JP2003165831A - 芳香族液晶ポリエステルおよびそのフィルム - Google Patents

芳香族液晶ポリエステルおよびそのフィルム

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JP2003165831A JP2001366243A JP2001366243A JP2003165831A JP 2003165831 A JP2003165831 A JP 2003165831A JP 2001366243 A JP2001366243 A JP 2001366243A JP 2001366243 A JP2001366243 A JP 2001366243A JP 2003165831 A JP2003165831 A JP 2003165831A
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Satoshi Okamoto
敏 岡本
Manabu Hirakawa
学 平川
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】フィルムにした場合でも、線膨張係数が小さ
く、金属との接着性に優れた芳香族液晶ポリエステルを
提供する。 【解決手段】下記式(I) ・・・(I) で示される構造単位、下記式(II) ・・・(II) (nは、0または1を表す。)で示される構造単位、下
記式(III) ・・・(III) で示される構造単位、及び下記式(IV) ・・・(IV) (Mは、ナトリウムまたはカリウムを表す。)で示され
る構造単位が互いにエステル結合してなることを特徴と
する芳香族液晶ポリエステル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、芳香族液晶ポリエ
ステルおよびそのフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電気・電子部品の軽量・小型化に
伴い、樹脂フィルムと金属との積層体からなるプリント
配線板に対する需要が増大してきている。プリント配線
板には、一般的にはポリイミド樹脂が使用されている
が、ポリイミド樹脂は吸水性を有するという問題があっ
た。そこで、吸水性が低く、優れた電気特性を有する芳
香族液晶ポリエステルと金属との積層体からなるプリン
ト配線板が検討されている。しかしながら、芳香族液晶
ポリエステルは、フィルムにした場合、ポリイミドに比
べて線膨張係数が大きいため、金属との接着性が弱く、
金属と樹脂フィルムとの界面で剥離が生じるなどの問題
があった。そこで、フィルムにした場合でも、線膨張係
数が小さく、金属との接着性に優れた芳香族液晶ポリエ
ステルの開発が望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、フィ
ルムにした場合でも、線膨張係数が小さく、金属との接
着性に優れた芳香族液晶ポリエステルを提供することに
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
ような問題がない芳香族液晶ポリエステルを見出すべ
く、鋭意検討を重ねた結果、下記式(I)〜(IV)で示さ
れる構造単位が互いにエステル結合してなる芳香族液晶
ポリエステルが、フィルムにした場合でも、線膨張係数
が小さく、金属との接着性に優れていることを見出し、
本発明を完成させるに至った。
【0005】即ち、本発明は、下記式(I) ・・・(I) で示される構造単位、下記式(II) ・・・(II) (nは、0または1を表す。)で示される構造単位、下
記式(III) ・・・(III) で示される構造単位、及び下記式(IV) ・・・(IV) (Mは、ナトリウムまたはカリウムを表す。)で示され
る構造単位が互いにエステル結合してなることを特徴と
する芳香族液晶ポリエステルを提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の芳香族液晶ポリエステルは、上記式(I)〜(I
V)で示される構造単位が互いにエステル結合してなる、
サーモトロピック液晶ポリマーと呼ばれるポリエステル
であり、400℃以下の温度で異方性溶融体を形成する
ものである。式(I)で示される構造単位は、式(I)
で示される構造単位同士でエステル結合するか、または
式(II)〜(IV)で示される構造単位とエステル結合する
ことができる。また、式(II)で示される構造単位は、
式(I)、(III)または(IV)で示される構造単位と
エステル結合することができ、式(III)または(IV)
で示される構造単位は、式(I)または(II)で示され
る構造単位とエステル結合することができる。
【0007】構造単位(I)は、p―ヒドロキシ安息香
酸に由来の構造単位であり、液晶性発現の観点から、p
―ヒドロキシ安息香酸に由来する構造単位は、全構造単
