JP4581454B2 - 非水系電解液及びそれを用いたリチウム二次電池 - Google Patents

非水系電解液及びそれを用いたリチウム二次電池 Download PDF

Info

Publication number
JP4581454B2
JP4581454B2 JP2004096731A JP2004096731A JP4581454B2 JP 4581454 B2 JP4581454 B2 JP 4581454B2 JP 2004096731 A JP2004096731 A JP 2004096731A JP 2004096731 A JP2004096731 A JP 2004096731A JP 4581454 B2 JP4581454 B2 JP 4581454B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
aqueous electrolyte
carbonate
mass
unsaturated
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2004096731A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005285504A (ja
Inventor
正道 大貫
信一 木下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP2004096731A priority Critical patent/JP4581454B2/ja
Publication of JP2005285504A publication Critical patent/JP2005285504A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4581454B2 publication Critical patent/JP4581454B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Secondary Cells (AREA)

Description

本発明は、非水系電解液及びそれを用いたリチウム二次電池に関する。
リチウム二次電池はエネルギー密度が高く、しかも自己放電を起こしにくいという利点がある。そこで近年、携帯電話やノートパソコン、PDA等の民生用モバイル機器用の電源として広く利用されている。
従来のリチウム二次電池用の電解液は、支持電解質であるリチウム塩と非水溶媒とから構成される。ここで用いられる非水溶媒は、リチウム塩を解離させるために高い誘電率を有すること、広い温度領域で高いイオン伝導度を発現させること、及び、電池中で安定であることが要求される。これらの要求を一つの溶媒で達成するのは困難であるので、通常は、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート等に代表される高沸点溶媒と、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等の低沸点溶媒とを組み合わせて使用している。
また、初期容量、レート特性、サイクル特性、高温保存特性、低温特性、トリクル充電(連続充電)特性、自己放電特性、過充電防止特性等を改良するために種々の助剤を電解液に少量含有させる方法が数多く報告されてきた。ただし、あらゆる特性に対して万能な電解液は未だ見いだされていない。
前記のような助剤を用いる技術としては、例えば、特許文献1〜3が挙げられる。
特許文献1には、2(5H)−フラノン、アリルメチルカーボネート等のアリルエステル誘導体を含有した非水系電解液を用いると、初期の段階で負極である炭素材料表面に安定した不動態被膜を形成できるため、その後の負極上で起こる非水系電解液の分解を抑制でき、リチウム二次電池のサイクル特性が向上することが記載されている。
また、特許文献2には、環内に炭素−炭素二重結合を有するラクトン類を0.05容量%以上5容量%未満含有した非水系電解液を用いることで、負極での非水系電解液の分解が抑制されるため、リチウム二次電池の充放電効率とサイクル特性とを共に向上させることができることが記載されている。
また、特許文献3には、エチレンカーボネート等の比誘電率25以上の有機溶媒を60量%以上含有し、更に、炭素−炭素不飽和結合と共役した電子吸引基を有する化合物を含有した非水系電解液を用いることで、リチウム二次電池のサイクル特性等が向上することが記載されている。
特開平11−273723号公報 特開2000−182666号公報 特開2003−86248号公報
近年、リチウム二次電池に対する高性能化への要求はますます高くなっており、高容量・サイクル特性・高温保存特性・連続充電特性等の諸特性を、高い次元で共に達成することが求められている。なかでも、高温保存特性の改善は、屋外でモバイル製品を利用する機会が増えていること、及び、オフィス向けノートパソコンの需要が拡大していることに伴い、最近特に要望が大きい。
しかしながら、特許文献1〜3記載のような非水系電解液は、高温保存特性が不十分であった。
本発明は上記の課題に鑑みて創案されたもので、高温保存特性に優れた非水系電解液及びリチウム二次電池を提供することを目的とする。
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、非水系電解液に特定の不飽和ラクトン類を少量添加させるとともに、不飽和カーボネートを含有させることによって、高温保存特性を改善することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明の要旨は、電解質と非水溶媒とを含む非水系電解液であって、該非水溶媒が、環状カーボネート類と、鎖状カーボネート類又は環状エステル類とを合計で90質量%以上含有し、かつ該非水系電解液全体に対して環状カーボネート類と、鎖状カーボネート類又は環状エステル類とを合計で70質量%以上の濃度で含有し、該環状カーボネート類が、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネートからなる群より選ばれる1種以上であり、該環状エステル類が、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトンからなる群より選ばれる1種以上であるとともに、更に、下記一般式(1)で表される不飽和ラクトン類を該非水系電解液全体に対して0.01質量%以上5質量%以下含有し、かつ、不飽和カーボネート類を、該非水系電解液全体に対して、0.1質量%以上10質量%以下の濃度で含有し、該不飽和カーボネート類がビニレンカーボネートビニルエチレンカーボネートからなる群より選ばれる1種以上であることを特徴とする、非水系電解液に存する。
Figure 0004581454
{上記一般式(1)中、R1及びR2は、それぞれ独立して水素原子、又は、炭素数が1以上3以下のアルキル基を表す。また、R3は炭素数が1以上3以下のアルキル基を置換基
として有していても良い、メチレン基、エチレン基又はビニレン基を表す。}
上記の非水系電解液によれば、リチウム二次電池の高温保存特性を改善することができる。一般式(1)で表される不飽和ラクトン類が、不飽和カーボネート類とともに所定量の範囲で共存することにより相乗効果を発現する要因について詳細は不明であるが、本発明者の推定に寄れば、不飽和ラクトンの還元生成物が、主として不飽和カーボネートの還元により負極上に形成された保護被膜を安定化させるためであると考えられる。
本発明の別の要旨は、該非水系電解液と、リチウムイオンを吸蔵及び放出可能な負極及び正極とを備えることを特徴とする、リチウム二次電池に存する。
本発明によれば、高温保存特性に優れた非水系電解液及びリチウム二次電池を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、本発明は以下の説明に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
[I.非水系電解液]
本発明の非水系電解液は、電解質と非水溶媒とを含む非水系電解液であって、更に、下記一般式(1)で表される不飽和ラクトン類を0.01量%以上5量%以下含有し、かつ、不飽和カーボネート類を含有することを特徴とする。
Figure 0004581454

