JP2004250687A - 高誘電樹脂組成物、高誘電樹脂フィルムおよびコンデンサー - Google Patents

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Toyomasa Ito
豊誠 伊藤
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Abstract

【課題】 誘電率が高く、且つ誘電正接が小さい高誘電樹脂フィルムを製造し得る樹脂組成物、誘電率が高く、且つ誘電正接が小さい高誘電樹脂フィルム、ならびに、それを用いて得られる高性能なコンデンサーを提供すること。
【解決手段】 高誘電フィラーと樹脂とを含有してなり、高誘電フィラーの比誘電率が下記式(1)および(2)を満足する高誘電樹脂組成物、ならびに、該組成物に更に溶媒を含有してなる組成物。ほか
[(εT25)/ε25MAX≦0.03 (1)
40≦ε25≦1000 (2)
(式中、εは温度Tにおける高誘電フィラーの比誘電率を表わし、Tは−20℃以上80℃以下であり、ε25は温度25℃における高誘電フィラーの比誘電率を表わし、[(εT25)/ε25MAXは比誘電率変化量(εT25)/ε25の絶対値の最大値を表わす。)
【選択図】 なし

Description

本発明は、高誘電樹脂組成物、高誘電樹脂フィルムおよびコンデンサーに関する。
近年、情報通信機器の分野において、フィルムコンデンサー、基板内蔵コンデンサー、アンテナモジュール等の用途に利用される分野では誘電率が高く、且つ誘電正接が小さい高誘電樹脂フィルム等の成形体を製造し得る樹脂組成物が求められている。
従来まで、樹脂にチタン酸バリウム等の高誘電フィラーを充填させた樹脂組成物を用いて誘電率が高い(比誘電率5以上)高誘電樹脂フィルムを製造することは可能であったが、誘電率が高くなるに伴って誘電正接も増加するという問題があった(非特許文献1)。
電子材料 2002年9月 第29頁 工業調査会 編
本発明の目的は、誘電率が高く、且つ誘電正接が小さい高誘電樹脂フィルムを製造し得る樹脂組成物、誘電率が高く、且つ誘電正接が小さい高誘電樹脂フィルム、ならびに、それを用いて得られる高性能なコンデンサーを提供することにある。
即ち本発明は、高誘電フィラーと樹脂とを含有してなり、高誘電フィラーの比誘電率が下記式(1)および(2)を満足する高誘電樹脂組成物、ならびに、該組成物に更に溶媒を含有してなる組成物を提供するものである。また本発明は、そのような更に溶媒を含有してなる組成物を支持体上に流延し、溶媒を除去して得られる高誘電樹脂フィルム、ならびに、該高誘電樹脂フィルムを誘電層として使用してなるコンデンサーを提供するものである。
[(εT25)/ε25MAX≦0.03 (1)
40≦ε25≦1000 (2)
(式中、εは温度Tにおける高誘電フィラーの比誘電率を表わし、Tは−20℃以上80℃以下であり、ε25は温度25℃における高誘電フィラーの比誘電率を表わし、[(εT25)/ε25MAXは比誘電率変化量(εT25)/ε25の絶対値の最大値を表わす。)
本発明によれば、誘電率が高く、且つ誘電正接が小さい高誘電樹脂フィルムを製造し得る樹脂組成物、誘電率が高く、且つ誘電正接が小さい高誘電樹脂フィルム、ならびに、それを用いて得られる高性能なコンデンサーを提供することが可能となる。
本発明に使用される樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタラート、ポリブチレンテレフタラート、非晶性ポリアリレート、芳香族液晶ポリエステル等のポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、シアネート樹脂等の熱硬化性樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルケトン、芳香族ポリサルホン、芳香族ポリエーテルイミド、ポリフェニレンエーテルおよびその変性物などが挙げられる。
中でも、耐熱性や誘電特性の観点から、芳香族液晶ポリエステル、芳香族ポリサルホン、または芳香族ポリエーテルイミドが好ましく使用される。
本発明で使用される芳香族液晶ポリエステルは、サーモトロピック液晶ポリマーと呼ばれるポリエステルであり、450℃以下の温度で光学的に異方性を示す溶融体を形成するものである。
芳香族液晶ポリエステルとしては、例えば、
(1)芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸および芳香族ジオールの組み合わせを重合して得られるもの、
(2)異種の芳香族ヒドロキシカルボン酸を重合して得られるもの、
(3)芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオールとの組み合わせを重合して得られるもの、
(4)ポリエチレンテレフタレートなどの結晶性ポリエステルに芳香族ヒドロキシカルボン酸を反応させたものなどが挙げられる。
