JP2005078806A - 高誘電樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】[1]平均粒径が0.05μm以上0.5μm以下で、平均粒径をBET比表面積相当径で除した値が1以上3以下のチタン酸ストロンチウム粉末と芳香族液晶ポリエステルとを含有することを特徴とする高誘電樹脂組成物。
[2]チタン酸ストロンチウム粉末が、ハロゲン化水素を1〜30体積%含有する雰囲気中、300℃以上800℃以下でチタン化合物とストロンチウム化合物を含む混合物を焼成し、続いて、ハロゲン化水素を実質的に含まない雰囲気中、800℃を超え1100℃以下で該混合物を焼成して得られる粉末である[1]記載の高誘電樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は高誘電樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、情報通信機器の分野における周波数の高周波数化(100MHz以上)が進展している。このような機器に用いられているコンデンサーやアンテナモジュールなどの用途に使用される樹脂フィルムには、高誘電率である上に、低誘電損失であることが要求される。誘電損失は、周波数と誘電正接に比例して増大することから、高周波数において低誘電損失を実現するためには、誘電正接を低減することが必要である。よって、誘電率が高く、かつ誘電正接が低減された樹脂フィルムの開発が望まれていた。
例えば、エポキシ樹脂とチタン酸バリウムとを含有する樹脂組成物から得られる樹脂フィルムが知られているが、該樹脂フィルムは、誘電正接が高いという問題があった(非特許文献1)。
【0003】
【非特許文献1】
電子材料 2002年9月 第29頁 工業調査会編
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、誘電率が高く、かつ誘電正接が低い樹脂フィルムを製造し得る樹脂組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記したような問題を解決し得る樹脂組成物を見出すべく、鋭意検討を重ねた結果、ある種のチタン酸ストロンチウム粉末と芳香族液晶ポリエステルとを含有する樹脂組成物が、誘電率が高く、かつ誘電正接が低い樹脂フィルムを与えることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、平均粒径が0.05μm以上0.5μm以下で、平均粒径をBET比表面積相当径で除した値が1以上3以下のチタン酸ストロンチウム粉末と芳香族液晶ポリエステルとを含有することを特徴とする高誘電樹脂組成物を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について説明する。
本発明で使用される芳香族液晶ポリエステルは、サーモトロピック液晶ポリマーと呼ばれるポリエステルであり、450℃以下の温度で光学的に異方性を示す溶融体を形成するものである。
芳香族液晶ポリエステルとしては、例えば、
(1)芳香ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸および芳香族ジオールを原料として得られるポリエステル、
(2)異種の芳香族ヒドロキシカルボン酸を原料として得られるポリエステル、(3)芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオールを原料として得られるポリエステル、
(4)ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルに芳香族ヒドロキシカルボン酸を反応させて得られるポリエステルなどが挙げられる。
なお、これらの芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸及び芳香族ジオールの代わりに、それらのエステル形成性誘導体を使用してもよい。
【0007】
カルボン酸のエステル形成性誘導体としては、例えば、ポリエステル生成反応を促進するような、カルボン酸塩化物、カルボン酸無水物などの反応性が高い誘導体、エステル交換反応によりポリエステルを生成するような、アルコール類やエチレングリコールなどとカルボン酸とのエステルなどが挙げられる。
また、フェノール性水酸基のエステル形成性誘導体としては、例えば、エステル交換反応によりポリエステルを生成するような、フェノール性水酸基がカルボン酸類とのエステルなどが挙げられる。
【0008】
芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸および芳香族ジオールは、エステル形成性を阻害しない程度であれば、塩素原子、フッ素原子などのハロゲン原子、メチル基、エチル基などのアルキル基、フェニル基などのアリール基などで置換されていてもよい。
