JP2004244621A - 繊維強化基板 - Google Patents

繊維強化基板 Download PDF

Info

Publication number
JP2004244621A
JP2004244621A JP2004003917A JP2004003917A JP2004244621A JP 2004244621 A JP2004244621 A JP 2004244621A JP 2004003917 A JP2004003917 A JP 2004003917A JP 2004003917 A JP2004003917 A JP 2004003917A JP 2004244621 A JP2004244621 A JP 2004244621A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
solvent
crystal polyester
reinforced substrate
fiber reinforced
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004003917A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4954446B2 (ja
Inventor
Shiro Katagiri
史朗 片桐
Satoshi Okamoto
敏 岡本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP2004003917A priority Critical patent/JP4954446B2/ja
Publication of JP2004244621A publication Critical patent/JP2004244621A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4954446B2 publication Critical patent/JP4954446B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

【課題】 260℃以上の高温でハンダ付けする際、変形が少ない繊維強化基板を提供すること。
【解決手段】 下記溶媒100重量部および芳香族液晶ポリエステル0.5〜100重量部を含有してなる芳香族液晶ポリエステル溶液を、シート状繊維強化材に含浸せしめ、溶媒を除去して得られる繊維強化基板。
溶媒:下記一般式(I)で示されるハロゲン置換フェノール化合物を30重量%以上含有する溶媒。
Figure 2004244621

(式中、Aはハロゲン原子またはトリハロゲン化メチル基を表わし、iはAの個数であって1〜5の整数を表わし、iが2以上の場合に複数あるAは互いに同一でも異なっていてもよい。)
【選択図】 なし

