JP2011074117A - インク組成物及びインクジェット記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】顔料分散安定性に優れ、かつ、密着性及び硬化性に優れるインク組成物を提供すること。さらに、前記インク組成物を使用したインクジェット記録方法を提供すること。
【解決手段】(A)下記式(1)で表される化合物と、(B)脂肪族環状構造を有する(メタ)アクリレート化合物と、(C)ラジカル重合開始剤と、を含有することを特徴とするインク組成物。
Figure 2011074117

(式(1)中、R1は水素原子又はメチル基を表し、R2はアルキル基を表し、Xは−NH−又は−O−を表し、Yは−NH−、−O−又は単結合を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明はインク組成物及びインクジェット記録方法に関する。
インク吐出口からインクを液滴で吐出するインクジェット方式は、小型で安価であり、被記録媒体に非接触で画像形成が可能である等の理由から多くのプリンタに用いられている。これらインクジェット方式の中でも、圧電素子の変形を利用しインクを吐出させるピエゾインクジェット方式、及び、熱エネルギーによるインクの沸騰現象を利用しインクを液滴吐出する熱インクジェット方式は、高解像度、高速印字性に優れるという特徴を有する。
現在、インクジェットプリンタにより、普通紙或いはプラスチックなど非吸水性の被記録媒体にインクを打滴して印字する際のインクの高感度化や被記録媒体への定着性、高画質化が重要な課題となっている。インクジェット記録は、インクの液滴を画像データに従って吐出し、被記録媒体上にこれら液滴にてラインを形成したり、画像を形成するものである。
被記録媒体への定着性向上の課題に対し、開発が行われている。膨潤性基材(PVC、ポリカーボネート)に対しては、記録媒体表面をわずかに溶かすこと(アンカー効果)による定着性改良例として、N−ビニル化合物などが用いられている(特許文献1参照)。 また、インクの高感度化に関しても様々な研究開発が行われており、例えば、非特許文献1及び2に記載されているように、側鎖に水素結合能を有するような高ダイポールモーメント(高極性部位)な置換基を導入したモノマーの使用により、重合速度向上(高感度化)が達成されることが報告されている。
特開2008−195882号公報
Macromolecules, 2003, vol.36, pp.3861-3873 Macromolecules, 2002, vol.35, pp.7529-7531
特許文献1に記載されている、アンカー効果による密着性改良は、高極性モノマー又は高い極性部位を有するモノマーにより実現され、顔料と分散剤とから形成される顔料分散性を不安定化することが多い。また、非特許文献1及び2に記載にされているモノマーを使用した場合も、顔料分散性が不安定化する傾向にあり、顔料分散性を不安定化させることなく、密着性向上及び高感度化を達成するのかが重要である。
本発明の目的は、顔料分散安定性に優れ、かつ、密着性及び硬化性に優れるインク組成物を提供することである。さらに本発明は、前記インク組成物を使用したインクジェット記録方法を提供することを目的とする。
本発明の上記課題は、以下の<1>及び<7>に記載の手段により解決された。好ましい実施態様である<2>〜<6>とともに以下に記載する。
<1> (A)下記式(1)で表される化合物と、(B)脂肪族環状構造を有する(メタ)アクリレート化合物と、(C)ラジカル重合開始剤と、を含有することを特徴とするインク組成物、
Figure 2011074117
(式(1)中、R1は水素原子又はメチル基を表し、R2はアルキル基を表し、Xは−NH−又は−O−を表し、Yは−NH−、−O−又は単結合を表す。)
<2> 式(1)中、X及びYが、Xが−O−かつYが−O−、Xが−O−かつYが単結合、及び、Xが−NH−かつYが−NH−よりなる群から選択される、<1>に記載のインク組成物、
<3> 式(1)中、X及びYが、Xが−O−かつYが−O−である、<1>又は<2>に記載のインク組成物、
<4> 前記(B)脂肪族環状構造を有する(メタ)アクリレート化合物が式(B−2)又は式(B−3)で表される化合物である、<1>〜<3>いずれか1つに記載のインク組成物、
Figure 2011074117
(式(B−2)及び(B−3)中、R1は水素原子又はメチル基を表し、X1は単結合又は二価の連結基を表し、R3及びR4はそれぞれ独立に置換基を表し、qは0〜5の整数を表し、rは0〜5の整数を表す。式(B−2)におけるアダマンタン骨格中の一炭素原子をカルボニル結合(−C(O)−)及び/又はエステル結合(−C(O)O−)で置換してもよく、式(B−3)におけるノルボルナン骨格中の一炭素原子をエーテル結合(−O−)及び/又はエステル結合(−C(O)O−)で置換してもよい。)
<5> 前記(B)脂肪族環状構造を有する(メタ)アクリレート化合物が式(B−5)、式(B−6)又は式(B−7)で表される化合物である、<1>〜<4>いずれか1つに記載のインク組成物、
Figure 2011074117
(式(B−5)、式(B−6)及び式(B−7)中、R1は水素原子又はメチル基を表し、X1は単結合又は二価の連結基を表し、R5、R6及びR7はそれぞれ独立に置換基を表し、s、t及びuはそれぞれ独立に0〜5の整数を表し、また、s個存在するR5、t個存在するR6、及び、u個存在するR7は、それぞれ同じであっても、異なっていてもよい。)
<6> (D)着色剤をさらに含有する、<1>〜<5>いずれか1つに記載のインク組成物、
<7> (a)被記録媒体上に、<1>〜<6>いずれか1つに記載のインク組成物を吐出する工程、及び、(b)吐出されたインク組成物に活性放射線を照射して、該インク組成物を硬化する工程、を含むことを特徴とするインクジェット記録方法。
本発明によれば、顔料分散安定性に優れ、かつ、密着性及び硬化性に優れるインク組成物を提供することができた。さらに本発明によれば、前記インク組成物を使用したインクジェット記録方法を提供することができた。
本発明のインク組成物は、(A)下記式(1)で表される化合物と、(B)脂肪族環状構造を有する(メタ)アクリレート化合物と、(C)ラジカル重合開始剤と、を含有することを特徴とする。
Figure 2011074117
(式(1)中、R1は水素原子又はメチル基を表し、R2はアルキル基を表し、Xは−NH−又は−O−を表し、Yは−NH−、−O−又は単結合を表す。)
本発明のインク組成物は、インクジェット記録用インク組成物として好適に使用することができる。また、本発明のインク組成物は、上記(A)〜(C)の成分に加えて、(D)着色剤を含有することが好ましく、さらに、分散剤等の他の成分を含有していてもよい。
本発明において、ラジカル重合性化合物として、少なくとも(A)上記式(1)で表される化合物、及び、(B)脂肪族環状構造を有する(メタ)アクリレート化合物を使用することにより、優れた硬化性、基材密着性が得られるとともに、顔料分散安定性に優れ、経時安定性に優れたインク組成物が得られる。
なお、本発明において、数値範囲を表す「A〜B」の記載は、特に断りのない限り、「A以上B以下」を意味する。すなわち、端点であるA及びBを含む数値範囲を意味する。
また、本発明における化学構造式において、炭化水素鎖を炭素(C)及び水素(H)の記号を省略した簡略構造式で記載する場合もある。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のインク組成物は、放射線により硬化可能なインク組成物であり、また、油性のインク組成物である。
本発明でいう「放射線」とは、その照射によりインク組成物中において開始種を発生させることができるエネルギーを付与することができる活性放射線であれば、特に制限はなく、広くα線、γ線、X線、紫外線(UV)、可視光線、電子線などを包含するものであるが、中でも、硬化感度及び装置の入手容易性の観点から紫外線及び電子線が好ましく、特に紫外線が好ましい。したがって、本発明のインク組成物としては、放射線として、紫外線を照射することにより硬化可能なインク組成物が好ましい。
(A)式(1)で表される化合物
本発明のインク組成物は、下記式(1)で表される化合物(以下、(A)式(1)で表される化合物、又は、化合物(A)ともいう。)を含有する。
Figure 2011074117
(式(1)中、R1は水素原子又はメチル基を表し、R2はアルキル基を表し、Xは−NH−又は−O−を表し、Yは−NH−、−O−又は単結合を表す。)
式(1)中、R1は水素原子又はメチル基を表し、硬化性の観点から水素原子であることが好ましい。
式(1)中、R2はアルキル基を表し、該アルキル基は、直鎖状、分岐状及び環状のいずれでもよい。R2は、炭素数1〜18の直鎖状又は分岐状アルキル基、炭素数3〜15のシクロアルキル基であることが好ましく、炭素数2〜12の直鎖状又は分岐状アルキル基、炭素数6〜12のシクロアルキル基であることがより好ましく、炭素数3〜9の分岐状アルキル基、炭素数6〜10のシクロアルキル基であることがさらに好ましい。R2が上記の基であると、硬化性及び密着性の観点で好ましく、特に、紫外線照射による硬化性及び密着性の観点で好ましい。
式(1)中、Xは−NH−又は−O−を表す。
式(1)中、Yは−NH−、−O−又は単結合を表す。
式(1)中、X及びYの組み合わせ(X,Y)としては、(−O−,−O−)、(−O−,単結合)、(−NH−,−NH)であることが好ましく、(−O−,−O−)、(−O−,単結合)がより好ましく、(−O−,−O−)がさらに好ましい。
X及びYが上記の組み合わせであると、良好な顔料分散安定性、基材密着性及び硬化性が得られるので好ましい。
式(1)で表される化合物の具体例を以下に示すが、本願はこれに限定されるものではない。なお、Yが単結合のとき、表中では「−」で表している。
Figure 2011074117
Figure 2011074117
上記の中でも、化−36、化−41、化−46、化−48、化−51、化−53、化−55、化−58が好ましく、化−41、化−46、化−48、化−51、化−53、化−55、化−58がより好ましく、化−41、化−46、化−51、化−53、化−55、化−58がさらに好ましい。
本発明のインク組成物において、化合物(A)は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
化合物(A)の含有量は、インク組成物全体の3〜70重量%であることが好ましく、5〜60重量%であることがより好ましく、8〜50重量%であることがさらに好ましい。(A)式(1)で表される化合物の含有量が上記範囲内であると、硬化性、密着性、顔料分散安定性を両立する観点で好ましい。
なお、化合物(A)として2種以上の化合物を使用する場合には、合計して上記の含有量とすることが好ましい。以下の各成分についても同様である。
(B)脂肪族環状構造を有する(メタ)アクリレート化合物
本発明のインク組成物は、脂肪族環状構造を有する(メタ)アクリレート化合物(以下、化合物(B)ともいう。)を含有する。
脂肪族環状構造を有する(メタ)アクリレート化合物は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよく、特に限定されない。
ここで、「(メタ)アクリレート化合物」との記載は、「アクリレート化合物」と「メタクリレート化合物」の一方又は双方を指す省略的な表記である。
化合物(B)は少なくとも1つアクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基と、脂肪族環状構造とを有していればよく、2つ以上のアクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基或いは2つ以上の脂肪族環状構造を有していてもよい。
化合物(B)は、1〜4つのアクリロイルオキシ基及び/又はメタクリロイルオキシ基を有していることが好ましく、1〜3つ有していることがより好ましく、1又は2つ有していることがさらに好ましく、1つ有していることが特に好ましい。すなわち、化合物(B)は、単官能アクリレート化合物又は単官能メタクリレート化合物であることが組成物の低粘度化の観点で特に好ましい。
また、化合物(B)は、硬化性の観点からアクリレート化合物であることが好ましい。