なお、これらの芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸または芳香族ジオールの代わりに、それらのエステル形成性誘導体を使用してもよい。
カルボン酸のエステル形成性誘導体としては、例えば、カルボキシル基が、ポリエステル生成反応を促進するような、酸塩化物、酸無水物などの反応性が高い誘導体となっているもの、カルボキシル基が、エステル交換反応によりポリエステルを生成するようなアルコール類やエチレングリコールなどとエステルを形成しているものなどが挙げられる。
また、フェノール性水酸基のエステル形成性誘導体としては、例えば、エステル交換反応によりポリエステルを生成するように、フェノール性水酸基がカルボン酸類とエステルを形成しているものなどが挙げられる。
また、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸および芳香族ジオールは、エステル形成性を阻害しない程度であれば、塩素原子、フッ素原子などのハロゲン原子、メチル基、エチル基などのアルキル基、フェニル基などのアリール基などで置換されていてもよい。
芳香族液晶ポリエステルの繰り返し構造単位としては、下記のものを例示することができるが、これらに限定されるものではない。
芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する繰り返し構造単位:
Figure 2004250687
上記の繰り返し構造単位は、ハロゲン原子またはアルキル基で置換されていてもよい。
芳香族ジカルボン酸に由来する繰り返し構造単位:
Figure 2004250687
上記の繰り返し構造単位は、ハロゲン原子、アルキル基またはアリール基で置換されていてもよい。
芳香族ジオールに由来する繰り返し構造単位:
Figure 2004250687
上記の繰り返し構造単位は、ハロゲン原子、アルキル基またはアリール基で置換されていてもよい。
なお、上記のアルキル基としては、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基またはブチル基がより好ましい。上記のアリール基としては、炭素数6〜20のアリール基が好ましく、フェニル基がより好ましい。
耐熱性、機械物性のバランスから芳香族液晶ポリエステルは、前記A式で表される繰り返し単位を少なくとも30モル%含むことが好ましい。
繰り返し構造単位の好ましい組み合わせとしては、例えば、下記(a)〜(f)が挙げられる。
(a):
前記繰り返し構造単位(A)、(B)および(C)の組み合わせ、
前記繰り返し構造単位(A)、(B)および(C)の組み合わせ、
前記繰り返し構造単位(A)、(B)、(B)および(C)の組み合わせ、または、
前記繰り返し構造単位(A)、(B)、(B)および(C)の組み合わせ。
前記繰り返し構造単位(A)、(B)および(C)の組み合わせ。
(b):前記(a)の組み合わせのそれぞれにおいて、(C)の一部または全部を(C)に置換した組み合わせ。
(c):前記(a)の組み合わせのそれぞれにおいて、(C)の一部または全部を(C)に置換した組み合わせ。
(d):前記(a)の組み合わせのそれぞれにおいて、(C)の一部または全部を(C)に置換した組み合わせ。
(e):前記(a)の組み合わせのそれぞれにおいて、(C)の一部または全部を(C)と(C)の混合物に置換した組み合わせ。
(f):前記(a)に組み合わせのそれぞれにおいて、(A)の一部を(A2)に置換した組み合わせ。
該芳香族液晶ポリエステルとしては、耐熱性の観点から、p−ヒドロキシ安息香酸および2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸からなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物に由来する繰り返し構造単位30〜80mol%、ヒドロキノンおよび4,4’−ジヒドロキシビフェニルからなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物に由来する繰り返し構造単位10〜35mol%、テレフタル酸、イソフタル酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸からなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物に由来する繰り返し構造単位10〜35mol%からなることが好ましく、更には、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸に由来する繰り返し構造単位30〜80mol%、4,4’−ジヒドロキシビフェニルに由来する繰り返し構造単位10〜35mol%、イソフタル酸または2,6−ナフタレンジカルボン酸に由来する繰り返し構造単位10〜35mol%からなることが、低誘電正接化の観点からより好ましい。
