JP2011037948A - 耐摩耗性シリコーンコーティング組成物並びに被覆物品及びその製造方法 - Google Patents

耐摩耗性シリコーンコーティング組成物並びに被覆物品及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】有機樹脂基材に直接塗工でき、硬化塗膜の透明性に優れ、耐擦傷性を発現し、更に長期の密着性が良好なシリコーンコーティング組成物及び該組成物を被覆した被覆物品を提供する。
【解決手段】(A)式(1):R1 m2 nSi(OR34-m-n(1)(R1及びR2はH又は一価炭化水素基、置換基同士が相互に結合していてもよく、R3はアルキル基、m,nは0又は1、かつm+nは0,1又は2)で表されるアルコキシシラン又はその部分加水分解縮合物を(共)加水分解・縮合することにより得られた加水分解縮合物、(B)コロイダルシリカ、(C)ポリカーボネート系及び/又はポリエステル系のウレタン変性ビニル系重合体、(D)硬化触媒、(E)溶剤を含有し、(C)ウレタン変性ビニル系重合体の固形分量が(A)加水分解縮合物及び(B)コロイダルシリカの合計固形分量に対して1〜30質量%である耐摩耗性シリコーンコーティング組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐摩耗性シリコーンコーティング組成物並びに被覆物品及びその製造方法に関する。特に、ポリカーボネート等の有機樹脂基材の表面に下塗りなしで塗布し、加熱硬化することにより、透明性及び耐擦傷性を有すると共に、長期密着性に優れた塗膜を形成し得る、耐摩耗性シリコーンコーティング組成物並びに該組成物の硬化被膜を被覆させてなる被覆物品及びその製造方法に関する。
従来、プラスチック等の有機樹脂基材の表面に、高硬度、耐擦傷性の付与を目的とした表面保護塗膜を形成するコーティング剤として、加水分解性オルガノシランを加水分解もしくは部分加水分解して得られる組成物からなるコーティング剤、あるいは該組成物にコロイダルシリカを混合したコーティング剤が知られている。
例えば、特開昭51−2736号公報(特許文献1)、特開昭53−130732号公報(特許文献2)、特開昭63−168470号公報(特許文献3)には、オルガノアルコキシシラン、該オルガノアルコキシシランの加水分解物及び/又はその部分縮合物、及びコロイダルシリカからなり、過剰の水でアルコキシ基をシラノールに変換してなるコーティング剤が提案されている。しかし、大抵の場合、これらシリコーンコーティング剤からなる表面保護被膜を有機樹脂基材に良好に密着させるためには、まず下塗り(プライマー)を基材に塗布することが必要である。この際の下塗り剤としては、ビニル系重合体の溶剤溶液を使用するのが一般的である。またこれらのコーティング剤により得られる塗膜は、硬度が高く、耐候性もよく、基材保護用として優れているが、靭性に乏しく、容易にクラックが発生したり、経時で塗膜硬度が低下するといった保存安定性に関してまだまだ問題があった。
下塗り不要で有機基材に接着する耐摩耗性シリコーンコーティング剤として、特公昭63−35675号公報(特許文献4)、特開平11−293197号公報(特許文献5)等のように、基材侵食性の極性溶剤、例えば、酢酸エチル、2−ブタノンやベンジルアルコールを使用する方法が提案されている。
また、同じように基材を侵す目的で、(メタ)アクリル酸、又はその水酸基含有エステル類を添加する方法(特許文献6:米国特許第4486504号明細書、特許文献7:米国特許第5411807号明細書)も開示されている。
以上のような基材侵食性の溶剤や化合物を添加しただけでは、初期の密着性は十分なものの、長期もしくは耐水での密着性ではいまだに不十分である。またこれら方法では、密着性を向上させる目的で、基材侵食性の化合物を過剰に添加した場合、基材の白化が生じることもあった。
一方、下塗り不要で有機基材に接着する耐摩耗性シリコーンコーティング剤として、密着向上成分を導入する方法も行われてきた。例えば、密着向上成分として、フェニルトリヒドロキシシランをバインダーへ組み込む例(特許文献8:特開昭60−79071号公報)、及び(メタ)アクリル化ポリウレタン、反応性基含有アクリル共重合体、カプロラクトン系ポリエステルポリオールを使用する例(特許文献9:特開2001−247769号公報、特許文献10:米国特許第5503935号明細書、特許文献11:米国特許第5349002号明細書)が開示されている。しかしながらこれらの密着向上成分を使用しても、樹脂基材への密着性、特に長期密着性は未だ不十分であった。
以上のように、耐摩耗性のシリコーンコーティング剤の有機樹脂基材への密着性の改善について様々な試みがなされてきたが、未だ十分満足するものは得られておらず、硬化塗膜が透明性を維持しながら耐擦傷性を発現し、更に長期の基材密着性を備えたコーティング組成物が強く求められている。
特開昭51−2736号公報 特開昭53−130732号公報 特開昭63−168470号公報 特公昭63−35675号公報 特開平11−293197号公報 米国特許第4486504号明細書 米国特許第5411807号明細書 特開昭60−79071号公報 特開2001−247769号公報 米国特許第5503935号明細書 米国特許第5349002号明細書
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、有機樹脂基材に対し、下塗りを介さず直接塗工することができ、硬化塗膜の透明性を維持しながら耐擦傷性を発現し、更に長期の密着性を兼ね備えたシリコーンコーティング組成物及び該組成物を被覆した被覆物品を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、耐摩耗性シリコーンコーティング組成物において、密着向上剤として、ポリカーボネート系及び/又はポリエステル系のウレタン変性ビニル系重合体を、コーティング組成物に配合することにより、有機樹脂基材へ下塗り(プライマー)なしで被覆した硬化塗膜が透明性を維持しながら耐擦傷性を発現し、更にこれまで実現し得なかった長期間の密着性が得られることを見出し、本発明をなすに至った。
即ち、本発明は、下記の耐摩耗性シリコーンコーティング組成物並びに被覆物品及びその製造方法を提供する。
〔1〕(A)下記一般式(1):
1 m2 nSi(OR34-m-n (1)
(式中、R1及びR2は、各々独立に、水素原子、又は置換もしくは非置換の一価炭化水素基であり、置換基同士が相互に結合していてもよく、R3は、炭素数1〜3のアルキル基であり、m,nは、各々独立に、0又は1であり、かつm+nは、0,1又は2である。)
で表されるアルコキシシラン及びその部分加水分解縮合物から選ばれる少なくとも1種を(共)加水分解・縮合することにより得られた加水分解縮合物、
(B)コロイダルシリカ、
(C)ポリカーボネート系及び/又はポリエステル系のウレタン変性ビニル系重合体、
(D)硬化触媒、
(E)溶剤
を含有し、かつ(C)ウレタン変性ビニル系重合体の固形分量が、(A)加水分解縮合物及び(B)コロイダルシリカの合計固形分量に対して、1〜30質量%であることを特徴とする耐摩耗性シリコーンコーティング組成物。
〔2〕(C)成分が、ポリカーボネート系のウレタン変性ビニル系重合体であることを特徴とする〔1〕記載の耐摩耗性シリコーンコーティング組成物。
〔3〕(C)成分のポリスチレンを基準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)分析による重量平均分子量が5,000〜50,000であることを特徴とする〔1〕又は〔2〕記載の耐摩耗性シリコーンコーティング組成物。
〔4〕(C)成分の水酸基価が10以上であることを特徴とする〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の耐摩耗性シリコーンコーティング組成物。
〔5〕(C)成分が、脂肪族ポリカーボネートジオールと芳香族ジイソシアネートとの反応から得られるポリカーボネート系ウレタンを側鎖に有するビニル系重合体であることを特徴とする〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の耐摩耗性シリコーンコーティング組成物。
