JP2011044132A - 画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】デジタルカメラ(1)の画像処理部(7)は、取得した画像から所定の色領域を検出し、この検出した色領域の彩度及び明度に基づいて処理領域を指定すると共に、この指定した処理領域の画素に対して彩度及び明度を調整する機能を備える。これによれば、撮像された画像から顔のテカリ成分を軽減して、より好ましい画像を得るという効果が期待できる。
【選択図】図1
Description
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像処理装置として機能するデジタルカメラ1の回路構成を示す図である。
ステップS11において、画像処理部7は、処理した画像データを画像記録部9に記録する。
(1)撮像された画像データの中から人物の顔におけるテカリ成分である処理領域を指定し、この処理領域の彩度及び明度を調整するようにしたので、画像データに含まれるテカリ成分を軽減して、人物の顔画像領域をより好ましい画像に変換することができる。
(2)顔検出機能により画像データから顔領域を検出し、この顔領域から肌色領域を指定するようにしたので、処理の高速化を図ることができる。
(3)肌色領域において、彩度が処理値以下で且つ明度が所定値以上の画素をテカリ成分である処理領域として指定するようにしたので、テカリ成分の画素を効率よく判別することができる。
(4)撮像された画像データが、フラッシュ光を伴って撮像された場合にのみテカリ成分を軽減する、テカリ抑制処理を実行するようにしたので、テカリ成分の発生しやすい条件下で撮像された画像データに対して効率よくテカリ成分を軽減する、テカリ抑制処理を実行することができる。
(5)処理領域の彩度及び明度の強度を算出し、この彩度及び明度の強度に基づいて処理領域の各画素の彩度及び明度を調整するようにしたので、処理領域の各画素における彩度及び明度をより正確に調整することができる。
第2実施形態では、さらに被写体となっている個人の肌色を考慮したテカリ抑制処理が実行される。
以下の処理は、図1に示す制御部8が各部を制御することにより実行される。また、本フローチャートの処理は、ユーザが撮影モード設定キー11bを操作して何れかの撮影モードを設定した後、シャッターキー11aを操作して撮像の記録開始を指示したときにスタートする。
ステップS33において、画像処理部7は、撮像した画像データをそのまま画像記録部9に記録(上書き)する。これにより、本フローチャートの処理が終了する。
具体的には例えば、顔領域を囲む枠の座標や、当該顔領域内に含まれる被写体の眼の位置の座標(以下、「眼位置情報」と呼ぶ)等が、顔情報として取得される。
具体的には例えば、画像処理部7は、顔情報のうち眼位置情報に基づいて、眼の周辺の所定領域を「肌色取得領域」として設定する。この「肌色取得領域」は、被写体となっている個人の肌情報を確実に取得できると判断される領域である。
なお、肌色取得領域となり得る領域は、一般的には、眼の下、鼻、又は頬などの周辺であり、確実に当該被写体の個人の肌が存在する領域となる。このため、肌色取得領域を算出するために、ここでは眼位置情報を用いている。しかしながら、肌色取得領域を算出するためには、眼位置情報に限らず、肌色取得領域を算出できる顔情報であれば、任意の情報を用いることが可能である。
画像処理部7は、当該肌色取得領域の画像データを、RGB色空間からHSV色空間に色空間変換する。
そして、画像処理部7は、HSV色空間上の肌色取得領域の画像データから、次の(a)乃至(c)の情報を肌情報として取得する。
なお、以下の(a)及び(b)の情報において、「その人物」とは、顔領域が検出された個人、即ち肌色取得領域に含まれる顔の部分を有する個人を示している。また、「(HSV)」とは、色相H、彩度S、及び明度Vの各々の値から情報が構成されていることを示している。
(a)その人物の平均テカリ情報(HSVの値)(以下、「平均テカリ情報」と略記する)
(b)その人物のテカリ抜きの平均肌情報(HSVの値)(以下、「平均肌情報」と略記する)
(c)肌に対するテカリ割合
