク
リュー回転数100回転、ダイヘッド設定温度300
℃、引き取り速度10m/分で、得られた液晶性ポリエ
ステルペレットを製膜し、折幅180mmのフィルムを
得た。バブルも安定し、膜厚は約35〜45μmであ
り、フィルム外観は比較的良好であった。計算されたブ
ロー比、ドロー比、吐出量及び剪断速度を表2に示す。
得られたフィルムをX線解析し、そのピークからフィル
ム内の層状無機化合物(b)の層間距離を測定したとこ
ろ、1.4nmであり、先に測定した原料としての層状
無機化合物(b)の層間距離に比べて1.1倍に拡大して
いた。 (6)ガスバリア性測定 35μmのフィルムの酸素バリア性(酸素透過度)を測定
したところ、湿度60%では、0.23cc/m2・2
4hr・atm(0.32cc/m2・24hr・atm
(25μm))、湿度90%では、0.23cc/m2・2
4hr・atm(0.32cc/m2・24hr・atm
(25μm))であった。水蒸気バリア性(透湿度)は、
0.17g/m2・24hr(0.24g/m2・24h
r(25μm))であった。
【0054】実施例2 層状無機化合物(b)として親油性モンモリロナイト(豊
順鉱業社製、商品名Cloisite 10A)を用いたが、この
モンモリロナイトの親油性にする前の(化合物(c)によ
る層間距離を広げる操作を行っていないもの)モンモリ
ロナイトの平均粒径は0.32μm、層間距離は1.2
5nmであり、アスペクト比は256、膨潤値は17、
へき開値は89であった。 (1)分散 実施例1の(1)と同様にして、4−ヒドロキシ安息香酸
918.8g(6.7モル)、6−ヒドロキシ−2−ナフ
トエ酸417.1g(2.2モル)、親油性モンモリロナ
イト(豊順鉱業社製、商品名Cloisite 10A)24.0
g、および無水酢酸996.9g(9.8モル)を投入
し、7000rpmで90分間高速攪拌し、混合液を得
た。 (2)溶融重合 実施例1の(2)と同様にして、アセチル化(150℃、
還流下約3時間)後、1℃/分で昇温し320℃で保持
し、その間副生する酢酸を留去し続けながら、溶融重合
を行った。320℃到達後75分後、撹拌を停止させ、
ポリマーを溶融状態で容易に取出すことができた。重合
槽及び攪拌翼への付着は殆どなかった。得られたポリエ
ステルはしばらくすると固化した。収量は1160g
(理論収量に対して、96.6%)であった。同様の操作
を4回繰り返し、得られたポリエステルを3〜5cm角
程度の大きさにした後、粉砕機を用い、平均粒径1mm
以下に粉砕した後、流動温度(FT)を測定した所、26
2℃であった。このポリマーは溶融時に光学異方性を示
した。 (3)固相重合 このポリマーをアルミ製トレーに入れ、実施例1の(3)
と同様に固相重合し、放冷した後に取出し、FTが30
5℃の液晶性ポリエステルのパウダーを得た。ここでの
重量減少は、0.9%であった。
【0055】(4)造粒 得られた液晶性ポリエステルを、実施例1の(4)と同じ
装置を使用し、ダイヘッド温度を315℃に設定し、ス
クリュー回転数100rpmで溶融混練を行い、FTが
279℃の液晶性ポリエステル組成物ペレットを得た。
このペレットの319℃(FT+40℃)におけるメルト
テンションは4.0gであり、この時の巻取り速度は、
14.0m/分であった。60℃で測定した対数粘度
(ηinh)は、7.8dl/gであった。溶融粘度等を表
1に示す。 (5)インフレーション製膜 得られたペレットを実施例1の(5)と同じ装置を使用
し、シリンダー設定温度280〜300℃、シリンダー
のスクリュー回転数100回転、ダイヘッド設定温度3
00℃、引き取り速度10m/分で製膜し、折幅175
mmのフィルムを得た。バブルも安定し、膜厚は約40
〜60μmであり、フィルム外観は比較的良好であっ
た。計算されたブロー比、ドロー比、吐出量及び剪断速
度を表2に示す。得られたフィルムをX線解析し、その
ピークからフィルム内の層状無機化合物(b)の層間距離
を測定したところ、2.2nmであり、先に測定した原
料としての層状無機化合物(b)の層間距離に比べて1.