〔6〕(A)成分が、一般式(1)で表されるアルコキシシラン及びその部分加水分解縮合物から選ばれる少なくとも1種を、該アルコキシシラン及びその部分加水分解縮合物100質量部に対して50質量部以上150質量部未満のpH1〜7の水にて(共)加水分解縮合し、生成するアルコールを液温80℃以上にて留去することにより得られ、かつGPC分析によるポリスチレン換算重量平均分子量が1,500以上であることを特徴とする〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の耐摩耗性シリコーンコーティング組成物。
〔7〕(A)成分が、(A−1)下記平均組成式(2)
4 aSi(OR5b(OH)c(4-a-b-c)/2 (2)
(式中、R4は同一又は異種の炭素数1〜18の有機基、R5は同一又は異種の炭素数1〜4の有機基を示し、a,b及びcは、0.8≦a≦1.5、0≦b≦0.3、0.001≦c≦0.5、0.801≦a+b+c<2を満たす数である。)
で表され、40℃以下で固体であり、GPC分析による重量平均分子量が2,000以上のシロキサン樹脂を1〜50質量%含むことを特徴とする〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の耐摩耗性シリコーンコーティング組成物。
〔8〕(E)成分の配合量が、シリコーンコーティング組成物の固形分濃度を1〜30質量%とする量である〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の耐摩耗性シリコーンコーティング組成物。
〔9〕更に、(F)紫外線吸収剤を含むことを特徴とする〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の耐摩耗性シリコーンコーティング組成物。
〔10〕有機樹脂基材の少なくとも一方の面に、直接もしくは少なくとも1種の他の層を介して、〔1〕〜〔9〕のいずれかに記載の耐摩耗性シリコーンコーティング組成物の硬化被膜を被覆してなる被覆物品。
〔11〕有機樹脂基材の少なくとも一方の面に、直接、耐摩耗性シリコーンコーティング組成物の硬化被膜を被覆してなる〔10〕記載の被覆物品。
〔12〕有機樹脂基材がポリカーボネートである〔10〕又は〔11〕記載の被覆物品。
〔13〕有機樹脂基材上に下塗りなしに直接〔1〕〜〔9〕のいずれかに記載の耐摩耗性シリコーンコーティング組成物を塗工し、硬化することを特徴とする被覆物品の製造方法。
本発明によれば、有機樹脂基材へ下塗り(プライマー)なしで被覆した硬化塗膜が可視光の透明性を維持しながら耐擦傷性を発現し、更にこれまで実現し得なかった長期の密着性を兼ね備えたシリコーンコーティング組成物及びそれを用いた被覆物品を提供することができる。
以下に本発明の耐摩耗性シリコーンコーティング組成物を詳細に説明する。
(A)成分
本発明に用いられる(A)成分は、下記一般式(1):
1 m2 nSi(OR34-m-n (1)
(式中、R1及びR2は、各々独立に、水素原子、又は置換もしくは非置換の一価炭化水素基であり、置換基同士が相互に結合していてもよく、R3は、炭素数1〜3のアルキル基であり、m,nは、各々独立に、0又は1であり、かつm+nは、0,1又は2である。)
で表されるアルコキシシラン及びその部分加水分解縮合物から選ばれる少なくとも1種を(共)加水分解・縮合することにより得られた加水分解縮合物である。
上記式中、R1及びR2は、水素原子、又は置換もしくは非置換の好ましくは炭素数1〜12、特に1〜8の一価炭化水素基であり、例えば、水素原子;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;フェニル基等のアリール基;クロロメチル基、γ−クロロプロピル基、3,3’,3’’−トリフルオロプロピル基等のハロゲン置換炭化水素基;γ−メタクリロキシプロピル基、γ−グリシドキシプロピル基、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基、γ−メルカプトプロピル基、γ−アミノプロピル基、γ−イソシアネートプロピル基等の(メタ)アクリロキシ、エポキシ、メルカプト、アミノ、イソシアネート基置換炭化水素基等を例示することができる。また、複数のイソシアネート基置換炭化水素基同士が結合することによって形成されるイソシアヌレート基も例示することができる。これらの中でも、特に耐擦傷性や耐候性が要求される用途に使用する場合にはアルキル基が好ましく、靭性や染色性が要求される場合にはエポキシ、(メタ)アクリロキシ、イソシアヌレート置換炭化水素基が好ましい。
また、R3は、炭素数1〜3のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基を例示することができる。これらの中でも、加水分解縮合の反応性が高いこと、及び生成するアルコールR3OHの蒸気圧が高く、留去のし易さなどを考慮すると、メチル基、エチル基が好ましい。
上記式の例としては、m=0、n=0の場合、一般式:Si(OR34で表されるテトラアルコキシシラン、もしくはその部分加水分解縮合物(a−1)である。このようなテトラアルコキシシラン、もしくはその部分加水分解縮合物の具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラメトキシシランの部分加水分解縮合物(商品名「Mシリケート51」多摩化学工業(株)製、商品名「MSI51」コルコート(株)製、商品名「MS51」、「MS56」三菱化学(株)製)、テトラエトキシシランの部分加水分解縮合物(商品名「シリケート35」、「シリケート45」多摩化学工業(株)製、商品名「ESI40」、「ESI48」コルコート(株)製)、テトラメトキシシランとテトラエトキシシランとの共部分加水分解縮合物(商品名「FR−3」多摩化学工業(株)製、商品名「EMSi48」コルコート(株)製)等を挙げることができる。
また、m=1、n=0あるいはm=0、n=1の場合、一般式:R1Si(OR33あるいはR2Si(OR33で表されるトリアルコキシシラン、もしくはその部分加水分解縮合物(a−2)である。このようなトリアルコキシシラン、もしくはその部分加水分解縮合物の具体例としては、ハイドロジェントリメトキシシラン、ハイドロジェントリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピルトリイソプロポキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、パーフルオロオクチルエチルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、イソシアネート基同士が結合したトリス(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、トリス(3−トリエトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、4−トリメトキシシリルプロピルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、メチルトリメトキシシランの部分加水分解縮合物(商品名「KC−89S」、「X−40−9220」信越化学工業(株)製)、メチルトリメトキシシランとγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの部分加水分解縮合物(商品名「X−41−1056」信越化学工業(株)製)等を挙げることができる。
m=1、n=1の場合、一般式:R12Si(OR32で表されるジアルコキシシラン、もしくはその部分加水分解縮合物(a−3)である。このようなジアルコキシシラン、もしくはその部分加水分解縮合物の具体例としては、メチルハイドロジェンジメトキシシラン、メチルハイドロジェンジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルエチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、メチルプロピルジメトキシシラン、メチルプロピルジエトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン等を挙げることができる。
