JP2011099057A - キャップトレッド用ゴム組成物及びスタッドレスタイヤ - Google Patents

キャップトレッド用ゴム組成物及びスタッドレスタイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】老化防止剤を増量することなく、耐熱性を高め、特にゴムの長時間使用による硬度変化等の性能変化(ゴムの硬化劣化)を抑制して、氷上性能を低下させることなく長寿命化でき、更には良好な耐スコーチ性を有しながら加硫時間を短縮でき、架橋効率を高めることができるゴム組成物、及びそれをタイヤのキャップトレッドに用いたスタッドレスタイヤを提供する。
【解決手段】イソプレン系ゴムを含むゴム成分と、シリカと、加硫促進剤として、特定なN含有硫黄複素環式化合物と、チウラム系加硫促進剤とを含有するキャップトレッド用ゴム組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、キャップトレッド用ゴム組成物、及びそれを用いたスタッドレスタイヤに関する。
従来、氷雪路面走行用としてスパイクタイヤの使用やタイヤへのチェーンの装着が行われてきたが、粉塵問題等の環境問題が生じるため、これに代わる氷雪路面走行用タイヤとしてスタッドレスタイヤが開発された。スタッドレスタイヤは、一般路面に比べ、路面凹凸が大きい雪上路面で使用されるため、材料面及び設計面での工夫がなされている。例えば、低温特性に優れたジエン系ゴムを配合し、また軟化効果を高めるために軟化剤を多量に配合したゴム組成物が開発されてきた。
従来からタイヤ等に用いられるゴム組成物には、ゴム組成物の耐熱性を高めるために老化防止剤が広く使用されている。老化防止剤としては、N−(1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン(6PPD)やN−フェニル−N′−イソプロピル−p−フェニレンジアミン(IPPD)等のアミン系老化防止剤が汎用的に用いられている。
スタッドレスタイヤは経年劣化(硬化劣化)により硬度が上昇すると、氷上性能(氷上制動性能)が大幅に低下するおそれがある。そのため、従来から、老化防止剤を増量する方法、または軟化剤を選択する方法などで対応してきた。しかし、老化防止剤を増量する方法では、老化防止剤のタイヤ表面への析出により表面が茶変色し、タイヤの外観不良を引き起こす等の問題がある。また、軟化剤を選択する方法では、軟化剤の種類によっては氷上性能そのものの低下を引き起すため、氷上性能と硬化劣化防止性能の両立は充分ではなかった。
従って、老化防止剤を増量させることなく、耐熱性を向上し、長寿命化できるゴム組成物の提供が望まれている。
特許文献1には、ジエン系ゴムに、老化防止剤としてのN−(1−メチルヘプチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、及びワックスを配合したゴム組成物が開示されている。しかし、耐熱性の改善の点では未だ改善の余地を残すものである。
特開平10−324779号公報
本発明は、前記課題を解決し、老化防止剤を増量することなく、耐熱性を高め、特にゴムの長時間使用による硬度変化等の性能変化(ゴムの硬化劣化)を抑制して、氷上性能を低下させることなく長寿命化でき、更には良好な耐スコーチ性を有しながら加硫時間を短縮でき、架橋効率を高めることができるゴム組成物、及びそれをタイヤのキャップトレッドに用いたスタッドレスタイヤを提供することを目的とする。
本発明者らは、イソプレン系ゴムを含むゴム成分と、シリカと、下記式(I)及び/又は(II)で表される化合物を配合することにより、耐熱性を改善でき、特にゴムの硬化劣化の抑制が可能となることを見出した。しかし、この方法では、加硫時間の増大や架橋効率の低下という新たな問題が生じた。そこで、本発明者らは、鋭意検討の結果、上記3成分に、さらに、チウラム系加硫促進剤を配合することにより、耐熱性を改善しつつ、さらに、上記新たな問題をも解決することができることを見出した。
すなわち、本発明は、イソプレン系ゴムを含むゴム成分と、シリカと、下記式(I)及び/又は(II)で表される化合物と、チウラム系加硫促進剤とを含有するキャップトレッド用ゴム組成物に関する。
Figure 2011099057
(式(I)、(II)において、R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子、アルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す。但し、R及びRが同時に水素原子である場合を除く。)
上記イソプレン系ゴムがイソプレンゴム、天然ゴム及び改質天然ゴムからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
上記化合物が下記式(III)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2011099057
上記ゴム組成物は、25℃における硬度が42〜70であることが好ましい。
本発明はまた、上記ゴム組成物を用いて作製したキャップトレッドを有するスタッドレスタイヤに関する。
