JP2004209969A - 芳香族液晶ポリエステル積層フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 成形時の流動方向に垂直な方向の引裂強度に優れた芳香族液晶ポリエステル積層フィルムを提供すること。
【解決手段】 下記溶媒100重量部および芳香族液晶ポリエステル0.5〜100重量部を含有する芳香族液晶ポリエステル溶液を、該溶媒に膨潤または溶解する樹脂フィルム上に流延し、溶媒を除去して得られる芳香族液晶ポリエステル積層フィルム。
溶媒:下記一般式(I)で示されるハロゲン置換フェノール化合物を30重量%以上含有する溶媒。
Figure 2004209969

(式中、Aはハロゲン原子またはトリハロゲン化メチル基を表わし、iはAの個数であって1〜5の整数を表わし、iが2以上の場合に複数あるAは互いに同一でも異なっていてもよい。)
【選択図】 なし

Description

本発明は、芳香族液晶ポリエステル積層フィルムに関する。
芳香族液晶ポリエステルは、優れた低吸湿性、高周波特性、耐熱性、機械的強度を示すことから、射出成形により得るコネクターなどの精密電子部品を中心に広く用いられている。近年、芳香族液晶ポリエステルをTダイ成形やインフレーション成形等の押出成形などによりフィルム化し、多層プリント基板やフレキシブルプリント基板用の絶縁膜への応用が成され注目されている。
しかしながら、押出成形により得られる従来の芳香族液晶ポリエステルフィルムは、成形時の異方性が大きく、成形時の流動方向に垂直な方向の引裂強度が非常に弱く(非特許文献1参照)、フィルムの取り扱い中に破損が起こりやすいという問題があった。
「液晶ポリマー」、高分子学会編集 小出直之著、共立出版、第69頁
本発明の目的は、成形時の流動方向に垂直な方向の引裂強度に優れた芳香族液晶ポリエステル積層フィルムを提供することにある。
即ち本発明は、下記溶媒100重量部および芳香族液晶ポリエステル0.5〜100重量部を含有する芳香族液晶ポリエステル溶液を、該溶媒に膨潤または溶解する樹脂フィルム上に流延し、溶媒を除去して得られる芳香族液晶ポリエステル積層フィルムにかかるものである。
溶媒:下記一般式(I)で示されるハロゲン置換フェノール化合物を30重量%以上含有する溶媒。
Figure 2004209969
(式中、Aはハロゲン原子またはトリハロゲン化メチル基を表わし、iはAの個数であって1〜5の整数を表わし、iが2以上の場合に複数あるAは互いに同一でも異なっていてもよい。)
本発明によれば、成形時の流動方向に垂直な方向の引裂強度に優れた芳香族液晶ポリエステル積層フィルムが提供される。
本発明で使用される芳香族液晶ポリエステルは、サーモトロピック液晶ポリマーと呼ばれるポリエステルであり、450℃以下の温度で光学的に異方性を示す溶融体を形成するものである。
芳香族液晶ポリエステルとしては、例えば、
(1)芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸および芳香族ジオールの組み合わせを重合して得られるもの、
(2)異種の芳香族ヒドロキシカルボン酸を重合して得られるもの、
(3)芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオールとの組み合わせを重合して得られるもの、
(4)ポリエチレンテレフタレートなどの結晶性ポリエステルに芳香族ヒドロキシカルボン酸を反応させたもの
などが挙げられる。
なお、これらの芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸または芳香族ジオールの代わりに、それらのエステル形成性誘導体を使用してもよい。
カルボン酸のエステル形成性誘導体としては、例えば、カルボキシル基が、ポリエステル生成反応を促進するような、酸塩化物、酸無水物などの反応性が高い誘導体となっているもの、カルボキシル基が、エステル交換反応によりポリエステルを生成するようなアルコール類やエチレングリコールなどとエステルを形成しているものなどが挙げられる。
また、フェノール性水酸基のエステル形成性誘導体としては、例えば、エステル交換反応によりポリエステルを生成するように、フェノール性水酸基がカルボン酸類とエステルを形成しているものなどが挙げられる。
また、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸および芳香族ジオールは、エステル形成性を阻害しない程度であれば、塩素原子、フッ素原子などのハロゲン原子、メチル基、エチル基などのアルキル基、フェニル基などのアリール基などで置換されていてもよい。