化合物(B)は、以下の式(B−1)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2011074117
式(B−1)中、R1は水素原子又はメチル基を表す。
1は単結合又は二価の連結基を表す。二価の連結基としては、エーテル結合(−O−)、エステル結合(−C(O)O−又は−OC(O)−)、アミド結合(−C(O)NH−又は−NHC(O)−)、カルボニル結合(−C(O)−)、分岐を有していてもよい炭素数20以下のアルキレン基、又は、これらを組み合わせた二価の連結基が好ましい。
2は一価〜三価の基であり、好ましくは一価の基であり、少なくとも1つ以上の脂肪族環状構造を有する基であり、シクロアルカン骨格、アダマンタン骨格及びノルボルナン骨格を有する脂環式炭化水素基を表す。上記の脂環式炭化水素基の環状構造には、O、N、S等のヘテロ原子を含んでいてもよい。R2が二価又は三価の基の場合、R2はさらにCl、ヒドロキシル基、アルコキシ基を結合していてもよい。
前記脂環式炭化水素基は、炭素数3〜12のシクロアルカン骨格を有する基でもよい。
また、上記O、N、Sなどのヘテロ原子を含む脂環式炭化水素基としては、具体的には、ピロリジニル(pyrrolidinyl)基、ピロリジンジイル(pyrrolidindiyl)基、ピロリジントリイル(pyrrolidintriyl)基、ピラゾリジニル基、ピラゾリジンジイル基、ピラゾリジントリイル基、イミダゾリジニル基、イミダゾリジンジイル基、イミダゾリジントリイル基、イソオキサゾリジニル基、イソオキサゾリジンジイル基、イソオキサゾリジントリイル基、イソチアゾリジニル基、イソチアゾリジンジイル基、イソチアゾリジントリイル基、ピペリジニル基、ピペリジンジイル基、ピペリジントリイル基、ピペラジニル基、ピペラジンジイル基、ピペラジントリイル基、モルフォリニル基、モルフォリンジイル基、モルフォリントリイル基、チオモルフォリニル基、チオモルフォリンジイル基、チオモルフォリントリイル基、ジアゾーリル基、ジアゾールジイル基、ジアゾールトリイル基、トリアゾーリル基、トリアゾールジイル基、トリアゾールトリイル基、テトラゾーリル基、テトラゾールジイル基、テトラゾールトリイル基等を例示できる。
これらの脂環式炭化水素基及びヘテロ環を有する脂環式炭化水素基は、置換基を有していてもよく、該置換基はハロゲン原子、ヒドロキシル基、アミノ基、チオール基、シロキサン基、さらに置換基を有していてもよい総炭素数30以下の炭化水素基、若しくはO、N、S等のヘテロ原子を含む複素環基、又は、二価の置換基としてオキシ基(=O)であることが好ましい。
また、化合物(B)は、下記式(B−2)で表されるアダマンタン骨格を有する化合物又は下記式(B−3)で表されるノルボルナン骨格を有する脂肪族環状構造を有する(メタ)アクリレート化合物であることが好ましい。
Figure 2011074117
式(B−2)及び(B−3)中、R1及びX1は式(B−1)におけるR1及びX1と同様であり、また、好ましい範囲も同様である。
式(B−2)又は式(B−3)におけるR3及びR4はそれぞれ独立に置換基を表し、各脂環式炭化水素構造上の任意の位置で結合することができる。また、q個存在するR3、及び、r個存在するR4はそれぞれ同じであっても、異なっていてもよい。また、qが2以上である場合、複数存在するR3同士が結合して環を形成していてもよく、rが2以上である場合、複数存在するR4同士が結合して環を形成していてもよい。
q個存在するR3、及び、r個存在するR4は、それぞれ独立に一価又は多価の置換基であってもよく、一価の置換基として水素原子、ヒドロキシル基、置換若しくは無置換のアミノ基、チオール基、シロキサン基、さらに置換基を有していてもよい総炭素数30以下の炭化水素基若しくは複素環基、又は、二価の置換基としてオキシ基(=O)であることが好ましい。
3の置換数qは0〜5の整数を表し、また、R4の置換数rは0〜5の整数を表す。
また、式(B−2)におけるアダマンタン骨格中の一炭素原子をカルボニル結合(−C(O)−)及び/又はエステル結合(−C(O)O−)で置換してもよく、式(B−3)におけるノルボルナン骨格中の一炭素原子をエーテル結合(−O−)及び/又はエステル結合(−C(O)O−)で置換してもよい。
式(B−3)に示すノルボルナン骨格を有する(メタ)アクリレート化合物は、式(B−4)に示すような環状炭化水素構造を有していてもよい。式(B−4)におけるnは、環状炭化水素構造を表し、その両端はノルボルナン骨格の任意の位置で置換していてもよく、単環構造であっても、多環構造であってもよく、また、前記環状炭化水素構造として炭化水素結合以外に、カルボニル結合(−C(O)−)及び/又はエステル結合(−C(O)O−)を含んでいてもよい。
Figure 2011074117
前記式(B−4)で表される化合物は、式(B−5)、式(B−6)又は式(B−7)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2011074117
式(B−5)、式(B−6)及び式(B−7)中、R1及びX1は式(B−1)におけるR1及びX1と同義であり、好ましい範囲も同様である。
式(B−5)、式(B−6)及び式(B−7)中、R5、R6及びR7はそれぞれ独立に置換基を表し、s、t及びuはそれぞれ独立に0〜5の整数を表し、また、s個存在するR5、t個存在するR6、及び、u個存在するR7はそれぞれ同じであっても、異なっていてもよい。
1は、式(B−5)、式(B−6)又は式(B−7)で表される化合物中の、下記に示す各脂環式炭化水素構造上の任意の位置で結合することができる。
式(B−5)、式(B−6)又は式(B−7)におけるR5、R6及びR7はそれぞれ独立に置換基を表し、式(B−5)、式(B−6)又は式(B−7)における下記各脂環式炭化水素構造上の任意の位置で結合することができる。R5、R6及びR7における置換基は、式(B−2)〜式(B−4)のR3及びR4における置換基と同義であり、好ましい範囲も同様である。
式(B−5)〜式(B−7)で表される化合物の中で、式(B−5)、式(B−6)で表される化合物がより好ましい。
本発明において、化合物(B)としては、ピリジル基、テトラヒドロフルフリル基、ピペリジニル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘプチル基、イソボロニル基、ジシクロペンタニル基、ジシクロペンテニル基、トリシクロデカニル基等の環状構造を有する基を有する単官能ラジカル重合性モノマーが好ましく挙げられる。
本発明に用いることができる化合物(B)として、好ましくは、ノルボルニル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘプチル(メタ)アクリレート、シクロオクチル(メタ)アクリレート、シクロデシル(メタ)アクリレート、ジシクロデシル(メタ)アクリレート、トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフォリン、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変成テトラヒドロフルフリルアクリレート、N−フタルイミドエチル(メタ)アクリレート、ペンタメチルピペリジル(メタ)アクリレート、テトラメチルピペリジル(メタ)アクリレート、5−(メタ)アクリロイルオキシメチル−5−エチル−1,3−ジオキサシクロヘキサン等を例示できる。
さらに本発明に用いることができる単官能ラジカル重合性モノマーの好ましい具体例を以下のM−1〜M−25に示す。
Figure 2011074117
Figure 2011074117
本発明において、化合物(B)としては、イソボルニル基、ジシクロペンテニル基又はジシクロペンタニル基を有する単官能(メタ)アクリレート化合物であることが好ましく、具体的には、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレートが例示される。
これらの中でも、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチルアクリレート及びイソボルニルアクリレートが、顔料分散性、硬化性及び基材密着性の観点から好ましい。
本発明のインク組成物において、脂肪族環状構造を有する(メタ)アクリレート化合物の含有量は、3〜50重量%であることが好ましく、5〜45重量%であることがより好ましく、8〜40重量%であることがさらに好ましい。
脂肪族環状構造を有する(メタ)アクリレート化合物の含有量が上記範囲内であると、硬化性、密着性、顔料分散安定性を両立する観点で好ましい。
(その他のラジカル重合性モノマー)
<N−ビニル基を有する環状モノマー>
本発明において、N−ビニル基を有し、環状構造を有する基を有する単官能ラジカル重合性モノマーを使用してもよい。中でもN−ビニルカルバゾール、1−ビニルイミダゾール、N−ビニルラクタム類を使用することが好ましく、N−ビニルラクタム類を使用することがさらに好ましい。
本発明に用いることができるN−ビニルラクタム類の好ましい例として、下記式(2)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2011074117
式(2)中、mは1〜5の整数を表し、インク組成物が硬化した後の柔軟性、支持体との密着性、及び、原材料の入手性の観点から、mは2〜4の整数であることが好ましく、mが2又は4であることがより好ましく、mが4である、すなわちN−ビニルカプロラクタムであることが特に好ましい。N−ビニルカプロラクタムは安全性に優れ、汎用的で比較的安価に入手でき、特に良好なインク硬化性、及び硬化膜の支持体への密着性が得られるので好ましい。
また、上記N−ビニルラクタム類は、ラクタム環上にアルキル基、アリール基等の置換基を有していてもよく、飽和又は不飽和環構造を連結していてもよい。上記N−ビニルラクタム類はインク組成物中に1種のみ含有されていてもよく複数種含有されていてもよい。
本発明において、インク組成物は、式(2)に示すN−ビニルラクタム類をインク組成物全体の40重量%以下含有することが好ましく、35重量%以下含有することがより好ましく、30重量%以下含有することがさらに好ましい。
N−ビニルラクタム類は比較的融点が高い化合物である。N−ビニルラクタム類が40重量%以下の含有率であると、0℃以下の低温下でも良好な溶解性を示し、インク組成物の取り扱い可能温度範囲が広くなり好ましい。
<芳香族基を有する単官能ラジカル重合性モノマー>
本発明において、芳香族基を有する単官能ラジカル重合性モノマーを使用してもよい。
芳香族基を有するラジカル重合性モノマーは、下記式(b−1)で表されることが好ましい。
Figure 2011074117
上記式(b-1)において、R1bは水素原子、又は、メチル基を表す。
1bは、式(b−1)に示すエチレン性不飽和二重結合に(−C(O)O−)又は(−C(O)NH−)が結合した第1の二価の連結基を示し、この第1の二価の連結基に単結合、エーテル結合(−O−)、エステル結合(−C(O)O−又はOC(O)−)、アミド結合(−C(O)NH−、又は、−NHC(O)−)、カルボニル結合(−C(O)−)、分岐を有していてもよい炭素数20以下のアルキレン基、又はこれらを組み合わせた第2の二価の連結基が結合してもよく、第1の二価の連結基のみ又は第2の二価の連結基を有する場合はエーテル結合、エステル結合及び/又は炭素数20以下のアルキレン基を有するものが好ましい。
2bは一価〜三価の基であり、好ましくは一価の基であり、少なくとも1つ以上の単環芳香族基及び多環芳香族基を含む芳香族基を表す。上記の芳香族基の環状構造には、O、N、S等のヘテロ原子を含んでいてもよい。R2が二価又は三価の基の場合、R2はさらにCl、ヒドロキシル基、アルコキシ基を結合していてもよい。