Description

本発明は、繊維強化基板に関する。
近年、電子・電子機器分野において、耐熱性、低吸湿性、寸法安定性、高周波特性などの特性の優れた絶縁樹脂基材の開発が望まれている。
絶縁樹脂基材としては、従来からガラスクロス等のシート状繊維強化材にエポキシ樹脂を含浸させた繊維強化基材が知られている(特許文献1参照)。
しかしながら、近年のハンダ鉛フリー化に伴うハンダ付け温度の高温化(260℃以上)により、ガラスクロスにエポキシ樹脂を含浸させた繊維強化基材では耐熱性が不十分であり、260℃以上の高温でハンダ付けを行うと、エポキシ樹脂が熱劣化して繊維強化基材が変形するという問題があった(特許文献1参照)。
特開平5−8224号公報
本発明の目的は、260℃以上の高温でハンダ付けする際、変形が少ない繊維強化基板を提供することにある。
即ち本発明は、下記溶媒100重量部および芳香族液晶ポリエステル0.5〜100重量部を含有してなる芳香族液晶ポリエステル溶液を、シート状繊維強化材に含浸せしめ、溶媒を除去して得られる繊維強化基板にかかるものである。
溶媒:下記一般式(I)で示されるハロゲン置換フェノール化合物を30重量%以上含有する溶媒。
Figure 2004244621
(式中、Aはハロゲン原子またはトリハロゲン化メチル基を表わし、iはAの個数であって1〜5の整数を表わし、iが2以上の場合に複数あるAは互いに同一でも異なっていてもよい。)
本発明によれば、260℃以上の高温でハンダ付けする際、変形が少ない繊維強化基板を提供することが可能となる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の繊維強化基板は、芳香族液晶ポリエステル溶液をシート状繊維強化材に含浸せしめ、溶媒を除去して得られる。
本発明で使用される芳香族液晶ポリエステルは、サーモトロピック液晶ポリマーと呼ばれるポリエステルであり、450℃以下の温度で光学的に異方性を示す溶融体を形成するものである。
芳香族液晶ポリエステルとしては、例えば、
(1)芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸および芳香族ジオールの組み合わせを重合して得られるもの、
(2)異種の芳香族ヒドロキシカルボン酸を重合して得られるもの、
(3)芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオールとの組み合わせを重合して得られるもの、
(4)ポリエチレンテレフタレートなどの結晶性ポリエステルに芳香族ヒドロキシカルボン酸を反応させたもの
などが挙げられる。
なお、これらの芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸または芳香族ジオールの代わりに、それらのエステル形成性誘導体を使用してもよい。
カルボン酸のエステル形成性誘導体としては、例えば、カルボキシル基が、ポリエステル生成反応を促進するような、酸塩化物、酸無水物などの反応性が高い誘導体となっているもの、カルボキシル基が、エステル交換反応によりポリエステルを生成するようなアルコール類やエチレングリコールなどとエステルを形成しているものなどが挙げられる。
また、フェノール性水酸基のエステル形成性誘導体としては、例えば、エステル交換反応によりポリエステルを生成するように、フェノール性水酸基がカルボン酸類とエステルを形成しているものなどが挙げられる。
また、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸および芳香族ジオールは、エステル形成性を阻害しない程度であれば、塩素原子、フッ素原子などのハロゲン原子、メチル基、エチル基などのアルキル基、フェニル基などのアリール基などで置換されていてもよい。
該芳香族液晶ポリエステルの繰り返し構造単位としては、下記のものを例示することができるが、これらに限定されるものではない。
芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する繰り返し構造単位:
Figure 2004244621
上記の繰り返し構造単位は、ハロゲン原子またはアルキル基で置換されていてもよい。
芳香族ジカルボン酸に由来する繰り返し構造単位:
Figure 2004244621
上記の繰り返し構造単位は、ハロゲン原子、アルキル基またはアリール基で置換されていてもよい。
芳香族ジオールに由来する繰り返し構造単位:
Figure 2004244621
上記の繰り返し構造単位は、ハロゲン原子、アルキル基またはアリール基で置換されていてもよい。
なお、上記のアルキル基としては、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基またはブチル基がより好ましい。上記のアリール基としては、炭素数6〜20のアリール基が好ましく、フェニル基がより好ましい。
耐熱性、機械物性のバランスから芳香族液晶ポリエステルは、前記A式で表される繰り返し単位を少なくとも30モル%含むことが好ましい。
繰り返し構造単位の好ましい組み合わせとしては、例えば、下記(a)〜(f)が挙げられる。
(a):
前記繰り返し構造単位(A)、(B)および(C)の組み合わせ、
前記繰り返し構造単位(A)、(B)および(C)の組み合わせ、