(A)成分の加水分解縮合物は、前記(a−1)、(a−2)及び(a−3)を任意の割合で使用して調製すればよいが、更に保存安定性、耐擦傷性、耐クラック性を向上させるには、(a−1)、(a−2)、(a−3)の合計100Siモル%に対して、(a−1)を0〜50Siモル%、(a−2)を50〜100Siモル%、(a−3)を0〜10Siモル%の割合で使用することが好ましく、更には(a−1)を0〜30Siモル%、(a−2)を70〜100Siモル%、(a−3)を0〜10Siモル%の割合で使用することが好ましい。この際、主成分となる(a−2)が50Siモル%未満では、樹脂の架橋密度が小さくなるために硬化性が低く、また硬化膜の硬度が低くなる傾向がある。一方、(a−1)が50Siモル%より過剰に用いられると、樹脂の架橋密度が高くなりすぎ、靭性が低下してクラックを回避しにくくなる場合がある。
なお、Siモル%は全Siモル中の割合であり、Siモルとは、モノマーであればその分子量が1モルであり、2量体であればその平均分子量を2で割った数が1モルである。
(A)成分の加水分解縮合物を製造するに際しては、(a−1)、(a−2)、(a−3)を公知の方法で(共)加水分解・縮合させればよい。例えば、(a−1)、(a−2)、(a−3)のアルコキシシランもしくはその部分加水分解縮合物の単独又は混合物を、pHが1〜7、好ましくは2〜7の水で(共)加水分解させる。この際、水中にシリカゾル等の金属酸化物微粒子が分散されたものを使用してもよい。このpH領域に調整するため及び加水分解を促進するために、フッ化水素、塩酸、硝酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、クエン酸、マレイン酸、安息香酸、マロン酸、グルタール酸、グリコール酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸等の有機酸及び無機酸、もしくは表面にカルボン酸基やスルホン酸基を有する陽イオン交換樹脂等の固体酸触媒、あるいは後述する酸性の水分散コロイダルシリカ等の水分散金属酸化物微粒子を触媒に用いてもよい。また加水分解時に後述するコロイダルシリカ等の金属酸化物微粒子を水もしくは有機溶剤中に分散させたものを共存させてもよい。
この加水分解において、水の使用量は(a−1)、(a−2)及び(a−3)のアルコキシシラン及び/又はその部分加水分解縮合物の合計100質量部に対して水20質量部〜3000質量部の範囲であればよいが、過剰の水の使用は、装置効率の低下ばかりでなく、最終的な組成物とした場合、残存する水の影響による塗工性、乾燥性の低下をも引き起こすおそれがある。更に保存安定性、耐擦傷性、耐クラック性を向上させるためには、50質量部以上150質量部未満、特に50質量部以上100質量部未満とすることが好ましい。水が少なすぎると、得られる加水分解縮合物のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)分析によるポリスチレン換算重量平均分子量が後述する最適領域にまで大きくならないことがあり、多すぎると、得られる加水分解縮合物に含まれる原料(a−2)に由来する単位式:R’SiO(3-p)/2(OX)p{ただし、R’はR1又はR2であり、Xは水素原子又はR3であり、R1、R2、R3は前記と同じであり、pは0〜3の整数である。}で表される単位中のR’SiO3/2{ただし、R’は前記と同じ}で表される単位が、塗膜の耐クラック性を維持するための最適範囲にまで達しないことがある。
加水分解は、アルコキシシラン、もしくはその部分加水分解縮合物中に水を滴下又は投入したり、逆に水中にアルコキシシラン、もしくはその部分加水分解縮合物を滴下又は投入したりしてもよい。この場合、有機溶剤を含有してもよいが、有機溶剤を含有しない方が好ましい。これは有機溶剤を含有するほど、得られる加水分解縮合物のGPC分析によるポリスチレン換算重量平均分子量が小さくなる傾向があるためである。
(A)成分の加水分解縮合物を得るには、前記の加水分解に続いて、縮合させることが必要である。縮合は、加水分解に続いて連続的に行えばよく、通常、液温が常温又は100℃以下の加熱下で行われる。100℃より高い温度ではゲル化する場合がある。更に80℃以上、常圧又は減圧下にて、加水分解で生成したアルコールを留去することにより、縮合を促進させることができる。更に、縮合を促進させる目的で、塩基性化合物、酸性化合物、金属キレート化合物等の縮合触媒を添加してもよい。縮合工程の前又は最中に、縮合の進行度及び濃度を調整する目的で有機溶剤を添加してもよく、また後述するコロイダルシリカ等の金属酸化物微粒子を水もしくは有機溶剤中に分散させたものを添加してもよい。一般的に加水分解縮合物は縮合が進行すると共に、高分子量化し、水や生成アルコールへの溶解性が低下していくため、添加する有機溶剤としては、加水分解縮合物をよく溶解し、沸点が80℃以上の比較的極性の高い有機溶剤が好ましい。このような有機溶剤の具体例としてはイソプロピルアルコール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、ジアセトンアルコール等のアルコール類;メチルプロピルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール等のケトン類;ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、アニソール、ジオキサン、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエーテル類;酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸シクロヘキシル等のエステル類などを挙げることができる。
この縮合により得られた加水分解縮合物のGPC分析によるポリスチレン換算重量平均分子量は1,500以上であることが好ましく、1,500〜50,000であることがより好ましく、2,000〜20,000であることが更に好ましい。分子量がこの範囲より低いと、塗膜の靱性が低く、クラックが発生しやすくなる傾向があり、一方、分子量が高すぎると、硬度が低くなる傾向があり、また塗膜中の樹脂が相分離するために塗膜白化を引き起こす場合がある。
(A−1)成分
本発明の(A)成分には、下記平均組成式(2)で表される(A−1)成分を含有することが好ましい。
(A−1)成分は、下記平均組成式(2)
4 aSi(OR5b(OH)c(4-a-b-c)/2 (2)
(式中、R4は同一又は異種の炭素数1〜18の有機基、R5は同一又は異種の炭素数1〜4の有機基を示し、a,b及びcは、0.8≦a≦1.5、0≦b≦0.3、0.001≦c≦0.5、0.801≦a+b+c<2を満たす数である。)
で表され、40℃以下で固体であり、GPC分析により測定したポリスチレン標準で換算した重量平均分子量が2,000以上、好ましくは2,000〜10,000のシロキサン樹脂であり、(A−1)成分を含有することにより、更にハードコート膜の高硬度性を維持しながら、柔軟性を与え、クラック等を防止できるようになる。この作用は、(A−1)成分の末端基(OR5及びOH)量が比較的少なく、ハードコート剤の架橋反応に限定的にしか関与せず、架橋ネットワークの隙間を埋める緩衝材のような役割を演じているためと考えられる。この場合、末端基量が少なすぎると、膜内に強固に固定されないので、耐溶剤性等で不利になる場合がある。従って、(A−1)成分は、末端基量は比較的少ないが、限定的にハードコート膜内に固定化されるだけの結合形成を(A)及び(B)成分との間で行うことができるものである。
更に、(A−1)成分を配合し、ハードコート膜の表面状態を変化させることにより、例えば硬化したハードコート塗膜表面では市販のマジックインキをはじく現象が見られる。
4は同一又は異種の炭素数1〜18、特に1〜10の有機基であり、置換又は非置換の一価炭化水素基、例えばアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、ハロゲン置換アルキル基等が挙げられ、アルキル基、アリール基が好ましい。例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ビニル基、トリフルオロプロピル基等が挙げられる。