式(b−1)中、R2bで表される芳香族基として好ましいものは、単環芳香族であるフェニル基、フェニレン基のほか、2〜4つの環を有する多環芳香族基であり限定されるものではないが、具体的には、ナフチル基、ナフチジイル基、ナフチトリイル基、アントリル基、アントリジイル基、アントリトリイル基、1H−インデニル基、1H−インデンジイル基、1H−インデントリイル基、9H−フルオレニル基、9H−フルオレンジイル基、9H−フルオレントリイル基、1H−フェナレニル基、1H−フェナレンジイル基、1H−フェナレントリイル基、フェナントレニル基、フェナントレンジイル基、フェナントレントリイル基、トリフェニレニル基、トリフェニレンジイル基、トリフェニレントリイル基、ピレニル基、ピレンジイル基、ピレントリイル基、ナフタセニル基、ナフタセンジイル基、ナフタセントリイル基、テトラフェニレニル基、テトラフェンジイル基、テトラフェントリイル基、ビフェニレニル基、ビフェニレンジイル基、ビフェニレントリイル基、as−インダセニル基、as−インダセンジイル基、as−インダセントリイル基、s−インダセニル基、s−インダセンジイル基、s−インダセントリイル基、アセナフチレニル基、アセナフチレンジイル基、アセナフチレントリイル基、フルオランテニル基、フルオランテンジイル基、フルオランテントリイル基、アセフェナントリレニル基、アセフェナントリレンジイル基、アセフェナントリレントリイル基、アセアントリレニル基、アセアントリレンジイル基、アセアントリレントリイル基、クリセニル基、クリセンジイル基、クリセントリイル基、プレイアデニル基、プレイアデンジイル基、プレイアデントリイル基等が挙げられる。
これらの芳香族基は、O、N、S等のヘテロ原子を含む芳香族複素環基であってもよい。具体的には、フリル基、フランジイル基、フラントリイル基、チオフェニル基、チオフェンジイル基、チオフェントリイル基、1H−ピロリル基、1H−ピロールジイル基、1H−ピロールトリイル基、2H−ピロリル基、2H−ピロールジイル基、2H−ピロールトリイル基、1H−ピラゾーリル基、1H−ピラゾールジイル基、1H−ピラゾールトリイル基、1H−イミダゾーリル基、1H−イミダゾールジイル基、1H−イミダゾールトリイル基、イソオキサゾーリル基、イソオキサゾールジイル基、イソオキサゾールトリイル基、イソチアゾーリル基、イソチアゾールジイル基、イソチアゾールトリイル基、2H−ピラニル基、2H−ピランジイル基、2H−ピラントリイル基、2H−チオピラニル基、2H−チオピランジイル基、2H−チオピラントリイル基、ピリジル基、ピリジンジイル基、ピリジントリイル基、ピリダジニル基、ピリダジンジイル基、ピリダジントリイル基、ピリミジニル基、ピリミジンジイル基、ピリミジントリイル基、ピラジニル基、ピラジンジイル基、ピラジントリイル基、1,2,3−トリアゾーリル基、1,2,3−トリアゾールジイル基、1,2,3−トリアゾールトリイル基、1,2,4−トリアゾーリル基、1,2,4−トリアゾールジイル基、1,2,4−トリアゾールトリイル基等の単環芳香族複素環基が挙げられる。
また、チアントレニル基、チアントレンジイル基、チアントレントリイル基、イソベンゾフラニル基、イソベンゾフランジイル基、イソベンゾフラントリイル基、イソクロメニル基、イソクロメンジイル基、イソクロメントリイル基、4H−クロメニル基、4H−クロメンジイル基、4H−クロメントリイル基、キサンテニル基、キサンテンジイル基、キサンテントリイル基、フェノキサチイニル基、フェノキサチインジイル基、フェノキサチイントリイル基、インドリジニル基、インドリジンジイル基、インドリジントリイル基、イソインドーリル基、イソインドールジイル基、イソインドールトリイル基、インドーリイル基、インドールジイル基、インドールトリイル基、インダゾーリイル基、インダゾールジイル基、インダゾールトリイル基、プリニル基、プリンジイル基、プリントリイル基、4H−キノリジニル基、4H−キノリジンジイル基、4H−キノリジントリイル基、イソキノリル基、イソキノリジイル基、イソキノリトリイル基、キノリノ基、キノリジイル基、キノリトリイル基、フタラジニル基、フタラジニンジイル基、フタラジントリイル基、ナフチリジニル基、ナフチリジンジイル基、ナフチリジントリイル基、キノキサリニル基、キノキサリンジイル基、キノキサリントリイル基、キナゾリニル基、キノゾリンジイル基、キノゾリントリイル基、シンノリニル基、シンノリンジイル基、シンノリントリイル基、プテリジニル基、プテリジンジイル基、プテリジントリイル基、カルバゾーリル基、カルバゾールジイル基、カルバゾールトリイル基、β−カルボリニル基、β−カルボリンジイル基、β−カルボリントリイル基、フェナントリジニル基、フェナントリジンジイル基、フェナントリジントリイル基、アクリジニル基、アクリジンジイル基、アクリジントリイル基、ペリミジニル基、ペリミジンジイル基、ペリミジントリイル基、フェナントロリニル基、フェナントロリンジイル基、フェナントロリントリイル基、フェナジニル基、フェナジンジイル基、フェナジントリイル基、フェノチアジニル基、フェノチアジンジイル基、フェノチアジントリイル基、フェノキサジニル基、フェノキサジンジイル基、フェノキサジントリイル基、ピロリジニル基(pyrrolizinyl基)、ピロリジンジイル基(pyrrolizindiyl基)、ピロリジントリイル基(pyrrolizintriyl基)等の多環芳香族複素環基が挙げられる。
上記の芳香族基は、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アミノ基、チオール基、シロキサン基、炭素数30以下の置換基を1又は2以上有していてもよい。例えば無水フタル酸や無水フタルイミドのように芳香族基が有する2以上の置換基でO、N、S等のヘテロ原子を含む環状構造を形成してもよい。
本発明において、芳香族基を有する単官能ラジカル重合性モノマーとしては、アクリレート基、メタクリレート基、アクリルアミド基又はメタクリルアミド基を有する単官能ラジカル重合性モノマーが好ましく、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等の芳香族基を有する基を有する単官能ラジカル重合性モノマーが好ましく挙げられる。
本発明に用いることができる芳香族基を有する単官能ラジカル重合性モノマーとして、好ましくは、2−ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性クレゾール(メタ)アクリレート(以下、「エチレンオキサイド」を「EO」ともいう。)、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールベンゾエート(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、N−(1,1−ジメチル−2−フェニル)エチル(メタ)アクリルアミド、N−ジフェニルメチル(メタ)アクリルアミド、N−フタルイミドメチル(メタ)アクリルアミド、N−(1,1’−ジメチル−3−(1,2,4−トリアゾール−1−イル))プロピル(メタ)アクリルアミド、(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレートフェニルエステル、(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートフェニルエステル、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート等を例示できる。
さらに本発明に用いることができる芳香族基を有する単官能ラジカル重合性モノマーの具体例を以下のL−1〜L−12に示す。
Figure 2011074117
<その他のラジカル重合性モノマー>
その他のラジカル重合性モノマーとして必要に応じて、下記非環状単官能モノマーや多官能モノマーを併せて使用することもできる。
非環状単官能モノマーは比較的低粘度であり、例えば、インク組成物を低粘度化する目的においても好ましく使用できる。ただし、硬化膜のべとつきを抑えることや、成形加工時にキズ等を発生させない高い膜強度を与えるという観点で、下記非環状単官能モノマーがインク組成物全体に占める割合は、20重量%以下であることが好ましい。より好ましくは15重量%以下である。
非環状単官能モノマーとして、具体的には、メチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル−ジグリコール(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル−ジグリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレートモノメチルエーテル、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートモノメチルエーテル、ポリテトラメチレングリコール(メタ)アクリレートモノメチルエーテル、(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレートメチルエステル、(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレートエチルエステル、(ポリ)プロピレングリコール(メタ)アクリレートメチルエステル、(ポリ)プロピレングリコール(メタ)アクリレートエチルエステル、2−アクリロイロキシエチルコハク酸、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
ラジカル重合性モノマーとして必要に応じて、下記多官能モノマーをあわせて使用することもできる。多官能モノマーを含有することで、硬化性に優れ、高い硬化膜強度を有するインク組成物が得られる。ただし、成形加工に適する硬化膜延伸性を保持する観点で、下記多官能モノマーがインク組成物全体に占める割合は、18.4重量%以下であることが好ましい。より好ましくは14.4重量%以下である。
多官能モノマーとしては、具体的には、ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジアクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、変性グリセリントリ(メタ)アクリレート、変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート(以下、「プロピレンオキサイド」を「PO」ともいう。)、ビスフェノールAのEO付加物ジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、(ポリ)テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、EO変性ペンタエリスリトールトリアクリレート、PO変性ペンタエリスリトールトリアクリレート、EO変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート、PO変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート、EO変性ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、PO変性ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、EO変性テトラメチロールメタンテトラアクリレート及びPO変性テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
さらに、ラジカル重合性化合物として、ビニルエーテル化合物を用いることも好ましい。好適に用いられるビニルエーテル化合物としては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、エチレングリコールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールモノビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、ヒドロキシエチルモノビニルエーテル、ヒドロキシノニルモノビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジ又はトリビニルエーテル化合物、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物等が挙げられる。
これらのビニルエーテル化合物のうち、硬化性、密着性、表面硬度の観点から、ジビニルエーテル化合物、トリビニルエーテル化合物が好ましく、特に、ジビニルエーテル化合物が好ましい。ビニルエーテル化合物は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