【0009】
芳香族液晶ポリエステルの繰り返し構造単位としては、下記の繰り返し構造単位を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
【0010】
芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する繰り返し構造単位:
上記の繰り返し構造単位は、ハロゲン原子またはアルキル基で置換されていてもよい。
【0011】
芳香族ジカルボン酸に由来する繰り返し構造単位:
上記の繰り返し構造単位は、ハロゲン原子、アルキル基またはアリール基で置換されていてもよい。
【0012】
芳香族ジオールに由来する繰り返し構造単位:
上記の繰り返し構造単位は、ハロゲン原子、アルキル基またはアリール基で置換されていてもよい。
なお、上記のアルキル基としては、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、上記のアリール基としては、炭素数6〜20のアリール基が好ましい。
ここで、炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、ブチル基などが挙げられ、炭素数6〜20のアリール基としては、例えば、フェニ−ル基、ベンジル基などが挙げられる。
【0013】
耐熱性、機械物性のバランスから芳香族液晶ポリエステルは、前記(A1)式で表される繰り返し構造単位を少なくとも30モル%含むことが好ましい。
芳香族液晶ポリエステルとしては、例えば、下記(a)〜(f)などが挙げられる。
(a):
前記繰り返し構造単位(A1)、(B2)、(C3)からなるポリエステル、
前記繰り返し構造単位(A2)、(B2)、(C3)からなるポリエステル、
前記繰り返し構造単位(A1)、(B1)と(B2)の混合物、(C3)からなるポリエステル、
前記繰り返し構造単位(A2)、(B1)と(B2)の混合物、(C3)からなるポリエステル。
(b):前記(a)において、(C3)の一部または全部を(C1)に置換したポリエステル。
(c):前記(a)において、(C3)の一部または全部を(C2)に置換したポリエステル。
(d):前記(a)において、(C3)の一部または全部を(C4)に置換したポリエステル。
(e):前記(a)において、(C3)の一部または全部を(C4)と(C5)の混合物に置換したポリエステル。
(f):前記(a)において、(A1)の一部を(A2)に置換したポリエステル。
【0014】
該芳香族液晶ポリエステルとしては、耐熱性の観点から、p―ヒドロキシ安息香酸および2‐ヒドロキシ−6−ナフトエ酸からなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物に由来する繰り返し構造単位30〜80mol%、ヒドロキノンおよび4,4‘―ジヒドロキシビフェニルからなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物に由来する繰り返し構造単位10〜35mol%、テレフタル酸およびイソフタル酸からなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物に由来する繰り返し構造単位10〜35mol%からなることが好ましい。
【0015】
該芳香族液晶ポリエステルの重量平均分子量は、特に限定されないが、10000〜50000であることが好ましい。
【0016】
該芳香族液晶ポリエステルの製造方法は、特に限定されないが、例えば、芳香族ヒドロキシカルボン酸および芳香族ジオールからなる群から選ばれる少なくとも1種を過剰量の脂肪酸無水物によりアシル化してアシル化物を得、得られたアシル化物と、芳香族ヒドロキシカルボン酸および芳香族ジカルボン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種とをエステル交換(重縮合)することによる溶融重合法などが挙げられる。アシル化物としては、予めアシル化して得た脂肪酸エステルを用いてもよい。
【0017】
アシル化反応においては、脂肪酸無水物の添加量がフェノール性水酸基の1.0〜1.2倍当量であることが好ましく、より好ましくは1.05〜1.1倍当量である。脂肪酸無水物の添加量が1.0倍当量未満では、エステル交換(重縮合)時にアシル化物や芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸などが昇華し、反応系が閉塞し易い傾向があり、また、1.2倍当量を超える場合には、得られる芳香族液晶ポリエステルの着色が著しくなる傾向がある。
【0018】
アシル化反応は、130〜180℃で5分〜10時間反応させることが好ましく、140〜160℃で10分〜3時間反応させることがより好ましい。
【0019】