前記繰り返し構造単位(A)、(B)、(B)および(C)の組み合わせ、または、
前記繰り返し構造単位(A)、(B)、(B)および(C)の組み合わせ。
(b):前記(a)の組み合わせのそれぞれにおいて、(C)の一部または全部を(C)に置換した組み合わせ。
(c):前記(a)の組み合わせのそれぞれにおいて、(C)の一部または全部を(C)に置換した組み合わせ。
(d):前記(a)の組み合わせのそれぞれにおいて、(C)の一部または全部を(C)に置換した組み合わせ。
(e):前記(a)の組み合わせのそれぞれにおいて、(C)の一部または全部を(C)と(C)の混合物に置換した組み合わせ。
(f):前記(a)の組み合わせのそれぞれにおいて、(A)の一部を(A2)に置換した組み合わせ。
該芳香族液晶ポリエステルとしては、耐熱性の観点から、p−ヒドロキシ安息香酸および2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸からなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物に由来する繰り返し構造単位30〜80mol%、ヒドロキノンおよび4,4’−ジヒドロキシビフェニルからなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物に由来する繰り返し構造単位10〜35mol%、テレフタル酸およびイソフタル酸からなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物に由来する繰り返し構造単位10〜35mol%からなることが好ましい。
また、芳香族液晶ポリエステルの重量平均分子量は、特に限定されないが、10000〜100000であることが好ましい。
本発明に用いられる芳香族液晶ポリエステルの製造方法は、特に限定されないが、例えば、芳香族ヒドロキシカルボン酸および芳香族ジオールからなる群から選ばれる少なくとも1種を過剰量の脂肪酸無水物によりアシル化してアシル化物を得、得られたアシル化物と、芳香族ヒドロキシカルボン酸および芳香族ジカルボン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種とをエステル交換(重縮合)することにより溶融重合する方法が挙げられる。アシル化物としては、予めアシル化して得た脂肪酸エステルを用いてもよい。
アシル化反応においては、脂肪酸無水物の添加量がフェノール性水酸基の1.0〜1.2倍当量であることが好ましく、より好ましくは1.05〜1.1倍当量である。脂肪酸無水物の添加量が少ないと、エステル交換(重縮合)時にアシル化物や芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸などが昇華し、反応系が閉塞し易い傾向があり、また、多すぎると、得られる芳香族液晶ポリエステルの着色が著しくなる傾向がある。
アシル化反応は、130〜180℃で5分間〜10時間反応させることが好ましく、140〜160℃で10分間〜3時間反応させることがより好ましい。
アシル化反応に使用される脂肪酸無水物は,特に限定されないが、例えば、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、無水イソ酪酸、無水吉草酸、無水ピバル酸、無水2エチルヘキサン酸、無水モノクロル酢酸、無水ジクロル酢酸、無水トリクロル酢酸、無水モノブロモ酢酸、無水ジブロモ酢酸、無水トリブロモ酢酸、無水モノフルオロ酢酸、無水ジフルオロ酢酸、無水トリフルオロ酢酸、無水グルタル酸、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水β−ブロモプロピオン酸などが挙げられ、これらは2種類以上を混合して用いてもよい。価格と取り扱い性の観点から、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、または無水イソ酪酸が好ましく用いられ、より好ましくは、無水酢酸が用いられる。
エステル交換においては、アシル化物のアシル基がカルボキシル基の0.8〜1.2倍当量であることが好ましい。
エステル交換は、130〜400℃で0.1〜50℃/分の割合で昇温しながら行なうことが好ましく、150〜350℃で0.3〜5℃/分の割合で昇温しながら行なうことがより好ましい。
アシル化して得た脂肪酸エステルとカルボン酸とをエステル交換させる際、平衡を移動させるため、副生する脂肪酸と未反応の脂肪酸無水物は、蒸発させるなどして系外へ留去することが好ましい。
なお、アシル化反応、エステル交換は、触媒の存在下に行なってもよい。該触媒としては、従来からポリエステルの重合用触媒として公知のものを使用することができ、例えば、酢酸マグネシウム、酢酸第一錫、テトラブチルチタネート、酢酸鉛、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、三酸化アンチモンなどの金属塩触媒、N,N−ジメチルアミノピリジン、N−メチルイミダゾールなどの有機化合物触媒などを挙げることができる。該触媒は、通常、モノマー類の投入時に投入され、アシル化後も除去することは必ずしも必要ではなく、該触媒を除去しない場合にはそのままエステル交換を行なうことができる。