位に対して30〜80モル%が好ましく、より好ましくは40
〜70モル%である。
【0008】構造単位(II)は、ヒドロキノンおよび
4,4‘―ジヒドロキシビフェニルからなる群から選ば
れる少なくとも一種の化合物に由来する構造単位からな
り、耐熱性の観点から4,4‘―ジヒドロキシビフェニ
ル由来であることが好ましい。
【0009】構造単位(III)は、テレフタル酸、イソ
フタル酸およびフタル酸からなる群から選ばれる少なく
とも一種の化合物に由来する構造単位からなり、耐熱性
の観点からテレフタル酸に由来することが好ましい。有
機溶剤に溶解して用いる場合は、溶解性の観点からイソ
フタル酸由来であることが好ましい。
【0010】構造単位(IV)としては、例えば、5−ス
ルホテレフタル酸モノナトリウム、5−スルホテレフタ
ル酸モノカリウム、5−スルホイソフタル酸モノナトリ
ウム、5−スルホイソフタル酸モノカリウムに由来する
構造単位などが挙げられ、構造単位(IV)は、一種また
は二種以上の化合物に由来の構造単位からなっていても
よい。入手性、有機溶媒への溶解性の点から、5−スル
ホイソフタル酸モノナトリウム由来であることが好まし
い。
【0011】構造単位(II)と構造単位(III)および
(IV)との比は、(II)/{(III)+(IV)}=(95/10
0)〜(100/95)であることが好ましい。また、構造単位
(IV)と構造単位(III)との比は、金属との接着性の
観点から(IV)/(III)=(0.5/99.5)〜(5/95)であることが
好ましい。(IV)の割合が0.5未満では金属との接着性が
低い傾向があり、(IV)の割合が5を超えると熱安定性が
劣る傾向がある。構造単位(I)が全構造単位に対して
40〜70モル%で、(II)/{(III)+(IV)}=(95/10
0)〜(100/95)かつ(IV)/(III)=(0.5/99.5)〜(5/95)であ
ることが特に好ましい。
【0012】本発明の芳香族液晶ポリエステルは、有機
溶媒への溶解性の点から、構造単位(I)〜(IV)のみか
らなることが好ましい。芳香族液晶ポリエステル中に構
造単位(I)〜(IV)以外の第5の構造単位が存在する
と、有機溶媒への溶解性が悪くなり、そのため後述の流
延フィルムを作製することが困難になる傾向がある。
【0013】本発明の芳香族液晶ポリエステルの製造方
法としては、公知の方法を採用することができ、例え
ば、特公昭47−47870号公報、特公昭63−38
88号公報に記載の方法などが挙げられる。
【0014】芳香族液晶ポリエステルフィルムは、本発
明の芳香族液晶ポリエステルを有機溶剤に溶解した後、
流延し、該有機溶剤を除去することにより得ることがで
きる。
【0015】芳香族液晶ポリエステルの溶解に使用され
る有機溶剤としては、芳香族液晶ポリエステルを溶解で
きるものであれば特に限定されないが、下記一般式(V)
で示されるハロゲン置換フェノール誘導体を30重量%
以上含む有機溶剤が、常温または加熱下に芳香族液晶ポ
リエステルを溶解できるため好ましく使用される。 ・・・(V)
【0016】また、芳香族液晶ポリエステルを比較的低
温で溶解できることから、下記式(VI)で示されるp−ク
ロロフェノール誘導体を30重量%以上含む有機溶剤が
好ましく、該p−クロロフェノール誘導体を60重量%
以上含む有機溶剤がより好ましく、該p−クロロフェノ
ール誘導体が実質的に100重量%の有機溶剤が、他成
分と混合する必要がないためさらに好ましい。 ・・・(VI)
【0017】ここで、式(V)中、Aはハロゲン原子または
トリハロゲン化メチル基を表し、iは1〜5の整数を表
す。iが2以上の場合、複数あるAは互いに同一でも異
なっていてもよいが、同一であることが好ましい。ハロ
ゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、
よう素原子が挙げられ、フッ素原子、塩素原子が好まし
い。ハロゲン原子がフッ素原子である式(V)の例として
は、ペンタフルオロフェノール、テトラフルオロフェノ
ール等が挙げられる。ハロゲン原子が塩素原子である式
の例(V)としては、o−クロロフェノール、p−クロロ
フェノールなどが挙げられ、溶解性の観点からp−クロ
ロフェノールが好ましい。トリハロゲン化メチル基のハ
ロゲンとしては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、よ
う素原子が挙げられる。トリハロゲン化メチル基のハロ
ゲンがフッ素原子である式(V)の例としては、3,5−
ビストリフルオロメチルフェノールが挙げられる。
【0018】p−クロロフェノールは、さらに置換基を
有していてもよく、上記式(VI)で示されるp−クロロフ
ェノール誘導体が、価格と入手性の観点から好ましい。
ここで、式(VI)中、A'としては、水素原子を表すか、ハ
ロゲン原子またはトリハロゲン化メチル基を表す。ハロ