8倍に拡大していた。 (6)ガスバリア性測定 58μmの該フィルムの酸素バリア性(酸素透過度)を測
定したところ、湿度60%では、0.13cc/m2
24hr・atm(0.30cc/m2・24hr・at
m(25μm))、湿度90%では、0.11cc/m2
24hr・atm(0.26cc/m2・24hr・at
m(25μm))であった。45μmの該フィルムの水蒸
気バリア性(透湿度)は、0.09g/m2・24hr
(0.16g/m2・24hr(25μm))であった。
【0056】実施例3 層状無機化合物(b)として、実施例1で用いたと同じ親
油性フッ素雲母系鉱物(コープケミカル社、商品名MP
E)を用いた。 (1)分散 3リットルの四ツ口セパラブルフラスコに4−ヒドロキ
シ安息香酸690.6g(5.00モル)、エチレングリ
コール155.1g(2.50モル)、および4−トルエ
ンスルホン酸一水和物8.45gを仕込み、窒素雰囲気
下190℃で90分エステル化反応を行った。得られた
生成物をメタノールにて還流下で洗浄後、80℃で終夜
減圧乾燥を行った。該反応物を以下PTPと略称する。
3リットルの四ツ口セパラブルフラスコに、4−ヒドロ
キシ安息香酸495.9g(3.59モル)、テレフタル
酸299.6g(1.80モル)、PTP545.2g
(1.80モル)、親油性フッ素雲母系鉱物(コープケ
ミカル社、商品名MPE)24.0g、及び無水酢酸8
07.4g(7.9モル)を投入し、分散機(特殊機化工
業製、T.K.オートホモミキサー)にて7000rp
mで90分間高速攪拌し、混合液を得た。 (2)溶融重合 実施例1の(2)と同様にして、アセチル化(150℃、
還流下約3時間)後、1℃/分で昇温し320℃で保持
し、その間副生する酢酸を留去し続けながら、溶融重合
を行った。320℃到達後75分後、撹拌を停止させ、
ポリマーを溶融状態で容易に取出すことができた。重合
槽及び攪拌翼への付着は殆どなかった。得られたポリエ
ステルはしばらくすると固化した。収量は1161g
(理論収量に対して、97.3%)であった。同様の操作
を4回繰り返し、得られたポリエステルを3〜5cm角
程度の大きさにした後、粉砕機を用い、平均粒径1mm
以下に粉砕した後、流動温度(FT)を測定したところ、
244℃であった。このポリマーは溶融時に光学異方性
を示した。 (3)固相重合 このポリマーをアルミ製トレーに入れ、実施例1の(3)
と同様に固相重合し、放冷した後に取出し、FTが28
6℃の液晶性ポリエステルのパウダーを得た。ここでの
重量減少は、0.9%であった。
【0057】(4)造粒 得られた液晶性ポリエステルを、実施例1の(4)と同じ
装置を使用し、ダイヘッド温度を300℃に設定し、ス
クリュー回転数100rpmで溶融混練を行い、FTが
259℃の液晶性ポリエステル組成物ペレットを得た。
このペレットの284℃(FT+25℃)におけるメルト
テンションは3.1gであり、この時の巻取り速度は、
8.1m/分であった。60℃で測定した対数粘度(ηi
nh)は、6.3dl/gであった。溶融粘度等を表1に
示す。 (5)インフレーション製膜 得られたペレットを実施例1の(5)と同じ装置を使用
し、シリンダー設定温度260〜280℃、シリンダー
のスクリュー回転数100回転、ダイヘッド設定温度2
80℃、引き取り速度10m/分で製膜し、折幅153
mmのフィルムを得た。バブルも安定し、膜厚は約40
〜60μmであり、フィルム外観は比較的良好であっ
た。計算されたブロー比、ドロー比、吐出量及び剪断速
度を表2に示す。得られたフィルムをX線解析し、その
ピークからフィルム内の層状無機化合物(b)の層間距離
を測定したところ、1.4nmであり、先に測定した原
料としての層状無機化合物(b)の層間距離に比べて1.
1倍に拡大していた。 (6)ガスバリア性測定 45μmの該フィルムの酸素バリア性(酸素透過度)を測
定したところ、湿度60%では、0.26cc/m2
24hr・atm(0.47cc/m2・24hr・at
m(25μm))、湿度90%では、0.27cc/m2
24hr・atm(0.49cc/m2・24hr・at
