JP2011054490A - 非水系電解液及びそれを用いたリチウム二次電池 - Google Patents

非水系電解液及びそれを用いたリチウム二次電池 Download PDF

Info

Publication number
JP2011054490A
JP2011054490A JP2009203941A JP2009203941A JP2011054490A JP 2011054490 A JP2011054490 A JP 2011054490A JP 2009203941 A JP2009203941 A JP 2009203941A JP 2009203941 A JP2009203941 A JP 2009203941A JP 2011054490 A JP2011054490 A JP 2011054490A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aqueous electrolyte
carbonate
weight
carbon
cyclic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009203941A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5391938B2 (ja
Inventor
Masamichi Onuki
正道 大貫
Minoru Kotado
稔 古田土
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP2009203941A priority Critical patent/JP5391938B2/ja
Publication of JP2011054490A publication Critical patent/JP2011054490A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5391938B2 publication Critical patent/JP5391938B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Secondary Cells (AREA)

Abstract

【課題】サイクル特性及び保存特性などの諸特性、中でも連続充電特性が改善された過充電特性が向上し、且つ、保存特性が改善されたリチウム二次電池用電解液及びリチウム二次電池を提供する。
【解決手段】リチウム塩が非水系有機溶媒に溶解されてなる非水系電解液において、該非水系有機溶媒は、フッ素置換基及び/又は炭素−炭素不飽和結合を有する環状カーボネートを含有し、さらに該非水系電解液が、環状酸無水物及びS=O基含有有機化合物を、該非水電解液の重量に対してそれぞれ0.001〜1.5重量%及び0.001〜10重量%含有することを特徴とする非水系電解液及びリチウム二次電池。
【選択図】 なし