該芳香族液晶ポリエステルの繰り返し構造単位としては、下記のものを例示することができるが、これらに限定されるものではない。
芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する繰り返し構造単位:
Figure 2004209969
上記の繰り返し構造単位は、ハロゲン原子またはアルキル基で置換されていてもよい。
芳香族ジカルボン酸に由来する繰り返し構造単位:
Figure 2004209969
上記の繰り返し構造単位は、ハロゲン原子、アルキル基またはアリール基で置換されていてもよい。
芳香族ジオールに由来する繰り返し構造単位:
Figure 2004209969
上記の繰り返し構造単位は、ハロゲン原子、アルキル基またはアリール基で置換されていてもよい。
なお、上記のアルキル基としては、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基またはブチル基がより好ましい。上記のアリール基としては、炭素数6〜20のアリール基が好ましく、フェニル基がより好ましい。
耐熱性、機械物性のバランスから芳香族液晶ポリエステルは、前記A式で表される繰り返し単位を少なくとも30モル%含むことが好ましい。
繰り返し構造単位の好ましい組み合わせとしては、例えば、下記(a)〜(f)が挙げられる。
(a):
前記繰り返し構造単位(A)、(B)および(C)の組み合わせ、
前記繰り返し構造単位(A)、(B)および(C)の組み合わせ、
前記繰り返し構造単位(A)、(B)、(B)および(C)の組み合わせ、
または、
前記繰り返し構造単位(A)、(B)、(B)および(C)の組み合わせ。
(b):前記(a)の組み合わせのそれぞれにおいて、(C)の一部または全部を(C)に置換した組み合わせ。
(c):前記(a)の組み合わせのそれぞれにおいて、(C)の一部または全部を(C)に置換した組み合わせ。
(d):前記(a)の組み合わせのそれぞれにおいて、(C)の一部または全部を(C)に置換した組み合わせ。
(e):前記(a)の組み合わせのそれぞれにおいて、(C)の一部または全部を(C)と(C)の混合物に置換した組み合わせ。
(f):前記(a)の組み合わせのそれぞれにおいて、(A)の一部を(A2)に置換した組み合わせ。
該芳香族液晶ポリエステルとしては、耐熱性の観点から、p−ヒドロキシ安息香酸および2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸からなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物に由来する繰り返し構造単位30〜80mol%、ヒドロキノンおよび4,4’−ジヒドロキシビフェニルからなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物に由来する繰り返し構造単位10〜35mol%、テレフタル酸およびイソフタル酸からなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物に由来する繰り返し構造単位10〜35mol%からなることが好ましい。
また、芳香族液晶ポリエステルの重量平均分子量は、特に限定されないが、10000〜100000であることが好ましい。
本発明に用いられる芳香族液晶ポリエステルの製造方法は、特に限定されないが、例えば、芳香族ヒドロキシカルボン酸および芳香族ジオールからなる群から選ばれる少なくとも1種を過剰量の脂肪酸無水物によりアシル化してアシル化物を得、得られたアシル化物と、芳香族ヒドロキシカルボン酸および芳香族ジカルボン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種とをエステル交換(重縮合)することにより溶融重合する方法が挙げられる。アシル化物としては、予めアシル化して得た脂肪酸エステルを用いてもよい。
アシル化反応においては、脂肪酸無水物の添加量がフェノール性水酸基の1.0〜1.2倍当量であることが好ましく、より好ましくは1.05〜1.1倍当量である。脂肪酸無水物の添加量が少ないと、エステル交換(重縮合)時にアシル化物や芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸などが昇華し、反応系が閉塞し易い傾向があり、また、多すぎると、得られる芳香族液晶ポリエステルの着色が著しくなる傾向がある。
アシル化反応は、130〜180℃で5分間〜10時間反応させることが好ましく、140〜160℃で10分間〜3時間反応させることがより好ましい。