即ち、画像処理部7は、肌色取得領域を、テカリらしい部分と、それ以外の肌色部分とに区分する。そして、画像処理部7は、テカリらしい部分を構成する各画素についての、色相H、彩度S、及び明度Vの各々の平均値を、平均テカリ情報として算出する。一方、画像処理部7は、その人物の肌色部分を構成する各画素についての、色相H、彩度S、及び明度Vの各々の平均値を、平均肌情報として算出する。また、画像処理部7は、肌色取得領域におけるテカリらしい部分の空間占有率[%]を、肌に対するテカリ割合として算出する。
ここで、「肌色目標値」とは、処理領域の各画素における、色相H、彩度S、及び明度Vの値(以下、これらの値をまとめて「HSV値」と呼ぶ)を、被写体となっている個人の肌色に近付けるように調整(補正)する場合に用いられる目標値である。この目標値は、HSV値として構成される。
例えば肌色目標値は、ステップS25の処理で取得した平均テカリ情報と平均肌情報の差分を基に、テカリ割合に応じて算出される。
処理領域とは、第1実施形態に係るステップS7の説明において上述したように、肌色領域のうち、テカリ成分として特定される領域をいう。
従って、処理領域の指定手法は、テカリ成分を特定可能な手法であれば足りるが、第2実施形態では、第1実施形態と同様の手法、即ち、彩度Sが所定値以下であり、且つ明度Vが所定値以上である画素からなる領域が処理領域として指定される。
これにより、処理領域のテカリ成分は軽減され、撮像画像に被写体として含まれる個人の肌色に近づけることができる。
ステップS32において、画像処理部7は、処理した画像データを画像記録部9に記録する。これにより、本フローチャートの処理が終了する。
図8(a)において、バツ印は、肌色取得領域のうちテカリらしい部分を構成する各画素を示している。これらの各画素についての、色相H、彩度S、及び明度Vの平均値が、平均テカリ情報51として算出されている。
図8(a)において、白抜き丸印(符号52が付された丸印は除く)は、肌色取得領域のうち肌色部分を構成する各画素を示している。これらの各画素についての、色相H、彩度S、及び明度Vの平均値が、平均肌情報52として算出されている。
図8(a)及び図8(b)に示すように、肌色目標値53は、平均テカリ情報51と平均肌情報52とを結ぶ線分上の点(同図中黒丸印)の座標値、即ち、当該点における、色相H、彩度S、及び明度Vの各々の値として表わされる。
先ず、画像処理部7は、平均肌情報52の各HSV値と、平均テカリ情報51の各HSV値との各々の差分を算出する。
図9は、補正割合を説明するためのHSV空間の部分上面図の例である。詳細には、図9(a)は、補正割合が15%である場合の肌色目標値53を示している。一方、図9(b)は、補正割合が50%である場合の肌色目標値53を示している。図9(a)と図9(b)とを比較するに、図9(a)の補正割合が15%である場合の肌色目標値53の方が、図9(b)の補正割合が50%である場合の肌色目標値53よりも、平均テカリ情報51に近づいていることがわかる。
そして、画像処理部7は、平均テカリ情報、平均肌情報、及び設定した補正割合とから、肌色目標値53を演算する。
次に、図7のステップS30の処理によって、このような肌色目標値に近づけるように処理対象領域の個々の画素のHSV値が補正される。
第3実施形態に係るテカリ抑制処理では、第1実施形態に採用された「彩度を高くし、明度を低くするテカリ抑制処理」(図4のステップS5乃至S10参照)と、第2実施形態に採用された個人の肌色を考慮したテカリ抑制処理(図7のステップS26乃至S31参照)とが選択的に実行される。
以下の処理は、図1に示す制御部8が各部を制御することにより実行される。また、本フローチャートの処理は、ユーザが撮影モード設定キー11bを操作して何れかの撮影モードを設定すると、スタートする。或いは、シャッターキー11aを半押する操作がなされると、スタートする。
即ち、制御部8は、本フローチャートを開始させると、撮像部3による撮像動作を継続させ、所定時間間隔毎に撮像部3から前処理部4を介して順次出力される画像データを、処理情報記憶部5等の内蔵するメモリに一時的に記憶させる。この時点では、画像データの画像記録部9への記録は行われていないものとする。このような画像データにより表現される画像を、以下、「フレーム画像」と適宜称する。そして、このような一連の処理が、ここでは「スルー撮像」と呼ばれている。