{上記一般式(1)中、R1及びR2は、それぞれ独立して水素原子、又は、置換基を有していても良い炭素数1〜8の炭化水素基を表す。また、R3は置換基を有していても良い
炭素数1〜5の2価の炭化水素基を表す。}
以下、本発明の非水系電解液の構成要素について、それぞれ詳細に説明する。
[1.不飽和ラクトン類]
[1−1.種類]
本発明の非水系電解液に含まれる不飽和ラクトン類(以下適宜「本発明の不飽和ラクトン類」という)は、上記一般式(1)で表される不飽和ラクトンであれば他に制限は無く、任意のものを用いることが出来る。
ただし、上記一般式(1)において、R1及びR2はそれぞれ独立して水素原子、又は、炭素数が1以上8以下の炭化水素基を表わす。
1及びR2となる炭化水素基の種類は任意であるが、例えば、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基などが挙げられる。
1及びR2がアルキル基である場合、そのアルキル基の炭素数は通常1以上、また、通常6以下、好ましくは4以下、より好ましくは2以下である。この上限を上回ると、不飽和ラクトン類の非水系電解液に対する相溶性又は溶解性が低下し、また、正極上に形成する保護被膜が脆くなるため、その非水系電解液を用いたリチウム二次電池の電池容量が不十分となる虞がある。
また、R1及びR2がアルキル基である場合、R1及びR2として好ましいアルキル基の具体例は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが挙げられる。この中でも、メチル基、エチル基、プロピル基がより好ましい。
1及びR2がアルケニル基である場合、そのアルケニル基の炭素数は通常2以上、また、通常6以下、好ましくは4以下である。この上限を上回ると、アルキル基の場合と同様、不飽和ラクトン類の非水系電解液に対する相溶性又は溶解性が低下し、また、正極上に形成する保護被膜が脆くなるため、その非水系電解液を用いたリチウム二次電池の電池容量が不十分となる虞がある。
また、R1及びR2がアルケニル基である場合、R1及びR2として好ましいアルケニル基の具体例は、ビニル基、イソプロベニル基、アリル基などが挙げられる。この中でも、ビニル基、アリル基がより好ましい。
1及びR2がアリール基である場合、そのアリール基の炭素数は通常6以上、また、通常8以下、好ましくは7以下である。この上限を上回るとアルキル基及びアルケニル基の場合と同様、不飽和ラクトン類の非水系電解液に対する相溶性又は溶解性が低下し、また、正極上に形成する保護被膜が脆くなるため、その非水系電解液を用いたリチウム二次電池の電池容量が不十分となる虞がある。
また、R1及びR2がアリール基である場合、R1及びR2として好ましいアリール基の具体例は、フェニル基、トリル基、エチルフェニル基、ジメチルフェニル基などが挙げられる。この中でも、フェニル基、トリル基がより好ましい。
1及びR2がアラルキル基である場合、そのアラルキル基の炭素数は通常7以上、また、通常8以下、好ましくは7以下である。この上限を上回ると、アルキル基、アルケニル基及びアリール基の場合と同様、不飽和ラクトン類の非水系電解液に対する相溶性又は溶解性が低下し、また、正極上に形成する保護被膜が脆くなるため、その非水系電解液を用いたリチウム二次電池の電池容量が不十分となる虞がある。
また、R1及びR2がアラルキル基である場合、R1及びR2として好ましいアラルキル基の具体例は、ベンジル基、α−フェネチル基、β−フェネチル基などが挙げられる。この中でも、ベンジル基がより好ましい。
さらに、上述したものの中でも、R1及びR2としては、水素原子及びアルキル基が好ましい。なかでも、R1及びR2は、そのいずれか一方が水素原子であり、他方がアルキル基であることが最も好ましい。ただし、この際のアルキル基の炭素数は、通常1以上3以下であることが望ましい。非水系電解液中での反応性を適当なものとすることができ、リチウム二次電池に用いた際に正極上で有効な被膜を形成できるためである。
また、R1及びR2として用いる炭化水素基は置換基を有していても良い。この置換基の種類は任意であるが、具体例としてはアルコキシ基、エステル基、アミド基、ハロゲン基などが挙げられる。また、これらの置換基は環を形成していてもよい。
また、上記一般式(1)において、R3は炭素数1以上5以下の2価の炭化水素基を表す。
3の種類は任意であるが、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等のアルキレン基、ビニレン基等のアルケニレン基などが挙げられる。中でも、メチレン基、エチレン基、ビニレン基が好ましい。
さらに、R3は置換基を有していてもよい。この置換基の種類は任意であるが、その例としては、メチル基、エチル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基などの炭化水素基;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;フルオロ基、クロル基、ブロモ基等のハロゲン基が挙げられる。また、R3が有する置換基が炭化水素基である場合、その炭素数は通常1以上3以下である。
また、本発明の不飽和ラクトン類は、その分子量が通常70以上、また、通常250以下、好ましくは200以下、さらに好ましくは150以下である。この範囲の上限を上回ると不飽和ラクトン類の非水系電解液に対する相溶性又は溶解性が低下し、また、正極上に形成する保護被膜が脆くなるため、その非水系電解液を用いたリチウム二次電池の電池容量が不十分となる虞がある。
以下、本発明の不飽和ラクトン類の具体例を挙げるが、本発明の不飽和ラクトン類は以下の例示物に限定されるものではない。なお、化合物名の後のカッコ「<>」内に、それぞれの化合物を上記一般式(1)に当てはめた場合のR1,R2及びR3を示す。また、以下の説明において、Meはメチル基を表わし、Etはエチル基を表わし、Prはプロピル基を表わし、Phはフェニル基を表わす。
本発明の不飽和ラクトン類の具体例としては、2(5H)−フラノン<R1,R2=H、R3=メチレン基>、5−メトキシ−2(5H)−フラノン<R1,R2=H、R3=メトキシメチレン基>、5−エトキシ−2(5H)−フラノン<R1,R2=H、R3=エトキシメチレン基>、5−メトキシメチル−2(5H)−フラノン<R1,R2=H、R3=メトキシメチルメチレン基>、5−アセトキシ−2(5H)−フラノン<R1,R2=H、R3=アセトキシメチレン基>、5−クロロ−2(5H)−フラノン<R1,R2=H、R3=クロロメチレン基>、3−メチル−2(5H)−フラノン<R1=H、R2=Me、R3=メチレン基>、4−メチル−2(5H)−フラノン<R1=Me、R2=H、R3=メチレン基>、5−メチル−2(5H)−フラノン<R1,R2=H、R3=メチルメチレン基>、3−エチル−2(5H)−フラノン<R1=H、R2=Et、R3=メチレン基>、4−エチル−2(5H)−フラノン<R1=Et、R2=H、R3=メチレン基>、5−エチル−2(5H)−フラノン<R1,R2=H、R3=エチルメチレン基>、3−ビニル−2(5H)−フラノン<R1=H、R2=ビニル基、R3=メチレン基>、4−ビニル−2(5H)−フラノン<R1=ビニル基、R2=H、R3=メチレン基>、5−ビニル−2(5H)−フラノン<R1,R2=H、R3=ビニルメチレン基>、3−フェニル−2(5H)−フラノン<R1=H、R2=Ph、R3=メチレン基>、4−フェニル−2(5H)−フラノン<R1=Ph、R2=H、R3=メチレン基>、3−ベンジル−2(5H)−フラノン<R1=H、R2=ベンジル基、R3=メチレン基>、4−ベンジル−2(5H)−フラノン<R1=ベンジル基、R2=H、R3=メチレン基>、3,4−ジメチル−2(5H)−フラノン<R1=Me、R2=Me、R3=メチレン基>、3,5−メチル−2(5H)−フラノン<R1=H、R2=Me、R3=メチルメチレン基>、4,5−メチル−2(5H)−フラノン<R1=Me、R2=H、R3=メチルメチレン基>、等の2(5H)−フラノン誘導体;
5,6−ジヒドロ−2H−ピラン−2−オン<R1,R2=H、R3=エチレン基>、5,6−ジヒドロ−3−メチル−2H−ピラン−2−オン<R1=H、R2=Me、R3=エチレン基>、5,6−ジヒドロ−4−メチル−2H−ピラン−2−オン<R1=Me、R2=H、R3=エチレン基>、5,6−ジヒドロ−5−メチル−2H−ピラン−2−オン<R1=H、R2=H、R3=β−メチルエチレン基>、5,6−ジヒドロ−6−メチル−2H−ピラン−2−オン<R1=H、R2=H、R3=α−メチルエチレン基>、5,6−ジヒドロ−3−エチル−2H−ピラン−2−オン<R1=H、R2=Et、R3=エチレン基>、5,6−ジヒドロ−4−エチル−2H−ピラン−2−オン<R1=Et、R2=H、R3=エチレン基>、5,6−ジヒドロ−5−エチル−2H−ピラン−2−オン<R1=H、R2=H、R3=β−エチルエチレン基>、5,6−ジヒドロ−6−エチル−2H−ピラン−2−オン<R1=H、R2=H、R3=α−エチルエチレン基>、5,6−ジヒドロ−3−フェニル−2H−ピラン−2−オン<R1=H、R2=Ph、R3=エチレン基>、5,6−ジヒドロ−4−フェニル−2H−ピラン−2−オン<R1=Ph、R2=H、R3=エチレン基>、等の5,6−ジヒドロ−2H−ピラン−2−オン誘導体;
α−ピロン<R1=H、R2=H、R3=ビニレン基>、3−メチル−α−ピロン<R1=H、R2=Me、R3=ビニレン基>、4−メチル−α−ピロン<R1=Me、R2=H、R3=ビニレン基>、5−メチル−α−ピロン<R1,R2=H、R3=β−メチルビニレン基>、6−メチル−α−ピロン<R1,R2=H、R3=α−メチルビニレン基>、3−エチル−α−ピロン<R1=H、R2=Et、R3=ビニレン基>、4−エチル−α−ピロン<R1=Et、R2=H、R3=ビニレン基>、5−エチル−α−ピロン<R1,R2=H、R3=β−エチルビニレン基>、6−エチル−α−ピロン<R1,R2=H、R3=α−エチルビニレン基>、6−プロピル−α−ピロン<R1,R2=H、R3=α−プロピルビニレン基>、3−フェニル−α−ピロン<R1=H、R2=Ph、R3=ビニレン基>、4−フェニル−α−ピロン<R1=Ph、R2=H、R3=ビニレン基>、4,6−ジメチル−α−ピロン<R1=Me、R2=H、R3=α−メチルビニレン基>、4,6−ジエチル−α−ピロン<R1=Et、R2=H、R3=α−エチルビニレン基>、4,6−ジプロチル−α−ピロン<R1=Pr、R2=H、R3=α−プロピルビニレン基>、等のα−ピロン誘導体などが挙げられる。