エステル交換による重縮合は、通常、溶融重合により行なわれるが、溶融重合と固層重合とを併用してもよい。固相重合は、溶融重合工程からポリマーを抜き出し、その後、粉砕してパウダー状もしくはフレーク状にした後、公知の固相重合方法により行うことが好ましい。具体的には、例えば、窒素などの不活性雰囲気下、20〜350℃で、1〜30時間固相状態で熱処理する方法などが挙げられる。固相重合は、攪拌しながらでも、攪拌することなく静置した状態で行ってもよい。なお適当な攪拌機構を備えることにより溶融重合槽と固相重合槽とを同一の反応槽とすることもできる。固相重合後、得られた芳香族液晶ポリエステルは、公知の方法によりペレット化し、成形してもよい。
芳香族液晶ポリエステルの製造は、例えば、回分装置、連続装置等を用いて行うことができる。
本発明において芳香族液晶ポリエステル溶液を得るために用いられる溶媒は、下記一般式(I)で示されるハロゲン置換フェノール化合物を30重量%以上含有する溶媒であり、常温または加熱下に芳香族液晶ポリエステルを溶解する。該溶媒としては、該フェノール化合物を60重量%以上含有する溶媒であることが好ましく、実質的に100重量%の該フェノール化合物を溶媒として用いることが、他成分と混合する必要がないためさらに好ましい。
Figure 2004244621
式中、Aはハロゲン原子またはトリハロゲン化メチル基を表わし、iはAの個数であって1〜5の整数を表わす。iが2以上の場合、複数あるAは互いに同一でも異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
iは好ましくは1〜3であり、より好ましくは1または2である。iが1のときのAの置換位置は4位であることが好ましく、iが2以上のとき少なくとも一つのAの置換位置は4位であることが好ましい(水酸基の置換位置を1位とする)。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、よう素原子が挙げられ、フッ素原子、または塩素原子が好ましく、塩素原子が特に好ましい。
ハロゲン原子がフッ素原子である一般式(I)で示されるハロゲン置換フェノール化合物の例としては、ペンタフルオロフェノール、テトラフルオロフェノール等が挙げられる。
ハロゲン原子が塩素原子である一般式(I)で示されるハロゲン置換フェノール化合物の例としては、o−クロロフェノール、p−クロロフェノールが挙げられ、溶解性の観点からp−クロロフェノールが好ましい。
トリハロゲン化メチル基のハロゲンとしては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、よう素原子が挙げられる。
トリハロゲン化メチル基のハロゲンがフッ素原子である一般式(I)で示されるハロゲン置換フェノール化合物の例としては、3,5−ビストリフルオロメチルフェノールが挙げられる。
一般式(I)で示されるハロゲン置換フェノール化合物としては、価格と入手性の観点から、o−クロロフェノール、p−クロロフェノールなどの塩素置換フェノール化合物が好ましく使用され、溶解性の観点から、p−クロロフェノールがより好ましく使用される。
該溶媒中には、溶液の保存時または後述の流延時に芳香族液晶ポリエステルを析出させるものでなければ、該ハロゲン置換フェノール化合物以外に他の成分を含有していてもよい。
含有していてもよい他の成分は、特に限定されるものではないが、例えば、クロロホルム、塩化メチレン、テトラクロロエタン等の塩素系化合物などが挙げられる。
本発明で使用される芳香族液晶ポリエステル溶液は、前記溶媒100重量部に対して、芳香族液晶ポリエステルを0.5〜100重量部含有し、作業性あるいは経済性の観点から、1〜50重量部含有することが好ましく、3〜10重量部含有することがより好ましい。芳香族液晶ポリエステルの量が少ないと、生産効率が低下する傾向があり、多いと溶解が困難になる傾向がある。
本発明で使用される芳香族液晶ポリエステル溶液は、芳香族液晶ポリエステルを前記溶媒に溶解させることにより得ることができるが、該溶液は、必要に応じて、フィルターなどによってろ過して溶液中に含まれる微細な異物を除去することが好ましい。
また、該芳香族液晶ポリエステル溶液には、本発明の目的を損なわない範囲で、シリカ、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウムなどの無機フィラー、硬化エポキシ樹脂、架橋ベンゾグアナミン樹脂、架橋アクリルポリマーなどの有機フィラー、ポリアミド、ポリエステル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリフェニルエーテルおよびその変性物、ポリエーテルイミド等の熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、シアネート樹脂等の熱硬化性樹脂、シランカップリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの各種添加剤が一種または二種以上添加されていてもよい。
本発明で使用されるシート状繊維強化材としては、例えば、強化繊維からなる織物、編物、不織布などが挙げられる。