本発明においては、上述した重合性化合物として列挙されているモノマーは、反応性が高く、粘度が低く、また、被記録媒体への密着性に優れる。
インク組成物中におけるその他のラジカル重合性モノマーの好ましい含有率は、0〜30重量%であり、より好ましくは0.1〜25重量%であり、さらに好ましくは0.3〜20重量%である。その他のラジカル重合性モノマーの含有量が上記範囲内であると、密着性、顔料分散安定性、硬化性を鼎立する観点で好ましい。
また、インク組成物中における化合物(A)及び化合物(B)、並びに、必要に応じてその他のモノマーを合わせた、ラジカル重合性モノマーの総量は、75〜99.9重量%であることが好ましく、78〜99.8重量%であることがより好ましく、80〜99.8重量%であることがさらに好ましい。ラジカル重合性モノマーの総量が上記範囲内であると、インクジェットとして用いた場合所望の色濃度を実現する上で好ましい。
本発明においては、オリゴマーや、ポリマーを併せて使用することができる。ここでオリゴマーとは分子量(分子量分布を有するものに関しては、重量平均分子量)が2,000以上の化合物を意味し、ポリマーとは、分子量(分子量分布を有するものに関しては、重量平均分子量)が10,000以上の化合物を意味する。該オリゴマー、ポリマーはラジカル重合性基を有していてもよく、有していなくてもよい。該オリゴマー、ポリマー1分子中に有するラジカル重合性基が4以下(分子量分布を有する化合物に関しては、含まれる分子全体の平均で4以下)であると、柔軟性に優れたインク組成物が得られ好ましい。インクをジェッティングに最適な粘度に調整するという意味でも好適に使用できる。
(C)ラジカル重合開始剤
本発明のインク組成物は、(C)ラジカル重合開始剤を含有する。
本発明で用いることができるラジカル重合開始剤としては、公知のラジカル重合開始剤を挙げることができる。本発明に用いることができるラジカル重合開始剤は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明に用いることのできるラジカル重合開始剤は、外部エネルギーを吸収して重合開始種を生成する化合物である。重合を開始するために使用される外部エネルギーは、熱及び活性放射線に大別され、それぞれ、熱重合開始剤及び光重合開始剤が使用される。活性放射線としては、γ線、β線、電子線、紫外線、可視光線、赤外線が例示できる。
本発明に用いることができるラジカル重合開始剤としては(a)芳香族ケトン類、(b)アシルホスフィン化合物、(c)芳香族オニウム塩化合物、(d)有機過酸化物、(e)チオ化合物、(f)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(g)ケトオキシムエステル化合物、(h)ボレート化合物、(i)アジニウム化合物、(j)メタロセン化合物、(k)活性エステル化合物、(l)炭素ハロゲン結合を有する化合物、及び(m)アルキルアミン化合物等が挙げられる。これらのラジカル重合開始剤は、上記(a)〜(m)の化合物を単独若しくは組み合わせて使用してもよい。本発明におけるラジカル重合開始剤は単独もしくは2種以上の併用によって好適に用いられる。
(a)芳香族ケトン類、及び、(e)チオ化合物の好ましい例としては、「RADIATION CURING IN POLYMER SCIENCE AND TECHNOLOGY」J. P. FOUASSIER J.F.RABEK(1993)、pp.77〜117記載のベンゾフェノン骨格又はチオキサントン骨格を有する化合物等が挙げられる。また、(a)芳香族ケトン類、(b)アシルホスフィン化合物、及び、(e)チオ化合物より好ましい例としては、特公昭47−6416号公報記載のα−チオベンゾフェノン化合物、特公昭47−3981号公報記載のベンゾインエーテル化合物、特公昭47−22326号公報記載のα−置換ベンゾイン化合物、特公昭47−23664号公報記載のベンゾイン誘導体、特開昭57−30704号公報記載のアロイルホスホン酸エステル、特公昭60−26483号公報記載のジアルコキシベンゾフェノン、特公昭60−26403号公報、特開昭62−81345号公報記載のベンゾインエーテル類、特公平1−34242号公報、米国特許第4,318,791号、ヨーロッパ特許0284561A1号記載のα−アミノベンゾフェノン類、特開平2−211452号公報記載のp−ジ(ジメチルアミノベンゾイル)ベンゼン、特開昭61−194062号公報記載のチオ置換芳香族ケトン、特公平2−9597号公報記載のアシルホスフィンスルフィド、特公平2−9596号公報記載のアシルホスフィン、特公昭63−61950号公報記載のチオキサントン類、特公昭59−42864号公報記載のクマリン類等を挙げることができる。
ベンゾフェノン化合物としては、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、イソフタロフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルフェニルスルフィド等が例示できる。また、チオキサントン化合物としては、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等が例示できる。
また、(a)芳香族ケトン類としては、α−ヒドロキシケトンが好ましく、例えば、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等が挙げられる。
これらの中でも、(a)芳香族ケトン類としては、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン化合物が特に好ましい。なお、本発明において、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン化合物とは、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン及び1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンが任意の置換基で置換された化合物を意味するものである。置換基としては、ラジカル重合開始剤としての能力を発揮し得る範囲で任意に選択することができ、具体的にはアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等)が例示できる。
また、(b)アシルホスフィン化合物としては、アシルホスフィンオキサイド化合物が好ましい。
アシルホスフィンオキサイド化合物としては、化合物の構造中に式(7)又は式(8)の構造式を有するものが例示できる。
Figure 2011074117
Figure 2011074117
特に、アシルホスフィンオキサイド化合物としては、式(9)又は式(10)の化学構造を有するものが特に好ましい。
Figure 2011074117
(式中、R6、R7、R8はメチル基又はエチル基を置換基として有していてもよい芳香族炭化水素基を表す。)
Figure 2011074117
(式中、R9、R10、R11はメチル基又はエチル基を置換基として有していてもよい芳香族炭化水素基を表す。)
アシルホスフィンオキサイド化合物としては、モノアシルホスフィンオキサイド化合物及びビスアシルホスフィンオキサイド化合物等を使用することができ、モノアシルホスフィンオキサイド化合物としては、公知のモノアシルホスフィンオキサイド化合物を使用することができる。例えば、特公昭60−8047号公報、特公昭63−40799号公報に記載のモノアシルホスフィンオキサイド化合物が挙げられる。
具体例としては、イソブチリルメチルホスフィン酸メチルエステル、イソブチリルフェニルホスフィン酸メチルエステル、ピバロイルフェニルホスフィン酸メチルエステル、2−エチルヘキサノイルフェニルホスフィン酸メチルエステル、ピバロイルフェニルホスフィン酸イソプロピルエステル、p−トルイルフェニルホスフィン酸メチルエステル、o−トルイルフェニルホスフィン酸メチルエステル、2,4−ジメチルベンゾイルフェニルホスフィン酸メチルエステル、p−三級ブチルベンゾイルフェニルホスフィン酸イソプロピルエステル、アクリロイルフェニルホスフィン酸メチルエステル、イソブチリルジフェニルホスフィンオキサイド、2−エチルヘキサノイルジフェニルホスフィンオキサイド、o−トルイルジフェニルホスフィンオキサイド、p−三級ブチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、3−ピリジルカルボニルジフェニルホスフィンオキサイド、アクリロイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、ベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ピバロイルフェニルホスフィン酸ビニルエステル、アジポイルビスジフェニルホスフィンオキサイド、ピバロイルジフェニルホスフィンオキサイド、p−トルイルジフェニルホスフィンオキサイド、4−(三級ブチル)ベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、テレフタロイルビスジフェニルホスフィンオキサイド、2−メチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、バーサトイルジフェニルホスフィンオキサイド、2−メチル−2−エチルヘキサノイルジフェニルホスフィンオキサイド、1−メチル−シクロヘキサノイルジフェニルホスフィンオキサイド、ピバロイルフェニルホスフィン酸メチルエステル及びピバロイルフェニルホスフィン酸イソプロピルエステル等が挙げられる。
ビスアシルホスフィンオキサイド化合物としては公知のビスアシルホスフィンオキサイド化合物が使用できる。例えば特開平3−101686号公報、特開平5−345790号公報、特開平6−298818号公報に記載のビスアシルホスフィンオキサイド化合物が挙げられる。
具体例としては、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−エトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−プロピルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−2−ナフチルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−1−ナフチルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−クロロフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−2,4−ジメトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)デシルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−オクチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロ3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロ−3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−4−エトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−4−エトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−2−ナフチルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−4−プロピルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メトキシ−1−ナフトイル)−4−工トキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−クロロ−1−ナフトイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド等が挙げられる。