上記例示したものの中でも、2(5H)−フラノン誘導体では、2(5H)−フラノン、3−メチル−2(5H)−フラノン、4−メチル−2(5H)−フラノン、5−メチル−2(5H)−フラノン、3−エチル−2(5H)−フラノン、4−エチル−2(5H)−フラノン、5−エチル−2(5H)−フラノン等が好ましく、5,6−ジヒドロ−2H−ピラン−2−オン誘導体では、5,6−ジヒドロ−2H−ピラン−2−オン、5,6−ジヒドロ−3−メチル−2H−ピラン−2−オン、5,6−ジヒドロ−4−メチル−2H−ピラン−2−オン、5,6−ジヒドロ−5−メチル−2H−ピラン−2−オン、5,6−ジヒドロ−6−メチル−2H−ピラン−2−オン等が好ましく、α−ピロン誘導体では、α−ピロン、3−メチル−α−ピロン、4−メチル−α−ピロン、5−メチル−α−ピロン、6−メチル−α−ピロン、4,6−ジメチル−α−ピロン、4,6−ジエチル−α−ピロン、4,6−ジプロチル−α−ピロン等が好ましい。
さらに、この中でも特に、2(5H)−フラノン誘導体では、2(5H)−フラノン、3−メチル−2(5H)−フラノン、3−エチル−2(5H)−フラノンが好ましく、5,6−ジヒドロ−2H−ピラン−2−オン誘導体では、5,6−ジヒドロ−2H−ピラン−2−オンが好ましく、α−ピロン誘導体では、α−ピロン、6−メチル−α−ピロン、4,6−ジメチル−α−ピロン、4,6−ジエチル−α−ピロン等がより好ましい。また、中でも3−メチル−2(5H)−フラノン、2(5H)−フラノン、5,6−ジヒドロ−2H−ピラン−2−オン、α−ピロン、4,6−ジメチル−α−ピロンが更に好ましい。これらの不飽和ラクトン類は適度な耐酸化性を有し、非水系電解液中に含有させた際に安定した被膜を正極に形成するため、その非水系電解液を用いたリチウム二次電池の保存特性が良くなるためである。
また、上述した本発明の不飽和ラクトン類は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
[1−2.組成]
本発明の非水系電解液は、本発明の不飽和ラクトン類を、通常0.01量%以上、好ましくは0.1量%以上、また、通常5量%以下、好ましくは3量%以下含有する。この範囲の下限を下回ると、本発明の非水系電解液が高温保持特性を向上させることが出来なくなる虞がある。また、上限を上回ると、正極上に厚い被膜が形成され、この被膜が高い抵抗を有するため非水系電解液と正極との間でLiイオンが移動しにくくなり、レート特性などの電池特性が低下する虞がある。
なお、本発明の不飽和ラクトン類を2種以上併用する場合には、使用する不飽和ラクトン類の濃度の合計が上記範囲内となるようにする。
[2.不飽和カーボネート類]
本発明の非水系電解液は、負極上に被膜を形成させ、電池特性を改善させる目的で、被膜形成剤として不飽和カーボネート類を含有する。不飽和カーボネート類としては、炭素−炭素不飽和結合を有するカーボネートであれば他に制限は無く、任意の不飽和カーボネート類を用いることができる。例えば、芳香環を有するカーボネート、炭素−炭素二重結合や炭素−炭素三重結合などの炭素−炭素不飽和結合を有するカーボネートなどが挙げられる。
不飽和カーボネート類の具体例としては、ビニレンカーボネート、メチルビニレンカーボネート、1,2−ジメチルビニレンカーボネート、フェニルビニレンカーボネート、1,2−ジフェニルビニレンカーボネート等のビニレンカーボネート誘導体類;ビニルエチレンカーボネート、1,2−ジビニルエチレンカーボネート、フェニルエチレンカーボネート、1,2−ジフェニルエチレンカーボネート等の炭素−炭素不飽和結合を有する置換基で置換されたエチレンカーボネート誘導体類;ジフェニルカーボネート、メチルフェニルカーボネート、t−ブチルフェニルカーボネート等のフェニルカーボネート類;ジビニルカーボネート、メチルビニルカーボネート等のビニルカーボネート類;ジアリルカーボネート、アリルメチルカーボネート等のアリルカーボネート類などが挙げられる。これらの中でも、ビニレンカーボネート誘導体類、炭素−炭素不飽和結合を有する置換基で置換されたエチレンカーボネート誘導体類が好ましい。特に、ビニレンカーボネート、1,2−ジフェニルビニレンカーボネート、1,2−ジメチルビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネートがより好ましい。これらの不飽和カーボネート類を用いることにより、負極上に安定な界面保護被膜を形成するため、高温保存後の回復容量が向上し、また、リチウム二次電池のサイクル特性も改善される。
なお、不飽和カーボネート類は1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
また、本発明の非水系電解液は、本発明の効果を損ねない範囲で、不飽和カーボネート類以外の被膜形成剤を含有させても良い。
また、不飽和カーボネート類の炭素数は通常3以上、また、通常20以下、好ましくは15以下である。上記範囲の上限を上回ると電解液に対する溶解性が悪くなりやすい。
さらに、不飽和カーボネート類の分子量に下限は特に無いが、通常80以上であり、また、通常250以下、好ましくは150以下である。分子量が大きすぎると電解液に対する溶解性が悪くなり、高温保存特性の改善という本発明の効果を十分に発現できない虞がある。
また、非水系電解液中における不飽和カーボネート類の濃度は、通常0.01量%以上、好ましくは0.1量%以上、より好ましくは0.3量%以上、また、通常10量%以下、好ましくは7量%以下、より好ましくは5量%以下である。不飽和カーボネート類の濃度が大きすぎると、高温保存特性が悪化する傾向があり、さらに、電池使用時にガス発生量が多くなり、容量維持率が低下する虞がある。また、濃度が小さすぎると、本発明の効果を十分に発揮できない可能性がある。なお、不飽和カーボネート類を2種以上併用する場合には、用いた不飽和カーボネート類の濃度の合計が上記範囲内となるようにする。
さらに、上記一般式(1)で表わされる不飽和ラクトン類と不飽和カーボネート類との比率は、不飽和ラクトン類に対する不飽和カーボネート類の重量比が通常0.1以上、好ましくは1以上、また、通常100以下、好ましくは30以下となるようにすることが望ましい。なお、不飽和ラクトン類及び不飽和カーボネート類の一方又は両方を2種以上併用する場合には、不飽和ラクトン類及び不飽和カーボネート類それぞれの合計の比率が上記範囲内となるようにする。
[3.メカニズム]
以下、本発明の発明者が推察する、上記一般式(1)で表される所定量の不飽和ラクトン類と不飽和カーボネート類とを含有する非水系電解液が、リチウム二次電池において優れた保持特性を実現するメカニズムを説明する。
一般式(1)で表される不飽和ラクトン類は、炭素−炭素2重結合と炭素−酸素2重結合とが共役しており、飽和ラクトン類と比較して耐酸化性が低下する。その結果、これらの不飽和ラクトン類は正極上で分解して保護被膜を形成し、後続の主溶媒の酸化分解が抑制されるため、高温保存後の回復容量が増加する。このため、リチウム二次電池の保存特性がある程度は向上する。
また、不飽和カーボネート類は、初期充電の際にその一部又はすべてが負極上で分解して保護被膜を形成する。これにより、後続の非水溶媒の還元分解反応を抑制することができるため、リチウム二次電池の高温保存後の回復容量の増加及びサイクル特性の向上がもたらされる。
しかしながら、不飽和カーボネート類が初期充電後も非水系電解液中に残存している場合、これらは正極上で酸化反応を受けやすいために高温保存中にガスを発生させ、正極活物質を劣化させる。そのため、リチウム二次電池の高温保存後の回復容量は不十分となる。そこで不飽和ラクトン類によりあらかじめ正極上に保護被膜を形成させておけば、不飽和カーボネートの正極上での反応を抑制できる。即ち、不飽和ラクトンと不飽和カーボネートとを併用することにより、正極上での反応を不飽和ラクトン類に由来する保護被膜で抑制し、負極上での反応を不飽和カーボネート類を主に由来とする保護被膜で抑制することができ、電池の保存特性を大幅に改善することができる。
ここで、従来技術と本発明とを比較する。
特許文献1,2に記載された化合物は、リチウム二次電池の非水系電解液に混合することで室温付近でのサイクル特性を向上させることができたが、後述する比較例1で示すように、高温環境下に曝された際にリチウム二次電池の容量低下を抑制する効果は不十分であった。さらに、特許文献1,2には、不飽和ラクトン類を不飽和カーボネートと併用することも記載されておらず、併用によって高温保存特性を大幅に改善できることの思想はない。
また、特許文献3記載の技術を用いれば、リチウム二次電池のサイクル特性を改善することができる。しかし、特許文献3記載の技術では、高温保存特性を得ることができない。なぜなら、特許文献3には、不飽和ラクトン類を非水系電解液に所定濃度で含有させる技術は記載されていたが、高温保存特性に有効な一般式(1)の構造を有する本発明の不飽和ラクトン類は記載されておらず、また、高温保存特性に効果的な不飽和ラクトン類の濃度範囲も記載されていなかったためである。
[3.非水溶媒]
非水溶媒について特に制限は無く、公知の非水溶媒を任意に用いることができるが、通常は、有機溶媒を用いる。非水溶媒の例を挙げると、鎖状カーボネート類、環状カーボネート類、鎖状エステル類、環状エステル(ラクトン化合物)類、鎖状エーテル類、環状エーテル類、含硫黄有機溶媒などが挙げられる。なかでも高いイオン導電性を発現させる溶媒として、通常、鎖状カーボネート類、環状カーボネート類、鎖状エステル類、環状エステル類、鎖状エーテル類、環状エーテル類が好ましい。
鎖状カーボネート類の具体例を挙げると、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、エチルプロピルカーボネート等が挙げられる。
また、環状カーボネート類の具体例を挙げると、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート等の環状カーボネート類等が挙げられる。
また、鎖状エーテル類の具体例を挙げると、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、ジエチルエーテル等が挙げられる。
また、環状エーテル類の具体例を挙げると、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン等が挙げられる。
また、鎖状エステル類の具体例を挙げると、ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸メチル等が挙げられる。
また、環状エステル類の具体例を挙げると、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等が挙げられる。
さらに、非水溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。ただし、所望の特性、即ち、高温保存特性を発現するように、2種以上の非水溶媒が混合して使用されることが好ましい。特に、環状カーボネート類と、鎖状カーボネート類又は環状エステル類とから主としてなることが好ましい。ここで、主としてなるとは、具体的には、非水溶媒が、環状カーボネート類と、鎖状カーボネート類又は環状エステル類とを合計で90量%以上含有していることを指す。また、非水溶媒が、環状カーボネート類と、鎖状カーボネート類又は環状エステル類とを合計で90量%以上含有している場合、これを非水系電解液中の濃度で規定すると、通常70量%以上、好ましくは75量%以上、より好ましくは80量%以上となる。
