JP2000080254A - 液晶ポリエステル樹脂組成物、並びに、液晶ポリエステル樹脂組成物フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

液晶ポリエステル樹脂組成物、並びに、液晶ポリエステル樹脂組成物フィルムおよびその製造方法

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JP2000080254A
JP2000080254A JP18366999A JP18366999A JP2000080254A JP 2000080254 A JP2000080254 A JP 2000080254A JP 18366999 A JP18366999 A JP 18366999A JP 18366999 A JP18366999 A JP 18366999A JP 2000080254 A JP2000080254 A JP 2000080254A
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crystal polyester
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polyester resin
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Yoshitaka Obe
良隆 大部
Kazunori Akiyoshi
一徳 秋吉
Tozo Yamaguchi
登造 山口
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】機械的性質、耐熱性に優れるという性能に加
え、ガスバリア性などの機能を有し、さらに低温加工性
を有する液晶ポリエステル樹脂組成物、並びに、該液晶
ポリエステル樹脂組成物よりなるフィルムおよび該フィ
ルムの製造方法を提供する。 【解決手段】液晶ポリエステル(α)を連続相とし液晶
ポリエステルと反応性を有する官能基を有する共重合体
(β)を分散相とする液晶ポリエステル樹脂組成物であ
って、該液晶ポリエステル(α)が芳香族ヒドロキシカ
ルボン酸単位、芳香族ジカルボン酸単位および芳香族ジ
オール単位を有する共重合体からなり、下記の繰り返し
単位(A)を繰り返し単位全体の30モル%以上有する
液晶ポリエステル。並びに、該液晶ポリエステル樹脂組
成物よりなるフィルム、および該液晶ポリエステル樹脂
組成物を用いる該フィルムの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶ポリエステル
樹脂組成物、並びに、それよりなる液晶ポリエステル樹
脂組成物フィルムおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶ポリエステルは、溶融型液晶(サー
モトロピック液晶)ポリマーと呼ばれ、強い分子間相互
作用によって溶融状態で分子が配向することを特徴とす
るポリエステルである。その強い分子間相互作用、分子
配向の為に、液晶ポリエステルについて知られる機械的
性質、耐熱性に優れるという性能に加えて、ガスバリア
性等の機能を有するフィルム材料としての工業化が期待
されてきた。
【0003】しかし、液晶ポリエステルは、ポリエチレ
ンテレフタレートのような芳香族ポリエステルと異なっ
て分子が剛直なために溶融状態でも絡み合いを起こさ
ず、分子鎖が流れ方向に著しく配向するので、わずかな
せん断によっても溶融粘度が急に低下する挙動を示した
り、温度上昇によって急激に溶融粘度が低下し、溶融時
のメルトテンションが極端に低いといった挙動を示す。
そのため、溶融状態で形状を保つのが非常に難しく、さ
らに分子が配向していることで縦横の性能のバランスが
取りにくく、極端な場合には分子配向方向に裂けてしま
うことから、シート、フィルム成形、そして、それらを
用いて成形される容器、ブロー成形などの分野での実用
性に乏しいという大きな問題があり、液晶ポリエステル
の機能を充分発揮するには至っていなかった。
【0004】そこで本出願人は先に、液晶ポリエステル
と特定の共重合体とを用いてなる製膜性、ガスバリア性
が良好な液晶ポリエステル樹脂組成物(特開平7−30
4936号公報)を提案し、機械的性質、耐熱性に優れ
るという性能に加え、ガスバリア性などの機能を有する
液晶ポリエステル樹脂組成物フィルムなどを実用化でき
ることを示した(特開平8−337710号公報、特開
平9−12744号公報)が、低温加工性の面で改良の
余地が残されている。
【0005】また、一層あるいは複数のTダイから溶融
体を押出し、液晶ポリエステル樹脂組成物積層体を製造
する方法は、積層体を構成する各樹脂を適当に選択する
ことにより、市場の多様な要求に対応しうる有効な製造
方法である。液晶ポリエステルとしての優れた特性を生
かした上で、他の熱可塑性樹脂層を積層することによ
り、一層優れた特性を有し、しかも安価な積層体が得ら
れるならば、市場の多様なニーズに充分応えることが可
能となる。本出願人は例えば特開平8−283441号
公報に液晶ポリエステル樹脂組成物の積層フィルムを提
案したが、多層溶融ラミネーションの適用を考えると低
温加工性に優れた材料が要望されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、機械
的性質、耐熱性に優れるという性能に加え、ガスバリア
性などの機能を有し、さらに低温加工性を有する液晶ポ
リエステル樹脂組成物、並びに、該液晶ポリエステル樹
脂組成物よりなるフィルムおよび該フィルムの製造方法
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、芳香族ヒ
ドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸及び芳香族ジ
オールから得られる液晶ポリエステルを1成分とする樹
脂組成物について鋭意検討し、該液晶ポリエステルとし
てp−ヒドロキシ安息香酸単位を繰り返し単位全体の3
0モル%以上有し、特定の物性を有するものを用いるこ
とにより、該樹脂組成物が低温加工可能となることを見
出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】即ち本発明は、液晶ポリエステル(α)を
連続相とし液晶ポリエステルと反応性を有する官能基を
有する共重合体(β)を分散相とする液晶ポリエステル
樹脂組成物であって、該液晶ポリエステル(α)が芳香
族ヒドロキシカルボン酸単位、芳香族ジカルボン酸単位
および芳香族ジオール単位を有する共重合体からなり、
下記の繰り返し単位(A)を繰り返し単位全体の30モ
ル%以上有し、対数粘度が1.5dl/g以上であり、
流動開始温度より25℃以上高い温度で測定されるメル
トテンションが1.0g以上を示す液晶ポリエステルで
あり、該液晶ポリエステル樹脂組成物の流動開始温度が
300℃以下である液晶ポリエステル樹脂組成物、並び
に、該液晶ポリエステル樹脂組成物よりなるフィルム、
および該液晶ポリエステル樹脂組成物を用いる該フィル
ムの製造方法にかかるものである。
【化12】 ここで流動開始温度(以下、「FT」と略称することがあ
る)とは、毛細管型レオメーターで測定され、4℃/分
の昇温速度で加熱溶融された樹脂を、荷重100kgf
/cm2のもとで、内径1mm、長さ10mmのノズル
から押し出した時に、溶融粘度が48,000ポイズを
示す温度(℃)をいう。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の液晶ポリエステル樹脂組
成物の成分(α)の液晶ポリエステルは、芳香族ヒドロ
キシカルボン酸単位、芳香族ジカルボン酸単位および芳
香族ジオール単位を有する共重合体からなり、上記の繰
り返し単位(A)を繰り返し単位全体の30モル%以上
有し、対数粘度が1.5dl/g以上であり、流動開始
温度より25℃以上高い温度で測定されるメルトテンシ
ョンが1.0g以上を示す液晶ポリエステルであり、溶
融時に光学異方性(液晶性)を示す。
【0010】本発明で使用する液晶ポリエステルにおい
ては、上記の繰り返し単位(A)がポリマーを構成する
繰り返し単位全体の30モル%未満であると、液晶性が
弱く好ましくない。
【0011】本発明で使用する液晶ポリエステル(α)
は、次式で定義される対数粘度(ηinh)が1.5dl
/g以上であり、好ましくは2.0dl/g以上、より
好ましくは2.5dl/g以上のものが、機械的物性、
成形性から見て好ましい。またηinhは、好ましくは1
0dl/g以下、さらに好ましくは8dl/g以下が成
形性等から見て好ましい。ηinhが1.5dl/g未満
のものは分子量が低く、製膜性あるいは機械的強度に問
題があることがある。。 ηinh=(ln(ηrel))/C (上式中、ηrelは相対粘度と呼ばれるもので、ポリマ
ー溶液と溶媒の毛細管中の一定標線間を落下する時間の
比(ポリマー溶液/溶媒)である。Cは、ポリマー溶液
の濃度で、単位は、g/dlである。本発明において
は、溶媒として、3,5−ビス(トリフルオロメチル)
フェノールを用い、ポリマー濃度0.1g/dl、温度
60℃でオストワルド粘度計にて測定した値である。)
【0012】本発明で使用する液晶ポリエステル(α)
は、流動開始温度より25℃以上高い温度で測定される
メルトテンション(以下「MT」と略称することがあ
る。)が1.0g以上を示すものであり、好ましくは2
g以上、さらに好ましくは4g以上である。本発明にお
いて、メルトテンションとは、キャピラリー内径2.1
mm、長さ8mm、ピストン速度5mm/分の条件で測
定されるものをいう。液晶ポリエステル(α)の組成に
も依存するが、MT値が1.0g未満の場合は、インフ
レーション製膜が困難であったり、フロストラインが安
定しない場合が多い。またMT値は、30g以下が好ま
しく、25g以下がより好ましい。製膜性の観点から
は、MT値の温度依存性は小さいものが好ましい。
【0013】本発明で使用する液晶ポリエステル(α)
として好ましくは、下記の繰り返し単位(A)30〜8
0モル%、より好ましくは40〜70モル%、繰り返し
単位(B)10〜35モル%、より好ましくは15〜3
0モル%、および繰り返し単位(C)10〜35モル
%、より好ましくは15〜30モル%からなる液晶ポリ
エステルである。
【化13】 (但し、Arは2価の芳香族基である。)
【化14】 (但し、Ar’は、
【化15】 からなる群から選ばれる2種以上からなり、Ar’のう
【化16】 が40〜95モル%である。)
【0014】繰り返し単位(A)の割合は、液晶性の点
で30モル%以上であり、溶融加工性の点で、80モル
%以下とするのが好ましい。30モル%未満では液晶性
が弱く、80モル%を越えると、液晶ポリエステル中に
は、加熱によって溶融しない部分が存在する場合が多い
為、溶融加工性が悪くなることがある。繰り返し単位
(B)が10〜35モル%であり、繰り返し単位(C)
が10〜35モル%であるとき、該液晶ポリエステル
は、バランスの取れた物性を示すので好ましい。
【0015】繰り返し単位(B)の中のArは、好まし
くは炭素数6〜20の2価の芳香族基であり、さらに好
ましくは
【化17】 である。
【0016】
【化18】(B)として特に好ましくは下記の(B1)
である。
【0017】繰り返し単位(C)の中のAr’は
【化19】 からなる群から選ばれる2種以上からなり、Ar’のう
【化20】 が40〜95モル%、より好ましくは45〜94モル
%、さらに好ましくは48〜92モル%である。これが
40モル%未満の場合は、結晶性が高くなることがあ
り、成形加工温度が高くなる場合がある。またそれが9