m(25μm))であった。水蒸気バリア性(透湿度)は、
0.25g/m2・24hr(0.45g/m2・24h
r(25μm))であった。
【0058】比較例1 層状無機化合物(b)を含まない例 (1)溶融重合 ジムロート冷却管、窒素導入管を備えた内温測定用の熱
電対を取り付けたト型連結管及びイカリ型攪拌翼を有
し、フラスコ外側にも熱伝対を取り付た3リットルの四
ツ口セパラブルフラスコを用い、この重合槽に4−ヒド
ロキシ安息香酸1250.7g(9.06モル)、6−ヒ
ドロキシ−2−ナフトエ酸568.8g(3.02モ
ル)、および無水酢酸1355.7g(13.3モル)を
投入し、150℃で還流下約3時間アセチル化反応さ
せ、続いて1℃/分で昇温し320℃で保持して溶融重
縮合を行った。この際、重縮合反応で副生する酢酸は留
去し続けた。前記320℃到達から45分間後に撹拌を
停止し、ポリマーを溶融状態で取出した。重合槽及び攪
拌翼へのポリマーの付着は殆どなかった。得られたポリ
マーはしばらくすると固化した。収量は1586g(理
論収量に対して、99.2%)であった。同様の操作を
3回繰り返し、得られたポリマーを3〜5cm角程度の
大きさに切断した後、粉砕機を用いて平均粒径1mm以
下に粉砕した。この粉砕物の流動温度(FT)を測定した
ところ243℃であった。またこのポリマーの溶融時に
おける光学異方性を測定したところ光学異方性を示し
た。 (2)固相重合 上記で得られたポリマー粉砕物を、アルミ製トレーに入
れ、窒素雰囲気炉に仕込み、窒素雰囲気下において26
0℃まで昇温し、同温度で5時間保持して固相重合を行
なった。放冷後、得られた粉末状の液晶性ポリエステル
を重合炉から取出し、FTを測定したところ283℃で
あった。ここでの重量減少は、約1.7%であった。
【0059】(3)造粒 得られた液晶ポリエステルを、実施例1の(4)と同じ装
置を使用し、ダイヘッド温度を320℃に設定し、スク
リュー回転数150rpmで溶融混練を行い、FTが2
72℃の液晶性ポリエステル組成物ペレットを得た。こ
のペレットの313℃(FT+30℃)におけるメルトテ
ンションは2.8gであり、この時の巻取り速度は、4
9.7m/分であった。60℃で測定した対数粘度(ηi
nh)は、6.4dl/gであった。溶融粘度等を表1に
示す。 (4)インフレーション製膜 得られたペレットを実施例1の(5)と同じ装置を使用
し、シリンダー設定温度270〜320℃、シリンダー
のスクリュー回転数100回転、ダイヘッド設定温度3
20℃、引き取り速度15m/分で製膜し、折幅200
mmのフィルムを得た。バブルも安定し、膜厚は約25
μmであり、フィルム外観は比較的良好であった。計算
されたブロー比、ドロー比、吐出量及び剪断速度を表2
に示す。 (5)ガスバリア性測定 25μmの該フィルムの酸素バリア性(酸素透過度)を測
定したところ、湿度60%で0.62cc/m2・24
hr・atm(0.62cc/m2・24hr・atm
(25μm))であった。また水蒸気バリア性(透湿度)
は、0.43g/m2・24hr(0.43g/m2・2
4hr(25μm))であった。
【0060】比較例2 層状無機化合物(b)を含まない例 (1)溶融重合 ジムロート冷却管、窒素導入管を備えた内温測定用の熱
電対を取り付けたト型連結管及びイカリ型攪拌翼を備
え、フラスコ外側にも熱伝対を取り付た3リットルの四
ツ口セパラブルフラスコを用い、この重合槽に4−ヒド
ロキシ安息香酸495.9g(3.59モル)、テレフタ
ル酸299.6g(1.80モル)、PTP545.2g
(1.80モル)および無水酢酸807.4g(7.9
モル)を投入し、150℃で還流下約3時間アセチル化
反応させた。続いて1℃/分で昇温し320℃で保持し
て溶融重縮合を行った。この際、重縮合反応で副生する
酢酸は留去し続けた。前記320℃到達から80分間後
に撹拌を停止し、ポリマーを溶融状態で取出した。重合
槽及び攪拌翼へのポリマーの付着は殆どなかった。得ら
れたポリマーはしばらくすると固化した。収量は115
3g(理論収量に対して、96.6%)であった。同様の
操作を3回繰り返し、得られたポリマーを3〜5cm角
