JP2010285545A - トレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】低燃費性能、ゴム組成物の加工性を維持しつつ、老化防止剤を増量することなく、耐熱性を高め、特にゴムの硬化劣化を抑制することにより、ゴム強度の低下を抑制して、長寿命化できるトレッド用ゴム組成物、及びそれをタイヤのトレッドに用いた空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】イソプレン系ゴムを5質量%以上含むゴム成分と、シリカと、それぞれ特定式で表されるベンゾチアゾール−ジスルフィッド及び/又はメルカプト−ベンゾチアゾールとを含有するトレッド用ゴム組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、トレッド用ゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤに関する。
タイヤを長期間使用すると、使用時に発生する熱によりゴムの硬化が起こり、ゴム強度が低下してしまうという問題がある。特に、トレッドゴムのゴム強度の低下は、ゴム欠けや摩耗性能の低下につながるおそれがある。そのため、従来からタイヤ等に用いられるゴム組成物には、ゴム組成物の耐熱性を高めるために老化防止剤が広く使用されている。老化防止剤としては、N−(1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン(6PPD)やN−フェニル−N′−イソプロピル−p−フェニレンジアミン(IPPD)等のアミン系老化防止剤が汎用的に用いられている。
しかしながら、近年では耐熱性向上の要求は更に高まり、更なる長寿命化が求められている。老化防止剤の増量によって長寿命化は達成できるが、6PPDやIPPDのタイヤ表面への析出により表面が茶変色し、タイヤの外観不良を引き起こす等の問題がある。従って、老化防止剤を増量させることなく、耐熱性を向上し、長寿命化できるゴム組成物の提供が望まれている。
特許文献1には、ジエン系ゴムに、老化防止剤としてのN−(1−メチルヘプチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、及びワックスを配合したゴム組成物が開示されている。しかし、耐熱性の改善の点では未だ改善の余地を残すものである。
特開平10−324779号公報
本発明は、前記課題を解決し、低燃費性能、ゴム組成物の加工性を維持しつつ、老化防止剤を増量することなく、耐熱性を高め、特にゴムの硬化劣化を抑制することにより、ゴム強度の低下を抑制して、長寿命化できるトレッド用ゴム組成物、及びそれをタイヤのトレッドに用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
イソプレン系ゴムを5質量%以上含むゴム成分と、シリカと、下記式(I)及び/又は(II)で表される化合物とを含有するトレッド用ゴム組成物に関する。
Figure 2010285545
(式(I)、(II)において、R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子、アルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す。但し、R及びRが同時に水素原子である場合を除く。)
上記イソプレン系ゴムがイソプレンゴム、天然ゴム及び改質天然ゴムからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
上記化合物が下記式(III)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2010285545
本発明はまた、上記ゴム組成物を用いて作製したトレッドを有する空気入りタイヤに関する。
本発明によれば、特定量のイソプレン系ゴムを含むゴム成分に、シリカ、上記式(I)及び/又は(II)で表される化合物を配合しているので、低燃費性能、ゴム組成物の加工性を維持しつつ、耐熱性を改善でき、特にゴムの硬化劣化の抑制が可能となり、ゴム強度の低下を抑制することが可能となる。従って、6PPD等の老化防止剤を増量することなく、ゴム組成物を長寿命化でき、ゴム欠けや摩耗性能の低下を抑制することができるため、タイヤのトレッドに好適に適用でき、タイヤの耐久性を向上させることができる。また、6PPD等の老化防止剤を増量する必要がないため、タイヤの外観不良を防止することができる。
本発明のゴム組成物は、イソプレン系ゴムを含むゴム成分と、シリカと、上記式(I)及び/又は(II)で表される化合物を含む。ゴム成分としてイソプレン系ゴムを使用するとともに、更にシリカ及び上記式(I)、(II)で表される化合物を配合することにより、耐熱性を改善でき、特にゴムの硬化劣化の抑制が可能となる。
ここで、ゴムの硬化劣化とは、劣化因子として酸素が存在する条件下で熱が加わったときに、ゴムが初期状態に比べ硬くなる劣化現象のことであり、本発明では、このような劣化を効果的に抑制できる。このような硬化劣化抑制効果は、いわゆる耐熱疲労性(ブローやチャンクの発生の防止)、耐熱ダレ性とは異質の効果であって、イソプレン系ゴムとシリカと式(I)、(II)の化合物との3成分を使用した場合に特異的に奏する。
更に、これら3成分を用いた場合には、耐熱性の改善効果(特に、硬化劣化抑制効果)が相乗的に生じ、例えば、スチレンブタジエンゴムに、シリカや式(I)、(II)の化合物を配合し、イソプレン系ゴムを配合しない場合に比べて、非常に大きな硬化劣化抑制効果が生じる。
従って、本発明では、老化防止剤を増量することなく、耐熱性(特に、硬化劣化抑制効果)を改善でき、ゴム強度の低下を抑制することができるため、タイヤのトレッドに好適に使用でき、タイヤの長寿命化が可能となる。