2種以上の非水溶媒を併用する場合、好ましい組み合わせの例としては、エチレンカーボネートとメチルエチルカーボネート、エチレンカーボネートとジエチルカーボネート、エチレンカーボネートとγ−ブチロラクトン等の2元系溶媒;エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとエチルメチルカーボネート、エチレンカーボネートとメチルエチル メチルカーボネートとジエチルカーボネート等の3元系溶媒などが挙げられる。これらを主として含有する非水溶媒は、各種特性をバランス良く満たすことから好適に用いられる。
また、非水溶媒として有機溶媒を用いる場合には、その有機溶媒の炭素数は通常3以上、また、通常13以下、好ましくは7以下である。炭素数が大きすぎると電解液に対する溶解性が悪くなり、高温保存特性の改善という本発明の効果を十分に発現できない虞がある。一方、炭素数が小さすぎると揮発性が高くなり、電池内圧力の上昇の要因となるので好ましくない。
また、非水溶媒として用いる有機溶媒の分子量は、通常50以上、好ましくは80以上、また、通常250以下、好ましくは150以下である。分子量が大きすぎると電解液に対する溶解性が悪くなり、高温保存特性の改善という本発明の効果を十分に発現できない虞がある。一方、分子量が小さすぎると揮発性が高くなり、電池内圧力の上昇の要因となるので好ましくない。
さらに、2種以上の非水溶媒を併用した2元系以上の非水溶媒を用いる場合、その2元系以上の非水溶媒中の環状カーボネートの比率は、通常10体積%以上、好ましくは15体積%以上、さらに好ましくは20体積%以上であり、また、通常60体積%以下、好ましくは50体積%以下、さらに好ましくは40体積%以下である。上記範囲の下限を下回るとLi塩の解離が起こりにくくなるため電導度が低下するので高負荷容量が減少しやすく、上限を上回ると粘度が高くなりすぎてLiイオンが移動しにくくなるため高負荷容量が減少しやすい。
[4.電解質]
電解質について特に制限は無く、リチウム二次電池の電解質として用いられるものであれば公知のものを任意に用いることができるが、通常は、リチウム塩を用いる。
電解質に用いるリチウム塩としては、無機リチウム塩及び有機リチウム塩のいずれを用いても良い。無機リチウム塩の例を挙げると、LiPF6、LiAsF6、LiBF4、LiSbF6等の無機フッ化物塩;LiAlCl4等の無機塩化物塩;LiClO4、LiBrO4、LiIO4等の過ハロゲン酸塩などが挙げられる。また、有機リチウム塩の例を挙げると、CF3SO3Li、C49SO3Li等のパーフルオロアルカンスルホン酸塩;CF3COOLi等のパーフルオロアルカンカルボン酸塩;(CF3CO)2NLi等のパーフルオロアルカンカルボンイミド塩;(CF3SO22NLi、(C25SO22NLi等のパーフルオロアルカンスルホンイミド塩等の含フッ素有機リチウム塩などが挙げられる。
これらの中でも、溶媒に溶けやすく、且つ高い解離度を示すことから、LiPF6、LiBF4、CF3SO3Li、(CF3SO22NLiなどが好ましい。なお、電解質は1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
非水系電解液中の電解質の濃度は、非水系電解液に対して、通常0.5mol/L以上、好ましくは0.75mol/L以上であり、また、通常2mol/L以下、好ましくは1.75mol/L以下である。濃度が低すぎると非水系電解液の電気伝導率が不十分になる虞がある。一方、濃度が高すぎると粘度上昇のため電気伝導率が低下し、また、低温での析出が起こりやすくなり、リチウム二次電池の性能が低下する傾向がある。
[5.その他の助剤]
本発明の非水系電解液は、本発明の効果を損ねない範囲で、非水系電解液の濡れ性、過充電特性等を改善する目的で他の助剤を含有させても良い。
助剤の例としては、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水グルタル酸等の酸無水物;酢酸ビニル、アジピン酸ジビニル、酢酸アリル等のカルボン酸エステル;ジフェニルジスルフィド、1,3−プロパンサルトン、1,4−ブタンサルトン、ジメチルスルホン、ジビニルスルホン、ジメチルサルファイト、エチレンサルファイト、1,4−ブタンジオールジメタンスルホネート、メタンスルホン酸メチル、メタンスルホン酸−2−プロピニル等のイオウ含有化合物;t−ブチルベンゼン、ビフェニル、o−ターフェニル、4−フルオロビフェニル、フルオロベンゼン、2,4−ジフルオロベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、ジフェニルエーテル、2,4−ジフルオロアニソール、トリフルオロメチルベンゼン等の芳香族化合物及びこの芳香族化合物をフッ素原子で置換したものなどが挙げられる。
また、助剤は1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
また、非水系電解液中における濃度は、通常0.01量%以上、好ましくは0.05量%以上、また、通常10量%以下、好ましくは5量%以下である。なお、助剤を2種以上併用する場合は、これらの濃度の合計が上記範囲内に収まるようにする。
[6.非水系電解液の状態]
非水系電解液は通常液体状態で存在するが、これを高分子によってゲル化して、半固体状電解質にしてもよい。ゲル化に用いる高分子は任意であるが、例えばポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリレート、ポリメタクリレートなどが挙げられる。なお、ゲル化に用いる高分子は1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。また、非水系電解液を半固体状電解質として用いる場合、半固体状電解質に占める非水系電解液の比率は、半固体状電解質の総量に対して、通常30量%以上、好ましくは50量%以上、さらに好ましくは75量%以上であり、また通常99.95量%以下、好ましくは99量%以下、さらに好ましくは98量%以下である。非水系電解液の比率が大きすぎると、電解液の保持が困難となり液漏れが生じやすくなり、逆に少なすぎると充放電効率や容量の点で不十分となることがある。
[7.非水系電解液の製造方法]
本発明の非水系電解液は、非水溶媒に、電解質と、本発明の不飽和ラクトン類と、不飽和カーボネート類と、必要に応じて他の助剤とを溶解することにより調製することができる。
非水系電解液を調製するに際しては、非水系電解液の各原料、即ち、電解質、本発明の不飽和ラクトン類、不飽和カーボネート類及び他の助剤は、予め脱水しておくことが好ましい。脱水の程度としては、通常50ppm以下、好ましくは30ppm以下となるまで脱水することが望ましい。なお、本明細書においてppmとは、重量を基準にした比率を意味する。
非水系電解液中に水が存在すると、水の電気分解、水とリチウム金属との反応、リチウム塩の加水分解などが起こる可能性があり、好ましくない。
脱水の手段としては特に制限はないが、例えば、脱水する対象が非水溶媒などの液体の場合は、モレキュラーシーブ等を用いればよい。また脱水する対象が電解質などの固体の場合は、分解が起きる温度以下で乾燥させればよい。
[II.リチウム二次電池]
本発明の非水系電解液は、通常の電解液の用途に広く用いることができるが、特に、リチウム二次電池の電解液として用いて好適である。
本発明のリチウム二次電池は、上述した本発明の非水系電解液と、リチウムの吸蔵及び放出が可能な正極及び負極とを備えて構成される。また、本発明のリチウム二次電池はその他の構成を備えていても良い。例えば、リチウム二次電池は、通常、スペーサを備えている。
[1.正極]
正極は、通常、集電体上に正極活物質層を設けて構成される。なお、正極は適宜その他の層を備えていてもよい。
[1−1.正極活物質層]
正極活物質層は、正極活物質を含んで構成される。正極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵・放出可能なものであれば、その種類に制限はない。例としては、Fe,Co,Ni,Mnなどの遷移金属の酸化物、遷移金属とリチウムとの複合酸化物、遷移金属の硫化物などが挙げられる。
遷移金属の酸化物の具体例としては、MnO,V25,V613,TiO2などが挙げられる。また、遷移金属とリチウムとの複合酸化物の具体例としては、基本組成がLiNiO2等のリチウムニッケル複合酸化物;基本組成がLiCoO2等のリチウムコバルト複合酸化物;基本組成がLiMnO2、LiMnO4等のリチウムマンガン複合酸化物などが挙げられる。さらに、遷移金属の硫化物の具体例としては、TiS2,FeSなどが挙げられる。なかでも、リチウムと遷移金属との複合酸化物は、リチウム二次電池の高容量と高サイクル特性とを両立させることができるため、好ましい。
また、上述した遷移金属とリチウムとの複合酸化物は、主体となる遷移金属原子の一部をAl、B、Ti、Zr、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Mg、Ga等の他の金属で置き換えると、安定化させることができるので好ましい。
なお、これらの正極活物質は、何れか1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
正極活物質の比表面積は、通常0.1m2/g以上、好ましくは0.2m2/g以上であり、また、通常10m2/g以下、好ましくは5.0m2/g以下である。比表面積が小さすぎるとレート特性の低下、容量の低下を招く虞があり、また、大きすぎると非水系電解液等と好ましくない反応を引き起こし、サイクル特性を低下させることがある。
正極活物質の平均2次粒径は、通常0.2μm以上、好ましくは0.5μm以上、また、通常30μm以下、好ましくは20μm以下である。平均2次粒径が小さすぎるとリチウム二次電池のサイクル劣化が大きくなったり、取り扱いが難しくなったりする場合があり、大きすぎると電池の内部抵抗が大きくなり、出力が出にくくなる場合がある。
また、正極活物質層の厚さは任意であるが、通常1μm以上、好ましくは10μm以上、さらに好ましくは20μm以上、最も好ましくは40μm以上であり、また、通常200μm以下、好ましくは150μm以下、さらに好ましくは100μm以下である。薄すぎると塗布が困難になり均一性が確保しにくくなるだけでなく、電池の容量が小さくことがある。一方、厚すぎるとレート特性が低下する虞がある。
