JP2020033544A - 積層体用液晶ポリエステル樹脂、液晶ポリエステル樹脂組成物、積層体および液晶ポリエステル樹脂フィルム - Google Patents
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Abstract
Description
(1)ゲル浸透クロマトグラフ/光散乱法により測定される絶対分子量の分子量分布において、全ピーク面積100%に対する絶対分子量10000以下の部分の面積分率が10〜40%であり、かつ絶対分子量50000以上の部分の面積分率が3〜20%である積層体用液晶ポリエステル樹脂。
(2)上記の液晶ポリエステル樹脂および溶媒を含有する液晶ポリエステル樹脂組成物であって、前記液晶ポリエステル樹脂100重量部に対し、前記溶媒を100〜10000重量部含有する液晶ポリエステル樹脂組成物。
(3)上記の液晶ポリエステル樹脂からなる液晶ポリエステル樹脂フィルム。
(4)支持体および樹脂層が積層された積層体であって、上記の液晶ポリエステル樹脂からなる樹脂層の少なくとも一方の面に、支持体が積層された積層体。
(5)上記の液晶ポリエステル樹脂組成物を、支持体上に塗布した後、溶媒を除去する、積層体の製造方法。
(6)上記の方法によって得られた積層体から、支持体を除去することにより液晶ポリエステル樹脂フィルムを得る、液晶ポリエステル樹脂フィルムの製造方法。
本発明の液晶ポリエステル樹脂は、異方性溶融相を形成するポリエステルである。このようなポリエステル樹脂としては、例えば、後述するオキシカルボニル単位、ジオキシ単位、ジカルボニル単位などから異方性溶融相を形成するよう選ばれた構造単位から構成されるポリエステルなどが挙げられる。
本発明で使用する液晶ポリエステル樹脂を製造する方法は、特に制限がなく、公知のポリエステルの重縮合法に準じて製造できる。具体的には、p−ヒドロキシ安息香酸に由来する構造単位、4,4’−ジヒドロキシビフェニルに由来する構造単位、テレフタル酸に由来する構造単位、およびエチレングリコールに由来する構造単位からなる液晶ポリエステル樹脂を例にすると、以下の方法が挙げられる。
本発明の液晶ポリエステル樹脂は、溶媒に対する溶解性に優れる点から、液晶ポリエステル樹脂および溶媒を含有する液晶ポリエステル樹脂組成物として種々の用途に用いることができる。液晶ポリエステル樹脂組成物は、液晶ポリエステル樹脂が溶け残っている状態、液晶ポリエステル樹脂が完全に溶解して液状となっている状態、および液晶ポリエステル樹脂が溶解した後に溶液が冷却されることにより固化した状態のいずれの状態であってもよい。
本発明の効果を損なわない範囲で、本発明の積層体用液晶ポリエステル樹脂、または液晶ポリエステル樹脂組成物に公知の充填材、添加剤等を含有させてもよい。
本発明の積層体用液晶ポリエステル樹脂や液晶ポリエステル樹脂組成物は、液晶ポリエステル樹脂フィルムや積層体を製造するための原料として用いることができる。
液晶ポリエステル樹脂の組成分析は、1H−核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR)測定により実施した。液晶ポリエステル樹脂をNMR試料管に50mg秤量し、溶媒(ペンタフルオロフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン−d2=65/35(重量比)混合溶媒)800μLに溶解して、UNITY INOVA500型NMR装置(バリアン社製)を用いて観測周波数500MHz、温度80℃で1H−NMR測定を実施した。7〜9.5ppm付近に観測される各構造単位に由来するピークの面積比から組成を分析した。
液晶ポリエステル樹脂の絶対分子量分布は、下記条件に示したゲル浸透クロマトグラフ(GPC)/LALLS法により測定し、絶対数平均分子量、絶対重量平均分子量、絶対分子量10000以下の部分の面積分率、および絶対分子量50000以上の部分の面積分率を求めた。
GPC装置:Waters製
検出器:示差屈折率検出器RI2410(Waters製)
カラム:Shodex K−806M(2本)、K−802(1本)(昭和電工製)
溶離液:ペンタフルオロフェノール/クロロホルム(35/65w/w%)
測定温度:23℃
流速:0.8mL/min
試料注入量:200μL (濃度:0.1%)。
装置:低角度レーザー光散乱光度計KMX−6(Chromatix製)
検出器波長:633nm(He−Ne)
検出器温度:23℃。
示差走査熱量計DSC−7(パーキンエルマー製)を用いて、液晶ポリエステル樹脂を室温から20℃/分の昇温条件で加熱した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm1)の観測後、Tm1+20℃の温度で5分間保持した。その後、20℃/分の降温条件で室温までいったん冷却し、再度20℃/分の昇温条件で加熱した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm2)を観測した。本発明においては、吸熱ピーク温度(Tm2)を融点(Tm)と記載する。
高化式フローテスターCFT−500D(オリフィス0.5φ×10mm)(島津製作所製)を用いて、Tm+10℃、せん断速度1000/sの条件で液晶ポリエステル樹脂の溶融粘度を測定した。