本発明によれば、イソプレン系ゴムを含むゴム成分に、シリカ、上記式(I)及び/又は(II)で表される化合物、チウラム系加硫促進剤を配合しているので、初期の氷上性能を低下させることなく耐熱性を改善でき、特にゴムの長時間使用による硬度変化等の性能変化(特にはゴムの硬化劣化)の抑制が可能となり、経年に伴う氷上性能の低下の抑制が可能となる。さらに、良好な耐スコーチ性も有しながら、加硫時間を短縮することも可能であり、架橋効率を向上できる。このような硬化劣化の抑制効果は、SBR及びカーボンブラックの配合系等のSBR系に比べて非常に大きい。また、架橋効率が改善されるため、転がり抵抗性能、耐摩耗性能を改善することができる。従って、6PPD等の老化防止剤を増量することなく、氷上性能の低下を伴わずにゴム組成物を長寿命化でき、さらに良好な耐スコーチ性も有しながら、加硫時間を短縮することも可能であり、架橋効率を向上できるため、スタッドレスタイヤのキャップトレッドに好適に適用できる。
本発明のゴム組成物は、イソプレン系ゴムを含むゴム成分と、シリカと、上記式(I)及び/又は(II)で表される化合物と、チウラム系加硫促進剤とを含む。ゴム成分としてイソプレン系ゴムを使用するとともに、更にシリカ及び上記式(I)、(II)で表される化合物を配合することにより、耐熱性を改善でき、ゴムの長期使用による硬度変化等の性能変化、特にゴムの硬化劣化の抑制が可能となる。さらに、上記3成分に、チウラム系加硫促進剤を配合することにより、耐熱性を改善しつつ、さらに、上記3成分を配合することにより生じる加硫時間の増大や架橋効率の低下という新たな問題を解決することができる(耐スコーチ性を確保し、架橋効率の向上と加硫時間の短縮を達成できる)。更には、チウラム系加硫促進剤により架橋効率が高まることによってゴム組成物中でゴム分子間をつなぐ有効な架橋に関与しない硫黄が減るため、それらの無駄な硫黄が劣化時に変化し、硬化劣化等を引き起こすことを防ぐことができる。
ここで、ゴムの硬化劣化とは、劣化因子として酸素が存在する条件下で熱が加わったときに、ゴムが初期状態に比べ硬くなる劣化現象のことであり、本発明では、このような劣化を効果的に抑制できる。このような硬化劣化抑制効果は、いわゆる耐熱疲労性(ブローやチャンクの発生の防止)、耐熱ダレ性とは異質の効果であって、イソプレン系ゴムとシリカと式(I)、(II)の化合物との3成分を使用した場合に特異的に奏する。
更に、これら3成分を用いた場合には、耐熱性の改善効果(特に、硬化劣化抑制効果)が相乗的に生じ、例えば、スチレンブタジエンゴムに、シリカや式(I)、(II)の化合物を配合した場合に比べて、非常に大きな硬化劣化抑制効果が生じる。
本発明では、ゴム成分としてイソプレン系ゴムが使用される。本発明では、イソプレン骨格を持つゴムを使用しているにもかかわらず、耐熱性(特に硬化劣化抑制効果)を改善できる。イソプレン系ゴムとしては、イソプレンゴム(IR)、天然ゴム(NR)、改質天然ゴム等が挙げられる。NRには、脱タンパク質天然ゴム(DPNR)、高純度天然ゴム(HPNR)も含まれ、改質天然ゴムとしては、エポキシ化天然ゴム(ENR)、水素添加天然ゴム(HNR)、グラフト化天然ゴム等が挙げられる。また、NRとしては、例えば、SIR20、RSS♯3、TSR20等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。なかでも、安価であるという理由から、NR、IRが好ましい。
本発明では、ゴム成分100質量%中に、イソプレン系ゴムが20質量%以上、好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上含まれる。20質量%未満であると、硬化劣化抑制効果が十分に得られないおそれがある。また、イソプレン系ゴムの含有量は、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下である。80質量%をこえると、スタッドレスタイヤとして必要な低温特性を確保することができないおそれがある。
イソプレン系ゴムの他に、ゴム成分として使用できるものとしては、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)等が挙げられる。ゴム成分は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、氷上性能を確保できるという理由からBRが好ましい。
BRとしては特に限定されず、例えば、日本ゼオン(株)製のBR1220、BR1250H、宇部興産(株)製のBR130B、BR150B等の高シス含有量のBR、宇部興産(株)製のVCR412、VCR617等のシンジオタクチックポリブタジエン結晶を含有するBR等を使用できる。なかでも、低温特性の確保という理由から、シス含有量が90質量%以上のBRが好ましい。
本発明では、ゴム成分100質量%中に、BRが好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上、最も好ましくは50質量%以上含まれる。10質量%未満であると、スタッドレスタイヤとして必要な氷上性能を充分に得られないおそれがある。
また、BRの含有量は、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは70質量%以下である。90質量%を超えると、加工性が大幅に悪化するおそれがある。