程度の大きさに切断した後、粉砕機を用いて平均粒径1
mm以下に粉砕した。この粉砕物の流動温度(FT)を測
定したところ235℃であった。またこのポリマーの溶
融時における光学異方性を測定したところ光学異方性を
示した。 (2)固相重合 上記で得られたポリマー粉砕物を、アルミ製トレーに入
れ、窒素雰囲気炉に仕込み、窒素雰囲気下において25
0℃まで昇温し、同温度で6時間保持して固相重合を行
なった。放冷後、得られた粉末状の液晶性ポリエステル
を重合炉から取出し、FTを測定したところ269℃で
あった。ここでの重量減少は、約1.5%であった。
【0061】(3)造粒 得られた液晶ポリエステルを、実施例1の(4)と同じ装
置を使用し、ダイヘッド温度を275℃に設定し、スク
リュー回転数150rpmで溶融混練を行い、FTが2
49℃の液晶性ポリエステル組成物ペレットを得た。こ
のペレットの279℃(FT+25℃)におけるメルトテ
ンションは2.4gであり、この時の巻取り速度は、
2.4m/分であった。60℃で測定した対数粘度(ηi
nh)は、5.8dl/gであった。溶融粘度等を表1に
示す。 (4)インフレーション製膜 得られたペレットを実施例1の(5)と同じ装置を使用
し、シリンダー設定温度240〜260℃、シリンダー
のスクリュー回転数100回転、ダイヘッド設定温度2
60℃、引き取り速度10m/分で製膜し、折幅120
mmのフィルムを得た。バブルも安定し、膜厚は約40
〜50μmであり、フィルム外観は比較的良好であっ
た。計算されたブロー比、ドロー比、吐出量及び剪断速
度を表2に示す。 (5)ガスバリア性測定 40μmの該フィルムの酸素バリア性(酸素透過度)を測
定したところ、湿度60%で10.2cc/m2・24
hr・atm(16.3cc/m2・24hr・atm
(25μm))であった。また水蒸気バリア性(透湿度)
は、2.1g/m2・24hr(3.4g/m2・24h
r(25μm))であった。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】
【発明の効果】本発明の液晶性樹脂組成物は、層状無機
化合物(b)を含み、溶融時に光学異方性を有するので、
従来の液晶性ポリエステルより、溶融粘度の温度依存性
が小さく、成形加工温度範囲が広い傾向を示し、加工温
度の上昇を抑えながら、メルトテンションを上げること
が可能となり、加工性が向上した。更に、本発明のフィ
ルムは、前記液晶性樹脂組成物により得られるので、フ
ィルム外観も良好であり、従来の液晶性ポリエステルフ
ィルムよりも酸素バリア性、水蒸気バリア性ともに向上
し、高湿度下での酸素バリア性及び水蒸気バリア性に特
に優れる。従って、本発明のフィルムは、単層フィルム
又は他の熱可塑性樹脂との多層フィルムのガスバリア層
として使用でき、食品包装、薬品包装、化粧品包装、電
子材料包装等の各種包装用途に使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 67/04 C08L 67/04 // B29K 67:00 B29K 67:00 B29L 7:00 B29L 7:00 (72)発明者 山口 登造 茨城県つくば市北原6 住友化学工業株式 会社内 Fターム(参考) 4F071 AA43 AA48 AC16 BB06 BB09 BC01 BC10 BC17 4F210 AA24 AB16 AG01 AG03 AR17 QK01 QK05 4J002 CF161 CF181 DJ006 DJ036 DJ056 GG02 4J029 AA02 AA06 AB04 AB07 AC02 AD09 AD10 AE03 BB04A BB05A BB09A BB10A BB12A BB13A BC06A BE05A BF03 BF14A BG05X BH02 CB05A CB06A CB10A CC06A CF15 CG06 DB07 DB13 EB04A EB05A EC05A EC06A EE05 EE10 HA01 HA03A HB01 HB03A JA283 KE02 KE05 KF04