これらの中でも、本発明において、アシルホスフィンオキサイド化合物としては、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド(IRGACURE 819:チバスペシャルティーケミカルズ社製)、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド(Darocur TPO:チバスペシャルティーケミカルズ社製、Lucirin TPO:BASF社製)などが好ましい。
(c)芳香族オニウム塩化合物としては、周期律表の15、16及び17族の元素、具体的にはN、P、As、Sb、Bi、O、S、Se、Te、又はIの芳香族オニウム塩が含まれる。例えば、欧州特許第104143号明細書、米国特許第4837124号明細書、特開平2−150848号公報、特開平2−96514号公報に記載されるヨードニウム塩類、欧州特許第370693号、同233567号、同297443号、同297442号、同279210号、及び、同422570号の各明細書、米国特許第3902144号、同4933377号、同4760013号、同4734444号、及び、同2833827号の各明細書に記載されるジアゾニウム塩類(置換基を有してもよいベンゼンジアゾニウム等)、ジアゾニウム塩樹脂類(ジアゾジフェニルアミンのホルムアルデヒド樹脂等)、N−アルコキシピリジニウム塩類等(例えば、米国特許第4,743,528号明細書、特開昭63−138345号、特開昭63−142345号、特開昭63−142346号、及び、特公昭46−42363号の各公報等に記載されるもので、具体的には1−メトキシ−4−フェニルピリジニウム テトラフルオロボレート等)、さらには特公昭52−147277号、同52−14278号、及び同52−14279号の各公報記載の化合物が好適に使用される。活性種としてラジカルや酸を生成する。
(d)有機過酸化物としては、分子中に酸素−酸素結合を1個以上有する有機化合物のほとんど全てが含まれるが、その例としては、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−アミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ヘキシルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−オクチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(クミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(p−イソプロピルクミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、ジ−t−ブチルジパーオキシイソフタレートなどの過酸化エステル系の化合物が好ましい。
(f)ヘキサアリールビイミダゾール化合物としては、特公昭45−37377号公報、特公昭44−86516号公報記載のロフィンダイマー類、例えば、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(m−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o,o’−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ニトロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−メチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール等が挙げられる。
(g)ケトオキシムエステル化合物としては、3−ベンゾイロキシイミノブタン−2−オン、3−アセトキシイミノブタン−2−オン、3−プロピオニルオキシイミノブタン−2−オン、2−アセトキシイミノペンタン−3−オン、2−アセトキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ベンゾイロキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、3−p−トルエンスルホニルオキシイミノブタン−2−オン、2−エトキシカルボニルオキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン等が挙げられる。
(h)ボレート化合物の例としては、米国特許第3,567,453号、同4,343,891号、ヨーロッパ特許第109,772号、同109,773号の各明細書に記載されている化合物が挙げられる。
(i)アジニウム化合物の例としては、特開昭63−138345号、特開昭63−142345号、特開昭63−142346号、特開昭63−143537号、及び特公昭46−42363号の各公報記載のN−O結合を有する化合物群を挙げることができる。
(j)メタロセン化合物の例としては、特開昭59−152396号、特開昭61−151197号、特開昭63−41484号、特開平2−249号、特開平2−4705号記載のチタノセン化合物、及び、特開平1−304453号、特開平1−152109号の各公報記載の鉄−アレーン錯体を挙げることができる。
上記チタノセン化合物の具体例としては、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ジ−クロライド、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−フェニル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−2,6−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジフルオロフェニ−1−イル、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(ピリ−1−イル)フェニル)チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(メチルスルホンアミド)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−ブチルビアロイル−アミノ)フェニル〕チタン等を挙げることができる。
(k)活性エステル化合物の例としては、欧州特許第0290750号、同046083号、同156153号、同271851号、及び同0388343号の各明細書、米国特許第3901710号、及び同4181531号の各明細書、特開昭60−198538号、及び、特開昭53−133022号の各公報に記載されるニトロベンズルエステル化合物、欧州特許第0199672号、同84515号、同199672号、同044115号、及び、同0101122号の各明細書、米国特許第4618564号、同4371605号、及び同4431774号の各明細書、特開昭64−18143号、特開平2−245756号、及び、特開平4−365048号の各公報記載のイミノスルホネート化合物、特公昭62−6223号、特公昭63−14340号、及び、特開昭59−174831号の各公報に記載される化合物等が挙げられる。
(l)炭素ハロゲン結合を有する化合物の好ましい例としては、例えば、若林ら著、Bull. Chem. Soc. Japan、42、2924(1969)記載の化合物、英国特許第1388492号明細書記載の化合物、特開昭53−133428号公報記載の化合物、独国特許第3337024号明細書記載の化合物等を挙げることができる。
また、F. C. Schaefer等によるJ. Org. Chem.、29、1527(1964)記載の化合物、特開昭62−58241号公報記載の化合物、特開平5−281728号公報記載の化合物等を挙げることができる。ドイツ特許第2641100号に記載されているような化合物、ドイツ特許第3333450号に記載されている化合物、ドイツ特許第3021590号に記載の化合物群、又は、ドイツ特許第3021599号に記載の化合物群、等を挙げることができる。
本発明のインク組成物においては、アシルホスフィンオキシド化合物を含有することが好ましく、アシルホスフィン化合物とアルキルフェノン系(以下、アセトフェノン系ともいう。)の光重合開始剤を併用することがより好ましい。上記組み合わせにより、硬化性により優れるインク組成物が得られる。
本発明に用いることができるインク組成物において、ラジカル重合開始剤の総含有量は、化合物(A)及び化合物(B)を含むラジカル重合性モノマーの総重量に対して、0.01〜35重量%であることが好ましく、0.5〜20重量%であることがより好ましく、1.0〜15重量%であることがさらに好ましい。0.01重量%以上であると、組成物を十分硬化させることができ、また、35重量%以下であると、硬化度が均一な硬化膜を得ることができる。
また、本発明のインク組成物に後述する増感剤を用いる場合、ラジカル重合開始剤の総使用量は、増感剤に対して、ラジカル重合開始剤:増感剤の重量比で、好ましくは200:1〜1:200、より好ましくは50:1〜1:50、さらに好ましくは20:1〜1:5の範囲である。
(D)着色剤
本発明のインク組成物は、(D)着色剤を含有することが好ましい。
本発明に使用することのできる着色剤としては、特に制限はないが、耐候性に優れ、色再現性に富んだ(D−1)顔料及び(D−2)油溶性染料が好ましく、溶解性染料等の任意の公知の着色剤から選択して使用することができる。本発明のインク組成物又はインクジェット記録用インク組成物に好適に使用し得る着色剤は、活性放射線による硬化反応の感度を低下させないという観点からは、硬化反応である重合反応において重合禁止剤として機能しない化合物を選択することが好ましい。
(D−1)顔料
本発明に使用できる顔料としては、特に限定されるわけではないが、例えばカラーインデックスに記載される下記の番号の有機又は無機顔料が使用できる。
赤或いはマゼンタ顔料としては、Pigment Red 3、5、19、22、31、38、43、48:1、48:2、48:3、48:4、48:5、49:1、53:1、57:1、57:2、58:4、63:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、88、104、108、112、122、123、144、146、149、166、168、169、170、177、178、179、184、185、208、216、226、257、Pigment Violet 3、19、23、29、30、37、50、88、Pigment Orange 13、16、20、36、
青又はシアン顔料としては、Pigment Blue 1、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17−1、22、27、28、29、36、60、
緑顔料としては、Pigment Green 7、26、36、50、
黄顔料としては、Pigment Yellow 1、3、12、13、14、17、34、35、37、55、74、81、83、93、94,95、97、108、109、110、137、138、139、153、154、155、157、166、167、168、180、185、193、
黒顔料としては、Pigment Black 7、28、26、
白色顔料としては、Pigment White 6,18,21
などが目的に応じて使用できる。
(D−2)油溶性染料
以下に、本発明で使用することのできる油溶性染料について説明する。
本発明で使用することのできる油溶性染料とは、水に実質的に不溶な染料を意味する。具体的には、25℃での水への溶解度(水100gに溶解できる染料の重量)が1g以下であり、好ましくは0.5g以下、より好ましくは0.1g以下であるものを指す。従って、油溶性染料とは、所謂水に不溶性の顔料や油溶性色素を意味し、これらの中でも油溶性色素が好ましい。
本発明に使用可能な前記油溶性染料のうち、イエロー染料としては、任意のものを使用することができる。例えばカップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類、ピラゾロン類、ピリドン類、開鎖型活性メチレン化合物類を有するアリールもしくはヘテリルアゾ染料;例えばカップリング成分として開鎖型活性メチレン化合物類を有するアゾメチン染料;例えばベンジリデン染料やモノメチンオキソノール染料等のようなメチン染料;例えばナフトキノン染料、アントラキノン染料等のようなキノン系染料;等が挙げられ、これ以外の染料種としてはキノフタロン染料、ニトロ・ニトロソ染料、アクリジン染料、アクリジノン染料等を挙げることができる。
