JP2010285511A - カーカスコード被覆用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

カーカスコード被覆用ゴム組成物及び空気入りタイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】ゴムの硬化劣化及び接着性能の低下を抑制できるカーカスコード被覆用ゴム組成物を提供する。
【解決手段】下記化合物を含有するゴム組成物。[R及びRは水素又は有機基。]
Figure 2010285511

【選択図】なし

Description

本発明は、カーカスコード被覆用ゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤに関する。
一般に、タイヤには、繊維コードなどの補強コードと、そのコードを被覆するゴム組成物とからなるカーカス(ケース)が設けられている。この被覆ゴムは、タイヤ走行により繰り返し変形を受けるために疲労劣化を起こす。近年、乗用車の大型化(ミニバン、RV)や道路環境の整備に伴い、高荷重、高速、ロングライフで使用される傾向にあり、タイヤの使用条件が厳しくなっているため、疲労劣化によりゴムが破壊され、不具合を引き起こす危険性がある。
走行によるゴムの疲労劣化を抑制するためには、例えば、高補強性カーボンブラックの使用やカーボンブラックの増量により、モジュラスを高め、変形の歪を小さくしたり、ゴムの強度を高めることが考えられるが、同時にゴムの発熱性を高め、熱によるゴム劣化を促進してしまう。
被覆ゴムの耐熱劣化性を向上するために、N−(1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン(6PPD)等の老化防止剤が汎用的に用いられており、その増量によってある程度の長寿命化は可能である。しかしながら、カーカスの補強コードと被覆ゴムとの間の剥離が致命的なタイヤ故障の原因となるため、これらの間には強い接着性が必要であるが、過剰の老化防止剤を使用すると、その析出、移行による接着不良の問題がある。
特許文献1には、ジエン系ゴムに、老化防止剤としてのN−(1−メチルヘプチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、及びワックスを配合したゴム組成物が開示されている。しかし、カーカスへの適用は検討されていない。また、カーカスの長寿命化やタイヤ耐久性の点では未だ改善の余地を残すものである。
特開平10−324779公報
本発明は、前記課題を解決し、老化防止剤を増量することなく、耐熱劣化性を高め、特にゴムの硬化劣化及び接着性能の低下を抑制できるカーカスコード被覆用ゴム組成物、及びそれを用いたカーカスを有する空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、イソプレン系ゴムを30質量%以上含むゴム成分と、シリカと、下記式(I)及び/又は(II)で表される化合物とを含有するカーカスコード被覆用ゴム組成物に関する。
Figure 2010285511
(式(I)、(II)において、R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子、アルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す。但し、R及びRが同時に水素原子である場合を除く。)
上記イソプレン系ゴムは、イソプレンゴム、天然ゴム及び改質天然ゴムからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
上記化合物は、下記式(III)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2010285511
上記ゴム組成物は、上記ゴム成分100質量部に対して、上記シリカの含有量が20〜100質量部、上記式(I)及び(II)で表される化合物の含有量が0.5〜5.0質量部であることが好ましい。
本発明は、上記ゴム組成物を用いて作製したカーカスを有する空気入りタイヤに関する。本発明はまた、上記ゴム組成物を用いて作製したカーカスを有する乗用車用空気入りタイヤに関する。
本発明によれば、イソプレン系ゴムを含むゴム成分に、シリカ、上記式(I)及び/又は(II)で表される化合物を配合しているので、耐熱劣化性を改善でき、熱劣化による物性変化を抑制でき、特にゴムの硬化劣化を抑制することや接着性能の低下を抑制することが可能となる。従って、上記成分を含むゴム組成物をカーカスコードの被覆ゴムに使用することにより、6PPD等の老化防止剤を増量することなく、カーカスを長寿命化できる。
本発明のゴム組成物は、イソプレン系ゴムを含むゴム成分と、シリカと、上記式(I)及び/又は(II)で表される化合物を含む。ゴム成分としてイソプレン系ゴムを使用するとともに、更にシリカ及び上記式(I)、(II)で表される化合物を配合することにより、耐熱劣化性を改善でき、特にゴムの硬化劣化を抑制することができる。また、カーカスコードとその被覆ゴムとの接着性能の低下も抑制することもできる。