強化繊維としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、セラミックス繊維、ポリエステル繊維やアラミド繊維などの樹脂繊維が挙げられ、価格や耐熱性の面から、ガラス繊維が好ましく使用される。
ガラス繊維は、特に限定されないが、例えば、含アルカリガラス繊維、無アルカリガラス繊維、低誘電ガラスなどを使用することができる。
なお、強化繊維はアミノシラン系カップリング剤、エポキシシラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤などのカップリング処理剤等で表面処理されていてもよい。
シート状繊維強化材の厚さは、通常、5〜500μm程度である。
本発明の繊維強化基板は、前記芳香族液晶ポリエステル溶液を前記シート状繊維強化材に含浸させ、溶媒を除去させることで得られるが、その厚みは、通常、10〜1000μm程度である。
溶媒除去の方法は、特に限定されないが、溶媒の蒸発により行うことが好ましい。溶媒を蒸発させる方法としては、加熱、減圧、通風などの方法が挙げられる。
得られた繊維強化基板には、必要に応じて、熱処理を行ってもよい。
得られた繊維強化基板は、単独で使用してもよいが、他のシートや膜などを積層して用いてもよい。
積層の方法は、特に限定されないが、得られた繊維強化基板に他のシートやフィルム(膜)などを接着剤により接着させる方法、熱プレスにより熱融着させる方法などが挙げられる。
ここで、積層される他のシートやフィルム(膜)としては、例えば、金属膜、樹脂製フィルムなどが挙げられる。
本発明の繊維強化基板は、該繊維強化基板の片面または両面に導電層を有することが好ましい。導電層の形成方法は、前述のように金属膜を積層させる方法、金属粉を繊維強化基板上にコートして導電層を形成させる方法等が一般的である。本発明の繊維強化基板は、該繊維強化基板の少なくとも片面に金属膜を積層せしめてなるものがより好ましい。
金属膜や金属粉の金属としては、銅、アルミ、銀等が挙げられるが、導電性やコストの観点から、銅が好ましく使用される。
金属膜の積層方法は、接着剤を用いて金属膜とガラス繊維強化基板とを接着する方法、熱プレスにより熱融着させる方法が一般的である。また、金属粉のコート方法としては、めっき法、スクリーン印刷法、スパッタリング法などが利用できる。
片面または両面に導電層を有する繊維強化基板は、プリント配線基材として使用することができる。
得られたプリント配線基材上には、導電層を保護する目的でカバーフィルムを更に積層してもよい。
本発明の繊維強化基板は、耐熱性が高いという特徴の他に、芳香族液晶ポリエステル由来の低吸湿性などの優れた特性を生かして、携帯電話、半導体パッケージ、マザーボード用等の多層プリント基板、フレキシブルプリント配線板、リジットプリント配線板などのプリント配線板に好適に使用される。
以下、本発明を実施例を用いて説明するが、本発明が実施例により限定されるものでないことは言うまでもない。
実施例1
攪拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計および還流冷却器を備えた反応器に、p−ヒドロキシ安息香酸 141g(1.02モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル 63.3g(0.34モル)、イソフタル酸 56.5g(0.34モル)および無水酢酸 191g(1.87モル)を仕込んだ。反応器内を十分に窒素ガスで置換した後、窒素ガス気流下で15分かけて150℃まで昇温し、温度を保持して3時間還流させた。
その後、留出する副生酢酸および未反応の無水酢酸を留去しながら170分かけて320℃まで昇温し、トルクの上昇が認められる時点を反応終了とみなし、内容物を取り出した。得られた固形分は室温まで冷却し、粗粉砕機で粉砕後、窒素雰囲気下250℃で3時間保持し、固層で重合反応を進めた。得られた粉末は350℃で偏向顕微鏡により液晶相に特有のシュリーレン模様が観察された。
得られた芳香族液晶ポリエステル粉末 0.4gを、100kg荷重下、250℃で10分間、島津製作所(株)製フローテスタCFT−500を用いて圧縮成形し、厚さ3mmの円盤状の試験片を得た。この試験片を用いて、東洋製作所製の恒温恒湿機ADVANTEC AGX型により85℃/85%RH・168時間における吸水率を測定した結果、吸水率は0.1%以下であることを確認した。
上記工程により得られた芳香族液晶ポリエステル粉末 0.5gをp−クロロフェノール 9.5gに加え、120℃に加熱した結果、完全に溶解した溶液が得られた。この溶液をシート状繊維強化材であるガラスクロス(⇒旭ファイバーグラス製 MS100 厚み110μm)に含浸させ、ホットプレートにより設定温度100℃、1時間加熱して溶媒を蒸発させた。更にその後、熱風式乾燥機により300℃、1時間熱処理を行い、厚み100μmの芳香族液晶ポリエステル樹脂含浸シートを得た。得られた芳香族液晶ポリエステル樹脂含浸シートを一層単独で繊維強化基板として使用し、はんだ温度280℃のはんだ浴に1分間浸漬させ表面状態を観察した。該繊維強化基板は変形や膨れも見られなかった。
比較例1
エポキシ樹脂をガラスクロスに含浸させたもの(FR−4、日立化成製)をはんだ温度280℃のはんだ浴に1分間浸漬させ表面状態を観察した。FR−4は一部が熱劣化しており基板自体の変形も見られた。