ゲン原子、トリハロゲン化メチル基としては、前記と同
じものが挙げられる。上記式(VI)で示されるp−クロロ
フェノール誘導体としては、例えば、2、4−ジクロル
フェノール、3、4−ジクロルフェノール、2,4,5
−トリクロルフェノール、2,4,6−トリクロルフェ
ノール、ペンタクロルフェノール、4−クロル−2−フ
ルオロフェノール、4−クロル−3−フルオロフェノー
ル、4−クロル−2−ブロモフェノール、4−クロル−
2−ヨードフェノールなどが挙げられる。
【0019】該p−クロロフェノール誘導体以外に有機
溶剤に含まれる成分としては、溶液の保存時または後述
の流延時に芳香族液晶ポリエステルを析出させるもので
なければ特に限定されないが、クロロホルム、塩化メチ
レン、テトラクロロエタン等の塩素化合物との混合物
が、価格と入手性の観点から好ましい。
【0020】芳香族液晶ポリエステルの添加量は、フェ
ノール化合物を30重量%以上含有する有機溶剤100
重量部に対して、0.5〜100重量部が好ましく、作
業性あるいは経済性の観点から1〜50重量部がより好
ましく、3〜10重量部がさらに好ましい。0.5重量
部未満であると生産効率が低下する傾向があり、100
重量部を超えると溶解が困難になる傾向がある。
【0021】芳香族液晶ポリエステルを前記有機溶剤に
溶解して得られる芳香族液晶ポリエステル溶液には、本
発明の目的を損なわない範囲で、公知のフィラー、樹脂
などを添加してもよい。該フィラーとしては、例えば、
硬化エポキシ樹脂粉末、メラミン樹脂粉末、尿素樹脂粉
末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリエステル樹脂粉末
などの有機系フィラー、シリカ、アルミナ、酸化チタ
ン、炭酸カルシウムなどの無機系フィラーなどを挙げる
ことができる。中でも電気特性、入手性の点からシリカ
が好ましい。
【0022】また、該フィラーは、0.1以上10μm以下
の平均粒径を有することが好ましい。平均粒径が0.1μ
m未満であるとフィラー同士が凝集しやすくなり、芳香
族液晶ポリエステル溶液(ワニス)の粘度が上昇し取り
扱い難くなるため、作業性が低下する傾向があり、平均
粒径が10μmを超えると得られるフィルムの平面平滑性
が損なわれる傾向がある。
【0023】芳香族液晶ポリエステル溶液に添加される
樹脂としては、例えば、ポリアミド、ポリエステル、ポ
リフェニレンスルフィド、ポリエーテルケトン、ポリカ
ーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリフェニルエー
テル及びその変性物、ポリエーテルイミドなどの熱可塑
性樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹
脂、シアネート樹脂などの熱硬化性樹脂などが挙げら
れ、これらのうち少なくとも一種を添加してもよい。
【0024】芳香族液晶ポリエステル溶液を流延する方
法は、特に限定されないが、例えば、ローラーコート
法、ディップコート法、スプレイコート法、スピナーコ
ート法、カーテンコート法、スロットコート法、スクリ
ーン印刷法などが挙げられる。
【0025】芳香族液晶ポリエステル溶液を流延して得
られる流延フィルムから有機溶剤を除去する方法は、特
に限定されないが、有機溶剤を蒸発させる方法が好まし
い。有機溶剤を蒸発させる方法としては、例えば、加
熱、減圧、通風などの方法が挙げられる。中でも生産効
率、取り扱い性の点から加熱により蒸発せしめることが
好ましく、通風しつつ加熱して蒸発せしめることがより
好ましい。具体的には、80ないし100℃で30分な
いし2時間予備加熱を行い、180ないし300℃で3
0分ないし4時間加熱処理を行うことが好ましい。
【0026】このようにして得られる芳香族液晶ポリエ
ステルフィルムには、必要に応じて、表面処理を施して
もよい。表面処理の方法としては、例えば、コロナ放電
処理、火炎処理、スパッタリング処理、溶剤処理、UV
処理、プラズマ処理等が挙げられる。
【0027】このようにして得られた芳香族液晶ポリエ
ステルフィルムは、例えば、下記の(1)から(5)の
方法により金属と積層することにより積層体を得ること
ができる。
【0028】(1)芳香族液晶ポリエステルを前記の有
機溶剤に溶解して芳香族液晶ポリエステル溶液を得、こ
れを必要に応じて、フィルターなどでろ過し、溶液中に
含まれる微細な異物を除去した後、該溶液を金属上に、
例えば、ローラーコート法、ディップコート法、スプレ
イコート法、スピナーコート法、カーテンコート法、ス
ロットコート法、スクリーン印刷法等の各種手段により
表面平坦かつ均一に流延し、その後溶媒を除去すること
により芳香族液晶ポリエステルフィルムと金属とを積層
する方法。 (2)押し出し成形またはインフレーション成形して得
られる芳香族液晶ポリエステルフィルを加熱圧着により
