JP2005314523A - 組成物、組成物溶液ならびに成形物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 低熱膨張性の組成物および低熱膨張性の成形物を提供すること。
【解決手段】 有機高分子樹脂(a)、ならびに、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の含有量の合計が1000ppm以下の無機ケイ酸塩(b)を含有する組成物。該組成物および溶媒からなる組成物溶液。該組成物を溶融成形してなる成形物。該組成物溶液を流延したのちに溶媒を蒸発させて得られるフィルム。本発明によれば、低熱膨張性の組成物および低熱膨張性の成形物が提供される。
【選択図】 なし

Description

本発明は、有機高分子樹脂および無機ケイ酸塩を含有し、電気・電子機器用途に有用な組成物に関する。
モンモリロナイト等の無機ケイ酸塩を含有する樹脂組成物はよく知られており、例えば特許文献1には、各種包装用途に使用されるガスバリア性フィルムの原料として、無機ケイ酸塩を含有する樹脂組成物が開示されている。
特開2003−105178号公報
しかしながら、かかる組成物を電子部品用材料として用いようとする場合には、該組成物は、熱膨張率が高く、金属との積層体では反りなどの現象が見られることも多く、実用上で必ずしも満足のいくものが得られないという問題があった。
本発明は、低熱膨張性の組成物および低熱膨張性の成形物を提供することにある。
即ち本発明は、有機高分子樹脂(a)、ならびに、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の含有量の合計が1000ppm以下の無機ケイ酸塩(b)を含有する組成物にかかるものであり、また本発明は、該組成物および溶媒からなる組成物溶液にかかるものであり、さらに本発明は、該組成物を溶融成形してなる成形物にかかるものである。
本発明によれば、低熱膨張性の組成物および低熱膨張性の成形物が提供される。
本発明で使用される無機ケイ酸塩(b)としては例えば、層状粘土鉱物としては、カオリナイト、デッカナイト、ナクライト、リザーライト、アンチゴライト、クリスタイルなどの1:1のアルミナ/シリカプレートよりなる1/1型層状粘土鉱物、或いはパイロフィライト、タルク、マスコバイト、パラゴナイト、フロゴパイト、バイオタイト等の雲母粘土鉱物、バーミキュライト、及びモンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクタイト等のスメクタイト等のシリカ/アルミナ/シリカの2/1型層状粘土鉱物、或いはこうした物の混合層鉱物などが挙げられる。また、層状無機化合物として知られる黒鉛、モリブデン、ヒドロキシアパタイト、アルミノシリケート類、硫酸アルミニウム、タングステンサン、バナジンサン等の無機化合物が挙げられる。
その他、鎖状粘土鉱物としてはセピオライト、ポリゴルカイト系粘土鉱物が挙げられる。また層状、立方体、籠状のシルセスキオキサンなども無機ケイ酸塩(b)として使用することができる。
本発明で用いられる無機ケイ酸塩(b)として好ましくは2/1型層状粘土鉱物が用いられ、より好ましくはスメクタイトが好ましく用いられ、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、またはヘクタイトがさらに好ましく用いられる。中でもモンモリロナイトが特に好ましく用いられる。
本発明で用いられる無機ケイ酸塩(b)としては、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の含有量の少ないものが用いられ、必要に応じ酸処理などによるアルカリ金属およびアルカリ土類金属の除去処理が行われる。ここでいう酸処理とは、液体の酸の中に無機ケイ酸塩を分散させ、しばらく(好ましくは1分間〜24時間)撹拌し、その後、ろ過により無機ケイ酸塩を回収する処理である。使用する酸は硫酸、硝酸、塩酸、燐酸などの無機酸が用いられ、中でも塩酸または硫酸が好ましい。
本発明で用いられる無機ケイ酸塩(b)は、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の含有量の合計が1000ppm以下であり、好ましくは500ppm以下であり、より好ましくは150ppm以下である。なお、ここでいうアルカリ金属およびアルカリ土類金属の含有量は、ICP発光分析法により測定される。
