JP2020041006A - 全芳香族ポリエステル - Google Patents

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Abstract

【課題】成形時における分解ガスの発生が少なく、ウェルド部の強度に優れた全芳香族ポリエステルを提供する。【解決手段】下記構成単位(I)、(II)及び(III)からなり、全構成単位に対して下記構成単位(I)が65〜85モル%、下記構成単位(II)が1〜25モル%、下記構成単位(III)が1〜25モル%であり、下記構成単位(I)〜(III)の合計が100モル%である全芳香族ポリエステルである。【化1】【選択図】なし

Description

本発明は、全芳香族ポリエステルに関する。
全芳香族ポリエステルとして、溶融時に光学異方性を示すものは液晶性ポリマーと呼ばれ、流動性、耐熱性、耐薬品性、寸法精度等に優れ、成形時にバリ発生が少ない等、様々な利点を有することから、エンジニアリングプラスチックとして種々の成形品の材料として活用されている。
全芳香族ポリエステルとしては、例えば、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、4−ヒドロキシ安息香酸、及び必要に応じて他のモノマー成分を共重合して得られるものが知られている(特許文献1〜5参照。)。特許文献1〜4においては、4−ヒドロキシ安息香酸を主モノマーとした全芳香族ポリエステルが記載されており、例えば、加工性の向上を目的としている。また、特許文献5には、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、4−ヒドロキシ安息香酸、及び3−ヒドロキシ安息香酸のいずれかを主モノマーとする全芳香族ポリエステルが記載されており、所定の温度において延伸可能なものを得ることを目的としている。
ところで、射出成形により成形して成形品を得る場合、成形品にウェルド部(流動する樹脂の合流部)が生じると、その部分の機械的強度がそれ以外の部分(非ウェルド部)よりも劣り、割れ等が発生しやすいことが知られている。液晶性ポリマーたる全芳香族ポリエステルは異方性が大きく、射出成形時に流動方向に配向しやすい特性を有する。そのため、射出成形時において、合流する樹脂同士が結合し難く、その結果、ウェルド部で低強度となる傾向にある。上記特許文献1〜5においては、ウェルド部の強度向上は考慮されておらず、特に、4−ヒドロキシ安息香酸を主モノマーとするものは一般にウェルド部の強度に劣り、さらには分解ガスが発生しやすい傾向にある。
特開昭54−77691号公報 特開平1−242619号公報 特開2004−69761号公報 特開昭58−89618号公報 特開2004−529224号公報
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであり、その課題は、成形時における分解ガスの発生が少なく、ウェルド部の強度に優れた全芳香族ポリエステルを提供することにある。
本発明者は、全芳香族ポリエステルにおいて、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸を主モノマーとし、3−ヒドロキシ安息香酸を所定の比率で含有させることで、射出成形時に配向性が低下しウェルド部の強度が向上すること、及び分解ガスの発生が減少することを見出し、本発明を完成するに至った。
前記課題を解決する本発明の一態様は以下の通りである。
(1)下記構成単位(I)、(II)及び(III)からなり、全構成単位に対して下記構成単位(I)が1〜25モル%、下記構成単位(II)が65〜85モル%、下記構成単位(III)が1〜25モル%であり、下記構成単位(I)〜(III)の合計が100モル%である全芳香族ポリエステル。
Figure 2020041006
(2)融点よりも8〜20℃高い温度における溶融粘度が1000Pa・s以下である、前記(1)に記載の全芳香族ポリエステル。
(3)融点よりも8〜20℃高い温度における溶融粘度が3〜500Pa・sである、前記(1)又は(2)に記載の全芳香族ポリエステル。
(4)融点が380℃以下である、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の全芳香族ポリエステル。
(5)融点が260〜370℃である、前記(1)〜(4)のいずれかに記載の全芳香族ポリエステル。
(6)前記(1)〜(5)のいずれかに記載の全芳香族ポリエステルを含有するポリエステル樹脂組成物。
(7)前記(1)〜(5)のいずれかに記載の全芳香族ポリエステル、又は前記(6)に記載のポリエステル樹脂組成物を成形して得られるポリエステル成形品。
本発明によれば、成形時における分解ガスの発生が少なく、ウェルド部の強度に優れた全芳香族ポリエステルを提供することができる。
<全芳香族ポリエステル>
本実施形態の全芳香族ポリエステルは、下記構成単位(I)、(II)及び(III)からなり、全構成単位に対して下記構成単位(I)が1〜25モル%、下記構成単位(II)が65〜85モル%、下記構成単位(III)が1〜25モル%であり、下記構成単位(I)〜(III)の合計が100モル%であることを特徴としている。
Figure 2020041006
本実施形態の全芳香族ポリエステルは、特に、構成単位(III)を所定の比率で含むため、溶融時に配向性が弱まり、射出成形時において合流する樹脂同士が結合しやすくなることからウェルド部の強度が向上する。また、分解ガス発生の原因となる4−ヒドロキシ安息香酸を主モノマーとしていないため、分解ガスの発生も少ない。
構成単位(I)は、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸(以下、「HNA」ともいう。)から誘導される。本実施形態の全芳香族ポリエステルは、全構成単位に対して構成単位(I)を65〜85モル%含む。構成単位(I)の含有量が65モル%未満であると、ウェルド部の強度が低下するとともに、分解ガスの発生が増加する。また、構成単位(I)の含有量が85モル%を超えると、固化が発生し十分に重合できない。構成単位(I)の含有量は、好ましくは67.5〜85モル%、より好ましくは67.5〜82.5モル%、更に好ましくは70〜82.5モル%、特に好ましくは70〜80モル%である。
構成単位(II)は、4−ヒドロキシ安息香酸(以下、「pHBA」ともいう。)から誘導される。本実施形態の全芳香族ポリエステルは、全構成単位に対して構成単位(II)を1〜25モル%含む。構成単位(II)の含有量が1モル%未満であると、製造時にポリマーが重合容器内で固化し、十分に重合できない。構成単位(II)の含有量が25モル%を超えると、分解ガスの発生が増加する。構成単位(II)の含有量は、好ましくは1〜22.5モル%、より好ましくは3〜22.5モル%、更に好ましくは3〜20モル%、特に好ましくは5〜20モル%である。
構成単位(III)は、3−ヒドロキシ安息香酸(以下、「mHBA」ともいう。)から誘導される。本実施形態の全芳香族ポリエステルは、全構成単位に対して構成単位(III)を1〜25モル%含む。構成単位(III)の含有量が1モル%未満であると、溶融時に配向性が高くなりウェルド部に強度が低下する。構成単位(III)の含有量が25モル%を超えると、液晶性が低下する。構成単位(III)の含有量は、好ましくは1〜22.5モル%、より好ましくは3〜22.5モル%、更に好ましくは3〜20モル%、特に好ましくは5〜20モル%である。
以上の通り、本実施形態の全芳香族ポリエステルは、特定の構成単位(I)〜(III)を、全構成単位に対して特定の量含有するため、発生ガスが少なく、かつ、溶融時において配向性が低くなりウェルド部の強度が高くなる。なお、本実施形態の全芳香族ポリエステルは、全構成単位に対して構成単位(I)〜(III)を合計で100モル%含む。
次いで、全芳香族ポリエステルの性質について説明する。本実施形態の全芳香族ポリエステルは、溶融時に光学的異方性を示す。溶融時に光学的異方性を示すことは、本実施形態の全芳香族ポリエステルが液晶性ポリマーであることを意味する。
本実施形態において、全芳香族ポリエステルが液晶性ポリマーであることは、全芳香族ポリエステルが熱安定性と易加工性を併せ持つ上で不可欠な要素である。上記構成単位(I)〜(III)から構成される全芳香族ポリエステルは、構成成分及びポリマー中のシーケンス分布によっては、異方性溶融相を形成しないものも存在するが、本実施形態のポリマーは溶融時に光学的異方性を示す全芳香族ポリエステルに限られる。
溶融異方性の性質は直交偏光子を利用した慣用の偏光検査方法により確認することができる。より具体的には溶融異方性の確認は、オリンパス社製偏光顕微鏡を使用しリンカム社製ホットステージにのせた試料を溶融し、窒素雰囲気下で150倍の倍率で観察することにより実施できる。液晶性ポリマーは光学的に異方性であり、直交偏光子間に挿入したとき光を透過させる。試料が光学的に異方性であると、例えば溶融静止液状態であっても偏光は透過する。
ネマチックな液晶性ポリマーは融点以上で著しく粘性低下を生じるので、一般的に融点又はそれ以上の温度で液晶性を示すことが加工性の指標となる。融点は、でき得る限り高い方が耐熱性の観点からは好ましいが、ポリマーの溶融加工時の熱劣化や成形機の加熱能力等を考慮すると、380℃以下であることが好ましい目安となる。なお、融点は好ましくは260〜370℃であり、より好ましくは270〜370℃であり、更に好ましくは280〜370℃である。
本実施形態の全芳香族ポリエステルの融点より8〜20℃高い温度、かつ、剪断速度1000/秒における前記全芳香族ポリエステルの溶融粘度は、好ましくは1000Pa・s以下であり、より好ましくは3〜500Pa・sであり、更に好ましくは3〜250Pa・sであり、より更に好ましくは3〜100Pa・sである。上記溶融粘度が上記範囲内であると、前記全芳香族ポリエステルそのもの、又は、前記全芳香族ポリエステルを含有する組成物は、その成形時において、流動性が確保されやすく、充填圧力が過度になりにくい。なお、本明細書において、溶融粘度とは、ISO11443に準拠して測定した溶融粘度をいう。
次いで、本実施形態の全芳香族ポリエステルの製造方法について説明する。本実施形態の全芳香族ポリエステルは、直接重合法やエステル交換法等を用いて重合される。重合に際しては、溶融重合法、溶液重合法、スラリー重合法、固相重合法等、又はこれらの2種以上の組み合わせが用いられ、溶融重合法、又は溶融重合法と固相重合法との組み合わせが好ましく用いられる。
本実施形態では、重合に際し、重合モノマーに対するアシル化剤や、酸塩化物誘導体として末端を活性化したモノマーを使用できる。アシル化剤としては、無水酢酸等の脂肪酸無水物等が挙げられる。
これらの重合に際しては種々の触媒の使用が可能であり、代表的なものとしては、酢酸カリウム、酢酸マグネシウム、酢酸第一錫、テトラブチルチタネート、酢酸鉛、酢酸ナトリウム、三酸化アンチモン、トリス(2,4−ペンタンジオナト)コバルト(III)等の金属塩系触媒、N−メチルイミダゾール、4−ジメチルアミノピリジン等の有機化合物系触媒を挙げることができる。触媒の使用量は一般にはモノマーの全質量に基づいて約0.001〜1質量%、特に約0.003〜0.2質量%が好ましい。
[ポリエステル樹脂組成物]
本実施形態の全芳香族ポリエステルには、使用目的に応じて各種の繊維状、粉粒状、板状の無機及び有機の充填剤を配合することができる。
本実施形態のポリエステル樹脂組成物に配合される無機充填剤としては、繊維状、粒状、板状のものが挙げられる。
繊維状無機充填剤としてはガラス繊維、アスベスト繊維、シリカ繊維、シリカ・アルミナ繊維、アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化硼素繊維、窒化珪素繊維、硼素繊維、チタン酸カリ繊維、ウォラストナイトの如き珪酸塩の繊維、硫酸マグネシウム繊維、ホウ酸アルミニウム繊維、更にステンレス、アルミニウム、チタン、銅、真鍮等の金属の繊維状物等の無機質繊維状物質が挙げられる。特に代表的な繊維状充填剤はガラス繊維である。
また、粉粒状無機充填剤としてはカーボンブラック、黒鉛、シリカ、石英粉末、ガラスビーズ、ミルドガラスファイバー、ガラスバルーン、ガラス粉、硅酸カルシウム、硅酸アルミニウム、カオリン、クレー、硅藻土、ウォラストナイトの如き硅酸塩、酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、三酸化アンチモン、アルミナの如き金属の酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムの如き金属の炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムの如き金属の硫酸塩、その他フェライト、炭化硅素、窒化硅素、窒化硼素、各種金属粉末等が挙げられる。
また、板状無機充填剤としてはマイカ、ガラスフレーク、タルク、各種の金属箔等が挙げられる。
本実施形態のポリエステル樹脂組成物に配合される、有機充填剤の例を示せば、芳香族ポリエステル繊維、液晶性ポリマー繊維、芳香族ポリアミド、ポリイミド繊維等の耐熱性高強度合成繊維等である。
これらの無機及び有機充填剤は一種又は二種以上を併用することができる。繊維状無機充填剤と粒状又は板状無機充填剤との併用は、機械的強度と寸法精度、電気的性質等を兼備する上で好ましい組み合わせである。特に好ましくは、繊維状充填剤としてガラス繊維、板状充填剤としてマイカ及びタルクであり、その配合量は、全芳香族ポリエステル100質量部に対して120質量部以下、好ましくは20〜80質量部である。ガラス繊維をマイカ又はタルクと組み合わせることで、ポリエステル樹脂組成物は、熱変形温度、機械的物性等の向上が特に顕著である。
これらの充填剤の使用にあたっては必要ならば収束剤又は表面処理剤を使用することができる。
本実施形態のポリエステル樹脂組成物は、上述の通り、必須成分として、本実施形態の全芳香族ポリエステル、及び必要に応じて無機又は有機充填剤を含むが、本実施形態の効果を害さない範囲であれば、その他の成分が含まれていてもよい。ここで、その他の成分とは、どのような成分であってもよく、例えば、その他の樹脂、酸化防止剤、安定剤、顔料、結晶核剤等の添加剤を挙げることができる。
また、本実施形態のポリエステル樹脂組成物の製造方法は特に限定されず、従来公知の方法で、ポリエステル樹脂組成物を調製することができる。
[ポリエステル成形品]
本実施形態のポリエステル成形品は、本実施形態の全芳香族ポリエステル又はポリエステル樹脂組成物を成形してなる。成形方法としては、特に限定されず一般的な成形方法を採用することができる。一般的な成形方法としては、射出成形、押出成形、圧縮成形、ブロー成形、真空成形、発泡成形、回転成形、ガスインジェクション成形、インフレーション成形等の方法を例示することができる。
本実施形態のポリエステル成形品は、上述の本実施形態の全芳香族ポリエステル又はポリエステル樹脂組成物を成形してなるためウェルド部の強度に優れる。
また、本実施形態の全芳香族ポリエステル、ポリエステル樹脂組成物は、成形性に優れるため、種々の立体成形品、繊維、フィルム等に加工できる。
以上のような性質を有する本実施形態のポリエステル成形品の好ましい用途としては、コネクター、CPUソケット、リレースイッチ部品、ボビン、アクチュエータ、ノイズ低減フィルターケース、電子回路基板又はOA機器の加熱定着ロール等が挙げられる。
以下に、実施例により本実施形態をさらに具体的に説明するが、本実施形態は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
撹拌機、還流カラム、モノマー投入口、窒素導入口、減圧/流出ラインを備えた重合容器に、以下の原料モノマー、脂肪酸金属塩触媒、アシル化剤を仕込み、窒素置換を開始した。なお、下記(I)〜(III)はそれぞれ、構成単位(I)〜(III)の由来となるモノマーである。
(I)6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸:1869g(70モル%)(HNA)
(II)4−ヒドロキシ安息香酸:196g(10モル%)(pHBA)
(III)3−ヒドロキシ安息香酸:392g(20モル%)(mHBA)
酢酸カリウム触媒165mg
無水酢酸1477g(HNAとHBAの合計の水酸基当量の1.02倍)
原料を仕込んだ後、反応系の温度を140℃に上げ、140℃で2時間反応させた。その後、更に340℃まで4.1時間かけて昇温し、そこから15分かけて10Torr(即ち1330Pa)まで減圧して、酢酸、過剰の無水酢酸、その他の低沸分を留出させながら重縮合を行った。撹拌トルクが所定の値に達した後、窒素を導入して減圧状態から常圧を経て加圧状態にして、重合容器の下部からポリマーを排出した。
<評価>
実施例1の全芳香族ポリエステルについて、融点、溶融粘度、曲げ強度、及び分解ガス発生量の評価を以下の方法で行った。評価結果を表1に示す。
[融点]
示差走査熱量計(DSC、パーキンエルマー社製)にて、全芳香族ポリエステルを室温から20℃/分の昇温速度で加熱した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm1)の測定後、(Tm1+40)℃の温度で2分間保持した後、20℃/分の降温速度で室温まで一旦冷却した後、再度、20℃/分の昇温速度で加熱した際に観測される吸熱ピークの温度(Tm2)を融点として測定した。測定結果を表1に示す。
[溶融粘度]
(株)東洋精機製作所製キャピログラフを使用し、全芳香族ポリエステルの融点よりも8〜20℃高い温度で、内径1.0mm、長さ20mmのオリフィスを用いて、剪断速度1000/秒で、ISO11443に準拠して、全芳香族ポリエステルの溶融粘度を測定した。測定結果を表1に示す。
[曲げ強度]
得られたペレットを、成形機(住友重機械工業社製 「SE−100DU」)を用いて、以下の成形条件で成形し、ウェルド部を有する120mm×12.5mm×0.8mmの曲げ試験片を作製した。この試験片を用いて、ASTM D790に準拠し、曲げ強度を測定した。測定結果を表1に示す。
(成形条件)
シリンダー温度:370℃−370℃―360℃―350℃
金型温度:80℃
[分解ガス発生量]
各実施例及び比較例において、熱重量測定装置(TG/DTA、セイコーインスツル(株)製)を使用し、全芳香族ポリエステル10mgを窒素気流下にて、370℃で、30分保持した際の重量減少量を測定し、それを分解ガス発生量として評価した。
[実施例2〜7、比較例1〜6]
原料モノマーの種類、仕込み比率(モル%)を表1に示す通りとした以外は、実施例1と同様にしてポリマーを得た。そして、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示す。

Figure 2020041006
表1より、実施例1〜7はいずれも曲げ強度が大きく、ウェルド部の強度に優れていることが分かる。また、いずれの実施例も分解ガス発生量が少なかった。
これに対して、HNAの量が少ない比較例1及び2は曲げ強度に劣っていた。また、HNAの量が多い比較例3は固まりが発生し重合すらできなかった。pHBAが多い比較例4〜6は曲げ強度に劣り、かつ、分解ガス発生量が多かった。
(1)下記構成単位(I)、(II)及び(III)からなり、全構成単位に対して下記構成単位(I)が65〜85モル%、下記構成単位(II)が1〜25モル%、下記構成単位(III)が1〜25モル%であり、下記構成単位(I)〜(III)の合計が100モル%である全芳香族ポリエステル。

Claims (7)

  1. 下記構成単位(I)、(II)及び(III)からなり、全構成単位に対して下記構成単位(I)が1〜25モル%、下記構成単位(II)が65〜85モル%、下記構成単位(III)が1〜25モル%であり、下記構成単位(I)〜(III)の合計が100モル%である全芳香族ポリエステル。
    Figure 2020041006
  2. 融点よりも8〜20℃高い温度における溶融粘度が1000Pa・s以下である、請求項1に記載の全芳香族ポリエステル。
  3. 融点よりも8〜20℃高い温度における溶融粘度が3〜500Pa・sである、請求項1又は2に記載の全芳香族ポリエステル。
  4. 融点が380℃以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の全芳香族ポリエステル。
  5. 融点が260〜370℃である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の全芳香族ポリエステル。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の全芳香族ポリエステルを含有するポリエステル樹脂組成物。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の全芳香族ポリエステル、又は請求項6に記載のポリエステル樹脂組成物を成形して得られるポリエステル成形品。
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