金属と積層する方法。 (3)押し出し成形またはインフレーション成形して得
られる芳香族液晶ポリエステルフィルと金属とを接着剤
により貼付して積層する方法。 (4)芳香族液晶ポリエステルを前記の有機溶剤に溶解
して芳香族液晶ポリエステル溶液を得、これを必要に応
じて、フィルターなどでろ過し、溶液中に含まれる微細
な異物を除去した後、該溶液を上記(1)記載の各種手
段により表面平坦かつ均一に流延し、その後溶媒を除去
して得られる芳香族液晶ポリエステルフィルムを加熱圧
着により金属に貼付して積層する方法。 (5)上記(4)と同様にして得られる芳香族液晶ポリ
エステルフィルムと金属とを接着剤により貼付して積層
する方法。
【0029】(1)の積層方法は、芳香族液晶ポリエス
テル溶液を前記した各種手段により流延し、その後、溶
剤を蒸発させるなどして溶剤を除去することにより、容
易に均一な膜厚で、かつ金属との接着性が良好なフィル
ムを得ることができるため好ましい。
【0030】(2)または(4)の積層方法は、芳香族
液晶ポリエステルフィルムを、該フィルムの流動開始温
度付近でプレス機または加熱ロールを用いて金属と容易
に圧着することができるできるため好ましい。
【0031】(3)または(5)の積層方法において、
使用される接着剤は特に限定されないが、ホットメルト
接着剤、ポリウレタン接着剤などを例示することができ
る。中でもエポキシ基含有エチレン共重合体などが接着
剤として好ましく使用される。
【0032】本発明で使用される金属としては、例え
ば、金、銀、銅、ニッケル、アルミニウムなどが挙げら
れるが、銅が好ましく使用される。使用される金属の厚
さは、1〜1000μmが好ましく、より好ましくは3〜100
μmである。
【0033】本発明の積層体は、芳香族液晶ポリエステ
ルフィルムと金属の少なくとも二層を含む積層体であ
り、例えば、該芳香族液晶ポリエステルフィルムと金属
とのニ層構造、該芳香族液晶ポリエステルフィルム両面
に金属を積層させた三層構造、または該芳香族液晶ポリ
エステルフィルムと金属を交互に積層させた五層構造な
どが挙げられる。
【0034】このようにして得られた積層体の厚みは、
5〜500μm程度が好ましく、特に高い絶縁性が要求され
る場合には、500μm以上の厚みであってもよい。ま
た、本発明の積層体には、高強度を賦与する目的で、必
要に応じて、熱処理を行なってもよい。本発明の積層体
は、線膨張係数が小さく、芳香族液晶ポリエステルフィ
ルムと金属との接着性が優れているので、プリント配線
基板などに好適に使用される。
【0035】
【実施例】以下、本発明を実施例に基いて説明するが、
本発明が実施例により限定されるものでないことは言う
までもない。
【0036】製造例1 攪拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計及び
還流冷却器を備えた反応器に、p―ヒドロキシ安息香酸
759.7g(5.5モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニ
ル512.1g(2.75モル)、イソフタル酸420.3g(2.53モ
ル)及び5−スルホイソフタル酸58.8g(0.22モル)、
無水酢酸1235.3g(12.1モル)を仕込んだ。反応器内を
十分に窒素ガスで置換した後、窒素ガス気流下で15分
かけて150℃まで昇温し、温度を保持して3時間還流
させた。その後、留出する副生酢酸及び未反応の無水酢
酸を留去しながら170分かけて320℃まで昇温し、
トルクの上昇が認められる時点を反応終了とみなし、内
容物を取り出した。得られた固形分は室温まで冷却し、
粗粉砕機で粉砕後、窒素雰囲気下270℃で10時間保
持し、固層で重合反応を行い、芳香族液晶ポリエステル
粉末を得た。
【0037】製造例2 攪拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計及び
還流冷却器を備えた反応器に、p―ヒドロキシ安息香酸
759.7g(5.5モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニ
ル512.1g(2.75モル)、イソフタル酸456.5g
(2.75モル)、無水酢酸1235.3g(12.1モル)を仕込ん
だ。反応器内を十分に窒素ガスで置換した後、窒素ガス
気流下で15分かけて150℃まで昇温し、温度を保持
して3時間還流させた。その後、留出する副生酢酸及び
未反応の無水酢酸を留去しながら170分かけて320
℃まで昇温し、トルクの上昇が認められる時点を反応終
了とみなし、内容物を取り出した。得られた固形分は室
温まで冷却し、粗粉砕機で粉砕後、窒素雰囲気下270
℃で10時間保持し、固層で重合反応を行い、芳香族液
晶ポリエステル粉末を得た。
【0038】実施例1 製造例1により得られた芳香族液晶ポリエステル粉末0.