Description

本発明は、非水系電解液及びそれを用いたリチウム二次電池に関する。
リチウム二次電池はエネルギー密度が高く、しかも自己放電を起こしにくいという利点がある。そこで近年、携帯電話やノートパソコン、PDA等の民生用モバイル機器用の電源その他に広く利用されている。
通常のリチウム二次電池用の電解液は、支持電解質であるリチウム塩と非水系有機溶媒を主成分とする。用いられる非水系有機溶媒は、リチウム塩を解離させるために高い誘電率を有すること、広い温度領域で高いイオン伝導度を発現させること、及び、電池中で安定であること等が要求される。これらの要求を一つの溶媒で達成するのは困難であるので、通常は、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート等に代表される高沸点溶媒と、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等の低沸点溶媒とを組み合わせて、非水溶媒として使用している。
また、リチウム二次電池は、初期容量、レート特性、サイクル特性、高温保存特性、低温特性、連続充電特性、自己放電特性、過充電防止特性等の様々な特性が必要とされ、これらの特性を改良するために種々の助剤を電解液に少量含有させる方法がこれまで数多く報告されてきた。例えば助剤として酸無水物を含有させることが提案されている。
特許文献1では、酸無水物と環状スルトン誘導体とをそれぞれ0.3〜3%添加した電解液を用いることで100℃を超える温度雰囲気中での保存特性が改善されることが開示されている。また特許文献2には、CoSnC等を活物質として含有した負極を用い、酸無水物とフルオロエチレンカーボネートを含有した電解液を用いることでサイクル特性及び高温保存特性が改善されることが開示されている。また特許文献3にはケイ素合金負極を用い、酸無水物とハロゲン原子含有カーボネートとを含有した電解液を用いることでサイクル特性において放電容量維持率が改善されることが開示されている。
また特許文献4には、開回路電圧が4.25V〜6.00Vである電池において、酸無水物類とハロゲン原子を有する環状カーボネートとを含有した電解液を用いることでサイクル特性が向上することが開示されている。特許文献5には、酸無水物とハロゲン置換エチレンカーボネートとを含有した電解液が開示されている。
特開2004−47413号公報 特開2006−156331号公報 特開2007−299541号公報 特開2008−198432号公報 米国特許公開2007/0042267号公報
近年、リチウム二次電池に対する高性能化への要求はますます高くなっており、高容量、サイクル特性、高温保存特性、連続充電特性、過充電特性等の諸特性を、高い次元で共に達成することが求められている。サイクル特性及び高温保存特性を改善する手法は数多く提案されているが、連続充電特性を改善する方法は報告例が少ない。本発明者らが検討したところ特許文献1〜5に開示されている技術は、連続充電特性を改善させるには不十分であった。
本発明は上記の課題に鑑みて創案されたもので、サイクル特性及び保存特性などの諸特性、中でも連続充電特性が改善されたリチウム二次電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、フッ素置換基及び/又は炭素−炭素不飽和結合を有する環状カーボネートを含有し、さらに環状酸無水物及びS=O基含有有機化合物を該非水電解液の重量に対して特定量含有している非水系電解液を用いることによりサイクル特性及び保存特性などの諸特性、中でも連続充電特性が向上することを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明の要旨は、以下の(1)〜(7)に示す通りである。
(1)リチウム塩が非水系有機溶媒に溶解されてなる非水系電解液において、該非水系有機溶媒は、フッ素置換基及び/又は炭素−炭素不飽和結合を有する環状カーボネートを含有し、さらに該非水系電解液が、環状酸無水物及びS=O基含有有機化合物を、該非水電解液の重量に対してそれぞれ0.001〜1.5重量%及び0.001〜10重量%含有することを特徴とする非水系電解液。
(2)環状酸無水物が炭素−炭素不飽和結合を有する環状酸無水物であることを特徴とする上記(1)記載の非水系電解液。
(3)環状酸無水物が分子量250以下の環状酸無水物であることを特徴とする上記(1)又は(2)記載の非水系電解液。
(4)S=O基含有有機化合物がスルホキシド類、サルファイト類、スルホン類、スルホネート類、スルトン類及びスルフェート類からなる群から選ばれる一種以上であることを特徴とする上記(1)ないし(3)のいずれか記載の非水系電解液。
(5)環状酸無水物及びS=O基含有有機化合物を、該非水電解液の重量に対してそれぞれ0.001〜0.25重量%及び0.001〜5重量%含有することを特徴とする上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の非水系電解液。
(6)フッ素置換環状カーボネートが、一般式(1)で表されるカーボネートであることを特徴とする上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の非水系電解液。
Figure 2011054490
(式中、R1〜R4はそれぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜4のフッ素置換アルキル基であり、R1〜R4の少なくとも1つはフッ素原子または炭素数1〜4のフッ素置換アルキル基である。)
(7)炭素−炭素不飽和結合を有する環状カーボネートが、ビニレンカーボネート誘導体類及びビニルエチレンカーボネート誘導体からなる群から選ばれた少なくとも1種以上であることを特徴とする上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の非水系電解液。
(8)リチウムイオンを吸蔵・放出可能な負極及び正極、並びに非水系電解液を含む非水系電解液電池であって、該非水系電解液が上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の非水系電解液であることを特徴とするリチウム二次電池。
本発明によれば、リチウム二次電池に使用した際に、サイクル特性及び保存特性などの諸特性、中でも連続充電特性を大幅に向上させることができる非水系電解液及び該電解液を用いた上記諸特性が向上されたリチウム二次電池を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、任意に変形して実施することができる。
本発明の非水系電解液はリチウム塩と非水系有機溶媒を主成分とする。また、本発明のリチウム二次電池は、非水系電解液と、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な正極及び負極とを備えて構成される。また、本発明のリチウム二次電池はその他の構成要素を備えていても良い。
[I.非水系電解液]
本発明の非水系電解液(以下適宜、「本発明における非水系電解液」という)は、リチウム塩が非水系有機溶媒(以下適宜、「本発明における非水系有機溶媒」に溶解されてなる非水系電解液であって、該非水系有機溶媒はフッ素置換基及び/又は炭素−炭素不飽和結合を有する環状カーボネートを含有し、さらに該非水電解液は、環状酸無水物(以下適宜、「本発明における環状酸無水物」という)及びS=O基含有有機化合物(以下適宜、「本発明におけるS=O基含有有機化合物」という)を、該非水電解液の重量に対してそれぞれ0.001〜1重量%及び0.001〜10重量%含有することを特徴とする非水系電解液である。
[1.フッ素置換基を有する環状カーボネート]
[1−1.種類]
本発明におけるフッ素置換基を有する環状カーボネートは、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどの環状カーボネートの分子内のいずれかの水素原子がフッ素で置換された環状カーボネートであれば特に制限はないが、下記一般式(1)で表されるものが好ましい。
Figure 2011054490
(式中、R1〜R4はそれぞれ独立して水素原子、フッ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜4のフッ素置換アルキル基であり、R1〜R4の少なくとも1つはフッ素原子または炭素数1〜4のフッ素置換アルキル基である。)
上記一般式(1)において、R1〜R4はそれぞれ独立して水素原子、フッ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のフッ素置換アルキル基であり、R1〜R4の少なくとも1つはフッ素原子または炭素数1〜4のフッ素置換アルキル基である。
好ましいアルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が挙げられ、中でもメチル基、エチル基がさらに好ましく、メチル基が最も好ましい。また炭素数1〜4のフッ素置換アルキル基としては、モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリメチルフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基などが挙げられるが、なかでもトリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基がより好ましい。
本発明におけるフッ素置換基を有する環状カーボネートの具体例を挙げると、フルオロエチレンカーボネート、1,1−ジフルオロエチレンカーボネート、1,2−ジフルオロエチレンカーボネート、1−フルオロ−2−メチルエチレンカーボネート、1−フルオロ−1−メチルエチレンカーボネート、1,2−ジフルオロ−1,2−ジメチルエチレンカーボネート、テトラフルオロエチレンカーボネート、モノフルオロメチルエチレンカーボネート、ジフルオロメチルエチレンカーボネート、トリフルオロメチルエチレンカーボネート、2,2,2−トリフルオロエチルエチレンカーボネートなどが挙げられる。これらの中でもフルオロエチレンカーボネート、1,2−ジフルオロエチレンカーボネート、トリフルオロメチルエチレンカーボネートがより好ましい。
また上述した本発明におけるフッ素置換基を有する環状カーボネートは、1種類を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
[1−2.組成]
本発明におけるフッ素置換基を有する環状カーボネートの含有量は、該非水系有機溶媒の全体の容量に対して、通常0.01容量%以上、好ましくは0.1容量%以上、より好ましくは1容量%以上、さらに好ましくは5容量%以上また、通常50容量%以下、好ましくは30容量%以下、より好ましくは20容量%以下である。含有量が多すぎると、高温保存特性が悪化する傾向があり、さらにはフッ素置換環状カーボネートが高価であるためにコスト高となってしまう。また含有量が小さすぎると、本発明の効果を十分に発揮できない可能性がある。
[2.炭素−炭素不飽和結合を有する環状カーボネート]
[2−1.種類]
本発明における炭素−炭素不飽和結合を有する環状カーボネートは、分子内に炭素−炭素二重結合及び/又は炭素−炭素三重結合を有する環状カーボネートであれば特に制限はなく、任意のものを用いることができる。炭素−炭素二重結合を有する環状カーボネートの方が化学的及び電気化学的により安定であること観点から好ましい。
具体的には、ビニレンカーボネート、メチルビニレンカーボネート、1,2−ジメチルビニレンカーボネート、フェニルビニレンカーボネート、1,2−ジフェニルビニレンカーボネート等のビニレンカーボネート誘導体類;ビニルエチレンカーボネート、1,1−ジビニルエチレンカーボネート、1,2−ジビニルエチレンカーボネート、1−メチル−2−ビニルエチレンカーボネート、1−フェニル−2−ビニルエチレンカーボネート等のビニルエチレンカーボネート誘導体類などが挙げられる。これらの中でも、ビニレンカーボネート、メチルビニレンカーボネート、1,2−ジメチルビニレンカーボネート等のビニレンカーボネート誘導体類;ビニルエチレンカーボネート、1,2−ジビニルエチレンカーボネート等のビニルエチレンカーボネート誘導体が好ましい。特に、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネートがより好ましい。
本発明における炭素−炭素不飽和結合を有する環状カーボネートは、更に分子内にフッ素置換基を有していてもよい。この場合も、炭素−炭素不飽和結合は二重結合が好ましい。炭素−炭素不飽和結合及びフッ素置換を有する環状カーボネートの例としては、フルオロビニレンカーボネート、1,2−ジフルオロビニレンカーボネート、1−フルオロ−2−メチルビニレンカーボネート、1−フルオロ−2−フェニルビニレンカーボネート等のビニレンカーボネート誘導体類;1−フルオロ−2−ビニルエチレンカーボネート等のビニルエチレンカーボネート誘導体類が挙げられる。
なお、炭素−炭素不飽和結合を有する環状カーボネートは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
また、炭素−炭素不飽和結合を有する環状カーボネートの炭素数は通常3以上、また、通常20以下、好ましくは15以下である。さらに、炭素−炭素不飽和結合を有する環状カーボネートの分子量は通常80以上であり、また、通常250以下、好ましくは150以下である。炭素数や分子量が大きすぎると電解液に対する溶解性が悪くなり、本発明の効果を十分に発現できない虞がある。
[2−2.組成]
本発明における炭素−炭素不飽和結合を有する環状カーボネートの含有量は、該非水系有機溶媒の全体の容量に対して、通常0.01容量%以上、好ましくは0.1容量%以上、より好ましくは1容量%以上、また、通常20容量%以下、好ましくは10容量%以下、より好ましくは5容量%以下である。含有量が多すぎると、高温保存特性が悪化する傾向がある。また含有量が小さすぎると、本発明の効果を十分に発揮できない可能性がある。
[3.環状酸無水物]
[3−1.種類]
本発明における環状酸無水物は環状の酸無水物であれば特に制限はない。これらを例示すると、無水コハク酸、メチルコハク酸無水物、2,2−ジメチルコハク酸無水物、2,3−ジメチルコハク酸無水物、2,2,3−トリメチルコハク酸無水物、2,2,3,3−テトラメチルコハク酸無水物、ビニルコハク酸無水物、2,3−ジビニルコハク酸無水物、フェニルコハク酸無水物、2,3−ジフェニルコハク酸無水物、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水グルタル酸、無水グルタコン酸、無水ジグリコール酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水物、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、2−フェニルグルタル酸無水物、無水2−スルホ安息香酸、無水ヘキサフルオログルタル酸、などが挙げられる。