無機ケイ酸塩(b)の有機高分子樹脂(a)への分散方法は特に限定されないが、[1]無機ケイ酸塩(b)が分散した液に有機高分子樹脂(a)をとかす方法、[2]有機高分子樹脂(a)が溶解した有機高分子ワニスに無機ケイ酸塩(b)を添加する方法、[3]一軸又は多軸混練押出機、ロール、バンバリーミキサー等で有機高分子樹脂(a)および無機ケイ酸塩(b)を溶融混練する方法、[4]重合により有機高分子を製造する前のプレポリマー状態で無機ケイ酸塩(b)を重合槽に投入した後、重合により有機高分子樹脂を製造する方法等がある。
上記[1]、[2]、[4]の手法で無機ケイ酸塩(b)の有機高分子樹脂(a)への分散性を向上させるために、無機ケイ酸塩(b)を予めエタノール、メタノールなどのアルコール類とラウリン酸、オレイン酸、クエン酸などの有機酸との混合物溶液に分散させた状態で、有機高分子樹脂(a)の溶液と混合する方法が必要に応じて用いられる。有機酸の濃度は1〜10規定程度が好ましい。
無機ケイ酸塩(b)の有機高分子樹脂(a)に対する配合量は、有機高分子樹脂(a)100重量部に対して無機ケイ酸塩(b)の含有量が通常0.001重量部から50重量部になるように配合され、好ましくは0.005重量部から10重量部配合される。無機ケイ酸塩(b)の配合量が多すぎると有機高分子樹脂(a)の機械的物性が減少して、少なすぎると、物性の改善效果が低い傾向がある。
本発明で使用される有機高分子樹脂(a)は特に限定されないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニール、ポリアミド、ポリアクリロニトリル、熱可塑性ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、液晶性ポリエステル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリフェニルエーテル及びその変性物、ポリエーテルイミド等の熱可塑性樹脂や、熱硬化性樹脂、例えばフェノール樹脂、エポキシ樹脂、熱硬化性ポリイミド樹脂、シアネート樹脂等が挙げられる。中でも電子材料用に熱硬化性ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、シアネート樹脂、液晶性ポリエステル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホンまたはポリエーテルケトンが好ましく用いられる。
近年の電子材料の高耐熱化、高周波対応の観点から有機高分子樹脂(a)としては液晶性ポリエステルが最も好ましい。液晶性ポリエステルとしては異方性が小さく、また無機ケイ酸塩(b)を高充填できることから、下記式(I)に表されるハロゲン置換フェノール化合物を30重量%以上含有する溶媒に対して溶解可能な液晶性ポリエステルが好ましい。かかる液晶性ポリエステルを溶解可能とする溶媒として好ましくは、該ハロゲン置換フェノール化合物を50重量%以上含有する溶媒であり、より好ましくは60重量%以上含有する溶媒であり、液晶性ポリエステルが比較的低温で溶解することから該溶媒としては100重量%塩素置換フェノール化合物が最も好ましく用いられる。
Figure 2005314523
式中、Aはハロゲン原子またはトリハロゲン化メチル基を表わし、iはAの個数であって1〜5の整数を表わし、iが2以上の場合に複数あるAは互いに同一でも異なっていてもよい。
iは好ましくは1〜3であり、より好ましくは1または2である。iが1のときのAの置換位置は4位であることが好ましく、iが2以上のとき少なくとも一つのAの置換位置は4位であることが好ましい(水酸基の置換位置を1位とする)。
式(I)中のAにおけるハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。溶解性の面でフッ素原子または塩素原子が好ましく、塩素原子は価格と溶解性のバランスに優れるためより好ましい。
ハロゲン原子が塩素原子の場合の式(I)で表わされる化合物としては例えば、2,4−ジクロロフェノール、3,4−ジクロロフェノール、2,4,5−卜リクロロフェノール、2,4,6−卜リクロロフェノール、ペンタクロロフェノールなどがある。ハロゲン原子がフッ素原子の場合の式(I)で表わされる化合物としては例えば、4−クロロ−2−フルオロフェノール、4−クロロ−3−フロオロフェノールなどがある。ハロゲン原子が臭素原子の場合の式(I)で表わされる化合物としては例えば、4−クロロ−2−ブロモフェノールなどがあり、ヨウ素原子の場合の式(I)で表わされる化合物としては例えば、4−クロロ−2−ヨードフェノールなどがある。