撹拌翼および留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸994重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル126重量部、テレフタル酸112重量部、固有粘度が約0.6dl/gのポリエチレンテレフタレート216重量部および無水酢酸960重量部(フェノール性水酸基合計の1.10当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら145℃で80分反応させた後、145℃から320℃まで4時間かけて昇温した。このとき、内温140〜145℃での反応時間は75分であった。その後、重合温度を320℃に保持し、1.0時間かけて1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に20分反応を続け、撹拌に要するトルクが20kg・cmに到達したところで重合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状に吐出し、カッターによりペレタイズして液晶ポリエステル樹脂(A−1)を得た。
撹拌翼および留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸994重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル126重量部、テレフタル酸112重量部、固有粘度が約0.6dl/gのポリエチレンテレフタレート216重量部および無水酢酸943重量部(フェノール性水酸基合計の1.08当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら145℃で80分反応させた後、145℃から320℃まで4時間かけて昇温した。このとき、内温140〜145℃での反応時間は75分であった。その後、重合温度を320℃に保持し、1.0時間かけて1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に30分反応を続け、撹拌に要するトルクが20kg・cmに到達したところで重合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状に吐出し、カッターによりペレタイズして液晶ポリエステル樹脂(A−2)を得た。
この液晶ポリエステル樹脂(A−2)について組成分析を行ったところ、p−ヒドロキシ安息香酸に由来する構造単位は66.7モル%、4,4’−ジヒドロキシビフェニルに由来する構造単位は6.3モル%、テレフタル酸に由来する構造単位は16.7モル%、エチレングリコールに由来する構造単位は10.4モル%であった。また、Tmは313℃、溶融粘度は13Pa・s、絶対数平均分子量は9500、絶対重量平均分子量は26500であった。
撹拌翼および留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸994重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル134重量部、テレフタル酸112重量部、固有粘度が約0.6dl/gのポリエチレンテレフタレート216重量部および無水酢酸960重量部(フェノール性水酸基合計の1.10当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら145℃で80分反応させた後、145℃から320℃まで4時間かけて昇温した。このとき、内温140〜145℃での反応時間は75分であった。その後、重合温度を320℃に保持し、1.0時間かけて1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に30分反応を続け、撹拌に要するトルクが20kg・cmに到達したところで重合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状に吐出し、カッターによりペレタイズして液晶ポリエステル樹脂(A−3)を得た。
撹拌翼および留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸976重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル126重量部、テレフタル酸112重量部、固有粘度が約0.6dl/gのポリエチレンテレフタレート242重量部および無水酢酸945重量部(フェノール性水酸基合計の1.10当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら145℃で75分反応させた後、145℃から310℃まで4時間かけて昇温した。このとき、内温140〜145℃での反応時間は70分であった。その後、重合温度を310℃に保持し、1.0時間かけて1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に20分反応を続け、撹拌に要するトルクが20kg・cmに到達したところで重合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズして液晶ポリエステル樹脂(A−4)を得た。
撹拌翼および留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸901重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル126重量部、テレフタル酸112重量部、固有粘度が約0.6dl/gのポリエチレンテレフタレート346重量部および無水酢酸884重量部(フェノール性水酸基合計の1.10当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら145℃で85分反応させた後、145℃から290℃まで4時間かけて昇温した。このとき、内温140〜145℃での反応時間は80分であった。その後、重合温度を290℃に保持し、1.0時間かけて1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に20分反応を続け、撹拌に要するトルクが20kg・cmに到達したところで重合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状に吐出し、カッターによりペレタイズして液晶ポリエステル樹脂(A−5)を得た。