ここで、ゴムの硬化劣化とは、劣化因子として酸素が存在する条件下で熱が加わったときに、ゴムが初期状態に比べ硬くなる劣化現象のことであり、本発明では、このような劣化を効果的に抑制できる。このような硬化劣化抑制効果は、いわゆる耐熱疲労性(ブローやチャンクの発生の防止)、耐熱ダレ性とは異質の効果であって、イソプレン系ゴムとシリカと式(I)、(II)の化合物との3成分を使用した場合に特異的に奏する。
更に、これら3成分を用いた場合には、耐熱劣化性の改善効果が相乗的に生じ、例えば、スチレンブタジエンゴムに、シリカや式(I)、(II)の化合物を配合した場合に比べて、非常に大きな改善効果が生じる。
従って、本発明では、老化防止剤を増量することなく、耐熱劣化性を改善でき、硬化劣化の抑制効果や接着性能低下の抑制効果が十分に得られ、カーカスを長寿命化できる。
本発明では、ゴム成分としてイソプレン系ゴムが使用される。本発明では、イソプレン骨格を持つゴムを使用しているにもかかわらず、硬化劣化の抑制効果、接着性能低下の抑制効果を改善できる。イソプレン系ゴムとしては、イソプレンゴム(IR)、天然ゴム(NR)、改質天然ゴム等が挙げられる。NRには、脱タンパク質天然ゴム(DPNR)、高純度天然ゴム(HPNR)も含まれ、改質天然ゴムとしては、エポキシ化天然ゴム(ENR)、水素添加天然ゴム(HNR)、グラフト化天然ゴム等が挙げられる。また、NRとしては、例えば、SIR20、RSS♯3、TSR20等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。
本発明では、ゴム成分100質量%中に、イソプレン系ゴムが30質量%以上、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは65質量%以上含まれる。30質量%未満であると、硬化劣化の抑制効果、接着性能低下の抑制効果が十分に得られないおそれがある。該イソプレン系ゴムの上限は特に限定されず、100質量%であってもよい。
本発明のゴム組成物は、耐熱性及び加工性の点から、スチレンブタジエンゴム(SBR)を含有することが好ましい。使用できるSBRとしては、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E−SBR)、溶液重合スチレンブタジエンゴム(S−SBR)が挙げられる。
SBRの含有量は、前記ゴム成分100質量%中、10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましい。10質量%未満では、耐熱性及び加工性が悪化する傾向がある。また、該SBRの含有量は、40質量%以下、好ましくは35質量%以下である。40質量%を超えると、ゴムの発熱性が悪化し、タイヤの耐久性に劣る傾向がある。
イソプレン系ゴム、SBRの他に、ゴム成分として使用できるものとしては、ブタジエンゴム(BR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)等が挙げられる。ゴム成分は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明ではシリカが使用される。これにより、硬化劣化の抑制効果、接着性能低下の抑制効果が高められる。シリカとしては特に限定されず、例えば、乾式法シリカ(無水ケイ酸)、湿式法シリカ(無水ケイ酸)等が挙げられるが、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。シリカは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記シリカの窒素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは80m/g以上、より好ましくは120m/g以上、更に好ましくは150m/g以上である。また、シリカのNSAは、好ましくは250m/g以下、より好ましくは220m/g以下、更に好ましくは190m/g以下である。
なお、シリカの窒素吸着比表面積は、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される値である。
シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは20質量部以上、より好ましくは30質量部以上、更に好ましく35質量部以上である。20質量部未満では、硬化劣化の抑制効果、接着性能低下の抑制効果が十分に得られないおそれがある。該シリカの含有量は、好ましくは100質量部以下、より好ましくは80質量部以下、更に好ましくは70質量部以下である。100質量部を超えると、加工性が著しく悪化し、トッピングができないおそれがある。
本発明のゴム組成物には、シリカとともに、シランカップリング剤を含有することが好ましい。
シランカップリング剤としては、ゴム工業において、従来からシリカと併用される任意のシランカップリング剤を使用することができ、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)ジスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィドなどのスルフィド系が挙げられる。また、メルカプト系、ビニル系、グリシドキシ系、ニトロ系、クロロ系なども挙げられる。なかでも、シランカップリング剤の補強性効果と加工性という点から、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドを用いることが好ましい。これらのシランカップリング剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
