JP2005290370A - 金属被覆樹脂成形品およびその製造方法 - Google Patents

金属被覆樹脂成形品およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた成形性、耐熱性、機械的および電気的特性とともに、金属層と樹脂組成物でなる基板との間の改善された密着性を有する金属被覆樹脂成形品を提供する。
【解決手段】 樹脂組成物は、液晶性ポリエステルおよびエポキシ基含有エチレン共重合体を含み、エポキシ基含有エチレン共重合体は、分子中に、エチレン単位を50〜99.9質量%、不飽和カルボン酸グリシジルエステル単位と不飽和グリシジルエーテル単位の少なくとも一方を0.1〜30質量%含む。エポキシ基含有エチレン共重合体の含有量は、液晶性ポリエステル100質量部に対して0.1〜25質量部である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電気電子産業での使用に好適な、液晶性ポリエステル系基板を用いた金属被覆樹脂成形品、およびその製造方法に関するものである。
従来、耐薬品性、難燃性、機械的特性と同様に電気的特性やはんだ耐熱性に優れる液晶性ポリエステルは、電子部品や機械部品用材料として広く利用されている。例えば、液晶性ポリエステルを含有する樹脂基板に金属被膜を形成して得られる回路基板は、良好な成形性、寸法安定性、高い弾性率および強度を有するので、立体回路基板(MID)用材料としても注目されている。
しかしながら、樹脂基板と金属層との間には強固な化学的結合が存在しないので、金属層の高い密着性を得ることが難しいという問題がある。特に、回路基板が熱負荷を受けた後の金属被膜の密着性が低下しやすい。
この問題を改善するために、例えば、液晶性ポリエステル樹脂組成物を成形して樹脂基板を作製し、次いで真空槽内で表面温度60℃以上となるように加熱しながらスパッタリング、イオンプレーティングあるいは真空蒸着により基板上に金属膜を蒸着する細線回路用基板の製造方法が提案されている(特許文献1参照)。
また、液晶性ポリエステルと無機充填材を含有する樹脂組成物を成形して樹脂基板を作製し、これにエッチング処理を施してその表面を粗面化し、次いでスパッタリング、イオンプレーティング、あるいは真空蒸着により粗面化された表面に金属被膜を形成する細線回路用成型品の製造方法が提案されている(特許文献2参照)。
特許第2714440号公報 特公平7−24328号公報
しかしながら、被膜の蒸着方法のみを制御することによって密着性を改善するには限界がある。また、粗面化された表面のアンカー効果と、金属被膜と樹脂基板との間の接触面積の増加とにより密着性はある程度改善されるが、その増加した表面粗さのために、細線回路の形成が困難になるという別の問題がある。この場合、配線精度の劣化は、製造歩留まりの低下を招く恐れがある。
したがって、本発明の主たる目的は、液晶性ポリエステルを主成分として含有する樹脂組成物でなる基板と金属被膜との間に改善された密着性を有する金属被覆樹脂成形品を提供することにある。
すなわち、本発明の金属被覆樹脂成形品は、樹脂組成物でなる基板と、前記基板上に形成される金属層とを含むものであって、前記樹脂組成物は液晶性ポリエステルおよびエポキシ基含有エチレン共重合体を含み、前記エポキシ基含有エチレン共重合体は、分子中に、エチレン単位を50〜99.9質量%、不飽和カルボン酸グリシジルエステル単位と不飽和グリシジルエーテル単位の少なくとも一方を0.1〜30質量%含み、前記エポキシ基含有エチレン共重合体の含有量は、液晶性ポリエステル100質量部に対して0.1〜25質量部であることを特徴とする。
本発明のさらなる目的は、上記した金属被覆樹脂成形品の製造方法を提供することにある、すなわち、この製造方法は、樹脂組成物を成型して基板を得る工程と、前記基板の表面に金属層を形成する工程とを含むものであって、前記樹脂組成物は液晶性ポリエステルおよびエポキシ基含有エチレン共重合体を含み、上記エポキシ基含有エチレン共重合体は、分子中に、エチレン単位を50〜99.9質量%、不飽和カルボン酸グリシジルエステル単位と不飽和グリシジルエーテル単位の少なくとも一方を0.1〜30質量%含み、前記エポキシ基含有エチレン共重合体の含有量は、液晶性ポリエステル100質量部に対して0.1〜25質量部であることを特徴とする。
金属被膜の密着性をさらに改善するために、上記方法は、金属層の形成に先立って、上記基板の表面にプラズマ処理を施す工程を含むことが好ましい。また、金属層は、物理蒸着法により形成することが好ましい。さらに、基板の誘電正接を低減するために、液晶性ポリエステルの流動開始温度より120℃低い下限温度と前記流動開始温度より20℃低い上限温度との間の温度で上記基板に熱処理を施すことが好ましい。
本発明によれば、上記した特定の樹脂組成物を使用することにより、基板に粗面化処理を施さずとも、金属被膜の密着性を改善することができる。また、樹脂基板に熱処理を施す場合は、改善された密着性と低誘電正接の両方を兼ね備えた金属被覆樹脂成形品を得ることができる。さらに、本発明の金属被覆樹脂成形品は、優れた成形性、耐熱性、機械的および電気的特性を有するので、電気電子産業、特に高周波特性が必要とされる技術分野における使用に適しており、一例として、回路密着性に優れた成形回路基板を提供することができる。
本発明の金属被覆樹脂成形品を構成する樹脂組成物の主成分であり、好ましくは光学的異方性を有する溶融相を形成する芳香族骨格を有する液晶性ポリエステルとしては、例えば、芳香族ジオールと芳香族ヒドロキシカルボン酸の少なくとも一種のフェノール性水酸基を脂肪酸無水物でアシル化することにより得られるアシル化物と、芳香族ジカルボン酸と芳香族ヒドロキシカルボンの少なくとも1種とのエステル交換/重縮合反応により得られる生成物を使用することが好ましい。
芳香族ジオールとしては、例えば、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、レゾルシン、メチルハイドロキノン、クロロハイドロキノン、アセトキシハイドロキノン、ニトロハイドロキノン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−クロロフェニル)プロパン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)メタン、ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)メタン、ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン、ビス−(4−ヒドロキシ−3−クロロフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ケトン、ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)ケトン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)スルホンを使用することができる。これらは1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて用いるようにしてもよい。そしてこれらの中でも、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、レゾルシン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)スルホンの使用が、入手容易性から好ましい。
一方、芳香族ヒドロキシカルボン酸としては、例えば、パラヒドロキシ安息香酸、メタヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸、1−ヒドロキシ−4−ナフトエ酸、4−ヒドロキシ−4’−カルボキシジフェニルエーテル、2,6−ジクロロ−パラヒドロキシ安息香酸、2−クロロ−パラヒドロキシ安息香酸、2,6−ジフルオロ−パラヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ−4’−ビフェニルカルボン酸を使用することができる。これらは1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて用いるようにしてもよい。そしてこれらの中でも、パラヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸の使用が入手の容易性の点で好ましい。
さらに、芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、メチルテレフタル酸、メチルイソフタル酸、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルケトン−4,4’−ジカルボン酸、2,2’−ジフェニルプロパン−4,4’−ジカルボン酸を使用することができる。これらは1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて用いるようにしてもよい。そしてこれらの中でも、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸の使用が入手の容易性の点で好ましい。
脂肪酸無水物としては、例えば、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、無水イソ酪酸、無水吉草酸、無水ピバル酸、無水2エチルヘキサン酸、無水モノクロル酢酸、無水ジクロル酢酸、無水トリクロル酢酸、無水モノブロモ酢酸、無水ジブロモ酢酸、無水トリブロモ酢酸、無水モノフルオロ酢酸、無水ジフルオロ酢酸、無水トリフルオロ酢酸、無水グルタル酸、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水β−ブロモプロピオン酸を使用することができる。これらは1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して用いても良い。これらのなかでも、価格と取り扱い性の点で、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、無水イソ酪酸が好ましく、より好ましくは、無水酢酸である。
金属被覆樹脂成形品の金属被膜と基板との間の優れた密着性を得るため、エステル交換/重縮合反応は、次の化学式(1)で表されるイミダゾール化合物の存在下で行なわれることが好ましい。
Figure 2005290370
この式(1)で表されるイミダゾール化合物としては、例えば、イミダゾール、1−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、1−エチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、4−エチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1,4−ジメチルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、1−メチル−2−エチルイミダゾール、1−メチル−4−エチルイミダゾール、1−エチル−2−メチルイミダゾール、1−エチル−2−エチルイミダゾール、1−エチル−2−フェニルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、4−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−アミノエチル−2−メチルイミダゾールを使用することができる。特に好ましいイミダゾール化合物においては、”R”が炭素数1〜4のアルキル基であり、”R”〜”R”が水素原子である。さらに、入手の容易性の点で、1−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾールの使用が好ましい。
上記のエステル交換/重縮合反応において、アシル化物と芳香族ジカルボン酸及び/又は芳香族ヒドロキシカルボン酸の量は、アシル化物を調製するために使用される芳香族ジオール及び/又は芳香族ヒドロキシカルボン酸のフェノール性水酸基の量が、芳香族ジカルボン酸及び/又は芳香族ヒドロキシカルボン酸のカルボキシル基に対する水酸基の当量数で0.8〜1.2となるように設定するのが好ましい。またエステル交換反応は、130〜400℃の範囲で、0.1〜50℃/分の割合で昇温しながら行なわせることが好ましく、150〜350℃の範囲で、0.3〜5℃/分の割合で昇温しながら行なわせることがより好ましい。
アシル化物としては、反応器内でフェノール性水酸基を脂肪酸無水物でアシル化することによって得られる生成物や、アシル化されたフェノール性水酸基を有するアシル化物、すなわち脂肪酸エステルを使用することができる。脂肪酸無水物の量は、芳香族ジオールや芳香族ヒドロキシカルボン酸のフェノール性水酸基の当量数で、1.0〜1.2、さらに好ましくは1.05〜1.1の範囲になるように設定することが好ましい。
脂肪酸無水物の量が、フェノール性水酸基の当量数で1.0未満の場合には、アシル化時の平衡の脂肪酸無水物へのずれによって液晶性ポリエステルへの重合時に原料の昇華を生じる恐れがある。この場合は、反応系が閉塞されやすい。一方、脂肪酸無水物の量が、フェノール性水酸基の当量数で1.2倍を超える場合は、得られる液晶性ポリエステルの着色が問題になる恐れがある。アシル化は、130〜180℃で30分〜20時間、より好ましくは140〜160℃で1〜5時間実施されることが好ましい。
平衡のずれを利用して脂肪酸エステルとカルボン酸との間のエステル交換反応を促進するために、副生脂肪酸と未反応の脂肪酸無水物を蒸発させて反応系から除去することが好ましい。また、留出する脂肪酸の一部を反応容器に還流させる場合は、蒸発または昇華した原料成分が、凝縮または逆昇華現象により、還流する脂肪酸といっしょに反応器に戻すことができる。
また、エステル交換/重合反応において、式(1)で表されるイミダゾール化合物の添加量は、液晶ポリエステルの合成に使用される芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシカルボン酸の合計100質量部に対して、0.005〜1質量部であることが好ましい。液晶ポリエステルの色調および生産性の点から、その添加量は0.05〜0.5質量部であることがさらに好ましい。添加量が0.005質量部未満では、イミダゾール化合物の金属皮膜の密着性向上への寄与を十分に得ることができず、逆に1質量部を超えると反応の制御が困難になる恐れがある。イミダゾール化合物の添加時期は、エステル交換時にイミダゾール化合物が反応系に存在することを条件として限定されない。例えば、エステル交換/重縮合反応の直前又は反応の途中にイミダゾール化合物を添加してもよい。
エステル交換/重合反応を加速するため、必要に応じて、触媒を使用してもよい。たとえば、触媒には、酸化ゲルマニウムのようなゲルマニウム化合物、蓚酸第一スズ、酢酸第一スズ、ジアルキルスズ酸化物、ジアリールスズ酸化物のようなスズ化合物、二酸化チタン、チタンアルコキシド、アルコキシチタンケイ酸類のようなチタン化合物、三酸化アンチモンのようなアンチモン化合物、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、酢酸亜鉛、酢酸第一鉄のような有機酸の金属塩、トリフッ化ホウ素や、塩化アルミニウムのようなルイス酸類、アミン類、アミド類、塩酸、硫酸などの無機酸が含まれる。
上記したエステル交換/重合反応によって調製される本発明の液晶性ポリエステルは、光学的異方性を有する溶融相を形成する芳香族環骨格を有する。液晶性ポリエステルにバランス良く耐熱性及び耐衝撃性を持たせるために、次の化学式(2)で表される繰り返し単位を少なくとも30モル%含むことが好ましい。また液晶性ポリエステルの分子量に限定はない。例えば、液晶性ポリエステルの重量平均分子量は10000〜50000の範囲内であることが好ましい。
Figure 2005290370
また、液晶性ポリエステルに含まれる繰り返し単位は、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオールに基づく以下の組み合わせ(a)〜(f)から選択されることが好ましい。
(a):パラヒドロキシ安息香酸に基づく構造単位と、テレフタル酸に基づく構造単位、又はテレフタル酸及びイソフタル酸の混合物に基づく構造単位と、4,4’−ジヒドロキシビフェニルに基づく構造単位との組み合わせ
(b):上記組み合わせ(a)において、4,4’−ジヒドロキシビフェニルに基づく構造単位の一部または全部をハイドロキノンに基づく構造単位に置き換えることによって得られる組み合わせ
(c):上記組み合わせ(a)において、4,4’−ジヒドロキシビフェニルに基づく構造単位の一部または全部をレゾルシンに基づく構造単位に置き換えることによって得られる組み合わせ
(d):上記組み合わせ(a)において、4,4’−ジヒドロキシビフェニルに基づく構造単位の一部または全部を2,6−ジヒドロキシナフタレンに基づく構造単位に置き換えることによって得られる組み合わせ
(e):上記組み合わせ(a)において、4,4’−ジヒドロキシビフェニルに基づく構造単位の一部または全部を2,6−ジヒドロキシナフタレン及び2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンの混合物に基づく構造単位に置き換えることによって得られる組み合わせ
(f):上記組み合わせ(a)において、パラヒドロキシ安息香酸に基づく構造単位の一部または全部を2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸に基づく構造単位に置き換えることによって得られる組み合わせ。
次に、本発明の金属被覆樹脂成形品を構成する樹脂組成物の重要成分であるエポキシ基含有エチレン共重合体について説明する。本発明において、エポキシ基含有エチレン共重合体は、その分子中に、エチレン単位を50〜99.9質量%、不飽和カルボン酸グリシジルエステル単位と不飽和グリシジルエーテル単位の少なくとも一方を0.1〜30質量%含む。これらの単位の他に、必要に応じて、エチレン系不飽和エステル単位を含んでもよい。この場合は、エチレン系不飽和エステル単位の量は、50質量%以下であることが好ましい。
樹脂基板の優れた耐熱性および靭性を得るとともに、金属層の密着性をさらに改善するため、エポキシ基含有エチレン共重合体は、分子中に、エチレン単位を80〜95質量%、不飽和カルボン酸グリシジルエステル単位と不飽和グリシジルエーテル単位の少なくとも一方を5〜15質量%含むことが好ましい。
例えば、不飽和カルボン酸グリシジルエステル単位あるいは不飽和グリシジルエーテル単位を与える化合物は、次の化学式(3)、式(4)で表される。
Figure 2005290370
Figure 2005290370
具体的には、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、イタコン酸グリシジルエステル、アリルグリシジルエーテル、2−メチルアリルグリシジルエーテル、スチレン−p−グリシジルエーテル等を使用することができる。
また、エポキシ基含有エチレン共重合体として、エチレン、不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび/又は不飽和グリシジルエーテル以外にエチレン系不飽和エステルが含まれる三元系もしくはそれ以上の以上の多元系共重合体を使用してもよい。そのようなエチレン系不飽和エステル化合物としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル等のカルボン酸ビニルエステルやα、β−不飽和カルボン酸アルキルエステルを使用することができる。これらのなかでも特に酢酸ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチルが好ましい。
そしてエポキシ基含有エチレン共重合体は、通常、エチレン単位を与える化合物と、不飽和カルボン酸グリシジルエステル単位あるいは不飽和グリシジルエーテル単位を与える化合物と、及び必要に応じてエチレン系不飽和エステル単位を与える化合物を、ラジカル発生剤の存在下、500〜4000気圧、100〜300℃の条件で、共重合させる方法により製造することができるものである。共重合は、適当な溶媒や連鎖移動剤の存在下でおこなってもよい。
具体的には、エポキシ基含有エチレン共重合体として、例えば、エチレン単位とグリシジルメタクリレート単位からなる共重合体、エチレン単位とグリシジルメタクリレート単位およびグリシジルメチルアクリレート単位からなる共重合体、エチレン単位とグリシジルメタクリレート単位およびグリシジルエチルアクリレート単位からなる共重合体、あるいはエチレン単位とグリシジルメタクリレート単位および酢酸ビニル単位からなる共重合体を使用することができる。特に、エチレン単位とグリシジルメタクリレートからなる共重合体の使用が好ましい。
また、エポキシ基含有エチレン共重合体は、メルトインデックス(MFR:JISK7210、測定条件:190℃、2.16kg荷重)が0.5〜100g/10分の範囲であることが好ましく、より好ましくは2〜50g/10分である。この範囲においては、良好な樹脂基板の機械物性と液晶ポリエステルとの相溶性が得られるという長所がある。
本発明の金属被覆樹脂成形品において、エポキシ基含有エチレン共重合体の含有量は、液晶性ポリエステル100質量部に対して0.1〜25質量部、好ましくは10〜20質量部の範囲である。含有量が0.1質量部未満であると、樹脂基板に対する金属層の密着性を高める効果が得られない。また、含有量が25質量部を超えると、樹脂基板の耐熱性が劣化するとともに、樹脂組成物の成形性が顕著に低下する。
本発明の金属被覆樹脂成形品の金属層を構成する金属材料は限定されない。例えば、銅、ニッケル、金、アルミニウム、チタン、モリブデン、クロム、タングステン、スズ、鉛、黄銅、ニクロムおよびそれらの合金でなる群から選択される金属材料を使用することができる。
必要に応じて、樹脂基板を補強するため、無機フィラーを樹脂組成物に添加してもよい。例えば、ガラス繊維、炭素繊維のような繊維状無機フィラーを樹脂組成物に添加する場合は、繊維状無機フィラーの配合量は、5〜500質量部の範囲に設定するのが好ましい。この場合は、金属層の密着性を低下させることなく、樹脂基板の強度を高めることができる。また、樹脂基板のウェルドライン領域におけるクラック発生を効果的に防げる。
また、繊維径は6〜15μmの範囲内で、アスペクト比は5〜50の範囲内であることが好ましい。繊維径が6μm未満であると、樹脂組成物中に無機フィラーを分散させる際や、樹脂組成物を成形する際に無機フィラーの破損が生じやすい。また、樹脂組成物に無機フィラーを均一に分散させることが難しくなる。一方、繊維径が15μmを超えると、無機フィラーの不均一分布のため、樹脂基板の機械的特性のバラツキが問題になる恐れがある。さらに、樹脂基板の平滑性を損なうおそれがある。この平滑性の低下は、本発明の金属被覆樹脂成形品を成形回路基板として用いる場合に、ワイヤボンディングの信頼性低下の原因になる。アスペクト比が5未満であると、ウェルドラインにクラックが生じることを防ぐ効果が低下する。また、アスペクト比が50を超えると、樹脂組成物の混練時に無機フィラーの損傷が生じやすい。また、樹脂組成物の成形性の低下を招く恐れがある。
また、樹脂基板の線膨脹率を低減するため、無機フィラーとして、ウィスカを用いてもよい。この場合は、ウィスカは0.5〜5μmの繊維径、10〜50μmの長さを有することが好ましい。寸法安定性に優れるとともに、樹脂基板の表面強度が改善された樹脂成形品を得ることができる。この改善された表面強度は、金属層の密着性向上と、本発明の樹脂成形品を回路基板として使用した場合におけるバンプ接合の信頼性向上に有効に寄与する。ウィスカの材料としては、例えば、炭化ケイ素、窒化ケイ素、酸化亜鉛、アルミナ、チタン酸カルシウム、チタン酸カリウム、チタン酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、ホウ酸マグネシウム、炭酸カルシウム、マグネシウムオキシサルフェート等を用いることができる。チタン酸塩やホウ酸塩ウィスカを用いる場合は、樹脂基板の線膨脹率を低減する効果が極めて高い。また、チタン酸塩を用いた場合は、金属層の密着性改善に加えて、樹脂基板の誘電正接を低減することができる。
無機フィラーとして、ウィスカのような短繊維を用いる場合は、長繊維を用いる場合に比べ、成形時における繊維の配向を抑制することができる。したがって、得られた樹脂基板は、線膨張率や収縮率に関して異方性が小さい。その結果、樹脂基板の反りや変形を低減でき、高い寸法精度を有する樹脂成形品を得ることができる。さらに、樹脂基板は成形時の平面度(初期平面度)に優れると共に、温度変化が樹脂基板の平面度に及ぼす影響を低減できる。金属層の密着性を確保しつつ、これらの長所を有する樹脂基板を得るために、ウィスカの配合量は、液晶性ポリエステル100質量部に対して20〜235質量部とすることが好ましい。この範囲であれば、樹脂基板にICチップをフリップチップ実装する場合に、バンプ接合の高い信頼性が得られる。また、ウィスカと液晶性ポリエステルとエポキシ基含有エチレン共重合体の混合物を押し出し機で混錬することにより良質のペレットを作製することができる。
また、タルク、マイカ、ガラスフレーク、モンモリロナイト、スメクタイトなどの板状無機フィラーを使用してもよい。樹脂基板の良好な寸法安定性と高強度を得る観点から、板状無機フィラーは1〜80μm、より好ましくは1〜50μm平均長さを有するとともに、2〜60、より好ましくは10〜40の平均アスペクト比(長さ/厚み)を有することが好ましい。また、金属層の密着性を低下させることなく、樹脂基板の異方性を抑制し、樹脂基板の寸法安定性を高める観点から、板状無機フィラーの配合量は、液晶性ポリエステル100質量部に対して10〜40質量部であることが好ましい。
上記した繊維状無機フィラー、ウィスカ、板状無機フィラーは、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、粉末状や針状の無機フィラーを樹脂組成物に添加してもよい。
本発明の金属被覆樹脂成形品は、上記した液晶性ポリエステル、エポキシ基含有エチレン共重合体、および必要に応じて無機フィラーを含有する樹脂組成物を成型して樹脂基板を形成し、次いで得られた樹脂基板の表面に金属層を形成することにより得られる。
樹脂基板の作製プロセスは限定されないが、後述する熱処理の効果を高めるため、液晶性ポリエステルとエポキシ基含有エチレン共重合体を、好ましくは液晶性ポリエステルの流動開始温度より高い温度で混錬することが好ましい。また、良好な密着性を安定して達成する観点から、液晶性ポリエステルの流動開始温度は270℃以上であることが好ましい。例えば、流動開始温度が320℃の液晶性ポリエステルとエポキシ基含有エチレン共重合体を含む混合物を、2軸押出機によって340℃で混錬してペレットを作成し、得られたペレットを所望の形状に射出成形することで樹脂基板を形成できる。このような造粒は、造粒しない場合に比べ、熱処理の有無にかかわらず、密着性をさらに高める傾向がある。射出成形により樹脂基板を形成する場合、樹脂組成物の溶融粘度はせん断速度1000/sにおいて100〜200ポイズであることが好ましい。尚、流動開始温度は、内径1mm、長さ10mmのノズルをもつ毛細管レオメータを用い、100kgf/cm(980N/cm)の荷重下において、4℃/分の昇温速度で加熱溶融体をノズルから押し出す時に、溶融粘度が48000ポイズを示す温度を意味する。JISにおける関連規格は、K6719-1977である。
金属層の形成に先立って、液晶性ポリエステルの流動開始温度より低い温度、より好ましくは液晶性ポリエステルの流動開始温度より120℃低い下限温度と前記流動開始温度より20℃低い上限温度の間の温度で上記基板に熱処理を施すことが好ましい。この場合は、金属層の密着性を一層高めることができるとともに、樹脂基板の熱膨張率をさらに低減できる。さらに、樹脂基板の誘電正接を低下させるのに効果的である。この結果、本発明の金属被覆樹脂成形品は、高周波特性等に優れた成形回路基板として好適に使用される。熱処理温度が下限温度より低いと、熱処理効果を十分に得ることができず、また熱処理温度が上限温度より高いと、樹脂基板の反りや変形を生じるおそれがある。また、この熱処理は残留酸素濃度が1%以下、好ましくは0.5%以下であるという条件下、窒素ガスなど不活性ガス雰囲気中で行なうのが好ましい。また、樹脂基板の変質を防止する観点から、加熱処理時間は1〜4時間の間であることが好ましい。
また、金属被膜の形成に先立って、樹脂基板の表面にプラズマ処理を施すことが好ましい。上記した熱処理を行なう場合は、プラズマ処理は熱処理後に実施される。本発明の樹脂組成物中のエポキシ基含有エチレン共重合体は、反応性の高い官能基を持つので,プラズマ処理によって樹脂基板の表面が効果的に活性化される。したがって、金属層の密着性改善に及ぼすプラズマ処理の効果が極めて高い。
プラズマ処理は、既存のプラズマ処理装置を用いて行なえる。例えば、チャンバー内に対向配置された一対の電極と、電極間に高周波電界を印加するための高周波ユニットを備えたプラズマ処理装置を使用することができる。この場合は、樹脂基板を一方の電極上に配置し、チャンバーを10−4Pa程度に減圧する。次いで、チャンバー内にNやNH等のプラズマ形成ガスをチャンバー内圧が8〜15Paになるように導入する。次に、高周波ユニットを用いて電極間に300Wの高周波パワー(13.56MHz)を10〜100秒間印加して電極間にプラズマを発生させ、これにより生成したプラズマ中の陽イオンやラジカルによって樹脂基板の表面を活性化する。プラズマ処理中、陽イオンとの衝突によって、金属と結合し易い窒素極性基や酸素極性基が樹脂基板の表面に付与されるので、金属層の密着性がさらに向上する。
プラズマ処理条件は樹脂基板の表面がプラズマ処理によって過度に粗面化されなければ、任意に設定できる。また、プラズマ形成ガスの種類も限定されない。例えば、上記のように、プラズマ形成ガスとして窒素を用いるのが好ましい。窒素プラズマを使用する場合は、酸素プラズマ処理を使用する場合に比べ、樹脂基板のエステル結合の切断による炭酸ガスの脱離を少なくできる。これにより、樹脂基板の表層部の強度低下を回避できる。
金属層の形成には、、スパッタリング、真空蒸着、イオンプレーティングのような物理蒸着法を用いることが好ましい。尚、上記したプラズマ処理を実施する場合は、樹脂基板を大気に接触させることなく、膜形成とプラズマ処理を連続して実施することが好ましい。
スパッタリングとしてDCスパッタリング法を採用する場合は、例えば、内部に樹脂基板を有するチャンバーを10−4Pa以下に減圧し、次いで内圧が0.1Pa程度になるようにアルゴン等の不活性ガスをチャンバー内に導入する。次に、500Vの直流電圧を印加して銅ターゲットをボンバードすることにより、金属層として200〜500nmの膜厚の銅皮膜を樹脂基板上に形成できる。
真空蒸着として電子線加熱真空蒸着法を採用する場合は、例えば、内部に樹脂基板を有するチャンバーを10−4Pa以下に減圧し、400〜800mAの電子流をるつぼの中の金属材料に衝突させて金属材料を蒸発させる。これにより、300nm程度の膜厚の銅被膜を金属層として樹脂基板上に形成できる。
イオンプレーティングを採用する場合は、例えば、内部に樹脂基板を有するチャンバーを10−4Pa以下に減圧し、真空蒸着の場合と同様にして金属材料を蒸発させる。さらに、樹脂基板とるつぼの間にアルゴン等の不活性ガスを内圧が0.05〜0.1Paになるように導入する。次に、樹脂基板を保持している電極に所望のバイアス電圧を印加した状態で、500Wの高周波パワー(13.56MHz)を誘導アンテナに印加してチャンバー内にプラズマを発生させる。これにより、200〜500nmの膜厚の銅皮膜を金属層として樹脂基板上に形成できる。
本発明においては、本願の樹脂組成物を使用し、熱処理およびプラズマ処理を前処理として実施し、スパッタリングのようなPVD法により金属層を形成することにより、特に高い密着性を実現できる。すなわち、熱処理効果に加え、プラズマ処理による化学的改質効果、およびPVD法により高エネルギーの金属粒子が樹脂基板に打ち込まれることで,接着剤や薬品などを使用することなく,樹脂基板/金属層界面に強固な化学的結合が形成される。また、樹脂基板の表層部の機械的強度や靭性の劣化が生じると、それらは金属層の密着性に影響を及ぼす。本発明においては、エポキシ基含有エチレン共重合体と液晶性ポリエステルが有効に反応することで,液晶性ポリエステルの表層部の引き裂き抵抗を大幅に改善されることができ、結果的に、樹脂基板の表層部の強度や靭性の劣化を防ぐことができる。例えば、数十〜数百μmの厚みの金属箔を樹脂基材に熱圧着する場合、回路形成時にエッチング時間が長くなったり、樹脂基板との乏しい化学的相互作用のため、密着性の改善効果が小さくなったりする場合がある。
上記したように、本発明の金属被覆樹脂成形品を成形回路基板として使用することが特に好ましい。この場合、樹脂基板上の金属層に回路パターンを形成する方法は限定されない。例えば、金属層の密着性を低下させることなく、回路部以外の不必要な金属層を効率よく除去する観点から、レーザーパターンニングを採用することが推奨される。本発明によれば、被膜形成に先立って、金属被膜の密着性を改善するための粗面化処理を行なう必要がないので、樹脂基板の粗面化された表面への金属被膜の形成に由来する配線精度の低下なしにレーザパターニングによって微細な回路パターンを精度よく形成することができる。したがって、本発明の樹脂成形品は、立体回路基板(MID)にも適している。
レーザーパターンニング後、形成された回路パターン上に電解メッキにより銅などの追加金属層をトータル厚みが例えば5〜20μmになるように形成してもよい、回路パターンの形成後、必要に応じて、樹脂基板上に残留する不要な金属層を確実に除去するためのソフトエッチングを実施してもよい。さらに、追加金属層上に数μm程度の厚みのニッケルメッキ層や金メッキ層を設けてもよい。このように、本発明の金属被覆樹脂成形品を使用することにより、所望の回路パターンを有する成形回路基板を得ることができる。
本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。
(液晶性ポリエステル”S1”の合成)
p−ヒドロキシ安息香酸を911g(6.6モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニルを409g(2.2モル)、テレフタル酸を274g(1.65モル)、イソフタル酸を91g(0.55モル)及び無水酢酸を1235g(12.1モル)、さらに1−メチルイミダゾールを0.17g、攪拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計及び還流冷却器を備えた反応器に入れ、反応器内を十分に窒素ガスで置換した。次いで、窒素ガス気流下で15分かけて150℃まで昇温し、150℃で3時間還流させた。
次に、さらに1−メチルイミダゾール1.69gを加え、副生酢酸および未反応の無水酢酸を留去しながら2時間50分かけて320℃まで昇温し、トルクの上昇が認められる時点を反応終了とみなし、内容物を取り出した。内容物から得られた固形分を室温まで冷却し、粗粉砕機で粉砕後、得られた粉末を窒素雰囲気下、室温から250℃まで1時間かけて昇温し、250℃から288℃まで5時間かけて昇温し、288℃で3時間保持し、固相で重合反応を進行させた。このようにして、液晶性ポリエステル”S1”を得た。フローテスター〔島津製作所社製、「CFT−500型」〕を用いて測定したこの液晶ポリエステルの流動開始温度は320℃である。
(液晶性ポリエステル”S2”の合成)
p−ヒドロキシ安息香酸を911g(6.6モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニルを409g(2.2モル)、テレフタル酸を274g(1.65モル)、イソフタル酸を91g(0.55モル)及び無水酢酸を1235g(12.1モル)を攪拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計及び還流冷却器を備えた反応器に入れ、反応器内を十分に窒素ガスで置換した。本合成においては、イミダゾール化合物は使用しなかった。次に、窒素ガス気流下で15分かけて150℃まで昇温し、温度を保持して3時間還流させた。
次に、副生酢酸および未反応の無水酢酸を留去しながら2時間50分かけて320℃まで昇温し、トルクの上昇が認められる時点を反応終了とみなし、内容物を取り出した。内容物から得られた固形分を室温まで冷却し、粗粉砕機で粉砕後、窒素雰囲気下、室温から250℃まで1時間かけて昇温し、250℃から278℃まで5時間かけて昇温し、278℃で3時間保持し、固相で重合反応を進行させた。このようにして、液晶性ポリエステル”S2”を得た。フローテスターを用いて測定したこの液晶ポリエステルの流動開始温度は320℃である。
一方、エポキシ基含有エチレン共重合体として、住友化学工業株式会社製の「ボンドファースト(登録商標)」”BF−E”,、”BF−2C”、”BF−7M”および”BF−2B”を使用した。ボンドファースト”BF−E”は、エチレン-グリシジルメタクリレート共重合体(グリシジルメタクリレート含有量12質量%、MFR=3g/10分)である。ボンドファースト”BF−2C”は、エチレン-グリシジルメタクリレート共重合体(グリシジルメタクリレート含有量6質量%:MFR=3g/10分)である。ボンドファースト”BF−7M”は、エチレン-グリシジルメタクリレート-アクリル酸メチル共重合体(グリシジルメタクリレート含有量6質量%、アクリル酸メチル含有量30質量%:MFR=9g/10分)である。ボンドファースト”BF−2B”は、エチレン-グリシジルメタクリレート-酢酸ビニル共重合体(グリシジルメタクリレート含有量12質量%、酢酸ビニル5質量%:MFR=3g/10分)である。なお、MFR(メルトフローレート)は、JIS−K7210に準拠し、190℃、2160g荷重の条件下で測定した値である。
必要に応じて、無機フィラーとして、ミルドガラス繊維(MGF:セントラルガラス(株)製「EFH−7501」:繊維径10μm、アスペクト比10)、ウィスカ(四国化成工業社製ホウ酸アルミニウムウィスカ「アルボレックスYS3A」:径0.5〜1.0μm、長さ10〜30μm)、および/あるいはタルク(日本タルク(株)製「X−50」:平均長さ20〜25μm、アスペクト比5〜10)を使用した。
(実施例1)
合成例1で得た液晶性ポリエステル”S1”100質量部に、エポキシ基含有エチレン共重合体”BF−E”5質量部、さらに無機フィラーとしてミルドガラス繊維(MGF)”EFH−7501”67質量部を混合して樹脂組成物を調製した。次に、2軸押出機(池貝鉄工(株)「PCM−30」)を用いて340℃でこの樹脂組成物のペレットを調製した。得られたペレットを日精樹脂工業(株)製射出成形機「PS40E5ASE」を用いて、シリンダー温度350℃、金型温度130℃で射出成形し、40mm×30mm×厚さ1mmの樹脂基板を得た。
この樹脂基板の表面をプラズマ処理した後、DCマグネトロンスパッタリング装置を使って金属層を形成した。すなわち、樹脂基板をプラズマ処理装置のチャンバー内に配置し、チャンバーを10−4Pa程度に減圧した。次いで、チャンバー内にNをチャンバー内のガス圧が10Paになるように導入し、電極間に300Wの高周波(13.56MHz)パワーを30秒間印加することによって、プラズマ処理を樹脂基板に施した。
プラズマ処理後、チャンバーを10−4Pa以下になるまで減圧した。この状態で、チャンバー内にアルゴンガスを0.1Paのガス圧になるように導入し、500Vの直流電圧を印加することで銅ターゲットをボンバードし、樹脂基板のプラズマ処理した表面に400nmの膜厚の銅被膜を形成した。
次に、レーザ照射により金属層に幅5mmのパターンを形成し、この金属層のパターン上に電解メッキで銅をメッキすることによって、厚み15μmの剥離強度試験用回路パターンを樹脂基板上に得た。
(実施例2〜5)
実施例2〜5の各々においては、表1に示すように、異なる量のエポキシ基含有エチレン共重合体”BF−E”を用いたことを除いて、実施例1と同じ方法に基づいて剥離強度試験用回路パターンを有する樹脂基板を製造した。
(実施例6)
液晶性ポリエステル”S2”100質量部に、エポキシ基含有エチレン共重合体”BF−E”10質量部、およびミルドガラス繊維(MGF)”EFH−7501”67質量部を混合して樹脂組成物を調製したことを除いて、実施例1と同じ方法に基づいて剥離強度試験用回路パターンを有する樹脂基板を製造した。
(実施例7)
“BF-E”の代わりにエポキシ基含有エチレン共重合体”BF−2C”を15質量部使用したことを除いて、実施例1と同じ方法に基づいて剥離強度試験用回路パターンを有する樹脂基板を製造した。
(実施例8)
“BF-E”の代わりにエポキシ基含有エチレン共重合体”BF-7M”を15質量部使用したことを除いて、実施例1と同じ方法に基づいて剥離強度試験用回路パターンを有する樹脂基板を製造した。
(実施例9)
“BF-E”の代わりにエポキシ基含有エチレン共重合体”BF-2B”を15質量部使用したことを除いて、実施例1と同じ方法に基づいて剥離強度試験用回路パターンを有する樹脂基板を製造した。
(比較例1)
エポキシ基含有エチレン共重合体を使用しなかったことを除いて、実施例1と同じ方法に基づいて剥離強度試験用回路パターンを有する樹脂基板を製造した。
実施例1〜9及び比較例1に関して、万能試験機(島津製作所製「EG Test」)を用いて、回路パターンの90度ピール強度を測定した。また、ASTM D648に準拠して、荷重1.82MPaでの荷重たわみ温度(DTUL)を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2005290370
表1の結果からわかるように、実施例1〜9の各々の回路パターン密着性は、エポキシ基含有エチレン共重合体を使用しなかった比較例1の回路パターンの密着性より高い。また、実施例2と実施例6の間の比較は、イミダゾール化合物の存在下で合成した液晶性ポリエステル”S1”を用いた場合にさらなる密着性の改善が図れることを示している。さらに、分子中のエチレン単位の含有率が80%以上であるエポキシ基含有エチレン共重合体を用いた実施例3、実施例7、実施例9における樹脂基板のDTULは、分子中のエチレン単位の含有率が80wt%より少ないエポキシ基含有エチレン共重合体を用いた実施例8における樹脂基板のDTULより高い。したがって、耐熱性向上の観点から、分子中のエチレン単位の含有率が80%以上であるエポキシ基含有エチレン共重合体を用いることが好ましい。
(実施例10〜13)
実施例10〜14の各々においては、エポキシ基含有エチレン共重合体”BF−E”の添加量が10質量部であり、プラズマ処理に先立って、表2に示す条件で樹脂基板に熱処理を施したことを除いて、実施例1と同じ方法に基づいて剥離強度試験用回路パターンを有する樹脂基板を製造した。
(比較例2)
エポキシ基含有エチレン共重合体を使用しなかったことと、プラズマ処理に先立って、表2に示す条件で樹脂基板に熱処理を施したことを除いて、実施例1と同じ方法に基づいて剥離強度試験用回路パターンを有する樹脂基板を製造した。
実施例10〜13について、実施例1の場合と同様に、パターン回路の90度ピール強度および樹脂基板のDTULを測定した。また、実施例2、10〜13について、樹脂基板のはんだ耐熱温度を以下の方法に基づいて評価した。すなわち、樹脂基板の試料をはんだ浴に60秒間浸漬した後、変形の発生をチェックした。変形の生じる最低はんだ浴温度を耐熱温度として求めた。さらに、実施例2、10〜13および比較例1および2に関して、樹脂基板の1GHzにおける誘電正接(tanδ)を、RFインピーダンス/マテリアルアナライザ(HP 4291A)を用いて、RF I−V法に基づくインピーダンス測定を実施することにより求めた。尚、比較例2においては、DTULおよび耐熱温度は測定しなかった。結果を表2に示す。
Figure 2005290370
実施例10〜13と実施例2との比較から分かるように、回路パターンの密着性およびはんだ耐熱性は、熱処理によってさらに改善され、また誘電正接(tanδ)も熱処理によって低下する。また、比較例1および2の結果は、樹脂基板がエポキシ基含有エチレン共重合体を含有しない時、熱処理によって誘電正接が増加する場合があることを示している。
(実施例14)
液晶性ポリエステル”S1”100質量部に、エポキシ基含有エチレン共重合体”BF−E”10質量部、ミルドガラス繊維(MGF)”EFH−7501”を30質量部、ホウ酸アルミニウムウィスカ”アルボレックスYS3A”50質量部、タルク”X−50”20質量部を混合して樹脂組成物を調製したことを除いて、実施例1と同じ方法に基づいて剥離強度試験用回路パターンを有する樹脂基板を製造した。
(実施例15〜21)
実施例15〜21の各々においては、表3に示すように、径及びアスペクト比が異なるミルドガラス繊維を使用したことを除いて、実施例14と同じ方法に基づいて剥離強度試験用回路パターンを有する樹脂基板を製造した。
実施例14〜21について、樹脂基板のウェルドライン強度性能を評価した。すなわち、図1に示すように、樹脂基板のテストサンプル1(厚み0.6mm)を射出成形した。図1において、”2”はピンゲート(φ3mm)、”3”はウェルドラインを示す。このテストサンプルを250℃の窒素置換雰囲気で3時間加熱処理した後、以下の基準に基づいてウェルドライン強度性能を評価した。
○:クラックの発生はなかった。
×:熱処理後、クラックが発生した。
また、上記した熱処理後に実施例1と同様にして、パターン回路の90度ピール強度を測定した。結果を表3に示す。
Figure 2005290370
表3の結果から分かるように、実施例14〜21の各々において回路パターンの良好な密着性が得られた。また、実施例14〜18と実施例19〜21との間の比較は、良好なウェルドライン強度性能を得るためには、繊維径6〜15μm、アスペクト比5〜50の繊維状無機フィラーを使用することが好ましいことを示している。
(実施例22〜26)
実施例22〜26の各々においては、液晶性ポリエステル”S1”100質量部に、エポキシ基含有エチレン共重合体の”BF−E”10質量部、さらにホウ酸アルミニウムウィスカ”アルボレックスYS3A”を表4に示す量混合して樹脂組成物を調製したことを除いて、実施例1と同じ方法に基づいて剥離強度試験用回路パターンを有する樹脂基板を製造した。
(実施例27〜31)
実施例27〜31の各々においては、液晶性ポリエステル”S1”100質量部に、エポキシ基含有エチレン共重合体”BF−E”10質量部、ホウ酸アルミニウムウィスカ「アルボレックスYS3A」を表4に示す量、タルク「X−50」を表4に示す量混合して樹脂組成物を調製したことを除いて、実施例1と同じ方法に基づいて剥離強度試験用回路パターンを有する樹脂基板を製造した。
実施例22〜31について、250℃の窒素置換雰囲気で3時間、樹脂基板を熱処理した後、実施例1と同様にして、パターン回路の90度ピール強度を測定した。また、樹脂基板の線膨張率を以下の方法に基づいて求めた。すなわち、樹脂流れ方向(MD)の寸法が5mmで、樹脂流れ方向に直交する方向(TD)における寸法が10mmになるように、樹脂基板と同じ材料で作られた80mmx80mmx3mmの射出成型品の中心部からテストピースを切り出し、このテストピースにTMA測定を実施することによって線膨張率を求めた。結果を表4に示す。
Figure 2005290370
実施例22〜26の結果から分かるように、金属箔の良好な密着性を確保しつつ線膨張率を低減する観点から、ウィスカの添加量は液晶性ポリエステル100質量部に対して20〜235質量部の範囲であることが好ましい。ウィスカとタルクの両方を含有する実施例27〜31においては、樹脂の流れ方向(MD)とその直交方向(TD)との間における熱膨張率の差が、タルク量の増加によって小さくなる傾向がある。これは、タルクの添加によって線膨張率の異方性が緩和されることを示唆している。しかしながら、低い線膨張率と良好な密着性をバランスよく達成する観点から、タルクの添加量は、液晶性ポリエステル100質量部に対して10〜40質量部であることが好ましい。
図1は、ウェルドライン強度性能の評価に用いたサンプルの平面図である。

Claims (16)

  1. 樹脂組成物でなる基板と、前記基板上に形成される金属層とでなる金属被覆樹脂成形品であって、前記樹脂組成物は液晶性ポリエステルおよびエポキシ基含有エチレン共重合体を含み、上記エポキシ基含有エチレン共重合体は、分子中に、エチレン単位を50〜99.9質量%、不飽和カルボン酸グリシジルエステル単位と不飽和グリシジルエーテル単位の少なくとも一方を0.1〜30質量%含み、前記エポキシ基含有エチレン共重合体の含有量は、液晶性ポリエステル100質量部に対して0.1〜25質量部であることを特徴とする金属被覆樹脂成形品。
  2. 上記液晶性ポリエステルは、芳香族ジオールと芳香族ヒドロキシカルボン酸の少なくとも一種のフェノール性水酸基を脂肪酸無水物でアシル化することにより得られるアシル化物と、芳香族ジカルボン酸と芳香族ヒドロキシカルボン酸の少なくとも1種のエステル交換/重縮合反応により得られる生成物であることを特徴とする請求項1に記載の金属被覆樹脂成形品。
  3. 上記液晶性ポリエステルは、次式で表されるイミダゾール化合物の存在下での上記エステル交換/重縮合反応により得られる生成物であることを特徴とする請求項2に記載の金属被覆樹脂成形品。
    Figure 2005290370
    (しかるに、R〜Rの各々は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシメチル基、シアノ基、炭素数1〜4のシアノアルキル基、炭素数1〜4のシアノアルコキシ基、カルボキシル基、アミノ基、炭素数1〜4のアミノアルキル基、炭素数1〜4のアミノアルコキシ基、フェニル基、ベンジル基、フェニルプロピル基、フォルミル基から選択される。)
  4. 上記エポキシ基含有エチレン共重合体は、分子中に、エチレン単位を80〜95質量%、不飽和カルボン酸グリシジルエステル単位と不飽和グリシジルエーテル単位の少なくとも一方を5〜15質量%含むことを特徴とする請求項1乃至3に記載の金属被覆樹脂成形品。
  5. 上記樹脂組成物は、直径6〜15μm、アスペクト比5〜50の繊維状無機フィラーを含有することを特徴とする請求項1乃至4に記載の金属被覆樹脂成形品。
  6. 上記樹脂組成物は、液晶性ポリエステル100質量部に対して20〜235質量部のウィスカを含有することを特徴とする請求項1乃至5に記載の金属被覆樹脂成形品。
  7. 上記樹脂組成物は、液晶性ポリエステル100質量部に対して10〜40質量部の板状無機フィラーを含有することを特徴とする請求項1乃至5に記載の金属被覆樹脂成形品。
  8. 上記金属層は、銅、ニッケル、金、アルミニウム、チタン、モリブデン、クロム、タングステン、スズ、鉛、黄銅、ニクロムおよびそれらの合金でなる群から選択される金属材料で構成されることを特徴とする請求項1乃至7に記載の金属被覆樹脂成形品。
  9. 上記金属層は、回路パターンに形成されることを特徴とする請求項1乃至8に記載の金属被覆樹脂成形品。
  10. 樹脂組成物を成型して基板を得る工程と、前記基板の表面に金属層を形成する工程とを含む金属被覆樹脂成形品の製造方法であって、前記樹脂組成物は液晶性ポリエステルおよびエポキシ基含有エチレン共重合体を含み、上記エポキシ基含有エチレン共重合体は、分子中に、エチレン単位を50〜99.9質量%、不飽和カルボン酸グリシジルエステル単位と不飽和グリシジルエーテル単位の少なくとも一方を0.1〜30質量%含み、前記エポキシ基含有エチレン共重合体の含有量は、液晶性ポリエステル100質量部に対して0.1〜25質量部であることを特徴とする金属被覆樹脂成形品の製造方法。
  11. 上記金属層の形成に先立って、上記基板の表面にプラズマ処理を施す工程を含むことを特徴とする請求項10に記載の金属被覆樹脂成形品の製造方法。
  12. 上記金属層は、物理蒸着法により形成されることを特徴とする請求項10もしくは11に記載の金属被覆樹脂成形品の製造方法。
  13. 液晶性ポリエステルの流動開始温度より120℃低い下限温度と前記流動開始温度より20℃低い上限温度との間の温度で上記基板に熱処理を施す工程を含むことを特徴とする請求項10乃至12に記載の金属被覆樹脂成形品の製造方法。
  14. レーザーパターンニングにより金属層に回路パターンを形成する工程を含むことを特徴とする請求項10乃至13に記載の金属被覆樹脂成形品の製造方法。
  15. 上記液晶性ポリエステルは、芳香族ジオールと芳香族ヒドロキシカルボン酸の少なくとも一種のフェノール性水酸基を脂肪酸無水物でアシル化することにより得られるアシル化物と、芳香族ジカルボン酸と芳香族ヒドロキシカルボンの少なくとも1種とのエステル交換反応および重縮合反応により調製されることを特徴とする請求項10乃至14に記載の金属被覆樹脂成形品の製造方法。
  16. 上記エステル交換反応および重縮合反応は、次式で表されるイミダゾール化合物の存在下で実施されることを特徴とする請求項15に記載の金属被覆樹脂成形品の製造方法。
    Figure 2005290370
    (しかるに、R〜Rの各々は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシメチル基、シアノ基、炭素数1〜4のシアノアルキル基、炭素数1〜4のシアノアルコキシ基、カルボキシル基、アミノ基、炭素数1〜4のアミノアルキル基、炭素数1〜4のアミノアルコキシ基、フェニル基、ベンジル基、フェニルプロピル基、フォルミル基から選択される。)
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