正極活物質層は、上述の正極活物質と、結着剤(バインダー)と、必要に応じて各種の助剤等とを、溶媒でスラリー化して塗布液とし、その塗布液を集電体に塗布し、乾燥することにより製造することができる。また、上述の正極活物質をロール成形してシート電極としたり、圧縮成形によりペレット電極としても良い。以下、スラリーを正極集電体に塗布・乾燥する場合について説明する。
結着剤としては、非水系電解液に用いる非水溶媒や電極製造時に用いる溶媒に対して安定な材料であれば、その種類は特に制限されないが、耐候性、耐薬品性、耐熱性、難燃性等を考慮して選択するのが好ましい。具体例としては、シリケート、水ガラスのような無機化合物や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1,1−ジメチルエチレン等のアルカン系ポリマー;ポリブタジエン、ポリイソプレン等の不飽和系ポリマー;ポリスチレン、ポリメチルスチレン、ポリビニルピリジン、ポリ−N−ビニルピロリドン等の環を有するポリマー;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド等のアクリル誘導体系ポリマー;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂;ポリアクリロニトリル、ポリビニリデンシアニド等のCN基含有ポリマー;ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール系ポリマー;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン含有ポリマー;ポリアニリン等の導電性ポリマーなどが使用できる。また上記のポリマーなどの混合物、変成体、誘導体、ランダム共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体、ブロック共重合体なども使用できる。これらの中で好ましい結着剤は、フッ素系樹脂、CN基含有ポリマーである。
なお、結着剤は、1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
また、結着剤として樹脂を用いる場合、その樹脂の重量平均分子量は、通常1万以上、好ましくは10万以上であり、また、通常300万以下、好ましくは100万以下である。分子量が低すぎると電極の強度が低下する傾向にある。一方、分子量が高すぎると粘度が高くなり、電極の形成が困難になることがある。
さらに、結着剤の使用量は、正極活物質(負極に用いる場合は、負極活物質。以下、正極活物質と負極活物質とを区別せずにいう場合、単に「活物質」という)100量部に対して、通常0.1量部以上、好ましくは1量部以上であり、また、通常30量部以下、好ましくは20量部以下である。結着剤の量が少なすぎると電極の強度が低下する傾向にあり、結着剤の量が多すぎるとイオン伝導度が低下する傾向にある。
また、電極には、上記のように各種の助剤等を含有させても良い。助剤等の例としては、電極の導電性を高める導電性材料、電極の機械的強度を向上させる補強剤などが挙げられる。導電性材料の具体例としては、活物質に適量混合して導電性を付与できるものであれば特に制限はないが、通常、アセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛などの炭素粉末や、各種の金属のファイバー、箔などが挙げられる。また、補強材の具体例としては、各種の無機、有機の球状、繊維状フィラーなどが使用できる。なお、これらの助剤等は、1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
スラリーを形成するための溶媒としては、活物質、結着剤、並びに必要に応じて使用される助剤等を溶解又は分散することが可能な溶媒であれば、その種類に特に制限はなく、水系溶媒と有機系溶媒のどちらを用いても良い。水系溶媒の例としては水、アルコールなどが挙げられ、有機系溶媒の例としてはN−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、アクリル酸メチル、ジエチルトリアミン、N−N−ジメチルアミノプロピルアミン、エチレンオキシド、テトラヒドロフラン(THF)、トルエン、アセトン、ジメチルエーテル、ジメチルアセタミド、ヘキサメチルホスファルアミド、ジメチルスルフォキシド、ベンゼン、キシレン、キノリン、ピリジン、メチルナフタレン、ヘキサン等が挙げられる。なお、これらの溶媒は、1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
また、塗布・乾燥によって得られた活物質層は、正極活物質の充填密度を上げるため、ローラープレス等により圧密するのが好ましい。
[1−2.集電体]
集電体の素材としては、公知のものを任意に使用することができるが、通常は金属や合金が用いられる。具体的には、正極の集電体としては、アルミニウムやニッケル、SUS(ステンレス)等が挙げられる。中でも、正極の集電体としてはアルミニウムが好ましい。なお、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
さらに、集電体と表面に形成された活物質層との結着効果を向上させるため、これら集電体の表面を予め粗面化処理しておくのが好ましい。表面の粗面化方法としては、ブラスト処理や粗面ロールにより圧延するなどの方法、研磨剤粒子を固着した研磨布紙、砥石、エメリバフ、鋼線などを備えたワイヤーブラシなどで集電体表面を研磨する機械的研磨法、電解研磨法、化学研磨法などが挙げられる。
また、集電体の形状は任意である。例えば、電池の重量を低減させる、即ち重量当たりのエネルギー密度を向上させるために、エキスパンドメタルやパンチングメタルのような穴あきタイプの集電体を使用することもできる。この場合、その開口率を変更することで重量も自在に変更可能となる。また、このような穴あけタイプの集電体の両面に塗布層を形成させた場合、この穴を通しての塗布層のリベット効果により塗布層の剥離がさらに起こりにくくなる傾向にあるが、開口率があまりに高くなった場合には、塗布層と集電体との接触面積が小さくなるため、かえって接着強度は低くなる。
正極集電体として薄膜を使用する場合、その厚さは任意であるが、通常1μm以上、好ましくは5μm以上であり、通常100μm以下、好ましくは50μm以下である。厚すぎると、電池全体の容量が低下することになり、逆に薄すぎると取り扱いが困難になる。
[2.負極]
負極は通常、正極の場合と同様に、集電体上に負極活物質層を設けて構成される。なお、正極と同様に、負極も適宜その他の層を備えていてもよい。
[2−1.負極活物質]
負極活物質としては、リチウムイオンの吸蔵放出が可能な材料であれば他に制限は無く、公知の負極活物質を任意に用いることができる。例えば、コークス、アセチレンブラック、メゾフェーズマイクロビーズ、グラファイト等の炭素質材料;リチウム金属;リチウム−シリコン、リチウム−スズ等のリチウム合金などを使用することが好ましい。単位重量あたりの容量が高く、かつ安全性が良好な点からは、リチウム合金が特に好ましく、また、サイクル特性及び安全性が良好な点では、炭素質材料を使用するのが特に好ましい。なお負極活物質は1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
負極活物質の粒径は、初期効率、レート特性、サイクル特性等の電池特性が優れる点で、通常1μm以上、好ましくは15μm以上であり、通常50μm以下、好ましくは30μm以下程度である。
また、上記の炭素質材料をピッチ等の有機物で被覆した後で焼成したもの、CVD法等を用いて表面に上記炭素質材料よりも非晶質の炭素を形成したものなども、炭素質材料として好適に使用することができる。ここで、被覆に用いる有機物としては、軟ピッチから硬ピッチまでのコールタールピッチ;乾留液化油等の石炭系重質油;常圧残油、減圧残油等の直留系重質油;原油、ナフサ等の熱分解時に副生する分解系重質油(例えばエチレン ヘビーエンド)等の石油系重質油が挙げられる。また、これらの重質油を200〜400℃で蒸留して得られた固体状残渣物を、1〜100μmに粉砕したものも使用することができる。さらに塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂、イミド樹脂なども使用することができる。
負極活物質層は、通常は正極活物質層の場合と同様に、上述の負極活物質と、結着剤と、必要に応じて各種の助剤等とを、溶媒でスラリー化してなる塗布液を、集電体に塗布し、乾燥することにより製造することができる。スラリーを形成する溶媒や結着剤、助剤等としては、正極活物質について上述したものと同様のものを使用することができる。
[2−2.集電体]
負極の集電体の材質としては、公知のものを任意に用いることができるが、例えば、銅、ニッケル、SUS等の金属材料が用いられる。中でも加工し易さとコストの点から特に銅が好ましい。
また、負極の集電体も、正極の集電体と同様に、予め粗面化処理しておくのが好ましい。
さらに、正極同様、集電体の形状も任意であり、エキスパンドメタルやパンチングメタルのような穴あきタイプの集電体を使用することもできる。また、集電体として薄膜を使用する場合の好ましい厚さも、正極の場合と同様である。
[3.スペーサ]
正極と負極との間には、短絡を防止するために、通常はスペーサを介在させる。スペーサの材質や形状は特に制限されないが、上述の非水系電解液に対して安定で、保液性に優れ、且つ、電極同士の短絡を確実に防止できるものが好ましい。
スペーサの材料としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンや、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルスルホン等を用いることができるが、好ましくはポリオレフィンである。
また、スペーサの形状としては多孔性のものが好ましい。この場合、非水系電解液は、多孔性のスペーサに含浸させて用いる。
スペーサの厚さは、通常1μm以上、好ましくは5μm以上、さらに好ましくは10μm以上であり、また、通常50μm以下、好ましくは40μm以下、さらに好ましくは30μm以下である。スペーサが薄すぎると、絶縁性や機械的強度が悪化することがあり、厚すぎるとレート特性等の電池性能が悪化するばかりでなく、電池全体としてのエネルギー密度が低下する。
また、スペーサとして多孔性の膜を用いる場合、スペーサの空孔率としては、通常20%以上、好ましくは35%以上、さらに好ましくは45%以上であり、通常90%以下、好ましくは85%以下、さらに好ましくは75%以下である。空孔率が小さすぎると膜抵抗が大きくなりレート特性が悪化する傾向にある。また大きすぎると膜の機械的強度が低下し絶縁性が低下する傾向にある。