シランカップリング剤の含有量は、シリカの含有量100質量部に対して、3質量部以上が好ましく、7質量部以上がより好ましい。3質量部未満では、破壊強度が大きく低下する傾向がある。また、該シランカップリング剤の含有量は、15質量部以下が好ましく、10質量部以下がより好ましい。15質量部を超えると、シランカップリング剤を添加することによる破壊強度の増加や転がり抵抗低減などの効果が得られない傾向がある。
本発明では、下記式(I)及び/又は(II)で表される化合物が使用される。該化合物は加硫促進剤であるが、加硫ゴムの耐熱劣化性を改善でき、硬化劣化の抑制効果、接着性能低下の抑制効果を十分に得ることが可能となる。
Figure 2010285511
(式(I)、(II)において、R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子、アルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す。但し、R及びRが同時に水素原子である場合を除く(即ち、同一の環に結合しているR及びRがともに水素原子である化合物を除く)。)
、Rとしては、アルキル基の炭素数は1〜10、アリール基の炭素数は6〜10、アラルキル基の炭素数は7〜10が好ましい。アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、へキシル基、へプチル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等が挙げられる。アリール基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基等が挙げられる。アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。R〜Rの炭化水素基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。アルキル基、アリール基、アラルキル基のなかでも、アルキル基が好ましく、該アルキル基の炭素数は、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜2である。また、Rがアルキル基、Rが水素原子であることが好ましい。この場合、硬化劣化の抑制効果、接着性能低下の抑制効果が良好に得られる。また、優れたタイヤ耐久性も得られる。
上記式(I)で表される化合物の具体例としては、ビス(4−メチルベンゾチアゾリル−2)−ジスルフィド、ビス(4−エチルベンゾチアゾリル−2)−ジスルフィド、ビス(5−メチルベンゾチアゾリル−2)−ジスルフィド、ビス(5−エチルベンゾチアゾリル−2)−ジスルフィド、ビス(6−メチルベンゾチアゾリル−2)−ジスルフィド、ビス(6−エチルベンゾチアゾリル−2)−ジスルフィド、ビス(4,5−ジメチルベンゾチアゾリル−2)−ジスルフィド、ビス(4,5−ジエチルベンゾチアゾリル−2)−ジスルフィド、ビス(4−フェニルベンゾチアゾリル−2)−ジスルフィド、ビス(5−フェニルベンゾチアゾリル−2)−ジスルフィド、ビス(6−フェニルベンゾチアゾリル−2)−ジスルフィド等が挙げられる。上記式(II)で表される化合物の具体例としては、2−メルカプト−4−メチルベンゾチアゾール、2−メルカプト−4−エチルベンゾチアゾール、2−メルカプト−5−メチルベンゾチアゾール、2−メルカプト−5−エチルベンゾチアゾール、2−メルカプト−6−メチルベンゾチアゾール、2−メルカプト−6−エチルベンゾチアゾール、2−メルカプト−4,5−ジメチルベンゾチアゾール、2−メルカプト−4,5−ジエチルベンゾチアゾール、2−メルカプト−4−フェニルベンゾチアゾール、2−メルカプト−5−フェニルベンゾチアゾール、2−メルカプト−6−フェニルベンゾチアゾール等が挙げられる。なかでも、ビス(4−メチルベンゾチアゾリル−2)−ジスルフィド、ビス(5−メチルベンゾチアゾリル−2)−ジスルフィド、メルカプト−4−メチルベンゾチアゾール、メルカプト−5−メチルベンゾチアゾールが好ましい。また、式(I)、(II)では、式(I)で表される化合物の方が好適に用いられる。更に、上述した化合物のなかでも、下記式(III)で表される化合物(4m−MBTS)が特に好適に用いられる。以上の化合物を使用する場合、硬化劣化の抑制効果、接着性能低下の抑制効果が良好に得られる。また、優れたタイヤ耐久性も得られる。
Figure 2010285511
式(I)、(II)で表される化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。該化合物の市販品として、例えば、NOCIL社の製品を使用することができる。
上記式(I)、(II)で表される化合物の合計含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1.0質量部以上、更に好ましくは1.5質量部以上である。0.5質量未満では、十分な耐熱劣化性、タイヤ耐久性が得られないおそれがある。該合計含有量は、好ましくは5.0質量部以下、より好ましくは4.0質量部以下である。5.0質量部を超えると、該化合物がブリードし、カーカスコードとの接着性能に影響を及ぼすおそれがある。
