JP2002326312A - 芳香族液晶ポリエステルフィルムと金属箔との積層体及びそれを用いたプリント配線板 - Google Patents

芳香族液晶ポリエステルフィルムと金属箔との積層体及びそれを用いたプリント配線板

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JP2002326312A
JP2002326312A JP2001132008A JP2001132008A JP2002326312A JP 2002326312 A JP2002326312 A JP 2002326312A JP 2001132008 A JP2001132008 A JP 2001132008A JP 2001132008 A JP2001132008 A JP 2001132008A JP 2002326312 A JP2002326312 A JP 2002326312A
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Satoshi Okamoto
敏 岡本
Manabu Hirakawa
学 平川
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】優れた電気特性を維持しながら、異方性が小さ
いため加工性に優れ、かつ柔軟性にも優れた積層体、お
よびそれを用いたプリント配線板を提供する。 【解決手段】芳香族液晶ポリエステルを有機溶剤に溶解
し、流延した後、該溶剤を除去することにより得られる
フィルムと金属箔とを積層してなることを特徴とする積
層体。芳香族液晶ポリエステルを有機溶剤に溶解し、流
延した後、該溶剤を除去することにより得られるフィル
ムと金属箔とを積層してなる積層体を用いてなることを
特徴とするプリント配線板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、芳香族液晶ポリエ
ステルフィルムと金属箔との積層体、およびそれを用い
たプリント配線板に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、市場における電気・電子部品の軽
量・小型化の要求に伴い、樹脂フィルムと金属箔との積
層体からなるフレキシブルプリント配線板に対する需要
が増大している。フレキシブルプリント配線板には、一
般的にはポリイミド樹脂が使用されているが、吸水性を
有するという問題があった。
【0003】そこで、吸水性が低く、優れた電気特性を
有する芳香族液晶ポリエステルと金属箔との積層体の開
発が行なわれている。例えば、特開昭61−13004
1号公報、特開平2−252738号公報、特開平3−
183185号公報、特開平5−42603号公報に
は、押し出し法により製造された液晶高分子フィルムと
金属箔とを加熱圧着してプリント基板積層体を得る方法
が開示されている。しかしながら、押し出し法により製
造された液晶高分子フィルムは、異方性が大きいために
成膜加工性が悪く、フィルムの変形が生じるという問題
があり、また柔軟性が低いという問題もあり、フレキシ
ブルプリント配線板として用いた場合、性能はなお十分
なものとは言えなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、優れ
た電気特性を維持しながら、異方性が小さいため加工性
に優れ、かつ柔軟性にも優れた積層体、およびそれを用
いたプリント配線板を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
ような問題がない積層体を見出すべく鋭意検討を行った
結果、流延法により得られた液晶高分子フィルムと金属
箔との積層体が、優れた電気特性を維持しながら、異方
性が小さいため加工性に優れ、かつ柔軟性にも優れてい
ることを見出し、本発明を完成させるに至った。即ち、
本発明は、芳香族液晶ポリエステルを有機溶剤に溶解
し、流延した後、該溶剤を除去することにより得られる
フィルムと金属箔とを積層してなることを特徴とする積
層体を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において用いられる液晶ポリエステルは、サーモ
トロピック液晶ポリマーと呼ばれるポリエステルであ
り、例えば、(1)芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオー
ルおよび芳香族ヒドロキシカルボン酸との組み合わせか
らなるもの、(2)異種の芳香族ヒドロキシカルボン酸
からなるもの、(3)芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオ
ールとの組み合わせからなるもの、(4)ポリエチレン
テレフタレートなどのポリエステルに芳香族ヒドロキシ
カルボン酸を反応させたもの、などが挙げられ、400
℃以下の温度で異方性溶融体を形成するものである。な