アシル化反応に使用される脂肪酸無水物は,特に限定されないが、例えば、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、無水イソ酪酸、無水吉草酸、無水ピバル酸、無水2エチルヘキサン酸、無水モノクロル酢酸、無水ジクロル酢酸、無水トリクロル酢酸、無水モノブロモ酢酸、無水ジブロモ酢酸、無水トリブロモ酢酸、無水モノフルオロ酢酸、無水ジフルオロ酢酸、無水トリフルオロ酢酸、無水グルタル酸、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水β−ブロモプロピオン酸などが挙げられ、これらは2種類以上を混合して用いてもよい。価格と取り扱い性の観点から、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、または無水イソ酪酸が好ましく用いられ、より好ましくは、無水酢酸が用いられる。
エステル交換においては、アシル化物のアシル基がカルボキシル基の0.8〜1.2倍当量であることが好ましい。
エステル交換は、130〜400℃で0.1〜50℃/分の割合で昇温しながら行なうことが好ましく、150〜350℃で0.3〜5℃/分の割合で昇温しながら行なうことがより好ましい。
アシル化して得た脂肪酸エステルとカルボン酸とをエステル交換させる際、平衡を移動させるため、副生する脂肪酸と未反応の脂肪酸無水物は、蒸発させるなどして系外へ留去することが好ましい。
なお、アシル化反応、エステル交換は、触媒の存在下に行なってもよい。該触媒としては、従来からポリエステルの重合用触媒として公知のものを使用することができ、例えば、酢酸マグネシウム、酢酸第一錫、テトラブチルチタネート、酢酸鉛、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、三酸化アンチモンなどの金属塩触媒、N,N−ジメチルアミノピリジン、N−メチルイミダゾールなどの有機化合物触媒などを挙げることができる。該触媒は、通常、モノマー類の投入時に投入され、アシル化後も除去することは必ずしも必要ではなく、該触媒を除去しない場合にはそのままエステル交換を行なうことができる。
エステル交換による重縮合は、通常、溶融重合により行なわれるが、溶融重合と固層重合とを併用してもよい。固相重合は、溶融重合工程からポリマーを抜き出し、その後、粉砕してパウダー状もしくはフレーク状にした後、公知の固相重合方法により行うことが好ましい。具体的には、例えば、窒素などの不活性雰囲気下、20〜350℃で、1〜30時間固相状態で熱処理する方法などが挙げられる。固相重合は、攪拌しながらでも、攪拌することなく静置した状態で行ってもよい。なお適当な攪拌機構を備えることにより溶融重合槽と固相重合槽とを同一の反応槽とすることもできる。固相重合後、得られた芳香族液晶ポリエステルは、公知の方法によりペレット化し、成形してもよい。
芳香族液晶ポリエステルの製造は、例えば、回分装置、連続装置等を用いて行うことができる。
本発明において芳香族液晶ポリエステル溶液を得るために用いられる溶媒は、下記一般式(I)で示されるハロゲン置換フェノール化合物を30重量%以上含有する溶媒であり、常温または加熱下に芳香族液晶ポリエステルを溶解する。該溶媒としては、該フェノール化合物を60重量%以上含有する溶媒であることが好ましく、実質的に100重量%の該フェノール化合物を溶媒として用いることが、他成分と混合する必要がないためさらに好ましい。
Figure 2004209969
式中、Aはハロゲン原子またはトリハロゲン化メチル基を表わし、iはAの個数であって1〜5の整数を表わす。iが2以上の場合、複数あるAは互いに同一でも異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
iは好ましくは1〜3であり、より好ましくは1または2である。iが1のときのAの置換位置は4位であることが好ましく、iが2以上のとき少なくとも一つのAの置換位置は4位であることが好ましい(水酸基の置換位置を1位とする)。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、よう素原子が挙げられ、フッ素原子、または塩素原子が好ましく、塩素原子が特に好ましい。
ハロゲン原子がフッ素原子である一般式(I)で示されるハロゲン置換フェノール化合物の例としては、ペンタフルオロフェノール、テトラフルオロフェノール等が挙げられる。
ハロゲン原子が塩素原子である一般式(I)で示されるハロゲン置換フェノール化合物の例としては、o−クロロフェノール、p−クロロフェノールが挙げられ、溶解性の観点からp−クロロフェノールが好ましい。