5モル%を越える場合は、固相重合時の処理が困難な場
合、製膜性が低い場合がある。繰り返し単位(C)のA
r’のうち
【化21】 が40〜95モル%である場合、メルトテンションも高
くなり製膜性の上で好ましい。また、より低温での成形
(製膜)が可能となり、特に酸素バリア性、水蒸気バリ
ア性に優れる薄膜フィルムを得ることも可能である。
【0018】繰り返し単位(C)としては、下記の繰り
返し単位(C1)60〜5モル%と繰り返し単位(C
2)40〜95モル%とからなるものが特に好ましい。
より好ましくは繰り返し単位(C)は下記の繰り返し単
位(C1)55〜6モル%と繰り返し単位(C2)45
〜94モル%とからなり、さらに好ましくは繰り返し単
位(C)は下記の繰り返し単位(C1)52〜8モル%
と繰り返し単位(C2)48〜92モル%とからなる。
最も好ましくは繰り返し単位(C)は下記の繰り返し単
位(C1)45〜8モル%と繰り返し単位(C2)55
〜92モル%とからなる。
【化22】
【0019】本発明に用いる液晶ポリエステルは例え
ば、下記式(I)で表わされる化合物を30〜80モル
%、下記式(II)で表わされる化合物を10〜35モル
%、および下記式(III)で表わされる化合物を10〜
35モル%の割合で反応槽に仕込み、270〜350℃
で重縮合反応させて、流動開始温度が210℃以上かつ
重縮合反応温度より30℃以上低い温度の液晶ポリエス
テル樹脂を製造し、反応槽の内容物である該液晶ポリエ
ステルを溶融状態で回収して固化させた後、3mm以下
の粒径の粒子に粉砕し、固相状態のまま200℃〜31
0℃で不活性気体雰囲気下1〜24時間処理して得るこ
とができる。
【化23】 (但し、R1は水素原子、ホルミル基、アセチル基、プ
ロピオニル基またはベンゾイル基を表し、R2は水素原
子、メチル基、エチル基、プロピル基、ベンジル基また
はフェニル基を表す。)
【化24】式(II) R3O−Ar−OR3 (但し、Arは2価の芳香族基を表し、R3は水素原
子、アセチル基、プロピオニル基またはベンゾイル基を
表す。)
【化25】 (但し、Ar’は、
【化26】 からなる群から選ばれる2種以上からなり、Ar’のう
【化27】 が40〜95モル%であり、R4は水素原子、メチル
基、エチル基、プロピル基、ベンジル基またはフェニル
基を表す。)
【0020】上記式(I)で表わされる化合物の例とし
ては、p−ヒドロキシ安息香酸、p−ホルモキシ安息香
酸、p−アセトキシ安息香酸、p−プロピオニルオキシ
安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸メチル、p−ヒドロ
キシ安息香酸プロピル、p−ヒドロキシ安息香酸フェニ
ル、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、p−アセトキシ
安息香酸メチル、p−アセトキシ安息香酸フェニルなど
が挙げられ、特にp−ヒドロキシ安息香酸またはp−ア
セトキシ安息香酸が好ましい。本発明においては、得ら
れる液晶ポリエステル樹脂組成物の物性や加工性(製膜
性)に重大な影響を与えない範囲で、m−ヒドロキシ安
息香酸、m−ホルモキシ安息香酸、m−アセトキシ安息
香酸、m−プロピオニルオキシ安息香酸、m−ヒドロキ
シ安息香酸メチル、m−ヒドロキシ安息香酸プロピル、
m−ヒドロキシ安息香酸フェニル、m−ヒドロキシ安息
香酸ベンジル、m−アセトキシ安息香酸メチル、6−ヒ
ドロキシ−2−ナフトエ酸、6−アセトキシ−2−ナフ
トエ酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メチル、6−
ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル、または6−アセ
トキシ−2−ナフトエ酸メチルを併用することができ
る。
【0021】上記式(II)で表わされる化合物の例とし
ては、1,4−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジヒド
ロキシベンゼン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、
4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−ジ
ヒドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジヒドロキシ
ジフェニルエタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル
エーテル、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホ
ン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、
2,6−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキ
シナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、およ
びこれら化合物名のジヒドロキシをジアセトキシ、ジプ
ロピオニルオキシまたはジベンゾイルオキシに変更した
化合物を挙げることができ、さらには、これらにメチル
基、第3級ブチル基などのアルキル基、フェニル基など
のアリール基、メトキシ基などのアルコキシ基、または
塩素原子などのハロゲン原子が核置換した化合物を挙げ
ることができる。好ましい化合物は、1,4−ジヒドロ
キシベンゼン、1,3−ジヒドロキシベンゼン、4,
4’−ジヒドロキシジフェニル、4,4’−ジヒドロキ
シジフェニルエーテル、2,6−ジヒドロキシナフタレ
ン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、および
これら化合物名のジヒドロキシをジアセトキシに変更し
た化合物から選ばれたものである。更に好ましい化合物
は、1,3−ジヒドロキシベンゼン、4,4’−ジヒド
ロキシジフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニル
エーテル、およびこれら化合物名のジヒドロキシをジア
セトキシに変更した化合物から選ばれたものであり、特
に好ましいのは4,4’−ジヒドロキシジフェニルまた
は4,4’−ジアセトキシジフェニルである。
【0022】上記式(III)で表わされる化合物は少な
くともAr’の部分で異なる2種以上の化合物の混合物
として使用するが、該化合物の例としては、テレフタル
酸、テレフタル酸メチル、テレフタル酸エチル、テレフ
タル酸プロピル、テレフタル酸ベンジル、テレフタル酸
フェニル、2,6−ジカルボキシナフタレン、2,6−
ジメチルオキシカルボニルナフタレン、2,6−ジエチ
ルオキシカルボニルナフタレン、2,6−ジプロピルオ
キシカルボニルナフタレン、2,6−ジベンジルオキシ
カルボニルナフタレン、2,6−ジフェニルオキシカル
ボニルナフタレン、イソフタル酸、イソフタル酸メチ
ル、イソフタル酸エチル、イソフタル酸プロピル、イソ
フタル酸ベンジル、イソフタル酸フェニルを挙げること
ができる。本発明においては上記式(III)としてあげ
た化合物のうち、イソフタル酸、イソフタル酸メチル、
イソフタル酸エチル、イソフタル酸プロピル、イソフタ
ル酸ベンジル、またはイソフタル酸フェニルを、上記式
(III)で表される化合物の使用量全体の40〜95モ
ル%、より好ましくは45〜94モル%、さらに好まし
くは48〜92モル%、特に好ましくは55〜92モル
%使用する。上記式(III)で表される化合物として好
ましい化合物は、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6
−ジカルボキシナフタレンであり、更に好ましくはテレ
フタル酸、イソフタル酸である。
【0023】なお、上記式(II)で表される化合物と上
記式(III)で表される化合物との仕込み時におけるモ
ル比((II):(III))は、ポリマー物性、特に熱安
定性から、好ましくは90〜115:100、より好ま
しくは100〜110:100である。
【0024】前記液晶ポリエステルを製造する方法で
は、先ず、上記の式(I)、(II)及び(III)で表わ
される化合物からなる混合物を反応槽中で重縮合反応さ
せるが、これらの化合物の重合槽への仕込みは一括方式
でも、回分方式でも良い。反応は不活性気体、例えば窒
素雰囲気下に、常圧、減圧、又はそれ等の組み合わせで
行うことができ、プロセスは回分式、連続式、又はそれ
等の組み合わせを採用できる。なお、式(I)または
(II)としてフェノール性水酸基を有する化合物を用い
る場合には、それらをより重縮合反応し易い化合物に変
える反応(例えば無水酢酸などの酸無水物を用いるエス
テル化反応)を重縮合反応に先立って、該重縮合反応を
行うのとは別の、又は同一の反応槽で行った後、引き続
き重縮合反応を行うことが好ましい。上記の式(I)ま
たは(II)としてフェノール性水酸基を有する化合物を
用いる場合には、該フェノール性水酸基の当量以上(よ
り好ましくは1.1〜1.3倍当量)の量の無水酢酸な
どの酸無水物を、上記の式(I)、(II)及び(III)
で表わされる化合物とともに反応槽に仕込み、エステル
化反応を行った後、重縮合反応させるのがより好まし
い。
【0025】重縮合反応の温度は、270〜350℃が
好ましく、より好ましくは280〜330℃である。温
度が270℃より低いと反応の進行が遅く、350℃を
越えると分解等の副反応が起こりやすい。多段階の反応
温度を採用しても構わないし、場合により、反応途中
で、あるいは最高温度に達したら直ぐに反応生成物であ
る液晶ポリエステルを溶融状態で抜出し、回収すること
ができる。
【0026】該重縮合反応は(以下、「溶融重合」という
ことがある)、通常無触媒下でも十分進行するが、必要
に応じて触媒として、Ge、Sn、Ti、Sb、Co、
Mn等の酸化物、酢酸塩等の化合物を使用することもで
きる。食品包装用フィルムに使用する場合は、触媒成分
の除去等が必要な場合があり無触媒が好ましい。
【0027】反応槽の形状は、公知のものを用いること
ができる。縦型の反応槽の場合、多段のパドル翼、ター
ビン翼、モンテ翼、ダブルヘリカル翼が好ましく、横型
の反応槽では、1軸又は2軸の攪拌軸に垂直に、種々の
形状の翼、例えばレンズ翼、眼鏡翼、多円平板翼等が設
置されているものが良い。また、翼にねじれを付けて、
攪拌性能や送り機構を向上させたものも良い。
【0028】反応槽の加熱は、熱媒、気体、電気ヒータ
ーにより行うが、均一加熱という目的で攪拌軸、翼、邪
魔板等も加熱することが好ましい。
【0029】反応槽が多段に分かれていたり、仕切られ
ている場合には、最終部分の反応温度が本発明で言うと
ころの重縮合反応温度である。重縮合反応の時間は反応
条件等により適宜決められるべきであるが、該反応温度
において0.5〜5時間が好ましい。
【0030】かかる液晶ポリエステルの製造方法におい
ては、重縮合反応により得られる液晶ポリエステルの流
動開始温度が、210℃以上かつ重縮合反応温度より3
0℃以上低い温度であることが重要である。更に好まし
くは、得られる液晶ポリエステルの流動開始温度が、2
15℃以上かつ重縮合温度より35℃以上低いことが好
ましい。流動開始温度が、210℃以上でないと、液晶
ポリエステルの分子量が十分でなく、成形加工上、物性
上問題がある。また固相重合等の後処理を施すにして
も、液晶ポリエステル同士の融着や副生物が大量に生
じ、経済的にも好ましくない。流動開始温度が、重縮合
反応温度に近いと、ポリエステルの粘度が高くなり、回