3gを、270℃で50kgf/cm2の条件下、10分間保持するこ
とにより、圧縮成形した試験片の錠剤を得た。この試験
片について下記の物性を評価した。結果を表1に示す。 線膨張率:セイコー電子工業(株)製、熱分析装置TMA1
20を用いて荷重3g下5℃/分の昇温速度で50〜100℃にお
ける値を測定した。 平衡吸水率:85℃/85%RHの条件で吸水させ、168時間後
の重量変化から求めた。 また製造例1により得られた芳香族液晶ポリエステル粉
末1gを、p-クロルフェノール10gに溶解し、得られた溶
液を18ミクロン厚の電解銅箔に塗布後、ホットプレート上で
100℃で1時間乾燥させ、さらに通風オーブン中250℃で
1時間熱処理した後、テンションゲージ(超音波工業
製)でピール強度の測定を行った。結果を表1に示す。
【0039】比較例1 芳香族液晶ポリエステルフィルムとして製造例2のもの
を用いた以外は、実施例1に準拠して実施した。結果を
表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、フィルムにした場合で
も、線膨張係数が小さく、金属との接着性に優れた芳香
族液晶ポリエステルを提供することが可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C08L 67:00 C08L 67:00 Fターム(参考) 4F071 AA43 AF12 AH13 BA02 BB02 BC01 4F100 AB01B AB10B AB16B AB17B AB24B AB33B AK41A BA02 BA07 EH46 EJ42 EJ86 GB43 JL11 4J029 AA06 AB01 AE03 BB05A BB10A CB04A CB05A CB06A CH02 DB01 EB05A HA01 HB01

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(I) ・・・(I) で示される構造単位、下記式(II) ・・・(II) (nは、0または1を表す。)で示される構造単位、下
    記式(III) ・・・(III) で示される構造単位、及び下記式(IV) ・・・(IV) (Mは、ナトリウムまたはカリウムを表す。)で示され
    る構造単位が互いにエステル結合してなることを特徴と
    する芳香族液晶ポリエステル。
  2. 【請求項2】(I)が全構造単位に対して30〜80モル%で
    ある請求項1記載の芳香族液晶ポリエステル。
  3. 【請求項3】(IV)/(III)=(0.5/99.5)〜(5/95)かつ(II)
    /{(III)+(IV)}=(95/100)〜(100/95)である
    請求項1または2記載の芳香族液晶ポリエステル。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載の芳香族液
    晶ポリエステルからなることを特徴とする芳香族液晶ポ
    リエステルフィルム。
  5. 【請求項5】請求項1〜3のいずれかに記載の芳香族液
    晶ポリエステルを有機溶剤に溶解した後、流延し、該有
    機溶剤を除去して得られる請求項3記載の芳香族液晶ポ
    リエステルフィルム。
  6. 【請求項6】有機溶剤が下記式(V) ・・・(V) (式中、Aは、ハロゲン原子またはトリハロゲン化メチ
    ル基を表し、iは1~5の整数を表し、iが2以上の場
    合、Aは互いに同一であっても異なっていてもよい)で
    示されるハロゲン置換フェノール誘導体を30重量%以
    上含有する溶剤である請求項5記載の芳香族液晶ポリエ
    ステルフィルム。
  7. 【請求項7】有機溶剤が下記式(VI) ・・・(VI) (式中、A’は水素原子、ハロゲン原子またはトリハロ
    ゲン化メチル基を表し、iは1~4の整数を表し、iが2
    以上の場合、A’は互いに同一であっても異なっていて
    もよい)で示されるp−クロロフェノール誘導体を30
    重量%以上含有する溶剤である請求項5または6記載の
    芳香族液晶ポリエステルフィルム。
  8. 【請求項8】請求項4〜7のいずれかに記載の芳香族液
    晶ポリエステルフィルムと金属とを積層してなることを
    特徴とする積層体。
  9. 【請求項9】金属が、金、銀、銅、ニッケルおよびアル
    ミニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属
    である請求項8に記載の積層体。
  10. 【請求項10】金属が、銅である請求項8または9記載
    の積層体。
  11. 【請求項11】請求項8〜10のいずれかに記載の積層
    体を用いて得られることを特徴とするプリント配線板。
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Cited By (6)

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