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融時に光学異方性を呈する熱可塑性樹
    脂(a)と、層状無機化合物(b)とを含み、溶融時に光学
    異方性を呈することを特徴とする液晶性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂(a)が、式(A)で示される
    繰返し単位(A)を、繰返し単位全体に対して25〜80
    モル%含むことを特徴とする請求項1記載の液晶性樹脂
    組成物。 【化1】
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂(a)が、2種以上の芳香族
    ヒドロキシカルボン酸単位からなる芳香族液晶性ポリエ
    ステルを含み、該芳香族液晶性ポリエステルが、繰返し
    単位全体に対して、式(A)で示される繰返し単位(A)2
    5〜80モル%、式(B)で示される繰返し単位(B)20
    〜75モル%を含むことを特徴とする請求項1又は2記
    載の液晶性樹脂組成物。 【化2】
  4. 【請求項4】 熱可塑性樹脂(a)が、芳香族ジカルボン
    酸単位と芳香族ジオール単位と芳香族ヒドロキシカルボ
    ン酸単位とを含む芳香族液晶性ポリエステルであること
    を特徴とする請求項1記載の液晶性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 無機化合物(b)が、該無機化合物(b)の
    層間を広げうる化合物(c)で修飾されていることを特徴
    とする請求項1〜4のいずれか1項記載の液晶性樹脂組
    成物。
  6. 【請求項6】 流動温度が350℃以下であり、対数粘
    度が1.5dl/g以上であり、流動温度において剪断
    速度100sec-1もしくは1000sec -1で測定し
    た溶融粘度(η1)と、流動温度より20℃高い温度にお
    いてη1と同じ剪断速度で測定した溶融粘度(η2)との比
    2/η1)が0.20〜0.80であることを特徴とす
    る請求項1〜5のいずれか1項記載の液晶性樹脂組成
    物。
  7. 【請求項7】 流動温度が350℃以下であり、流動温
    度より25℃以上高い温度で測定されるメルトテンショ
    ンが3.0g以上であることを特徴とする請求項1〜6
    のいずれか1項記載の液晶性樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 水以外の媒体に膨潤及び/又はへき開さ
    せた無機化合物(b)の存在下に、熱可塑性樹脂(a)を得
    るための樹脂材料を反応させる工程を含む請求項1〜7
    のいずれか1項記載の液晶性樹脂組成物の製造方法。
  9. 【請求項9】 熱可塑性樹脂(a)を得るための樹脂材料
    が、式(I)及び式(II)で表される化合物であることを特
    徴とする請求項8に記載の製造方法。 【化3】 (式中、R1は水素原子、ホルミル基、アセチル基、プロ
    ピオニル基又はベンゾイル基を示し、R2は水素原子、
    メチル基、エチル基、プロピル基、ベンジル基又はフェ
    ニル基を示す。但し、式(I)と式(II)におけるR1及び
    2は、互いに同一でも異なってもよい。)
  10. 【請求項10】 水以外の媒体に膨潤及び/又はへき開
    させた無機化合物(b)の存在下に、熱可塑性樹脂(a)を
    得るための式(I)〜式(IV)で表される化合物から選択さ
    れる2種以上を含む樹脂材料を重縮合反応させ、流動温
    度が、200℃以上かつ重縮合反応温度より30℃以上
    低い温度の液晶性プレポリマーを得、得られた液晶性プ
    レポリマーを固化させた後、固相状態で不活性気体雰囲
    気下、熱処理することを特徴とする請求項1〜7のいず
    れか1項記載の液晶性樹脂組成物の製造方法。 【化4】 (式中、Ar及びAr'は2価の芳香族基を示し、R1
    びR2は、式(I)におけるそれぞれの定義と同じであ
    る。但し、式(I)〜(IV)におけるR1及びR2は、互いに
    同一でも異なってもよい。)
  11. 【請求項11】 請求項1〜7のいずれか1項記載の液
    晶性樹脂組成物を溶融押出し成形したフィルム。
  12. 【請求項12】 23℃、相対湿度60%及び90%で
    測定したフィルムの酸素透過度を、フィルム厚さ25μ
    mの酸素透過度に換算した際の値が、共に0.5cc/
    2・24hr・atm以下であり、かつ40℃、相対
    湿度90%で測定したフィルムの水蒸気透過度が0.5
    g/m2・24hr以下であることを特徴とする請求項
    11に記載のフィルム。
  13. 【請求項13】 請求項1〜7のいずれか1項記載の液
    晶性樹脂組成物を、該組成物の流動温度以上、流動温度
    より60℃高い温度以下において、インフレーション製
    膜することを特徴とする請求項11又は12記載のフィ
    ルムの製造方法。
  14. 【請求項14】 インフレーション製膜の条件が、ブロ
    ー比(TD延伸倍率)1.5〜15、ドロー比(MD延伸
    倍率)1.5〜60、かつ成形ダイ出口における剪断速
    度が500sec-1以下であることを特徴とする請求項
    13記載の製造方法。
JP2001111830A 2000-04-12 2001-04-10 液晶性樹脂組成物、フィルム及びそれらの製造方法 Pending JP2002012778A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001111830A JP2002012778A (ja) 2000-04-12 2001-04-10 液晶性樹脂組成物、フィルム及びそれらの製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000-110843 2000-04-12
JP2000110843 2000-04-12
JP2001111830A JP2002012778A (ja) 2000-04-12 2001-04-10 液晶性樹脂組成物、フィルム及びそれらの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002012778A true JP2002012778A (ja) 2002-01-15