本発明のゴム組成物には、前記成分以外にも、従来ゴム工業で使用される配合剤、例えば、カーボンブラック等の充填剤、ステアリン酸、酸化亜鉛、各種老化防止剤、ワックス、フェノール性粘着樹脂などの粘着付与樹脂、硫黄又は硫黄化合物等の加硫剤、加硫促進剤などを必要に応じて適宜配合することができる。
本発明では、老化防止剤として、破壊特性に優れる点から、アミン系老化防止剤が好適に使用され、その使用量を増加することなく、硬化劣化の抑制効果、接着性能低下の抑制効果が良好に得られる。アミン系老化防止剤としては、例えば、ジフェニルアミン系、p−フェニレンジアミン系などのアミン誘導体が挙げられる。ジフェニルアミン系誘導体としては、例えば、p−(p−トルエンスルホニルアミド)−ジフェニルアミン、オクチル化ジフェニルアミンなどが挙げられる。p−フェニレンジアミン系誘導体としては、例えば、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン(6PPD)、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン(IPPD)、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミンなどが挙げられる。
アミン系老化防止剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは0.8質量部以上である。0.5質量部未満であると、破壊特性を向上できないおそれがある。また、該含有量は、好ましくは4.0質量部以下、より好ましくは3.0質量部以下である。4.0質量部を超えると、ブルームが表面に発生するおそれがある。
本発明では、加硫剤として硫黄を好適に使用できる。硫黄としては、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄などが挙げられる。
硫黄の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上である。1質量部未満では、コードとの接着性能が不十分となるおそれがある。また、該含有量は、好ましくは6質量部以下、より好ましくは4質量部以下である。6質量部を超えると、硬化劣化の抑制効果、接着性能低下の抑制効果が十分に得られないおそれがある。
本発明では、上記式(I)、(II)で表される化合物とともに、他の加硫促進剤を配合してもよく、この場合でも、硬化劣化の抑制効果、接着性能低下の抑制効果を好適に得ることができる。
他の加硫促進剤としては、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBBS)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N,N’−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(DZ)、メルカプトベンゾチアゾール(MBT)、ジベンゾチアゾリルジスルフィド(MBTS)、ジフェニルグアニジン(DPG)などが挙げられ、例えば、ゴム成分100質量部に対して、TBBSを0.1〜2.0質量部配合してもよい。
本発明のカーカスコード被覆用ゴム組成物は、一般的な方法で製造される。すなわち、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロールなどで前記各成分を混練りし、その後加硫する方法等により製造できる。
本発明のゴム組成物は、カーカスにおけるカーカスコードを被覆するゴム組成物として使用される。具体的には、特開2009−13220号公報の図面、等に示されるカーカスに使用される。カーカスコードとしては、ポリエステル、ナイロン、レーヨン、ポリエチレンテレフタレートなどの原料により得られる繊維コードが挙げられ、なかでも熱安定性に優れ、安価であるという理由から、ポリエステルコードが好ましい。
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、前記配合剤を混練りした後、得られた混練物でカーカスコードを被覆し、タイヤ成型機上にて、カーカス形状に成形し、他のタイヤ各部材と貼りあわせた後、加硫することによりタイヤを製造できる。
本発明の空気入りタイヤは、乗用車、モーターサイクル、及び地球環境保全に対応した低公害車両(エコカー)等に適用できるが、なかでも、特に乗用車用タイヤとして使用することが好ましい。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
NR:天然ゴム(NR):RSS#3
SBR:住友化学(株)製のSBR1502(スチレン単位量:23.5質量%、ビニル単位量:16質量%)
シリカ:デグッサ社製のウルトラジルVN3(NSA:175m/g)
シランカップリング剤:デグッサヒュルス(株)製のSi75(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華2種
ステアリン酸:日油(株)製の「椿」
老化防止剤:FLEXSYS(株)製の老化防止剤6C(SANTOFLEX、6PPD)