アシル化反応に使用される脂肪酸無水物は,特に限定されないが、例えば、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、無水イソ酪酸、無水吉草酸、無水ピバル酸、無水2−エチルヘキサン酸、無水モノクロル酢酸、無水ジクロル酢酸、無水トリクロル酢酸、無水モノブロモ酢酸、無水ジブロモ酢酸、無水トリブロモ酢酸、無水モノフルオロ酢酸、無水ジフルオロ酢酸、無水トリフルオロ酢酸、無水グルタル酸、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水β−ブロモプロピオン酸などが挙げられ、これらは2種類以上を混合して用いてもよい。価格と取り扱い性の観点から、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、無水イソ酪酸が好ましく、無水酢酸がより好ましい。
【0020】
エステル交換においては、アシル化物のアシル基がカルボキシル基の0.8〜1.2倍当量であることが好ましい。
【0021】
エステル交換は、130〜400℃で0.1〜50℃/分の割合で昇温しながら行なうことが好ましく、150〜350℃で0.3〜5℃/分の割合で昇温しながら行なうことがより好ましい。
【0022】
アシル化して得た脂肪酸エステルとカルボン酸とをエステル交換させる際、平衡を移動させるため、副生する脂肪酸と未反応の脂肪酸無水物は、蒸発させるなどして系外へ留去することが好ましい。
【0023】
なお、アシル化反応、エステル交換は、触媒の存在下に行なってもよい。該触媒としては、従来からポリエステルの重合用触媒として公知のものを使用することができ、例えば、酢酸マグネシウム、酢酸第一錫、テトラブチルチタネート、酢酸鉛、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、三酸化アンチモンなどの金属塩触媒、N,N−ジメチルアミノピリジン、N―メチルイミダゾールなどの有機化合物触媒などを挙げることができる。該触媒は、通常、モノマー類の投入時に投入され、アシル化後も除去することは必ずしも必要ではなく、該触媒を除去しない場合にはそのままエステル交換を行なうことができる。
【0024】
エステル交換による重縮合は、通常、溶融重合により行なわれるが、溶融重合と固層重合とを併用してもよい。固相重合は、溶融重合工程からポリマーを抜き出し、その後、粉砕してパウダー状またはフレーク状にした後、公知の固相重合方法により行うことが好ましい。具体的には、例えば、窒素などの不活性雰囲気下、20〜350℃で、1〜30時間固相状態で熱処理する方法などが挙げられる。固相重合は、攪拌しながらでも、攪拌することなく静置した状態で行ってもよい。なお適当な攪拌機構を備えることにより溶融重合槽と固相重合槽とを同一の反応槽とすることもできる。固相重合後、得られた芳香族液晶ポリエステルは、公知の方法によりペレット化した後、成形してもよい。
芳香族液晶ポリエステルの製造は、例えば、回分装置、連続装置等を用いて行うことができる。
【0025】
本発明で使用されるチタン酸ストロンチウム粉末は、レーザー回折散乱法により測定された平均粒径が0.05μm以上0.5μm以下で、平均粒径をBET比表面積相当径で除した値が1以上3以下であることが必要であり、平均粒径が0.05μm以上0.2μm以下で、平均粒径をBET比表面積相当径で除した値が1以上2以下であることが好ましい。
平均粒径が0.05μm未満の粉末を用いた場合、樹脂に混合する際に十分な混練ができず、凝集粒となり、一方、平均粒径が0.5μmを超えると、得られるフィルムの膜厚を薄くした場合、フィルム表面の平滑性やフィルム強度に悪影響を与える。
得られるフィルムをより薄膜化するためには、平均粒径が0.2μm以下であることが好ましく、また平均粒径をBET比表面積相当径で除した値は1以上2以下であることが好ましい。
【0026】
ここで、平均粒径とは、チタン酸ストロンチウム粉末を水系スラリーとし、分散剤と超音波処理により十分に分散させた後にレーザー回折散乱法により測定された体積基準の平均粒径である。
BET比表面積は、十分に乾燥させ真空脱気したチタン酸ストロンチウム粉末に窒素ガスを吸着させ、吸着したガス量と粉末の質量から求めた粉末の単位質量あたりの表面積である。
BET比表面積相当径は、粒子がすべて球形で同じ粒径であると仮定すると、BET比表面積から以下の計算式を用いて求めることができる。
BET比表面積相当径(μm)=6÷(チタン酸ストロンチウムの理論密度(g/cm3))÷(BET比表面積(m2/g))
ここで,チタン酸ストロンチウムの粒子密度は理論密度の5.12g/cm3を用いる。
このようにして求められたBET比表面積相当径は、微粒子が混在してBET比表面積が大きくなっている場合はその値が小さくなる。