Family

ID=26589965

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001111830A Pending JP2002012778A (ja) 2000-04-12 2001-04-10 液晶性樹脂組成物、フィルム及びそれらの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002012778A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005314523A (ja) * 2004-04-28 2005-11-10 Sumitomo Chemical Co Ltd 組成物、組成物溶液ならびに成形物
JP2007182505A (ja) * 2006-01-06 2007-07-19 Nippon Oil Corp 全芳香族サーモトロピック液晶ポリエステルの製造方法およびその使用
JP2008075079A (ja) * 2006-08-22 2008-04-03 Japan Gore Tex Inc 液晶ポリマー組成物の製造方法
JP2011074167A (ja) * 2009-09-30 2011-04-14 Sumitomo Chemical Co Ltd 液晶ポリエステル、液晶ポリエステルフィルムおよび積層体
US8071221B2 (en) 2004-04-02 2011-12-06 Sumitomo Chemical Company, Limited Organic resin composition, solution of the same and shaped article of the same
JP2012081750A (ja) * 2010-09-17 2012-04-26 Sumitomo Chemical Co Ltd 積層フィルム、電極付き積層フィルム及び有機el素子
JP2012172018A (ja) * 2011-02-18 2012-09-10 Kaneka Corp スメクチック液晶ポリマーの製造方法
CN114805752A (zh) * 2022-05-26 2022-07-29 浙江亚厦装饰股份有限公司 一种导热液晶环氧树脂的制备方法
KR20220146744A (ko) * 2021-04-23 2022-11-02 한국과학기술연구원 이축 압출기를 이용한 가교 폴리에틸렌 수지의 재생장치

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63191824A (ja) * 1987-01-16 1988-08-09 インペリアル ケミカル インダストリーズ パブリック リミティド カンパニー 溶融加工性芳香族コポリエステル
JPH02242827A (ja) * 1989-03-15 1990-09-27 Kuraray Co Ltd フイルムおよびその製造法
JP2000143947A (ja) * 1998-11-05 2000-05-26 Toray Ind Inc 液晶性ポリエステル樹脂組成物およびその射出成形品
WO2001040380A1 (fr) * 1999-11-30 2001-06-07 Otsuka Chemical Co., Ltd. Composition de resine et carte de circuit imprime souple

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63191824A (ja) * 1987-01-16 1988-08-09 インペリアル ケミカル インダストリーズ パブリック リミティド カンパニー 溶融加工性芳香族コポリエステル
JPH02242827A (ja) * 1989-03-15 1990-09-27 Kuraray Co Ltd フイルムおよびその製造法
JP2000143947A (ja) * 1998-11-05 2000-05-26 Toray Ind Inc 液晶性ポリエステル樹脂組成物およびその射出成形品
WO2001040380A1 (fr) * 1999-11-30 2001-06-07 Otsuka Chemical Co., Ltd. Composition de resine et carte de circuit imprime souple