お、これらの芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオール及び
芳香族ヒドロキシカルボン酸の代わりに、それらのエス
テル形成性誘導体が使用してもよい。
【0007】カルボン酸のエステル形成性誘導体として
は、例えば、カルボキシル基が、酸塩化物、酸無水物な
どの反応活性が高く、ポリエステルを生成する反応を促
進するような誘導体となっているもの、カルボキシル基
が、アルコール類やエチレングリコールなどとエステル
を形成しており、エステル交換反応によりポリエステル
を生成するような誘導体となっているものが挙げられ
る。またフェノール性水酸基のエステル形成性誘導体と
しては、例えば、フェノール性水酸基が、カルボン酸類
とのエステルを形成しており、エステル交換反応により
ポリエステルを生成するような誘導体となっているもの
が挙げられる。
【0008】また、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオー
ルおよび芳香族ヒドロキシカルボン酸は、エステル形成
性を阻害しない限りにおいて、ハロゲン原子、メチル
基、エチル基、アリル基などで置換されていてもよい。
【0009】該液晶ポリエステルの繰り返し構造単位と
しては、下記のものを例示することができるが、これら
に限定されるものではない。
【0010】芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する繰
り返し構造単位: (式中、X1はハロゲン原子またはアルキル基を表
す。)
【0011】芳香族ジカルボン酸に由来する繰り返し構
造単位: (式中、X2はハロゲン原子、アルキル基またはアリール
基を表す。)
【0012】芳香族ジオールに由来する繰り返し構造単
位: (式中X3は、ハロゲン原子、アルキル基またはアリール
基を表す、X4は、水素原子、ハロゲン原子またはアルキ
ル基を表す。) なお上記のX1〜X4において、アルキル基としては炭素数
1〜10のアルキル基が好ましく、アリール基としては
炭素数6〜20のアリール基が好ましい。
【0013】耐熱性、機械物性のバランスから芳香族液
晶ポリエステルは、前記A1式で表される繰り返し単位を
少なくとも30モル%含むことが好ましい。具体的には
繰り返し構造単位の組み合わせとしては、例えば、下記
(a)〜(f)が挙げられる。 (a):(A1)、(B2)、(C3)、または、
(A1)、(B1)と(B2)の混合物、(C3) (b):(a)の構造単位の組み合わせのものにおい
て、(C3)の一部または全部を(C1)に置き換えたも
の。 (c):(a)の構造単位の組み合わせのものにおい
て、(C3)の一部または全部を(C2)に置き換えたも
の。 (d):(a)の構造単位の組み合わせのものにおい
て、(C3)の一部または全部を(C4)に置き換えたも
の。 (e):(a)の構造単位の組み合わせのものにおい
て、(C3)の一部または全部を(C4)と(C5)の混
合物に置き換えたもの。 (f):(a)の構造単位の組み合わせのものにおい
て、(A1)の一部を(A2)に置き換えたもの。
【0014】本発明に用いる芳香族ポリエステルは、液
晶性発現の観点から、p―ヒドロキシ安息香酸に由来す
る繰り返し構造単位30〜80mol%、ヒドロキノン、レゾル
シノール、4,4‘―ジヒドロキシビフェニル、ビスフ
ェノールAおよびビスフェノールSからなる群から選ば
れた少なくとも一種の化合物に由来する繰り返し構造単
位10〜35mol%、テレフタル酸、イソフタル酸およびナフ
タレンジカルボン酸からなる群から選ばれた少なくとも
一種の化合物に由来する繰り返し構造単位10〜35mol%か
らなることが好ましい。
【0015】また、本発明に用いる芳香族ポリエステル
は、耐熱性の観点から、p―ヒドロキシ安息香酸に由来
する繰り返し構造単位30〜80mol%、ヒドロキノンおよび
4,4‘―ジヒドロキシビフェニルからなる群から選ば
れた少なくとも一種の化合物に由来する繰り返し構造単
位10〜35mol%、テレフタル酸およびイソフタル酸からな
る群から選ばれた少なくとも一種の化合物に由来する繰
り返し構造単位10〜35mol%からなることがより好まし
い。
【0016】本発明に使用される液晶ポリエステルの製
造方法としては、公知の方法を採用することができ、例
えば、特公昭47−47870号公報、特公昭63−3
888号公報に記載の方法などが挙げられる。
【0017】芳香族液晶ポリエステルの溶解に使用され
る有機溶剤としては、芳香族液晶ポリエステルを溶解で
きるものであれば特に限定されないが、下記一般式
(I)で表されるフェノール化合物を30重量%以上含
む有機溶剤が、常温または加熱下に芳香族液晶ポリエス
テルを溶解できるため好ましく、該フェノール化合物を
60重量%以上含む有機溶剤がより好ましく、実質的に
100重量%の該フェノール化合物を有機溶剤として用