また、芳香族液晶ポリエステルの重量平均分子量は、特に限定されないが、10000〜100000であることが好ましい。
本発明に用いられる芳香族液晶ポリエステルの製造方法は、特に限定されないが、例えば、芳香族ヒドロキシカルボン酸および芳香族ジオールからなる群から選ばれる少なくとも1種を過剰量の脂肪酸無水物によりアシル化してアシル化物を得、得られたアシル化物と、芳香族ヒドロキシカルボン酸および芳香族ジカルボン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種とをエステル交換(重縮合)することにより溶融重合する方法が挙げられる。アシル化物としては、予めアシル化して得た脂肪酸エステルを用いてもよい。
アシル化反応においては、脂肪酸無水物の添加量がフェノール性水酸基の1.0〜1.2倍当量であることが好ましく、より好ましくは1.05〜1.1倍当量である。脂肪酸無水物の添加量が少ないと、エステル交換(重縮合)時にアシル化物や芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸などが昇華し、反応系が閉塞し易い傾向があり、また、多すぎると、得られる芳香族液晶ポリエステルの着色が著しくなる傾向がある。
アシル化反応は、130〜180℃で5分間〜10時間反応させることが好ましく、140〜160℃で10分間〜3時間反応させることがより好ましい。
アシル化反応に使用される脂肪酸無水物は,特に限定されないが、例えば、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、無水イソ酪酸、無水吉草酸、無水ピバル酸、無水2エチルヘキサン酸、無水モノクロル酢酸、無水ジクロル酢酸、無水トリクロル酢酸、無水モノブロモ酢酸、無水ジブロモ酢酸、無水トリブロモ酢酸、無水モノフルオロ酢酸、無水ジフルオロ酢酸、無水トリフルオロ酢酸、無水グルタル酸、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水β−ブロモプロピオン酸などが挙げられ、これらは2種類以上を混合して用いてもよい。価格と取り扱い性の観点から、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、または無水イソ酪酸が好ましく用いられ、より好ましくは、無水酢酸が用いられる。
エステル交換においては、アシル化物のアシル基がカルボキシル基の0.8〜1.2倍当量であることが好ましい。
エステル交換は、130〜400℃で0.1〜50℃/分の割合で昇温しながら行なうことが好ましく、150〜350℃で0.3〜5℃/分の割合で昇温しながら行なうことがより好ましい。
アシル化して得た脂肪酸エステルとカルボン酸とをエステル交換させる際、平衡を移動させるため、副生する脂肪酸と未反応の脂肪酸無水物は、蒸発させるなどして系外へ留去することが好ましい。
なお、アシル化反応、エステル交換は、触媒の存在下に行なってもよい。該触媒としては、従来からポリエステルの重合用触媒として公知のものを使用することができ、例えば、酢酸マグネシウム、酢酸第一錫、テトラブチルチタネート、酢酸鉛、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、三酸化アンチモンなどの金属塩触媒、N,N−ジメチルアミノピリジン、N−メチルイミダゾールなどの有機化合物触媒などを挙げることができる。該触媒は、通常、モノマー類の投入時に投入され、アシル化後も除去することは必ずしも必要ではなく、該触媒を除去しない場合にはそのままエステル交換を行なうことができる。
エステル交換による重縮合は、通常、溶融重合により行なわれるが、溶融重合と固層重合とを併用してもよい。固相重合は、溶融重合工程からポリマーを抜き出し、その後、粉砕してパウダー状もしくはフレーク状にした後、公知の固相重合方法により行うことが好ましい。具体的には、例えば、窒素などの不活性雰囲気下、20〜350℃で、1〜30時間固相状態で熱処理する方法などが挙げられる。固相重合は、攪拌しながらでも、攪拌することなく静置した状態で行ってもよい。なお適当な攪拌機構を備えることにより溶融重合槽と固相重合槽とを同一の反応槽とすることもできる。固相重合後、得られた芳香族液晶ポリエステルは、公知の方法によりペレット化し、成形してもよい。
芳香族液晶ポリエステルの製造は、例えば、回分装置、連続装置等を用いて行うことができる。
本発明で使用される芳香族ポリサルホンは、下記一般式(D1)で示される繰り返し構造単位を有する樹脂である。また、該芳香族ポリサルホンは、下記一般式(D1)で示される繰り返し構造単位および下記一般式(D2)で示される繰り返し構造単位を有するランダム共重合体や交互共重合体であっても、下記一般式(D1)で示される繰り返し構造単位および下記一般式(D3)で示される繰り返し構造単位を有するランダム共重合体や交互共重合体であってもよい。