収が困難となるばかりか、攪拌混合性も悪くなり、不均
一加熱のため、ポリマーの熱安定性に影響を及ぼすこと
がある。また、工業的には、バッチ重合方式では、重合
槽の洗浄はコストを増大させるため、重合槽の連続使用
が有利であり、溶融抜き出し条件が特に重要である。反
応釜の洗浄方法としては、本出願人が特開平5−295
92号、特開平5−29593号公報で提案しているグ
リコール類及び/又はアミン類による洗浄法が挙げられ
る。
【0031】該液晶ポリエステルを溶融状態で回収する
(取出す)場合、不活性気体雰囲気中、例えば窒素雰囲
気中で実施するのが、得られるポリマーの色調の点で好
ましいが、水分が少ない場合は空気中でも良い。
【0032】液晶ポリエステルを溶融状態で回収する
(取出す)機構としては、公知の押出機、ギヤポンプが
挙げられる。回収は、簡便には、単なるバルブを用いて
実施することもできる。例えば、重合層の下部に設置さ
れているボールバルブ等を開いて回収することができ
る。回収した樹脂は通常、しばらくすると固化するの
で、目的に応じて、ストランドカッターやシートカッタ
ーでカットしたり、粉砕することができる。また、大量
を短時間で回収・固化処理する手段としては、本出願人
が特開平6−256485号公報で提案している定量供
給装置を経てダブルベルトクーラーで冷却する方法等が
挙げられる。
【0033】食品分野を除く一般工業用途向けには、溶
融粘度に大きな変化を与えない範囲で、重縮合系に溶
媒、滑剤、安定剤、添加剤を加えておくことができる。
【0034】溶融状態で回収された液晶ポリエステル
は、そのまま使用できる場合もあるが、未反応原料を除
去したり、分子量を上げ物性を上げる意味から固相重合
を実施することが好ましい。
【0035】得られた液晶ポリエステルを公知の粉砕機
で粉砕し、3mm以下、好ましくは0.5mm以下、更
に好ましくは0.1〜0.4mmの平均粒径(Rosi
n−Rammlar法)の粒子(パウダー)にし、固相
状態のまま不活性気体雰囲気下熱処理する固相重合を実
施することが好ましい。
【0036】粒子径が3mm以上になると、表面層と内
部との間で、重合速度、未反応原料の反応の結果生じた
副生物の拡散時間が異なることから、分子量分布が広く
なる場合があり、除去すべきものを十分除去できないた
めに発泡やガス発生の原因となる場合がある。
【0037】固相重合時の昇温速度、最高処理温度は、
液晶ポリエステル粒子を融着させないように選ぶ必要が
ある。融着を起こした場合、表面積が減少し、重縮合反
応や低沸点成分の除去が遅くなり好ましくない。固相重
合の最高処理温度としては、200〜310℃の範囲、
より好ましくは230〜300℃の範囲で不活性気体雰
囲気下に処理することが効果的である。この範囲以下の
温度では、反応が遅く、処理時間がかかり不経済であ
り、310℃以上では、粉体粒子同士が融着したり、溶
融したりするため固相状態が保持できないので好ましく
ない。不活性気体としては、窒素、ヘリウム、アルゴ
ン、炭酸ガスから選ばれるものが好ましく、より好まし
くは窒素である。固相重合装置としては、既知の乾燥
機、反応機、混合機、電気炉等を用いることができる
が、上記の趣旨から鑑み、密閉度の高いガス流通式の装
置が好ましい。
【0038】本発明に用いられる液晶ポリエステルの通
常の成形加工時の使用形態は、パウダーあるいは2軸押
出機等で加熱溶融下にペレット状に造粒した後のペレッ
ト(造粒ペレット)が挙げられる。本発明においてはパ
ウダーの上記液晶ポリエステルを成分(β)の共重合体
と共に溶融混錬して造粒し、樹脂組成物のペレットを得
ることも好適に実施される。
【0039】本発明で使用する液晶ポリエステルの造粒
ペレットの流動開始温度(FT1)は、パウダー段階で
の流動開始温度(FT0)より低下する傾向を示す。こ
の傾向は、固相重合法を使用する従来の液晶ポリエステ
ルと比べて低下の度合いが大きい。この差異は、芳香族
ジカルボン酸組成比、固相重合条件の差異による結晶化
度の違い等がその要因と考えられるが、詳細は不明であ
る。FT1が[FT0より10℃低い温度]より低い、
更に好ましくは[FT0より20℃低い温度]より低い
と、該液晶ポリエステルの成形温度が低下し、成形加工
性を向上させるため好ましい。
【0040】液晶ポリエステルを加熱溶融下にペレット
状に造粒してペレット化する方法としては、既知の方法
を用いることができる。重合槽から溶融状態で、溝付き
の平行ローラーに供給し、ストランド状(紐状)に賦形
し、ストランドカッター等で切断する方法もある。液晶
ポリエステル粉体を造粒してペレットを製造する方法と
しては、一般に使用されている一軸または二軸の押出機
を用い溶融混練し、空冷又は必要に応じて水冷した後、
通常用いられるペレタイザー(ストランドカッター)で
ペレットに賦形する。溶融均一化と賦形が目的のため、
通常のポリマーアロイ等の反応を伴う際に必要な高混練
機は、せん断発熱等による劣化の可能性もあり好ましく
ない。溶融混練に際しては、混練装置のシリンダー設定
温度(ダイヘッド温度)は200〜350℃の範囲が好
ましく、より好ましくは230〜330℃、更に好まし
くは240〜320℃である。
【0041】本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物に用
いられる成分(β)は、液晶ポリエステルと反応性を有
する官能基を有する共重合体である。かかる液晶ポリエ
ステルと反応性を有する官能基としては、液晶ポリエス
テルと反応性を有すれば何でもよく、具体的には、オキ
サゾリル基やエポキシ基、アミノ基等が挙げられ、好ま
しくは、エポキシ基である。エポキシ基等は他の官能基
の一部として存在していてもよく、そのような例として
は例えばグリシジル基が挙げられる。
【0042】共重合体(β)において、かかる官能基を
共重合体中に導入する方法としては特に限定されるもの
ではなく、周知の方法で行うことができる。例えば共重
合体の合成段階で、該官能基を有する単量体を共重合に
より導入することも可能であるし、共重合体に該官能基
を有する単量体をグラフト共重合することも可能であ
る。
【0043】液晶ポリエステルと反応性を有する官能基
を有する単量体、中でもグリシジル基を含有する単量体
としては、不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび
/または不飽和グリシジルエーテルが好ましく用いられ
る。
【0044】不飽和カルボン酸グリシジルエステルは好
ましくは一般式
【化28】 (Rはエチレン系不飽和結合を有する炭素数2〜13の
炭化水素基である。)で表される化合物であり、また不
飽和グリシジルエーテルは好ましくは一般式
【化29】 (Rはエチレン系不飽和結合を有する炭素数2〜18の
炭化水素基であり、Xは
【化30】−CH2−O−または である。)で表される化合物である。
【0045】具体的には、不飽和カルボン酸グリシジル
エステルとしては、例えばグリシジルアクリレート、グ
リシジルメタクリレート、イタコン酸ジグリシジルエス
テル、ブテントリカルボン酸トリグリシジルエステル、
p−スチレンカルボン酸グリシジルエステルなどを挙げ
ることができる。不飽和グリシジルエーテルとしては、
例えばビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエ
ーテル、2−メチルアリルグリシジルエーテル、メタク
リルグリシジルエーテル、スチレン−p−グリシジルエ
ーテル等が例示される。
【0046】上記の液晶ポリエステルと反応性を有する
官能基を有する共重合体(β)は、好ましくは、不飽和
カルボン酸グリシジルエステル単位および/または不飽
和グリシジルエーテル単位を0.1〜30重量%含有す
る共重合体である。
【0047】また、上記の液晶ポリエステルと反応性を
有する官能基を有する共重合体(β)は、熱可塑性樹脂
であってもゴムであってもよいし、熱可塑性樹脂とゴム
の混合物であってもよい。ゴムを用いると組成物の成形
加工性や柔軟性がより優れ、好ましい。
【0048】さらに好ましくは、上記の液晶ポリエステ
ルと反応性を有する官能基を有する共重合体(β)は、
結晶の融解熱量が3J/g未満の共重合体である。また
共重合体(β)としては、ムーニー粘度が3〜70のも
のが好ましく、3〜30のものがさらに好ましく、4〜
25のものが特に好ましい。ここでいうムーニー粘度
は、JIS K6300に準じて100℃ラージロータ
ーを用いて測定した値をいう。
【0049】ここでいうゴムとは、新版高分子辞典(高
分子学会編、1988年出版、朝倉書店)による室温に
てゴム弾性を有する高分子物質に該当するものであり、
その具体例としては、天然ゴム、ブタジエン重合体、ブ
タジエン−スチレン共重合体(ランダム共重合体、ブロ
ック共重合体(SEBSゴムまたはSBSゴム等を含
む)、グラフト共重合体などすべて含まれる)又はその
水素添加物、イソプレン重合体、クロロブタジエン重合
体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、イソブチ
レン重合体、イソブチレン−ブタジエン共重合体ゴム、
イソブチレン−イソプレン共重合体、アクリル酸エステ
ル−エチレン系共重合体ゴム、エチレン−プロピレン共
重合体ゴム、エチレン−ブテン共重合体ゴム、エチレン
−プロピレン−スチレン共重合体ゴム、スチレン−イソ
プレン共重合体ゴム、スチレン−ブチレン共重合体、ス
チレン−エチレン−プロピレン共重合体ゴム、パーフル
オロゴム、ふっ素ゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴ
ム、シリコーンゴム、エチレン−プロピレン−非共役ジ
エン共重合体ゴム、チオールゴム、多硫化ゴム、ポリウ
レタンゴム、ポリエーテルゴム(例えばポリプロピレン
オキシド等)、エピクロルヒドリンゴム、ポリエステル
エラストマー、ポリアミドエラストマー等が挙げられ
る。中でも、アクリル酸エステル−エチレン系共重合体
が好ましく用いられ、(メタ)アクリル酸エステル−エ
チレン系共重合体ゴムがさらに好ましい。
【0050】これらのゴム様物質は、いかなる製造法
(例えば乳化重合法、溶液重合法等)、いかなる触媒
(例えば過酸化物、トリアルキルアルミニウム、ハロゲ
ン化リチウム、ニッケル系触媒等)でつくられたもので
もよい。
【0051】そして本発明においては、共重合体(β)
としてのゴムは上記のようなゴムにおいて、液晶ポリエ
ステルと反応性を有する官能基を有するゴムである。か
かるゴムにおいて、液晶ポリエステルと反応性を有する
官能基をゴム中に導入する方法としては、特に限定され
るものではなく、周知の方法で行うことができる。例え
ばゴムの合成段階で、該官能基を有する単量体を共重合
により導入することも可能であるし、ゴムに該官能基を
有する単量体をグラフト共重合することも可能である。
【0052】液晶ポリエステルと反応性を有する官能基
を有する共重合体(β)の具体例として、エポキシ基を
有するゴムとしては、(メタ)アクリル酸エステル−エ
チレン−(不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび
/または不飽和グリシジルエーテル)共重合体ゴムを挙
げることができる。
【0053】ここで(メタ)アクリル酸エステルとは、
アクリル酸またはメタクリル酸とアルコールから得られ
るエステルである。アルコールとしては、炭素原子数1
〜8のアルコールが好ましい。(メタ)アクリル酸エス
テルとして好ましくは、メチルアクリレート、メチルメ
タクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメ
タクリレート、tert−ブチルアクリレート、ter
t−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリ
レート、または2−エチルヘキシルメタクリレートであ
る。なお、(メタ)アクリル酸エステルとしては、その
一種を単独で使用してもよく、または二種以上を併用し
てもよい。
【0054】好ましくは、(メタ)アクリル酸エステル
単位が40重量%をこえ97重量%未満、さらに好まし
くは45〜70重量%、エチレン単位が3重量%以上5
0重量%未満、さらに好ましくは10〜49重量%、不
飽和カルボン酸グリシジルエーテル単位および/または
不飽和グリシジルエーテル単位が0.1〜30重量%、
さらに好ましくは0.5〜20重量%である。上記の範
囲外であると、組成物から得られるフィルムやシート等
の成形体の熱安定性や機械的性質が不十分となる場合が
あり好ましくない。
【0055】該共重合体ゴムは、通常の方法、例えばフ
リーラジカル開始剤による塊状重合、乳化重合、溶液重
合などによって製造することができる。なお、代表的な
重合方法は、特公昭46−45085号公報、特公昭6
1−127709号公報などに記載された方法、フリー
ラジカルを生成する重合開始剤の存在下、圧力500k
g/cm2以上、温度40〜300℃の条件により製造
することができる。
【0056】本発明の共重合体(β)に使用できるゴム
として他には、液晶ポリエステルと反応性を有する官能
基を有するアクリルゴムや、液晶ポリエステルと反応性
を有する官能基を有するビニル芳香族炭化水素化合物−
共役ジエン化合物ブロック共重合体ゴムも例示すること
ができる。
【0057】ここでいうアクリルゴムとして好ましく
は、一般式(1)
【化31】 (式中、R1は炭素原子数1〜18のアルキル基または
シアノアルキル基を示す。)、一般式(2)
【化32】 (式中、R2は炭素原子数1〜12のアルキレン基、R3
は炭素原子数1〜12のアルキル基を示す。)、および
一般式(3)
【化33】 (式中、R4は水素原子またはメチル基、R5炭素原子数
3〜30のアルキレン基、R6は炭素原子数1〜20の
アルキル基またはその誘導体、nは1〜20の整数を示
す。)で表される化合物からなる群から選ばれる少なく
とも1種の単量体を主成分とするものである。
【0058】上記一般式(1)で表されるアクリル酸ア
ルキルエステルの具体例としては、例えばメチルアクリ
レート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、
ブチルアクリレート、ペンチルアクリレート、ヘキシル
アクリレート、アクチルアクリレート、2−エチルヘキ
シルアクリレート、ノニルアクリレート、デシルアクリ
レート、ドデシルアクリレート、シアノエチルアクリレ
ートなどを挙げることができる。
【0059】また、上記一般式(2)で表されるアクリ
ル酸アルコキシアルキルエステルとしては、例えばメト
キシエチルアクリレート、エトキシエチルアクリレー
ト、ブトキシエチルアクリレート、エトキシプロピルア
クリレートなどを挙げることができる。これらの1種あ
るいは2種以上を該アクリルゴムの主成分として用いる
ことができる。
【0060】かかるアクリルゴムの構成成分として、必
要に応じて上記の一般式(1)〜(3)で表される化合
物からなる群から選ばれる少なくとも一種の単量体と共
重合可能な不飽和単量体を用いることができる。このよ
うな不飽和単量体の例としては、スチレン、α−メチル
スチレン、アクリロニトリル、ハロゲン化スチレン、メ
タクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミ
ド、ビニルナフタレン、N−メチロールアクリルアミ
ド、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ベンジ
ルアクリレート、メタクリル酸、イタコン酸、フマル
酸、マレイン酸などが挙げられる。
【0061】液晶ポリエステルと反応性を有する官能基
を有するアクリルゴムの好ましい構成成分比は、上記の
一般式(1)〜(3)で表される化合物からなる群から
選ばれる少なくとも一種の単量体40.0〜99.9重
量%、不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび/ま
たは不飽和グリシジルエーテル0.1〜30.0重量
%、上記の一般式(1)〜(3)で表される化合物から
なる群から選ばれる少なくとも一種の単量体と共重合可
能な不飽和単量体0.0〜30.0重量%である。該ア
クリルゴムの構成成分比が上記の範囲内であると、組成
物の耐熱性や耐衝撃性、成形加工性が良好であり好まし
い。
【0062】該アクリルゴムの製法は特に限定するもの
ではなく、例えば特開昭59−113010号公報、特
開昭62−64809号公報、特開平3−160008
号公報、あるいはWO95/04764号公開明細書な
どに記載されているような周知の重合法を用いることが
でき、ラジカル開始剤の存在下で乳化重合、懸濁重合、
溶液重合あるいはバルク重合で製造することができる。
【0063】前記液晶ポリエステルと反応性を有する官
能基を有するビニル芳香族炭化水素化合物−共役ジエン
化合物ブロック共重合体ゴムとして好ましくは、(a)
ビニル芳香族炭化水素化合物を主体とするシーケンスと
(b)共役ジエン化合物を主体とするシーケンスからな
るブロック共重合体をエポキシ化して得られるゴム、ま
たは該ブロック共重合体の水添物をエポキシ化して得ら
れるゴムである。
【0064】ビニル芳香族炭化水素化合物−共役ジエン
化合物ブロック共重合体あるいはその水添物は、周知の
方法で製造することができ、例えば、特公昭40−23
798号公報、特開昭59−133203号公報等に記
載されている。
【0065】芳香族炭化水素化合物としては、例えば、
スチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、α−メ
チルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルナフタレン
などを挙げることができ、中でもスチレンが好ましい。
共役ジエン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソ
プレン、ピレリレン、1,3−ペンタジエン、3−ブチ
ル−1,3−オクタジエンなどを挙げることができ、ブ
タジエンまたはイソプレンが好ましい。
【0066】共重合体(β)として用いるゴムとして好
ましくは、(メタ)アクリル酸エステル−エチレン−
(不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび/または
不飽和グリシジルエーテル)共重合体ゴムが用いられ
る。
【0067】共重合体(β)として用いるゴムは、必要
に応じて加硫を行い、加硫ゴムとして用いることができ
る。上記の(メタ)アクリル酸エステル−エチレン−
(不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび/または
不飽和グリシジルエーテル)共重合体ゴムの加硫は、多
官能性有機酸、多官能性アミン化合物、イミダゾール化
合物などを用いることで達成されるが、これらに限定さ
れるものではない。
【0068】また、液晶ポリエステルと反応性を有する
官能基を有する共重合体(β)の具体例として、エポキ
シ基を有する熱可塑性樹脂としては(a)エチレン単位
が50〜99重量%、(b)不飽和カルボン酸グリシジ
ルエステル単位および/または不飽和グリシジルエーテ
ル単位が0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜20
重量%、(c)エチレン系不飽和エステル化合物単位が
0〜50重量%からなるエポキシ基含有エチレン共重合
体を挙げることができる。
【0069】エチレン系不飽和エステル化合物(c)と
しては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタク
リル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチ
ル等のカルボン酸ビニルエステル、α,β−不飽和カル
ボン酸アルキルエステル等が挙げられる。特に酢酸ビニ
ル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチルが好ましい。
【0070】該エポキシ基含有エチレン共重合体の具体
例としては、たとえばエチレン単位とグリシジルメタク
リレート単位からなる共重合体、エチレン単位とグリシ
ジルメタクリレート単位およびアクリル酸メチル単位か
らなる共重合体、エチレン単位とグリシジルメタクリレ
ート単位およびアクリル酸エチル単位からなる共重合
体、エチレン単位とグリシジルメタクリレート単位およ
び酢酸ビニル単位からなる共重合体等が挙げられる。
【0071】該エポキシ基含有エチレン共重合体のメル
トインデックス(以下、MFRということがある。JI
S K6760、190℃、2.16kg荷重)は、好
ましくは0.5〜100g/10分、更に好ましくは2
〜50g/10分である。メルトインデックスはこの範
囲外であってもよいが、メルトインデックスが100g
/10分を越えると組成物にした時の機械的物性の点で
好ましくなく、0.5g/10分未満では成分(A)の
液晶ポリエステルとの相溶性が劣り好ましくない。
【0072】また、該エポキシ基含有エチレン共重合体
は、曲げ剛性率が10〜1300kg/cm2の範囲の
ものが好ましく、20〜1100kg/cm2のものが
さらに好ましい。曲げ剛性率がこの範囲外であると組成
物の成形加工性や機械的性質が不十分となる場合があり
好ましくない。
【0073】該エポキシ基含有エチレン共重合体は、通
常不飽和エポキシ化合物とエチレンをラジカル発生剤の
存在下、500〜4000気圧、100〜300℃で適
当な溶媒や連鎖移動剤の存在下または不存在下に共重合
させる高圧ラジカル重合法により製造される。また、ポ
リエチレンに不飽和エポキシ化合物およびラジカル発生
剤を混合し、押出機の中で溶融グラフト共重合させる方
法によっても作られる。
【0074】本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物は、
上記の液晶ポリエステル(α)および共重合体(β)を
用いてなる樹脂組成物であり、液晶ポリエステル(α)
を連続相とし液晶ポリエステルと反応性を有する官能基
を有する共重合体(β)を分散相とする樹脂組成物であ
る。液晶ポリエステルが連続相でない場合には、液晶ポ
リエステル樹脂組成物を用いてなるフィルムのガスバリ
ア性、耐熱性などが著しく低下する場合があり、好まし
くない。
【0075】このような官能基を有する共重合体と液晶
ポリエステルとの樹脂組成物においては、機構の詳細は
不明ではあるが、該組成物の成分(α)と成分(β)と
の間で反応が生起し、成分(α)が連続相を形成すると
ともに成分(β)が微細分散し、そのために該組成物の
成形加工性が向上するものと考えられる。
【0076】本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物は、
流動開始温度が300℃以下、好ましくは220〜29
5℃、さらに好ましくは230〜280℃である。該流
動開始温度が300℃を超えると、製膜加工温度が31
0℃を越えることがあり、好ましくない。
【0077】本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物の一
実施態様は、液晶ポリエステル(α)56.0〜99.