Claims (3)

  1. 下記溶媒100重量部および芳香族液晶ポリエステル0.5〜100重量部を含有してなる芳香族液晶ポリエステル溶液を、シート状繊維強化材に含浸せしめ、溶媒を除去して得られる繊維強化基板。
    溶媒:下記一般式(I)で示されるハロゲン置換フェノール化合物を30重量%以上含有する溶媒。
    Figure 2004244621
    (式中、Aはハロゲン原子またはトリハロゲン化メチル基を表わし、iはAの個数であって1〜5の整数を表わし、iが2以上の場合に複数あるAは互いに同一でも異なっていてもよい。)
  2. さらに、少なくとも片面に導電層を有する請求項1記載の繊維強化基板。
  3. プリント配線基板用である請求項2記載の繊維強化基板。
JP2004003917A 2003-01-20 2004-01-09 繊維強化基板 Expired - Fee Related JP4954446B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004003917A JP4954446B2 (ja) 2003-01-20 2004-01-09 繊維強化基板

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003011087 2003-01-20
JP2003011087 2003-01-20
JP2004003917A JP4954446B2 (ja) 2003-01-20 2004-01-09 繊維強化基板

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004244621A true JP2004244621A (ja) 2004-09-02
JP4954446B2 JP4954446B2 (ja) 2012-06-13

Family

ID=33031908

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004003917A Expired - Fee Related JP4954446B2 (ja) 2003-01-20 2004-01-09 繊維強化基板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4954446B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006278647A (ja) * 2005-03-29 2006-10-12 Mitsubishi Paper Mills Ltd 回路基板用樹脂含浸基材
US7211527B2 (en) 2004-01-08 2007-05-01 Sumitomo Chemical Company, Limited Resin-impregnated substrate
JP2007146139A (ja) * 2005-10-26 2007-06-14 Sumitomo Chemical Co Ltd 樹脂含浸基材およびその製造方法
JP2010080479A (ja) * 2008-09-24 2010-04-08 Sumitomo Chemical Co Ltd プリント配線板用コア基板
JP2010080480A (ja) * 2008-09-24 2010-04-08 Sumitomo Chemical Co Ltd 多層プリント配線板
JP2010103339A (ja) * 2008-10-24 2010-05-06 Sumitomo Chemical Co Ltd 高周波回路基板
JP2011190383A (ja) * 2010-03-16 2011-09-29 Sumitomo Chemical Co Ltd 液晶ポリエステル含浸繊維シートの製造方法
JP2011190382A (ja) * 2010-03-16 2011-09-29 Sumitomo Chemical Co Ltd 液晶ポリエステル含浸繊維シートの製造方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02189997A (ja) * 1989-01-18 1990-07-25 Mitsubishi Electric Corp 多層プリント配線板
JPH0423386A (ja) * 1990-05-14 1992-01-27 Mitsubishi Electric Corp プリント配線板
JP2002114894A (ja) * 2000-07-31 2002-04-16 Sumitomo Chem Co Ltd 芳香族液晶ポリエステル溶液組成物およびフィルムの製造方法
JP2002326312A (ja) * 2001-04-27 2002-11-12 Sumitomo Chem Co Ltd 芳香族液晶ポリエステルフィルムと金属箔との積層体及びそれを用いたプリント配線板
JP2002329422A (ja) * 2001-04-27 2002-11-15 Sumitomo Chem Co Ltd 絶縁性樹脂溶液組成物、それを用いた多層プリント配線板

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02189997A (ja) * 1989-01-18 1990-07-25 Mitsubishi Electric Corp 多層プリント配線板
JPH0423386A (ja) * 1990-05-14 1992-01-27 Mitsubishi Electric Corp プリント配線板
JP2002114894A (ja) * 2000-07-31 2002-04-16 Sumitomo Chem Co Ltd 芳香族液晶ポリエステル溶液組成物およびフィルムの製造方法
JP2002326312A (ja) * 2001-04-27 2002-11-12 Sumitomo Chem Co Ltd 芳香族液晶ポリエステルフィルムと金属箔との積層体及びそれを用いたプリント配線板
JP2002329422A (ja) * 2001-04-27 2002-11-15 Sumitomo Chem Co Ltd 絶縁性樹脂溶液組成物、それを用いた多層プリント配線板