制御部8は、スルー撮像時に処理情報記憶部5等に一時的に記憶された各フレーム画像の画像データを順次読み出して、それぞれに対応するフレーム画像を表示部10に順次表示させる。このような一連の処理が、ここでは「スルー表示」と呼ばれている。このようなスルー表示により表示部10に表示されるフレーム画像を、以下、「スルー画像」と称する。
なお、スルー撮像やスルー表示は、第1実施形態や第2実施形態のデジタルカメラ1においても、当然に実行されている。即ち、図4や図7に示すフローチャートは、上述の如く、シャッターキー11aが押下されて(全押しされて)撮像画像の記録の指示がなされた後の処理を示しているため、スルー撮像やスルー表示を行うステップの図示が省略されているに過ぎない。
顔検出処理の結果が、処理情報記憶部5に記憶されると、処理はステップS43に進む。
ユーザがシャッターキー11aを全押ししていない場合、ステップS43においてNOであると判定され、処理はステップS41に戻される。即ち、ユーザがシャッターキー11aを全押しするまでの間、ステップS41乃至S43のループ処理が繰り返されて、スルー画像が表示部10に表示され続け、その間、スルー画像に対する顔検出処理が繰り返し実行される。
ステップS54において、画像処理部7は、撮像した画像データをそのまま画像記録部9に記録(上書き)する。これにより、本フローチャートの処理が終了する。
具体的には例えば、顔領域を囲む枠の座標や、当該顔領域内に含まれる被写体の眼位置情報等が、顔情報として取得される。
画像処理部7は、当該肌色確保領域の画像データを、RGB色空間からHSV色空間に色空間変換する。
そして、画像処理部7は、HSV色空間上の肌色確保領域の画像データから、次の(a)乃至(f)の情報を肌情報等として演算する。
(a)平均テカリ情報
(b)平均肌情報
(c)肌に対するテカリ%
(d)平均肌情報の信頼性度
(e)画面全面に対するその人物の顔面積
なお、(a)乃至(c)の情報は、第2実施形態に係る図7のステップS25の処理でも同様に演算されるため、ここではその説明については省略する。よって、第2実施形態に係る図7のステップS25の処理では演算されなかった(d)及び(e)の情報についてのみ、以下、簡単に説明する。
即ち、画像処理部7は、平均肌情報を算出した後、その平均肌情報の信頼性度を、パーセント表示で算出する。この場合の算出手法は特に限定されないが、例えば、一般的に肌色とされる色の平均的なHSV値と、被写体として含まれる個人の平均肌情報のHSV値とを比較する手法等を採用することができる。
また、画像処理部7は、例えば、フレーム画像(画面全面)における顔領域の空間占有率(パーセント表示)を、画面全面に対するその人物の顔面積として演算する。
即ち、直前のステップS47の処理では、顔情報の1つとして、顔領域を囲む枠の座標が取得されている。
そこで、画像処理部7は、このような顔領域を囲む枠の座標に基づいて、フレーム画像のうち、顔領域を囲む枠以外の領域を、背景領域として算出する。
画像処理部7は、当該背景領域の画像データを、RGB色空間からHSV色空間に色空間変換する。
そして、画像処理部7は、HSV色空間上の背景領域の画像データから、次の(f)及び(g)の情報を肌情報等としてさらに演算する。
なお、以下の(f)及び(g)の情報において、「背景」とは、背景領域に含まれる像を示している。また、「(HSV)」とは、色相H、彩度S、及び明度Vの各々の値から情報が構成されていることを示している。
(f)背景の平均テカリ情報(HSV)(以下、「背景平均テカリ情報」と略記する)
(g)背景の肌色に対する背景部テカリ%(以下、「背景部テカリ%」と略記する)
即ち、画像処理部7は、背景領域を、テカリらしい部分(テカリと同様のHSV特性を有する部分)と、それ以外の肌色部分とに区分する。そして、画像処理部7は、テカリらしい部分を構成する各画素についての、色相H、彩度S、及び明度Vの各々の平均値を、背景平均テカリ情報として算出する。また、画像処理部7は、背景領域におけるテカリらしい部分の空間占有率[%]を、背景部テカリ%として算出する。