Figure 2004250687
[式(D1)中、Rは炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基またはハロゲン原子を表し、pは0〜4の整数を表す。同一または異なる核上の各Rは互いに異なってもよく、各pも互いに異なってもよい。]
Figure 2004250687
[式(D2)中、Rは炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基またはハロゲン原子を表し、pは0〜4の整数を表す。同一または異なる核上の各Rは互いに異なってもよく、各pも互いに異なってもよい。Xは単結合、炭素数1〜20のアルキリデン基、カルボニル基、硫黄原子または酸素原子を表す。
Figure 2004250687
[式(D3)中、R1は炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基またはハロゲン原子を表し、pは0〜4の整数を表し、qは1〜5の整数を表す。同一または異なる核上の各Rは互いに異なってもよく、各pも互いに異なってもよい。]
ここで、炭素数1〜6のアルキル基しては、例えば、メチル基、エチル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基などがあげられる。また、炭素数2〜10のアルケニル基としては、例えば、エテニル基、イソプロペニル基などが例示できる。炭素数6〜20のアリール基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基などが例示でき、好ましくはフェニル基である。ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子があげられる。(D1)〜(3)におけるR1として好ましくは、メチル基、エチル基、またはフェニル基が挙げられる。
炭素数1〜20のアルキリデン基としては、例えば、ブチリデン基、イソプロピリデン基、エチリデン基、メチリデン基、フェニルメチリデン基などのアルキリデン基などがあげられる。好ましくは、イソプロピリデン基が挙げられる。
一般式(D2)におけるXが単結合の場合、当該Xの両側のベンゼン環は直接結合し合っている。
本発明で用いられる芳香族ポリサルホンが、一般式(D1)で示される繰り返し構造単位および一般式(D2)で示される繰り返し構造単位を有する共重合体である場合や、一般式(D1)で示される繰り返し構造単位および一般式(D3)で示される繰り返し構造単位を有する共重合体である場合は、一般式(D1)で示される繰り返し構造単位の数をmとし、一般式(D2)で示される繰り返し構造単位または一般式(D3)で示される繰り返し構造単位の数をnとすると、(m/m+n)は、通常0.8以上である。また、(D3)の構造中のqは1または2であることが好ましく、2であることがより好ましい。
本発明において用いられる芳香族ポリサルホンの還元粘度は、通常0.5〜1.0dl/gであり、好ましくは0.60〜0.90dl/g、より好ましくは0.70〜0.90dl/gである。還元粘度の低すぎる該樹脂を用いると、流延に適した安定な芳香族ポリサルホン溶液組成物を得るのが難しく、還元粘度が高すぎる該樹脂を用いると均一な溶液を調整することが困難である上に、ろ過や脱泡が困難となり、フィルムの概観に問題が生じがちである。ここに、還元粘度は、100cmのN,N−ジメチルホルムアミド中に芳香族ポリサルホンを1g溶解させた後、この溶液の粘度をオストワルド粘度管を使用して、25℃で測定したものである。
本発明で用いられる芳香族ポリサルホンの製造方法としては、公知の方法を採用することができる。また、市販の芳香族ポリサルホンをそのまま使用してもよい。市販の芳香族ポリサルホンとしては、例えば、住友化学工業株式会社の商品名スミカエクセルPESなどの上記構造単位(D1)からなるもの、AMOCO社の商品名UDELP−1700などの上記構造単位(D1)および(D2)からなるものが挙げられる。また、その末端構造は、各々の樹脂の製法に従って決まるものであり、特に限定されないが、例えば、−Cl、−OH、−OR(Rはアルキル基)などが挙げられる。
本発明で用いられる芳香族ポリエーテルイミドは下記一般式(E1)で示される繰り返し構造単位を有する樹脂である。
Figure 2004250687
上式(E1)中で、R1 およびR2 はそれぞれ独立に2価の有機基を示し、その具体例としては下記式のものが例示でき、下記式のいずれかであることが好ましい。
Figure 2004250687
これらの中では下記式(E2)で示される繰り返し構造単位を有するポリエーテルイミドが最も好ましく用いられる。
Figure 2004250687
・・・(E2)
本発明で用いられる芳香族ポリエーテルイミドの製造方法としては、公知の方法を採用することができる。