9重量%、好ましくは65〜98重量%、さらに好まし
くは70〜98重量%、および液晶ポリエステルと反応
性を有する官能基を有する共重合体(β)44.0〜
0.1重量%、好ましくは35〜2重量%、さらに好ま
しくは30〜2重量%を用いてなる樹脂組成物である。
成分(α)が56.0重量%未満であると該組成物から
得られるフィルムまたはシート等の成形体のガスバリア
性、耐熱性が低下する場合があり好ましくない。また成
分(α)が99.9重量%を超えると該組成物の成形加
工性が低下する場合があり、また価格的にも高価なもの
となり好ましくない。
【0078】本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物の流
動開始温度(FT2)は、[該組成物の成分(α)の液
晶ポリエステルの流動開始温度(FT1)より20℃低
い温度]より高いと、該組成物の成形加工性が向上し、
好ましい。FT2が[FT1より10℃低い温度]より
高いことがより好ましく、FT2がFT1より高いこと
がさらに好ましい。
【0079】本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物は溶
融粘度の温度依存性が小さく、成形加工温度範囲が広い
傾向を示す。本発明で使用する液晶ポリエステル樹脂組
成物として好ましくは、異方性溶融相を形成し始める温
度(流動開始温度)においてせん断速度100sec-1
もしくは1000sec-1で測定した溶融粘度(粘度
1)と、流動開始温度より20℃高い温度において粘度
1と同じせん断速度で測定した溶融粘度(粘度2)との
比(粘度2/粘度1)の値が、0.20〜0.80(さ
らに好ましくは0.30〜0.80、特に好ましくは
0.40〜0.80)であり、従来の液晶ポリエステル
のそれ(0.10以下)より大きな値を示すことが好ま
しい。かかる液晶ポリエステルを用いてなる本発明の樹
脂組成物は、溶融粘度の温度依存性が小さく、加工時の
成形安定性は良くなる方向になると考えられる。
【0080】本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物は、
その流動開始温度より25℃以上高い温度で測定される
メルトテンション(MT)が1.5g以上を示すもので
あることが好ましく、より好ましくは2g以上、さらに
好ましくは5g以上である。液晶ポリエステル樹脂組成
物の組成にも依存するが、MTが1.5g未満の場合
は、インフレーション製膜が困難であったり、フロスト
ラインが安定しない場合が多い。
【0081】本発明における液晶ポリエステル樹脂組成
物を製造する方法としては周知の方法を用いることがで
きる。工業的見地からみると溶融状態で各成分を混練す
る方法が好ましい。溶融混練には一般に使用されている
一軸または二軸の押出機、各種のニーダー等の混練装置
を用いることができる。特に二軸の高混練機が好まし
い。溶融混練に際しては、混練装置のシリンダー設定温
度は200〜350℃の範囲が好ましく、より好ましく
は230〜330℃であり、さらに好ましくは230〜
310℃である。
【0082】混練に際しては、各成分は予めタンブラー
もしくはヘンシェルミキサーのような装置で各成分を均
一に混合してもよいし、必要な場合には混合を省き、混
練装置にそれぞれ別個に定量供給する方法も用いること
ができる。
【0083】本発明に使用する液晶ポリエステル樹脂組
成物においては、所望により無機充填剤が用いられる。
このような無機充填剤としては、炭酸カルシウム、タル
ク、クレー、シリカ、炭酸マグネシウム、硫酸バリウ
ム、酸化チタン、アルミナ、石膏、ガラスフレーク、ガ
ラス繊維、炭素繊維、アルミナ繊維、シリカアルミナ繊
維、ホウ酸アルミニウムウィスカ、チタン酸カリウム繊
維等が例示される。
【0084】本発明に使用する液晶ポリエステル樹脂組
成物に、必要に応じて、さらに、有機充填剤、酸化防止
剤、熱安定剤、光安定剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、
防錆剤、架橋剤、発泡剤、蛍光剤、表面平滑剤、表面光
沢改良剤、フッ素樹脂などの離型改良剤などの各種の添
加剤を製造工程中あるいはその後の加工工程におい添加
することができる。
【0085】本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物にお
ける成分(α)と(β)は、用途によってその組み合わ
せを上記の範囲内で自由に得られるが、環境問題などの
観点から、炭素、酸素、水素のみの元素からなる樹脂組
成物が好ましく用いられる。
【0086】本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物は特
に低温加工性に優れており、液晶ポリエステル樹脂組成
物フィルムを容易に製造することができる。液晶ポリエ
ステル樹脂組成物フィルムの成形方法は特に制限するも
のではなく、周知の方法で行うことができる。
【0087】該組成物を製膜する方法としては、例え
ば、Tダイから溶融樹脂を押出し巻き取るTダイ法、環
状ダイスを設置した押出し機から溶融樹脂を円筒状に押
出し、冷却し巻き取るインフレーション製膜法によりフ
ィルムまたはシートを得ることもできるし、あるいは射
出成形法や押出し法で得られたシートをさらに一軸延伸
してフィルムまたはシートを得ることもできる。射出成
形、押出成形などの場合にはあらかじめ混練の工程を経
ることなく、成分のペレットを成形時にドライブレンド
して溶融成形して、フィルムまたはシートを得ることも
できる。
【0088】T型ダイ法では、Tダイを通して押出した
溶融樹脂を巻き取り機方向(長手方向)に延伸しながら
巻き取って得られる一軸延伸フィルム、または二軸延伸
フィルムが好ましく用いられる。
【0089】一軸延伸フィルムの製膜時における押出機
の設定条件は組成物の組成に応じて適宜設定できるが、
シリンダー設定温度は200〜350℃が好ましく、よ
り好ましくは230〜330℃、230〜310℃の範
囲がさらに好ましい。この範囲外であると組成物の熱分
解が生じたり、製膜が困難となる場合があり好ましくな
い。
【0090】Tダイのスリット間隔は、0.2〜2.0
mmが好ましく、0.2〜1.2mmがさらに好ましい。
一軸延伸フィルムのドラフト比は、1.1〜40の範囲
のものが好ましく、さらに好ましくは10〜40であ
り、特に好ましくは15〜35である。
【0091】ここでいうドラフト比とは、Tダイスリッ
トの断面積を長手方向に垂直な面のフィルム断面積で除
した値をいう。ドラフト比が1.1未満であるとフィル
ム強度が不十分であり、ドラフト比が45を越すとフィ
ルムの表面平滑性が不十分となる場合があり、好ましく
ない。ドラフト比は押出機の設定条件、巻き取り速度な
どを制御して設定することができる。
【0092】二軸延伸フィルムは、一軸延伸フィルムの
製膜と同様の押出機の設定条件、すなわちシリンダー設
定温度が好ましくは200〜350℃、より好ましくは
230〜330℃、さらに好ましくは230〜310℃
の範囲、Tダイのスリット間隔が好ましくは0.2〜
1.2mmの範囲で該組成物の溶融押出しを行い、Tダ
イから押出した溶融体シートを長手方向および長手方向
と垂直方向(横手方向)に同時に延伸する方法、または
Tダイから押出した溶融体シートをまず長手方向に延伸
し、ついでこの延伸シートを同一工程内で100〜30
0℃の高温下でテンターより横手方向に延伸する逐次延
伸の方法などにより得られる。
【0093】二軸延伸フィルムを得る際、その延伸比は
長手方向に1.2〜20倍、横手方向に1.2〜20倍
の範囲が好ましい。延伸比が上記の範囲外であると、該
組成物フィルムの強度が不十分となったり、または均一
な厚みのフィルムを得るのが困難となる場合があり好ま
しくない。
【0094】円筒形のダイから押出した溶融体シートを
インフレーション法で製膜して得られる、インフレーシ
ョンフィルムなども好ましく用いられる。
【0095】すなわち、上記の方法により得られた液晶
ポリエステル樹脂組成物は、環状スリットのダイを備え
た溶融混練押出機に供給され、シリンダー設定温度は好
ましくは200〜350℃、より好ましくは230〜3
30℃、さらに好ましくは230〜310℃で溶融混練
を行って押出機の環状スリットから筒状フィルムは上方
または下方へ溶融樹脂が押出される。環状スリット間隔
は通常0.1〜5mm、好ましくは0.2〜2mm、環
状スリットの直径は通常20〜1000mm、好ましく
は25〜600mmである。
【0096】溶融押出しされた溶融樹脂フィルムに長手
方向(MD)にドラフトをかけるとともに、この筒状フ
ィルムの内側から空気または不活性ガス、例えば窒素ガ
スなどを吹き込むことにより長手方向と直角な横手方向
(TD)にフィルムを膨張延伸させる。
【0097】インフレーション成形(製膜)において、
好ましいブロー比(TD延伸倍率)は1.5〜15、よ
り好ましくは2.5〜15である。また、好ましいドロ
ー比(MD延伸倍率)は1.5〜40、より好ましくは
2.5〜30である。ここで、MD延伸倍率は(環状ス
リットの面積)/(フィルムの断面積)で求め、TD延
伸倍率は(円筒型のフィルムの直径)/(ダイスの直
径)から求められる。インフレーション製膜時の設定条
件が上記の範囲外であると厚さが均一でしわの無い高強
度の液晶ポリエステル樹脂組成物フィルムを得るのが困
難となる場合があり好ましくない。
【0098】膨張させたフィルムは、その円周を空気ま
たは不活性ガス(例えば窒素ガスなど)で冷却した後、
ニップロールを通過させて引き取る。
【0099】インフレーション製膜に際しては液晶ポリ
エステル樹脂組成物の組成に応じて、筒状の溶融体フィ
ルムが均一な厚みで表面平滑な状態に膨張するような条
件を選択することができる。
【0100】フィルムの厚みには特に制限はないが、好
ましくは1〜500μm、さらに好ましくは1〜200
μmである。
【0101】本発明のフィルムの表面には、必要に応じ
て表面処理を施すことができる。このような表面処理法
としては、例えばコロナ放電処理、プラズマ処理、火炎
処理、紫外線処理、赤外線処理、スパッタリング処理、
溶剤処理、研磨処理などが挙げられる。
【0102】本発明のフィルムは、液晶ポリエステル樹
脂組成物層と液晶ポリエステルあるいは液晶ポリエステ
ル樹脂組成物以外の熱可塑性樹脂層との二層以上の積層
構造をとる積層フィルムとすることができる。即ち本発
明のフィルムとしては、少なくとも、上記の液晶ポリエ
ステル樹脂組成物よりなる層と、熱可塑性樹脂(但し、
該液晶ポリエステルおよび該液晶ポリエステル樹脂組成
物を除く。)よりなる層とを有する積層構造体から構成
される積層フィルムも得ることができる。
【0103】かかる熱可塑性樹脂としては、ポリオレフ
ィン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステ
ル、ポリアセタール、ポリアミド、ポリフェニレンエー
テル、ポリエーテルサルホン、エチレン−酢酸ビニル共
重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフ
ェニレンサルファイド、フッ素樹脂およびアクリル樹脂
からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有するもの
