JP4711306B2 - ナノ炭素粒子分散液及びその製造方法とコア・シェル型ナノ炭素粒子の製造方法 - Google Patents

ナノ炭素粒子分散液及びその製造方法とコア・シェル型ナノ炭素粒子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ナノダイヤモンド等のナノ炭素粒子を逆ミセル溶液中の水滴中に単分散させたナノ炭素粒子分散液及びその製造方法と、このナノ炭素粒子分散液を用いて製造する金属酸化物に被覆されたコア・シェル型ナノ炭素粒子の製造方法に関するものである。
粒径が数nm程度と非常に小さいダイヤモンド粒子であるナノダイヤモンドは、一般に、TNTとhexogenの混合物をCO2 や不活性ガス、水などの不活性媒体中で爆発させてダイヤの凝集体を合成し(爆発法)、これをビーズミルで解砕して作製する。
ナノダイヤモンドは高い屈折率と透明性を有するため光学材料への展開が期待でき、また高い硬度を有するため研磨剤への応用も考えられる他、ナノ粒子としての特性を活かした工業的に多様な用途が考えられる。
しかしながら、ナノダイヤモンドの表面は親水性のため、炭化水素系溶媒(ヘプタン、デカン等)や、殆どの有機溶媒には分散できなかった。またエポキシ樹脂にも分散できなかった。さらに、ナノダイヤに限らずナノカーボンのようなナノ材料は凝集し易いため、ナノ材料特有の物性を引き出すことができなかった。例えば、ナノダイヤであれば、上述したように高い硬度を利用した研磨剤として、また高い透明性や大きな屈折率等を利用した光学材料として工業的に利用することが期待されるが、上述したような問題があり、その応用が制限されていた。
本発明は、上述した課題を解決し、ナノダイヤ粒子等のナノカーボン粒子の表面を改質して溶媒中に単分散させ、これを用いてナノカーボン粒子の表面に皮膜を形成することにより、有機溶媒や各種の樹脂に分散やコンポジットできるようにしてナノ粒子本来の特性を活かした多様な応用を可能とすることを目的としている。
請求項1に記載されたナノ炭素粒子分散液は、両親媒性分子に被覆された水滴が有機溶媒中に分散されてなる逆ミセル溶液の水滴中に、金属酸化物で被覆されたナノ炭素粒子が単分散されてなることを特徴としている。
請求項2に記載されたナノ炭素粒子分散液の製造方法は、両親媒性分子に被覆された水滴が有機溶媒中に分散されてなる逆ミセル溶液に、ナノ炭素粒子と、前記ナノ炭素粒子の表面に極性を与える単分散機能物質とを加えて攪拌することにより、前記ナノ炭素粒子の表面に極性を与えて該ナノ炭素粒子を前記逆ミセル溶液の水滴中に単分散させることを特徴としている。
請求項に記載されたコア・シェル型ナノ炭素粒子の製造方法は、両親媒性分子に被覆された水滴が有機溶媒中に分散されてなる逆ミセル溶液に、ナノ炭素粒子と、前記ナノ炭素粒子の表面に極性を与える単分散機能物質とを加えて攪拌することにより、前記ナノ炭素粒子の表面に極性を与えて該ナノ炭素粒子を前記逆ミセル溶液の水滴中に単分散させ、前記溶液中に金属アルコキシドを加えて攪拌することにより前記ナノ炭素粒子の表面を当該金属の酸化物で被覆することを特徴としている。
請求項1に記載されたナノ炭素粒子分散液は、逆ミセル溶液の水滴中に金属酸化物で被覆されたナノ炭素粒子が単分散された状態にあり、ナノ炭素粒子の表面が金属酸化物の被覆により改質されているので、工業用材料としてナノ粒子特有の物性・性質・機能を発揮することができる。このコア・シェル型ナノ炭素粒子は、例えば、ナノ炭素粒子を逆ミセル溶液の水滴中に取り込むことにより単分散し、この単分散されたナノ炭素粒子の表面に金属酸化物を被覆することで得ることができる。
請求項2に記載されたナノ炭素粒子分散液の製造方法によれば、逆ミセル溶液中においてナノ炭素粒子は単分散機能物質により表面に極性が与えられて水滴中に取り込まれやすくなるので、該ナノ炭素粒子を逆ミセル溶液の水滴中に容易に単分散させることができる。
請求項に記載されたコア・シェル型ナノ炭素粒子の製造方法によれば、逆ミセル溶液中において表面に極性が与えられたナノ炭素粒子は水滴中に容易に単分散され、これに金属アルコキシドを用いてナノ炭素粒子の表面を金属の酸化物で被覆する改質を行うことができるので、当該ナノ炭素粒子特有の物性・性質・機能を効果的に利用できる工業用材料としてのコア・シェル型ナノ炭素粒子を製造することができる。
なお、上記本発明において、ナノ炭素粒子としては、ナノダイヤモンドの他、フラーレンやチューブ等のナノカーボンをも意味するものとする。
本発明を実施するための最良の形態を図1乃至図6を参照して説明する。
本願発明者等は、ナノ炭素粒子であるナノダイヤモンド粒子の物性・性質・機能を効果的に利用できるようにするための手法について鋭意研究した結果、その粒子表面を他の金属酸化物で被覆して表面の特性を変化させれば、これまで分散できなかった溶剤に対しても分散できるようになるのではないかと考えるに至った。
しかしながら、ナノサイズの粒子の表面に金属酸化物の被膜を形成するには、凝集しやすいナノダイヤモンドを単分散させた状態を作り、この状態下において各粒子に対してナノレベルでの被覆加工を行うという困難な作業が必要となる。
そこで、本願発明者等は、その手法について鋭意研究した結果、まず逆ミセル法を適用してナノダイヤモンド粒子を単分散(乃至これに近い状態)し、その上で単分散したナノダイヤモンドに対して金属被膜を形成するという製造方法を発想するに至った。
以下、本願に係るナノ炭素粒子分散液及びその製造工程と、これを用いて製造したコア・シェル型ナノ炭素粒子及びその製造工程の実施形態について詳細に説明する。なお、本例では、ナノ炭素粒子としてナノダイヤモンドを例示した。
1.ナノダイヤモンドの逆ミセル溶液への分散
1) ナノダイヤモンドを水に対して10wt%含むコロイド溶液を調整した。
2) 逆ミセル溶液の調整
両親媒性分子として界面活性剤であるスルホこはく酸ジ-2- エチルヘキシルナトリウム(AOT)37.3gと、有機溶媒としてのヘプタン350cm3をそれぞれ秤量してビーカーに入れ、次にこのビーカー内に撹拌子を入れて10分間撹拌した。さらにこの溶液をホモジナイザーで30分撹拌した。これによって、界面活性剤が有機溶媒中で親水基を内側に向けて会合した分子集合体である逆ミセルの溶液が得られた。次の工程に示すように、これに水を加えて攪拌すれば逆ミセルの内部に水を可溶化したナノオーダーの微小水滴を形成することができる。この微少水滴を以下逆ミセルの水滴という。
3) ナノダイヤモンド逆ミセル溶液の調整
作製した逆ミセル溶液とナノダイヤ溶液(前記コロイド溶液)をそれぞれ表1の組成のように加え、これらの逆ミセル溶液を1時間スターラーで撹拌し、3種類の試料を作成した(これらを本実験ではNo.1乃至No.3と呼ぶ)。各試料の撹拌後の溶液の分光透過率を測定してナノダイヤの分散状態を評価した。
この溶液は、図1に示すように、AOT(界面活性剤)1が有機溶媒2中で親水基を内側に向けて会合した分子集合体である逆ミセル10の内部にナノオーダーの微小な水滴3が含まれ、その水滴3の内部にナノダイヤモンド粒子4が単分散状態で取り込まれた構造となっている。
この溶液の分光透過率を測定した。なお、波長350nm迄の入射光は、反射等の影響によりその分光透過率が低く測定された。そこで、本測定においては、波長領域が350nm〜1100nmの入射光について上記測定を行った。
図3の(4) No.1(ND)、(5) No.2(ND)、(6) No.3(ND)に示すように、逆ミセル溶液にナノダイヤ水分散液を加えて得た溶液の分光透過率は、可視光の領域では30%程度とあまり高くない。これはナノダイヤモンドがある程度逆ミセルに取り込まれてはいるが完全には分散していない状態にあるからであると考えられる。
次に、この溶液にアンモニア水を50μl 加えて撹拌を10分行った。これで得られた溶液について同様に分光透過率を測定すると、図3の(1) No.1(NH4 OH)、(2) No.1(NH4 OH)、(3) No.3(NH4 OH)に示すように、アンモニア水を加えたものは700nm での透過率が80%程度と高くなった。
このことから、アンモニア水を加えることによってナノダイヤモンドは逆ミセルの水滴中で単分散状態になっていると考えられる。これは、アンモニアがナノダイヤモンド粒子の表面に+又は−の極性を与えたため、ナノダイヤモンド粒子が前記逆ミセルの水滴中に容易に単分散することができたからであると考えられる。
このように、逆ミセルの水滴中に容易に単分散できるようにナノダイヤモンド粒子の表面に極性を与える機能を備えた物質(単分散機能物質)は、必ずしも上記アンモニアだけではなく、酸又はその他のアルカリ乃至何らかの電解質を加えて攪拌することによっても、前記ナノダイヤモンド粒子の表面に極性を与えて逆ミセルの水滴中に容易に単分散させることが可能である。
2.コア・シェル型ナノダイヤモンド粒子であるSiO2被覆ナノダイヤモンドの作製
さて、上述したように、ナノダイヤモンド粒子が逆ミセル溶液中に単分散できれば、以下に説明するように単分散された各ナノダイヤモンド粒子の粒子表面を金属酸化物で被覆する操作を行うことが可能となる。
[TEOS溶液の調整]
図2に示すように、金属アルコキシドであるテトラメトキシシラン(TEOS (テオス)、Si(OC2H5)4)10ml とヘプタン10mlをガラスビンに入れた後、撹拌子を入れ蓋をして10分間撹拌した。上記3)のアンモニアを加えた工程で得られたナノダイヤモンド4が単分散している逆ミセル溶液(図3のNo.1(NH4 OH)〜No.3(NH4 OH))を撹拌し、これに前記TEOS溶液を100 μl 加えてから蓋をして30分間撹拌した。これによって、逆ミセル10の水滴中に単分散されたナノダイヤモンド4をSiO2で被覆してなるSiO2被覆ナノダイヤモンド5が得られる。
[分光透過率の測定]
得られた溶液の分光透過率を測定した。合成直後に測定して得られた分光透過率を図4に示す。データは3種類、すなわち(7) SiO2(合成直後)のNo.1、(8) SiO2(合成直後)のNo.2、(9) SiO2(合成直後)のNo.3である。
また合成後一日放置してからの測定で得られた分光透過率を図5に示す。データは3種類、すなわち(10)SiO2(1日後)のNo.1、(11)SiO2(1日後)のNo.2、(12)SiO2(1日後)のNo.3である。
まず、SiO2をコートした直後は、透過率は上がるが、一日経つと、透過率は下がる傾向にある。このことはテトラメトキシシランが加水分解してナノダイヤモンド粒子の表面にSiO-SiO-の結合構造が成長していることを示している。これらのことから、逆ミセル法を使用してナノダイヤモンドの表面をシリカで被覆することができた。
3.SiO2被覆ナノダイヤモンドの粉体化
上述した2.までの工程では、SiO2被覆ナノダイヤモンドは逆ミセル溶液中に存在しているが、これを凝集させずに乾燥し、工業的用途に供しうる粉体状とする。上記逆ミセル溶液をそのまま乾燥させるとSiO2被覆ナノダイヤモンドは凝集してしまうので、まず上記逆ミセル溶液を加熱して有機溶剤を蒸発させつつ水を加えていき、有機溶剤を水で置換する。なお、この置換作業は、先に水を加えてから加熱して有機溶剤を蒸発させる手順でも行える。その後、フリーズドライ法により水分を除去すれば、SiO2被覆ナノダイヤモンド粒子の粉体を得ることができる。
図6は、以上のようにして製造した粉体状のSiO2被覆ナノダイヤモンドのTEM(透過型電子顕微鏡)による写真である(拡大率12万倍)。この写真のSiO2被覆ナノダイヤモンドは、2.までの工程で製造し、製造後1日以上経過した逆ミセル溶液から得たものであり、ナノダイヤモンドを被覆するSiO2の厚さは大きいもので50nm程度となっている。このような状態であると、上述したように透過率は合成直後よりは低下するものの、ナノダイヤモンド自体の物性を有効利用できないほどではなく、工業上十分な利用価値がある。もちろん、SiO2の厚さを数nm程度に止めておけば透過率はさらに大きくなる。
4.その他の実施形態
上記1の実施形態では、ナノダイヤモンドを被覆する金属酸化物としてSiO2を例示したが、その他、上記実施形態と同様にナノダイヤ粒子の表面に、TiO2、Al2O3 、Y2O3、SnO2、In2O3 、ZnO などの金属酸化物を当該各金属の金属アルコキシドを用いてゾル−ゲル法で被覆することができる。なお、その場合には、ナノダイヤモンド粒子を逆ミセルの水滴中に単分散させるためにナノダイヤモンド粒子の表面に極性を与える単分散機能物質としては、必ずしも上記アンモニアだけではなく、上記1の実施形態で説明したのと同様に、酸又はその他のアルカリ乃至何らかの電解質を利用することができる。
5.実施形態の効果
以上説明した実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。
1)逆ミセル溶液中にナノダイヤモンド粒子を単分散できた。この分散液は可視光に対してほとんど透明となる(図3)。
2)また逆ミセル溶液に単分散されたナノダイヤモンド粒子には、SiO2,TiO2,Al2O3,Y2O3,SnO2,In2O3,ZnO その他の金属酸化物を被覆することができた。前記金属酸化物は有機溶媒や樹脂中に分散しやすい事から、前記金属酸化物に被覆されたコア−シェル型ナノダイヤモンドは有機溶媒や樹脂中に分散できる。
3)また逆ミセル溶液に単分散されたナノダイヤモンド粒子には、SiO2をコートすることが可能であるため、有機溶媒や樹脂中に分散することが可能になる。
4)SiO2を被覆したナノダイヤモンド粒子をエポキシ樹脂に分散すると、ナノダイヤモンド粒子とSiO2の体積比率により、ナノダイヤモンド粒子の屈折率の約2.4 とSiO2の屈折率の約1.4 の間の値になり、エポキシ樹脂よりも高い屈折率となる。これにより、SiO2を被覆したナノダイヤモンド粒子を分散したエポキシ樹脂をLEDの表面に被覆すればLEDからの発光を効率良く取り出すことが出来る。
5)SiO2を被覆したナノダイヤモンド粒子は350nm以下の紫外線を遮蔽するので、SiO2を被覆したナノダイヤモンド粒子をフィルムその他の透明樹脂やガラスの表面に被覆すれば紫外線遮蔽用途に使用出来る(図4,5)。
6)SiO2,Al2O3,Y2O3,SnO2,In2O3,ZnOその他の金属酸化物は導電性を有することから、導電性金属酸化物を被覆したコア−シェル型ナノダイヤは導電性材料に使用することができる。
7)ナノダイヤモンド粒子に替えて、その他のナノ炭素粒子を用いれば、当該ナノ炭素粒子の物性を利用した多様な用途に適用できる。
逆ミセル溶液にナノダイヤモンド粒子を単分散させる工程を示す模式図である。 逆ミセル溶液へのナノダイヤモンド粒子の単分散において、アンモニア水溶液とTEOS溶液を加えて単分散されたナノダイヤモンド粒子にSiO2等をコートする工程を示す模式図である。 ナノダイヤモンド粒子を単分散させた逆ミセル溶液の分光透過率を示す図である。 SiO2をコートした状態のナノダイヤモンド粒子が単分散した逆ミセル溶液の合成直後の各分光透過率を示す図である。 SiO2をコートした状態のナノダイヤモンド粒子が単分散した逆ミセル溶液の合成から一日経過後の各分光透過率を示す図である。 SiO2がコートされたナノダイヤモンド粒子のTEM(透過型電子顕微鏡)による拡大写真である。
符号の説明
1…両親媒性分子としてのAOT(界面活性剤)
2…有機溶媒
3…水滴
4…ナノ炭素粒子としてのナノダイヤモンド粒子
5…コア・シェル型ナノ炭素粒子としてのSiO2被覆ナノダイヤモンド

Claims (3)

  1. 両親媒性分子に被覆された水滴が有機溶媒中に分散されてなる逆ミセル溶液の水滴中に、金属酸化物で被覆されたナノ炭素粒子が単分散されてなるナノ炭素粒子分散液。
  2. 両親媒性分子に被覆された水滴が有機溶媒中に分散されてなる逆ミセル溶液に、ナノ炭素粒子と、前記ナノ炭素粒子の表面に極性を与える単分散機能物質とを加えて攪拌することにより、前記ナノ炭素粒子の表面に極性を与えて該ナノ炭素粒子を前記逆ミセル溶液の水滴中に単分散させることを特徴とするナノ炭素粒子分散液の製造方法。
  3. 両親媒性分子に被覆された水滴が有機溶媒中に分散されてなる逆ミセル溶液に、ナノ炭素粒子と、前記ナノ炭素粒子の表面に極性を与える単分散機能物質とを加えて攪拌することにより、前記ナノ炭素粒子の表面に極性を与えて該ナノ炭素粒子を前記逆ミセル溶液の水滴中に単分散させ、
    前記溶液中に金属アルコキシドを加えて攪拌することにより前記ナノ炭素粒子の表面を当該金属の酸化物で被覆することを特徴とするコア・シェル型ナノ炭素粒子の製造方法。
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