このようなステップS49の処理を、以下、「テカリ抑制方式選択処理」と呼ぶ。テカリ抑制方式選択処理の詳細については、図11を参照して後述する。
ステップS51において、画像処理部7は、「彩度を高くし、明度を低くするテカリ抑制処理」(図4のステップS5乃至S10参照)を実行する。
ステップS52において、画像処理部7は、「個人の肌色を考慮したテカリ抑制処理」(図7のステップS26乃至S31参照)を実行する。
ステップS53において、画像処理部7は、ステップS51又はS52において処理した画像データを画像記録部9に記録する。これにより、本フローチャートの処理が終了する。
信頼性の判定手法は、特に限定されないが、例えば本実施形態では、次のような手法が採用されている。
即ち、図10のステップS44の処理で取得されたフレーム画像の画像データが、発光部12によるフラッシュ光を伴って撮像された画像データである場合には、信頼性は「1」であると判定される。
また、ステップS44の処理で取得されたフレーム画像の画像データが、発光部12によるフラッシュ光を伴わずに撮像された画像データであり、ステップS45の顔検出処理で当該フレーム画像から顔が検出された人数と、ステップS42の顔検出処理でスルー画像から顔が検出された人数とが一致する場合には、信頼性は「1」であると判定される。
一方、ステップS44の処理で取得されたフレーム画像の画像データが、発光部12によるフラッシュ光を伴わずに撮像された画像データであり、ステップS45の顔検出処理で当該フレーム画像から顔が検出された人数と、ステップS42の顔検出処理でスルー画像から顔が検出された人数とが一致しない場合には、信頼性は「0」であると判定される。
つまり、第3実施形態の他、第1実施形態や第2実施形態も含めて、テカリ抑制処理では、境界値Sが予め設定されており、このようなS値を、以下、「初期境界値」と呼ぶ。例えば、初期境界値は、一般的には、蛍光灯などの白い領域とそれ以外の領域との境界となる彩度Sの値が設定される。即ち、初期境界値を用いたテカリ抑制処理では、蛍光灯などの白い領域に対してのみ、テカリ抑制処理の効果の度合が下げられる。
しかしながら、肌色確保領域における平均テカリ情報の彩度Sの値(以下、「肌テカリ平均S値」と呼ぶ)が、背景平均テカリ情報の彩度Sの値(以下、「背景テカリ平均S値」と呼ぶ)を上回っている。
このように、肌テカリ平均S値が背景テカリ平均S値を上回っている状態では、肌色確保領域のうちテカリらしい部分である領域に対してのみに、テカリ抑制処理が施されればよい。
そこで、このような状態では、画像処理部7は、肌テカリ平均S値¥と背景テカリ平均S値112との間の値を、境界値Sとして設定する。これにより、背景領域に対しても、テカリ抑制処理の効果の度合を下げることが可能になる。
信頼性が「0」である場合、ステップS63においてNOであると判定されて、処理はステップS69に進む。ステップS69において、画像処理部7は、テカリ抑制方式として、「彩度を高くし、明度を低くするテカリ抑制処理」(図4のステップS5乃至S10参照)を実行する方式を選択する。
これに対して、信頼性が「1」である場合、この段階でテカリ抑制方式を選定することは未だ不十分であるとして、ステップS63においてYESであると判定されて、処理はステップS64に進む。
図10のステップS44の処理で取得されたフレーム画像の画像データに対して、ステップS45の顔検出処理が施された結果として、複数人の顔が検出された場合、即ち、被写体が複数人の場合、ステップS64においてNOであると判定されて、処理はステップS69に進む。ステップS69において、画像処理部7は、テカリ抑制方式として、「彩度を高くし、明度を低くするテカリ抑制処理」を実行する方式を選択する。
これに対して、ステップS44の処理で取得されたフレーム画像の画像データに対して、ステップS45の顔検出処理が施された結果として、1人の顔が検出された場合、即ち、被写体が1人の場合、この段階でテカリ抑制方式を選定することは未だ不十分であるとして、ステップS64においてYESであると判定されて、処理はステップS65に進む。