いることが、他成分と混合する必要がないためさらに好
ましい。 ・・・・・・・・(I)
【0018】また、芳香族液晶ポリエステルを比較的低
温で溶解できることから、下記一般式(II)で表される
フェノール化合物を30重量%以上含む有機溶剤が好ま
しく、該フェノール化合物を60重量%以上含む有機溶
剤がより好ましく、実質的に100重量%の該フェノー
ル化合物を有機溶剤として用いることが、他成分と混合
する必要がないためさらに好ましい。 ・・・・・・・・(II)
【0019】ここで、一般式(I)中、Aはハロゲン原子
またはトリハロゲン化メチル基を示し、iは1〜5の整
数値を表す。iが2以上の場合、複数あるAは互いに同
一でも異なっていてもよいが、同一であることが好まし
い。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭
素原子、よう素原子が挙げられ、フッ素原子、塩素原子
が好ましい。ハロゲン原子がフッ素原子である一般式
(I)の例としては、ペンタフルオロフェノール、テト
ラフルオロフェノール等が挙げられる。ハロゲン原子が
塩素原子である一般式(I)の例としては、o−クロロ
フェノール、p−クロロフェノールなどが挙げられ、溶
解性の観点からp−クロロフェノールが好ましい。トリ
ハロゲン化メチル基のハロゲンとしては、フッ素原子、
塩素原子、臭素原子、よう素原子が挙げられる。トリハ
ロゲン化メチル基のハロゲンがフッ素原子である一般式
(I)の例としては、3,5−ビストリフルオロメチル
フェノールが挙げられる。
【0020】p−クロロフェノールは、さらに置換基を
有していてもよく、上記一般式(II)で表されるフェノ
ール化合物が、価格と入手性の観点から好ましい。該フ
ェノール化合物以外に有機溶剤に含まれる成分として
は、溶液の保存時または後述の流延時に芳香族液晶ポリ
エステルを析出させるものでなければ特に限定されない
が、クロロホルム、塩化メチレン、テトラクロロエタン
等の塩素化合物との混合物が、価格と入手性の観点から
好ましい。
【0021】芳香族ポリエステルの添加量は、フェノー
ル化合物を30重量%以上含有する有機溶剤100重量
部に対して、0.5〜100重量部が好ましく、作業性
あるいは経済性の観点から1〜50重量部がより好まし
く、3〜10重量部がさらに好ましい。0.5重量部未
満であると生産効率が低下する傾向があり、100重量
部を超えると溶解が困難になる傾向がある。
【0022】本発明の積層体は、例えば、次のような方
法により製造することができる。 (1)芳香族ポリエステルを有機溶剤に溶解して芳香族
ポリエステル溶液を得、これを必要に応じてフィルター
によってろ過し、溶液中に含まれる微細な異物を除去し
た後、該溶液を金属箔上に、例えば、ローラーコート
法、ディップコート法、スプレイコート法、スピナーコ
ート法、カーテンコート法、スロットコート法、スクリ
ーン印刷法等の各種手段により表面平坦かつ均一に流延
し、その後溶媒を除去して得られる芳香族ポリエステル
フィルムと金属箔との積層する方法。 (2)上記(1)と同様にして得た芳香族ポリエステル
フィルムを加熱圧着により金属箔に貼付する方法。 (3)上記(1)と同様にして得た芳香族ポリエステル
フィルムと金属箔とを接着剤により貼付する方法。
【0023】芳香族ポリエステル溶液には、本発明の目
的を損なわない範囲で、公知のフィラー、樹脂などを添
加してもよい。該フィラーとしては、例えば、硬化エポ
キシ樹脂粉末、メラミン樹脂粉末、尿素樹脂粉末、ベン
ゾグアナミン樹脂粉末、ポリエステル樹脂粉末などの有
機系フィラー、シリカ、アルミナ、酸化チタン、炭酸カ
ルシウムなどの無機系フィラーなどを挙げることができ
る。中でも電気特性、入手性の点からシリカが好まし
い。
【0024】また、該フィラーは、0.1以上10μm以下
の平均粒径を有することが好ましく、0.1μm未満であ
るとフィラー同士が凝集しやすくなり、樹脂溶液(ワニ
ス)の粘度が上昇し取り扱い難くなるため、作業性が低
下する傾向があり、10μmを超えると得られるフィルム
の平面平滑性が損なわれる傾向がある。
【0025】芳香族液晶ポリエステル溶液に添加される
樹脂としては、例えば、ポリアミド、ポリエステル、ポ
リフェニレンスルフィド、ポリエーテルケトン、ポリカ
ーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリフェニルエー
テル及びその変性物、ポリエーテルイミドなどの熱可塑
性樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹
脂、シアネート樹脂などの熱硬化性樹脂が挙げられ、こ
れらのうち少なくとも一種を添加してもよい。
【0026】芳香族液晶ポリエステル溶液を流延する方
法としては、特に限定されないが、ローラーコート法、
ディップコート法、スプレイコート法、スピナーコート
法、カーテンコート法、スロットコート法、スクリーン
印刷法などが挙げられる。