本発明に使用可能な前記油溶性染料のうち、マゼンタ染料としては、任意のものを使用することができる。例えばカップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類を有するアリールもしくはヘテリルアゾ染料;例えばカップリング成分としてピラゾロン類、ピラゾロトリアゾール類を有するアゾメチン染料;例えばアリーリデン染料、スチリル染料、メロシアニン染料、オキソノール染料のようなメチン染料;ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料のようなカルボニウム染料;例えばナフトキノン、アントラキノン、アントラピリドンなどのようなキノン系染料;例えばジオキサジン染料等のような縮合多環系染料;等を挙げることができる。
本発明に適用可能な前記油溶性染料のうち、シアン染料としては、任意のものを使用することができる。例えばインドアニリン染料、インドフェノール染料或いはカップリング成分としてピロロトリアゾール類を有するアゾメチン染料;シアニン染料、オキソノール染料、メロシアニン染料のようなポリメチン染料;ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料のようなカルボニウム染料;フタロシアニン染料;アントラキノン染料;例えばカップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類を有するアリールもしくはヘテリルアゾ染料;インジゴ・チオインジゴ染料;等を挙げることができる。
前記の各染料は、クロモフォア(発色性の原子団)の一部が解離して初めてイエロー、マゼンタ、シアンの各色を呈するものであってもよく、その場合のカウンターカチオンはアルカリ金属や、アンモニウムのような無機のカチオンであってもよいし、ピリジニウム、4級アンモニウム塩のような有機のカチオンであってもよく、さらにはそれらを部分構造に有するポリマーカチオンであってもよい。
以下に限定されるものではないが、好ましい具体例としては、例えば、C.I.ソルベント・ブラック 3,7,27,29及び34;C.I.ソルベント・イエロー 14,16,19,29,30,56,82,93及び162;C.I.ソルベント・レッド 1,3,8,18,24,27,43,49,51,72,73,109,122,132及び218;C.I.ソルベント・バイオレット 3;C.I.ソルベント・ブルー 2,11,25,35,38,67及び70;C.I.ソルベント・グリーン 3及び7;並びにC.I.ソルベント・オレンジ 2;等が挙げられる。
これらの中で特に好ましいものは、Nubian Black PC−0850、Oil Black HBB、Oil Yellow 129、Oil Yellow 105、Oil Pink 312、Oil Red 5B、Oil Scarlet 308、Vali Fast Blue 2606、Oil Blue BOS(オリエント化学(株)製)、Aizen Spilon Blue GNH(保土ヶ谷化学(株)製)、NeopenYellow 075、Neopen Mazenta SE1378、Neopen Blue 808、Neopen Blue FF4012、Neopen Cyan FF4238(BASF社製)等である。
本発明においては、油溶性染料は1種単独で用いてもよく、また、数種類を混合して用いてもよい。
また、着色剤として油溶性染料を使用する際、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて、他の水溶性染料、分散染料、顔料等の着色剤を併用することもできる。
また、本発明においては、水非混和性有機溶媒に溶解する範囲で分散染料を用いることもできる。分散染料は一般に水溶性の染料も包含するが、本発明においては水非混和性有機溶媒に溶解する範囲で用いることが好ましい。分散染料の好ましい具体例としては、C.I.ディスパースイエロー 5,42,54,64,79,82,83,93,99、100,119,122,124,126,160,184:1,186,198,199,201,204,224及び237;C.I.ディスパーズオレンジ 13,29,31:1,33,49,54,55,66,73,118,119及び163;C.I.ディスパーズレッド 54,60,72,73,86,88,91,92,93,111,126,127,134,135,143,145,152,153,154,159,164,167:1,177,181,204,206,207,221,239,240,258,277,278,283,311,323,343,348,356及び362;C.I.ディスパーズバイオレット 33;C.I.ディスパーズブルー 56,60,73,87,113,128,143,148,154,158,165,165:1,165:2,176,183,185,197,198,201,214,224,225,257,266,267,287,354,358,365及び368;並びにC.I.ディスパーズグリーン 6:1及び9;等が挙げられる。
本発明に使用することができる着色剤は、本発明のインク組成物又はインクジェット記録用インク組成物に添加された後、適度に当該インク内で分散することが好ましい。着色剤の分散には、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等の各分散装置を用いることができる。
また、着色剤の分散を行う際に分散剤を添加することも可能である。分散剤としては、その種類に特に制限はないが、好ましくは高分子分散剤を用いることであり、高分子分散剤としては、例えば、Zeneca社のSolsperseシリーズが挙げられる。また、分散助剤として、各種顔料に応じたシナージストを用いることも可能である。本発明において、これらの分散剤及び分散助剤は、着色剤100重量部に対し、1〜50重量部添加することが好ましい。
着色剤は、本発明のインク組成物の調製に際して、各成分とともに直接添加により配合してもよいが、分散性向上のため、あらかじめ溶剤又は本発明に使用する(B)成分や、所望により併用されるその他の重合性化合物のような分散媒体に添加し、均一分散或いは溶解させた後、配合することもできる。
本発明において、溶剤が硬化画像に残留する場合の耐溶剤性の劣化並びに残留する溶剤のVOC(Volatile Organic Compound:揮発性有機化合物)の問題を避けるためにも、着色剤は、(B)成分を含む重合性化合物のいずれか1つ又はそれらの混合物に予め添加して、配合することが好ましい。なお、分散適性の観点のみを考慮した場合、使用する重合性化合物は、最も粘度の低いモノマーを選択することが好ましい。
これらの着色剤はインク組成物の使用目的に応じて、1種又は2種以上を適宜選択して用いればよい。
なお、本発明のインク組成物中において固体のまま存在する顔料などの着色剤を使用する際には、着色剤粒子の平均粒径は、好ましくは0.005〜0.5μm、より好ましくは0.01〜0.45μm、さらに好ましくは、0.015〜0.4μmとなるよう、着色剤、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件を設定することが好ましい。この粒径管理によって、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インクの保存安定性、インク透明性及び硬化感度を維持することができるので好ましい。
本発明のインク組成物中における着色剤の含有量は使用目的により適宜選択されるが、インク物性、着色性を考慮すれば、一般的には、インク組成物の全固形分に対し、1〜10重量%であることが好ましく、2〜8重量%含有することがより好ましい。
(E)増感剤
本発明のインク組成物には、前記(C)ラジカル重合開始剤の活性光線照射による分解を促進させるために増感剤を添加することができる。増感剤は、特定の活性放射線を吸収して電子励起状態となる。電子励起状態となった増感剤は、重合開始剤と接触して、電子移動、エネルギー移動、発熱などの作用を生じ、これにより重合開始剤の化学変化、即ち、分解、ラジカル、酸或いは塩基の生成を促進させるものである。
増感剤は、インク組成物に使用される(C)ラジカル重合開始剤に開始種を発生させる活性放射線の波長に応じた化合物を使用すればよいが、一般的なインク組成物の硬化反応に使用されることを考慮すれば、好ましい増感剤の例としては、以下の化合物類に属しており、かつ350nmから450nm域に吸収波長を有するものを挙げることができる。
多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えばチアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン)。
より好ましい増感剤の例としては、下記式(IX)〜(XIII)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2011074117
(式(IX)中、A1は硫黄原子又はNR50を表し、R50はアルキル基又はアリール基を表し、L2は隣接するA1及び隣接炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表し、R51、R52はそれぞれ独立に水素原子又は一価の非金属原子団を表し、R51、R52は互いに結合して、色素の酸性核を形成してもよい。Wは酸素原子又は硫黄原子を表す。)
Figure 2011074117
(式(X)中、Ar1及びAr2はそれぞれ独立にアリール基を表し、−L3−による結合を介して連結している。ここでL3は−O−又は−S−を表す。また、Wは式(IX)に示したものと同義である。)
Figure 2011074117
(式(XI)中、A2は硫黄原子又はNR59を表し、L4は隣接するA2及び炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表し、R53、R54、R55、R56、R57及びR58はそれぞれ独立に一価の非金属原子団の基を表し、R59はアルキル基又はアリール基を表す。)
Figure 2011074117
(式(XII)中、A3、A4はそれぞれ独立に−S−、−NR62−又は−NR63−を表し、R62、R63はそれぞれ独立に置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアリール基を表し、L5、L6はそれぞれ独立に、隣接するA3、A4及び隣接炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表し、R60、R61はそれぞれ独立に水素原子又は一価の非金属原子団であるか又は互いに結合して脂肪族性又は芳香族性の環を形成することができる。)
Figure 2011074117
(式(XIII)中、R66は置換基を有してもよい芳香族環又はヘテロ環を表し、A5は酸素原子、硫黄原子又は−NR67−を表す。R64、R65及びR67はそれぞれ独立に水素原子又は一価の非金属原子団を表し、R67とR64、及びR65とR67はそれぞれ互いに脂肪族性又は芳香族性の環を形成するため結合することができる。)
式(IX)〜(XIII)で表される化合物の好ましい具体例としては、以下に示すものが挙げられる。
Figure 2011074117
(F)共増感剤
本発明のインク組成物は、共増感剤を含有することもできる。本発明において共増感剤は、増感剤の活性放射線に対する感度を一層向上させる、或いは、酸素による重合性化合物の重合阻害を抑制する等の作用を有する。
この様な共増感剤の例としては、アミン類、例えばM. R. Sanderら著「Journal of Polymer Society」第10巻3173頁(1972)、特公昭44−20189号公報、特開昭51−82102号公報、特開昭52−134692号公報、特開昭59−138205号公報、特開昭60−84305号公報、特開昭62−18537号公報、特開昭64−33104号公報、Research Disclosure 33825号記載の化合物等が挙げられ、具体的には、トリエタノールアミン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ホルミルジメチルアニリン、p−メチルチオジメチルアニリン等が挙げられる。