トリハロゲン化メチル基のハロゲンとしては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、よう素原子が挙げられる。
トリハロゲン化メチル基のハロゲンがフッ素原子である一般式(I)で示されるハロゲン置換フェノール化合物の例としては、3,5−ビストリフルオロメチルフェノールが挙げられる。
一般式(I)で示されるハロゲン置換フェノール化合物としては、価格と入手性の観点から、o−クロロフェノール、p−クロロフェノールなどの塩素置換フェノール化合物が好ましく使用され、溶解性の観点から、p−クロロフェノールがより好ましく使用される。
該溶媒中には、溶液の保存時または後述の流延時に芳香族液晶ポリエステルを析出させるものでなければ、該ハロゲン置換フェノール化合物以外に他の成分を含有していてもよい。
含有していてもよい他の成分は、特に限定されるものではないが、例えば、クロロホルム、塩化メチレン、テトラクロロエタン等の塩素系化合物などが挙げられる。
本発明で使用される芳香族液晶ポリエステル溶液は、前記溶媒100重量部に対して、芳香族液晶ポリエステルを0.5〜100重量部を含有し、作業性あるいは経済性の観点から、1〜50重量部含有することが好ましく、3〜10重量部含有することがより好ましい。芳香族液晶ポリエステルの量が少ないと、生産効率が低下する傾向があり、多いと溶解が困難になる傾向がある。
本発明で使用される芳香族液晶ポリエステル溶液は、芳香族液晶ポリエステルを前記溶媒に溶解させることにより得ることができるが、該溶液は、必要に応じて、フィルターなどによってろ過して溶液中に含まれる微細な異物を除去することが好ましい。
また、該芳香族液晶ポリエステル溶液には、本発明の目的を損なわない範囲で、シリカ、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウムなどの無機フィラー、硬化エポキシ樹脂、架橋ベンゾグアナミン樹脂、架橋アクリルポリマーなどの有機フィラー、ポリアミド、ポリエステル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリフェニルエーテル及びその変性物、ポリエーテルイミド等の熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、シアネート樹脂等の熱硬化性樹脂、シランカップリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの各種添加剤が一種または二種以上添加されていてもよい。
本発明の芳香族液晶ポリエステル積層フィルムは、前記芳香族液晶ポリエステル溶液を、前記溶媒に膨潤または溶解する樹脂フィルム上に流延し、該溶媒を除去する方法により製造することができる。
このような方法では、接着剤を使用することなく芳香族液晶ポリエステル層と樹脂フィルム層を強固に接着した積層フィルムを得ることができる。なお、膨潤とは、通常、樹脂フィルムが溶媒を吸収して重量が増加することをいう。
溶媒除去の方法は、特に限定されないが、溶媒の蒸発により行うことが好ましい。溶媒を蒸発させる方法としては、加熱、減圧、通風などの方法が挙げられる。
本発明で使用される樹脂フィルムは、前記溶媒に膨潤または溶解するものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレンテレフタラート、ポリブチレンテレフタラート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル、ポリフェニレンスルフィド、ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリフェニルエーテル及びその変性物、ポリエーテルイミド等の熱可塑性樹脂からなるフィルム、ポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂からなるフィルムなどが挙げられ、特に耐熱性や経済性の観点から、ポリエチレンテレフタラート、ポリフェニレンスルフィド、またはポリイミドからなるフィルムが好ましく用いられる。
また、押出成形やインフレーション成形により得られる芳香族液晶ポリエステルフィルムを該樹脂フィルムとして使用してもよい。
本発明の芳香族液晶ポリエステル積層フィルムは、樹脂フィルムに対する芳香族液晶ポリエステル層の厚みの比が芳香族液晶ポリエステル層/樹脂フィルム=1/100〜100/100であることが好ましい。ここで、芳香族液晶ポリエステル層の厚みとは、溶媒を除去させた後の芳香族液晶ポリエステル層の厚みをいう。該芳香族液晶ポリエステル層の厚みが薄いと、芳香族液晶ポリエステルの特性が表れない傾向があり、厚いと、フィルム表面の平滑性不良が発生する傾向がある。更に好ましい条件は、芳香族液晶ポリエステル層/樹脂フィルム=5/100〜50/100である。