また本発明における環状酸無水物は好ましくは、炭素−炭素不飽和結合を有する環状酸無水物である。これらは還元電位がより貴であるために、初期充電時に還元されて負極上に保護被膜をより形成しやすいからである。これらを例示すると、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、フェニルコハク酸無水物、2−フェニルグルタル酸無水物、無水2−スルホ安息香酸、シクロペンテンジカルボン酸無水物、シクロヘキセンジカルボン酸無水物、モノフルオロマレイン酸無水物、2,3−ジフルオロマレイン酸無水物、トリフルオロメチルマレイン酸無水物などが挙げられる。これらのなかでも無水イタコン酸、無水シトラコン酸、フェニルコハク酸無水物、無水フタル酸、シクロペンテンジカルボン酸無水物、シクロヘキセンジカルボン酸無水物、トリフルオロメチルマレイン酸無水物が特に好ましい。
またこれら酸無水物の分子量は通常300以下、より好ましくは250以下、さらに好ましくは180以下のものである。分子量が大きすぎると非水系有機溶媒に溶解しない虞がある。
また上述した本発明における環状酸無水物は、1種類を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
[3−2.組成]
本発明における環状酸無水物の含有量は、該非水電解液の全体の重量に対して、0.001重量%以上、好ましくは0.01重量%以上、より好ましくは0.03重量%以上、さらに好ましくは0.05重量%以上、また1.5重量%以下、好ましくは1.0重量%以下、より好ましくは0.5重量%以下、さらに好ましくは0.25重量%以下、最も好ましくは0.2重量%以下である。含有量が多すぎると、負極抵抗が上昇して容量が低下する傾向がある。また、含有量が小さすぎると、本発明の効果を十分に発揮できない可能性がある。
[4.S=O基含有有機化合物]
[4−1.種類]
本発明におけるS=O基含有有機化合物は、分子内にS=O基を含有する有機化合物であれば特に制限はない。これらを例示すると、スルホキシド類、サルファイト類、スルホン類、スルホネート類、スルトン類、スルフェート類が挙げられるが、好ましくはサルファイト類、スルホン類、スルホネート類、スルトン類である。
サルファイト類を例示すると、ジメチルサルファイト、ジエチルサルファイト、エチレンサルファイト、プロピレンサルファイトなどが挙げられる。これらの中でもジメチルサルファイト、エチレンサルファイトが好ましい。
スルホン類を例示すると、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ジプロピルスルホン、ジフェニルスルホン、ジビニルスルホンなどの対称鎖状スルホン類;メチルエチルスルホン、メチルプロピルスルホン、メチルフェニルスルホン、メチルビニルスルホン、エチルフェニルスルホン、エチルビニルスルホン、フェニルビニルスルホンなどの非対称鎖状スルホン類;スルホラン、スルホレンなどの環状スルホン類が挙げられる。これらの中でもジメチルスルホン、メチルエチルスルホン、メチルプロピルスルホン、メチルビニルスルホンなどのメチルスルホン類およびジビニルスルホンが好ましい。
スルホネート類を例示すると、メチルメタンスルホネート、エチルメタンスルホネート、フェニルメタンスルホネート、メチルエタンスルホネート、エチルエタンスルホネート、フェニルエタンスルホネート、メチルベンゼンスルホネート、エチルベンゼンスルホネート、フェニルベンゼンスルホネート、ブスルファン、1,4−ブタンジオールビス(2,2,2−トリフルオロメタンスルホネート)、1,4−ブタンジオールビス(2,2,2−トリフルオロエタンスルホネート)、1,2,4−ブタントリオールトリメタンスルホネートなどが挙げられる。これらの中でもメチルメタンスルホネート、エチルメタンスルホネート、フェニルメタンスルホネートなどのメタンスルホネート類およびブスルファン、1,4−ブタンジオールビス(2,2,2−トリフルオロメタンスルホネート)、1,4−ブタンジオールビス(2,2,2−トリフルオロエタンスルホネート)などのジスルホネート類が好ましい。
スルトン類を例示すると、1,3−プロパンスルトン、1,3−プロペンスルトン、1,4−ブタンスルトン、1,4−ブテンスルトンなどが挙げられる。これらの中でも1,3−プロパンスルトン、1,3−プロペンスルトンが好ましい。
また上述した本発明におけるS=O基含有有機化合物は、1種類を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
[4−2.組成]
本発明におけるS=O基含有有機化合物の含有量は、該非水電解液の全体の重量に対して、0.001重量%以上、好ましくは0.01重量%以上、より好ましくは0.1重量%以上、さらに好ましくは0.3重量%以上、また10重量%以下、好ましくは5重量%以下、より好ましくは3重量%以下、さらに好ましくは2重量%以下である。含有量が多すぎると、負極抵抗が上昇して容量が低下する傾向がある。また、含有量が小さすぎると、本発明の効果を十分に発揮できない可能性がある。
[5.フッ素置換基及び/又は炭素−炭素不飽和結合を有する環状カーボネート以外の非水系有機溶媒]
[5−1.種類]
本発明における非水系有機溶媒は上述した様にフッ素置換基及び/又は炭素−炭素不飽和結合を有する環状カーボネートを含有するが、その他に含有する溶媒について特に制限はなく、公知の有機溶媒を用いることが可能である。これらを例示すると、フッ素置換されておらず炭素−炭素不飽和結合も有していない環状カーボネート類、鎖状カーボネート類、鎖状エステル類、環状エステル(ラクトン化合物)類、鎖状エーテル類、環状エーテル類、含窒素有機溶媒、含硫黄有機溶媒などが挙げられる。なかでも高いイオン導電性を発現させる溶媒として、通常、環状カーボネート類、鎖状カーボネート類、鎖状エステル類、環状エステル類、鎖状エーテル類、環状エーテル類、含窒素有機溶媒が好ましい。
フッ素置換されておらず炭素−炭素不飽和結合も有していない環状カーボネート類としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルエチレンカーボネート、ジエチルエチレンカーボネート、モノプロピルエチレンカーボネート、ジプロピルエチレンカーボネート、フェニルエチレンカーボネート、ジフェニルエチレンカーボネート、カテコールカーボネートなど挙げられる。これらの中でもエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート及びブチレンカーボネートからなる群から選ばれた少なくとも1種であることが好ましい。さらにはエチレンカーボネート及び/又はプロピレンカーボネートが特に好ましい。
鎖状カーボネート類としては、例えば、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、プロピルメチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルフェニルカーボネート、エチルフェニルカーボネート、ジフェニルカーボネートなどのカーボネート類;ビス(トリフルオロメチル)カーボネート、メチルトリフルオロメチルカーボネート、ビス(モノフルオロエチル)カーボネート、メチルモノフルオロエチルカーボネート、ビス(トリフルオロエチル)カーボネート、メチルトリフルオロエチルカーボネートなどのハロゲン置換カーボネート類が挙げられる。これらの中でもジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート及びエチルプロピルカーボネートからなる群から選ばれた少なくとも1種であることが好ましく、さらにはジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート及びジエチルカーボネートからなる群から選ばれた少なくとも1種であることが特に好ましい。
また、鎖状エステル類の具体例を挙げると、ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、酪酸エチル等が挙げられる。これらの中でも酢酸エチル、プロピオン酸メチル、酪酸メチルが好ましい。
また、環状エステル類の具体例を挙げると、γ−ブチロラクトン、α−メチル−γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン等が挙げられる。これらの中でもγ−ブチロラクトンが好ましい。
また、鎖状エーテル類の具体例を挙げると、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、ジエチルエーテル等が挙げられる。
また、環状エーテル類の具体例を挙げると、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン等が挙げられる。
また、含有窒素有機溶媒の具体例を挙げるとN−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン、N−ビニルピロリドン、アセトニトリルが挙げられる。
[5−2.組成比]
本発明における非水系有機溶媒では、フッ素置換されておらず炭素−炭素不飽和結合も有していない環状カーボネート類以外の溶媒としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良いが、2種以上の溶媒が混合して使用されることが好ましい。
特に、フッ素置換されておらず炭素−炭素不飽和結合も有していない環状カーボネート類と、鎖状カーボネート類又は鎖状エステル類とから主としてなることが好ましい。ここで、主としてなるとは、具体的には、非水系有機溶媒が、フッ素置換されておらず炭素−炭素不飽和結合も有していない環状カーボネート類と、鎖状カーボネート類又は鎖状エステル類とを合計で50容量%以上含有していることを指す。さらにはフッ素置換されておらず炭素−炭素不飽和結合も有していない環状カーボネート類の比率は、通常5容量%以上、好ましくは10容量%以上、さらに好ましくは15容量%以上であり、また、通常50容量%以下、好ましくは40容量%以下、さらに好ましくは30容量%以下である。
上記範囲の下限を下回るとリチウム塩の解離が起こりにくくなるため電導度が低下するので高負荷容量が減少しやすく、上限を上回ると粘度が高くなりすぎてLiイオンが移動しにくくなるため高負荷容量が減少しやすい傾向にある。
[6.リチウム塩]
リチウム塩は電解質として用いられる。リチウム塩の種類に特に制限はなく、無機リチウム塩及び有機リチウム塩のいずれを用いても良い。
無機リチウム塩の例を挙げると、LiPF6、LiAsF6、LiBF4、LiSbF6等の無機フッ化物塩;LiAlCl4等の無機塩化物塩;LiClO4、LiBrO4、LiIO4等の過ハロゲン酸塩などが挙げられる。
また、有機リチウム塩の例を挙げると、CF3SO3Li、C49SO3Li等のパーフルオロアルカンスルホン酸塩;CF3COOLi等のパーフルオロアルカンカルボン酸塩;(CF3CO)2NLi等のパーフルオロアルカンカルボンイミド塩;(CF3SO22NLi、(C25SO22NLi等のパーフルオロアルカンスルホンイミド塩等の含フッ素有機リチウム塩などが挙げられる。
これらの中でも、非水系有機溶媒に溶けやすく、且つ高い解離度を示すことから、LiPF6、LiBF4、CF3SO3Li、(CF3SO22NLiなどが好ましい。
なお、リチウム塩は1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
また、特にLiPF6とLiBF4との併用、あるいは、LiPF6と(CF3SO22NLiとの併用は、連続充電特性の改善に効果があるので好ましい。
さらに、非水系電解液中のリチウム塩の濃度は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、非水系電解液に対して、通常0.5mol/L以上、好ましくは0.75mol/L以上であり、また、通常2mol/L以下、好ましくは1.75mol/L以下である。リチウム塩の濃度が低すぎると非水系電解液の電気伝導率が不十分になる虞がある。一方、リチウム塩の濃度が高すぎると粘度上昇のため電気伝導率が低下し、また、低温での析出が起こりやすくなり、リチウム二次電池の性能が低下する傾向がある。
[7.被膜形成剤]
本発明にかかる非水系電解液は、負極上に被膜を形成させ、電池特性を改善させる目的で、さらにモノフルオロリン酸塩及びジフルオロリン酸塩からなる1種を含有していることが好ましい。モノフルオロリン酸塩及びジフルオロリン酸塩としては、モノフルオロリン酸ナトリウム、モノフルオロリン酸リチウム、モノフルオロリン酸カリウム、ジフルオロリン酸ナトリウム、ジフルオロリン酸リチウム、ジフルオロリン酸カリウムが好ましく、さらにはモノフルオロリン酸リチウム、ジフルオロリン酸リチウムが特に好ましい。
モノフルオロリン酸塩及びジフルオロリン酸塩の濃度は電解液全体に対して通常0.01重量%以上、好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは0.2重量%以上、また、通常10重量%以下、好ましくは3重量%以下、より好ましくは2重量%以下、さらに好ましくは1重量%以下である。モノフルオロリン酸塩及びジフルオロリン酸塩の濃度が大きすぎると、負極の反応抵抗が上昇し容量が低下する傾向がある。また、濃度が小さすぎると、本発明の効果を十分に発揮できない可能性がある。
[8.その他の助剤]
本発明における非水系電解液は、本発明の効果を著しく損なわない範囲において、非水系電解液の濡れ性、過充電特性等を改善する目的で他の助剤を含有させても良い。
助剤の例としては、酢酸ビニル、アジピン酸ジビニル、酢酸アリル等のカルボン酸エステル;t−ブチルベンゼン、t−アミルベンゼン、ビフェニル、o−ターフェニル、2−フルオロビフェニル、4−フルオロビフェニル、2,4−ジフルオロビフェニル、フルオロベンゼン、2,4−ジフルオロベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、ジフェニルエーテル、2,4−ジフルオロアニソール、3,5−ジフルオロアニソール、トリフルオロメチルベンゼン等の芳香族化合物及びこの芳香族化合物をフッ素原子で置換したものなどが挙げられる。また、助剤は1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
また、非水系電解液中における助剤の濃度は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常0.01重量%以上、好ましくは0.1重量%以上、また、通常5重量%以下、好ましくは3重量%以下である。なお、助剤を2種以上併用する場合は、これらの濃度の合計が上記範囲内に収まるようにすることが好ましい。