撹拌翼および留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸528重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル126重量部、テレフタル酸112重量部、固有粘度が約0.6dl/gのポリエチレンテレフタレート865重量部および無水酢酸581重量部(フェノール性水酸基合計の1.10当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら145℃で90分反応させた後、145℃から290℃まで4時間かけて昇温した。このとき、内温140〜145℃での反応時間は85分であった。その後、重合温度を290℃に保持し、1.0時間かけて1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に30分反応を続け、撹拌に要するトルクが20kg・cmに到達したところで重合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状に吐出し、カッターによりペレタイズして液晶ポリエステル樹脂(A−6)を得た。
撹拌翼および留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸994重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル126重量部、テレフタル酸112重量部、固有粘度が約0.6dl/gのポリエチレンテレフタレート216重量部および無水酢酸960重量部(フェノール性水酸基合計の1.10当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら145℃で110分反応させた後、145℃から320℃まで4時間かけて昇温した。このとき、内温140〜145℃での反応時間は105分であった。その後、重合温度を320℃に保持し、1.0時間かけて1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に10分反応を続け、撹拌に要するトルクが20kg・cmに到達したところで重合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状に吐出し、カッターによりペレタイズして液晶ポリエステル樹脂(A−7)を得た。
撹拌翼および留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸994重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル126重量部、テレフタル酸112重量部、固有粘度が約0.6dl/gのポリエチレンテレフタレート216重量部および無水酢酸960重量部(フェノール性水酸基合計の1.10当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら145℃で50分反応させた後、145℃から320℃まで4時間かけて昇温した。このとき、内温140〜145℃での反応時間は43分であった。その後、重合温度を320℃に保持し、1.0時間かけて1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に60分反応を続け、撹拌に要するトルクが20kg・cmに到達したところで重合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状に吐出し、カッターによりペレタイズして液晶ポリエステル樹脂(A−8)を得た。
撹拌翼および留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸994重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル126重量部、テレフタル酸112重量部、固有粘度が約0.6dl/gのポリエチレンテレフタレート216重量部および無水酢酸960重量部(フェノール性水酸基合計の1.10当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら145℃で80分反応させた後、145℃から320℃まで4時間かけて昇温した。このとき、内温140〜145℃での反応時間は43分であった。その後、重合温度を320℃に保持し、1.0時間かけて1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に10分反応を続け、撹拌に要するトルクが10kg・cmに到達したところで重合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状に吐出し、カッターによりペレタイズして液晶ポリエステル樹脂(A−9)を得た。
撹拌翼および留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸994重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル126重量部、イソフタル酸112重量部、固有粘度が約0.6dl/gのポリエチレンテレフタレート216重量部および無水酢酸960重量部(フェノール性水酸基合計の1.10当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら145℃で80分反応させた後、145℃から320℃まで4時間かけて昇温した。このとき、内温140〜145℃での反応時間は75分であった。その後、重合温度を320℃に保持し、1.0時間かけて1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に20分反応を続け、撹拌に要するトルクが20kg・cmに到達したところで重合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状に吐出し、カッターによりペレタイズして液晶ポリエステル樹脂(A−10)を得た。