5は同一又は異種の炭素数1〜4の有機基であり、特にアルキル基又はアルケニル基が挙げられる。OR5は、シロキサン樹脂の末端基のうち、シラノール基(Si−OH)以外の部分を示し、具体例としてメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられ、原料の入手が容易なメトキシ基、エトキシ基が好ましい。
a,b及びcは、0.8≦a≦1.5、0≦b≦0.3、0.001≦c≦0.5、0.801≦a+b+c<2を満たす数である。R4の含有量aが0.8未満だとクラック防止性が低下し、1.5を超えると、有機基が多くなって疎水性が高くなるため、ハードコート層への相溶性が低下し、膜内からブリードするため、クラック防止効果がなくなるだけでなく、ハジキ等の外観不良が生じる。
OR5の含有量bが0.3を超えると、末端基量が多く、(A),(B)成分との縮合反応に関与してくる比率が高まり、クラック防止性能が発現しなくなる。これらのアルコキシ基等は赤外吸収スペクトル(IR)、アルカリクラッキングによるアルコール定量法等で定量可能である。
OHの含有量cが0.5を超えると、加熱硬化時(A),(B)成分との縮合反応に関与してくる比率が高まり、高硬度ではあるが耐クラック性に乏しくなる。cが0.001未満だと、(A),(B)成分との結合生成が全くなくなり、膜内に固定化されず、硬度低下、耐溶剤性低下をもたらす。
より好ましくは、0.9≦a≦1.3、0.001≦b≦0.2、0.01≦c≦0.3、0.911≦a+b+c≦1.8である。
これらの値は、樹脂の29Si−NMRを測定し、樹脂の平均化学構造を算出することによって求めることができる。例えば3官能加水分解性シランから合成されるT単位(RSiO3/2)の中で、下記に示す4種類の構造単位(T0〜3)は、前述の29Si−NMRスペクトルにおいて異なる化学シフトでシグナルが観測される。このシグナルの面積は、この構造の存在比を示すため、この存在比、及びIRスペクトルから求めたアルコキシ基残量からシロキサン樹脂の構造を算出することができる。
Figure 2011037948
(式中、Xは水素原子又はR5を示す。)
(A−1)成分のシロキサン樹脂は、40℃以下で固体である。40℃以下で液体だと、加熱硬化時に(A−1)成分のシロキサン樹脂と(A),(B)成分の間で結合が生成したとしても、塗膜の硬度、耐溶剤性が低下する。また、(A−1)成分のシロキサン樹脂中に含まれる揮発分は、105℃、3時間乾燥にて2質量%以下であることが好ましい。2質量%を超えると40℃以下でも固体が流動したり、融着したりして作業性が低下する場合がある。
このシロキサン樹脂の分子量は、GPC分析によって測定することができる。本発明のシロキサン樹脂は、GPC分析により測定したポリスチレン標準で換算した重量平均分子量が2,000以上、好ましくは2,000〜10,000である。分子量が2,000未満だと、末端基量が多すぎて架橋に関与してしまうためクラック防止性に乏しくなり、分子量が大きすぎると、(A),(B)成分等との相溶性が低下し、塗膜が不透明になることがある。
このシロキサン樹脂は、軟化点が60〜90℃であることが好ましい。60℃未満だと、ハードコート膜の硬度、耐摩耗性が低下する場合があり、90℃を超えると、(A),(B)成分への相溶性、耐クラック性が低下する場合がある。なお、軟化点はJIS K2207に準拠した環球法で測定した値である。
シロキサン樹脂は、一般に4官能シラン由来のQ単位(SiO4/2)、3官能シラン由来のT単位(R6SiO3/2)、2官能シラン由来のD単位(R6SiO2/2)、1官能シラン由来のM単位(R6SiO1/2)の組み合わせで表現することができる。本発明の(B)成分をこの表記法で表した時、全シロキサン単位の総モル数に対し、R6SiO3/2で表されるT単位の含有モル数の比率が70モル%以上であることが好ましい。T単位が70モル%未満だと、硬度、耐摩耗性、密着性、塗工性、外観等の総合的なバランスが崩れる場合がある。なお、残部はM,D,Q単位でよく、これらの和が30モル%以下であることが好ましい。
なお、このシロキサン単位R6SiO3/2において、R6は同一又は異種の炭素数1〜18の有機基であり、その80モル%以上が炭素数1〜6の有機基を示すことが好ましい。
6としては、R4として列挙したものが適用可能であるが、80モル%以上が炭素数1〜6の一価炭化水素基、特にアルキル基であることが好ましい。炭素数1〜6の一価炭化水素基としては、硬度、耐摩耗性、密着性、相溶性等の観点から、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が好ましく、特にメチル基、エチル基、プロピル基等が好ましい。
(A−1)成分のシロキサン樹脂を配合する場合に、シロキサン樹脂の有機溶剤溶液を予め調製しておいて、これを上記各成分と混合してもよい。シロキサン樹脂を溶剤に溶かす際、加熱を要する場合があるからである。溶剤としては、好ましくはエタノール、イソプロパノール、イソブタノール、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、ダイアセトンアルコール等が使用できるが、これに限定されるものではない。
(A−1)成分のシロキサン樹脂の製造方法は、以下のような従来公知のレジン製造方法が適用できる。即ち、1種類以上の加水分解性シラン化合物、あるいはこれらと有機溶剤との混合液に対し、水を加えて撹拌し、加水分解性シラン化合物と水を接触させることによって加水分解反応をさせ、加水分解反応によって発生するシラノール基を、互いに、あるいは他の加水分解性基と反応させてシロキサン結合(−Si−O−Si−)を生成させ、縮重合させることによる重合体製造法である。重合後、中和し、最終的に有機溶剤を留去することによって、固形のシロキサン樹脂を得ることができる。この固形レジンは、溶剤不溶のゲルとは異なり、再び有機溶剤に溶解するものである。特に(A−1)成分として用いる場合に有利な製造方法としては、加水分解を強酸性条件下(特にpHが2より小さいことが好ましい)に行うことがよい。このような強酸性条件下では、縮重合反応に寄与するシラノール基が弱酸性時に比べ不安定で、反応が次々と急速に進行するため高分子量体となる。
加水分解に用いる好ましい水量は、原料として用いるシランの加水分解性基の種類によるが、アルコキシシランを原料とした場合、加水分解性基X1モルに対し、1.5モル未満、特に0.6〜1.0モルであることが好ましい。この場合のような強酸性条件での縮重合反応で、加水分解水量が1.5モル以上であると、急速に3次元的な縮合が進み、ゲル化するので不適である。また、原料がクロロシランの場合は、加水分解水量は特に問わない。
加水分解には有機溶剤を用いてもよく、有機溶剤は、水への溶解性の低い非極性溶剤が好ましい。具体的には、トルエン、キシレン、ヘキサン等の炭化水素系溶剤が主に好ましく用いられるが、水との混和性が低すぎると加水分解反応が進行しにくいので、アルコール等の極性溶剤を併用しても構わない。原料となる加水分解性シラン化合物は、一般式(1)と同様のものが用いられる。具体的にはビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、テトラクロロシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリクロロシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、プロピルトリクロロシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリクロロシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、フェニルトリクロロシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン等が好ましい。特にビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシランが好ましい。