本発明では、ゴム成分としてイソプレン系ゴムが使用される。本発明では、イソプレン骨格を持つゴムを使用しているにもかかわらず、耐熱性(特に硬化劣化抑制効果)を改善できる。イソプレン系ゴムとしては、イソプレンゴム(IR)、天然ゴム(NR)、改質天然ゴム等が挙げられる。NRには、脱タンパク質天然ゴム(DPNR)、高純度天然ゴム(HPNR)も含まれ、改質天然ゴムとしては、エポキシ化天然ゴム(ENR)、水素添加天然ゴム(HNR)、グラフト化天然ゴム等が挙げられる。また、NRとしては、例えば、SIR20、RSS♯3、TSR20等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。なかでも、加工性の面からNR、IR、ENRが好ましい。
本発明では、ゴム成分100質量%中に、イソプレン系ゴムが5質量%以上、好ましくは10質量%以上、より好ましくは30質量%以上含まれる。5質量%未満であると、硬化劣化抑制効果が十分に得られないおそれがある。また、イソプレン系ゴムの含有量は、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下、更に好ましくは40質量%以下である。80質量%を超えると、充分なwet性能を確保できない傾向がある。
イソプレン系ゴムの他に、ゴム成分として使用できるものとしては、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)等が挙げられる。ゴム成分は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、wet性能と摩耗性能の確保の面からSBR、BRが好ましく、SBRとBRを併用することがより好ましい。
SBRとしては、溶液重合法で得られたもの、乳化重合法で得られたものが挙げられ、特に制限はない。
SBRのスチレン量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上である。5質量%未満では、ガラス転移温度が低く、充分なwet性能が確保できない傾向がある。また、SBRのスチレン量は、好ましくは33質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは25質量%以下である。
ゴム成分100質量%中におけるSBRの含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上である。10質量%未満であると、充分なwet性能が確保できない傾向がある。ゴム成分100質量%中におけるSBRの含有量は、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下である。95質量%を超えると、ゴム成分中のイソプレン系ゴムの含有量が低下し、硬化劣化抑制効果が十分に得られないおそれがある。
BRとしては特に限定されず、例えば、日本ゼオン(株)製のBR1220、宇部興産(株)製のBR130B、BR150B等の高シス含有量のBR、宇部興産(株)製のVCR412、VCR617等のシンジオタクチックポリブタジエン結晶を含有するBR等を使用できる。なかでも、加工性が良好なことからBR150B等の高シス含有量のBRが好ましい。
ゴム成分100質量%中におけるBRの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上である。5質量%未満であると、充分な摩耗性能が確保できない傾向がある。ゴム成分100質量%中におけるBRの含有量は、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下である。60質量%を超えると、充分なwet性能が確保できない傾向がある。
本発明ではシリカが使用される。これにより、耐熱性(特に硬化劣化抑制効果)を改善できる。シリカとしては特に限定されず、例えば、乾式法シリカ(無水ケイ酸)、湿式法シリカ(無水ケイ酸)等が挙げられるが、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。シリカは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記シリカの窒素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは196m/g以上、より好ましくは200m/g以上、更に好ましくは205m/g以上である。196m/g未満では、転がり抵抗性能が確保できない傾向がある。また、シリカのNSAは、好ましくは250m/g以下、より好ましくは225m/g以下である。250m/gを超えると、ムーニー粘度の上昇が大きく、加工性が悪化する傾向がある。
なお、シリカの窒素吸着比表面積は、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される値である。
シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは10質量部以上、より好ましくは20質量部以上、更に好ましく40質量部以上である。10質量部未満では、硬化劣化抑制効果が十分に得られないおそれがある。該シリカの含有量は、好ましくは110質量部以下、より好ましくは90質量部以下、更に好ましくは80質量部以下である。110質量部を超えると、加工性の面から混練が困難となるおそれがある。
本発明のゴム組成物には、シリカとともに、シランカップリング剤を含有することが好ましい。
シランカップリング剤としては、ゴム工業において、従来からシリカと併用される任意のシランカップリング剤を使用することができ、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)ジスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィドなどのスルフィド系が挙げられる。また、メルカプト系、ビニル系、グリシドキシ系、ニトロ系、クロロ系なども挙げられる。なかでも、シランカップリング剤の補強性効果と加工性という点から、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドを用いることが好ましい。これらのシランカップリング剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
シランカップリング剤の含有量は、シリカの含有量100質量部に対して、3質量部以上が好ましく、7質量部以上がより好ましい。3質量部未満では、破壊強度が大きく低下する傾向がある。また、該シランカップリング剤の含有量は、15質量部以下が好ましく、10質量部以下がより好ましい。15質量部を超えると、シランカップリング剤を添加することによる破壊強度の増加や転がり抵抗低減などの効果が得られない傾向がある。
本発明では、下記式(I)及び/又は(II)で表される化合物が使用される。該化合物は加硫促進剤であるが、加硫ゴムの耐熱性(硬化劣化の抑制)を改善できる。
Figure 2010285545
(式(I)、(II)において、R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子、アルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す。但し、R及びRが同時に水素原子である場合を除く(即ち、同一の環に結合しているR及びRがともに水素原子である化合物を除く)。)
、Rとしては、アルキル基の炭素数は1〜10、アリール基の炭素数は6〜10、アラルキル基の炭素数は7〜10が好ましい。アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、へキシル基、へプチル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等が挙げられる。アリール基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基等が挙げられる。アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。R〜Rの炭化水素基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。アルキル基、アリール基、アラルキル基のなかでも、アルキル基が好ましく、該アルキル基の炭素数は、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜2である。また、Rがアルキル基、Rが水素原子であることが好ましい。この場合、硬化劣化抑制効果が良好に得られる。
上記式(I)で表される化合物の具体例としては、ビス(4−メチルベンゾチアゾリル−2)−ジスルフィド、ビス(4−エチルベンゾチアゾリル−2)−ジスルフィド、ビス(5−メチルベンゾチアゾリル−2)−ジスルフィド、ビス(5−エチルベンゾチアゾリル−2)−ジスルフィド、ビス(6−メチルベンゾチアゾリル−2)−ジスルフィド、ビス(6−エチルベンゾチアゾリル−2)−ジスルフィド、ビス(4,5−ジメチルベンゾチアゾリル−2)−ジスルフィド、ビス(4,5−ジエチルベンゾチアゾリル−2)−ジスルフィド、ビス(4−フェニルベンゾチアゾリル−2)−ジスルフィド、ビス(5−フェニルベンゾチアゾリル−2)−ジスルフィド、ビス(6−フェニルベンゾチアゾリル−2)−ジスルフィド等が挙げられる。上記式(II)で表される化合物の具体例としては、2−メルカプト−4−メチルベンゾチアゾール、2−メルカプト−4−エチルベンゾチアゾール、2−メルカプト−5−メチルベンゾチアゾール、2−メルカプト−5−エチルベンゾチアゾール、2−メルカプト−6−メチルベンゾチアゾール、2−メルカプト−6−エチルベンゾチアゾール、2−メルカプト−4,5−ジメチルベンゾチアゾール、2−メルカプト−4,5−ジエチルベンゾチアゾール、2−メルカプト−4−フェニルベンゾチアゾール、2−メルカプト−5−フェニルベンゾチアゾール、2−メルカプト−6−フェニルベンゾチアゾール等が挙げられる。なかでも、ビス(4−メチルベンゾチアゾリル−2)−ジスルフィド、ビス(5−メチルベンゾチアゾリル−2)−ジスルフィド、メルカプト−4−メチルベンゾチアゾール、メルカプト−5−メチルベンゾチアゾールが好ましい。また、式(I)、(II)では、式(I)で表される化合物の方が好適に用いられる。更に、上述した化合物のなかでも、式(III)で表される化合物(4m−MBTS)が特に好適に用いられる。以上の化合物を使用する場合、硬化劣化抑制効果が良好に得られる。
Figure 2010285545
式(I)、(II)で表される化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。該化合物の市販品として、例えば、NOCIL社の製品を使用することができる。
上記式(I)、(II)で表される化合物の合計含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1.0質量部以上、より好ましくは1.3質量部以上である。1.0質量部未満では、硬化劣化抑制効果が十分に得られないおそれがある。該合計含有量は、好ましくは5.0質量部以下、より好ましくは4.0質量部以下である。5.0質量部を超えると、適切な架橋密度、架橋形態を維持するのが難しくなるおそれがある。
本発明のゴム組成物には、オイルを配合することが好ましい。オイルを配合することにより、加工性を改善するとともに、ゴムの強度を高めることができる。オイルとしては、例えば、プロセスオイル、植物油脂、又はその混合物を用いることができる。
プロセスオイルとしては、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル(アロマ系プロセスオイル)等が挙げられる。植物油脂としては、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生湯、ロジン、パインオイル、パインタール、トール油、コーン油、こめ油、べに花油、ごま油、オリーブ油、ひまわり油、パーム核油、椿油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、桐油等が挙げられる。なかでも、ゴム混練時や圧延、押出時の加工性の点から、アロマ系プロセスオイルが好適に用いられる。
上記ゴム組成物がオイルを含有する場合、オイルの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上である。5質量部未満では、ムーニー粘度が高く、加工性が悪化する傾向がある。また、オイルの含有量は、好ましくは70質量部以下、より好ましくは40質量部以下である。70質量部を超えると、摩耗性能が確保できない傾向がある。
本発明のゴム組成物には、前記成分以外にも、従来ゴム工業で使用される配合剤、例えば、カーボンブラック等の充填剤、ステアリン酸、酸化亜鉛、各種老化防止剤、ワックス、硫黄又は硫黄化合物等の加硫剤、加硫促進剤などを必要に応じて適宜配合することができる。
使用できるカーボンブラックとしては、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAFなどが挙げられるが、特に限定されない。カーボンブラックを配合することにより、補強性を高めることができる。
本発明では、老化防止剤として、破壊特性に優れる点から、アミン系老化防止剤が好適に使用され、その使用量を増加することなく、耐熱性(特に硬化劣化抑制効果)の改善が可能である。アミン系老化防止剤としては、例えば、ジフェニルアミン系、p−フェニレンジアミン系などのアミン誘導体が挙げられる。ジフェニルアミン系誘導体としては、例えば、p−(p−トルエンスルホニルアミド)−ジフェニルアミン、オクチル化ジフェニルアミンなどが挙げられる。p−フェニレンジアミン系誘導体としては、例えば、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン(6PPD)、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン(IPPD)、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミンなどが挙げられる。
アミン系老化防止剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上である。1質量部未満であると、破壊特性を向上できないおそれがある。また、該含有量は、好ましくは6質量部以下、より好ましくは4質量部以下である。6質量部を超えると、ブルームが表面に発生するおそれがある。
本発明では、加硫剤として硫黄を好適に使用できる。硫黄としては、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄などが挙げられる。
硫黄の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは1.5質量部以上である。1質量部未満では、効果が少ないおそれがある。また、該含有量は、好ましくは6質量部以下、より好ましくは4質量部以下である。6質量部を超えると、硬化劣化抑制効果が十分に得られないおそれがある。
本発明では、上記式(I)、(II)で表される化合物とともに、他の加硫促進剤を配合してもよく、この場合でも、硬化劣化抑制効果を好適に得ることができる。
他の加硫促進剤としては、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBBS)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N,N’−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(DZ)、メルカプトベンゾチアゾール(MBT)、ジベンゾチアゾリルジスルフィド(MBTS)、ジフェニルグアニジン(DPG)などが挙げられ、例えば、ゴム成分100質量部に対して、DPGを0.1〜2.0質量部配合してもよい。
本発明のゴム組成物は、一般的な方法で製造される。すなわち、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロールなどで前記各成分を混練りし、その後加硫する方法等により製造できる。
本発明のゴム組成物は、トレッドに好適に使用できる。
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法によって製造できる。すなわち、ゴム組成物を未加硫の段階でトレッドの形状に合わせて押し出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法にて成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧してタイヤを製造できる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
NR:RSS#3
SBR:旭化成(株)製のアサプレンE15(スチレン量23質量%)
BR:宇部興産(株)製のBR150B
シリカ:デグッサ(株)製のウルトラシルVN3(NSA:210m/g)