[9.非水系電解液の状態]
非水系電解液は、本発明のリチウム二次電池に用いる際、通常は液体状態で存在するが、例えば、これを高分子によってゲル化して、半固体状電解質にしてもよい。ゲル化に用いる高分子は任意であるが、例えばポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリレート、ポリメタクリレートなどが挙げられる。なお、ゲル化に用いる高分子は1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
また、非水系電解液を半固体状電解質として用いる場合、半固体状電解質に占める非水系電解液の比率は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。好適な範囲としては、半固体状電解質の総量に対する非水系電解液の比率が、通常30重量%以上、好ましくは50重量%以上、より好ましくは75重量%以上であり、また、通常99.95重量%以下、好ましくは99重量%以下、より好ましくは98重量%以下である。非水系電解液の比率が大きすぎると、電解液の保持が困難となり液漏れが生じやすくなる虞があり、逆に少なすぎると充放電効率や容量の点で不十分となることがある。
[10.非水系電解液の製造方法]
本発明における非水系電解液の製造方法は特に制限は無いが、例えば、フッ素置換基及び/又は炭素−炭素不飽和結合を含有した環状カーボネートを含有した非水系有機溶媒にリチウム塩を加え、さらに本発明における環状酸無水物及びS=O基含有有機化合物を該非水電解液の重量に対してそれぞれ0.001〜1.5重量%及び0.001〜10重量%となるように添加することにより調製することができる。
非水系電解液を調製するに際しては、非水系電解液の各原料、即ち、リチウム塩、本発明におけるフッ素置換基及び/又は炭素−炭素不飽和結合を有する環状カーボネート、他の非水系有機溶媒、本発明における環状酸無水物及びS=O基含有有機化合物並びに他の助剤は、予め脱水しておくことが好ましい。非水系電解液中に水が存在すると、水の電気分解、水とリチウム金属との反応、リチウム塩の加水分解などが起こる可能性があり、好ましくないからである。脱水の程度としては、水分含有率が通常50ppm以下、好ましくは30ppm以下となるまで脱水することが望ましい。なお、本明細書においてppmとは、重量を基準にした比率を意味する。
脱水の手段としては特に制限はないが、例えば、脱水する対象が非水系有機溶媒などの液体の場合は、モレキュラーシーブ等を用いればよい。また脱水する対象が電解質などの固体の場合は、分解が起きる温度以下で乾燥させればよい。
[11.メカニズム]
本発明の効果が得られるメカニズムは定かではないが、以下のように考えられる。
本発明における環状酸無水物は電池作製の初期充電時にその一部が還元され、負極上に保護被膜を形成する。しかしながらこの保護被膜はフッ素置換及び/又は炭素−炭素不飽和結合を含有する環状カーボネートを含有した溶媒に徐々に溶解してしまうために、負極を持続的に保護できないという問題点を抱えている。被膜による保護をうけない負極においては、溶媒等の還元分解が進行して抵抗の増大を招き、充電時にリチウムが析出して容量低下へとつながる。
一方で、環状酸無水物から形成される保護被膜はフッ素置換及び/又は炭素−炭素不飽和結合を含有する環状カーボネートを含有しない溶媒に対して溶解しにくいので、悪影響は認められない。すなわち先に述べた問題点はフッ素置換及び/又は炭素−炭素不飽和結合を含有する環状カーボネートを含有した溶媒を用いた場合に限られる。
この問題点は、電解液中にさらに本発明におけるS=O基含有有機化合物を特定量存在させることで解決する。S=O基含有有機化合物は、初期充電時に本発明における環状酸無水物が還元される際に、その一部が反応し、負極被膜中に取り込まれる。すなわちS=O基含有有機化合物が存在することで負極上に環状酸無水物とS=O基含有有機化合物とに由来するハイブリッド被膜を形成する。このハイブリッド被膜はフッ素置換環状カーボネートを含有した溶媒に対して溶解しにくいために、負極上での反応が抑制され充電時にリチウムが析出しにくくなる。したがって連続充電を行った場合の容量劣化が少なくなる。
[II.リチウム二次電池]
本発明のリチウム二次電池は、上述した本発明の非水系電解液と、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な正極及び負極とを備えて構成される。また、本発明のリチウム二次電池はその他の構成を備えていても良い。例えば、リチウム二次電池は、通常、スペーサを備えている。
[1.正極]
正極は、リチウムの吸蔵及び放出が可能なものであれば、本発明の効果を著しく損なわない限り任意のものを用いることができる。
通常は、正極として、集電体上に正極活物質層を設けて構成されたものを用いる。なお、正極は適宜その他の層を備えていてもよい。
[1−1.正極活物質層]
正極活物質層は、正極活物質を含んで構成される。正極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵・放出可能なものであれば、その種類に制限はない。例としては、Fe、Co、Ni、Mnなどの遷移金属の酸化物、遷移金属とリチウムとの複合酸化物、遷移金属の硫化物などが挙げられる。
遷移金属の酸化物の具体例としては、MnO、V25、V613、TiO2などが挙げられる。また、遷移金属とリチウムとの複合酸化物の具体例としては、基本組成がLiNiO2等のリチウムニッケル複合酸化物;基本組成がLiCoO2等のリチウムコバルト複合酸化物;基本組成がLiMnO2、LiMnO4等のリチウムマンガン複合酸化物などが挙げられる。さらに、遷移金属の硫化物の具体例としては、TiS2,FeSなどが挙げられる。
なかでも、リチウムと遷移金属との複合酸化物は、リチウム二次電池の高容量と高サイクル特性とを両立させることができるため、好ましい。本発明では特にリチウムニッケル含有遷移金属酸化物が好ましく、これらを例示するとLiNiO2、LiNixy2(MはAl、B、Ti、Zr、V、Cr、Mn、Fe、Co、Cu、Zn、Mg、Ca及びGaから選ばれた少なくとも1種以上であり、x及びyは任意の数字を表す)が挙げられる。Mとしては特にCo、Mn、Fe、Al,Mg、Tiが好ましく、特にMn単独、及びCo−Mn、Co−Al、Co−Al−Mgの組み合わせが熱安定性を向上させるのに有効である。
具体的にはLiNi1-a-bMnaCobO2(a,bは0以上1未満の数字を表す)、LiNi1-c-dCoaAldMgeO2(c,d,eは0以上1未満の数字を表す)が好ましく、さらにはLiNi1-a-bMnaCobO2(0≦a<0.4、0≦b<0.4)、LiNi1-c-dCoaAldMgeO2(0≦c<0.3、0≦d<0.1、0≦e<0.05)が好ましく、特にLiNi1/3Mn1/3Co1/3O2、LiNi0.5Mn0.3Co0.2O2、LiNi0.5Mn0.5O2、LiNi0.85Co0.10Al0.05O2、LiNi0.85Co0.10Al0.03Mg0.02O2が好ましい。
さらに、上述した遷移金属とリチウムとの複合酸化物の表面をAl、B、Ti、Zr、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Mg、Ca、Ga等の金属の酸化物で被覆すると、高電圧における溶媒の酸化反応が抑制されて好ましい。なかでもAl23、TiO2、ZrO2、MgOは強度が高く、安定した被覆効果を発現させるため特に好ましい。
なお、これらの正極活物質は、何れか1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
正極活物質の比表面積は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常0.1m2/g以上、好ましくは0.2m2/g以上であり、また、通常10m2/g以下、好ましくは5.0m2/g以下、さらに好ましくは3.0m2/g以下である。比表面積が小さすぎるとレート特性の低下、容量の低下を招く虞があり、また、大きすぎると正極活物質が非水系電解液等と好ましくない反応を引き起こし、サイクル特性を低下させる虞がある。
さらに、正極活物質の平均2次粒径も、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常0.2μm以上、好ましくは0.3μm以上、また、通常20μm以下、好ましくは10μm以下である。平均2次粒径が小さすぎるとリチウム二次電池のサイクル劣化が大きくなったり、取り扱いが難しくなったりする場合があり、大きすぎると電池の内部抵抗が大きくなり出力が出にくくなる場合がある。
また、正極活物質層の厚さは、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常1μm以上、好ましくは10μm以上、さらに好ましくは20μm以上、最も好ましくは40μm以上であり、また、通常200μm以下、好ましくは150μm以下、より好ましくは100μm以下である。薄すぎると塗布が困難になり均一性が確保しにくくなるだけでなく、本発明のリチウム二次電池の容量が小さくことがある。一方、厚すぎるとレート特性が低下する虞がある。
正極活物質層は、例えば、上述の正極活物質と、結着剤(バインダー)と、必要に応じて各種の助剤等とを、溶媒でスラリー化して塗布液とし、その塗布液を集電体に塗布し、乾燥することにより製造することができる。また、例えば、上述の正極活物質をロール成形してシート電極としたり、圧縮成形によりペレット電極としても良い。
以下、スラリーを正極集電体に塗布・乾燥する場合について説明する。
結着剤としては、非水系電解液に用いる非水溶媒や電極製造時に用いる溶媒に対して安定な材料であれば、その種類は特に制限されないが、耐候性、耐薬品性、耐熱性、難燃性等を考慮して選択するのが好ましい。具体例としては、シリケート、水ガラスのような無機化合物や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1,1−ジメチルエチレン等のアルカン系ポリマー;ポリブタジエン、ポリイソプレン等の不飽和系ポリマー;ポリスチレン、ポリメチルスチレン、ポリビニルピリジン、ポリ−N−ビニルピロリドン等の環を有するポリマー;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド等のアクリル誘導体系ポリマー;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂;ポリアクリロニトリル、ポリビニリデンシアニド等のCN基含有ポリマー;ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール系ポリマー;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン含有ポリマー;ポリアニリン等の導電性ポリマーなどが使用できる。
また、上記のポリマーなどの混合物、変成体、誘導体、ランダム共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体、ブロック共重合体なども使用できる。
これらの中で好ましい結着剤は、フッ素系樹脂、CN基含有ポリマーである。
なお、結着剤は、1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
また、結着剤として樹脂を用いる場合、その樹脂の重量平均分子量は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常1万以上、好ましくは10万以上であり、また、通常300万以下、好ましくは100万以下である。分子量が低すぎると電極の強度が低下する傾向にある。一方、分子量が高すぎると粘度が高くなり、電極の形成が困難になることがある。
さらに、結着剤の使用量は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、正極活物質(負極に用いる場合は、負極活物質。以下、正極活物質と負極活物質とを区別せずにいう場合、単に「活物質」という)100重量部に対して、通常0.1重量部以上、好ましくは1重量部以上であり、また、通常30重量部以下、好ましくは20重量部以下である。結着剤の量が少なすぎると電極の強度が低下する傾向にあり、結着剤の量が多すぎるとイオン伝導度が低下する傾向にある。
また、電極には、上記のように各種の助剤等を含有させても良い。助剤等の例としては、電極の導電性を高める導電性材料、電極の機械的強度を向上させる補強材などが挙げられる。
導電性材料の具体例としては、活物質に適量混合して導電性を付与できるものであれば特に制限はないが、通常、アセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛などの炭素粉末や、各種の金属のファイバー、箔などが挙げられる。
また、補強材の具体例としては、各種の無機、有機の球状、繊維状フィラーなどが使用できる。
なお、これらの助剤等は、1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
スラリーを形成するための溶媒としては、活物質、結着剤、並びに必要に応じて使用される助剤等を溶解又は分散することが可能な溶媒であれば、その種類に特に制限はなく、水系溶媒と有機系溶媒のどちらを用いても良い。
水系溶媒の例としては水、アルコールなどが挙げられる。一方、有機系溶媒の例としてはN−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、アクリル酸メチル、ジエチルトリアミン、N−N−ジメチルアミノプロピルアミン、エチレンオキシド、テトラヒドロフラン(THF)、トルエン、アセトン、ジメチルエーテル、ジメチルアセタミド、ヘキサメチルホスファルアミド、ジメチルスルホキシド、ベンゼン、キシレン、キノリン、ピリジン、メチルナフタレン、ヘキサン等が挙げられる。
なお、これらの溶媒は、1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
また、塗布・乾燥によって得られた活物質層は、正極活物質の充填密度を上げるため、ローラープレス等により圧密するのが好ましい。
[1−2.集電体]
集電体の素材としては、公知のものを任意に使用することができるが、通常は金属や合金が用いられる。具体的には、正極の集電体としては、アルミニウムやニッケル、SUS(ステンレス)等が挙げられる。中でも、正極の集電体としてはアルミニウムが好ましい。なお、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