さらに、スペーサの平均孔径は、通常0.5μm以下、好ましくは0.2μm以下であり、通常0.05μm以上である。あまりに大きいと短絡が生じやすくなり、小さすぎると膜抵抗が大きくなりレート特性が悪化することがある。
[4.二次電池の組立]
本発明のリチウム二次電池は、上述した本発明の非水系電解液と、正極と、負極と、必要に応じて用いられるスペーサとを、適切な形状に組み立てることにより製造される。更に、必要に応じて外装ケース等の他の構成要素を用いることも可能である。さらに、本発明のリチウム二次電池の形状は特に制限されず、一般的に採用されている各種形状の中から、その用途に応じて適宜選択することができる。例えば、コイン型電池、円筒型電池、角型電池などが上げられる。また、電池を組み立てる方法も特に制限されず、目的とする電池の形状に合わせて、通常用いられている各種方法の中から適宜選択することができる。
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限りこれらの実施例及び比較例に限定されるものではない。
[正極の製造]
コバルト酸リチウム(LiCoO2)92量部とポリフッ化ビニリデン(以下適宜、
「PVdF」という)4量部とアセチレンブラック4量部とを混合し、N−メチルピロリドンを加えてスラリー状にしたものを、アルミニウムからなる集電体の両面に塗布・乾燥して正極を得た。
[負極の製造]
グラファイト粉末90量部とPVdF10量部とを混合し、N−メチルピロリドンを加えスラリー状にしたものを、銅からなる集電体の片面に塗布・乾燥して負極を得た。
[リチウム二次電池の製造]
図1にリチウム二次電池の概略断面図を示す。
上記の正極、負極、及び膜厚16μm、空孔率45%、平均孔径0.05μmのポリエチレン製2軸延伸多孔膜フィルム(セパレータ)に、それぞれ後述する電解液を塗布・含浸させた後、負極(2)、セパレータ(3)、正極(1)、セパレータ(3)、負極(2)の順に積層した。こうして得られた電池要素を、まずポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(4)で挟んだ。次いで、アルミニウム箔の両面に樹脂層を形成したラミネートフィルム(7)に、正極及び負極の端子を突設させつつ真空封止して、シート状のリチウム二次電池を作製した。また、正極及び負極の端子には封止材付きリード(8)を取り付けた。さらに、電極(1,2)間の密着性を高めるために、シリコンゴム(5)及びガラス板(6)でシート状電池を挟み、3.4×10-4Paの圧力で加圧した。
[容量評価]
コバルト酸リチウムの1時間当たりの放電量を140mAh/gとし、これと評価用リチウム二次電池の正極の活物質量とから放電速度1Cを求めてレート設定をした上で、25℃の恒温槽中、0.2Cで4.2Vまで定電流−定電圧充電(以下適宜、「CCCV充電」という)した後、0.2Cで3Vまで放電し、初期のフォーメーションを行なった。次いで、0.7Cで4.2VまでCCCV充電した後、0.2Cで3Vまで再度放電し、初期0.2C放電容量を求めた。そして、さらに0.7Cで4.2Vまで充電した後、2Cで3Vまで放電し、初期2C放電容量を求めた。なお充電時のカット電流はいずれも0.05Cとした。
[高温保存特性評価]
容量評価試験の終了したリチウム二次電池を、25℃の恒温槽中で0.7Cで4.2VまでCCCV充電(カット電流0.05C)し、85℃の恒温槽に1日間保存した後、そのリチウム二次電池を25℃まで冷却させた。次いで、容量劣化具合を評価するため0.7Cで4.2VまでCCCV充電(カット電流0.05C)した後、2Cで3Vまで放電し、高温保存後の2C回復容量(mAh/g)を測定した。この数値が大きいほど、高温保存に伴う高負荷容量劣化が少ないことを示している。
<実施例1>
環状カーボネートであるエチレンカーボネート(EC)と鎖状カーボネートであるエチルメチルカーボネート(EMC)との混合溶媒(混合体積比1:3)に、電解質であるLiPF6を1mol/Lの割合で溶解したものをベース電解液(I)とし、このベース電
解液(I)に、不飽和ラクトン類として3−メチル−2(5H)−フラノン、及び、不飽和カーボネート類としてビニレンカーボネートを、非水系電解液に対する濃度がそれぞれ0.5量%及び2量%となるように加えて非水系電解液とした。
得られた非水系電解液を用いて、上述した方法にしたがってリチウム二次電池を作製し、高温保存特性評価を行なった。結果を表1に示す。なお、表1において、不飽和ラクトン類、不飽和カーボネート類、及び電解質の欄においてカッコ内に記載された数値は、それぞれ非水系電解液中における組成(濃度)を表す。また、非水溶媒の欄においてカッコ内に記載された数値は、非水溶媒の混合比率を表す。
<比較例1>
ベース電解液(I)に、不飽和ラクトン類として3−メチル−2(5H)−フラノンを、非水系電解液に対する濃度が0.5量%となるように添加した非水系電解液を用いて、上述した方法にしたがってリチウム二次電池を作製し、高温保存特性評価を行なった。結果を表1に示す。
<比較例2>
ベース電解液(I)に、不飽和カーボネート類としてビニレンカーボネートを、非水系電解液に対する濃度が2量%となるように添加した非水系電解液を用いて、上述した方法にしたがってリチウム二次電池を作製し、高温保存特性評価を行なった。結果を表1に示す。
<比較例3>
ベース電解液(I)そのものを用いて、上述した方法にしたがってリチウム二次電池を作製し、高温保存特性評価を行なった。結果を表1に示す。
<実施例2>
ベース電解液(I)に、不飽和ラクトン類として3−メチル−2(5H)−フラノン、及び、不飽和カーボネート類としてビニレンカーボネートを、非水系電解液に対する濃度がそれぞれ0.2量%及び2量%となるように添加した非水系電解液を用いて、上述した方法にしたがってリチウム二次電池を作製し、高温保存特性評価を行なった。結果を表1に示す。
<実施例3>
ベース電解液(I)に、不飽和ラクトン類として3−メチル−2(5H)−フラノン、不飽和カーボネート類としてビニレンカーボネート及びビニルエチレンカーボネートを、非水系電解液に対する濃度がそれぞれ0.5量%、1量%及び1量%となるように添加した非水系電解液を用いて、上述した方法にしたがってリチウム二次電池を作製し、高温保存特性評価を行なった。結果を表1に示す。
<実施例4>
環状カーボネートであるエチレンカーボネート(EC)と、鎖状カーボネートであるエチルメチルカーボネート(EMC)と、ジエチルカーボネート(DEC)との混合溶媒(混合体積比1:1:1)に、電解質としてLiPF6を1mol/Lの割合で溶解したも
のをベース電解液(II)とし、このベース電解液(II)に不飽和ラクトン類として3−メチル−2(5H)−フラノン、及び、不飽和カーボネート類としてビニレンカーボネートを、非水系電解液に対する濃度がそれぞれ0.5量%及び2量%となるように加えて非水系電解液とした。得られた非水系電解液を用いて、上述した方法にしたがってリチウム二次電池を作製し、高温保存特性評価を行なった。結果を表1に示す。
<実施例5>
ベース電解液(I)に、不飽和ラクトン類として5,6−ジヒドロ−2H−ピラン−2−オン、及び、不飽和カーボネート類としてビニレンカーボネートを、非水系電解液に対する濃度がそれぞれ0.2量%及び2量%となるように添加した非水系電解液を用いて、上述した方法にしたがってリチウム二次電池を作製し、高温保存特性評価を行なった。結果を表1に示す。
<実施例6>
ベース電解液(I)に、不飽和ラクトン類として4,6−ジメチル−α−ピロン、及び、不飽和カーボネート類としてビニレンカーボネートを、非水系電解液に対する濃度がそれぞれ0.5量%及び2量%となるように添加した非水系電解液を用いて、上述した方法にしたがってリチウム二次電池を作製し、高温保存特性評価を行なった。結果を表1に示す。
<比較例4>
ベース電解液(I)に、不飽和ラクトン類として3−メチル−2(5H)−フラノン、及び、不飽和カーボネート類としてビニレンカーボネートを、非水系電解液に対する濃度がそれぞれ6量%及び2量%となるように添加した非水系電解液を用いて、上述した方法にしたがってリチウム二次電池を作製し、高温保存特性評価を行なった。結果を表1に示す。
<比較例5>
ベース電解液(I)に、不飽和ラクトン類としてクマリン、及び、不飽和カーボネート類としてビニレンカーボネートを、非水系電解液に対する濃度がそれぞれ0.5量%及び2量%となるように添加した非水系電解液を用いて、上述した方法にしたがってリチウム二次電池を作製し、高温保存特性評価を行なった。結果を表1に示す。
Figure 0004581454
表1より、実施例1〜6の非水系電解液は、本発明の不飽和ラクトン類及び不飽和カーボネート類の両方を混合しない場合(比較例3)や、どちらか一方を混合した場合(比較例1,2)に比べ、高温保存後回復容量が大きく、高い高温保存特性が得られたことが分かる。また、本発明の不飽和ラクトン類及び不飽和カーボネート類を両方用いても、その濃度範囲が本発明の規定する濃度範囲外である場合(比較例4)には、高い高温保存特性が得られないことが分かる。さらに、不飽和ラクトン類及び不飽和カーボネート類を両方用いても、用いた不飽和ラクトン類が上記一般式(1)で表わされない不飽和ラクトン類である場合(比較例5)には、高い高温保存特性が得られないことが分かる。
なお、比較例4,5の結果は、特許文献3に記載の技術を検証したものである。特許文献3には、炭素−炭素不飽和結合と共役した電子吸引基を有する特定の化合物を所定濃度だけ非水系電解液に混合する技術が記載されており、この特定の化合物には不飽和ラクトン類が含まれている。しかし、特許文献3記載の技術では、使用する不飽和ラクトン類として一般式(1)で表わされるものが挙げられておらず、また、その不飽和ラクトン類の濃度範囲も本発明で規定する濃度範囲を示していない。その結果、特許文献3記載の技術では、比較例4,5のように高温保存特性の改善が行なえない。以上のように、本発明の実施例1〜6は、高温保存特性を改善する点で、本発明が特許文献3をはじめとした従来の技術よりも優れた技術であることを示しているといえる。
本発明のリチウム二次電池の用途は特に限定されず、公知の各種の用途に用いることが可能である。具体例としては、ノートパソコン、ペン入力パソコン、モバイルパソコン、電子ブックプレーヤー、携帯電話、携帯ファックス、携帯コピー、携帯プリンター、ヘッドフォンステレオ、ビデオムービー、液晶テレビ、ハンディークリーナー、ポータブルCD、ミニディスク、トランシーバー、電子手帳、電卓、メモリーカード、携帯テープレコーダー、ラジオ、バックアップ電源、モーター、照明器具、玩具、ゲーム機器、時計、ストロボ、カメラ等を挙げることができる。
本発明を実施したリチウム二次電池の構造を示す概略断面図である。
符号の説明
1 正極
2 負極
3 セパレータ(スペーサ)
4 PETフィルム
5 シリコンゴム
6 ガラス板
7 ラミネートフィルム
8 封止材付きリード