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8071221B2 (en) 2004-04-02 2011-12-06 Sumitomo Chemical Company, Limited Organic resin composition, solution of the same and shaped article of the same
JP2005314523A (ja) * 2004-04-28 2005-11-10 Sumitomo Chemical Co Ltd 組成物、組成物溶液ならびに成形物
JP2007182505A (ja) * 2006-01-06 2007-07-19 Nippon Oil Corp 全芳香族サーモトロピック液晶ポリエステルの製造方法およびその使用
JP2008075079A (ja) * 2006-08-22 2008-04-03 Japan Gore Tex Inc 液晶ポリマー組成物の製造方法
JP2011074167A (ja) * 2009-09-30 2011-04-14 Sumitomo Chemical Co Ltd 液晶ポリエステル、液晶ポリエステルフィルムおよび積層体
JP2012081750A (ja) * 2010-09-17 2012-04-26 Sumitomo Chemical Co Ltd 積層フィルム、電極付き積層フィルム及び有機el素子
JP2012172018A (ja) * 2011-02-18 2012-09-10 Kaneka Corp スメクチック液晶ポリマーの製造方法
KR20220146744A (ko) * 2021-04-23 2022-11-02 한국과학기술연구원 이축 압출기를 이용한 가교 폴리에틸렌 수지의 재생장치
KR102560371B1 (ko) 2021-04-23 2023-07-31 한국과학기술연구원 이축 압출기를 이용한 가교 폴리에틸렌 수지의 재생장치
CN114805752A (zh) * 2022-05-26 2022-07-29 浙江亚厦装饰股份有限公司 一种导热液晶环氧树脂的制备方法
CN114805752B (zh) * 2022-05-26 2024-04-09 浙江亚厦装饰股份有限公司 一种导热液晶环氧树脂的制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6528164B1 (en) Process for producing aromatic liquid crystalline polyester and film thereof
EP0964014B1 (en) Aromatic liquid crystalline polyester resin and resin composition thereof
JP5087958B2 (ja) 液晶性樹脂組成物からなる成形品
US6376076B1 (en) Aromatic liquid crystalline polyester resin and resin composition thereof
JP2002012778A (ja) 液晶性樹脂組成物、フィルム及びそれらの製造方法
JP2003012787A (ja) 熱可塑性ポリエステル樹脂組成物およびそれからなるフィルム
JP4576644B2 (ja) 芳香族液晶性ポリエステルおよびその製造方法
US20120329975A1 (en) Method for producing liquid crystal polyester
JP2000063503A (ja) 芳香族液晶性ポリエステル樹脂およびその製造方法、並びに、芳香族液晶性ポリエステル樹脂フィルムおよびその製造方法
JP2001342243A (ja) 芳香族液晶性ポリエステルフィルムおよびその製造方法
JP2004197096A (ja) ポリエチレンテレフタレート組成物
KR20120112092A (ko) 액정 폴리에스테르의 제조 방법
JP2000080254A (ja) 液晶ポリエステル樹脂組成物、並びに、液晶ポリエステル樹脂組成物フィルムおよびその製造方法
CA2425357A1 (en) Wholly aromatic polyester carbonate and process for production of same
JP2001151872A (ja) 液晶性芳香族ポリエステルフィルムおよびその製造方法
JP3709969B2 (ja) 液晶性ポリマーの製造方法
JP7217638B2 (ja) 成形材料
JP2013075990A (ja) 液晶性ポリマー、成形体および液晶性ポリマーの製造方法
KR100392101B1 (ko) 결정성이 우수한 성형용 포화 폴리에스테르 수지
JP2003105178A (ja) 無機化合物を含有した液晶性樹脂、その製造方法及びその用途
JP2013006986A (ja) 難燃性ポリエステル樹脂組成物
JP2015052038A (ja) 難燃性ポリエステル系樹脂組成物
JP6426994B2 (ja) 液晶ポリマーの製造方法
JP5863289B2 (ja) 難燃性ポリエステル樹脂組成物
WO2022153945A1 (ja) 液晶ポリエステル組成物、液晶ポリエステル組成物の製造方法及び射出成形体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071012

A977 Report on retrieval

Effective date: 20100514

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100518

A02 Decision of refusal

Effective date: 20100928

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02