またAがハロゲン化アルキル基である場合の式(I)で表わされる化合物としては例えば、4−クロロ−2−トリフルオロメチルフェノール、4−クロロ−2−ペンタフルオロエチルフェノールなどがある。
式(I)におけるAは塩素原子であることがもっとも好ましく、式(I)で表わされる化合物として好ましくは、4−クロロフェノール、2,4−ジクロロフェノール、3,4−ジクルロロフェノール、2,4,5−卜リクロロフェノール、2,4,6−卜リクロロフェノール、またはペンタクロロフェノールが用いられ、4−クロロフェノールが特に好ましく用いられる。
ハロゲン置換フェノール化合物以外に溶媒に含まれる成分は、溶液の保存時に液晶性ポリエステルを析出させるものでなければ、特に限定されないが、o−ジクロロベンゼン、クロロホルム、塩化メチレン、テトラクロロエタンなどの塩素化炭化水素が溶解性を妨げないため好ましい。
本発明で用いられる液晶性ポリエステルは、サーモトロピック液晶ポリマーと呼ばれるポリエステルであり、450℃以下の温度で光学的に異方性を示す溶融体を形成するものである。
液晶性ポリエステルとしては、例えば、
(1)芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸および芳香族ジオールの組み合わせを重合して得られるもの、
(2)異種の芳香族ヒドロキシカルボン酸を重合して得られるもの、
(3)芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオールとの組み合わせを重合して得られるもの、
(4)ポリエチレンテレフタレートなどの結晶性ポリエステルに芳香族ヒドロキシカルボン酸を反応させたもの
などが挙げられる。
なお、これらの芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸または芳香族ジオールの代わりに、それらのエステル形成性誘導体を使用してもよい。
カルボン酸のエステル形成性誘導体としては、例えば、カルボキシル基が、ポリエステル生成反応を促進するような、酸塩化物、酸無水物などの反応性が高い誘導体となっているもの、カルボキシル基が、エステル交換反応によりポリエステルを生成するようなアルコール類やエチレングリコールなどとエステルを形成しているものなどが挙げられる。
また、フェノール性水酸基のエステル形成性誘導体としては、例えば、エステル交換反応によりポリエステルを生成するように、フェノール性水酸基がカルボン酸類とエステルを形成しているものなどが挙げられる。
また、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸および芳香族ジオールは、エステル形成性を阻害しない程度であれば、塩素原子、フッ素原子などのハロゲン原子、メチル基、エチル基などのアルキル基、フェニル基などのアリール基などで置換されていてもよい。
該液晶性ポリエステルの繰り返し構造単位としては、下記のものを例示することができるが、これらに限定されるものではない。
芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する繰り返し構造単位:
Figure 2005314523
上記の繰り返し構造単位は、ハロゲン原子またはアルキル基で置換されていてもよい。
芳香族ジカルボン酸に由来する繰り返し構造単位:
Figure 2005314523
上記の繰り返し構造単位は、ハロゲン原子、アルキル基またはアリール基で置換されていてもよい。
芳香族ジオールに由来する繰り返し構造単位:
Figure 2005314523
上記の繰り返し構造単位は、ハロゲン原子、アルキル基またはアリール基で置換されていてもよい。
なお、上記のアルキル基としては、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基またはブチル基がより好ましい。上記のアリール基としては、炭素数6〜20のアリール基が好ましく、フェニル基がより好ましい。
耐熱性、機械物性のバランスから液晶性ポリエステルは、前記A式で表される繰り返し単位を少なくとも30モル%含むことが好ましい。