また、市販の芳香族ポリエーテルイミドをそのまま使用してもよい。市販のものとしては、例えば、ゼネラルエレクトロニック会社の商品名ウルテムなどの上記構造単位(E2)からなるものが挙げられる。
本発明に使用される高誘電フィラーは、比誘電率が下記式(1)および(2)を満足するものである。
[(εT25)/ε25MAX≦0.03 (1)
40≦ε25≦1000 (2)
ここで、εは温度Tにおける高誘電フィラーの比誘電率を表わし、Tは−20℃以上80℃以下である。
ε25は温度25℃における高誘電フィラーの比誘電率を表わす。
[(εT25)/ε25MAXは比誘電率変化量(εT25)/ε25の絶対値の最大値を表わす。
高誘電フィラーは、比誘電率が下記式(3)および(4)を満足するものであることが好ましい。
[(εT25)/ε25MAX≦0.01 (3)
80≦ε25≦300 (4)
ここで、εT、ε25、[(εT25)/ε25MAXは前記と同じ意味を表わす。
高誘電フィラ−としては、例えば、Al2O3、BN、BaO、BeO、Bi2O3、CaO、Cr2O、Fe2O3、La2O3、Na2O、Nd2O3、SiC、Si2N4、SiO2、SrO、TiO2、Y2O3、ZrO2等が挙げられ、通常、これらは2種以上を組み合わせて用いられる。
高誘電フィラ−は、BaO、Bi2O3、La2O3、Nd2O3、Sm2O3、Al2O3およびTiO2からなる群から選ばれる少なくとも2種類を組み合わせてなる高誘電フィラーであることが好ましく、BaO、Bi2O3、La2O3、Nd2O3、Sm2O3およびAl2O3からなる群から選ばれる少なくとも1種類とTiO2とを組み合わせてなり、TiO2の割合が高誘電フィラ−全体の10〜50重量%であることがより好ましい。
高誘電フィラ−の粒子径は、樹脂への分散性の観点から、10μm以下であることが好ましく、2μm以下であることがより好ましい。
高誘電フィラ−の含有量は、樹脂100重量部に対して50〜1200重量部の割合であることが好ましく、200〜900重量部の割合であることがより好ましい。
該含有量が少ないと、樹脂組成物から得られるフィルムの誘電率を十分高くすることができない傾向があり、該含有量が多すぎると、樹脂のバインダとしての効果が少なくなり、得られるフィルムが脆くなる傾向がある。
本発明の高誘電樹脂組成物は、さらに溶媒を含有していてもよい。
溶媒を含有させる方法としては、高誘電フィラ−と樹脂とを予め混合してから溶媒を添加する方法、樹脂を予め溶媒に溶解させて樹脂溶液を得、該溶液を、必要に応じて、フィルターなどによってろ過して溶液中に含まれる微細な異物を除去し、その後、高誘電フィラ−を添加する方法などが挙げられる。
溶媒を添加することにより、高濃度の高誘電フィラ−を含有せしめることができる。
該溶媒は使用する樹脂に合わせて適宜選択され、樹脂を溶解できるものであれば、その種類は特に限定されるものではない。
樹脂として芳香族液晶ポリエステルを用いる場合、使用される溶媒として好ましくは、全溶媒量に対して、下記一般式(F1)で示されるハロゲン置換フェノール化合物成分を30重量%以上含有する溶媒であり、常温または加熱下に芳香族液晶ポリエステルを溶解する。該溶媒としては、該フェノール化合物成分を60重量%以上含有する溶媒であることがより好ましく、実質的に100重量%の該フェノール化合物を溶媒として用いることが、他成分と混合する必要がないため、更に好ましい。
Figure 2004250687
式中、Aは、ハロゲン原子またはトリハロゲン化メチル基を表わし、iはAの個数であって1〜5の整数を表わす。iが2以上の場合、複数あるAは互いに同一でも異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。iは好ましくは1〜3でありより、好ましくは1または2である。iが1のときのAの置換位置は4位であることが好ましく、iが2以上のとき少なくとも1つのAの置換位置は4位であることが好ましい(水酸基の置換位置を1位とする)。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、よう素原子が挙げられ、フッ素原子、または塩素原子が好ましく、塩素原子が特に好ましい。
ハロゲン原子がフッ素原子である一般式(F1)で示されるハロゲン置換フェノール化合物の例としては、ペンタフルオロフェノール、テトラフルオロフェノール等が挙げられる。
ハロゲン原子が塩素原子である一般式(F1)示されるハロゲン置換フェノール化合物の例としては、o−クロロフェノール、p−クロロフェノールが挙げられ、溶解性の観点からp−クロロフェノールが好ましい。
トリハロゲン化メチル基のハロゲンとしては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、よう素原子が挙げられる。
トリハロゲン化メチル基のハロゲンがフッ素原子である一般式(F1)で示されるハロゲン置換フェノール化合物の例としては、3,5−ビストリフルオロメチルフェノールが挙げられる。