なお、第3実施形態の個人肌色情報考慮テカリ抑制処理は、1人の被写体の個人の肌色のみを考慮することを前提としているため、ステップS64の処理が設けられている。即ち、複数人の被写体の各々の個人の肌色を考慮可能な個人肌色情報考慮テカリ抑制処理が採用されている場合には、ステップS64の処理は省略可能である。
平均肌情報の信頼性度が一定以下の場合、ステップS65においてYESであると判定されて、処理はステップS69に進む。ステップS69において、画像処理部7は、テカリ抑制方式として、「彩度を高くし、明度を低くするテカリ抑制処理」を実行する方式を選択する。
これに対して、平均肌情報の信頼性度が一定の値を超えている場合、この段階でテカリ抑制方式を選定することは未だ不十分であるとして、ステップS65においてNOであると判定されて、処理はステップS66に進む。
顔面積が一定以上の場合、ステップS66においてYESであると判定されて、処理はステップS70に進む。ステップS70において、画像処理部7は、テカリ抑制方式として、「個人の肌色を考慮したテカリ抑制処理」(図7のステップS26乃至S31参照)を実行する方式を選択する。
これに対して、顔面積が一定未満の場合、この段階でテカリ抑制方式を選定することは未だ不十分であるとして、ステップS66においてNOであると判定されて、処理はステップS67に進む。
平均肌情報のS値が一定範囲内の値である場合、ステップS67においてYESであると判定されて、処理はステップS70に進む。ステップS70において、画像処理部7は、テカリ抑制方式として、「個人の肌色を考慮したテカリ抑制処理」を実行する方式を選択する。
これに対して、平均肌情報のS値が一定範囲から外れた値である場合、この段階でテカリ抑制方式を選定することは未だ不十分であるとして、ステップS67においてNOであると判定されて、処理はステップS68に進む。
背景部テカリ%が一定以下の場合、ステップS68においてYESであると判定されて、処理はステップS70に進む。ステップS70において、画像処理部7は、テカリ抑制方式として、「個人の肌色を考慮したテカリ抑制処理」を実行する方式を選択する。
これに対して、背景部テカリ%が一定の値を超えている場合、ステップS68においてNOであると判定されて、処理はステップS69に進む。ステップS69において、画像処理部7は、テカリ抑制方式として、「彩度を高くし、明度を低くするテカリ抑制処理」を実行する方式を選択する。
即ち、図10のステップS49の処理が終了し、処理はステップS50に進む。
図11のステップS69の処理で「彩度を高くし、明度を低くするテカリ抑制処理」を実行する方式が選択された場合、ステップS50においてNOであると判定されて、ステップS51の処理で、「彩度を高くし、明度を低くするテカリ抑制処理」が実行される。
これに対して、図11のステップS70の処理で「個人の肌色を考慮したテカリ抑制処理」を実行する方式が選択された場合、ステップS50においてYESであると判定されて、ステップS52の処理で、「個人の肌色を考慮したテカリ抑制処理」が実行される。
しかしながら、被写体となっている個人の肌に関する情報が適切に得られない場合等、「個人の肌色を考慮したテカリ抑制処理」を実行しても、当該課題を解決できないばかりか、好ましくない処理結果が得られてしまう場合もあり得る。或いはまた、そもそも、必要な情報が足りずに、「個人の肌色を考慮したテカリ抑制処理」の実行自体が不可能になる場合もあり得る。
このような場合であっても、第3実施形態では、「個人の肌色を考慮したテカリ抑制処理」の代わりに、「彩度を高くし、明度を低くするテカリ抑制処理」を実行することができるので、一定以上のテカリ抑制の効果を得ることが可能になる。
(1)撮影モード設定キー11bにより人物撮影モードが設定されたときは、撮像した画像データからテカリ成分を軽減するテカリ抑制処理を実行するようにしてもよい。人物撮影モードでは、人物の顔が撮影される可能性が高く、またフラッシュ光が自動発光する場合もあり、撮影された人物の顔にテカリ成分が発生している確率が高い。従って、人物撮影モードが設定されたときには、フラッシュ発光の有無に係わらず、撮像された画像データに対してテカリ成分を軽減するテカリ抑制処理を実行することにより、テカリ成分の軽減された、より好ましい画像を得ることができる。