Claims (5)

  1. 電解質と非水溶媒とを含む非水系電解液であって、
    該非水溶媒が、環状カーボネート類と、鎖状カーボネート類又は環状エステル類とを合計で90質量%以上含有し、かつ該非水系電解液全体に対して環状カーボネート類と、鎖状カーボネート類又は環状エステル類とを合計で70質量%以上の濃度で含有し、
    該環状カーボネート類が、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネートからなる群より選ばれる1種以上であり、
    該環状エステル類が、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトンからなる群より選ばれる1種以上であるとともに、
    更に、下記一般式(1)で表される不飽和ラクトン類を該非水系電解液全体に対して0.01質量%以上5質量%以下含有し、
    かつ、不飽和カーボネート類を、該非水系電解液全体に対して、0.1質量%以上10質量%以下の濃度で含有し、該不飽和カーボネート類がビニレンカーボネートビニルエチレンカーボネートからなる群より選ばれる1種以上である
    ことを特徴とする、非水系電解液。
    Figure 0004581454
    {上記一般式(1)中、R1及びR2は、それぞれ独立して水素原子、又は、炭素数が1以上3以下のアルキル基を表す。また、R3は炭素数が1以上3以下のアルキル基を置換基
    として有していても良い、メチレン基、エチレン基又はビニレン基を表す。}
  2. 該不飽和ラクトン類の含有量が、該非水系電解液全体に対して、0.1質量%以上3質量%以下であることを特徴とする、請求項1に記載の非水系電解液。
  3. 該ビニレンカーボネートまたはビニルエチレンカーボネートの含有量が、該非水系電解液全体に対して、0.3質量%以上7質量%以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の非水系電解液。
  4. 該不飽和ラクトン類が、3−メチル−2(5H)−フラノン、2(5H)−フラノン、5,6−ジヒドロ−2H−ピラン−2−オン、α−ピロン、及び、4,6−ジメチル−α−ピロンからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の非水系電解液。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の非水系電解液と、リチウムイオンを吸蔵及び放出可能な負極及び正極とを備えることを特徴とする、リチウム二次電池。
JP2004096731A 2004-03-29 2004-03-29 非水系電解液及びそれを用いたリチウム二次電池 Expired - Lifetime JP4581454B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004096731A JP4581454B2 (ja) 2004-03-29 2004-03-29 非水系電解液及びそれを用いたリチウム二次電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004096731A JP4581454B2 (ja) 2004-03-29 2004-03-29 非水系電解液及びそれを用いたリチウム二次電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005285504A JP2005285504A (ja) 2005-10-13
JP4581454B2 true JP4581454B2 (ja) 2010-11-17