本発明の芳香族液晶ポリエステル積層フィルムは、必要に応じて熱処理を行ってもよい。
本発明の芳香族液晶ポリエステル積層フィルムは、通常は、該樹脂フィルムの片面の全面または一部に芳香族液晶ポリエステル層が積層されてなるものであるが、樹脂フィルムの両面または樹脂フィルムを覆うように芳香族液晶ポリエステル層が積層されていてもよい。更に、芳香族液晶ポリエステル層と樹脂フィルム層が多数層状に積層されたものであってもよい。
本発明の芳香族液晶ポリエステル積層フィルムは、成形時の流動方向に垂直な方向の引裂強度に優れ、芳香族液晶ポリエステルの持つ低吸湿性、高周波特性などの優れた特性を有することから、近年注目されているビルドアップ工法などにより得られる半導体パッケージやマザーボード用の多層プリント基板、フレキシブルプリント配線板、テープオートメーテッドボンディング用フィルム、その他8ミリビデオテープの基材、業務用デジタルビデオテープの基材、透明導電性(ITO)フィルムの基材、偏光フィルムの基材、各種調理食品用、電子レンジ加熱用の包装フィルム、電磁波シールド用フィルム、抗菌性フィルム、気体分離用フィルムなどに好適に用いることができる。
以下、本発明について実施例を用いて説明するが、本発明が実施例により限定されるものでないことは言うまでもない。
実施例1
攪拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計および還流冷却器を備えた反応器に、p−ヒドロキシ安息香酸 141g(1.02モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル 63.3g(0.34モル)、イソフタル酸 56.5g(0.34モル)および無水酢酸 191g(1.87モル)を仕込んだ。反応器内を十分に窒素ガスで置換した後、窒素ガス気流下で15分かけて150℃まで昇温し、温度を保持して3時間還流させた。
その後、留出する副生酢酸および未反応の無水酢酸を留去しながら170分かけて320℃まで昇温し、トルクの上昇が認められる時点を反応終了とみなし、内容物を取り出した。得られた固形分は室温まで冷却し、粗粉砕機で粉砕後、窒素雰囲気下250℃で3時間保持し、固層で重合反応を進め、芳香族液晶ポリエステル粉末を得た。得られた粉末は350℃で偏向顕微鏡により液晶相に特有のシュリーレン模様が観測された。
得られた芳香族液晶ポリエステル粉末 0.4gを、100kg荷重下、250℃で10分間、島津製作所(株)製フローテスタCFT−500を用いて圧縮成形し、厚さ3mmの円盤状の試験片を得た。この試験片を用いて、東洋製作所製の恒温恒湿機ADVANTEC AGX型により85℃/85%RH・168時間における吸水率を測定した結果、吸水率は0.1%以下であることを確認した。また、HPインピーダンスアナライザーを用いて誘電正接を測定したところ、0.004(1GHz)であった。
上記工程により得られた芳香族液晶ポリエステル粉末 0.5gをp−クロロフェノール 9.5gに加え、120℃に加熱した結果、完全に溶解し透明な溶液が得られることを確認した。この溶液をポリフェニレンスルフィドフィルム(25μm)に、溶媒を蒸発させた後の芳香族液晶ポリエステル層が2μmとなるように流延し、ホットプレートにより設定温度100℃で、1時間溶媒を蒸発させた結果、芳香族液晶ポリエステル積層フィルムを得た。更に、得られた積層フィルムを熱風式乾燥機により250℃で、1時間熱処理を行った。
更に、得られた積層フィルムは測定取り扱い中に切れることもなくJISK7128により流動方向に垂直な方向に対する引裂強度を測定したところ800g/mmであった。

Claims (2)

  1. 下記溶媒100重量部および芳香族液晶ポリエステル0.5〜100重量部を含有する芳香族液晶ポリエステル溶液を、該溶媒に膨潤または溶解する樹脂フィルム上に流延し、溶媒を除去して得られる芳香族液晶ポリエステル積層フィルム。
    溶媒:下記一般式(I)で示されるハロゲン置換フェノール化合物を30重量%以上含有する溶媒。
    Figure 2004209969
    (式中、Aはハロゲン原子またはトリハロゲン化メチル基を表わし、iはAの個数であって1〜5の整数を表わし、iが2以上の場合に複数あるAは互いに同一でも異なっていてもよい。)
  2. 樹脂フィルムに対する芳香族液晶ポリエステル層の厚みの比が、1/100〜100/100である請求項1記載の積層フィルム。
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