さらに、集電体と表面に形成された活物質層との結着効果を向上させるため、これら集電体の表面を予め粗面化処理しておくのが好ましい。表面の粗面化方法としては、ブラスト処理や粗面ロールにより圧延するなどの方法、研磨剤粒子を固着した研磨布紙、砥石、エメリバフ、鋼線などを備えたワイヤーブラシなどで集電体表面を研磨する機械的研磨法、電解研磨法、化学研磨法などが挙げられる。
また、集電体の形状は任意である。例えば、電池の重量を低減させる、即ち重量当たり
のエネルギー密度を向上させるために、エキスパンドメタルやパンチングメタルのような穴あきタイプの集電体を使用することもできる。この場合、その開口率を変更することで重量も自在に変更可能となる。また、このような穴あけタイプの集電体の両面に塗布層を形成させた場合、この穴を通しての塗布層のリベット効果により塗布層の剥離がさらに起こりにくくなる傾向にあるが、開口率があまりに高くなった場合には、塗布層と集電体との接触面積が小さくなるため、かえって接着強度は低くなる。
正極集電体として薄膜を使用する場合、その厚さは本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常1μm以上、好ましくは5μm以上であり、通常100μm以下、好ましくは50μm以下である。厚すぎると、電池全体の容量が低下することになり、逆に薄すぎると取り扱いが困難になる。
[2.負極]
負極は、リチウムの吸蔵及び放出が可能なものであれば、本発明の効果を著しく損なわない限り任意のものを用いることができる。
通常は、正極の場合と同様に、負極も集電体上に負極活物質層を設けて構成されたものを用いる。なお、正極と同様に、負極も適宜その他の層を備えていてもよい。
[2−1.負極活物質]
負極活物質としては、リチウムイオンの吸蔵放出が可能な材料であれば他に制限は無く、例えば公知の負極活物質を任意に用いることができる。例えば、コークス、アセチレンブラック、メゾフェーズマイクロビーズ、グラファイト等の炭素質材料;リチウム金属;リチウム−シリコン、リチウム−スズ等のリチウム合金、チタン酸リチウムなどを使用することが好ましい。これらの中でもサイクル特性及び安全性が良好でさらに連続充電特性も優れている点で、炭素質材料を使用するのが最も好ましい。なお、負極活物質は1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
さらに、負極活物質の粒径は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、初期効率、レ−ト特性、サイクル特性等の電池特性が優れる点で、通常1μm以上、好ましくは15μm以上であり、通常50μm以下、好ましくは30μm以下程度である。
また、例えば、上記の炭素質材料をピッチ等の有機物で被覆した後で焼成したもの、CVD法等を用いて表面に上記炭素質材料よりも非晶質の炭素を形成したものなども、炭素質材料として好適に使用することができる。ここで、被覆に用いる有機物としては、軟ピッチから硬ピッチまでのコールタールピッチ;乾留液化油等の石炭系重質油;常圧残油、減圧残油等の直留系重質油;原油、ナフサ等の熱分解時に副生する分解系重質油(例えばエチレンヘビーエンド)等の石油系重質油が挙げられる。また、これらの重質油を200〜400℃で蒸留して得られた固体状残渣物を、1〜100μmに粉砕したものも使用することができる。さらに塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂、イミド樹脂なども使用することができる。
負極活物質層は、例えば、上述の負極活物質をロール成形してシート電極としたり、圧縮成形によりペレット電極としたりすることも可能であるが、通常は、正極活物質層の場合と同様に、上述の負極活物質と、結着剤と、必要に応じて各種の助剤等とを、溶媒でスラリー化してなる塗布液を、集電体に塗布し、乾燥することにより製造することができる。スラリーを形成する溶媒や結着剤、助剤等としては、正極活物質について上述したものと同様のものを使用することができる。
[2−2.集電体]
負極の集電体の材質としては、公知のものを任意に用いることができるが、例えば、銅、ニッケル、SUS等の金属材料が用いられる。中でも加工し易さとコストの点から特に銅が好ましい。
また、負極の集電体も、正極の集電体と同様に、予め粗面化処理しておくのが好ましい。
さらに、正極同様、集電体の形状も任意であり、エキスパンドメタルやパンチングメタルのような穴あきタイプの集電体を使用することもできる。また、集電体として薄膜を使用する場合の好ましい厚さも、正極の場合と同様である。
[3.スペーサ]
正極と負極との間には、短絡を防止するために、通常はスペーサを介在させる。スペーサの材質や形状は特に制限されないが、上述の非水系電解液に対して安定で、保液性に優れ、且つ、電極同士の短絡を確実に防止できるものが好ましい。
スペーサの材料としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンや、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルスルホン等を用いることができるが、好ましくはポリオレフィンである。
また、スペーサの形状としては多孔性のものが好ましい。この場合、非水系電解液は、多孔性のスペーサに含浸させて用いる。
スペーサの厚さは、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常1μm以上、好ましくは5μm以上、さらに好ましくは10μm以上であり、また、通常50μm以下、好ましくは40μm以下、さらに好ましくは30μm以下である。スペーサが薄すぎると、絶縁性や機械的強度が悪化することがあり、厚すぎるとレート特性等の電池性能が悪化する虞があるばかりでなく、電池全体としてのエネルギー密度が低下する虞がある。
また、スペーサとして多孔性の膜を用いる場合、スペーサの空孔率は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常20%以上、好ましくは35%以上、さらに好ましくは45%以上であり、通常90%以下、好ましくは85%以下、さらに好ましくは75%以下である。空孔率が小さすぎると膜抵抗が大きくなりレート特性が悪化する傾向にある。また大きすぎると膜の機械的強度が低下し絶縁性が低下する傾向にある。
さらに、スペーサとして多孔性の膜を用いる場合、スペーサの平均孔径も、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常0.5μm以下、好ましくは0.2μm以下であり、通常0.05μm以上である。あまりに大きいと短絡が生じやすくなり、小さすぎると膜抵抗が大きくなりレート特性が低下する虞がある。
[4.二次電池の組立]
本発明のリチウム二次電池は、上述した本発明における非水系電解液と、正極と、負極と、必要に応じて用いられるスペーサとを、適切な形状に組み立てることにより製造される。更に、必要に応じて外装ケース等の他の構成要素を用いることも可能である。さらに、本発明のリチウム二次電池の形状は特に制限されず、一般的に採用されている各種形状の中から、その用途に応じて適宜選択することができる。例えば、コイン型電池、円筒型電池、角型電池などが上げられる。また、電池を組み立てる方法も特に制限されず、目的とする電池の形状に合わせて、通常用いられている各種方法の中から適宜選択することができる。
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例及び比較例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意に変形して実施することができる。
<試験操作の説明>
[正極の製造]
正極活物質であるリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(LiNi1/3Co1/3Mn1/32)94重量部とポリフッ化ビニリデン(以下適宜、「PVdF」という)3重量部とアセチレンブラック3重量部とを混合し、N−メチルピロリドンを加えてスラリー状にしたものを、アルミニウムからなる集電体の両面に塗布・乾燥して正極を得た。
[負極の製造]
負極活物質であるグラファイト粉末94重量部とPVdF6重量部とを混合し、N−メチルピロリドンを加えスラリー状にしたものを、銅からなる集電体の片面に塗布・乾燥して負極を得た。
[リチウム二次電池の製造]
上記の正極、負極、及びポリエチレン製セパレータを、負極、セパレータ、正極、セパレータ、負極の順に積層した。こうして得られた電池要素を筒状のアルミニウムラミネートフィルムで包み込み、後述する電解液を注入した後で真空封止し、シート状の非水系電解液二次電池を作製した。更に、電極間の密着性を高めるために、ガラス板でシート状電池を挟んで加圧した。
[容量評価試験]
25℃の恒温槽中、0.2Cに相当する電流で4.1Vまで定電流−定電圧充電(以下適宜、「CCCV充電」という)した後、0.2Cで3Vまで放電した。これを3回繰り返し初期のフォーメーションを行なった。次いで、0.2Cで4.4VまでCCCV充電した後、0.2Cで3Vまで再度放電し、初期放電容量を求めた。なお充電時のカット電流は0.05Cとした。
ここで、1Cとは電池の基準容量を1時間で放電する電流値を表し、例えば、0.2Cとはその1/5の電流値を表す。
[連続充電特性評価試験]
容量評価の終了した電池を60℃の恒温槽に入れ、0.2Cで4.45Vまで定電流充電し、4.45Vに到達したところで定電圧充電に切り替えた。7日間充電を行った後で通電を停止し、電池を取り出し25℃の条件下、まず0.2Cで3Vまで放電し、ついで0.2Cで4.4VまでCCCV充電(充電時のカット電流は0.05C)した後、0.2Cで3Vまで放電して、連続充電後の放電容量を求めた。また連続充電試験前後での放電容量回復率を下記計算式により求めた。
[数1]
容量回復率(%)=連続充電後の放電容量(mAh/g)/初期放電容量(mAh/g)
<実施例1>
フルオロエチレンカーボネート(FEC)、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)およびエチルメチルカーボネート(EMC)との混合溶媒(混合体積比10:10:70:10)に、電解質であるLiPF6を1mol/Lの割合で溶解させ、さらに無水シトラコン酸及び1,3−プロパンスルトン(PS)を電解液全体の重量に対してそれぞれ0.2重量%及び1重量%となるように添加して非水系電解液とした。
得られた非水系電解液を用いて、上述した方法にしたがってリチウム二次電池を作製し、容量評価試験、連続充電特性評価試験を行なった。結果を表1に示す。
<実施例2>
無水シトラコン酸の代わりに無水イタコン酸を用いた以外は実施例1と同様に二次電池を作製し、評価を行なった。結果を表1に示す。
<実施例3>
無水シトラコン酸の代わりに無水マレイン酸を用いた以外は実施例1と同様に二次電池を作製し、評価を行なった。結果を表1に示す。
<実施例4>
無水シトラコン酸の代わりにフェニルコハク酸無水物を用いた以外は実施例1と同様に二次電池を作製し、評価を行なった。結果を表1に示す。
<実施例5>
無水シトラコン酸の代わりに無水コハク酸を用いた以外は実施例1と同様に二次電池を作製し、評価を行なった。結果を表1に示す。
<実施例6>
1,3−プロパンスルトンの代わりに1,3−プロペンスルトン(PRS)を用いた以外は実施例1と同様に二次電池を作製し、評価を行なった。結果を表1に示す。
<実施例7>
1,3−プロパンスルトンの代わりにジメチルスルホン(DMS)を用いた以外は実施例1と同様に二次電池を作製し、評価を行なった。結果を表1に示す。
<実施例8>
無水シトラコン酸の添加量を0.1重量%とした以外は実施例1と同様に二次電池を作製し、評価を行なった。結果を表1に示す。
<実施例9>
無水シトラコン酸の添加量を0.5重量%とした以外は実施例1と同様に二次電池を作製し、評価を行なった。結果を表1に示す。
<実施例10>
エチレンカーボネート(EC)及びジメチルカーボネート(DMC)とビニレンカーボネート(VC)の混合溶媒(混合体積比30:69:1)に、電解質であるLiPF6を1mol/Lの割合で溶解させ、さらに無水シトラコン酸及び1,3−プロパンスルトン(PS)を電解液全体の重量に対してそれぞれ0.2重量%及び1重量%となるように添加して非水系電解液とした以外は実施例1と同様に二次電池を作製し、評価を行なった。結果を表1に示す。
<比較例1>
無水シトラコン酸を添加しなかった以外は実施例1と同様に二次電池を作製し、評価を行なった。結果を表1に示す。
<比較例2>
1,3−プロパンスルトンを添加しなかった以外は実施例1と同様に二次電池を作製し、評価を行なった。結果を表1に示す。
<比較例3>
無水シトラコン酸の添加量を2重量%とした以外は実施例1と同様に二次電池を作製し、評価を行なった。結果を表1に示す。
<比較例4>
エチレンカーボネート(EC)及びジメチルカーボネート(DMC)との混合溶媒(混合体積比30:70)に、電解質であるLiPF6を1mol/Lの割合で溶解させ、さらに無水シトラコン酸及び1,3−プロパンスルトン(PS)を電解液全体の重量に対してそれぞれ0.2重量%及び1重量%となるように添加して非水系電解液とした以外は実施例1と同様に二次電池を作製し、連続充電特性評価試験を行なった。結果を表1に示す。
<比較例5>
無水シトラコン酸を添加しなかった以外は比較例4と同様に二次電池を作製し、連続充電特性評価試験を行なった。結果を表1に示す。
Figure 2011054490
表1より、本発明にかかる実施例1〜9の非水系電解液を用いると、環状酸無水物が添加されていない場合(比較例1)や、S=O基含有有機化合物が添加されていない場合(比較例2)、環状酸無水物が1重量%を超えて添加されている場合(比較例3)に比べ、連続充電前後での容量維持率が大幅に向上することがわかる。また比較例4〜5からは、フッ素置換基及び炭素−炭素不飽和結合の双方を有しない環状カーボネートを含有しない電解液の場合には、環状酸無水物とS=O基含有有機化合物の両方を添加しても効果がなく、炭素−炭素不飽和結合を含有したカーボネートをさらに含有した場合に連続充電前後での容量維持率が向上することがわかる(実施例10)。
本発明のリチウム二次電池の用途は特に限定されず、公知の各種の用途に用いることが可能である。具体例としては、ノートパソコン、ペン入力パソコン、モバイルパソコン、電子ブックプレーヤー、携帯電話、携帯ファックス、携帯コピー、携帯プリンター、ヘッドフォンステレオ、ビデオムービー、液晶テレビ、ハンディークリーナー、ポータブルCDプレイヤー、ミニディスクプレイヤー、トランシーバー、電子手帳、電卓、メモリーカード、携帯テープレコーダー、ラジオ、バックアップ電源、モーター、照明器具、玩具、ゲーム機器、時計、ストロボ、カメラ等を挙げることができる。