本発明ではシリカが使用される。これにより、耐熱性(特に硬化劣化抑制効果)を改善できるとともに、耐摩耗性能、低燃費性能、スタッドレスタイヤとして必要な氷上性能を発揮できる。シリカとしては特に限定されず、例えば、乾式法シリカ(無水ケイ酸)、湿式法シリカ(無水ケイ酸)等が挙げられるが、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。シリカは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記シリカの窒素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは50m/g以上、より好ましくは80m/g以上、更に好ましくは100m/g以上である。50m/g未満では、ゴムの補強性が低下する傾向がある。また、シリカのNSAは、好ましくは300m/g以下、より好ましくは250m/g以下、更に好ましくは200m/g以下である。300m/gを超えると、ゴム粘度が大きくなり、加工性が悪化する傾向がある。
なお、シリカの窒素吸着比表面積は、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される値である。
本発明のキャップトレッド用ゴム組成物において、シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上、更に好ましく15質量部以上である。5質量部未満では、硬化劣化抑制効果及び氷上性能が十分に得られないおそれがあるとともに、シリカを配合することによる加硫速度や架橋効率の低下が生じにくく、加硫速度や架橋効率の低下抑制効果が小さくなるおそれがある。該シリカの含有量は、好ましくは80質量部以下、より好ましくは70質量部以下、更に好ましくは60質量部以下、最も好ましくは50質量部以下である。80質量部をこえると、加工性及び作業性が悪化するおそれがある。
本発明のゴム組成物には、シリカとともに、シランカップリング剤を含有することが好ましい。
シランカップリング剤としては、ゴム工業において、従来からシリカと併用される任意のシランカップリング剤を使用することができ、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)ジスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィドなどのスルフィド系が挙げられる。また、メルカプト系、ビニル系、グリシドキシ系、ニトロ系、クロロ系なども挙げられる。なかでも、シランカップリング剤の補強性効果と加工性という点から、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドを用いることが好ましい。これらのシランカップリング剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、1質量部以上が好ましく、2質量部以上がより好ましい。1質量部未満では、破壊強度が大きく低下する傾向がある。また、該シランカップリング剤の含有量は、15質量部以下が好ましく、10質量部以下がより好ましい。15質量部を超えると、シランカップリング剤を添加することによる破壊強度の増加や転がり抵抗低減などの効果が得られない傾向がある。
本発明では、加硫促進剤として、下記式(I)及び/又は(II)で表される化合物とチウラム系加硫促進剤が併用される。ゴム成分として、イソプレン系ゴム又はイソプレン系ゴムとBRを含むゴム組成物の場合には、耐熱性や耐老化性に劣る場合が多く、長期使用による硬度変化等の性能変化(特に硬化劣化)が大きくなる傾向があるが、式(I)、(II)の化合物の使用によって性能変化を抑制できる。しかしその一方で、加硫時間の増大、架橋効率の低下が起きてしまう。これに対し、グアニジン系促進剤を併用すると、架橋効率の低下については多少改善されるが、未だ不十分である。また、スコーチタイムが短くなり、ゴムやけの懸念もある。本発明では、チウラム系加硫促進剤という特定の加硫促進剤を併用しているため、適正な耐スコーチ性を得ながら、架橋効率を十分に改善できる。従って、未加硫ゴム組成物において良好な耐スコーチ性を保持しつつ、加硫時間を短縮でき、また加硫ゴム組成物の転がり抵抗特性や耐摩耗性の改善、更にはより一層の架橋効率の改善もできる。
Figure 2011099057
(式(I)、(II)において、R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子、アルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す。但し、R及びRが同時に水素原子である場合を除く(即ち、同一の環に結合しているR及びRがともに水素原子である化合物を除く)。)