一方、レーザー回折散乱法により測定された平均粒径は粗大粒子が混在すると値が大きくなる。レーザー回折散乱法による平均粒径は一般的に体積基準で求められるため、粗大粒子の影響が特に大きい。即ち、平均粒径をBET比表面積相当径で除した値は一般的に1以上となり、その値が大きいほど粒子の粒度分布が幅広く、微粒子や粗大粒子が存在していることを示している。本発明においては微粒子や粗大粒子はフィルムの特性に悪影響を与えるため、平均粒径をBET比表面積相当径で除した値は1以上3以下であることが必要である。
平均粒径をBET比表面積相当径で除した値が3を超える場合、粗大粒子が多量に存在しフィルムの平滑性や強度に大きな影響を及ぼしたり、微粒子が多量に存在し、フィルム中で凝集粒となるため、フィルムの平滑性や強度に影響を及ぼすのみならず、凝集粒中には空気を含むため誘電率低下にも影響を及ぼしたり、この両者が同時に存在しフィルムの特性に大きな影響を及ぼす。
【0027】
また、チタン酸ストロンチウム粉末の重装嵩密度は1.7g/cm3以上であることが好ましい。
重装嵩密度は、粉末をタッピングするなどして安定、充填させた状態での粉末の見掛け嵩密度をいう。重装嵩密度が大きいということは、粉末中の粒子がより緻密に集合していることを示す。このような粉末をフィラーとして用いると、より高充填率とすることができ、樹脂混練物の特性を大きく変化させることができる。また同じ充填率であるならば混練時の粘度が低く、また流れ性に優れため、成形性に優れる。
【0028】
本発明で使用されるチタン酸ストロンチウム粉末は、チタン化合物とストロンチウム化合物を含む混合物を焼成することによって製造することができる。
チタン化合物、ストロンチウム化合物としては、チタンまたはストロンチウムの酸化物、炭酸塩、水酸化物、水酸化物のゲル等を用いることができ、チタンとストロンチウムの複合化合物を用いることもできる。
ここで、チタン化合物としては、例えば、二酸化チタン、四塩化チタン中和析出物(水酸化チタンまたは水酸化物のゲル)などが挙げられる。
ストロンチウム化合物としては、例えば、炭酸ストロンチウム、水酸化ストロンチウムなどが挙げられる。
チタンとストロンチウムの複合化合物としては、例えば、蓚酸チタニルストロンチウムなどが挙げられる。
また、チタン化合物とストロンチウム化合物を含む混合物には、得られるチタン酸ストロンチウム粉末の結晶性を向上させるなど目的から、例えば、ホウ酸塩やアンモニウム塩からなるフラックスが含有されていてもよい。
【0029】
チタン化合物とストロンチウム化合物の配合比は、焼成の際の散失を考慮して、最終的に得られるチタン酸ストロンチウム粉末(SrTiO3)のチタンとストロンチウムとの組成比が1:1となるように調整することが好ましい。なお、誘電特性を調整するためにチタン酸ストロンチウム粉末(SrTiO3)のチタンとストロンチウムとの組成比を1:1から若干変動させる場合には、それにともない配合比を調整することが好ましい。
【0030】
チタン化合物とストロンチウム化合物を含む混合物は、乾式混合または湿式混合により、チタン化合物とストロンチウム化合物を混合することにより調製することができる。この際、上述したフラックスを同時に混合してもよい。
また、得られた混合物は、焼成前に予め粉砕することが好ましい。
混合および粉砕に工業的に通常用いられる装置としては、例えば、ボールミル、振動ミル、ヘンシェルミキサー、バーチカルグラニュレーター、ダイナミックミルなどが挙げられる。
微粒のチタン酸ストロンチウム粉末を得るためには、該混合物が微粒であることが好ましいことから、粉砕能力を有するボールミル、振動ミル等を用いて混合することが好ましい。
【0031】
チタン化合物とストロンチウム化合物を含む混合物の焼成は、まず、ハロゲン化水素を含有する雰囲気中で行われ、続いて、ハロゲン化水素を実質的に含有しない雰囲気中で行われる。
【0032】
ハロゲン化水素を含有する雰囲気中での焼成は、200℃以上でチタン酸ストロンチウム粉末が生成する温度未満で行うことが好ましく、300℃以上800℃以下で行うことがより好ましく、500℃以上700℃以下で行うことがさらに好ましい。焼成時間は、通常、1分以上10時間以下である。
【0033】
ハロゲン化水素としては、例えば、塩化水素、臭化水素、ヨウ素水素などが挙げられ、塩化水素が好ましく使用される。
雰囲気中のハロゲン化水素の含有量は、0.5体積%以上50体積%以下であることが好ましく、1体積%以上30体積%以下であることがより好ましく、3体積%以上10体積%以下であることがさらに好ましい。
雰囲気中のハロゲン化水素以外のガスとしては、例えば、窒素、酸素、空気、アルゴン、またはそれらの混合ガスなどが挙げられる。
【0034】
ハロゲン化水素を実質的に含有しない雰囲気中での焼成は、チタン酸ストロンチウム粉末が生成する温度以上で行うことが好ましい。
焼成時間は、通常、10分以上10時間以下である。
【0035】