Claims (8)

  1. リチウム塩が非水系有機溶媒に溶解されてなる非水系電解液において、該非水系有機溶媒は、フッ素置換基及び/又は炭素−炭素不飽和結合を有する環状カーボネートを含有し、さらに該非水系電解液が、環状酸無水物及びS=O基含有有機化合物を、該非水電解液の重量に対してそれぞれ0.001〜1.5重量%及び0.001〜10重量%含有することを特徴とする非水系電解液。
  2. 環状酸無水物が炭素−炭素不飽和結合を有する環状酸無水物であることを特徴とする請求項1記載の非水系電解液。
  3. 環状酸無水物が分子量250以下の環状酸無水物であることを特徴とする請求項1又は2記載の非水系電解液。
  4. S=O基含有有機化合物がスルホキシド類、サルファイト類、スルホン類、スルホネート類、スルトン類及びスルフェート類からなる群から選ばれる一種以上であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか記載の非水系電解液。
  5. 環状酸無水物及びS=O基含有有機化合物を、該非水電解液の重量に対してそれぞれ0.001〜0.25重量%及び0.001〜5重量%含有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の非水系電解液。
  6. フッ素置換環状カーボネートが、一般式(1)で表されるカーボネートであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の非水系電解液。
    Figure 2011054490
    (式中、R1〜R4はそれぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜4のフッ素置換アルキル基であり、R1〜R4の少なくとも1つはフッ素原子または炭素数1〜4のフッ素置換アルキル基である。)
  7. 炭素−炭素不飽和結合を有する環状カーボネートが、ビニレンカーボネート誘導体類及びビニルエチレンカーボネート誘導体からなる群から選ばれた少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の非水系電解液。
  8. リチウムイオンを吸蔵・放出可能な負極及び正極、並びに非水系電解液を含む非水系電解液電池であって、該非水系電解液が請求項1ないし7のいずれかに記載の非水系電解液であることを特徴とするリチウム二次電池。
JP2009203941A 2009-09-03 2009-09-03 非水系電解液及びそれを用いたリチウム二次電池 Active JP5391938B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009203941A JP5391938B2 (ja) 2009-09-03 2009-09-03 非水系電解液及びそれを用いたリチウム二次電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009203941A JP5391938B2 (ja) 2009-09-03 2009-09-03 非水系電解液及びそれを用いたリチウム二次電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011054490A true JP2011054490A (ja) 2011-03-17
JP5391938B2 JP5391938B2 (ja) 2014-01-15