(A−1)成分は、(A)成分中に好ましくは1〜50質量%、より好ましくは2〜35質量%、特に好ましくは3〜20質量%含有することが好ましい。(A−1)成分の含有割合が高くなりすぎると、ハードコートとしての硬度、耐摩耗性が低下する場合がある。
(B)成分
本発明で用いられる(B)成分はコロイダルシリカである。(B)成分は、塗膜の硬度、耐擦傷性を付与する充填剤の役割と、粒子表面でバインダーとしての(A)成分中のシラノール基と結合を形成するため、架橋剤としての役割を果たすものと考えられている。即ち、(B)成分の粒子表面はシラノール基(Si−OH)が存在しており、(A)成分との間で結合生成(Si−O−Si)が可能である。(B)成分のコロイダルシリカの粒子径は、塗膜の透明性が維持できる程度に小さいものであれば使用可能であるが、好ましくは、粒子径5〜50nm程度のナノサイズのシリカがよい。また(B)成分のコロイダルシリカは、水や有機溶剤の媒体にコロイド分散している形態であり、市販されている水分散、有機分散タイプが使用可能である。具体的には、日産化学工業(株)製スノーテックス−O、OS、OL、メタノールシリカゾル等が挙げられる。コロイダルシリカの添加量は、(A)成分の加水分解縮合物の固形分量100質量%に対し、好ましくは1〜200質量%、より好ましくは5〜100質量%、特に5〜50質量%がよい。
(C)成分
本発明で用いられる(C)成分は密着向上剤として作用するもので、ポリカーボネート系及び/又はポリエステル系のウレタン変性ビニル系重合体である。(C)成分は、硬化被膜中で(A)成分のシリコーンバインダーと層分離し、被膜の厚さ方向で濃度勾配することで、耐擦傷性能を低下することなく、有機樹脂基材への親和性が増し、密着性が発現するものと考えられる。(C)成分のポリカーボネート系及び/又はポリエステル系のウレタン変性ビニル系重合体は、ビニル系重合体にポリカーボネート系又はポリエステル系のポリウレタンをグラフトさせたものであり、具体的には、脂肪族ポリカーボネートジオール又は脂肪族ポリエステルジオールと芳香族ジイソシアネートとの反応から得られるポリカーボネート系又はポリエステル系ポリウレタンを側鎖に有するビニル系重合体が好ましい。より好ましくは、脂肪族ポリカーボネートジオールと芳香族ジイソシアネートとの反応から得られるポリカーボネート系ウレタンを側鎖に有するビニル系重合体である。
具体的に脂肪族ポリカーボネートジオールとしては、1,4−テトラメチレン型、1,5−ペンタメチレン型、1,6−ヘキサメチレン型、1,12−ドデカン型、1,4−シクロヘキサン型、それらの混合型等を挙げることができる。また芳香族イソシアネートとしては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、それらの混合物等を挙げることができる。これらを常法に従って反応させることで、ポリカーボネート系のポリウレタンを得ることができる。
ビニル系重合体を構成する単量体としては、ビニル重合性基を含有していれば、如何なるものでも使用することができる。具体例としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル等を挙げることができる。
これら単量体を公知の方法で重合することで、ビニル系重合体が得られる。
(C)成分のウレタン変性ビニル系重合体は、有機溶剤に溶解しているものが合成のし易さ、ハンドリングのし易さの点で好ましい。有機溶剤としては、(C)成分をよく溶解し、比較的極性の高い有機溶剤が好ましい。このような有機溶剤の具体例としてはイソプロピルアルコール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、ジアセトンアルコール等のアルコール類;メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール等のケトン類;ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、アニソール、ジオキサン、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸シクロヘキシル等のエステル類などを挙げることができる。
(C)成分のポリカーボネート系及び/又はポリエステル系のウレタン変性ビニル系重合体の分子量は、ポリスチレンを基準とするGPC分析による重量平均分子量で、5,000〜50,000であることが好ましい。更には7,000〜40,000であることがより好ましい。重量平均分子量が5,000未満であると、有機樹脂基材への十分な密着性が発現しない場合があり、また50,000を超えると、硬化被膜にした際の透明性が損なわれたり、組成物中での溶解度が低下し、分離するおそれがある。
(C)成分のポリカーボネート系及び/又はポリエステル系のウレタン変性ビニル系重合体の水酸基価は、(C)成分の固形分量で10以上であることが好ましい。より好ましくは(C)成分の固形分量で20〜100の範囲である。(C)成分の水酸基価が固形分量で10未満では、組成物中での溶解度が低下し、(C)成分が分離するおそれがある。
なお、上記(C)成分としては、市販品を使用することができ、例えば大成ファインケミカル(株)製のアクリット8UA−347、同357、同366(ポリカーボネート系)、同140、同146、同301、同318(ポリエステル系)等を使用することができる。
(C)成分のポリカーボネート系及び/又はポリエステル系のウレタン変性ビニル系重合体の配合量は、(A),(B)成分の合計固形分量に対して、固形分量で1〜30質量%の範囲であればよい。更に、3〜25質量%の範囲であることがより好ましい。(C)成分の配合量が1質量%未満であると、有機樹脂基材に対する密着性が発現しない場合があり、また30質量%を超えると、耐擦傷性が低下する可能性がある。
(D)成分
(D)成分は、通常、シリコーンコーティング組成物に用いられる硬化触媒が使用できる。具体的には、加水分解縮合物(A)中に含まれる、シラノール基、アルコキシ基等の縮合可能基が縮合する反応を促進する硬化触媒であり、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート、プロピオン酸ナトリウム、プロピオン酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、ギ酸ナトリウム、ギ酸カリウム、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキサイド、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド、テトラメチルアンモニウムアセテート、n−ヘキシルアミン、トリブチルアミン、ジアザビシクロウンデセン(DBU)、ジシアンジアミド等の塩基性化合物類;テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、チタンアセチルアセトナート、アルミニウムトリイソブトキシド、アルミニウムトリイソプロポキシド、トリス(アセチルアセトナート)アルミニウム、ジイソプロポキシ(エチルアセトアセテート)アルミニウム、過塩素酸アルミニウム、塩化アルミニウム、コバルトオクチレート、コバルトアセチルアセトナート、鉄アセチルアセトナート、スズアセチルアセトナート、ジブチルスズオクチレート、ジブチルスズラウレート等の含金属化合物類;p−トルエンスルホン酸、トリクロロ酢酸等の酸性化合物類などが挙げられる。この中で特にプロピオン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、ギ酸ナトリウム、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキサイド、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド、トリス(アセチルアセトナート)アルミニウム、ジイソプロポキシ(エチルアセトアセテート)アルミニウムが好ましい。
更に、硬化性、耐クラック性に加え、コーティング組成物の保存安定性を維持するためにより適した硬化触媒として、以下のものが使用可能である。
下記一般式(3):
〔R6789M〕+・X- (3)