Family

ID=35183662

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004096731A Expired - Lifetime JP4581454B2 (ja) 2004-03-29 2004-03-29 非水系電解液及びそれを用いたリチウム二次電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4581454B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104078709B (zh) * 2014-04-30 2016-04-13 厦门首能科技有限公司 锂离子二次电池电解液
CN110945705B (zh) * 2017-07-27 2023-05-09 株式会社村田制作所 二次电池用电解液、二次电池、电池包、电动车辆、电力储存系统、电动工具及电子设备
US11824160B2 (en) 2018-03-12 2023-11-21 Tesla, Inc. Battery systems based on two-additive electrolyte systems including 2-furanone, and method of formation process of same

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04190574A (ja) * 1990-11-22 1992-07-08 Sanyo Electric Co Ltd 非水電解液電池
JPH1055821A (ja) * 1996-08-09 1998-02-24 Tonen Corp リチウム電池
JPH10106624A (ja) * 1996-09-24 1998-04-24 Fuji Photo Film Co Ltd 非水電解液二次電池
JPH11273725A (ja) * 1998-03-20 1999-10-08 Ube Ind Ltd リチウム二次電池用電解液およびそれを用いたリチウム二次電池
JP2000182666A (ja) * 1998-12-18 2000-06-30 Mitsubishi Chemicals Corp 非水電解液二次電池
JP2002083630A (ja) * 2000-09-06 2002-03-22 Toshiba Corp ラクトン誘導体、γ−ブチロラクトン誘導体、非水電解質及び非水電解質二次電池
JP2003086248A (ja) * 2001-09-14 2003-03-20 Mitsubishi Chemicals Corp 非水系電解液二次電池及び電解液
JP2003257481A (ja) * 2002-02-28 2003-09-12 Sanyo Electric Co Ltd 非水系二次電池
JP2003257477A (ja) * 2002-02-27 2003-09-12 Sanyo Electric Co Ltd 非水電解質二次電池
JP2004095556A (ja) * 2002-08-31 2004-03-25 Samsung Sdi Co Ltd 有機電解液及びそれを採用したリチウム電池

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04190574A (ja) * 1990-11-22 1992-07-08 Sanyo Electric Co Ltd 非水電解液電池
JPH1055821A (ja) * 1996-08-09 1998-02-24 Tonen Corp リチウム電池
JPH10106624A (ja) * 1996-09-24 1998-04-24 Fuji Photo Film Co Ltd 非水電解液二次電池
JPH11273725A (ja) * 1998-03-20 1999-10-08 Ube Ind Ltd リチウム二次電池用電解液およびそれを用いたリチウム二次電池
JP2000182666A (ja) * 1998-12-18 2000-06-30 Mitsubishi Chemicals Corp 非水電解液二次電池
JP2002083630A (ja) * 2000-09-06 2002-03-22 Toshiba Corp ラクトン誘導体、γ−ブチロラクトン誘導体、非水電解質及び非水電解質二次電池
JP2003086248A (ja) * 2001-09-14 2003-03-20 Mitsubishi Chemicals Corp 非水系電解液二次電池及び電解液
JP2003257477A (ja) * 2002-02-27 2003-09-12 Sanyo Electric Co Ltd 非水電解質二次電池
JP2003257481A (ja) * 2002-02-28 2003-09-12 Sanyo Electric Co Ltd 非水系二次電池
JP2004095556A (ja) * 2002-08-31 2004-03-25 Samsung Sdi Co Ltd 有機電解液及びそれを採用したリチウム電池

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005285504A (ja) 2005-10-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5391944B2 (ja) 非水系電解液およびそれを用いた電池
JP5699465B2 (ja) 非水系電解液及びそれを用いたリチウム二次電池
JP4407205B2 (ja) リチウム二次電池用非水電解液及びそれを用いたリチウム二次電池
JP5792610B2 (ja) 非水系電解液及び非水系電解液二次電池
JP5391938B2 (ja) 非水系電解液及びそれを用いたリチウム二次電池
JP4604505B2 (ja) ジフルオロリン酸リチウムの製造方法、ならびに、非水系電解液及びこれを用いた非水系電解液二次電池
JP5798954B2 (ja) 非水二次電池用電解液及び二次電池
JP2006351337A (ja) リチウム二次電池
JP2005322610A (ja) リチウム二次電池
JP2012064472A (ja) 非水系電解液及びそれを用いたリチウム二次電池
JP5790135B2 (ja) 非水系電解液及びそれを用いたリチウム二次電池
JP2003208920A (ja) 非水系電解液及びそれを用いたリチウム二次電池
JP4586388B2 (ja) 非水電解液及びリチウムイオン二次電池、並びにフッ素含有エステル化合物
JP4283566B2 (ja) 非水系電解液及びそれを用いたリチウム二次電池
JP5066788B2 (ja) 非水系電解液及びそれを用いたリチウム二次電池
JP2001015156A (ja) 非水電解質電池
JP4867208B2 (ja) リチウム二次電池
JP2005340151A (ja) リチウム二次電池
JP5050416B2 (ja) 非水系電解液及び非水系電解液二次電池
JP4581454B2 (ja) 非水系電解液及びそれを用いたリチウム二次電池
JP4089234B2 (ja) 非水系電解液及びそれを用いたリチウム二次電池
JP5532584B2 (ja) 非水系電解液及びそれを用いたリチウム二次電池
JP4513386B2 (ja) 非水系電解液及びリチウム二次電池
JP2003229170A (ja) 非水系電解液及びそれを用いたリチウム二次電池
JP4465944B2 (ja) 非水系電解液及びそれを用いたリチウム二次電池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070312

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091029

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091201

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100127

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100309

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100507

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100608

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100715

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100803

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100816

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4581454

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130910

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313121

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313121

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350