であることが好ましい。中でもポリオレフィン、ポリエ
ステル、ポリアミドの少なくとも一種を含有するものが
好ましい。
【0104】ここでいうポリオレフィンとしては、炭素
数2〜20個からなるオレフィン、ジオレフィン等の単
独重合体または共重合体を使用できる。オレフィン、ジ
オレフィンの具体例としては、エチレン、プロピレン、
ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−
1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1、ヘキサデ
セン−1、エイコセン−1、4−メチルペンテン−1、
5−メチル−2−ペンテン−1等が例示される。かかる
ポリオレフィンの具体例としては、低密度ポリエチレ
ン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−
ブテン、ポリ−4−メチルペンテン−1、エチレン/ブ
テン−1共重合体、エチレン/4−メチルペンテン−1
共重合体、エチレン/ヘキセン−1共重合体、プロピレ
ン/エチレン共重合体、プロピレン/ブテン−1共重合
体などを挙げることができる。
【0105】また、ここでいうポリエステルとしては、
例えば2価のカルボン酸と2価のアルコールとの重縮合
体等が挙げられ、その場合好ましくは、芳香族ジカルボ
ン酸とアルキレングリコールの重縮合体である。そのよ
うなポリエステルの具体例としてはポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレートなどを挙げるこ
とができる。
【0106】また、ポリアミドとしては、例えば2価の
カルボン酸と2価のアミンとの重縮合体やアミノカルボ
ン酸の重縮合体等が挙げられ、そのようなポリアミドの
具体例としては、ポリアミド6、ポリアミド12、ポリ
アミド11、ポリアミド6−6、ポリアミド6−12、
ポリアミドMXD6などが挙げられる。
【0107】かかる熱可塑性樹脂としては、1種または
2種以上のものを混合して用いることもできる。かかる
熱可塑性樹脂には、所望により無機充填剤が用いられ
る。このような無機充填剤としては、炭酸カルシウム、
タルク、クレー、シリカ、炭酸マグネシウム、硫酸バリ
ウム、酸化チタン、アルミナ、石膏、ガラスフレーク、
ガラス繊維、炭素繊維、アルミナ繊維、シリカアルミナ
繊維、ホウ酸アルミニウムウィスカ、チタン酸カリウム
繊維等が例示される。
【0108】かかる熱可塑性樹脂には、必要に応じて、
さらに、有機充填剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定
剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、無機または有機系着色
剤、防錆剤、架橋剤、発泡剤、蛍光剤、表面平滑剤、表
面光沢改良剤、フッ素樹脂などの離型改良剤などの各種
の添加剤を製造工程中あるいはその後の加工工程におい
て添加することができる。
【0109】本発明のフィルムとしてこのような積層構
造体を用いる際には、必要に応じて各層の間に接着剤層
を有して各層間の接着強度を向上させることも可能であ
る。接着剤層における接着剤としては、ホットメルト接
着剤、ポリウレタン接着剤あるいはエポキシ基含有共重
合体などを例示することができる。また、接着性樹脂を
用いることもできる。接着性樹脂は特に限定するもので
はなく、積層フィルムの製造方法や用途に応じて選ぶこ
とができるが、例えば、エチレンと無水マレイン酸との
共重合体、エチレンとエチルアクリレートとの共重合
体、エチレンと無水マレイン酸とメチルアクリレートと
の共重合体、エチレンとアクリル酸との共重合体、エチ
レンとメタクリル酸との共重合体などが挙げられる。ま
た、無水マレイン酸グラフトポリオレフィン、アイオノ
マーなども挙げることができる。
【0110】このような積層フィルムの形態は特に限定
するものではなく、液晶ポリエステル樹脂組成物フィル
ムを外層とし、他の熱可塑性樹脂フィルムを内容物と接
する内層として形成してもよいし、液晶ポリエステル樹
脂組成物フィルムを他の熱可塑性樹脂フィルムでサンド
イッチ上に挟んで成形してもよい。
【0111】かかる積層フィルムを製造する方法に特に
制限はなく、例えば、インフレーション製膜法またはT
ダイ押し出し法などにより得られた液晶ポリエステル樹
脂組成物フィルムと該熱可塑性樹脂フィルムとを、熱ロ
ールもしくはプレス機を使用した熱圧着によりそれらの
積層体を得る方法、該熱可塑性樹脂フィルムに液晶ポリ
エステル樹脂組成物をコーティングする方法、該液晶ポ
リエステル樹脂組成物と該熱可塑性樹脂とを共押出して
積層体を得る方法などを挙げることができる。
【0112】本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物とし
ては、含水量が該液晶ポリエステル樹脂組成物に対して
0.05wt%以下の液晶ポリエステル樹脂組成物であ
ると、該液晶ポリエステル樹脂組成物の成形安定性が良
好であり、好ましい。該含水量として好ましくは0.0
4wt%以下であり、Tダイ法もしくはインフレーショ
ン製膜法により成形する場合は、0.03wt%以下が
さらに好ましい。インフレーション製膜法では特に含水
量が成形安定性に及ぼす影響が大きく、0.02wt%
以下が特に好ましい。
【0113】液晶ポリエステル樹脂組成物の成形安定性
は、その成形温度の目安となる前述した流動開始温度を
測定することにより、簡略的な評価が可能である。該含
水量が0.05wt%を超えると、該液晶ポリエステル
樹脂組成物の流動開始温度が極端に低くなると同時に、
その値自体が安定しなくなることがあり好ましくない。
【0114】本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物の含
水量を0.05wt%以下に制御する方法に特に制限は
なく、乾燥機などの手段により水分を除去・乾燥すれば
よい。該液晶ポリエステル樹脂組成物を直接加熱乾燥し
てもよいし、真空乾燥してもよい。好ましい方法として
は、該液晶ポリエステル樹脂組成物を、100〜150
℃に加熱した乾燥機中で2時間以上、好ましくは4時間
以上乾燥させる。該乾燥機として好ましくは、熱風循環
オーブンである。
【0115】かかる含水量の測定については特にその方
法に制限はないが、例えば液晶ポリエステル樹脂組成物
のペレット(直径約2mm、長さ4mm)について、市
販の水分計を用いて測定する方法が適用できる。具体的
には、該ペレットを赤外線で例えば120℃以上に加熱
し、重量減少が実質的になくなった時点での重量を測定
して、元の重量と比較して含水量を得ることができる。
【0116】かかる含水量の少ない液晶ポリエステル樹
脂組成物は、その成形加工時の成形安定性が良好であ
り、それを用いて得られるシートもしくはフィルムは、
厚み分布のばらつきが小さくて物性のばらつきが低減さ
れ、外観が良好である。含水量が多いと、例えば、プレ
ス成形する場合に表面に発泡が生じたり、Tダイを用い
てシート成形する場合に成形体の表面が荒れたり、発泡
したりすることがあり、また、インフレーション製膜法
によりフィルム成形する場合に、押出し機先端部の樹脂
圧力が安定しないことでインフレーションバブルの形状
が安定せず、得られたフィルムの偏肉が大きくなること
があり、好ましくない
【0117】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳しく説明する
が、これによって本発明の範囲が限定されるものではな
い。なお、各物性は次に示す方法により測定した。
【0118】[物性の測定法] 流動開始温度(FT):溶融流動性を表す指標であり、
(株)島津製作所製高化式フローテスターCFT500
型で測定され、4℃/分の昇温速度で加熱溶融されたサ
ンプル樹脂(約2g)を100kg/cm2の荷重下で
内径1mm、長さ10mmのノズルから押し出した時
に、該溶融粘度が48,000ポイズを示す温度(℃)
として表した。
【0119】液晶への転移温度:差動形示差熱天秤(リ
ガク社製TAS−200)を用いて、窒素を70ml/
分で流通下に、10℃/分の速度で昇温し、試料の熱挙
動を測定した時の吸熱ピークの位置によった。
【0120】重量減少は、差動形示差熱天秤(リガク社
製TAS−200)を用いて、粒径250μm以下のサ
ンプル樹脂約20mgを窒素中において昇温速度10℃
/分で加熱した時に400℃までの重量変化を測定し、
元の重量との重量減少率(%)を求めた。
【0121】光学異方性:サンプル樹脂の溶融状態にお
ける光学異方性は、加熱ステージ上に置かれた粒径25
0μm以下のサンプル樹脂粉末を偏光下、25℃/分で
昇温して、肉眼観察又は透過光量をXYレコーダーに記
録することにより行った。
【0122】溶融粘度:キャピログラフ1B型(東洋精
機製作所製)を用いて、キャピラリーの内径は、0.5
mm、長さは10mmのものを使用し、試料約10gを
仕込み、所定温度下に所定の剪断速度(100se
-1,1000sec-1)で溶融粘度を測定した。
【0123】メルトテンション(溶融張力):キャピロ
グラフ1B型(東洋精機製作所製)を用いて、試料約1
0gを仕込み、キャピラリーの内径2.095mm、長
さは8.0mm、ピストンの押出し速度は5.0mm/
分、速度可変巻取機で自動昇速しながら試料を糸状に引
き取り、破断したときの張力を測定した。単位はgであ
る。
【0124】酸素ガス透過率:JIS K7126 A
法(差圧法)に準拠して温度20℃の条件で測定した。
単位はcc/m2・24hr・1atmである。
【0125】水蒸気透過率:JIS Z0208(カッ
プ法)に準拠して温度40℃、相対湿度90%の条件で
測定した。単位はg/m2・24hr・1atmであ
る。なお酸素ガス透過率と水蒸気透過率は膜厚みを25
μmに換算して求め、2回の測定結果の平均値で示し
た。
【0126】対数粘度(ηinh):下式により求めた。 ηinh=(ln(ηrel))/C 式中、ηrelは相対粘度と呼ばれるもので、ポリマー溶
液と溶媒の毛細管中の一定標線間を落下する時間の比
(ポリマー溶液/溶媒)である。Cは、ポリマー溶液の
濃度で、単位は、g/dlである。本発明においては、
溶媒として、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェ
ノールを用い、ポリマー濃度0.1g/dl、温度60
℃でオストワルド粘度計にて測定した値である。
【0127】フィルム外観:フィルム外観は以下の基準
に基づいて目視で評価した。 ○:フィルムに厚みむらが小さく、突起状のブツがほと
んど認められない。 ×:フィルムに厚みむら、突起状のブツなどが認められ
る。
【0128】(1)成分(α)の液晶ポリエステル 参考例1 液晶ポリエステルA−1の製造 3リットル四ツ口セパラブルフラスコにジムロート、ト
型連結管、玉栓およびイカリ型攪拌翼を取り付けた。ト
型連結管にはさらに窒素導入管およびフラスコ内温測定
用の熱電対を取り付けた。また、フラスコ外側にも熱電
対を取り付けた。このセパラブルフラスコにP−ヒドロ
キシ安息香酸(POB)979.8g(7.09モ
ル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル(DOD)4
40.3g(2.36モル)、テレフタル酸(TPA)