シランカップリング剤:デグッサ(株)製のSi69(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華2種
ステアリン酸:日油(株)製の「椿」
プロセスオイル:出光興産(株)製のダイアナプロセスAH−24(アロマ系プロセスオイル)
老化防止剤:住友化学工業(株)製のアンチゲン6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン(6PPD))
ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノックN
硫黄:軽井沢硫黄(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤1:大内新興化学工業(株)製のノクセラーCZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
加硫促進剤2:大内新興化学工業(株)製のノクセラーDM(ジベンゾチアゾリルジスルフィド)
加硫促進剤3:NOCIL社製のビス(4−メチルベンゾチアゾリル−2)−ジスルフィド(式(III))
加硫促進剤4:大内新興化学工業(株)製のノクセラーD(ジフェニルグアニジン)
実施例1〜2及び比較例1〜6
表1に示す配合内容に従い、1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の材料を130℃の条件下で3分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、60℃の条件下で3分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を150℃で30分間、金型でプレス加硫し、加硫ゴム組成物を得た。得られた加硫ゴム組成物を新品サンプルとした。
(劣化条件)
上記にて作製した新品サンプルを100℃のオーブンで7日間熱劣化させた。得られたものを劣化サンプルとした。
得られた未加硫ゴム組成物、新品サンプル、劣化サンプルを使用して、下記の評価を行った。それぞれの試験結果を表1に示す。表1の硬度及び耐破壊強度は、新品サンプルを100としたときの劣化サンプルの値を指数化して示しており、100に近いほど新品に比べて硬化劣化が硬度、耐破壊強度で少なく、良好であることを示す。
<ムーニー粘度>
JIS K6300に準拠し、130℃で未加硫ゴム組成物のムーニー粘度を測定した。結果は比較例1を100とした指数で示した。指数が大きい方が加工性に優れていることを示す。
<転がり抵抗性能>
粘弾性スペクトロメーターVES((株)岩本製作所製)を用いて、温度70℃、初期歪10%、動的歪2%の条件下で、各新品サンプルのtanδを測定し、比較例1のtanδを100として、下記計算式により指数表示した。指数が大きいほど転がり抵抗性能(低燃費性能)が優れている。
(転がり抵抗指数)=(比較例1のtanδ)÷(各配合のtanδ)×100
<硬度>
作製したサンプルを用いてゴムの硬度をJIS K6253に準拠し、25℃の温度で硬度計(タイプAデュロメータ)を用いて測定した(ショア−A測定)。数値が大きいほど硬いことを示す。
<耐破壊強度>
作製したサンプルを用いて、JIS K6251に準拠し、3号ダンベルを用いて引張り試験を実施し、破断強度(TB)と破断の比(EB%)を測定した。TB*EB/2の数値を耐破壊強度とした。数値が大きいほど耐破壊強度に優れる。
<外観>
縦15cm、横15cm、厚み4mmに成形した新品サンプルを2週間、日光に暴露し、茶変色度合いを目視で5段階評価した。数値が大きい方が、茶変色が少なく良好であることを示す。
Figure 2010285545
表1により、シリカ75質量部、NR10質量部に4m−MBTSを配合した実施例1は、CZやMBTSなどの従来の促進剤を配合した比較例1、2に比べ、低燃費性能、ゴム組成物の加工性を維持しつつ、硬化劣化の抑制効果(硬度及び耐破壊強度)を改善することができた。老化防止剤を増量した比較例3、4は、実施例1と比較して、硬化劣化の抑制効果(硬度及び耐破壊強度)及び外観において劣っていた。
シリカ60質量部、NR10質量部に4m−MBTSを配合した実施例2は、CZやMBTSなどの従来の促進剤を配合した比較例5、6に比べ、低燃費性能、ゴム組成物の加工性を維持しつつ、硬化劣化の抑制効果(硬度及び耐破壊強度)を改善することができた。

Claims (4)

  1. イソプレン系ゴムを5質量%以上含むゴム成分と、シリカと、下記式(I)及び/又は(II)で表される化合物とを含有するトレッド用ゴム組成物。
    Figure 2010285545
    (式(I)、(II)において、R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子、アルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す。但し、R及びRが同時に水素原子である場合を除く。)
  2. 前記イソプレン系ゴムがイソプレンゴム、天然ゴム及び改質天然ゴムからなる群より選択される少なくとも1種である請求項1記載のトレッド用ゴム組成物。
  3. 前記化合物が下記式(III)で表される化合物である請求項1又は2記載のトレッド用ゴム組成物。
    Figure 2010285545
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物を用いて作製したトレッドを有する空気入りタイヤ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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