繰り返し構造単位の好ましい組み合わせとしては、例えば、下記(a)〜(f)が挙げられる。
(a):
前記繰り返し構造単位(A)、(B)および(C)の組み合わせ、
前記繰り返し構造単位(A)、(B)および(C)の組み合わせ、
前記繰り返し構造単位(A)、(B)、(B)および(C)の組み合わせ、または、
前記繰り返し構造単位(A)、(B)、(B)および(C)の組み合わせ。
(b):前記(a)の組み合わせのそれぞれにおいて、(C)の一部または全部を(C)に置換した組み合わせ。
(c):前記(a)の組み合わせのそれぞれにおいて、(C)の一部または全部を(C)に置換した組み合わせ。
(d):前記(a)の組み合わせのそれぞれにおいて、(C)の一部または全部を(C)に置換した組み合わせ。
(e):前記(a)の組み合わせのそれぞれにおいて、(C)の一部または全部を(C)と(C)の混合物に置換した組み合わせ。
(f):前記(a)の組み合わせのそれぞれにおいて、(A)の一部を(A2)に置換した組み合わせ。
該液晶性ポリエステルとしては、耐熱性の観点から、p−ヒドロキシ安息香酸および2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸からなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物に由来する繰り返し構造単位30〜80mol%、ヒドロキノンおよび4,4’−ジヒドロキシビフェニルからなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物に由来する繰り返し構造単位10〜35mol%、テレフタル酸およびイソフタル酸からなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物に由来する繰り返し構造単位10〜35mol%からなることが好ましい。
また、液晶性ポリエステルの重量平均分子量は、特に限定されないが、10000〜100000であることが好ましい。
本発明に用いられる液晶性ポリエステルの製造方法は、特に限定されないが、例えば、芳香族ヒドロキシカルボン酸および芳香族ジオールからなる群から選ばれる少なくとも1種を過剰量の脂肪酸無水物によりアシル化してアシル化物を得、得られたアシル化物と、芳香族ヒドロキシカルボン酸および芳香族ジカルボン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種とをエステル交換(重縮合)することにより溶融重合する方法が挙げられる。アシル化物としては、予めアシル化して得た脂肪酸エステルを用いてもよい。
アシル化反応においては、脂肪酸無水物の添加量がフェノール性水酸基の1.0〜1.2倍当量であることが好ましく、より好ましくは1.05〜1.1倍当量である。脂肪酸無水物の添加量が少ないと、エステル交換(重縮合)時にアシル化物や芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸などが昇華し、反応系が閉塞し易い傾向があり、また、多すぎると、得られる液晶性ポリエステルの着色が著しくなる傾向がある。
アシル化反応は、130〜180℃で5分間〜10時間反応させることが好ましく、140〜160℃で10分間〜3時間反応させることがより好ましい。
アシル化反応に使用される脂肪酸無水物は,特に限定されないが、例えば、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、無水イソ酪酸、無水吉草酸、無水ピバル酸、無水2エチルヘキサン酸、無水モノクロル酢酸、無水ジクロル酢酸、無水トリクロル酢酸、無水モノブロモ酢酸、無水ジブロモ酢酸、無水トリブロモ酢酸、無水モノフルオロ酢酸、無水ジフルオロ酢酸、無水トリフルオロ酢酸、無水グルタル酸、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水β−ブロモプロピオン酸などが挙げられ、これらは2種類以上を混合して用いてもよい。価格と取り扱い性の観点から、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、または無水イソ酪酸が好ましく用いられ、より好ましくは、無水酢酸が用いられる。
エステル交換においては、アシル化物のアシル基がカルボキシル基の0.8〜1.2倍当量であることが好ましい。