【0027】有機溶剤を除去する方法は、特に限定され
ないが、有機溶剤を蒸発させることにより行うことが好
ましい。有機溶剤を蒸発させる方法としては、加熱、減
圧、通風などの方法が挙げられる。中でも生産効率、取
り扱い性の点から加熱して蒸発することが好ましく、通
風しつつ加熱して蒸発させることがより好ましい。具体
的には、80ないし100℃で30分ないし2時間予備
乾燥を行い、180ないし300℃で30分ないし4時
間熱処理を行うことが好ましい。
【0028】得られた芳香族ポリエステルフィルムは、
必要に応じて表面処理を施してもよい。表面処理の方法
としては、例えば、コロナ放電処理、火炎処理、スパッ
タリング処理、溶剤処理、UV処理、プラズマ処理等が
挙げられる。
【0029】このようにして得られた芳香族ポリエステ
ルフィルムは、例えば、上記した(1)から(3)の方
法により金属箔と積層される。
【0030】(1)の積層方法では、芳香族ポリエステ
ル溶液をローラーコート法、ディップコート法、スプレ
イコート法、スピナーコート法、カーテンコート法、ス
ロットコート法、スクリーン印刷法等の各種手段により
流延し、その後乾燥するなどして溶剤を除去することに
より、容易に均一な膜厚でかつ金属箔との密着性が得ら
れるため好ましい。
【0031】(2)の積層方法では、芳香族ポリエステ
ルフィルムを、該フィルムの流動開始温度付近でプレス
機または加熱ロールを用いて金属箔と容易に圧着できる
ため好ましい。
【0032】(3)の積層方法においては、使用される
接着剤は特に限定されないが、ホットメルト接着剤、ポ
リウレタン接着剤などを例示することができる。中でも
エポキシ基含有エチレン共重合体などが接着剤として好
ましく使用される。
【0033】本発明で使用される金属箔としては、例え
ば、金箔、銀箔、銅箔、ニッケル箔、アルミニウム箔な
どが挙げられるが、好ましくは銅箔が挙げられる。使用
される金属箔の厚さは、1〜1000μmが好ましく、3〜1
00μmがより好ましい。
【0034】本発明の積層体は、芳香族液晶ポリエステ
ルフィルムと金属箔との二層以上の積層体であり、例え
ば、該芳香族液晶ポリエステルフィルムと金属箔とのニ
層構造、該芳香族液晶ポリエステルフィルム両面に金属
箔を積層させた三層構造、または該芳香族液晶ポリエス
テルフィルムと金属箔を交互に積層させた五層構造など
が挙げられる。
【0035】このようにして得られた積層体の厚みは、
5〜500μm程度が好ましく、特に高い絶縁性が要求され
る場合には、500μm以上の厚みであってもよい。ま
た、本発明の積層体には、高強度発現の目的で、必要に
応じて、熱処理を行なってもよい。本発明の積層体は、
プリント配線基板などに好適に使用される。
【0036】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明が実施例により限定されるものでないことは言うま
でもない。
【0037】合成例1 攪拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計及び
還流冷却器を備えた反応器に、p―ヒドロキシ安息香酸
141g(1.02モル)、4,4’−ジヒドロキシ
ビフェニル 63.3g(0.34モル)、イソフタル
酸 56.5g(0.34モル)及び無水酢酸 191g
(1.87モル)、を仕込んだ。反応器内を十分に窒素
ガスで置換した後、窒素ガス気流下で15分かけて15
0℃まで昇温し、温度を保持して3時間還流させた。そ
の後、留出する副生酢酸及び未反応の無水酢酸を留去し
ながら170分かけて320℃まで昇温し、トルクの上
昇が認められる時点を反応終了とみなし、内容物を取り
出した。得られた固形分は室温まで冷却し、粗粉砕機で
粉砕後、窒素雰囲気下270℃で10時間保持し、固層
で重合反応を行い、芳香族液晶ポリエステル粉末を得
た。
【0038】実施例1 合成例1により得られた芳香族液晶ポリエステル粉末1
gをp―クロロフェノール9gに加え、120℃に加熱
した結果、完全に溶解し透明な溶液が得られることを確
認した。この溶液を攪拌及び脱泡し、芳香族液晶ポリエ
ステル溶液を得た。
【0039】芳香族液晶ポリエステル溶液をガラス基板
上に流延し、通風オーブン中100℃で1時間溶媒を蒸
発させた後、さらに250℃で1時間熱処理した結果、
厚さ30μmのフィルムを得た。簡易分子配向計(王子
測定機器製MOA−5012)により、配向パターンを
測定し、縦方向(分子の流れ方向)配向(MD)と横方
配向(TD)の比を測定した。結果を表1に示す。
【0040】また、得られたフィルムを島津製作所製オ
ートグラフAG5000Dにより、JIS C2318に準じ
て、引張り強度、伸び、弾性率を測定した。結果を表1
に示す。
【0041】さらに、得られたフィルムをヒュレーット
パッカード製インピーダンス・マテリアルアナライザー
を用いて1MHzおよび1GHzの誘電率及び誘電正接