、Rとしては、アルキル基の炭素数は1〜10、アリール基の炭素数は6〜10、アラルキル基の炭素数は7〜10が好ましい。アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、へキシル基、へプチル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等が挙げられる。アリール基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基等が挙げられる。アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。R〜Rの炭化水素基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。アルキル基、アリール基、アラルキル基のなかでも、アルキル基が好ましく、該アルキル基の炭素数は、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜2である。また、Rがアルキル基、Rが水素原子であることが好ましい。この場合、硬化劣化抑制効果が良好に得られる。
上記式(I)で表される化合物の具体例としては、ビス(4−メチルベンゾチアゾリル−2)−ジスルフィド、ビス(4−エチルベンゾチアゾリル−2)−ジスルフィド、ビス(5−メチルベンゾチアゾリル−2)−ジスルフィド、ビス(5−エチルベンゾチアゾリル−2)−ジスルフィド、ビス(6−メチルベンゾチアゾリル−2)−ジスルフィド、ビス(6−エチルベンゾチアゾリル−2)−ジスルフィド、ビス(4,5−ジメチルベンゾチアゾリル−2)−ジスルフィド、ビス(4,5−ジエチルベンゾチアゾリル−2)−ジスルフィド、ビス(4−フェニルベンゾチアゾリル−2)−ジスルフィド、ビス(5−フェニルベンゾチアゾリル−2)−ジスルフィド、ビス(6−フェニルベンゾチアゾリル−2)−ジスルフィド等が挙げられる。上記式(II)で表される化合物の具体例としては、2−メルカプト−4−メチルベンゾチアゾール、2−メルカプト−4−エチルベンゾチアゾール、2−メルカプト−5−メチルベンゾチアゾール、2−メルカプト−5−エチルベンゾチアゾール、2−メルカプト−6−メチルベンゾチアゾール、2−メルカプト−6−エチルベンゾチアゾール、2−メルカプト−4,5−ジメチルベンゾチアゾール、2−メルカプト−4,5−ジエチルベンゾチアゾール、2−メルカプト−4−フェニルベンゾチアゾール、2−メルカプト−5−フェニルベンゾチアゾール、2−メルカプト−6−フェニルベンゾチアゾール等が挙げられる。なかでも、ビス(4−メチルベンゾチアゾリル−2)−ジスルフィド、ビス(5−メチルベンゾチアゾリル−2)−ジスルフィド、メルカプト−4−メチルベンゾチアゾール、メルカプト−5−メチルベンゾチアゾールが好ましい。また、式(I)、(II)では、式(I)で表される化合物の方が好適に用いられる。更に、上述した化合物のなかでも、下記式(III)で表される化合物(4m−MBTS)が特に好適に用いられる。以上の化合物を使用する場合、硬化劣化抑制効果が良好に得られる。
Figure 2011099057
式(I)、(II)で表される化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。該化合物の市販品として、例えば、NOCIL社の製品を使用することができる。
上記式(I)、(II)で表される化合物の合計含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.2質量部以上、更に好ましくは0.4質量部以上である。0.1質量部未満では、硬化劣化抑制効果が十分に得られないおそれがある。該合計含有量は、好ましくは5.0質量部以下、より好ましくは3.0質量部以下、更に好ましくは2.0質量部以下である。5.0質量部を超えると、適切な架橋密度、架橋形態を維持するのが難しくなるおそれがある。
チウラム系加硫促進剤としては、例えば、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド(TMTM)、ジペンタメチレンチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムモノスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、ジペンタメチレンチウラムヘキサスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィドなどが挙げられる。なかでも、架橋効率の向上、適正な耐スコーチ性の保持、加硫時間の短縮、また、TMTD等に比べ毒性が低い点から、TMTM、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィドが好ましい。
チウラム系加硫促進剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.2質量部以上、更に好ましく0.3質量部以上である。0.1質量部未満では、耐スコーチ性、架橋効率の改善効果が得られないおそれがある。該チウラム系加硫促進剤の含有量は、好ましくは1質量部以下、より好ましくは0.8質量部以下、更に好ましくは0.6質量部以下である。1質量部をこえると、チウラム系加硫促進剤がブルームしたり、スコーチタイムが短くなったり、コストが不必要に増大したりするおそれがある。
本発明では、上記式(I)、(II)で表される化合物、チウラム系加硫促進剤とともに、他の加硫促進剤を配合してもよく、この場合でも、硬化劣化抑制効果を好適に得ることができる。