エステル交換は、130〜400℃で0.1〜50℃/分の割合で昇温しながら行なうことが好ましく、150〜350℃で0.3〜5℃/分の割合で昇温しながら行なうことがより好ましい。
アシル化して得た脂肪酸エステルとカルボン酸とをエステル交換させる際、平衡を移動させるため、副生する脂肪酸と未反応の脂肪酸無水物は、蒸発させるなどして系外へ留去することが好ましい。
なお、アシル化反応、エステル交換は、触媒の存在下に行なってもよい。該触媒としては、従来からポリエステルの重合用触媒として公知のものを使用することができ、例えば、酢酸マグネシウム、酢酸第一錫、テトラブチルチタネート、酢酸鉛、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、三酸化アンチモンなどの金属塩触媒、N,N−ジメチルアミノピリジン、N−メチルイミダゾールなどの有機化合物触媒などを挙げることができる。該触媒は、通常、モノマー類の投入時に投入され、アシル化後も除去することは必ずしも必要ではなく、該触媒を除去しない場合にはそのままエステル交換を行なうことができる。
エステル交換による重縮合は、通常、溶融重合により行なわれるが、溶融重合と固層重合とを併用してもよい。固相重合は、溶融重合工程からポリマーを抜き出し、その後、粉砕してパウダー状もしくはフレーク状にした後、公知の固相重合方法により行うことが好ましい。具体的には、例えば、窒素などの不活性雰囲気下、20〜350℃で、1〜30時間固相状態で熱処理する方法などが挙げられる。固相重合は、攪拌しながらでも、攪拌することなく静置した状態で行ってもよい。なお適当な攪拌機構を備えることにより溶融重合槽と固相重合槽とを同一の反応槽とすることもできる。固相重合後、得られた液晶性ポリエステルは、公知の方法によりペレット化し、成形してもよい。
液晶性ポリエステルの製造は、例えば、回分装置、連続装置等を用いて行うことができる。
本発明の組成物は、一般的に用いられている成形法、即ち射出成形、中空成形、押出し成形、シート成形、熱成形、回転成形、積層成形、プレス成形等の成形法により成形され、成形物を得ることが可能である。
本発明の組成物には、ガラス繊維などが必要に応じて添加され、コネクター、リレー、ボビンなど電子部品の用途に用いられる。
また本発明の組成物は、一般的に用いられているフィルム成形法、即ち押出し成形、インフレーション法、溶剤キャスト法等の成形法によりフィルム化される。
これらのうち、電子部品用に用いられるフィルムは、溶剤キャスト法により得るのが好ましい。
溶剤キャスト法で用いられる溶剤としては、式(I)で表わされるハロゲン置換フェノール化合物を含有する前記溶媒が好ましく用いられる。溶剤キャスト法において、組成物溶液を流延したのちに溶剤を除去する方法は、別に限定されてはいないが、溶媒蒸発によって行うことが好ましい。例えば加熱、減圧、通風などの方法による蒸発が挙げられる。その中でも生産効率、取り扱いの面から見て、溶剤の加熱蒸発が好ましく、通風しながら加熱して蒸発することがより好ましい。
加熱温度などは、有機高分子樹脂(a)と無機ケイ酸塩(b)の組み合わせにもよるが、溶媒に可溶な特開2002−114894号公報に記載の液晶性ポリエステルを有機高分子樹脂(a)として用いる場合、100℃から200℃の範囲で10分から2時間まで、予備乾燥を行って、200℃から350℃の範囲で10分から4時間まで熱処理を行うのが望ましい。
このような方法で得られたフィルムは、通常、厚さ20〜200μm程度であるが、特に高い絶縁性が要求される場合は、200μm以上に厚くしてもよい。該フィルムの表面は、必要に応じて、研磨や酸、あるいは酸化剤などの薬液、紫外線、プラズマ照射などの処理を行なってもよい。
合成例1
攪拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計及び還流冷却器を備えた反応器に、p―ヒドロキシ安息香酸 141g(1.02モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル 63.3g(0.34モル)、イソフタル酸 56.5g(0.34モル)及び無水酢酸 191g(1.87モル)、を仕込んだ。反応器内を十分に窒素ガスで置換した後、窒素ガス気流下で15分かけて150℃まで昇温し、温度を保持して3時間還流した。
その後、留出する副生酢酸及び未反応の無水酢酸を留去しながら170分かけて320℃まで昇温し、トルクの上昇が認められる時点を反応終了とみなし、内容物を取り出した。得られた固形分は室温まで冷却し、粗粉砕機で粉砕後、窒素雰囲気下270℃で10時間保持し、固層で重合反応を行い、液晶性ポリエステル粉末を得た。