チタン酸ストロンチウム粉末の製造方法の実施態様の一つとしては、チタン化合物とストロンチウム化合物を含む混合物を炉に設置して加熱を開始した後、500℃以上800℃以下で塩化水素含有雰囲気を炉内に導入して、該混合物をハロゲン含有雰囲気中で焼成した後、加熱を続けながら雰囲気を空気に置換し、引き続き加熱を続けながらチタン酸ストロンチウム粉末が生成する温度以上で焼成を行う方法などが挙げられる。
【0036】
ここで、チタン化合物とストロンチウム化合物を含む混合物がチタン酸ストロンチウムとなる温度は、熱分析(TG−DTA)等により求めることができる。チタン酸ストロンチウムが生成する温度を熱分析により求める場合は、得られるチャートに現れるピーク温度を求めればよい。その温度は出発原料のチタン化合物、ストロンチウム化合物によって異なるが、一般的には800℃を超え1100℃以下であるので、焼成温度は900℃〜1100℃であることが好ましい。
【0037】
ハロゲン化水素を含有する雰囲気中での焼成と、それに引き続きハロゲン化水素を実質的に含有しない雰囲気中での焼成により生成するチタン酸ストロンチウム粉末は、粉末の表面に焼成雰囲気に起因するハロゲン化合物が付着している場合があるが、水などを用いた洗浄により容易に除去することができる。
洗浄の際に若干量のストロンチウムが溶出するため、洗浄に用いる水には溶出したストロンチウムを不溶化し再捕集できるような物質を追加することが好ましい。該物質としては、例えば、炭酸水素アンモニウムなどが挙げられる。
【0038】
洗浄後に得られた粉末は、さらにハロゲン化水素を実質的に含有しない雰囲気中、800℃を超え1100℃以下で再焼成される。
再焼成を行うときの雰囲気は、通常、空気雰囲気である。
このようにして得られたチタン酸ストロンチウム粉末は、さらに通常、工業的に用いられる方法により洗浄、分級、粉砕してもよい。
【0039】
このようにして、粒子径が小さく、かつ粒度分布の狭いチタン酸ストロンチウム粉末を製造することができる。
得られたチタン酸ストロンチウム粉末は、微粒であり、かつ一次粒子に分散が容易な粉末であり、凝集粒子が少なく凝集の程度も軽いため、凝集を壊すために必要な粉砕エネルギーが小さく、短時間のボールミルや振動ミルにより凝集の除去を行うことができるため、ボールミルや振動ミルのボールの欠損による粗大異物混入、およびミルパッキングによる凝集粒子発生等を防止することができる。
【0040】
チタン酸ストロンチウム粉末には、誘電特性を調整するため、ディプレッサーなどの成分が本発明の目的を損なわない範囲で含まれていてもよい。また、同様にBaTiO3などの混入しやすい不純物も本発明の目的を損なわない範囲で含まれていてもよい。
これらの物質としては、例えば、MgTiO3、CaTiO3、BaTiO3、CaSnO3などが挙げられる。混入量はこれらの物質が本発明の目的を損なわない範囲であればよく、通常、10重量%以下である。
【0041】
本発明の高誘電樹脂組成物は、上記した芳香族液晶ポリエステルとチタン酸ストロンチウム粉末とを含有してなる。
チタン酸ストロンチウム粉末の割合は、芳香族液晶ポリエステル100重量部に対して、50〜1200重量部であることが好ましく、高誘電率化の観点から200〜600重量部であることがより好ましい。
50重量部未満では、樹脂組成物から得られるフィルムの誘電率を十分高くすることができない傾向があり、1200重量部を超えると、芳香族液晶ポリエステルのバインダとしての効果が少なくなり、得られるフィルムが脆くなる傾向がある。
【0042】
本発明の高誘電樹脂組成物は、更に溶媒に添加することにより高誘電樹脂溶液組成物とすることができる。
溶媒を添加する方法としては、芳香族液晶ポリエステルとチタン酸ストロンチウム粉末とを予め混合してから溶媒を添加する方法、芳香族液晶ポリエステルを予め溶媒に溶解して樹脂溶液を得、該溶液を、必要に応じて、フィルターなどによってろ過して溶液中に含まれる微細な異物を除去し、その後、チタン酸ストロンチウム粉末を添加する方法などが挙げられる。
溶媒を添加することにより、高濃度のチタン酸ストロンチウム粉末を含有せしめることができる。
【0043】
該溶媒は、下記一般式(I)で示されるハロゲン置換フェノールを含有する溶媒であることが好ましい。該溶媒は、常温または加熱下においる芳香族液晶ポリエステルの溶解性の観点から、ハロゲン置換フェノール(I)を30重量%以上含有することが好ましく、ハロゲン置換フェノール(I)を60重量%以上含有することがより好ましく、実質的に100重量%のハロゲン置換フェノール(I)を溶媒として用いることが、他成分と混合する必要がないため、更に好ましい。
(I)
式(I)中、Aは、ハロゲン原子を表わすか、トリハロゲン化メチル基を表わし、iは1〜5の整数を表わす。iが2以上の場合、複数あるAは互いに同一でも異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