(2)顔検出処理により検出された顔領域から、テカリ成分の発生しやすい人物の額、頬、鼻に相当する部分を抽出し、当該部分から処理領域を指定するようにしてもよい。これによれば、テカリ成分の発生しやすい部分を抽出することにより、処理領域をより正確に指定することが可能となる。
(3)肌色領域や処理領域を、ユーザが表示部10に表示された画像を見ながら、不図示の操作入力部材を介して指定するようにしてもよい。この場合、肌色領域については、図2に示すHSV色空間の模式図を表示部10にカラー表示することにより、ユーザに色相Hの分布を視覚的に判別させることが出来る。
(4)上述した画像処理部7の機能の一部又は全てについて、制御部8を本発明に係わる画像処理プログラムに従って動作させることにより実現するようにしてもよい。
(5)上述した実施の形態では、撮影レンズ2及び撮像部3を本発明の画像取得手段とする例について示したが、他のデジタルカメラ等で撮像された画像をデジタルカメラ1に取り込むように構成されていてもよい。その場合は、画像データの記録された記録媒体が着脱自在に装填されるカードスロット部や、有線又は無線により画像データを取り込むためのケーブル又はトランスミッター部との接続端子が画像取得手段として機能することになる。
(6)また、上述した実施の形態では、肌色領域の中から処理領域を検出するようにしたが、他の色領域であってもよい。その場合は、所望の色相値Hの範囲を指定し、その指定された色相値Hの範囲内において、彩度Sが所定値以下であり、且つ明度Vが所定値以上である画素からなる領域を処理領域として指定する。
(7)なお、第2実施形態においては、画像処理部7は肌色取得領域の平均テカリ情報と平均肌情報とから、肌色目標値を設定したが、平均肌情報のみを考慮して肌色目標値を設定するようにしてもよい。
(8)さらにまた、本発明は、HSV空間に特に限定されず、その他、YUV空間やRGB空間等の各種色相空間に広く適用することが可能である。
(9)本発明は、デジタルカメラに限らず、例えば、カメラ付き携帯電話機等の静止画撮影機能を備えた電子機器全般に適用することができる。また、本発明は、画像の色処理機能を備えた任意の画像処理装置にも適用することができる。さらに、本発明に係わる画像処理装置には、所定のプログラムに基づいて動作することにより、本実施の形態の画像処理部7の機能を実現可能なコンピュータ装置も含まれる。
2 撮影レンズ
3 撮像部
4 前処理部
5 処理情報記憶部
6 プログラムメモリ
7 画像処理部
8 制御部
9 画像記録部
10 表示部
11 キー入力部
11a シャッターキー
11b 撮影モード設定キー
12 発光部
Claims (13)
- 画像を取得する画像取得手段と、
前記画像取得手段により取得された画像から所定の色領域を検出する色領域検出手段と、
前記色領域検出手段により検出された前記色領域の彩度及び明度に基づいて処理領域を指定する処理領域指定手段と、
前記処理領域指定手段により指定された前記処理領域の画素の色相、彩度及び明度のうち少なくとも1つを調整する色調整手段と、
を備える画像処理装置。 - 前記画像取得手段により取得された画像から人物の顔領域を検出する顔検出手段を備え、
前記色領域検出手段は、前記顔検出手段により検出された顔領域の画像から所定の色領域を検出することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。 - 前記色領域検出手段は、所定の前記色領域として、前記画像に含まれる人物の肌色に相当する肌色領域を検出し、
前記処理領域指定手段は、前記処理領域として、前記肌色領域において彩度が所定値以下で且つ明度が所定値以上である画素を指定すること、
を特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。 - 前記色調整手段は、