攪拌翼および留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸870重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル352重量部、ハイドロキノン89重量部、テレフタル酸292重量部、イソフタル酸157重量部および無水酢酸1314重量部(フェノール性水酸基合計の1.10当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら145℃で90分反応させた後、145℃から330℃までを4時間かけて昇温した。このとき、内温140〜145℃での反応時間は85分であった。その後、重合温度を330℃に保持し、1.0時間かけて1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に10分反応を続け、トルクが10kg・cmに到達したところで重縮合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状に吐出し、カッターによりペレタイズして液晶ポリエステル樹脂(A−11)を得た。
撹拌翼および留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸994重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル126重量部、テレフタル酸112重量部、固有粘度が約0.6dl/gのポリエチレンテレフタレート216重量部および無水酢酸960重量部(フェノール性水酸基合計の1.10当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら145℃で120分反応させた後、145℃から320℃まで4時間かけて昇温した。このとき、内温140〜145℃での反応時間は115分であった。その後、重合温度を320℃に保持し、1.0時間かけて1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に2分反応を続け、撹拌に要するトルクが20kg・cmに到達したところで重合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状に吐出し、カッターによりペレタイズして液晶ポリエステル樹脂(A−12)を得た。
撹拌翼および留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸994重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル126重量部、テレフタル酸112重量部、固有粘度が約0.6dl/gのポリエチレンテレフタレート216重量部および無水酢酸960重量部(フェノール性水酸基合計の1.10当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら145℃で120分反応させた後、145℃から320℃まで4時間かけて昇温した。このとき、内温140〜145℃での反応時間は115分であった。その後、重合温度を320℃に保持し、1.0時間かけて1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に15分反応を続け、撹拌に要するトルクが40kg・cmに到達したところで重合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状に吐出し、カッターによりペレタイズして液晶ポリエステル樹脂(A−13)を得た。
攪拌翼および留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸870重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル352重量部、ハイドロキノン89重量部、テレフタル酸292重量部、イソフタル酸157重量部および無水酢酸1314重量部(フェノール性水酸基合計の1.10当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら145℃で120分反応させた後、145℃から330℃までを4時間かけて昇温した。このとき、内温140〜145℃での反応時間は115分であった。その後、重合温度を330℃に保持し、1.0時間かけて1.0mmHg(133Pa)に減圧することを試みたが、1.0mmHgに到達する前にトルクが10kg・cmに到達し、重縮合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状に吐出し、カッターによりペレタイズして液晶ポリエステル樹脂(A−14)を得た。