【0044】
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、よう素原子が挙げられ、フッ素原子、塩素原子が好ましく、塩素原子が特に好ましい。
ハロゲン原子がフッ素原子である一般式(I)の例としては、ペンタフルオロフェノール、テトラフルオロフェノール等が挙げられる。
ハロゲン原子が塩素原子である一般式(I)の例としては、o−クロロフェノール、p−クロロフェノールが挙げられ、溶解性の観点からp−クロロフェノールが好ましい。
トリハロゲン化メチル基のハロゲンとしては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、よう素原子が挙げられる。
トリハロゲン化メチル基のハロゲンがフッ素原子である一般式(I)の例としては、3,5−ビストリフルオロメチルフェノールが挙げられる。
該溶媒としては、価格と入手性の観点から、o―クロロフェノール、p―クロロフェノールなどの塩素置換フェノール化合物を30重量%以上含む溶媒が好ましく、溶解性の観点から、p―クロロフェノールを30重量%以上含む溶媒がより好ましい。
該溶媒中には、溶液の保存時または後述の流延時に芳香族液晶ポリエステルを析出させるものでなければ、ハロゲン置換フェノール以外の他の成分を含有していてもよい。
含有していてもよい他の成分は、特に限定されるものではないが、例えば、クロロホルム、塩化メチレン、テトラクロロエタン、ジクロロベンゼン等の塩素系化合物などが挙げられる。
【0045】
高誘電樹脂溶液組成物は、ハロゲン置換フェノール(I)を含有する溶媒に芳香族液晶ポリエステルとチタン酸ストロンチウム粉末を溶解せしめることにより得ることができる。
芳香族液晶ポリエステルの含有量は、ハロゲン置換フェノール(I)を含有する溶媒100重量部に対して、0.5〜100重量部であることが好ましく、作業性あるいは経済性の観点から、1〜50重量部であることがより好ましく、5〜15重量部であることがさらに好ましい。0.5重量部未満では、生産効率が低下する傾向があり、100重量部を超えると溶解が困難になる傾向がある。
【0046】
高誘電樹脂溶液組成物は、必要に応じて、フィルターなどによってろ過して溶液組成物中に含まれる微細な異物を除去することが好ましい。
【0047】
また、該高誘電樹脂溶液組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、シリカ、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウムなどの無機フィラー、硬化エポキシ樹脂、架橋ベンゾグアナミン樹脂、架橋アクリルポリマーなどの有機フィラー、ポリアミド、ポリエステル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリフェニルエーテル及びその変性物等の熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、シアネート樹脂等の熱硬化性樹脂、シランカップリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの各種添加剤が一種または二種以上添加されていてもよい
【0048】
高誘電樹脂溶液組成物から溶媒を除去せしめることにより高誘電樹脂フィルムを得ることができる。
その製法としては、例えば、高誘電樹脂溶液組成物を金属、ガラス等からなる表面平坦で均一な支持体上に流延し、その後、溶媒を除去する方法などが挙げられる。
【0049】
溶媒除去の方法は、特に限定されないが、溶媒の蒸発させることにより行うことが好ましい。溶媒を蒸発させる方法としては、加熱、減圧、通風などの方法が挙げられる。溶媒を除去させる温度は、80℃以上200℃未満が好ましい。得られた高誘電樹脂フィルムには、更に熱処理を行ってもよい。熱処理温度は、250℃以上350℃未満が好ましい。
【0050】
得られた高誘電樹脂フィルムは、誘電率が高く(5以上)、且つ低誘電正接(0.005以下)であるので、フィルムコンデンサー、エンベデット基板、アンテナモジュール等の情報通信機器の用途に好適に使用することができる。
【0051】
得られた高誘電樹脂フィルムをコンデンサー用途に利用する場合、高静電容量を得るためには、フィルムを薄膜化することが必要であることから、該フィルムの厚みは、10μm以下であることが好ましく、5μm以下であることがより好ましい。
【0052】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明が実施例により限定されるものでないことは言うまでもない。
【0053】
実施例1
[芳香族液晶ポリエステル]