合成例2
合成例1により得られた液晶性ポリエステル粉末 1gを4−クロロフェノール 99gに加え、120℃で8時間攪拌して液晶性ポリエステル溶液が得られた。
合成例3
無機ケイ酸塩(Montmorillonite;Cloisite−Na、Southern Clay Products、USA)10gを塩酸水溶液(pH 1.2)100gに分散させた後、25℃で2時間攪拌した。得られた分散液をフィルターでろ過し、無機ケイ酸塩をろ別して、再度、塩酸水溶液 100gに分散させた後、25℃で2時間攪拌し、得られた分散液からろ別して酸処理済無機ケイ酸塩を得た。
こうして得た無機ケイ酸塩を100gの水で3回洗浄後、乾燥した後、分級して30μ以上の粉末を除去した。
この無機ケイ酸塩を、2規定のラウリン酸を含むメタノール200gに分散させた後、80℃で6時間還流しながら反応させて、無機ケイ酸塩のメタノール溶液を得た後、ろ過、乾燥し無機ケイ酸塩を得た。得られた無機ケイ酸塩のNa、K、Ca、Mgの合計含量をICP発光分析により測定した結果、600ppmであった。
実施例1
合成例2で得た液晶性ポリエステル溶液100gと合成例3で得た無機ケイ酸塩1gとを混合して130℃で4時間還流して、液晶性ポリエステルと無機ケイ酸塩との組成物溶液を得た。
実施例2
実施例1で製造した組成物溶液をガラス板の上にキャスティングして、高温熱風乾燥器で120℃で加熱して溶媒を除去した後、250℃で熱処理して液晶性ポリエステルのフィルムを得た。
得られたフィルムをTMA(TA Instrument)を利用して熱膨脹係数(CTE)を測定した結果、30ppm/℃であった。
比較例1
合成例2で得た液晶性ポリエステル溶液100gと市販の無機ケイ酸塩1g(Montmorillonite;合成例3の原料として用いたもので、Na、K、Ca、Mgの合計含量は35000ppm(ICP発光分析法により測定))を混合して130℃で4時間還流して、液晶性ポリエステルと無機ケイ酸塩との組成物溶液を得た。
比較例2
比較例1で製造した組成物溶液を透明なガラス板の上にキャスティングした後、120℃で1時間加熱して半乾燥した後、250℃で熱処理して液晶性ポリエステルのフィルムを得た。
得られたフィルムをTMA(TA Instrument)を利用して熱膨脹係数(CTE)を測定した結果、40ppm/℃であった。
本発明によれば、電子部品用途に好適な低熱膨張性の組成物および低膨張性の成形物が提供される。本発明の組成物を用いて製造されるフィルムは、高周波特性、低吸湿性、寸法安定性などの優れた特性を生かして、フレキシブルプリント配線板、タブテープ用フィルムに用いられる。また薄肉成形性をいかして、コンデンサー用フィルム、スピーカー振動板用フィルム、液晶配向膜などにも用いられる。

Claims (7)

  1. 有機高分子樹脂(a)、ならびに、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の含有量の合計が1000ppm以下の無機ケイ酸塩(b)を含有する組成物。
  2. 有機高分子樹脂(a)が、溶融時に光学的異方性を呈する液晶性熱可塑性樹脂である請求項1記載の組成物。
  3. 有機高分子樹脂(a)が、式(I)で表されるハロゲン置換フェノール化合物を30重量%以上含有する溶媒に対して溶解可能な液晶性ポリエステルである請求項1記載の組成物。
    Figure 2005314523
    (式中、Aはハロゲン原子またはトリハロゲン化メチル基を表わし、iはAの個数であって1〜5の整数を表わし、iが2以上の場合に複数あるAは互いに同一でも異なっていてもよい。)
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の組成物および溶媒からなる組成物溶液。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の組成物を溶融成形してなる成形物。
  6. 請求項1〜3のいずれかに記載の組成物を溶融成形してなるフィルム。
  7. 請求項4記載の組成物溶液を流延したのちに溶媒を蒸発させて得られるフィルム。
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