撹拌翼および留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸218重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル126重量部、テレフタル酸112重量部、固有粘度が約0.6dl/gのポリエチレンテレフタレート1297重量部および無水酢酸328重量部(フェノール性水酸基合計の1.10当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら145℃で80分反応させた後、145℃から290℃まで4時間かけて昇温した。このとき、内温140〜145℃での反応時間は75分であった。その後、重合温度を290℃に保持し、1.0時間かけて1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に60分反応を続け、撹拌に要するトルクが20kg・cmに到達したところで重合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状に吐出し、カッターによりペレタイズしてポリエステル樹脂(A−15)を得たが、液晶性は観察されなかった。
得られた液晶ポリエステル樹脂(A−1)〜(A−14)、およびポリエステル樹脂(A−15)について、粗粉砕機で粉砕して粉末とし、得られた粉末100重量部に対し、(A−11)、(A−13)、(A−14)にはペンタフルオロフェノール2000重量部、それ以外の樹脂にはペンタフルオロフェノール1300重量部を加えた。130℃に加熱することで各液晶ポリエステル樹脂またはポリエステル樹脂を完全に溶解させた後、攪拌させて脱泡し、褐色透明な溶液を得た。得られた溶液を圧延銅箔(JX金属株式会社製、12μm厚)上にフィルムアプリケーターを用いてキャストし、ホットプレート上で80℃に加熱して溶媒を除去した後、各液晶ポリエステル樹脂またはポリエステル樹脂の融点−10℃で1時間熱処理を行い、銅張積層板を得た。続いて、得られた銅張積層板を幅10mmの帯状に切出し、各液晶ポリエステル樹脂またはポリエステル樹脂層を両面テープで固定し、JISC6481(1996)に準拠して、銅箔を各樹脂層に対して垂直となるように、50mm/分の速度で引き剥がす際のピール強度(kgf/cm)を測定した。ピール強度が大きいほど金属密着性に優れる。
上記(5)で得た銅張積層板について、塩化第二鉄溶液を用いて銅箔を除去し、20μm厚の液晶ポリエステル樹脂またはポリエステル樹脂フィルムを得た。フィルムをJISK6251(2010)に基づき平行部幅5mm、長さ20mmの引張試験3号ダンベルに切出し、JISK7161(2014)に準拠して、5mm/分の引張速度にて引張試験を行い、引張伸度(%)を求めた。引張伸度が高いほど、引張特性に優れる。
実施例1〜11および比較例1〜5で得られたペレットについて、上記の方法で各特性を測定した評価結果を表1に示す。
(1)ゲル浸透クロマトグラフ/光散乱法により測定される絶対分子量の分子量分布において、全ピーク面積100%に対する絶対分子量10000以下の部分の面積分率が12〜40%であり、かつ絶対分子量50000以上の部分の面積分率が3〜17%である積層体用液晶ポリエステル樹脂。
(2)上記の液晶ポリエステル樹脂および溶媒を含有する液晶ポリエステル樹脂組成物であって、前記液晶ポリエステル樹脂100重量部に対し、前記溶媒を100〜10000重量部含有する液晶ポリエステル樹脂組成物。
(3)上記の液晶ポリエステル樹脂からなる液晶ポリエステル樹脂フィルム。
(4)支持体および樹脂層が積層された積層体であって、上記の液晶ポリエステル樹脂からなる樹脂層の少なくとも一方の面に、支持体が積層された積層体。
(5)上記の液晶ポリエステル樹脂組成物を、支持体上に塗布した後、溶媒を除去する、積層体の製造方法。
(6)上記の方法によって得られた積層体から、支持体を除去することにより液晶ポリエステル樹脂フィルムを得る、液晶ポリエステル樹脂フィルムの製造方法。
Claims (10)
- ゲル浸透クロマトグラフ/光散乱法により測定される絶対分子量の分子量分布において、全ピーク面積100%に対する絶対分子量10000以下の部分の面積分率が10〜40%であり、かつ絶対分子量50000以上の部分の面積分率が3〜20%である積層体用液晶ポリエステル樹脂。
- 前記液晶ポリエステル樹脂は、液晶ポリエステル樹脂の全構造単位100モル%に対して、炭素数2〜4の脂肪族ジオールに由来する構造単位を3〜40モル%含む、請求項1に記載の液晶ポリエステル樹脂。
- 前記液晶ポリエステル樹脂は、液晶ポリエステル樹脂の全構造単位100モル%に対して、芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する構造単位を15〜80モル%、芳香族ジオールに由来する構造単位を3〜20モル%、芳香族ジカルボン酸に由来する構造単位を7〜40モル%含む、請求項1または2に記載の液晶ポリエステル樹脂。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の液晶ポリエステル樹脂および溶媒を含有する液晶ポリエステル樹脂組成物であって、前記液晶ポリエステル樹脂100重量部に対し、前記溶媒を100〜10000重量部含有する液晶ポリエステル樹脂組成物。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の液晶ポリエステル樹脂からなる液晶ポリエステル樹脂フィルム。
- 支持体および樹脂層が積層された積層体であって、請求項1〜3のいずれかに記載の液晶ポリエステル樹脂からなる樹脂層の少なくとも一方の面に、支持体が積層された積層体。
- 前記支持体が金属箔である、請求項6に記載の積層体。
- 請求項4に記載の液晶ポリエステル樹脂組成物を、支持体上に塗布した後、溶媒を除去する、積層体の製造方法。
- 前記支持体が金属箔である、請求項8に記載の積層体の製造方法。
- 請求項8または9に記載の方法によって得られた積層体から、支持体を除去することにより液晶ポリエステル樹脂フィルムを得る、液晶ポリエステル樹脂フィルムの製造方法。
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