117.9g(0.71モル)、イソフタル酸(IP
A)275.0g(1.66モル)、および無水酢酸1
328g(13.0モル)を投入し、マントルヒーター
にて窒素雰囲気下フラスコ外温150℃まで昇温し、約
200rpmで攪拌しながら還流下約3時間水酸基のア
セチル化を行った。アセチル化に引き続き、ジムロート
還流管をリービッヒ冷却管に交換し、1℃/minの割
合でさらに320℃まで昇温し、酢酸および過剰の無水
酢酸を留去しながら重合を行った。重合途中1時間目に
サンプリングし、流動開始温度を測定したところ、22
3℃であった。320℃で約2時間保持して溶融重合し
た後、撹拌を停止させ、ポリマーを溶融状態でステンレ
ス製バットに回収した。数分後に固化した。収量は15
83g(収率99.0%)であった。同様の操作を3回
繰り返し、得られたポリマーを3〜5cm角程度の大き
さに裁断した後、粗粉砕機を用い、粗粉砕してプレ重合
パウダー(以後プレポリマーと略することがある)を得
た。このプレポリマーのFTは230℃であった。得ら
れたプレポリマーをアルミ製トレーに取り、窒素雰囲気
炉に仕込んだ。窒素気流下にて30分以上放置して完全に
炉内を窒素置換した後、1時間で200℃まで昇温し、
さらに7時間かけて240℃まで昇温した(昇温速度約
0.1℃/min)。該温度で5時間保持して固相重合
した後、窒素気流下のまま放冷し、固相重合パウダーを
得た(以後アドバンストポリマーと略することがあ
る)。このアドバンストポリマーのFTは280℃であ
り、対数粘度は3.3dl/gであった。以下該液晶ポ
リエステルをA−1と略記する。このポリマーは溶融時
に光学異方性を示した。液晶ポリエステルA−1の繰り
返し構造単位は、次の通りである。TPA/IPA=3
0/70(モル%)に相当する。
【0129】 このポリマーを、池貝機販(株)製PCM−30二軸押
出機にて、ダイヘッド温度は300℃に設定し、スクリ
ュー回転数100rpmで溶融混錬を行ってFTが25
5℃である造粒ペレットを得た。この造粒ペレットの2
95℃(FT+40℃)におけるメルトテンション(M
T)は1.2gであった。
【0130】参考例2 液晶ポリエステルA−2およ
びA−3の製造 前記参考例1においてP−ヒドロキシ安息香酸(PO
B)979.8g(7.09モル)、4,4’−ジヒド
ロキシビフェニル(DOD) 440.3g(2.36モ
ル)、および無水酢酸1328g(13.0モル)は一
定とし、テレフタル酸(TPA)とイソフタル酸(IP
A)の合計量を2.36モル一定とし、成分比を以下の
ように変え、前記参考例1と同様の操作で溶融重合し
た。参考例1と同様にして、温度を1時間で190℃ま
で昇温し、その後30分かけて200℃に昇温し、さら
に10時間かけて260℃まで昇温し、該温度で5時間
保持して固相重合した。対応する液晶ポリエステルA−
2およびA−3のアドバンストポリマーを得た。いずれ
も加熱溶融時に光学異方性を示した。 A−2:TPA/IPA=10/90(モル%)に相当
する。 FT=283℃、対数粘度=2.6dl/g A−3:TPA/IPA=50/50(モル%)に相当
する。 FT=299℃、対数粘度=2.9dl/g
【0131】A−2を、池貝機販(株)製PCM−30
二軸押出機にて、ダイヘッド温度は293℃に設定し、
スクリュー回転数80rpmで溶融混錬を行ってFTが
245℃である造粒ペレットを得た。この造粒ペレット
の295℃(FT+50℃)におけるメルトテンション
(MT)は1.4gであった。A−3を、池貝機販
(株)製PCM−30二軸押出機にて、ダイヘッド温度
は310℃に設定し、スクリュー回転数100rpmで
溶融混錬を行ってFTが279℃である造粒ペレットを
得た。この造粒ペレットの309℃(FT+30℃)に
おけるメルトテンション(MT)は1.9gであった。
【0132】参考例3 液晶ポリエステルA−4の製
造 3リットル四ツ口セパラブルフラスコにジムロート、ト
型連結管、玉栓およびイカリ型攪拌翼を取り付けた。ト
型連結管にはさらに窒素導入管およびフラスコ内温測定
用の熱電対を取り付けた。また、フラスコ外側にも熱電
対を取り付けた。このセパラブルフラスコにP−ヒドロ
キシ安息香酸(POB)979.8g(7.09モ
ル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル(DOD)4
40.3g(2.36モル)、テレフタル酸(TPA)
117.9g(0.71モル)、イソフタル酸(IP
A)275.0g(1.66モル)、および無水酢酸1
328g(13.0モル)を投入し、マントルヒーター
にて窒素雰囲気下フラスコ外温150℃まで昇温し、約
200rpmで攪拌しながら還流下約3時間水酸基のア
セチル化を行った。アセチル化に引き続き、ジムロート
還流管をリービッヒ冷却管に交換し、1℃/minの割
合でさらに320℃まで昇温し、酢酸および過剰の無水
酢酸を留去しながら重合を行った。重合途中1時間目に
サンプリングし、流動開始温度を測定したところ、22
3℃であった。320℃で約2時間保持して溶融重合し
た後、撹拌を停止させ、ポリマーを溶融状態でステンレ
ス製バットに回収した。数分後に固化した。同様の操作
を3回繰り返し、得られたポリマーを3〜5cm角程度
の大きさに裁断した後、粗粉砕機を用い、粗粉砕してプ
レポリマーを得た。このプレポリマーのFTは232℃
であった。得られたプレポリマーをアルミ製トレーに取
り、窒素雰囲気炉に仕込んだ。窒素気流下にて30分以上
放置して完全に炉内を窒素置換した後、1時間で200
℃まで昇温し、さらに12時間かけて270℃まで昇温
した(昇温速度約0.1℃/min)。該温度で5時間
保持して固相重合した後、窒素気流下のまま放冷し、固
相重合パウダーを得た(以後アドバンストポリマーと略
することがある)。このアドバンストポリマーのFTは
314℃であり、対数粘度は3.8dl/gであった。
以下該液晶ポリエステルをA−4と略記する。このポリ
マーは溶融時に光学異方性を示した。
【0133】このポリマーを、日本製鋼製TEX−30
二軸押出機にて、ダイヘッド温度は315℃に設定し、
スクリュー回転数200rpmで溶融混錬を行ってFT
が260℃である造粒ペレットを得た。この造粒ペレッ
トの310℃(FT+50℃)におけるメルトテンショ
ン(MT)は10.3gであった。
【0134】(2)成分(β)の共重合体 B−1:住友化学工業(株)製 商品名 ボンドファー
スト 7L、組成 エチレン/グリシジルメタクリレー
ト/メチルアクリレート=67/3/30、共重合体。 MFR(190℃、2.16kg荷重)=9g/10
分。 曲げ剛性率=60kg/cm2
【0135】B−2:特開昭61−127709号公報
の実施例5に記載の方法に準じて、メチルアクリレート
/エチレン/グリシジルメタクリレート=59.0/3
8.7/2.3(重量比)、ムーニー粘度=15の共重
合体ゴムを得た。ここでムーニー粘度は、JIS K6
300に準じて100℃、ラージローターを用いて測定
した値である。以下該共重合体ゴムをB−2と略称する
ことがある。
【0136】実施例1 組成物の組成比としてアドバンストポリマー(A−1)
90重量%、(B−1)10重量%となるようにポリ袋
に秤取し、均一に混合し、池貝機販(株)製PCM−3
0二軸押出機にて、ダイヘッド温度は291℃に設定
し、スクリュー回転数80rpmで溶融混練を行って樹
脂組成物のペレットを得た。得られた液晶ポリエステル
樹脂組成物ペレットのFTは255℃であった。測定し
た溶融粘度の値は表1に、メルトテンション(MT)の
値は表2にまとめた。この様にして得られた液晶ポリエ
ステル樹脂組成物を東洋精機製作所製ラボプラストミル
に30mmφの二軸押出機を設置し、ヘッド部に25m
mφ、ダイギャップ0.75mmのインフレーションダ
イを取り付け、シリンダー温度280〜290℃、ダイ
ヘッド温度290℃、引き取り速度20m/分で製膜
し、折幅150mmのフィルムを得た。バブルも安定
し、膜厚は14〜21μmであり、フィルム外観は良好
(○)であった。またその酸素ガス透過率は5.7cc
/m 2・24hr・1atm、水蒸気透過率は0.46
g/m2・24hr・1atmであった。
【0137】実施例2 組成物の組成比としてアドバンストポリマー(A−1)
80重量%、(B−1)20重量%となるようにポリ袋
に秤取し、均一に混合し、池貝機販(株)製PCM−3
0二軸押出機にて、ダイヘッド温度は265℃に設定
し、スクリュー回転数100rpmで溶融混練を行って
樹脂組成物のペレットを得た。得られた液晶ポリエステ
ル樹脂組成物ペレットのFTは237℃であった。測定
した溶融粘度の値は表1に、メルトテンション(MT)
の値は表2にまとめた。実施例1と同様なインフレーシ
ョン製膜装置を用いて、得られた液晶ポリエステル樹脂
組成物を、シリンダー温度270〜275℃、ダイヘッ
ド温度275℃、引き取り速度10m/分で製膜し、折
幅150mmのフィルムを得た。バブルも安定し、膜厚
は28〜33μmであり、外観は良好(○)であった。
【0138】実施例3 組成物の組成比としてアドバンストポリマー(A−4)
90重量%と、予め1cm角程度に裁断してブロック状
にした(B−2)10重量%となるようにポリ袋に秤取
して混合し、池貝機販(株)製PCM−30二軸押出機
にて、シリンダー設定温度320℃、スクリュー回転数
80rpmで溶融混練を行って樹脂組成物のペレットを
得た。得られた液晶ポリエステル樹脂組成物ペレットの
FTは267℃であった。測定した溶融粘度の値は表1
に、メルトテンション(MT)の値は表2にまとめた。
【0139】実施例4 組成物の組成比として(A−2)90重量%、および
(B−1)10重量%となるようにポリ袋に秤取し、均
一に混合し、池貝機販(株)製PCM-30二軸押出機にてダ
イヘッド温度は293℃に設定し、スクリュー回転数1
00rpmで溶融混練を行って樹脂組成物のペレットを
得た。得られた液晶ポリエステル樹脂組成物ペレットの
FTは247℃であった。測定した溶融粘度の値は表1
に、メルトテンション(MT)の値は表2にまとめた。
実施例1と同様なインフレーション製膜装置を用いて、
得られた液晶ポリエステル樹脂組成物を、シリンダー温
度270〜275℃、ダイヘッド温度276℃、引き取
り速度10m/分で製膜し、折幅150mmのフィルム
を得た。バブルも安定し、膜厚は25〜30μmであっ
た。フィルムの外観は比較的良好であった。
【0140】実施例5 組成物の組成比として(A−3)90重量%、および
(B−1)10重量%となるようにポリ袋に秤取し、均
一に混合し、池貝機販(株)製PCM-30二軸押出機にてダ
イヘッド温度は310℃に設定し、スクリュー回転数1
00rpmで溶融混練を行って樹脂組成物のペレットを
得た。得られた液晶ポリエステル樹脂組成物ペレットの
FTは282℃であった。測定した溶融粘度の値は表1
に、メルトテンション(MT)の値は表2にまとめた。
実施例1と同様なインフレーション製膜装置を用いて、
得られた液晶ポリエステル樹脂組成物を、シリンダー温
度310℃、ダイヘッド温度310℃、引き取り速度2
0m/分で製膜し、折幅150mmのフィルムを得た。
バブルも比較的安定し、膜厚は15〜22μmであっ
た。フィルムの外観は比較的良好であった。
【0141】比較例1 P−ヒドロキシ安息香酸(POB)979.8g(7.