(式中、R6,R7,R8,R9は、各々独立に、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜18のアルキル基であって、R6,R7,R8,R9における各々のTaft−Duboisの置換基立体効果定数Esの合計が−0.5以下であり、Mは、アンモニウムカチオン又はホスホニウムカチオンであり、X-は、ハロゲンアニオン、ヒドロキシドアニオン、又は炭素数1〜4のカルボキシレートアニオンである。)
で表される分子中に芳香族基を含まない化合物である。
ここで、Taft−Duboisの置換基立体効果定数Esとは、置換カルボン酸の酸性下エステル化反応速度におけるメチル基CH3を基準にした相対速度であり、下記式で表される{J.Org.Chem.45,1164(1980)、J.Org.Chem.64,7707(1999)参照}。
Es=log(k/k0)
(式中、kは、特定条件下での置換カルボン酸の酸性下エステル化反応速度であり、k0は、同一条件下でのメチル基置換カルボン酸の酸性下エステル化反応速度である。)
このTaft−Duboisの置換基立体効果定数Esは、置換基の立体的嵩高さを表す一般的な指標であり、例えば、メチル基:0.00、エチル基:−0.08、n−プロピル基:−0.31、n−ブチル基:−0.31となっており、Esが小さいほど立体的に嵩高いことを示している。
本発明においては、式(3)中のR6,R7,R8,R9におけるEsの合計が−0.5以下であることが好ましい。Esの合計が−0.5より大きいと、コーティング組成物としての保存安定性が低下したり、塗膜化した際や耐水試験後にクラックや白化が発生したり、密着性、特に耐水密着性、煮沸密着性が低下するおそれがある。これはEsの合計が−0.5より大きい場合(例えばR5,R6,R7,R8がメチル基)、相当する式(3)で表される硬化触媒は触媒活性が強くなるものの、コーティング組成物の保存安定性は低下する傾向があり、またその塗膜は非常に吸湿し易くなり、耐水試験後の塗膜異常を引き起こす場合がある。なお、R6,R7,R8,R9におけるEsの合計は、通常、−3.2以上、特に−2.8以上であることが好ましい。
上記式中、R6,R7,R8,R9のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜18、好ましくは1〜12のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;クロロメチル基、γ−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン置換炭化水素基などが挙げられる。
また、Mはアンモニウムカチオン又はホスホニウムカチオンであり、X-はハロゲンアニオン、ヒドロキシドアニオン又は炭素数1〜4のカルボキシレートアニオンであり、ヒドロキシドアニオン又はアセテートアニオンであることが好ましい。
このような硬化触媒の具体例としては、例えば、テトラn−プロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラn−ブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラn−ペンチルアンモニウムヒドロキシド、テトラn−ヘキシルアンモニウムヒドロキシド、テトラシクロヘキシルアンモニウムヒドロキシド、テトラキス(トリフルオロメチル)アンモニウムヒドロキシド、トリメチルシクロヘキシルアンモニウムヒドロキシド、トリメチル(トリフルオロメチル)アンモニウムヒドロキシド、トリメチルt−ブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラn−プロピルホスホニウムヒドロキシド、テトラn−ブチルホスホニウムヒドロキシド、テトラn−ペンチルホスホニウムヒドロキシド、テトラn−ヘキシルホスホニウムヒドロキシド、テトラシクロヘキシルホスホニウムヒドロキシド、テトラキス(トリフルオロメチル)ホスホニウムヒドロキシド、トリメチルシクロヘキシルホスホニウムヒドロキシド、トリメチル(トリフルオロメチル)ホスホニウムヒドロキシド、トリメチルt−ブチルホスホニウムヒドロキシド等のヒドロキシド類、これらヒドロキシド類とハロゲン酸との塩、及び炭素数1〜4のカルボン酸との塩を挙げることができる。これらの中でも、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムアセテート、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムアセテート、テトラブチルホスホニウムヒドロキシド、テトラブチルホスホニウムアセテートが好ましい。これらは1種単独で使用しても2種以上を併用してもよく、更には前述の公知の硬化触媒と併用してもよい。
(D)成分の配合量は、(A)成分を硬化させるのに有効な量であればよく、特に限定されるものではないが、具体的には、(A)及び(B)成分の合計の固形分量に対し、0.0001〜30質量%であることが好ましく、より好ましくは0.001〜10質量%である。0.0001質量%未満であると硬化が不十分となり、硬度が低下する場合があり、30質量%より多いと塗膜にクラックが発生しやすくなる場合や、耐水性が低下する場合がある。
(E)成分
(E)成分は溶剤であり、(A)〜(D)成分を溶解する又は分散するものであれば特に限定されるものではないが、極性の高い有機溶剤が主溶剤であることが好ましい。有機溶剤の具体例としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、ジアセトンアルコール等のアルコール類;メチルプロピルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール等のケトン類;ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、アニソール、ジオキサン、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸シクロヘキシル等のエステル類などを挙げることができ、これらからなる群より選ばれた1種もしくは2種以上の混合物を使用することができる。
(E)成分の添加量としては、本発明の耐摩耗性シリコーンコーティング組成物の固形分濃度を1〜30質量%、特に5〜25質量%とする量を用いることが好ましい。この範囲外では該組成物を塗布、硬化した塗膜に不具合が生じることがある。上記範囲未満の濃度では塗膜にタレ、ヨリ、マダラが発生し易くなり、所望の硬度、耐擦傷性が得られない場合がある。また上記範囲を超える濃度では、塗膜のブラッシング、白化、クラックが生じ易くなるおそれがある。
(F)成分
(F)成分は、紫外線吸収剤である。(F)成分を配合することで、有機樹脂を基材とした場合、基材の黄変、表面劣化を防ぐ効果がある。
(F)成分としては、本発明の耐摩耗性シリコーンコーティング組成物と相溶性もしくは分散性が良好で、かつ揮発性の低い紫外線吸収剤が好ましい。
紫外線吸収剤としては、紫外線遮蔽効果のある無機酸化物微粒子及び有機紫外線吸収剤を挙げることができる。紫外線遮蔽効果のある無機酸化物微粒子としては、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム、酸化ジルコニウム等であり、中でも光触媒活性の抑制されたものが好ましい。また、チタン、亜鉛、ジルコニウム等の金属キレート化合物、及びこれらの(部分)加水分解物、縮合物等を用いることができる。
中でも(F)成分として、酸化亜鉛もしくは酸化チタン微粒子の表面をAl、Si、Zr並びにSnの酸化物及び水酸化物から選ばれる少なくとも1種で被覆処理した複合酸化亜鉛もしくは酸化チタン微粒子がより好ましい。ここで、光触媒活性はメチレンブルーの光分解による吸光度変化を測定することで評価できる。濃度0.01mmol/Lのメチレンブルーの水メタノール(1:1質量比)溶液20gに、微粒子の固形分量で0.15gになる量で投入し、30分間暗所にて撹拌した後に、15Wのブラックライトにより12時間光照射する。その後、3,000rpm、15分の遠心分離を行い、上澄みの653nmのメチレンブルーの吸光度を紫外可視分光光度計にて測定し、下記式により光触媒分解性を算出する。
光触媒分解性(%)=[(A0−A)/A0]×100