共増感剤の別の例としてはチオール及びスルフィド類、例えば、特開昭53−702号公報、特公昭55−500806号公報、特開平5−142772号公報記載のチオール化合物、特開昭56−75643号公報のジスルフィド化合物等が挙げられ、具体的には、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプト−4(3H)−キナゾリン、β−メルカプトナフタレン等が挙げられる。
また別の例としては、アミノ酸化合物(例、N−フェニルグリシン等)、特公昭48−42965号公報記載の有機金属化合物(例、トリブチル錫アセテート等)、特公昭55−34414号公報記載の水素供与体、特開平6−308727号公報記載のイオウ化合物(例、トリチアン等)、特開平6−250387号公報記載のリン化合物(ジエチルホスファイト等)、特開平8−54735号公報記載のSi−H、Ge−H化合物等が挙げられる。
(G)その他の成分
本発明のインク組成物には、必要に応じて、他の成分を添加することができる。その他の成分としては、例えば、重合禁止剤、溶剤等が挙げられる。
重合禁止剤は、保存性を高める観点から添加され得る。また、本発明のインク組成物をインクジェト記録用インク組成物として使用する場合には、40〜80℃の範囲で加熱、低粘度化して吐出することが好ましく、熱重合によるヘッド詰まりを防ぐためにも、重合禁止剤を添加することが好ましい。重合禁止剤は、本発明のインク組成物全量に対し、200〜20,000ppm添加することが好ましい。重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、ベンゾキノン、p−メトキシフェノール、TEMPO、TEMPOL、クペロンAl等が挙げられる。
本発明のインク組成物及びインクジェット記録用インク組成物が放射線硬化型インク組成物であることに鑑み、インク組成物着弾直後に速やかに反応しかつ硬化し得るよう、溶剤を含まないことが好ましい。しかし、インク組成物の硬化速度等に影響がない限り、所定の溶剤を含めることができる。本発明において、溶剤としては、有機溶剤、水が使用できる。特に、有機溶剤は、被記録媒体(紙などの支持体)との密着性を改良するために添加され得る。有機溶剤を添加すると、VOCの問題が回避できるので有効である。
有機溶剤の量は、本発明のインク組成物全体の重量に対し、例えば、0〜5重量%、好ましくは0〜3重量%の範囲である。
この他に、必要に応じて公知の化合物を本発明のインク組成物に添加することができる。例えば、界面活性剤、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワッス類等を適宜選択して添加することができる。また、ポリオレフィンやPET等の被記録媒体への密着性を改善するために、重合を阻害しないタッキファイヤーを含有させることも好ましい。具体的には、特開2001−49200号公報の5〜6頁に記載されている高分子量の粘着性ポリマー(例えば、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜20のアルキル基を有するアルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数3〜14の脂環属アルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数6〜14の芳香属アルコールとのエステルからなる共重合物)や、重合性不飽和結合を有する低分子量粘着付与性樹脂などが挙げられる。
(インク組成物の性質)
本発明のインク組成物はインクジェット記録用インクとして好適に使用することができる。このような使用態様における好ましい物性について説明する。
インク組成物をインクジェット記録用インクとして使用する場合には、吐出性を考慮し、吐出時の温度(例えば、20〜80℃、好ましくは25〜50℃)において、粘度が、好ましくは7〜30mPa・sであり、より好ましくは7〜25mPa・sである。例えば、本発明のインク組成物の室温(25〜30℃)での粘度は、好ましくは35〜500mPa・s、より好ましくは35〜200mPa・sである。
本発明のインク組成物は、粘度が上記範囲になるように適宜組成比を調整することが好ましい。室温での粘度を高く設定することにより、多孔質な被記録媒体を用いた場合でも、被記録媒体中へのインク浸透を回避し、未硬化モノマーの低減、臭気低減が可能となる。さらにインク液滴着弾時のインクの滲みを抑えることができ、その結果として画質が改善される。
本発明のインク組成物の表面張力は、好ましくは20〜30mN/m、より好ましくは23〜28mN/mである。ポリオレフィン、PET、コート紙、非コート紙など様々な被記録媒体へ記録する場合、滲み及び浸透の観点から、20mN/m以上が好ましく、濡れ性の点はで30mN/m以下が好ましい。
(インクジェット記録方法)
本発明のインク組成物は、インクジェット記録用として使用されることが好ましい。
本発明に好適に採用され得るインクジェット記録方法及びインクジェット記録装置について、以下説明する。
本発明のインクジェット記録方法は、前記本発明のインク組成物をインクジェッと記録用として被記録媒体(支持体、記録材料等)上に吐出し、被記録媒体上に吐出されたインク組成物に活性放射線を照射し、インクを硬化して画像を形成する方法である。
より具体的には、本発明のインクジェット記録方法は、(a)被記録媒体上にインク組成物を吐出する工程、及び、(b)吐出されたインク組成物に活性放射線を照射して、該インク組成物を硬化する工程、を含むインクジェット記録方法であって、インク組成物として前記した本発明のインク組成物を用いることを特徴とする。
被記録媒体上において硬化したインク組成物により画像が形成される。
(a)被記録媒体上にインク組成物を吐出する工程には、以下に詳述するインクジェット記録装置が用いられる。
<インクジェット記録装置>
本発明のインクジェット記録方法に用いられるインクジェット記録装置としては、特に制限はなく、目的とする解像度を達成し得る公知のインクジェット記録装置を任意に選択して使用することができる。即ち、市販品を含む公知のインクジェット記録装置であれば、いずれも、本発明の記録方法の(a)工程における被記録媒体へのインクの吐出を実施することができる。
本発明で用いることのできるインクジェット記録装置としては、例えば、インク供給系、温度センサー、活性放射線源を含む装置が挙げられる。
インク供給系は、例えば、本発明の上記インク組成物を含む元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドからなる。ピエゾ型のインクジェットヘッドは、1〜100pl、好ましくは、8〜30plのマルチサイズドットを例えば、320×320〜4,000×4,000dpi、好ましくは、400×400〜1,600×1,600dpi、より好ましくは、720×720dpiの解像度で吐出できるよう駆動することができる。なお、本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。
上述したように、放射線硬化型インクは、吐出されるインクを一定温度にすることが望ましいことから、インク供給タンクからインクジェットヘッド部分までは、断熱及び加温を行うことができる。温度コントロールの方法としては、特に制約はないが、例えば、温度センサーを各配管部位に複数設け、インク流量、環境温度に応じた加熱制御をすることが好ましい。温度センサーは、インク供給タンク及びインクジェットヘッドのノズル付近に設けることができる。また、加熱するヘッドユニットは、装置本体を外気からの温度の影響を受けないよう、熱的に遮断もしくは断熱されていることが好ましい。加熱に要するプリンター立上げ時間を短縮するため、或いは、熱エネルギーのロスを低減するために、他部位との断熱を行うとともに、加熱ユニット全体の熱容量を小さくすることが好ましい。
次に、(b)吐出されたインク組成物に活性放射線を照射してインク組成物を硬化する工程について説明する。
被記録媒体上に吐出されたインク組成物は、活性放射線を照射することによって硬化する。これは、本発明のインク組成物に含まれる(C)ラジカル重合開始剤が活性放射線の照射により分解して、重合開始種であるラジカルを発生し、その開始種の機能により前記(A)成分、(B)成分や所望により併用される他の重合性化合物の重合反応が、生起、促進されてインク組成物が硬化するためである。このとき、インク組成物において(C)ラジカル重合開始剤とともに(E)増感剤が存在すると、系中の(E)増感剤が活性放射線を吸収して励起状態となり、(C)ラジカル重合開始剤と接触することによって重合開始剤の分解を促進させ、より高感度の硬化反応を達成させる。
ここで、使用される活性放射線は、α線、γ線、電子線、X線、紫外線、可視光又は赤外光などが使用され得る。活性放射線のピーク波長は、増感剤の吸収特性にもよるが、例えば、200〜600nmであることが好ましく、300〜450nmであることがより好ましく、350〜420nmであることがさらに好ましい。
また、本発明では、重合開始系は、低出力の活性放射線であっても十分な感度を有するものである。従って、活性放射線の出力は、2,000mJ/cm2以下であることが好ましく、より好ましくは、10〜2,000mJ/cm2であり、さらに好ましくは、20〜1,000mJ/cm2であり、特に好ましくは、50〜800mJ/cm2である。
また、活性放射線は、露光面照度が、例えば、10〜2,000mW/cm2、好ましくは、20〜1,000mW/cm2で照射されることが適当である。
活性放射線源としては、水銀ランプやガス・固体レーザー等が主に利用されており、紫外線光硬化型インクジェット記録用インクの硬化に使用される光源としては、水銀ランプ、メタルハライドランプが広く知られている。しかしながら、現在環境保護の観点から水銀フリー化が強く望まれており、GaN系半導体紫外発光デバイスへの置き換えは産業的、環境的にも非常に有用である。さらにLED(UV−LED),LD(UV−LD)は小型、高寿命、高効率、低コストであり、光硬化型インクジェット用光源として期待されている。
また、発光ダイオード(LED)及びレーザーダイオード(LD)を活性放射線源として用いることが可能である。特に、紫外線源を要する場合、紫外LED及び紫外LDを使用することができる。例えば、日亜化学(株)は、主放出スペクトルが365nmと420nmとの間の波長を有する紫色LEDを上市している。さらに一層短い波長が必要とされる場合、米国特許番号第6,084,250号明細書は、300nmと370nmとの間に中心付けされた活性放射線を放出し得るLEDを開示している。また、他の紫外LEDも、入手可能であり、異なる紫外線帯域の放射を照射することができる。本発明で特に好ましい活性放射線源は、UV−LEDであり、特に好ましくは、350〜420nmにピーク波長を有するUV−LEDである。
また、LEDの被記録媒体上での最高照度は10〜2,000mW/cm2であることが好ましく、20〜1,000mW/cm2であることがより好ましく、特に好ましくは50〜800mW/cm2である。
本発明の上記インク組成物は、このような活性放射線に、例えば、0.01〜120秒、好ましくは、0.1〜90秒照射されることが適当である。
活性放射線の照射条件並びに基本的な照射方法は、特開昭60−132767号公報に開示されている。具体的には、インクの吐出装置を含むヘッドユニットの両側に光源を設け、いわゆるシャトル方式でヘッドユニットと光源を走査することによって行われる。活性放射線の照射は、インク着弾後、一定時間(例えば、0.01〜0.5秒、好ましくは、0.01〜0.3秒、より好ましくは、0.01〜0.15秒)をおいて行われることになる。このようにインク着弾から照射までの時間を極短時間に制御することにより、被記録媒体に着弾したインクが硬化前に滲むことを防止するこが可能となる。また、多孔質な被記録媒体に対しても光源の届かない深部までインクが浸透する前に露光することができるため、未反応モノマーの残留を抑えられ、その結果として臭気を低減することができる。