他の加硫促進剤としては、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBBS)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N,N’−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(DZ)、メルカプトベンゾチアゾール(MBT)、ジベンゾチアゾリルジスルフィド(MBTS)、ジフェニルグアニジン(DPG)などが挙げられ、例えば、ゴム成分100質量部に対して、DPGを0.1〜2.0質量部配合してもよい。
本発明のゴム組成物には、前記成分以外にも、従来ゴム工業で使用される配合剤、例えば、カーボンブラック等の充填剤、ステアリン酸、酸化亜鉛、各種老化防止剤、ワックス、オイル、硫黄又は硫黄化合物等の加硫剤などを必要に応じて適宜配合することができる。
使用できるカーボンブラックとしては、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAFなどが挙げられるが、特に限定されない。カーボンブラックを配合することにより、補強性を高めることができる。
カーボンブラックのチッ素吸着比表面積(NSA)は、70m/g以上が好ましく、90m/g以上がより好ましい。70m/g未満では、ゴムの補強性が低下する傾向がある。また、カーボンブラックのNSAは300m/g以下が好ましく、250m/g以下がより好ましく、150m/g以下が更に好ましい。300m/gを超えると、ゴムの加工性が悪化する傾向がある。
なお、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積は、JIS K6217のA法によって求められる。
本発明のキャップトレッド用ゴム組成物において、カーボンブラック及びシリカを配合する場合、カーボンブラック及びシリカの合計含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは40質量部以上、より好ましくは60質量部以上である。40質量部未満では、硬化劣化抑制効果が良好に得られないおそれがある。また、該合計含有量は、好ましくは100質量部以下、より好ましくは80質量部以下である。100質量部を超えると、フィラーの分散性が悪化するおそれがある。
本発明では、老化防止剤として、破壊特性に優れる点から、アミン系老化防止剤が好適に使用され、その使用量を増加することなく、耐熱性(特に硬化劣化抑制効果)の改善が可能である。アミン系老化防止剤としては、例えば、ジフェニルアミン系、p−フェニレンジアミン系などのアミン誘導体が挙げられる。ジフェニルアミン系誘導体としては、例えば、p−(p−トルエンスルホニルアミド)−ジフェニルアミン、オクチル化ジフェニルアミンなどが挙げられる。p−フェニレンジアミン系誘導体としては、例えば、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン(6PPD)、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン(IPPD)、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミンなどが挙げられる。
アミン系老化防止剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは1.5質量部以上である。1質量部未満であると、破壊特性を向上できないおそれがある。また、該含有量は、好ましくは6質量部以下、より好ましくは4質量部以下である。6質量部を超えると、ブルームが表面に発生するおそれがある。
本発明のゴム組成物は、オイルを配合してもよい。オイルを配合することにより、加工性を改善するとともに、ゴムの強度を高めることができる。オイルとしては、例えば、プロセスオイル、植物油脂、又はその混合物を用いることができる。
プロセスオイルとしては、例えば、パラフィン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイルなどを用いることができる。パラフィン系プロセスオイルとして、具体的には出光興産(株)製のPW−32、PW−90、PW−150、PS−32などが挙げられる。また、アロマ系プロセスオイルとして、具体的には出光興産(株)製のAC−12、AC−460、AH−16、AH−24、AH−58などが挙げられる。植物油脂としては、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生湯、ロジン、パインオイル、パインタール、トール油、コーン油、こめ油、べに花油、ごま油、オリーブ油、ひまわり油、パーム核油、椿油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、桐油等が挙げられる。なかでも、低温特性が良好という理由から、パラフィン系プロセスオイルが好適に用いられる。
上記ゴム組成物がオイルを含有する場合、オイルの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは15質量部以上である。5質量部未満では、加工性改善効果が充分に得られないおそれがある。また、オイルの含有量は、好ましくは60質量部以下、より好ましくは50質量部以下である。60質量部を超えると、加工性が悪化するおそれがある。