ここで、A0は初期吸光度を表し、Aは光照射後の吸光度を表す。
この光触媒分解性が25%以下である表面被覆した複合酸化亜鉛もしくは酸化チタン微粒子であればよく、23%以下がより好ましい。
より好ましくは、亜鉛もしくはチタン原料を直流アークプラズマ法によって加熱、気化させ、その亜鉛もしくはチタン蒸気を酸化、冷却することにより得られ、更にその表面をAl、Si、Zr並びにSnの酸化物及び水酸化物から選ばれる少なくとも1種で被覆処理した複合酸化亜鉛もしくは酸化チタン微粒子を、分散媒体中に分散させた分散体が好ましい。
一般的な酸化亜鉛もしくは酸化チタン微粒子は紫外線遮蔽作用を有すると同時に光触媒としても機能する。このような酸化物微粒子を紫外線遮蔽剤としてハードコート剤に使用した場合、光触媒によるバインダーの劣化に伴うクラックが発生するが、光触媒活性が十分に低いものではクラック発生が抑制される。
なお、上記(F)成分としては、市販品を使用することができ、例えばシーアイ化成(株)製ZNTAB15WT%−E16、同E15、同E16−(1)、同E16−(2)、RTTDNB15WT%−E40、同E66、同E67、同E68等を使用することができる。
また有機紫外線吸収剤の例として、主骨格がヒドロキシベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系、トリアジン系である化合物誘導体が好ましい。更に側鎖にこれら紫外線吸収剤を含有するビニルポリマー等の重合体、及び他のビニルモノマーとの共重合体、又はシリル化変性された紫外線吸収剤、その(部分)加水分解縮合物でもよい。
具体的には、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ベンジロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジエトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジプロポキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジブトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシ−4’−プロポキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシ−4’−ブトキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2−(2−ヒドロキシ−5−t−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシフェニル)−4,6−ジフェニルトリアジン、2−ヒドロキシ−4−(2−アクリロキシエトキシ)ベンゾフェノンの(共)重合体、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールの(共)重合体、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノンとγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとの反応物、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンとγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとの反応物、これらの(部分)加水分解物等が挙げられる。これらの有機系紫外線吸収剤は2種以上を併用してもよい。
(F)成分の紫外線吸収剤の配合量は、シリコーンコーティング組成物の固形分量に対して0〜100質量%が好ましく、配合する場合、好ましくは0.3〜100質量%、特に0.3〜30質量%である。
本発明の耐摩耗性シリコーンコーティング組成物には、必要に応じて、pH調整剤、レベリング剤、増粘剤、顔料、染料、金属酸化物微粒子、金属粉、酸化防止剤、紫外線安定剤、熱線反射・吸収性付与剤、可撓性付与剤、帯電防止剤、防汚性付与剤、撥水性付与剤等を本発明の効果に悪影響を与えない範囲内で添加することができる。
本発明の耐摩耗性シリコーンコーティング組成物の更なる保存安定性を得るために、液のpHを、好ましくは2〜7、より好ましくは3〜6にするとよい。pHがこの範囲外であると、貯蔵性が低下することがあるため、pH調整剤を添加し、上記範囲に調整することもできる。シリコーンコーティング組成物のpHが上記範囲外にあるときは、この範囲より酸性側であれば、アンモニア、エチレンジアミン等の塩基性化合物を添加してpHを調整すればよく、塩基性側であれば、塩酸、硝酸、酢酸、クエン酸等の酸性化合物を用いてpHを調整すればよい。しかし、その調整方法は特に限定されるものではない。
紫外線安定剤としては、分子内に1個以上の環状ヒンダードアミン構造を有し、本発明の耐摩耗性シリコーンコーティング組成物との相溶性がよく、また低揮発性のものが好ましい。紫外線光安定剤の具体例としては、3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)ピロリジン−2,5−ジオン、N−メチル−3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)ピロリジン−2,5−ジオン、N−アセチル−3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)ピロリジン−2,5−ジオン、セバシン酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)、セバシン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジノールとトリデカノールとの縮合物、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4,5]デカン−2,4−ジオン、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β,β’−テトラメチル−3,9−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン)ジエタノールとの縮合物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β,β’−テトラメチル−3,9−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン)ジエタノールとの縮合物、また、光安定剤を固定化させる目的で、特公昭61−56187号公報にあるようなシリル化変性の光安定剤、例えば2,2,6,6−テトラメチルピペリジノ−4−プロピルトリメトキシシラン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジノ−4−プロピルメチルジメトキシシラン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジノ−4−プロピルトリエトキシシラン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジノ−4−プロピルメチルジエトキシシラン、更にこれらの(部分)加水分解物等が挙げられ、これらの光安定剤は2種以上併用してもよい。
紫外線光安定剤の配合量は、シリコーンコーティング組成物の固形分量に対して0〜10質量%であることが好ましい。配合する場合、好ましくは0.03〜10質量%、特に0.03〜7.5質量%である。
本発明の耐摩耗性シリコーンコーティング組成物は、上記各成分の所定量を常法に準じて混合することにより得ることができる。
このようにして得られたシリコーンコーティング組成物は、基材の少なくとも一方の面に、直接もしくは少なくとも1種の他の層を介して、上記シリコーンコーティング組成物を塗布、硬化することにより被膜を形成した被覆物品を得ることができる。
ここで、シリコーンコーティング組成物の塗布方法としては、通常の塗布方法で基材にコーティングすることができ、例えば、刷毛塗り、スプレー、浸漬、フローコート、ロールコート、カーテンコート、スピンコート、ナイフコート等の各種塗布方法を選択することができる。