一般式(F1)で示されるハロゲン置換フェノール化合物としては、価格と入手性の観点から、o−クロロフェノール、p−クロロフェノールなどの塩素置換フェノール化合物が好ましく使用され、溶解性の観点から、p−クロロフェノールがより好ましく使用される。
該溶媒中には、溶液の保存時または後述の流延時に芳香族液晶ポリエステルを不用意に析出させるものでなければ、該ハロゲン置換フェノール化合物以外に他の成分を含有していてもよい。含有していてもよい他の成分は、特に限定されるものではないが、例えば、クロロホルム、塩化メチレン、テトラクロロエタン等の塩素系化合物などが挙げられる。
本発明で使用される芳香族液晶ポリエステル溶液は、前記溶媒100重量部に対して、芳香族液晶ポリエステル0.5〜100重量部を含有し、作業性あるいは経済性の観点から、1〜50重量部の割合であることがより好ましく、3〜10重量部の割合であることがさらに好ましい。芳香族液晶ポリエステルの量が少ないと、生産効率が低下する傾向があり、多いと溶解が困難になる傾向がある。
本発明して使用される樹脂として、芳香族ポリサルホンまたは芳香族ポリエーテルイミドを使用する場合は、使用される溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;クレゾールなどのフェノール類;塩化メチレンなどのハロゲン化炭素類;γ−ブチロラクトンなどのエステル類;などの溶媒が挙げられる。これらは単独で使用しても、複数種類を混合して使用してもよい。中でも沸点の低いN,N−ジメチルアセトアミドや塩化メチレンが好んで使用され、最も好ましくは、塩化メチレンが好んで使用される。塩化メチレンは全溶媒量に対して、80重量%以上含有することがより好ましく、実質的には100重量%の塩化メチレンを溶媒として用いることが、他成分と混合する必要がないため更に好ましい。溶媒には溶液の保存中に樹脂の析出を避けるために、メタノール、エタノールなどのアルコール類が1〜10重量%の範囲内で含まれてもよい。
本発明の高誘電樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、シリカ、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウムなどの無機フィラー、硬化エポキシ樹脂、架橋ベンゾグアナミン樹脂、架橋アクリルポリマーなどの有機フィラー、シランカップリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの各種添加剤が一種または二種以上添加されていてもよい。
高誘電樹脂組成物が溶媒を含む場合、高誘電樹脂組成物から溶媒を除去させることにより高誘電樹脂フィルムを得ることができる。
高誘電樹脂フィルムの製法としては、例えば、溶媒を含む高誘電樹脂組成物を金属、ガラス等からなる表面平坦で均一な支持体上に流延し、その後、溶媒を除去する方法が挙げられる。
溶媒除去の方法は、特に限定されないが、溶媒を蒸発させることにより行うことが好ましい。溶媒を蒸発させる方法としては、加熱、減圧、通風などの方法が挙げられる。得られた高誘電樹脂フィルムには、更に熱処理を行ってもよい。
本発明の高誘電樹脂組成物から得られる高誘電樹脂フィルムは、誘電率が高く、誘電正接が小さいという特性を活かして、該高誘電樹脂フィルムを誘電層として使用してなるフィルムコンデンサー、基板内蔵コンデンサー(エンベデット基板)の用途に好適に利用され、その他アンテナモジュール、無線LAMモジュール、ETCモジュール等などの分野の用途に好適に使用し得る。
以下、実施例を用いて本発明を説明するが、本発明が実施例により限定されるものでないことは言うまでもない。
実施例1
攪拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計および還流冷却器を備えた反応器に、p−ヒドロキシ安息香酸 141g(1.02モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル 63.3g(0.34モル)、イソフタル酸 56.5g(0.34モル)および無水酢酸 191g(1.87モル)を仕込んだ。反応器内を十分に窒素ガスで置換した後、窒素ガス気流下で15分かけて150℃まで昇温し、温度を保持して3時間還流させた。
その後、留出する副生酢酸および未反応の無水酢酸を留去しながら170分かけて320℃まで昇温し、トルクの上昇が認められる時点を反応終了とみなし、内容物を取り出した。得られた固形分は室温まで冷却し、粗粉砕機で粉砕後、窒素雰囲気下250℃で3時間保持し、固層で重合反応を進めた。得られた粉末は350℃で偏光顕微鏡により液晶相に特有のシュリーレン模様が観察された。