Family

ID=43943272

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009203941A Active JP5391938B2 (ja) 2009-09-03 2009-09-03 非水系電解液及びそれを用いたリチウム二次電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5391938B2 (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013038842A1 (ja) * 2011-09-12 2013-03-21 日本電気株式会社 二次電池
WO2013058235A1 (ja) * 2011-10-17 2013-04-25 宇部興産株式会社 非水電解液及びそれを用いた蓄電デバイス
JP2013232298A (ja) * 2012-04-27 2013-11-14 Mitsubishi Chemicals Corp 非水系電解液及びそれを用いた非水系電解液電池
WO2015037323A1 (ja) * 2013-09-13 2015-03-19 日本電気株式会社 電解液及び二次電池
FR3017247A1 (fr) * 2014-02-06 2015-08-07 Renault Electrolytes non aqueux a base de composes sulfones pour batteries au lithium
WO2015146685A1 (ja) * 2014-03-28 2015-10-01 ダイキン工業株式会社 電解液、電気化学デバイス、二次電池、及び、モジュール
KR20150128362A (ko) * 2014-05-09 2015-11-18 삼성에스디아이 주식회사 리튬 이차 전지
JP2016536776A (ja) * 2014-09-29 2016-11-24 シェンヂェン キヤプケム テクノロジー 力ンパニー リミテッドShenzhen Capchem Technology Co.,Ltd. 高電圧リチウムイオン電池の電解液及び高電圧リチウムイオン電池
US9716290B2 (en) 2012-10-03 2017-07-25 Gs Yuasa International Ltd. Nonaqueous electrolyte secondary battery and method for producing nonaqueous electrolyte secondary battery
US10355312B2 (en) 2014-03-27 2019-07-16 Daikin Industries, Ltd. Electrolyte and electrochemical device
WO2020065831A1 (ja) * 2018-09-27 2020-04-02 株式会社村田製作所 リチウムイオン二次電池