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7211527B2 (en) 2004-01-08 2007-05-01 Sumitomo Chemical Company, Limited Resin-impregnated substrate
KR101102289B1 (ko) * 2004-01-08 2012-01-03 스미또모 가가꾸 가부시끼가이샤 수지-함침 기재
JP2006278647A (ja) * 2005-03-29 2006-10-12 Mitsubishi Paper Mills Ltd 回路基板用樹脂含浸基材
JP2007146139A (ja) * 2005-10-26 2007-06-14 Sumitomo Chemical Co Ltd 樹脂含浸基材およびその製造方法
JP2010080479A (ja) * 2008-09-24 2010-04-08 Sumitomo Chemical Co Ltd プリント配線板用コア基板
JP2010080480A (ja) * 2008-09-24 2010-04-08 Sumitomo Chemical Co Ltd 多層プリント配線板
JP2010103339A (ja) * 2008-10-24 2010-05-06 Sumitomo Chemical Co Ltd 高周波回路基板
JP2011190383A (ja) * 2010-03-16 2011-09-29 Sumitomo Chemical Co Ltd 液晶ポリエステル含浸繊維シートの製造方法
JP2011190382A (ja) * 2010-03-16 2011-09-29 Sumitomo Chemical Co Ltd 液晶ポリエステル含浸繊維シートの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4954446B2 (ja) 2012-06-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4665475B2 (ja) 芳香族液晶ポリエステルフィルム
JP5055951B2 (ja) 樹脂含浸基材およびその製造方法
KR101102289B1 (ko) 수지-함침 기재
JP4946065B2 (ja) 液晶ポリエステル及びそれを用いたフィルム
US7022413B2 (en) Aromatic liquid crystalline polyester film
JP4760643B2 (ja) 両面基材付芳香族液晶ポリエステルフィルム
JP2004189867A (ja) 芳香族液晶ポリエステル溶液組成物
JP4954446B2 (ja) 繊維強化基板
JP2002326312A (ja) 芳香族液晶ポリエステルフィルムと金属箔との積層体及びそれを用いたプリント配線板
JP2002114894A (ja) 芳香族液晶ポリエステル溶液組成物およびフィルムの製造方法
JP4912603B2 (ja) 回路基板用樹脂含浸基材の製造方法
JP2004285301A (ja) 芳香族液晶ポリエステル溶液組成物
JP4442137B2 (ja) 芳香族液晶ポリエステル積層フィルム
JP4529480B2 (ja) 芳香族液晶ポリエステル溶液組成物
JP4935144B2 (ja) 支持体付芳香族液晶ポリエステルフィルム
JP2004250688A (ja) 芳香族液晶ポリエステルフィルム
JP4414262B2 (ja) 液晶ポリエステル溶液およびその製造方法ならびにそれより得られる液晶ポリエステルフィルム
JP2005097591A (ja) 芳香族液晶性ポリエステルフィルム
JP4375005B2 (ja) 芳香族液晶ポリエステルフィルムの製造方法
JP4649867B2 (ja) 芳香族液晶ポリエステル積層フィルムおよびその用途
JP4759915B2 (ja) 芳香族液晶ポリエステル積層フィルム
JP2004250687A (ja) 高誘電樹脂組成物、高誘電樹脂フィルムおよびコンデンサー
JP2004269874A (ja) 芳香族液晶ポリエステル溶液組成物
JP2006176564A (ja) 芳香族液晶ポリエステル液状組成物
JP2006188570A (ja) 芳香族液晶ポリエステル液状組成物およびそれから得られるフィルム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061108

RD05 Notification of revocation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425

Effective date: 20080130

RD05 Notification of revocation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425

Effective date: 20080513

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090220

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090310

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090508

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090602

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090901

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20091020

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20100402

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120314

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150323

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees