JP2002327392A - 低吸湿紙及びその製造方法 - Google Patents

低吸湿紙及びその製造方法

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JP2002327392A
JP2002327392A JP2001129291A JP2001129291A JP2002327392A JP 2002327392 A JP2002327392 A JP 2002327392A JP 2001129291 A JP2001129291 A JP 2001129291A JP 2001129291 A JP2001129291 A JP 2001129291A JP 2002327392 A JP2002327392 A JP 2002327392A
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Hiroaki Kumada
浩明 熊田
Takazo Yamaguchi
登造 山口
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】原料由来の吸湿性が低減された低吸湿紙を提供
する。 【解決手段】(1)パルプ成分及び/又は繊維成分と溶融
時に光学的異方性を示す液晶ポリマーからなる液晶ポリ
マーフィラー成分とを含有する複合紙を、該液晶ポリマ
ーの流動開始温度よりも30℃以上高い温度で、熱プレス
してなることを特徴とする低吸湿紙。 (2)複合紙が、パルプ成分及び/又は繊維成分と溶融時
に光学的異方性を示す液晶ポリマーからなる液晶ポリマ
ーフィラー成分とを含有する紙料から抄造されたもので
あることを特徴とする上記(1)記載の低吸湿紙。 (3)パルプ成分及び/又は繊維成分の吸湿率が、0.3
%を超えることを特徴とする上記(1)または(2)記載の低
吸湿紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低吸湿紙に関し、
詳しくは、パルプ成分及び/又は繊維成分と溶融時に光
学的異方性を示す液晶ポリマーからなる液晶ポリマーフ
ィラー成分とを含有する低吸湿紙に関する。
【0002】
【従来の技術、発明が解決しようとする課題】電気絶縁
用途、プリプレグ基材紙、濾材、など多くの用途におい
て紙が使用されており、従来より、紙料として芳香族ポ
リアミド、セルロース、ポリオレフィン等のパルプや繊
維が用いられている。しかしながら、芳香族ポリアミド
やセルロース由来の紙料を用いた場合、それら原料自身
の吸湿性が高いため、得られた紙もやはり吸湿性が高
く、特に電気、電子分野においては、吸湿性の改善が求
められていた。
【0003】一方、セルロースや芳香族ポリアミド等か
らなるパルプ成分及び/又は繊維成分と溶融時に光学的
異方性を示す液晶ポリマーからなる液晶ポリマーフィラ
ー成分とを含有する複合紙を、該液晶ポリマーの流動開
始温度付近で熱プレスしてなる耐熱紙が提案されている
(特開平9−21089号公報)。しかしながら、この耐熱
紙も、原料由来の吸湿性が発現してしまうという問題が
あった。
【0004】
【課題を解決するための手段】このような状況下、本発
明者らは、原料由来の吸湿性が低減された低吸湿紙を提
供すべく、鋭意検討を重ねた結果、パルプ成分及び/又
は繊維成分と溶融時に光学的異方性を示す液晶ポリマー
からなる液晶ポリマーフィラー成分とを含有する複合紙
を、該液晶ポリマーの流動開始温度よりも30℃以上高い
という特定の温度で熱プレスすることにより、意外にも
低吸湿紙が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0005】すなわち本発明は、パルプ成分及び/又は
繊維成分と溶融時に光学的異方性を示す液晶ポリマーか
らなる液晶ポリマーフィラー成分とを含有する複合紙
を、該液晶ポリマーの流動開始温度よりも30℃以上高い
温度で、熱プレスしてなることを特徴とする低吸湿紙を
提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の低吸湿紙は、パルプ成分及び/又は繊維成分と
溶融時に光学的異方性を示す液晶ポリマーからなる液晶
ポリマーフィラー成分とを含有する複合紙を、熱プレス
することにより得られるが、熱プレス温度は、該液晶ポ
リマーの流動開始温度よりも30℃以上高い温度であるこ
とが必要である。好ましい熱プレス温度は、該液晶ポリ
マーの流動開始温度よりも30℃高い温度〜200℃高い温
度である。より好ましくは、該液晶ポリマーの流動開始
温度よりも35℃高い温度〜100℃高い温度である。熱プ
レス温度が、該液晶ポリマーの流動開始温度よりも30℃
高い温度未満である場合は、原料由来の吸湿性が発現し
低吸湿紙は得られない、またあまり高過ぎると原料の分
解が惹起され好ましくない。ここで流動開始温度とは、
島津製作所製島津フローテスターCFT−500型を用
いて、4℃/分の昇温速度で加熱溶融された樹脂を、荷
重100kgf/cm2のもとで、内径1mm、長さ1
0mmのノズルから押し出したときに、溶融粘度が48
000ポイズを示す温度(℃)をいう。
【0007】熱プレスの対象となる複合紙は、液晶ポリ
マーフィラーが、液晶ポリマーフィラーとパルプ成分及
び/又は繊維成分との合計量に対し、通常1重量%以上
60重量%未満含有するものが使用される。より好まし
くは3重量%以上50重量%未満、さらに好ましくは5
重量%以上40重量%未満が用いられる。液晶ポリマー
フィラーが少なすぎると、吸水率の低減効果が低下する
傾向にあり、また多すぎると、得られた紙の強度が低下
する傾向にあり、いずれの場合も好ましくない。
【0008】かかる複合紙は、その製造方法について
は、特に制限がないが、通常、パルプ成分及び/又は繊
維成分と溶融時に光学的異方性を示す液晶ポリマーから
なる液晶ポリマーフィラー成分とを含有する紙料から抄
造されたものが使用される。ここで、パルプ成分、繊維
成分としては、特に制限はないが、抄造時における水と
の親和性等を考慮すると、その吸湿率が高いものを使用
することが好ましく、例えば0.3%を超えるものが好ま
しく、より好ましくは1%を超えるものである。とりわ
け、吸湿率が3%以上のものを使用することが好まし
い。本発明における、好ましいパルプ成分、繊維成分と
しては、例えばセルロース(木材パルプ)、芳香族ポリア
ミド、ナイロン、芳香族ポリイミド、芳香族ポリアミド
イミド、フェノール繊維、耐炎化ポリアクリロニトリ
ル、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾールなどか
らなるパルプ、繊維、これら2種以上の混合物等が挙げ
ら得る。なかでも芳香族ポリアミドからなるパルプ、繊
維が好ましく使用される。
【0009】また溶融時に光学的異方性を示す液晶ポリ
マーからなる液晶ポリマーフィラー成分は、その形状に
関しては、特に制限はないが、平板状の幹部を有するこ
とが好ましく、幹部および幹部より分岐して存在する枝
状部を有することがさらに好ましい。繊維状の断面のみ
を持つ、いわゆる繊維状、パルプ状の形状であると、上
記熱プレスによる融解時に、自身の表面張力で球状にな
る場合があり、吸水率の低減効果が低下する傾向にある
ので好ましくない。また液晶ポリマーフィラー成分の比
表面積は、0.01〜2.5m2/gが好ましく、より好
ましくは0.1〜2.0m2/gである。0.01m2/g
未満であると、紙料調製時における繊維、パルプとの配
合において不均一になる場合があり好ましくなく、2.
5m2/gをこえると、熱プレスによる融解時に、やはり
球状に分散する傾向にあり好ましくない。
【0010】また、液晶ポリマーフィラーの厚みは、
0.5〜15μmであることが好ましい。更に好ましく
は1〜10μmである。薄すぎると、フィラー同士が凝
集しやすく、厚すぎると、抄造された複合紙における突
起となったり夾雑物となる場合があり好ましくない。
【0011】本発明における液晶ポリマーフィラーは、
その製造方法も特に限定はされないいが、液晶ポリマー
からなるフィルムを粉砕して製造することが好ましい。
フィルムを用いることにより、フィラーの幹部を平板状
のまま保持しやすくなると共に、平板状幹部の厚みを制
御しやすくなる。たとえば、繊維やペレット、パウダー
を粉砕した場合、厚みや粒径が不均一になる場合がある
が、フィルムの場合、平板状幹部の厚みがフィルム厚み
を超えることが無く好ましい。また、フィルムの場合、
延伸比を大きくすることで薄くすることが可能であり、
複合紙の抄造時におけるブツなどの夾雑物の生成を防止
し得る。ここで、粉砕の方法についても、特に限定は無
いが、叩解法が好ましく用いられる。機械的叩解操作の
例として各種グラインダー、ミル、ビーター、ショルダ
ン、リファイナー等が有効に使用される。また叩解操作
を湿潤状態で行う場合には原料樹脂の融着を防ぐ目的
で、水または油剤、界面活性剤、を用いることもでき
る。またイソプロパノール、エタノール等のアルコール
類を添加し表面の湿潤性を高め、より叩解が進み易くす
ることもできる。
【0012】また粉砕に使用されるフィルムの製造方法
も特に限定は無いが、例えば、Tダイから溶融樹脂を押
出し巻き取るTダイ法、環状ダイスを設置した押出し機
から溶融樹脂を円筒状に押出し、冷却し巻き取るインフ
レーション成膜法により得られたフィルム又はシート、
熱プレス法または溶媒キャスト法により得られたフィル
ム又はシート、あるいは射出成形法や押出し法により得
られたシートをさらに一軸延伸または二軸延伸して得ら
れたフィルム又はシートを用いることができるが、平板
状の幹部を形成させるためには容易に繊維化しないほう
が好ましく、したがって、二軸延伸によって得られたフ
ィルムを用いることが好ましい。
【0013】ここで、二軸延伸法としては、円筒形のダ
イから押出した溶融体を気体によって膨張または膨張さ
せなくとも溶融樹脂表面に張力を加えるインフレーショ
ン法が最も好ましく用いられる。インフレーション法で
は、例えば、環状スリットのダイを備えた溶融押出機に
液晶ポリマーを供給し、シリンダー設定温度200〜3
60℃、好ましくは230〜350℃で溶融混練を行な
って、押出機の環状スリットから筒状フィルムは上方ま
たは下方へ溶融樹脂が押出される。環状スリット間隔は
通常0.1〜5mm、好ましくは0.2〜2mm、環状
スリットの直径は通常20〜1000mm、好ましくは
25〜600mmである。溶融押出しされた溶融樹脂フ
ィルムを長手方向(MD)に延伸するとともに、この筒状
フィルムの内側から空気または不活性ガス、例えば窒素
ガス等を吹き込むことにより長手方向と直角な横手方向
(TD)にフィルムを膨張延伸させることができる。ま
た、筒状フィルムの直径が環状スリットの直径よりも小
さい場合にも、内部にガスを吹き込むことで、筒状フィ
ルムが必要以上に収縮したり萎んだり、皺になったりし
ないよう張力を与えることが出来る。
【0014】インフレーション法において、好ましいブ
ロー比は1.0を超え15以下、より好ましくは、1.
2以上10以下である。ブロー比が15を超えると、得
られたフィルムの厚みが不均一になる傾向にあり好まし
くない。また、好ましいMD延伸倍率は1.5〜70で
ある。1.5以下であると得られたフィルムを粉砕した
場合にフィラーの枝分かれが生じなくなる傾向にあり好
ましくなく、70以上であると成膜困難な場合があり好
ましくない。ここで、ブロー比とは、ダイス口から吐出
され膨張した後の溶融樹脂の直径を、環状スリットの直
径で除した値をいう。また、MD延伸倍率とは、フィル
ム引き取り速度を環状スリットからの樹脂の吐出速度で
除した値を言う。膨張させたフィルムは通常、その円周
を空冷あるいは水冷させた後、ニップロールを通過させ
て引き取る。 インフレーション成膜に際しては液晶ポ
リエステル樹脂組成物の組成に応じて、筒状の溶融体フ
ィルムが均一な厚さで表面平滑な状態に膨張するような
条件が選択される。かくして得られるフィルムの厚さ
は、0.5μm〜15μmであることが好ましい。
【0015】本発明は、上記のような溶融時に光学的異
方性を示す液晶ポリマーからなる液晶ポリマーフィラー
成分を使用するものであるが、溶融時に光学的異方性を
示す液晶ポリマーとしては、例えば全芳香族系もしくは
半芳香族系の、ポリエステル、ポリエステルイミド、ポ
リエステルアミドなどや、それらを含有する樹脂組成も
のなどが挙げられる。好ましくは液晶ポリエステルやそ
れを含有する樹脂組成物であり、さらに好ましくは全芳
香族系液晶ポリエステルやそれを含有する樹脂組成物で
ある。また、得られたフィラーの常用耐熱温度が140
℃以上の耐熱性を有するような液晶ポリマーを用いるこ
とが好ましい。
【0016】ここでいう液晶ポリエステルは、サーモト
ロピック液晶ポリマーと呼ばれるポリエステルである。
その代表例としては、例えば、(1)芳香族ジカルボン
酸と芳香族ジオールと芳香族ヒドロキシカルボン酸とを
反応させて得られるもの、(2)異種の芳香族ヒドロキ
シカルボン酸の組み合わせを反応させて得られるもの、
(3)芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオールとを反応さ
せて得られるもの、(4)ポリエチレンテレフタレート
などのポリエステルに芳香族ヒドロキシカルボン酸を反
応させて得られるもの、などが挙げられ、通常、400
℃以下の温度で異方性溶融体を形成するものである。な
お、これらの芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオール及び
芳香族ヒドロキシカルボン酸の代わりに、それらのエス
テル誘導体が使用されることもある。さらに、これらの
芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオール及び芳香族ヒドロ
キシカルボン酸は、芳香族部分がハロゲン原子、アルキ
ル基、アリール基等で置換されたものが使用されること
もある。
【0017】該液晶ポリエステルの繰返し構造単位とし
ては、下記の芳香族ジカルボン酸に由来する繰返し構
造単位、芳香族ジオールに由来する繰返し構造単位、
芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する繰返し構造単
位を例示することができるが、これらに限定されるもの
ではない。
【0018】芳香族ジカルボン酸に由来する繰り返し
構造単位:
【0019】これらの各構造単位における芳香環は、ハ
ロゲン原子、アルキル基、アリール基等で置換されてい
てもよい。
【0020】芳香族ジオールに由来する繰返し構造単
位:
【0021】これらの各構造単位における芳香環は、ハ
ロゲン原子、アルキル基、アリール基等で置換されてい
てもよい。
【0022】芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する
繰返し構造単位: これらの各構造単位における芳香環は、ハロゲン原子、
アルキル基、アリール基等で置換されていてもよい。
【0023】耐熱性、機械的特性、加工性のバランスか
ら特に好ましい液晶ポリエステルは、 なる繰り返し構造単位を含むものであり、さらに好まし
くはこのような繰り返し構造単位を少なくとも全体の3
0モル%以上含むものである。具体的には繰り返し構造
単位の組み合わせが下記(I)〜(VI)のいずれかのも
のが好ましい。また、防湿性の観点からは(IV)以外
の、全芳香族ポリエステルタイプがさらに好ましい。
【0024】(I)
【0025】(II)
【0026】(III)
【0027】(IV)
【0028】(V)
【0029】(VI)
【0030】上記(I)〜(VI)における組合せの液晶
ポリエステルは、例えば特公昭47−47870号公
報、特公昭63−3888号公報、特公昭63−389
1号公報、特公昭56−18016号公報、特開平2−
51523号公報などに記載の方法に準拠して製造し得
る。これらの中で好ましい組合せとしては(I)、(I
I)または(IV)、さらに好ましくは(I)または(I
I)が挙げられる。
【0031】本発明において、高い耐熱性が要求される
分野には、下記の繰り返し単位(a’)が30〜80モ
ル%、繰り返し単位(b’)が0〜10モル%、繰り返
し単位(c’)が10〜25モル%、繰り返し単位
(d’)が10〜35モル%からなる液晶ポリエステル
が好ましく使用される。
【0032】 (式中、Arは2価の芳香族基を示す。) 繰り返し単位(d’)における2価の芳香族基は、上述
の芳香族ジオールにおける2価の芳香族基が好ましく、
特に高い耐熱性が要求される用途には全芳香族のジオー
ルが好ましい。
【0033】本発明の液晶ポリマーフィラーにおいて、
環境問題等の見地から使用後の焼却などの廃棄の容易さ
が求められる分野には、ここまで挙げたそれぞれに要求
される分野の好ましい組み合わせの中で特に炭素、水
素、酸素のみの元素からなる組み合わせによる液晶ポリ
エステルが特に好ましく使用される。また、本発明の液
晶ポリマーフィラーをフィルムから製造する際のフィル
ムの加工性の点から、本発明においては(A)液晶ポリ
エステルを連続相とし(B)液晶ポリエステルと反応性
を有する官能基を有する共重合体を分散相とする液晶ポ
リエステル樹脂組成物を用いることがさらに好ましい。
【0034】上記の液晶ポリエステル樹脂組成物に用い
られる成分(B)は、液晶ポリエステルと反応性を有す
る官能基を有する共重合体である。このような液晶ポリ
エステルと反応性を有する官能基としては、液晶ポリエ
ステルと反応性を有すれば何でもよく、具体的には、オ
キサゾリル基やエポキシ基、アミノ基等が挙げられる。
好ましくは、エポキシ基である。エポキシ基等は他の官
能基の一部として存在していてもよく、そのような例と
しては例えばグリシジル基が挙げられる。
【0035】共重合体(B)において、このような官能
基を共重合体中に導入する方法としては特に限定される
ものではなく、周知の方法で行うことができる。例えば
共重合体の合成段階で、該官能基を有する単量体を共重
合により導入することも可能であるし、共重合体に該官
能基を有する単量体をグラフト共重合することも可能で
ある。
【0036】液晶ポリエステルと反応性を有する官能基
を有する単量体、中でもグリシジル基を含有する単量体
が好ましく使用される。グリシジル基を含有する単量体
としては、例えば下記一般式 (式中、Rは、エチレン系不飽和結合を有する炭素数2
〜13の炭化水素基を表し、Xは、−C(O)O−、−C
2−O−または を表す。)で示される不飽和カルボン酸グリシジルエス
テル、不飽和グリシジルエーテルが好ましく用いられ
る。
【0037】ここで、不飽和カルボン酸グリシジルエス
テルとしては、例えばグリシジルアクリレート、グリシ
ジルメタクリレート、イタコン酸ジグリシジルエステ
ル、ブテントリカルボン酸トリグリシジルエステル、p
−スチレンカルボン酸グリシジルエステルなどを挙げる
ことができる。
【0038】不飽和グリシジルエーテルとしては、例え
ばビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテ
ル、2−メチルアリルグリシジルエーテル、メタクリル
グリシジルエーテル、スチレン−p−グリシジルエーテ
ル等が例示される。
【0039】上記の液晶ポリエステルと反応性を有する
官能基を有する共重合体(B)は、好ましくは、不飽和
カルボン酸グリシジルエステル単位および/または不飽
和グリシジルエーテル単位を0.1〜30重量%含有す
る共重合体である。
【0040】好ましくは、上記の液晶ポリエステルと反
応性を有する官能基を有する共重合体(B)は、結晶の
融解熱量が3J/g未満の共重合体である。また共重合
体(B)としては、ムーニー粘度が3〜70のものが好
ましく、3〜30のものがさらに好ましく、4〜25の
ものが特に好ましい。ここでいうムーニー粘度は、JI
S K6300に準じて100℃ラージローターを用い
て測定した値をいう。これらの範囲外であると、組成物
の熱安定性や柔軟性が低下する場合があり好ましくな
い。
【0041】また、上記の液晶ポリエステルと反応性を
有する官能基を有する共重合体(B)は、熱可塑性樹脂
であってもゴムであってもよいし、熱可塑性樹脂とゴム
の混合物であってもよい。該液晶ポリエステル樹脂組成
物を用いて得られるフィルムまたはシート等の成形体の
熱安定性や柔軟性が優れるゴムがより好ましい。
【0042】
【0043】液晶ポリエステルと反応性を有する官能基
をゴム中に導入する方法としては、特に限定されるもの
ではなく、周知の方法で行うことができる。例えばゴム
の合成段階で、該官能基を有する単量体を共重合により
導入することも可能であるし、ゴムに該官能基を有する
単量体をグラフト共重合することも可能である。
【0044】液晶ポリエステルと反応性を有する官能基
を有する共重合体(B)の具体例としてのエポキシ基を
有するゴムとしては、(メタ)アクリル酸エステル−エ
チレン−(不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび
/または不飽和グリシジルエーテル)共重合体ゴムを挙
げることができる。
【0045】ここで(メタ)アクリル酸エステルとは、
アクリル酸またはメタクリル酸とアルコールから得られ
るエステルである。アルコールとしては、炭素原子数1
〜8のアルコールが好ましい。(メタ)アクリル酸エス
テルの具体例としては、メチルアクリレート、メチルメ
タクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメ
タクリレート、tert−ブチルアクリレート、ter
t−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリ
レート、2−エチルヘキシルメタクリレートなどを挙げ
ることができる。なお、(メタ)アクリル酸エステルと
しては、その一種を単独で使用してもよく、または二種
以上を併用してもよい。
【0046】本発明における共重合体ゴムにおいて、
(メタ)アクリル酸エステル単位が好ましくは40重量
%を超え97重量%未満、さらに好ましくは45〜70
重量%、エチレン単位が好ましくは3重量%以上50重
量%未満、さらに好ましくは10〜49重量%、不飽和
カルボン酸グリシジルエーテル単位および/または不飽
和グリシジルエーテル単位が好ましくは0.1〜30重
量%、さらに好ましくは0.5〜20重量%である。上
記の範囲外であると、得られるフィルムまたはシート等
の成形体の熱安定性や機械的性質が不十分となる場合が
あり、好ましくない。
【0047】該共重合体ゴムは、通常の方法、例えばフ
リーラジカル開始剤による塊状重合、乳化重合、溶液重
合などによって製造することができる。なお、代表的な
重合方法は、特開昭48−11388号公報、特開昭6
1−127709号公報などに記載された方法であり、
フリーラジカルを生成する重合開始剤の存在下、圧力5
00kg/cm2以上、温度40〜300℃の条件によ
り製造することができる。
【0048】共重合体(B)に使用できるゴムとして他
には、液晶ポリエステルと反応性を有する官能基を有す
るアクリルゴムや、液晶ポリエステルと反応性を有する
官能基を有するビニル芳香族炭化水素化合物−共役ジエ
ン化合物ブロック共重合体ゴムも例示することができ
る。
【0049】ここでいうアクリルゴムとして好ましく
は、一般式(1)〜(3) CH2=CH−C(O)−OR1 (1) CH2=CH−C(O)−OR2OR3 (2) CH2=CR4H−C(O)−O(R5(C(O)O)nR6 (3) (式中、R1は炭素原子数1〜18のアルキル基または
シアノアルキル基を示す。R2は炭素原子数1〜12の
アルキレン基を、R3は炭素原子数1〜12のアルキル
基を示す。R4は水素原子またはメチル基、R5は、炭素
原子数3〜30のアルキレン基、R6は炭素原子数1〜
20のアルキル基またはその誘導体、nは1〜20の整
数を示す。)で表される化合物から選ばれる少なくとも
1種の単量体を主成分とするものである。
【0050】上記一般式(1)で表されるアクリル酸ア
ルキルエステルの具体例としては、例えばメチルアクリ
レート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、
ブチルアクリレート、ペンチルアクリレート、ヘキシル
アクリレート、オクチルアクリレート、2−エチルヘキ
シルアクリレート、ノニルアクリレート、デシルアクリ
レート、ドデシルアクリレート、シアノエチルアクリレ
ートなどを挙げることができる。
【0051】また、上記一般式(2)で表されるアクリ
ル酸アルコキシアルキルエステルとしては、例えばメト
キシエチルアクリレート、エトキシエチルアクリレー
ト、ブトキシエチルアクリレート、エトキシプロピルア
クリレートなどを挙げることができる。これらの一種ま
たは二種以上を該アクリルゴムの主成分として用いるこ
とができる。
【0052】このようなアクリルゴムの構成成分とし
て、必要に応じて上記の一般式(1)〜(3)で表され
る化合物から選ばれる少なくとも一種の単量体と共重合
可能な不飽和単量体を用いることができる。このような
不飽和単量体の例としては、スチレン、α−メチルスチ
レン、アクリロニトリル、ハロゲン化スチレン、メタク
リロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、ビ
ニルナフタレン、N−メチロールアクリルアミド、酢酸
ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ベンジルアクリ
レート、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイ
ン酸などが挙げられる。
【0053】液晶ポリエステルと反応性を有する官能基
を有するアクリルゴムの好ましい構成成分比は、上記の
一般式(1)〜(3)で表される化合物から選ばれる少
なくとも一種の単量体40.0〜99.9重量%、不飽
和カルボン酸グリシジルエステルおよび/または不飽和
グリシジルエーテル0.1〜30.0重量%、上記の一
般式(1)〜(3)で表される化合物から選ばれる少な
くとも一種の単量体と共重合可能な不飽和単量体0.0
〜30.0重量%である。該アクリルゴムの構成成分比
が上記の範囲内であると、組成物の耐熱性や耐衝撃性、
成形加工性が良好であり好ましい。
【0054】該アクリルゴムの製法は特に限定するもの
ではなく、例えば特開昭59−113010号公報、特
開昭62−64809号公報、特開平3−160008
号公報、あるいはWO95/04764などに記載され
ているような周知の重合法を用いることができ、ラジカ
ル開始剤の存在下で乳化重合、懸濁重合、溶液重合ある
いはバルク重合で製造することができる。
【0055】前記液晶ポリエステルと反応性を有する官
能基を有するビニル芳香族炭化水素化合物−共役ジエン
化合物ブロック共重合体ゴムとしては、例えば(a)ビ
ニル芳香族炭化水素化合物を主体とするシーケンスと
(b)共役ジエン化合物を主体とするシーケンスからな
るブロック共重合体をエポキシ化して得られるゴム、該
ブロック共重合体の水添物をエポキシ化して得られるゴ
ム等が挙げられる。
【0056】ここでビニル芳香族炭化水素化合物として
は、例えば、スチレン、ビニルトルエン、ジビニルベン
ゼン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニ
ルナフタレンなどを挙げることができ、中でもスチレン
が好ましい。共役ジエン化合物としては、例えば、ブタ
ジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、3−ブチ
ル−1,3−オクタジエンなどを挙げることができ、ブ
タジエンまたはイソプレンが好ましい。
【0057】かかるビニル芳香族炭化水素化合物−共役
ジエン化合物ブロック共重合体またはその水添物は、周
知の方法で製造することができ、例えば、特公昭40−
23798号公報、特開昭59−133203号公報等
に記載されている。
【0058】共重合体(B)として用いるゴムとして好
ましくは、(メタ)アクリル酸エステル−エチレン−
(不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび/または
不飽和グリシジルエーテル)共重合体ゴムが用いられ
る。
【0059】共重合体(B)として用いるゴムは、必要
に応じて加硫を行い、加硫ゴムとして用いることができ
る。上記の(メタ)アクリル酸エステル−エチレン−
(不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび/または
不飽和グリシジルエーテル)共重合体ゴムの加硫は、多
官能性有機酸、多官能性アミン化合物、イミダゾール化
合物などを用いることで達成されるが、これらに限定さ
れるものではない。
【0060】一方、液晶ポリエステルと反応性を有する
官能基を有する共重合体(B)の具体例としてのエポキ
シ基を有する熱可塑性樹脂としては、(a)エチレン単
位が50〜99重量%、(b)不飽和カルボン酸グリシ
ジルエステル単位および/または不飽和グリシジルエー
テル単位が0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜2
0重量%、(c)エチレン系不飽和エステル化合物単位
が0〜50重量%からなるエポキシ基含有エチレン共重
合体を挙げることができる。
【0061】エチレン系不飽和エステル化合物(c)と
しては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタク
リル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチ
ル等のカルボン酸ビニルエステル、α,β−不飽和カル
ボン酸アルキルエステル等が挙げられる。特に酢酸ビニ
ル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチルが好ましい。
【0062】該エポキシ基含有エチレン共重合体の具体
例としては、たとえばエチレン単位とグリシジルメタク
リレート単位からなる共重合体、エチレン単位とグリシ
ジルメタクリレート単位およびアクリル酸メチル単位か
らなる共重合体、エチレン単位とグリシジルメタクリレ
ート単位およびアクリル酸エチル単位からなる共重合
体、エチレン単位とグリシジルメタクリレート単位およ
び酢酸ビニル単位からなる共重合体等が挙げられる。
【0063】該エポキシ基含有エチレン共重合体のメル
トインデックス(以下、MFRということがある。JI
S K6760、190℃、2.16kg荷重)は、好
ましくは0.5〜100g/10分、さらに好ましくは
2〜50g/10分である。メルトインデックスはこの
範囲外であってもよいが、メルトインデックスが100
g/10分を越えると組成物にした時の機械的物性の点
で好ましくなく、0.5g/10分未満では成分(A)
の液晶ポリエステルとの相溶性が劣り好ましくない。
【0064】また、該エポキシ基含有エチレン共重合体
は、曲げ剛性率が10〜1300kg/cm2の範囲の
ものが好ましく、20〜1100kg/cm2のものが
さらに好ましい。曲げ剛性率がこの範囲外であると組成
物の成形加工性や機械的性質が不十分となる場合があ
る。
【0065】該エポキシ基含有エチレン共重合体は、通
常不飽和エポキシ化合物とエチレンをラジカル発生剤の
存在下、500〜4000気圧、100〜300℃で適
当な溶媒や連鎖移動剤の存在下または不存在下に共重合
させる高圧ラジカル重合法により製造される。また、ポ
リエチレンに不飽和エポキシ化合物およびラジカル発生
剤を混合し、押出機の中で溶融グラフト共重合させる方
法によっても製造しえる。
【0066】本発明における液晶ポリエステル樹脂組成
物は、前記のような(A)液晶ポリエステルを連続相と
し、前記のような(B)液晶ポリエステルと反応性を有
する官能基を有する共重合体を分散相とする樹脂組成物
であることが好ましい。液晶ポリエステルが連続相でな
い場合には、液晶ポリエステル樹脂組成物からなるフィ
ルムのガスバリア性、耐熱性などが著しく低下する場合
がある。
【0067】このような官能基を有する共重合体と液晶
ポリエステルとの樹脂組成物においては、機構の詳細は
不明ではあるが、該組成物の成分(A)と成分(B)と
の間で反応が生起し、成分(A)が連続相を形成すると
ともに成分(B)が微細分散し、そのために該組成物の
成形性が向上するものと考えられる。
【0068】上記液晶ポリエステル樹脂組成物の一実施
態様としては、(A)液晶ポリエステル70.0重量%以
上、好ましくは75.0重量%以上、さらに好ましくは
80重量%以上、並びに(B)共重合体30.0重量%未
満、好ましくは25.0重量%未満、さらに好ましくは
20重量%未満を含有する樹脂組成物である。(A)液晶
ポリエステルが70.0重量%未満であると得られる液
晶ポリマーフィラーの剛性が低くなる場合があり好まし
くない。また、フィルムを粉砕して液晶ポリマーフィラ
ーを得る場合には、その原料となるフィルムの成形に
は、 (A)液晶ポリエステル70.0重量%以上95.
0重量%未満、好ましくは75.0重量%以上93.0
重量%未満、さらに好ましくは80重量%以上91重量
%未満、並びに(B)共重合体5重量%以上30.0重量
%未満、好ましくは7.0重量%以上25.0重量%未
満、さらに好ましくは9重量%以上20重量%未満を含
有する樹脂組成物が用いられる。(A)液晶ポリエステル
が95.0重量%以上であると得られる液晶ポリマーフ
ィラーに枝分かれが生じる場合があり好ましくない。
【0069】このような液晶ポリエステル樹脂組成物を
製造する方法としては周知の方法を用いることができ
る。たとえば、溶液状態で各成分を混合し、溶剤を蒸発
させるか、溶剤中に沈殿させる方法が挙げられる。工業
的見地からみると溶融状態で上記組成の各成分を混練す
る方法が好ましい。溶融混練には一般に使用されている
一軸または二軸の押出機、各種のニーダー等の混練装置
を用いることができる。特に二軸の高混練機が好まし
い。溶融混練に際しては、混練装置のシリンダー設定温
度は、200〜360℃の範囲が好ましく、さらに好ま
しくは230〜350℃である。
【0070】混練に際しては、各成分は、予めタンブラ
ーもしくはヘンシェルミキサーのような装置で各成分を
均一に混合してもよいし、必要な場合には混合を省き、
混練装置にそれぞれ別個に定量供給する方法も用いるこ
とができる。
【0071】本発明に使用する液晶ポリマーに、必要に
応じて、さらに、有機充填剤、酸化防止剤、熱安定剤、
光安定剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、無機または有機
系着色剤、防錆剤、架橋剤、発泡剤、蛍光剤、表面平滑
剤、表面光沢改良剤、フッ素樹脂などの離型改良剤など
の各種の添加剤を製造工程中あるいはその後の加工工程
において添加することができる。
【0072】
【実施例】以下、製造例、実施例及び比較例により本発
明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定され
ない。尚、例中の各測定及び試験は以下の方法に従って
実施した。 <膜厚測定>トープロ企画製、DIGIMATIC Model MG−4
を用い測定した。20mm×50mmの大きさのサンプ
ル片に対し、5点測定しその平均値をサンプル膜厚とし
た。 <BET式比表面積>島津製作所製、フローソーブII2
300を用い、窒素を吸着ガスとし、BET1点法によ
り比表面積を求めた。
【0073】<フィルムの耐熱性の測定法>フィルムを
50℃、100℃、150℃、200℃、250℃に保
った循環オーブン中に入れ、0時間から2500時間ま
で500時間毎に取り出して一日恒温恒湿室(23℃、
55%RH)に放置後、MD方向の引張強度(JIS
C2318準拠)を測定し、強度の時間依存性曲線を得