得られた芳香族液晶ポリエステル粉末 0.4gを、100kg荷重下、250℃で10分間、島津製作所(株)製フローテスタCFT−500を用いて圧縮成形し、厚さ3mmの円盤状の試験片を得た。この試験片を用いて、東洋製作所製の恒温恒湿機ADVANTEC AGX型により85℃/85%RH・168時間における吸水率を測定した結果、吸水率は0.1%以下であることを確認した。また、HPインピーダンスアナライザーを用いて誘電正接を測定したところ、0.004(1GHz)であった。
上記工程により得られた芳香族液晶ポリエステル粉末 0.5gをp―クロロフェノール 9.5gに加え、更に、高誘電フィラーとして富士チタン工業製のNPO−Sを4.0g加えた。
温度Tが−20℃≦T≦80℃の範囲におけるNPO−Sの[(εT25)/ε25]の最大値は0.01以下であり、温度25℃における比誘電率ε25は100であった。尚、高誘電フィラーの比誘電率の測定については、まず、高誘電フィラーを高温条件下で焼成させて、HP製インピーダンスアナライザーで測定を行った。
この溶液をガラス支持体に流延し、ホットプレートにより設定温度100℃で1時間溶媒を蒸発させた後、熱風式乾燥機により設定温度250℃ 1時間の条件で熱処理を行い、高誘電樹脂フィルムを得た。
得られた高誘電樹脂フィルムの比誘電率および誘電正接についてHP製インピーダンスアナライザーにより測定した結果、比誘電率は19.0、誘電正接は0.002であった(周波数:1GHz)。更に図1には、高誘電フィラーNPO−Sの添加量と比誘電率および誘電正接の関係を示す(周波数:1GHz)。
実施例2
攪拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計および還流冷却器を備えた反応器に、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸 128g(0.68モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル 63.3g(0.34モル)、イソフタル酸 56.5g(0.34モル)および無水酢酸 152.7g(1.50モル)を仕込んだ。反応器内を十分に窒素ガスで置換した後、窒素ガス気流下で15分かけて150℃まで昇温し、温度を保持して3時間還流させた。
その後、留出する副生酢酸および未反応の無水酢酸を留去しながら170分かけて320℃まで昇温し、トルクの上昇が認められる時点を反応終了とみなし、内容物を取り出した。得られた固形分は室温まで冷却し、粗粉砕機で粉砕後、窒素雰囲気下250℃で3時間保持し、固層で重合反応を進め、芳香族液晶ポリエステル粉末を得た。得られた粉末は350℃で偏向顕微鏡により液晶相に特有のシュリーレン模様が観察された。
得られた芳香族液晶ポリエステル粉末0.4gを、100kg荷重下、250℃で10分間、島津製作所(株)製フローテスタCFT−500を用いて圧縮成形し、厚さ3mmの円盤状の試験片を得た。この試験片を用いて、東洋製作所製の恒温恒湿機ADVANTEC AGX型により85℃/85%RH・168時間における吸水率を測定した結果、吸水率は0.1%以下であることを確認した。
また、HPインピーダンスアナライザーを用いて誘電正接を測定したところ、0.001(1GHz)であった。
上記工程により得られた芳香族液晶ポリエステル粉末 0.5gをp−クロロフェノール9.5gに加え、更に、高誘電フィラーとして富士チタン工業製のNPO−Sを2.0g加えた。この溶液をガラス支持体に流延し、ホットプレートにより設定温度100℃ 1時間溶媒を蒸発させた後、熱風式乾燥機により設定温度250℃ 1時間の条件で熱処理を行い、高誘電樹脂フィルムを得た。
得られた高誘電樹脂フィルムの比誘電率および誘電正接についてHP製インピーダンスアナライザーにより測定した結果、比誘電率は14.0、誘電正接は0.002であった(周波数:1GHz)。
実施例3
高誘電フィラーとして共立マテリアル製のHF-120を使用した以外は実施例2と同様に高誘電フィルムを得た。ここで、温度Tが−20℃≦T≦80℃の範囲におけるHF120の比誘電率変化量[(εT25)/ε25]の最大値は0.01以下であり、温度25℃における比誘電率ε25は120であった。
得られた高誘電樹脂フィルムの比誘電率および誘電正接についてHP製インピーダンスアナライザーにより測定した結果、比誘電率は17.0、誘電正接は0.002であった(周波数:1GHz)。
実施例4
芳香族ポリサルホンとして市販のポリエーテルサルホンPES(住友化学工業(株)製、還元粘度0.76dl/g)粉末 1.6gを塩化メチレン 8.0gおよびメタノール 0.4gに加え、更に、高誘電フィラーとして共立マテリアル製のHF−120を6.7g加えた。芳香族ポリサルホンと高誘電フィラーと塩化メチレンおよびメタノールから成る溶液を常温下で攪拌した。この溶液をガラス支持体に流延し、ホットプレートにより設定温度100℃ 1時間の条件で溶媒を蒸発させた後、熱風式乾燥機により設定温度250℃ 1時間の条件で熱処理を行い、高誘電樹脂フィルムを得た。