攪拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計及び還流冷却器を備えた反応器に、p―ヒドロキシ安息香酸 141g(1.02モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル 63.3g(0.34モル)、イソフタル酸 56.5g(0.34モル)及び無水酢酸 191g(1.87モル)、を仕込んだ。反応器内を十分に窒素ガスで置換した後、窒素ガス気流下で15分かけて150℃まで昇温し、温度を保持して3時間還流させた。
その後、留出する副生酢酸及び未反応の無水酢酸を留去しながら170分かけて320℃まで昇温し、トルクの上昇が認められる時点を反応終了とみなし、内容物を取り出した。得られた固形分は室温まで冷却し、粗粉砕機で粉砕後、窒素雰囲気下250℃で3時間保持し、固層で重合反応を進め、芳香族液晶ポリエステル粉末を得た。得られた粉末は350℃で偏向顕微鏡により液晶相に特有のシュリーレン模様が観察された。
【0054】
[高誘電フィラー]
炭酸ストロンチウム(堺化学製、SW−K(商品名)、BET比表面積7.7m2/g)、二酸化チタン(石原テクノ製、PT−401M(商品名)、BET比表面積20.7m2/g、ルチル化率50.7%)の強熱減量(700℃に加熱して水分や揮発成分を除去したときの重量減少)を測定し、水分等の揮発成分による重量のずれを補正して、炭酸ストロンチウムと二酸化チタンのモル比が1:1となるように計約1.1kgの粉末を秤量した。10Lポリエチレン製ポットおよび15mmφの鉄芯入りプラスチックボールを用い、乾式ボールミルで秤量した混合粉末を20時間混合した。混合後のBET比表面積は22.8m2/gであった。混合物をTG−DTAにより分析した結果、チタン酸ストロンチウムの生成温度は880℃であった。混合物を石英ガラス製炉芯管を有する管状炉(炉芯管体積20L)を用いて焼成した。炉内を窒素雰囲気として昇温を開始し、600℃で塩化水素3体積%−窒素97体積%の雰囲気を導入し、700℃で空気雰囲気に切り替えて950℃まで昇温し、950℃で2時間保持して1回目の焼成を行った。なお、焼成雰囲気の圧力は全て大気圧(約0.1MPa)である。焼成後、得られたチタン酸ストロンチウム粉末を濃度0.8重量%の炭酸水素アンモニウム水溶液に分散させ、濾過し、洗浄した。洗浄後の粉末を130℃で乾燥させ、空気雰囲気中において900℃、3時間保持して2回目の焼成を行った。さらに粉末を10Lポリエチレン製ポットおよび15mmφの鉄芯入りプラスチックボールを用いたボールミルにより20時間粉砕した。
【0055】
得られたチタン酸ストロンチウムについて下記の評価法により、物性評価を行った。
1.平均粒径の測定
平均粒径は、粉末を0.2重量%のヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液中に分散させ、超音波処理を実施した後に、レーザー回折散乱法粒度分布測定装置(英国マルバーン社製、マスターサイザー2000型)を用いて測定した。なお粒度分布ならびに平均粒径の算出は体積基準で実施した。
2.BET比表面積、BET比表面積相当径の測定
粉末のBET比表面積は、BET1点法によるBET比表面積測定装置(島津製作所製、フローソーブII2300型)により測定した。BET比表面積相当径は、得られたBET比表面積の値から、6÷(チタン酸ストロンチウムの理論密度(g/cm3))÷(BET比表面積(m2/g))により算出したBET比表面積相当径(μm)を用いた。なおチタン酸ストロンチウムの理論密度は5.12g/cm3を用いた。
3.重装嵩密度の測定
50gの粉末を用い、ガラス製100mLのメスシリンダーに粉末を投入し、5cmの高さから100回落下させてタッピングを行い、体積を読みとり、質量を体積で除して重装嵩密度を算出した。なお、100回のタッピングの途中で粉末の体積減少は飽和していることを確認の上で測定を行った。
4.生成相の同定
粉末の相同定にはリガク社の粉末X線回折装置「RINT」を用い、一般的な粉末回折法により生成相を同定した。
【0056】
その結果、得られたチタン酸ストロンチウム粉末はX線回折分析の結果SrTiO3単相であった。レーザー回折散乱法により測定した平均粒径は0.154μmであった。BET比表面積は8.15m2/gであり、BET比表面積相当径は0.144μmであった。平均粒径をBET比表面積相当径で除した値は1.07であった。重装嵩密度は1.75g/cm3であった。
【0057】
上記工程により得られた芳香族液晶ポリエステル粉末8gをp―クロロフェノール92gに加え、更に、上記工程により得られた高誘電フィラーを16g加えた。芳香族液晶ポリエステルと高誘電フィラーとp―クロロフェノールから成る溶液を120℃に加熱した結果、完全に溶解し透明な溶液が得られた。この溶液をガラス支持体に流延し、ホットプレートにより設定温度100℃,1時間溶媒を蒸発させた後、熱風式乾燥機により設定温度250℃,1時間の条件で熱処理を行い、厚み5μmの高誘電樹脂フィルムを得た。得られた高誘電樹脂フィルムの誘電率及び誘電正接についてHP製インピーダンスアナライザーにより測定した結果、誘電率は8.04、誘電正接は0.0017(周波数1GHz)であった。