本発明では、加硫剤として硫黄を好適に使用できる。硫黄としては、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄などが挙げられる。
硫黄の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは1.5質量部以上である。1質量部未満では、効果が少ないおそれがある。また、該含有量は、好ましくは6質量部以下、より好ましくは4質量部以下である。6質量部を超えると、硬化劣化抑制効果が十分に得られないおそれがある。
本発明のゴム組成物は、一般的な方法で製造される。すなわち、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロールなどで上記各成分を混練りし、その後加硫する方法等により製造できる。
本発明のゴム組成物(加硫後)の25℃における硬度は、好ましくは70以下、より好ましくは60以下、更に好ましくは55以下である。70をこえると、氷上性能が大幅に低下するおそれがある。また、25℃における硬度は、好ましくは42以上、より好ましくは46以上である。42未満であると、スタッドレスパターンのトレッド部の倒れ込みが大きくなり、期待される氷上性能が低下してしまうおそれがある。上記各成分の配合の組み合わせ、配合比を調整することによって25℃における硬度を上記範囲に調節することができる。
なお、25℃における硬度は、後述する実施例に記載の測定方法により得られる値である。
本発明のゴム組成物は、スタッドレスタイヤのキャップトレッドとして用いられる。キャップトレッドとは、多層構造を有するトレッドの表層部である。2層構造のトレッドの場合には、表面層(キャップトレッド)及び内面層(ベーストレッド)から構成される。
多層構造のトレッドは、シート状にしたものを、所定の形状に張り合わせる方法や、2本以上の押出し機に装入して押出し機のヘッド出口で2層以上に形成する方法により作製することができる。
本発明のスタッドレスタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法によって製造できる。すなわち、ゴム組成物を未加硫の段階でキャップトレッドの形状に合わせて押し出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法にて成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧してスタッドレスタイヤを製造できる。
本発明のスタッドレスタイヤは、乗用車用、トラック・バス用スタッドレスタイヤとして好適に用いられる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
NR:RSS♯3
BR:宇部興産(株)製のBR150B(シス含有量97質量%、ML1+4(100℃)40、25℃における5%トルエン溶液粘度=48cps、Mw/Mn3.3)
カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製のN220(NSA:111m/g)
シリカ:デグッサ社製のウルトラシルVN3(NSA:175m/g)
シランカップリング剤:デグッサ社製のSi266(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)
オイル:出光興産(株)製のPS−32
ステアリン酸:日油(株)製の桐
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛2種
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
ワックス:日本精蝋(株)製のオゾエースワックス
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤TBBS:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
加硫促進剤4m−MBTS:NOCIL社製のビス(4−メチルベンゾチアゾリル−2)−ジスルフィド(式(III))
加硫促進剤TMTM:大内新興化学工業(株)製のノクセラーTS(テトラメチルチウラムモノスルフィド)
加硫促進剤DPG:大内新興化学工業(株)製のノクセラーD(ジフェニルグアニジン)
実施例1〜5及び比較例1〜3
表1に示す配合内容に従い、1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の材料を150℃の条件下で5分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、80℃の条件下で3分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を170℃で15分間、0.5mm厚の金型でプレス加硫し、加硫ゴム組成物を得た。
得られた各未加硫ゴム組成物をそれぞれキャップトレッドの形状に成型し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせて170℃で15分間加硫することにより、試験用スタッドレスタイヤ(タイヤサイズ:195/65R15)を製造した。
(劣化条件)