た。そこから、各温度で0時間での強度に対して半分の
強度になる時間を求め、つぎに、得られた時間(半減時
間)を温度に対してプロットし、曲線を得て、半減時間
40000時間の場合の温度を常用耐熱温度とした。 <ろ水度>JIS P8121に準じ、熊谷理機製、カ
ナディアンフリーネステスターを用い、測定した。完全
に乾燥させたサンプル6gを水2000ml中に分散さ
せ、この分散液を2等分し、ろ水度を2回測定し、その
平均値を測定値とした。
【0074】<裂断長測定>JIS P8113に準拠
して測定した。 <MEK含浸後の湿式裂断長測定>熱プレス後の紙をM
EK(メチルエチルケトン)に全体が含浸するまで浸
し、2秒間置いた後、取り出し裂断長を測定した。 <吸湿率>抄紙によって得られた紙を熱風オーブン中、
120℃で2時間加熱乾燥させた後の質量をA、この加
熱後の紙を、20℃、70%RHに調整された恒温恒湿
に保たれた室内に静置し、24時間後経過したあとの質
量をBとし、次式により吸湿率を測定した。 吸湿率(%)={(B−A)/B}×100 <フィラーの形状>ゲージ付きの顕微鏡で写真を撮り、
視界内のフィラーを10片選び、縦横の長さをはかって
平均した。厚みは、エポキシ包埋したフィラーを研磨
し、断面を電子顕微鏡で観察して、求めた。
【0075】製造例1 液晶ポリエステルA−1の製造 p−アセトキシ安息香酸8.30kg(60モル)、テレ
フタル酸2.49kg(15モル)、イソフタル酸0.8
3kg(5モル)及び4,4’−ジアセトキシジフェニル
5.45kg(20.2モル)を、櫛型撹拌翼を備えた重
合槽に仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら昇温し
330℃で1時間重合させた。この間に副生する酢酸ガ
スを冷却管で液化し回収、除去しながら、強力な撹拌下
で重合させた。その後、系を徐々に冷却し、200℃で
得られたポリマーを系外へ取出した。得られたポリマー
を細川ミクロン(株)製のハンマーミルで粉砕し、2.5
mm以下の粒子とした。これを更にロータリーキルン中
で窒素ガス雰囲気下に280℃で3時間処理することに
よって、流動開始温度が324℃の粒子状の下記繰り返
し構造単位からなる全芳香族ポリエステルを得た。ここ
で流動開始温度とは、島津製作所製島津フローテスター
CFT−500型を用いて、4℃/分の昇温速度で加熱
溶融された樹脂を、荷重100kgf/cm2のもと
で、内径1mm、長さ10mmのノズルから押し出した
ときに、溶融粘度が48000ポイズを示す温度(℃)を
いう。以下、得られた液晶ポリエステルをA−1と略記
する。このA−1は、加圧下、340℃以上で光学異方
性を示した。
【0076】
【0077】製造例2 (B)共重合体であるゴムの製造 特開昭61−127709号公報の実施例5に記載の方
法に準じて、アクリル酸メチル/エチレン/グリシジル
メタクリレート=59.0/38.7/2.3(質量
比)、ムーニー粘度=15のゴムを得た。以下、得られ
たゴムをB−1と略記する。
【0078】製造例3 (C)液晶性ポリマーフィラーの製造 製造例1で製造したA−1を97質量%及び製造例2で
製造したB−1を3質量%の配合比で、日本製鋼(株)製
TEX−30型二軸押出機を用いて、シリンダー設定温
度350℃、スクリュー回転数250rpmで溶融混練
を行って液晶ポリエステル樹脂組成物ペレットを得た。
このペレットは、加圧下、343℃以上で光学的異方性
を示した。得られたペレットを、円筒ダイを備えた60
mmφの単軸押出機を用いてシリンダー設定温度350
℃、スクリュー回転数60rpmで溶融押出して、直径
50mm、リップ間隔1.0mm、ダイ設定温度348
℃の円筒ダイから上方へ溶融樹脂を押出し、得られた筒
状フィルムの中空部へ乾燥空気を圧入し、膨張させ、次
に冷却させたのちニップロールに通してフィルムを得
た。ブロー比は1.8、ドローダウン比は58であり、
フィルムの実測平均厚さは10μmであった。以下、得
られた溶融時に光学異方性を示すフィルムをF−1と略
記する。F−1の常用耐熱温度は165℃であった。
【0079】F−1を成膜時の膜引取り方向(以下、こ
の方向をMD方向と言うことがある)に対して垂直方向
(以下、この方向をTD方向と言うことがある)に、幅
10mmに調整されたシュレッダーで切断した。当該切
断品 100gを2000gの水中に分散させた。次い
で熊谷理機製、KRK高濃度ディスクレファイナーのデ
ィスク間隙を0mmに調整し(その時の距離計の読みは
−0.05mmであった)その位置から間隙を広げ、空
隙距離計の読み+0.07mmとし、当該分散サンプル
を5回通過させ叩解した。その後乾燥し、フィラーG−
1を得た。得られたG−1を顕微鏡で観察すると平板状
の幹部とそこから伸びるフィブリル状の枝分かれが認め
られ、比表面積を測定したところ、0.8m2/gであ
った。もっとも厚い部分の厚みは、フィルム厚みを反映
し、10μm程度であった。濾水度は750mlであっ
た。また当該分散サンプルを10回通過させ叩解し、乾
燥することにより、フィラーG―2を得た。得られたG
−2を顕微鏡で観察すると平板状の幹部とそこから伸び
るフィブリル状の枝分かれが認められ、比表面積を測定
したところ、1.4m2/gであった。もっとも厚い部
分の厚みは、フィルム厚みを反映し、10μm程度であ
った。濾水度は726mlであった。
【0080】実施例1 G−1と市販のアラミドパルプ(アクゾノーベル社製、
Twaron1094、比表面積4.55m2/g、濾水度683
ml)を質量比50:50で混合し、この混合品を50
g/m2目付で抄紙し、複合紙を得た。この複合紙の裂
断長は0.15Kmであった。この複合紙を360℃、
100kgf/cm2で熱プレスし耐熱紙を得た。裂断長
は1.05Kmであり、MEK含浸後の裂断長は0.9
1Kmであった。また吸湿率は1.6%であった。
【0081】比較例1 実施例1において、熱プレス温度を350℃とする以外
は、実施例1に準拠して実施した。この耐熱紙の裂断長
は1.00Kmであり、MEK含浸後の裂断長は0.8
9Kmであった。また吸湿率は2.3%であった。
【0082】比較例2 市販のアラミドパルプ(アクゾノーベル社製、Twaron10
94、)を単体で50g/m2目付で抄紙し、アラミド紙
を得た。このアラミド紙の裂断長は0.41Kmであ
り、この紙を350℃、100kgf/cm2で熱プレス
した後の裂断長は0.66Kmであり、MEK含浸後の
裂断長は0.54Kmであった。吸湿率は4.5%であ
った。
【0083】実施例2 G−2と市販のアラミドパルプ(アクゾノーベル社製、
Twaron1094)を質量比50:50で混合し、この混合品
を50g/m2で抄紙し複合紙を得た。この複合紙の裂
断長は0.19Kmであった。この複合紙を370℃、
100kgf/cm2で熱プレスし耐熱紙を得た。このも
のの裂断長は1.20Kmであった。またMEK含浸後
の裂断長は0.96Kmであった。また吸湿率は0.9
%であった。
【0084】
【発明の効果】本発明によれば、液晶ポリマーの流動開
始温度よりも30℃以上高い温度という特定温度で、液晶
ポリマーとパルプ成分及び/又は繊維成分とを含有する
複合紙を熱プレスすることにより、原料由来の吸湿性が
低減された低吸湿紙を提供し得る。殊に、吸湿率の高い
原料、例えばポリアミドからでも吸湿性の著しく低い低
吸湿紙が得られるので、吸湿率の高い原料を用いると実
用面で一層有利となる。ポリアミドから得られた低吸湿
紙は、吸湿性が著しく低いのみならず強度、耐熱性にも
優れ、特に電気、電子回路基盤に用いられるプリプレグ
等の基材紙としても使用可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 101/00 C08L 101/00 D21H 13/26 D21H 13/26 25/04 25/04 Fターム(参考) 4F071 AA09 AA43 AA54 AA56 AA60 AD01 AF10 AH04 AH12 AH13 BB03 BC01 4J002 AB011 BG043 BP013 CC031 CD193 CF002 CF032 CF042 CF052 CF082 CF102 CF112 CF162 CF172 CF182 CL001 CM041 FD012 GG02 GQ01 4L055 AF09 AF34 AF35 AG82 AG99 AH50 EA13 EA17 EA20 EA32 FA30 GA02 GA39

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】パルプ成分及び/又は繊維成分と溶融時に
    光学的異方性を示す液晶ポリマーからなる液晶ポリマー
    フィラー成分とを含有する複合紙を、該液晶ポリマーの
    流動開始温度よりも30℃以上高い温度で、熱プレスして
    なることを特徴とする低吸湿紙。
  2. 【請求項2】複合紙が、パルプ成分及び/又は繊維成分
    と溶融時に光学的異方性を示す液晶ポリマーからなる液
    晶ポリマーフィラー成分とを含有する紙料から抄造され
    たものであることを特徴とする請求項1記載の低吸湿
    紙。
  3. 【請求項3】パルプ成分及び/又は繊維成分の吸湿率
    が、0.3%を超えることを特徴とする請求項1または
    2記載の低吸湿紙。
  4. 【請求項4】液晶ポリマーフィラーが、液晶ポリマーフ
    ィラーとパルプ成分及び/又は繊維成分との合計量に対
    し、1重量%以上60重量%未満含有することを特徴と
    する請求項1〜3いずれかに記載の低吸湿紙。
  5. 【請求項5】液晶ポリマーフィラーが平板状の幹部を有
    し、その比表面積が0.01〜2.5m2/gであるこ
    とを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の低吸湿
    紙。
  6. 【請求項6】液晶ポリマーフィラーが溶融時に光学的異
    方性を示す液晶ポリマーからなるフィルム形状物を粉砕
    して得られたものであることを特徴とする請求項1〜5
    いずれかに記載の低吸湿紙。
  7. 【請求項7】フィルム形状物が溶融時に光学的異方性を
    示す液晶ポリマーをインフレーション製膜して得られた
    ものであることを特徴とする請求項6に記載の低吸湿
    紙。
  8. 【請求項8】溶融時に光学的異方性を示す液晶ポリマー
    が液晶ポリエステルであることを特徴とする請求項1〜
    7いずれかに記載の低吸湿紙。
  9. 【請求項9】溶融時に光学的異方性を示す液晶ポリマー
    が、(A)液晶ポリエステルを連続相とし、(B)液晶ポリ
    エステルと反応性を有する官能基を含む共重合体を分散
    相とする液晶ポリエステル樹脂組成物であることを特徴
    とする請求項1〜8いずれかに記載の低吸湿紙。
  10. 【請求項10】液晶ポリエステル樹脂組成物が、(A)
    液晶ポリエステル95質量%以上100質量%未満と、
    (B)液晶ポリエステルと反応性を有する官能基を含む共
    重合体0重量%を超え〜5.0質量%未満とを、溶融混
    練してなることを特徴とする請求項9記載の低吸湿紙。
  11. 【請求項11】パルプおよび/または繊維成分が、芳香
    族ポリアミド、ナイロン、芳香族ポリイミド、芳香族ポ
    リアミドイミド、セルロースから選ばれる少なくとも1
    種のパルプおよび/または繊維であることを特徴とする
    請求項1〜10いずれかに記載の低吸湿紙。
  12. 【請求項12】請求項1〜11いずれかに記載の低吸湿
    紙を用いたプリプレグ。
  13. 【請求項13】パルプ成分及び/又は繊維成分と溶融時
    に光学的異方性を示す液晶ポリマーからなる液晶ポリマ
    ーフィラー成分とを含有する紙を、該液晶ポリマーの流
    動開始温度よりも30℃以上高い温度で、熱プレスするこ
    とを特徴とする低吸湿紙の製造方法。
  14. 【請求項14】パルプ成分及び/又は繊維成分と溶融時
    に光学的異方性を示す液晶ポリマーからなる液晶ポリマ
    ーフィラー成分とを含有する紙を、該液晶ポリマーの流
    動開始温度よりも30℃以上高い温度で、熱プレスするこ
    とを特徴とする紙の吸湿率低減方法。
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