を測定した。結果を表1に示す。
【0042】芳香族液晶ポリエステル溶液を18μm圧
延銅箔上に流延し、通風オーブン中100℃で1時間溶
媒を蒸発させた後、さらに250℃で1時間熱処理した
結果、厚さ30μmのフィルムと18μm銅箔の積層体
を得た。得られた積層体をハンダ浴に所定温度で所定時
間浸漬し、ハンダ耐熱性を測定した。結果を表1に示
す。
【0043】比較例1 芳香族液晶ポリエステルフィルムとして、特開平9-2869
07の実施例1に記載の方法に準じて作製したインフレー
ション成形フィルム25μmを用い、実施例1と同様の方
法で分子配向、機械強度、誘電特性の測定を行った。ま
た320℃・50kg/cm 2で10分間、18μmの圧延銅箔にプレ
ス機で加熱圧着して、実施例1と同様の方法でハンダ耐
熱性を測定した。結果を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、優れた電気特性を維持
しながら、異方性が小さいため加工性に優れ、かつ柔軟
性にも優れた、芳香族液晶ポリエステルフィルムと銅箔
を積層してなる積層体、およびそれを用いたプリント配
線板を提供することが可能となる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C08L 67:04 C08L 67:04 Fターム(参考) 4F071 AA41 AA42 AA43 AA44 AA48 AB07B AB08B AB09B AB18 AB21 AB30 AC11A AE17 AE19A AF15 AF20 AF40 AF45 AF53 AG36 AH13 BA01 BA02 BB02 BC01 4F100 AB01A AB10A AB16A AB17A AB24A AB33A AK41B AS00B BA02 EH31B GB43 JK17 JL01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芳香族液晶ポリエステルを有機溶剤に溶解
    し、流延した後、該溶剤を除去することにより得られる
    フィルムと金属箔とを積層してなることを特徴とする積
    層体。
  2. 【請求項2】芳香族液晶ポリエステルが、p―ヒドロキ
    シ安息香酸に由来する繰り返し構造単位30〜80mol%、ヒ
    ドロキノン、レゾルシノール、4,4‘―ジヒドロキシ
    ビフェニル、ビスフェノールAおよびビスフェノールS
    からなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物に由来
    する繰り返し構造単位10〜35mol%、テレフタル酸、イソ
    フタル酸およびナフタレンジカルボン酸からなる群から
    選ばれた少なくとも一種の化合物に由来する繰り返し構
    造単位10〜35mol%からなる請求項1記載の積層体。
  3. 【請求項3】芳香族液晶ポリマーが、p―ヒドロキシ安
    息香酸に由来する繰り返し構造単位30〜80mol%、ヒドロ
    キノン、4,4‘―ジヒドロキシビフェニルからなる群
    から選ばれた少なくとも一種の化合物に由来する繰り返
    し構造単位10〜35mol%、テレフタル酸、イソフタル酸か
    らなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物に由来す
    る繰り返し構造単位10〜35mol%からなる請求項1記載の
    積層体。
  4. 【請求項4】有機溶剤が、下記一般式(I) ・・・・・・・・(I) (式中、Aは、ハロゲン原子またはトリハロゲン化メチ
    ル基を、iは1〜5の整数値を表す。iが2以上の場合
    は複数あるAは互いに同一であっても異なっていてもよ
    い)で表されるフェノール化合物を30重量%以上含有
    する溶剤である請求項1〜3記載の積層体。
  5. 【請求項5】有機溶剤が、下記一般式(II) ・・・・・・・・(II) (式中、A’は水素原子、ハロゲン原子またはトリハロ
    ゲン化メチル基を、iは1〜4の整数値を表す。iが2
    以上の場合は複数あるA’は互いに同一であっても異な
    っていてもよい)で表されるフェノール化合物を30重
    量%以上含有する溶剤である請求項1〜4記載の積層
    体。
  6. 【請求項6】金属箔が、金、銀、銅、ニッケルおよびア
    ルミニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の金
    属からなる金属箔である請求項1〜5記載の積層体。
  7. 【請求項7】金属箔が、銅箔である請求項1〜6記載の
    積層体。
  8. 【請求項8】請求項1〜7のいずれかに記載の積層体を
    用いてなることを特徴とするプリント配線板。
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