09モル)、4,4'−ジヒドロキシビフェニル(DO
D)440.3g(2.36モル)、テレフタル酸(T
PA)293.8g(1.77モル)、イソフタル酸
(IPA)97.9g(0.59モル)および無水酢酸
1328g(13.0モル)を仕込み、参考例1の液晶
ポリエステルの製造法に従い、5リットルのSUS重合
槽に仕込み、アセチル化及び脱酢酸しながら昇温し、溶
融重合後、溶融状態で取り出し、冷却後粉砕した。FT
は260℃であった。窒素雰囲気炉中で、2時間かけて
200℃まで昇温し、その後3時間かけて270℃まで
昇温し、該温度で3時間保持して固相重合し、対応する
液晶ポリエステル(A−5)のアドバンストポリマー
(FT=327℃)を得た。TPA/IPA=75/2
5(モル%)に相当する。 このポリマーを、池貝機販(株)製PCM−30二軸押
出機にて、ダイヘッド温度は330℃に設定し、スクリ
ュー回転数80rpmで溶融混錬を行ってFTが324
℃である造粒ペレットを得た。この造粒ペレットの36
4℃(FT+40℃)におけるメルトテンション(M
T)は0.8gであった。
【0142】得られたアドバンストポリマー(A−5)
を使用し、組成物の組成比として(A−5)85重量
%、および(B−1)15重量%を実施例1と同様に、
ポリ袋に秤取し、均一に混合し、池貝機販(株)製PC
M−30二軸押出機にてダイヘッド温度は329℃に設
定し、スクリュー回転数80rpmで溶融混練を行って
樹脂組成物のペレットを得た。得られた液晶ポリエステ
ル樹脂組成物ペレットのFTは326℃であった。測定
した溶融粘度の値は表1に、メルトテンション(MT)
の値は表2にまとめた。実施例1と同様なインフレーシ
ョン製膜装置を用いて、得られた液晶ポリエステル樹脂
組成物を製膜しようとしたが、シリンダー温度305
℃、ダイヘッド温度310℃では、溶融せず製膜ができ
なかった。
【0143】
【表1】
【0144】
【表2】
【0145】
【発明の効果】本発明によれば、機械的性質、耐熱性に
優れるという性能に加え、優れたガスバリア性を保持し
つつ、汎用の製膜機、加工機等が利用可能になると考え
られる310℃以下での成形加工が可能な低温加工性を
有する液晶ポリエステル樹脂組成物、並びに、該液晶ポ
リエステル樹脂組成物よりなるフィルムおよび該フィル
ムの製造方法が提供される。本発明の液晶ポリエステル
樹脂組成物としては、溶融粘度の温度依存性が小さく成
形加工可能な条件範囲が広いものを得ることができる。
本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物のかかる特性を活
かし、フィルムの他、射出成形や押し出し成形により成
形品、シート、チューブ、積層物、コーティング剤など
に好適に用いられる。特にフィルム用液晶ポリエステル
樹脂組成物として有用であり、ガスバリアフィルム、耐
熱性フィルムなど、具体的には食品包装フィルム、薬品
包装フィルム、化粧品包装フィルム、電子材料包装フィ
ルム等に幅広く用いることができる。さらに、原料の液
晶ポリエステルや共重合体の中から適当なものを選ぶこ
とにより、炭素、水素、酸素のみの元素よりなる、廃棄
が容易でかつ上記の優れた特性を有するフィルムを得る
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 63/00 C08L 63/00 101/02 101/02 // B29K 67:00 B29L 7:00

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液晶ポリエステル(α)を連続相とし液晶
    ポリエステルと反応性を有する官能基を有する共重合体
    (β)を分散相とする液晶ポリエステル樹脂組成物であ
    って、該液晶ポリエステル(α)が芳香族ヒドロキシカ
    ルボン酸単位、芳香族ジカルボン酸単位および芳香族ジ
    オール単位を有する共重合体からなり、下記の繰り返し
    単位(A)を繰り返し単位全体の30モル%以上有し、
    対数粘度が1.5dl/g以上であり、流動開始温度よ
    り25℃以上高い温度で測定されるメルトテンションが
    1.0g以上を示す液晶ポリエステルであり、該液晶ポ
    リエステル樹脂組成物の流動開始温度が300℃以下で
    あることを特徴とする液晶ポリエステル樹脂組成物。 【化1】 ここで流動開始温度とは、毛細管型レオメーターで測定
    され、4℃/分の昇温速度で加熱溶融された樹脂を、荷
    重100kgf/cm2のもとで、内径1mm、長さ1
    0mmのノズルから押し出した時に、溶融粘度が48,
    000ポイズを示す温度(℃)をいう。
  2. 【請求項2】液晶ポリエステル(α)が、下記の繰り返
    し単位(A)30〜80モル%、繰り返し単位(B)1
    0〜35モル%、および繰り返し単位(C)10〜35
    モル%からなることを特徴とする請求項1記載の液晶ポ
    リエステル樹脂組成物。 【化2】 (但し、Arは2価の芳香族基である。) 【化3】 (但し、Ar’は、 【化4】 からなる群から選ばれる2種以上からなり、Ar’のう
    ち 【化5】 が40〜95モル%である。)
  3. 【請求項3】(B)が、下記の繰り返し単位(B1)で
    あることを特徴とする請求項2記載の液晶ポリエステル
    樹脂組成物。 【化6】
  4. 【請求項4】(C)が、下記の繰り返し単位(C1)6
    0〜5モル%と繰り返し単位(C2)40〜95モル%
    とからなることを特徴とする請求項2または3記載の液
    晶ポリエステル樹脂組成物。
  5. 【請求項5】液晶ポリエステル(α)が、下記式(I)
    で表わされる化合物を30〜80モル%、下記式(II)
    で表わされる化合物を10〜35モル%、および下記式
    (III)で表わされる化合物を10〜35モル%の割合
    で反応槽に仕込み、270〜350℃で重縮合反応させ
    て、流動開始温度が210℃以上かつ重縮合反応温度よ
    り30℃以上低い温度の液晶ポリエステルを製造し、反
    応槽の内容物である該液晶ポリエステルを溶融状態で回
    収して固化させた後、3mm以下の粒径の粒子に粉砕
    し、固相状態のまま200℃〜310℃で不活性気体雰
    囲気下1〜24時間処理して得られる液晶ポリエステル
    であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載
    の液晶ポリエステル樹脂組成物。 【化7】 (但し、R1は水素原子、ホルミル基、アセチル基、プ
    ロピオニル基またはベンゾイル基を表し、R2は水素原
    子、メチル基、エチル基、プロピル基、ベンジル基また
    はフェニル基を表す。) 【化8】式(II) R3O−Ar−OR3 (但し、Arは2価の芳香族基を表し、R3は水素原
    子、アセチル基、プロピオニル基またはベンゾイル基を
    表す。) 【化9】 (但し、Ar’は、 【化10】 からなる群から選ばれる2種以上からなり、Ar’のう
    ち 【化11】 が40〜95モル%であり、R4は水素原子、メチル
    基、エチル基、プロピル基、ベンジル基またはフェニル
    基を表す。)
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載の液晶ポリ
    エステル樹脂組成物であって、該液晶ポリエステル樹脂
    組成物の流動開始温度においてせん断速度100sec
    -1もしくは1000sec-1で測定した溶融粘度(粘度
    1)と、流動開始温度より20℃高い温度において粘度
    1と同じせん断速度で測定した溶融粘度(粘度2)との
    比(粘度2/粘度1)の値が、0.20〜0.80であ
    ることを特徴とする液晶ポリエステル樹脂組成物。ここ
    で流動開始温度とは、毛細管型レオメーターで測定さ
    れ、4℃/分の昇温速度で加熱溶融された樹脂を、荷重
    100kgf/cm2のもとで、内径1mm、長さ10
    mmのノズルから押し出した時に、該溶融粘度が48,
    000ポイズを示す温度(℃)をいう。
  7. 【請求項7】液晶ポリエステル樹脂組成物が、その流動
    開始温度より25℃以上高い温度で測定されるメルトテ
    ンションが1.5g以上を示す液晶ポリエステル樹脂組
    成物であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに
    記載の液晶ポリエステル樹脂組成物。
  8. 【請求項8】液晶ポリエステル樹脂組成物が、液晶ポリ
    エステル(α)56.0〜99.9重量%、および液晶
    ポリエステルと反応性を有する官能基を有する共重合体
    (β)44.0〜0.1重量%を溶融混錬して得られる
    組成物であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか
    に記載の液晶ポリエステル樹脂組成物。
  9. 【請求項9】液晶ポリエステルと反応性を有する官能基
    が、オキサゾリル基、エポキシ基またはアミノ基である
    ことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の液晶
    ポリエステル樹脂組成物。
  10. 【請求項10】液晶ポリエステルと反応性を有する官能
    基を有する共重合体(β)が、エポキシ基を有するゴム
    であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載
    の液晶ポリエステル樹脂組成物。
  11. 【請求項11】液晶ポリエステルと反応性を有する官能
    基を有する共重合体(β)が、エポキシ基を有する熱可
    塑性樹脂であることを特徴とする請求項1〜8のいずれ
    かに記載の液晶ポリエステル樹脂組成物。
  12. 【請求項12】液晶ポリエステルと反応性を有する官能
    基を有する共重合体(β)が、不飽和カルボン酸グリシ
    ジルエステル単位および/または不飽和グリシジルエー
    テル単位を0.1〜30重量%含有する共重合体である
    ことを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の液
    晶ポリエステル樹脂組成物。
  13. 【請求項13】請求項1〜12のいずれかに記載の液晶
    ポリエステル樹脂組成物よりなることを特徴とする液晶
    ポリエステル樹脂組成物フィルム。
  14. 【請求項14】請求項1〜12のいずれかに記載の液晶
    ポリエステル樹脂組成物を、ブロー比(TD延伸倍率)
    1.5〜15、ドロー比(MD延伸倍率)1.5〜40
    でインフレーション成形して得られることを特徴とする
    液晶ポリエステル樹脂組成物フィルム。
  15. 【請求項15】請求項1〜12のいずれかに記載の液晶
    ポリエステル樹脂組成物を用いることを特徴とする液晶
    ポリエステル樹脂組成物フィルムの製造方法。
  16. 【請求項16】請求項1〜12のいずれかに記載の液晶
    ポリエステル樹脂組成物を、ブロー比(TD延伸倍率)
    1.5〜15、ドロー比(MD延伸倍率)1.5〜40
    でインフレーション成形することを特徴とする液晶ポリ
    エステル樹脂組成物フィルムの製造方法。
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