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003132948A (ja) * 2001-10-26 2003-05-09 Toshiba Corp 非水電解質二次電池
JP2003151623A (ja) * 2001-11-14 2003-05-23 Japan Storage Battery Co Ltd 非水系二次電池
JP2004022174A (ja) * 2002-06-12 2004-01-22 Yuasa Corp 非水電解質電池
JP2004047413A (ja) * 2001-12-11 2004-02-12 Hitachi Maxell Ltd 非水電解液およびそれを用いた非水電解液電池
JP2006156331A (ja) * 2004-11-05 2006-06-15 Sony Corp 電池
JP2007299541A (ja) * 2006-04-27 2007-11-15 Mitsubishi Chemicals Corp 非水系電解液及びそれを用いた非水系電解液二次電池
JP2008016422A (ja) * 2006-06-07 2008-01-24 Sony Corp 電解質およびこれを用いた電池、並びに角型電池用電解質およびこれを用いた角型電池
JP2008198432A (ja) * 2007-02-09 2008-08-28 Sony Corp 電池
JP2009176719A (ja) * 2007-12-26 2009-08-06 Sony Corp 電解液、二次電池およびスルホン化合物

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003132948A (ja) * 2001-10-26 2003-05-09 Toshiba Corp 非水電解質二次電池
JP2003151623A (ja) * 2001-11-14 2003-05-23 Japan Storage Battery Co Ltd 非水系二次電池
JP2004047413A (ja) * 2001-12-11 2004-02-12 Hitachi Maxell Ltd 非水電解液およびそれを用いた非水電解液電池
JP2006024575A (ja) * 2001-12-11 2006-01-26 Hitachi Maxell Ltd 非水電解液およびそれを用いた非水電解液電池
JP2004022174A (ja) * 2002-06-12 2004-01-22 Yuasa Corp 非水電解質電池
JP2006156331A (ja) * 2004-11-05 2006-06-15 Sony Corp 電池
JP2007299541A (ja) * 2006-04-27 2007-11-15 Mitsubishi Chemicals Corp 非水系電解液及びそれを用いた非水系電解液二次電池
JP2008016422A (ja) * 2006-06-07 2008-01-24 Sony Corp 電解質およびこれを用いた電池、並びに角型電池用電解質およびこれを用いた角型電池
JP2008198432A (ja) * 2007-02-09 2008-08-28 Sony Corp 電池
JP2009176719A (ja) * 2007-12-26 2009-08-06 Sony Corp 電解液、二次電池およびスルホン化合物

Cited By (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013038842A1 (ja) * 2011-09-12 2013-03-21 日本電気株式会社 二次電池
JPWO2013038842A1 (ja) * 2011-09-12 2015-03-26 日本電気株式会社 二次電池
US9620816B2 (en) 2011-10-17 2017-04-11 Ube Industries, Ltd. Non-aqueous electrolyte solution and electricity-storage device using same
WO2013058235A1 (ja) * 2011-10-17 2013-04-25 宇部興産株式会社 非水電解液及びそれを用いた蓄電デバイス
CN103891036A (zh) * 2011-10-17 2014-06-25 宇部兴产株式会社 非水电解液及使用了该非水电解液的蓄电设备
JP2013232298A (ja) * 2012-04-27 2013-11-14 Mitsubishi Chemicals Corp 非水系電解液及びそれを用いた非水系電解液電池
US9716290B2 (en) 2012-10-03 2017-07-25 Gs Yuasa International Ltd. Nonaqueous electrolyte secondary battery and method for producing nonaqueous electrolyte secondary battery
JPWO2015037323A1 (ja) * 2013-09-13 2017-03-02 日本電気株式会社 電解液及び二次電池
JP2019117814A (ja) * 2013-09-13 2019-07-18 日本電気株式会社 電解液及び二次電池
US10224568B2 (en) 2013-09-13 2019-03-05 Nec Corporation Electrolytic solution and secondary battery
WO2015037323A1 (ja) * 2013-09-13 2015-03-19 日本電気株式会社 電解液及び二次電池
CN106104895A (zh) * 2014-02-06 2016-11-09 雷诺两合公司 包含基于砜化合物的非水电解质的特定锂电池
FR3017247A1 (fr) * 2014-02-06 2015-08-07 Renault Electrolytes non aqueux a base de composes sulfones pour batteries au lithium
WO2015118264A1 (fr) * 2014-02-06 2015-08-13 Renault S.A.S Batteries au lithium specifiques comprenant des electrolytes non aqueux a base de composes sulfones
US10355312B2 (en) 2014-03-27 2019-07-16 Daikin Industries, Ltd. Electrolyte and electrochemical device
JPWO2015146685A1 (ja) * 2014-03-28 2017-04-13 ダイキン工業株式会社 電解液、電気化学デバイス、二次電池、及び、モジュール
WO2015146685A1 (ja) * 2014-03-28 2015-10-01 ダイキン工業株式会社 電解液、電気化学デバイス、二次電池、及び、モジュール
KR20150128362A (ko) * 2014-05-09 2015-11-18 삼성에스디아이 주식회사 리튬 이차 전지
KR102130028B1 (ko) 2014-05-09 2020-07-03 삼성에스디아이 주식회사 리튬 이차 전지
JP2016536776A (ja) * 2014-09-29 2016-11-24 シェンヂェン キヤプケム テクノロジー 力ンパニー リミテッドShenzhen Capchem Technology Co.,Ltd. 高電圧リチウムイオン電池の電解液及び高電圧リチウムイオン電池
WO2020065831A1 (ja) * 2018-09-27 2020-04-02 株式会社村田製作所 リチウムイオン二次電池
CN112771704A (zh) * 2018-09-27 2021-05-07 株式会社村田制作所 锂离子二次电池

Also Published As

Publication number Publication date
JP5391938B2 (ja) 2014-01-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5391938B2 (ja) 非水系電解液及びそれを用いたリチウム二次電池
CN110383566B (zh) 非水电解液用添加剂、非水电解液及蓄电装置
JP5391944B2 (ja) 非水系電解液およびそれを用いた電池
JP5699465B2 (ja) 非水系電解液及びそれを用いたリチウム二次電池
JP6398985B2 (ja) リチウムイオン二次電池
JP2006351337A (ja) リチウム二次電池
WO2011025016A1 (ja) 非水系電解液及びそれを用いた非水系電解液電池
JP2004134232A (ja) 非水系電解液及びそれを用いたリチウム二次電池
JP2012064472A (ja) 非水系電解液及びそれを用いたリチウム二次電池
JP4797403B2 (ja) 非水系電解液二次電池及び非水系電解液二次電池用電解液
JP5790135B2 (ja) 非水系電解液及びそれを用いたリチウム二次電池
JP2005322610A (ja) リチウム二次電池
JP2016051600A (ja) 蓄電デバイス用非水電解液
JP4586388B2 (ja) 非水電解液及びリチウムイオン二次電池、並びにフッ素含有エステル化合物
JP4670305B2 (ja) 非水系電解液及びリチウム二次電池
JP5066788B2 (ja) 非水系電解液及びそれを用いたリチウム二次電池
JP2003331921A (ja) 非水系電解液及びそれを用いたリチウム二次電池
JP4867208B2 (ja) リチウム二次電池
JP4089234B2 (ja) 非水系電解液及びそれを用いたリチウム二次電池
JP2005340151A (ja) リチウム二次電池
JP5532584B2 (ja) 非水系電解液及びそれを用いたリチウム二次電池
JP4894157B2 (ja) 非水系電解液及びリチウム二次電池
JP4465944B2 (ja) 非水系電解液及びそれを用いたリチウム二次電池
JP4581454B2 (ja) 非水系電解液及びそれを用いたリチウム二次電池
JP4127355B2 (ja) 非水系電解液及びそれを用いたリチウム二次電池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120403

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130626

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130702

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130823

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130917

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130930

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5391938

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313121

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350