上記にて作製した加硫ゴム組成物、試験用スタッドレスタイヤを80℃のオーブンで168時間熱劣化させた。得られたものを劣化サンプル(熱劣化後の加硫ゴム組成物、熱劣化後の試験用スタッドレスタイヤ)とした。
得られた未加硫ゴム組成物、加硫ゴム組成物、試験用スタッドレスタイヤ、熱劣化後の加硫ゴム組成物、熱劣化後の試験用スタッドレスタイヤを使用して、下記の評価を行った。それぞれの試験結果を表1に示す。
<加硫試験>
得られた未加硫ゴム組成物について、JIS K 6300に従い、振動式加硫試験機(JSR社製のキュラストメーター)を用い、測定温度170℃で加硫試験を行なって、時間とトルクとをプロットした加硫速度曲線を得た。
加硫速度曲線のトルクの最小値をML、最大値をMH、その差(MH−ML)をトルク上昇値(ME)とした。実施例1のトルク上昇値を100として、各例の結果を指数表示した。トルク上昇値が大きいほど、架橋効率が高く良好である。
また、最適加硫時間の指標となるML+0.95MEに到達する時間(95%トルク上昇点)T95(分)を読み取り、実施例1の時間T95を100として、各例の結果を指数表示した。加硫時間T95が大きいほど、加硫時間が長くなり、生産性に劣る。
<硬度(25℃)>
加硫ゴム組成物、熱劣化後の加硫ゴム組成物について、JIS K6253の「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−硬さの求め方」に準じて、タイプAデュロメーターにより、25℃における硬度を測定した。
<氷上性能>
得られた試験用スタッドレスタイヤ(新品)(タイヤサイズ195/65R15)及び熱劣化後の試験用スタッドレスタイヤ(タイヤサイズ195/65R15)について、テスト車両として、国産のFR車(2000cc)を用いて、気温−1〜−6℃において、氷板上で時速30km/hでロックブレーキを踏み、制動停止距離を測定し、実施例1の新品の試験用スタッドレスタイヤの制動停止距離を100として、下記式から氷上制動指数を指数表示した。なお、氷上制動指数が大きいほど、氷上制動性能に優れることを示す。なお、テストを実施する前に試験用タイヤの表面をならすために、ならし走行を、おのおの100km実施した。
(氷上制動指数)=(実施例1の制動停止距離)/(停止距離)×100
<転がり抵抗性能>
転がり抵抗試験機を用い、得られた試験用スタッドレスタイヤをリム(15×6JJ)、内圧(230kPa)、荷重(3.43kN)、速度(80km/h)で走行させたときの転がり抵抗を測定し、比較例1の転がり抵抗を100として指数表示した。指数が大きいほど、転がり抵抗性能が良好である。
<耐摩耗性能>
得られた試験用スタッドレスタイヤ(タイヤサイズ195/65R15)を国産のFR車(2000cc)に装着し、30000km走行した後の摩耗量を測定した。比較例1の摩耗量の値を100として指数表示した。指数が大きいほど、耐摩耗性能に優れていることを示す。
<ブルーム>
得られた加硫ゴム組成物にブルームが生じていないかどうかを目視により評価した。
○:ブルームなし △:少しブルームが発生 ×:ブルームが多い
Figure 2011099057
表1により、イソプレン系ゴムと、シリカと、4m−MBTSと、チウラム系加硫促進剤であるTMTMとを配合した実施例では、熱劣化による硬度の上昇および熱劣化による氷上性能の低下を抑制することができた。また、トルク上昇値が低下したり、加硫時間T95が大幅に増大することもなかった。一方、4m−MBTSを配合していない比較例2では、熱劣化による硬度の上昇および熱劣化による氷上性能の低下を抑制することができず、さらに、実施例と比べて、トルク上昇値が小さく(架橋効率が低く)、加硫時間T95が大きかった。また、イソプレン系ゴムと、シリカと、4m−MBTSとを配合しているものの、TMTMを配合していない比較例1、3は、実施例と比べて、トルク上昇値が小さく(架橋効率が低く)、加硫時間T95が大きかった。

Claims (5)

  1. イソプレン系ゴムを含むゴム成分と、シリカと、下記式(I)及び/又は(II)で表される化合物と、チウラム系加硫促進剤とを含有するキャップトレッド用ゴム組成物。
    Figure 2011099057
    (式(I)、(II)において、R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子、アルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す。但し、R及びRが同時に水素原子である場合を除く。)
  2. 前記イソプレン系ゴムがイソプレンゴム、天然ゴム及び改質天然ゴムからなる群より選択される少なくとも1種である請求項1記載のキャップトレッド用ゴム組成物。
  3. 前記化合物が下記式(III)で表される化合物である請求項1又は2記載のキャップトレッド用ゴム組成物。
    Figure 2011099057
  4. 25℃における硬度が42〜70である請求項1〜3のいずれかに記載のキャップトレッド用ゴム組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物を用いて作製したキャップトレッドを有するスタッドレスタイヤ。
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