得られた高誘電樹脂フィルムの比誘電率および誘電正接についてHP製インピーダンスアナライザーにより測定した結果、比誘電率は17.3、誘電正接は0.004であった(周波数:1GHz)。
実施例5
芳香族ポリエーテルイミドとして市販の芳香族ポリエーテルイミド(ゼネラルエレクトロニック(株)製、1010−1000)1.6gを塩化メチレン8.0gに加え、更に、高誘電フィラーとして共立マテリアル製のHF−120を7.4g加えた。芳香族ポリエーテルイミドと高誘電フィラーと塩化メチレンから成る溶液を常温下で攪拌した。この溶液をガラス支持体に流延し、ホットプレートにより設定温度100℃ 1時間の条件で溶媒を蒸発させた後、熱風式乾燥機により設定温度150℃ 1時間の条件で熱処理を行い、高誘電樹脂フィルムを得た。
得られた高誘電樹脂フィルムの比誘電率および誘電正接についてHP製インピーダンスアナライザーにより測定した結果、比誘電率は16.1、誘電正接は0.0017であった(周波数:1GHz)。
比較例1
高誘電フィラーとして富士チタン工業製のN4700を使用した以外は実施例1と同様に高誘電フィルムを得た。ここで、温度Tが−20℃≦T≦80℃の範囲におけるN4700の比誘電率変化量[(εT25)/ε25]の最大値は0.26であり、温度25℃における比誘電率ε25は550であった。
得られた高誘電樹脂フィルムの比誘電率および誘電正接についてHP製インピーダンスアナライザーにより測定した結果、比誘電率は26.8、誘電正接は0.013であった(周波数:1GHz)。
比較例2
高誘電フィラーとして富士チタン工業製BT−335を使用した以外は実施例1と同様に高誘電フィルムを得た。ここで、温度範囲−20℃≦T≦80℃におけるBT−335の比誘電率変化量[(εT25)/ε25]の最大値は0.027であり、温度25℃における比誘電率ε25は1600であった。
得られた高誘電樹脂フィルムの比誘電率および誘電正接についてHP製インピーダンスアナライザーにより測定した結果、比誘電率は33.0、誘電正接は0.024であった(周波数:1GHz)。
高誘電フィラーの添加量と比誘電率および誘電正接との関係を示す図である。

Claims (10)

  1. 高誘電フィラーと樹脂とを含有してなり、該高誘電フィラーの比誘電率が下記式(1)および(2)を満足する高誘電樹脂組成物。
    [(εT25)/ε25MAX≦0.03 (1)
    40≦ε25≦1000 (2)
    (式中、εは温度Tにおける高誘電フィラーの比誘電率を表わし、Tは−20℃以上80℃以下であり、ε25は温度25℃における高誘電フィラーの比誘電率を表わし、[(εT25)/ε25MAXは比誘電率変化量(εT25)/ε25の絶対値の最大値を表わす。)
  2. 樹脂が、芳香族液晶ポリエステルである請求項1記載の組成物。
  3. 芳香族液晶ポリエステルが、p−ヒドロキシ安息香酸および2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸からなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物に由来する繰り返し構造単位30〜80mol%、ヒドロキノンおよび4,4’―ジヒドロキシビフェニルからなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物に由来する繰り返し構造単位10〜35mol%、テレフタル酸、イソフタル酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸からなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物に由来する繰り返し構造単位10〜35mol%からなる請求項2記載の組成物。
  4. 樹脂が、芳香族ポリサルホンからなる請求項1記載の組成物。
  5. 樹脂が、芳香族ポリエーテルイミドからなる請求項1記載の組成物。
  6. 更に溶媒を含有してなる請求項1〜5のいずれかに記載の組成物。
  7. 更に溶媒を含有してなり、該溶媒が下記一般式(F1)で表されるハロゲン置換フェノール化合物を全溶媒量の30重量%以上含有する溶媒である請求項2または3記載の組成物。
    Figure 2004250687
    (式中、Aはハロゲン原子またはトリハロゲン化メチル基を表わし、iはAの個数であって1〜5の整数を表わし、iが2以上の場合に複数あるAは互いに同一でも異なっていてもよい。)
  8. 更に溶媒を含有してなり、且つ、全溶媒量に対する塩化メチレンの含有量が80重量%以上である請求項4または5記載の組成物。
  9. 請求項6〜8のいずれかに記載の組成物を支持体上に流延し、溶媒を除去して得られる高誘電樹脂フィルム。
  10. 請求項9記載の高誘電樹脂フィルムを誘電層として使用してなるコンデンサー。
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