前記顔検出手段により検出された前記人物の顔領域の画像に基づいて、前記人物の個人の肌色に関する肌色情報を取得する肌色情報取得手段を含み、この肌色情報取得手段によって取得された前記肌色情報に基づいて、前記処理領域の画素における、色相、彩度及び明度の各々を調整することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。 - 前記肌色情報取得手段は、
前記顔検出手段により検出された前記顔領域内に含まれる前記人物の特定の部位の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記位置情報取得手段によって取得した前記位置情報に基づいて、前記顔領域の中から当該人物の肌色情報を取得すべき領域を、肌色取得領域として設定する領域設定手段と、を含み、
前記領域設定手段によって設定した前記肌色取得領域の画像に基づいて、前記肌色情報を求めること、
を特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。 - 前記肌色情報取得手段は、
前記処理領域における各画素についての、色相、彩度、及び明度の各々の平均値からなる第1の平均値情報、及び、前記肌色取得領域における各画素についての、色相、彩度、及び明度の各々の平均値からなる第2の平均値情報を、前記肌色情報として取得し、
前記色調整手段は、
前記肌色情報取得手段が取得した前記第1の平均値情報と前記第2の平均値情報との差分値に基づいて前記処理領域の画素の色相、彩度及び明度のうち少なくとも1つを調整すること
を特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。 - 前記色調整手段は、色相、彩度、及び明度の各々について、前記第1の平均値情報と前記第2の平均値情報の差分値を求め、前記差分値に基づいて前記処理領域の画素の色相、彩度及び明度のうち少なくとも1つを調整すること、
を特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。 - 前記色調整手段は、
前記処理領域の画素に対して、彩度を上げ且つ明度を下げる調整を行うこと、
を特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。 - 前記処理領域における彩度及び明度の強度を算出する強度算出手段を備え、
前記色調整手段は、前記強度算出手段により算出された前記処理領域の彩度及び明度の強度に従って、前記処理領域の画素に対して彩度及び明度を調整すること、
を特徴とする請求項8に記載の画像処理装置。 - 前記処理領域指定手段は、前記画像取得手段により取得された画像が発光を伴って撮像された画像であるときに、前記処理領域を指定すること、
を特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載の画像処理装置。 - 複数の撮影モードから1つの撮影モードを設定可能な設定手段と、
前記設定手段を介して設定された撮影モードに応じて前記画像取得手段における撮像条件を設定する撮影条件設定手段と、
を備え、前記処理領域指定手段は、前記設定手段により人物を撮影するための撮影モードが設定された場合に前記処理領域を指定すること、
を特徴とする請求項1乃至10の何れか一項に記載の画像処理装置。 - 画像を取得する画像取得ステップと、
前記画像取得ステップにより取得された画像から所定の色領域を検出する色領域検出ステップと、
前記色領域検出ステップにより検出された前記色領域の彩度及び明度に基づいて処理領域を指定する処理領域指定ステップと、
前記処理領域指定ステップにより指定された前記処理領域の画素の色相、彩度及び明度のうち少なくとも1つを調整する色調整ステップと、
を備える画像処理方法。 - 画像を取得する画像取得手段を備えたコンピュータを、
前記画像取得手段により取得された画像から所定の色領域を検出する色領域検出手段、
前記色領域検出手段により検出された前記色領域の彩度及び明度に基づいて処理領域を指定する処理領域指定手段、
前記処理領域指定手段により指定された前記処理領域の画素の色相、彩度及び明度のうち少なくとも1つを調整する色調整手段、
として機能させるための画像処理プログラム。
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