【0058】
実施例2
実施例1と同様に得られた芳香族液晶ポリエステル粉末8gをp―クロロフェノール92gに加え、更に、高誘電フィラーとして、実施例1に記載のチタン酸ストロンチウム粉末を32g加えた。
芳香族液晶ポリエステルと高誘電フィラーとp―クロロフェノールから成る溶液を120℃に加熱した結果、完全に溶解し透明な溶液が得られた。この溶液をガラス支持体に流延し、ホットプレートにより設定温度100℃、1時間溶媒を蒸発させた後、熱風式乾燥機により設定温度250℃、1時間の条件で熱処理を行い、厚み5μmの高誘電樹脂フィルムを得た。得られた高誘電樹脂フィルムの誘電率及び誘電正接についてHP製インピーダンスアナライザーにより測定した結果、誘電率は14.1、誘電正接は0.0019(周波数1GHz)であった。
【0059】
実施例3
高誘電フィラーを以下の製法で得たものを使用した以外は実施例2と同様に高誘電フィルムを得た。ここで使用した高誘電フィラーは、実施例1と同じ混合原料を用い、炉内を空気雰囲気として昇温を開始し、600℃で塩化水素3体積%−空気97体積%の雰囲気を導入し、700℃で空気雰囲気に切り替えて900℃まで昇温し、900℃、2時間保持して1回目の焼成を行ったものである。レーザー回折散乱法により測定した平均粒径が0.150μm、BET比表面積は11.2m2/gであり、BET比表面積相当径は0.105μmであった。平均粒径をBET比表面積相当径で除した値は1.43であった。
得られた高誘電樹脂フィルムの誘電率及び誘電正接についてHP製インピーダンスアナライザーにより測定した結果、誘電率は10.35、誘電正接は0.0011(周波数1GHz)であった。
【0060】
比較例1
高誘電フィラーとして富士チタン工業製チタン酸ストロンチウム(ST)を使用した以外は実施例1と同様に高誘電フィルムを得た。ここで使用した高誘電フィラーは、レーザー回折散乱法により測定した平均粒径は1.57μmであった。BET比表面積は2.17m2/gであり、BET比表面積相当径は0.540μmであった。平均粒径をBET比表面積相当径で除した値は2.91であった。
得られた高誘電樹脂フィルムの誘電率及び誘電正接についてHP製インピーダンスアナライザーにより測定した結果、比誘電率は9.93、誘電正接は0.0066(周波数1GHz)であった。
【0061】
比較例2
高誘電フィラーを以下の製法で得たものを使用した以外は実施例1と同様に高誘電フィルムを得た。ここで使用した高誘電フィラーは、実施例1と同じ混合原料を用い、空気雰囲気で900℃、2時間焼成したものである。レーザー回折散乱法により測定した平均粒径が0.302μm、BET比表面積は12.3m2/gであり、BET比表面積相当径は0.095μmであった。平均粒径をBET比表面積相当径で除した値は3.15であった。
得られた高誘電樹脂フィルムの誘電率及び誘電正接についてHP製インピーダンスアナライザーにより測定した結果、比誘電率は3.80、誘電正接は0.0030(周波数1GHz)であった。
【0062】
【発明の効果】
本発明によれば、誘電率が高く、かつ誘電正接が低い樹脂フィルムを製造し得る樹脂組成物を提供することが可能となる。
Claims (8)
- 平均粒径が0.05μm以上0.5μm以下で、平均粒径をBET比表面積相当径で除した値が1以上3以下のチタン酸ストロンチウム粉末と芳香族液晶ポリエステルとを含有することを特徴とする高誘電樹脂組成物。
- 平均粒径が0.05μm以上0.2μm以下で、平均粒径をBET比表面積相当径で除した値が1以上2以下のチタン酸ストロンチウム粉末である請求項1記載の高誘電樹脂組成物。
- 重装嵩密度が1.7g/cm3以上のチタン酸ストロンチウム粉末である請求項1または2記載の高誘電樹脂組成物。
- チタン酸ストロンチウム粉末が、ハロゲン化水素を1〜30体積%含有する雰囲気中、300℃以上800℃以下でチタン化合物とストロンチウム化合物を含む混合物を焼成し、続いて、ハロゲン化水素を実質的に含まない雰囲気中、800℃を超え1100℃以下で該混合物を焼成して得られる粉末である請求項1〜3のいずれかに記載の高誘電樹脂組成物。
- ハロゲン化水素が塩化水素である請求項4記載の高誘電樹脂組成物。
- 請求項6記載の高誘電樹脂溶液組成物を支持体上に流延し、溶媒を除去して得られることを特徴とする高誘電樹脂フィルム。
- 膜厚が10μm以下である請求項7記載の高誘電樹脂フィルム。
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