さらに、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させてもよい。WO99/54415号パンフレットでは、照射方法として、光ファイバーを用いた方法やコリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法が開示されており、このような硬化方法もまた、本発明の記録方法に適用することができる。
上述したようなインクジェット記録方法を採用することにより、表面の濡れ性が異なる様々な被記録媒体に対しても、着弾したインクのドット径を一定に保つことができ、画質が向上する。なお、カラー画像を得るためには、明度の低い色から順に重ねていくことが好ましい。明度の低いインクから順に重ねることにより、下部のインクまで照射線が到達しやすくなり、良好な硬化感度、残留モノマーの低減、臭気の低減、密着性の向上が期待できる。また、照射は、全色を吐出してまとめて露光することが可能だが、1色毎に露光するほうが、硬化促進の観点で好ましい。
このようにして、本発明インク組成物は、活性放射線の照射により高感度で硬化し、疎水性画像を被記録媒体表面上に形成する。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
なお、以下の記載における「部」とは、特に断りのない限り「重量部」を示すものとする。
本発明インク組成物で使用した素材は下記に示す通りである。
・IRGALITE BLUE GLVO(シアン顔料、チバ・ジャパン(株)製)
・NOVOPERM YELLOW H2G(イエロー顔料、クラリアント社製)
・CINQUASIA MAGENTA RT−335 D(マゼンタ顔料、チバ・ジャパン(株)製)
・TIPAQUE CR−60−2(酸化チタン(白色顔料)、石原産業(株)製)
・FA−511AS(ジシクロペンテニルアクリレート、日立化成工業(株)製)
・FA−512AS(ジシクロペンタニルオキシエチルアクリレート日立化成工業(株)製)
・V#155(シクロヘキシルアクリレート、大阪有機化学工業(株)製)
・SR506(イソボルニルアクリレート、サートマー社製)
・SR339(2−フェノキシエチルアクリレート、サートマー社製)
・SR285(テトラヒドロフルフリルアクリレート、サートマー社製)
・SR508(ジプロピレングリコールジアクリレート、サートマー社製)
・SR492(プロポキシ化(3)トリメチロールプロパントリアクリレート、サートマー社製)
・SR212(1,3−ブチレングリコールジアクリレート、サートマー社製)
・SR213(1,4−ブタンジオールジアクリレート、サートマー社製)
・SR9003(プロポキシ化(2)ネオペンチルグリコールジアクリレート)
・RAPI−CURE DVE−3(トリエチレングリコールジビニルエーテル(3,6,9,12-Tetraoxatetradeca-1,13-diene)、ISP社製)
・FIRSTCURE ST−1(重合禁止剤、ChemFirst Inc.製)
・IRGACURE 184(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、重合開始剤、チバ・ジャパン(株)製)
・IRGACURE 819(ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、重合開始剤、チバ・ジャパン(株)製)
・Lucirin TPO(2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、重合開始剤、BASF社製)
・FIRSTCURE ITX(イソプロピルチオキサントン(2−及び4−アイソマー混合物)、ChemFirst Inc.製)
・BYK−307(ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、シリコン系界面活性剤、ビックケミー・ジャパン(株)製)
・DISPERBYK−168(高分子分散剤、ビックケミー・ジャパン(株)製)
・SOLSPERSE 32000(高分子分散剤、ルーブリゾール社製)
・SOLSPERSE 36000(高分子分散剤、ルーブリゾール社製)
(ミルベースの調製)
シアン、イエロー、マゼンタ、ホワイトの各ミルベースを以下の組成にて混合し、ミキサー(シルバーソン社製L4R)を用いて2,500回転/分にて10分撹拌した。その後、ビーズミル分散機DISPERMAT LS(VMA社製)に入れ、直径0.65mmのYTZボール((株)ニッカトー製)を用い、2,500回転/分で6時間分散を行った。
<シアンミルベースの調製>
IRGALITE BLUE GLVO 30部
RAPI−CURE DVE−3 50部
DISPERBYK−168 20部
<イエローミルベースの調製>
NOVOPERM YELLOW H2G 30部
RAPI−CURE DVE−3 42部
DISPERBYK−168 28部
<マゼンタミルベースの調製>
CINQUASIA MAGENTA RT−335 D 30部
SOLSPERSE 32000 11部
SR9003 58部
FIRSTCURE ST−1 1部
<ホワイトミルベースの調製>
TIPAQUE CR−60−2 70部
SR339 25部
SOLSPERSE 36000 5部
(実施例)
インクの調製方法に関しては、下記の表3〜表9に挙げる各成分をミキサー(シルバーソン社製L4R)を用いて3,000回転/分にて20分撹拌し、それぞれのインク組成物を得た。インク作製後、高速冷却遠心機SRX−201((株)トミー精工製)を用い12,000rpmで20分間遠心分離により沈降物を除去し、ダイレクトフィルトレーション用加圧タンクDF−4(アドバンテック社製)に、多用途用ディスクフィルターホルダーKS−90−UH(アドバンテック社製)を繋ぎ、99%以上の粒子捕捉性能が1.5ミクロンメートルであるフィルターTCP−015AM(アドバンテック社製)を用いてろ過を行った。その後、超音波処理をUS−600CCVP((株)日本精機製作所製)を用い20分間行い、目的とするインクを得た。
なお、表中の配合量は、各成分の重量部を表す。
(評価)
<インクジェット記録方法>
次に、ピエゾ型インクジェットノズルを有するインクジェット記録実験装置を用いて、被記録媒体への記録を行った。インク供給系は、元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドから成り、インク供給タンクからインクジェットヘッド部分までを断熱及び加温を行った。温度センサーは、インク供給タンク及びインクジェットヘッドのノズル付近にそれぞれ設け、ノズル部分が常に45℃±2℃となるよう、温度制御を行った。ピエゾ型のインクジェットヘッドは、8〜30plのマルチサイズドットを720×720dpiの解像度で射出できるよう駆動した。着弾後はUV光を露光面照度1,200mW/cm2、に集光し、被記
録媒体上にインク着弾した0.1秒後に照射が始まるよう露光系、主走査速度及び射出周波数を調整した。また、画像に照射される積算光量を1,000mJ/cm2となるよう
にした。紫外線ランプには、HAN250NL ハイキュア水銀ランプ(ジーエス・ユアサコーポレーション社製)を使用した。なお、本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。被記録媒体として、エムロン カレンダーシート(白)(森野化工(株)製)を用いた。
<硬化感度評価>
上記インクジェット記録方法に従い、平均膜厚が12μmのベタ画像の描画を行い、紫外線照射後の画像面において、触診により、画像のべとつきの程度を評価した。
また、硬化感度は以下の基準で評価した。
○:画像にべとつきなし。
△:画像がややべとついている。
×:未硬化のインクが手に転写するほど固まっていない。
<被記録媒体への密着性>
インク組成物を、被記録媒体としてのアクリル基材の表面に、Kハンドコーター(バーNo.2)を用いてウェット膜厚12μmとなるように塗布した。次いで、オゾンレスメタルハライドランプMAN125Lを搭載し、コンベアスピード8.7m/分、露光強度760W/cm2に設定したUVコンベア装置CSOT(ジーエス・ユアサライティング社製)内を、塗布表面の粘着性がなくなるまで繰り返し通過させ、放射線硬化させた。被記録媒体への接着性は、この硬化塗膜を用いてISO2409(クロスカット法)により下記の基準で評価した。
○:カットの縁が完全に滑らかで、どの格子の目にもはがれがないか、極わずかな小さなはがれであり、クロスカット部分で影響を受けるのは、10%以下である。
△:塗膜がカットの縁に沿って、部分的又は全面的に大はがれを生じており、及び/又は、目のいろいろな部分が、部分的又は全面的にはがれている。クロスカット部分で影響を受けるのは、10%を超えるが、35%以下である。
×:塗膜がカットの縁に沿って、部分的又は全面的に大はがれを生じており、及び/又は、数か所の目が部分的又は全面的にはがれている。クロスカット部分で影響を受けるのは、35%を超える。
<顔料分散安定性>
インク作製後、インクの粘度測定を行った後に、60℃の環境下に4週間保管し、4週間経時品の粘度測定を行うことで、顔料分散安定性の評価を行った。
また、顔料分散安定性は以下の基準で評価した。
[60℃4週間経時保管品の粘度]/[インク作製後の粘度]の計算を行った際
○:1.1以下
△:1.1超〜1.2未満
×:1.2以上
結果を以下の表3〜表9に示す。
Figure 2011074117
Figure 2011074117
Figure 2011074117
Figure 2011074117
Figure 2011074117
Figure 2011074117
Figure 2011074117

Claims (7)

  1. (A)下記式(1)で表される化合物と、
    (B)脂肪族環状構造を有する(メタ)アクリレート化合物と、
    (C)ラジカル重合開始剤と、を含有することを特徴とする
    インク組成物。
    Figure 2011074117
    (式(1)中、R1は水素原子又はメチル基を表し、R2はアルキル基を表し、Xは−NH−又は−O−を表し、Yは−NH−、−O−又は単結合を表す。)
  2. 式(1)中、X及びYが、Xが−O−かつYが−O−、Xが−O−かつYが単結合、及び、Xが−NH−かつYが−NH−よりなる群から選択される、請求項1に記載のインク組成物。
  3. 式(1)中、X及びYが、Xが−O−かつYが−O−である、請求項1又は2に記載のインク組成物。
  4. 前記(B)脂肪族環状構造を有する(メタ)アクリレート化合物が式(B−2)又は式(B−3)で表される化合物である、請求項1〜3いずれか1つに記載のインク組成物。
    Figure 2011074117
    (式(B−2)及び(B−3)中、R1は水素原子又はメチル基を表し、X1は単結合又は二価の連結基を表し、R3及びR4はそれぞれ独立に置換基を表し、qは0〜5の整数を表し、rは0〜5の整数を表す。式(B−2)におけるアダマンタン骨格中の一炭素原子をカルボニル結合(−C(O)−)及び/又はエステル結合(−C(O)O−)で置換してもよく、式(B−3)におけるノルボルナン骨格中の一炭素原子をエーテル結合(−O−)及び/又はエステル結合(−C(O)O−)で置換してもよい。)
  5. 前記(B)脂肪族環状構造を有する(メタ)アクリレート化合物が式(B−5)、式(B−6)又は式(B−7)で表される化合物である、請求項1〜4いずれか1つに記載のインク組成物。
    Figure 2011074117
    (式(B−5)、式(B−6)及び式(B−7)中、R1は水素原子又はメチル基を表し、X1は単結合又は二価の連結基を表し、R5、R6及びR7はそれぞれ独立に置換基を表し、s、t及びuはそれぞれ独立に0〜5の整数を表し、また、s個存在するR5、t個存在するR6、及び、u個存在するR7は、それぞれ同じであっても、異なっていてもよい。)
  6. (D)着色剤をさらに含有する、請求項1〜5いずれか1つに記載のインク組成物。
  7. (a)被記録媒体上に、請求項1〜6いずれか1つに記載のインク組成物を吐出する工程、及び、
    (b)吐出されたインク組成物に活性放射線を照射して、該インク組成物を硬化する工程、を含むことを特徴とする
    インクジェット記録方法。
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