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤DM:大内新興化学工業(株)製のノクセラーDM(ジベンゾチアゾリルジスルフィド)
加硫促進剤NS:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
加硫促進剤4m−MBTS:NOCIL社製のビス(4−メチルベンゾチアゾリル−2)−ジスルフィド(式(III))
実施例1〜4及び比較例1〜4
表1に示す配合内容に従い、1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の材料を150℃の条件下で5分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、90℃の条件下で3分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。
得られた未加硫ゴム組成物を170℃で10〜20分間、0.5mm厚の金型でプレス加硫し、加硫ゴム組成物を得た。得られた加硫ゴム組成物を新品サンプルとした。
(劣化条件)
上記にて作製した新品サンプルを100℃のオーブンで7日間熱劣化させた。得られたものを劣化サンプルとした。
得られた新品サンプル、劣化サンプルを使用して、下記の評価(硬度、膨潤率、M100)を行った。それぞれの試験結果を表1に示す。表では、新品サンプルを100としたときの劣化サンプルの値を指数化して示しており、100に近いほど新品に比べて硬化劣化が硬度、膨潤、M100で少なく、良好であることを示す。また、以下の方法により劣化後の接着性能を評価した。
<硬度>
作製したサンプルを用いてゴムの硬度をJIS K6253に準拠し、25℃の温度で硬度計を用いて測定した(ショア−A測定)。数値が大きいほど硬いことを示す。
<膨潤率>
作製したサンプルの浸漬試験をJIS K6258に準拠して実施し、40℃のトルエンに24時間浸漬し、膨潤させた後のサンプルの体積を測定し、体積変化より算出した。数値が小さいほど架橋密度が高いことを示す。
<100%伸張時の応力(M100)>
作製したサンプルからなる3号ダンベル型試験片を用いて、JIS K6251「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に準拠し、引張り速度500mm/分で引張試験を実施した。23℃における100%伸張時の応力(M100(MPa))を測定した。数値の大きい方が弾性率が高く硬いことを示す。また、M100は架橋密度の指標にもなる。
<接着性試験>
得られた未加硫ゴム組成物とカーカスコード(ポリエステルコード)とを貼り合わせ、170℃の条件下で20分間加硫して作製した試験用カーカスを100℃のオーブンで7日間熱劣化させた。劣化処理後のサンプルについて、ゴム/ポリエステルコードの接着剥離試験を実施し、コード表面のゴム被覆率(%)を測定した。剥離面のゴムに覆われている割合を5〜0点で評価し、5点は100%全面が覆われ、0点は全く覆われていない状態を示す。数値が大きいほど、劣化処理後において、コードと被覆ゴムの間の接着性能が良好であることを示す。
Figure 2010285511
表1から、主たるゴム成分としてNRを用い、シリカ及び4m−MBTSを配合した実施例1〜3の配合では、DMを使用した比較例1やNR量が少ない比較例2に比べて硬化劣化の抑制効果(硬度、架橋密度、M100の劣化)を高めることができた。また、劣化後の接着性能も改善できた。更に、ゴム成分としてSBRのみを用いた場合は、DMに代えて4m−MBTSを使用しても改善効果は得られなかった。

Claims (6)

  1. イソプレン系ゴムを30質量%以上含むゴム成分と、シリカと、下記式(I)及び/又は(II)で表される化合物とを含有するカーカスコード被覆用ゴム組成物。
    Figure 2010285511
    (式(I)、(II)において、R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子、アルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す。但し、R及びRが同時に水素原子である場合を除く。)
  2. 前記イソプレン系ゴムがイソプレンゴム、天然ゴム及び改質天然ゴムからなる群より選択される少なくとも1種である請求項1記載のカーカスコード被覆用ゴム組成物。
  3. 前記化合物が下記式(III)で表される化合物である請求項1又は2記載のカーカスコード被覆用ゴム組成物。
    Figure 2010285511
  4. 前記ゴム成分100質量部に対して、前記シリカの含有量が20〜100質量部、前記式(I)及び(II)で表される化合物の含有量が0.5〜5.0質量部である請求項1〜3のいずれかに記載のカーカスコード被覆用ゴム組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物を用いて作製したカーカスを有する空気入りタイヤ。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物を用いて作製したカーカスを有する乗用車用空気入りタイヤ。
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