また、ここで用いられる基材としては、特に限定されることはないが、プラスチック成形体、木材系製品、セラミックス、ガラス、金属、あるいはそれらの複合物等が挙げられ、各種プラスチック材料(有機樹脂基材)が好適に使用され、特にポリカーボネート、ポリスチレン、アクリル樹脂、変性アクリル樹脂、ウレタン樹脂、チオウレタン樹脂、ハロゲン化ビスフェノールAとエチレングリコールの重縮合物、アクリルウレタン樹脂、ハロゲン化アリール基含有アクリル樹脂、含硫黄樹脂等が好ましい。更にこれらの樹脂基材の表面が処理されたもの、具体的には、化成処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、酸やアルカリ液での処理、及び基材本体と表層が異なる種類の樹脂で形成されている積層体を用いることもできる。積層体の例としては、共押し出し法やラミネート法により製造されるポリカーボネート樹脂基材の表層にアクリル樹脂層もしくはウレタン樹脂層が存在する積層体、又はポリエステル樹脂基材の表層にアクリル樹脂層が存在する積層体等が挙げられる。
本発明の耐摩耗性シリコーンコーティング組成物を塗布した後の硬化は、空気中に放置して風乾させてもよいし、加熱してもよい。硬化温度、硬化時間は限定されるものではないが、基材の耐熱温度以下で10分〜2時間加熱するのが好ましい。具体的には80〜135℃で30分〜2時間加熱するのがより好ましい。
塗膜の厚みは特に制限はなく、使用用途により適宜選択すればよいが、0.1〜50μmであることが好ましく、塗膜の硬さ、耐擦傷性、長期的に安定な密着性、及びクラックが発生しないことを満たすためには、特に1〜20μmが好ましい。
本発明の耐摩耗性シリコーンコーティング組成物は、有機樹脂基材へ下塗り(プライマー)なしで塗工した際の密着性が特徴のひとつである。その指標として、煮沸密着性試験で剥離の有無で定めることができる。煮沸密着性試験での剥離の有無は、有機樹脂基材の表面に下塗りなしで塗工した積層体を沸騰水中に10時間浸漬させた後、2mm角の碁盤目を25マス、カッターで作製し、セロテープ(登録商標、ニチバン(株)製)密着試験において、全く剥離がないものが好ましい。
本発明の耐摩耗性シリコーンコーティング組成物は、塗膜とした時の可視光透過性が特徴のひとつである。その指標として、塗膜のヘイズ(Haze)の値の上限を定めることができる。ヘイズは一般に膜厚が大きいほど大きくなるので、ここでは膜厚5μm以下でのヘイズが2.0以下、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.0以下を満たすものが好ましい。塗膜のヘイズは、濁度計NDH2000(日本電色工業(株)製)で測定した値とする。
本発明の耐摩耗性シリコーンコーティング組成物は、塗膜とした際の耐擦傷性がもうひとつの特徴である。その指標として、塗膜の耐擦傷性ΔHzで上限を定めることができる。ΔHzはASTM1044に準じ、テーバー摩耗試験にて摩耗輪SC−10Fを装着、荷重500gの下での500回転後のヘイズを測定、試験前後のヘイズ差(ΔHz)である。膜厚5μm以下でのΔHzが10.0以下、好ましくは8.0以下、より好ましくは5.0以下を満たすものが好ましい。
本発明の耐摩耗性シリコーンコーティング組成物は、樹脂基材の表面に、直接又は必要に応じてプライマー層や紫外線吸収層、印刷層、記録層、熱線遮蔽層、粘着層、無機蒸着膜層等を介して形成することもできる。
ここでプライマー層として、アクリル樹脂系プライマーが好ましく、更に、具体的には有機紫外線吸収性基及びアルコキシシリル基を側鎖に有するビニル系共重合体からなるプライマーがより好ましい。このようなプライマーとしては、特許第4041968号公報、特開2008−120986号公報、特開2008−274177号公報の例が挙げられる。
前述のプライマーの主成分である有機紫外線吸収性基及びアルコキシシリル基が側鎖に結合したビニル系重合体としては、アルコキシシリル基がSi−C結合を介してビニル重合体主鎖と結合していることが好ましく、更に有機紫外線吸収性基もビニル重合体主鎖と結合していることが好ましい。このような重合体は、アルコキシシリル基がSi−C結合を介して結合したビニル系単量体(a)と、有機紫外線吸収性基を有するビニル系単量体(b)と、共重合可能な他の単量体(c)とからなる単量体成分を共重合して得ることができる。
また、プライマー構成成分として、有機紫外線吸収性基及びアルコキシシリル基とが側鎖に結合したビニル系重合体以外に、有機溶剤に分散したコロイダルシリカを含むものがより好ましい。この有機溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、エチレングリコール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、キシレン/n−ブタノールの混合物を挙げることができる。中でも有機紫外線吸収性基及びアルコキシシリル基が側鎖に結合したビニル系重合体の溶解性を考慮すると、エチレングリコール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が好ましい。
このようなプライマーを有機樹脂基材上に塗工し、得られた被膜の表面に本発明の耐摩耗性シリコーンコーティング組成物を塗布、硬化させた被覆物品は、本発明のコーティング層での紫外線遮蔽能に加え、プライマー層中の有機紫外線吸収性基との相乗効果により、より高度の耐候性が得られる。
以下、合成例、実施例、及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において%は質量%、部は質量部を示す。また、粘度はJIS Z8803に基づいて測定した25℃での値であり、重量平均分子量は、標準ポリスチレンを基準としたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)分析により測定した。
<(A)加水分解縮合物、(B)コロイダルシリカ、(D)硬化触媒との混合物の合成>
[合成例1]
2Lのフラスコに、メチルトリメトキシシラン287g(2.11Siモル)を仕込み、液温が約10℃になるよう冷却後、スノーテックス−O(日産化学工業(株)製:水分散シリカゾル、平均粒子径15〜20nm、SiO220%含有品)211g、0.25Nの酢酸水溶液93gを滴下し、内温が40℃を超えないように冷却しながら加水分解を行った。滴下終了後、40℃以下で1時間、次いで、60℃にて3時間撹拌し、加水分解を完結させた。
その後、シクロヘキサノン300gを投入し、加水分解で生成したメタノールを、常圧にて液温が92℃になるまで加熱留去すると共に、縮合させた後、希釈剤としてイソプロパノール400g、レベリング剤としてKP−341(信越化学工業(株)製)0.5g、酢酸1.6g、及び25%テトラブチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(TBAH)1.6gを加え、撹拌した後、濾紙濾過を行い、不揮発分濃度19.2%、標準ポリスチレンを基準とするGPC分析による重量平均分子量2,510、分散度1.84の無色透明の加水分解縮合物溶液(ABD−1)を得た。
[合成例2]
2Lのフラスコに、メチルトリメトキシシラン321g(2.36Siモル)、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン21g(0.13Siモル)、シリケート35(多摩化学工業(株)製:テトラエトキシシランの部分加水分解縮合物、平均2量体)56g(0.33Siモル)を仕込み、よく混合させた。次いで、液温が約10℃になるよう冷却後、0.25Nの酢酸水溶液308gを滴下し、内温が40℃を超えないように冷却しながら加水分解を行った。滴下終了後、40℃以下で1時間、次いで、60℃にて3時間撹拌し、加水分解を完結させた。
その後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート300gを投入し、加水分解で生成したメタノール及びエタノールを、常圧にて液温が92℃になるまで留去すると共に、加熱縮合させた後、希釈剤としてIPA−ST(日産化学工業(株)製:イソプロパノール分散シリカゾル、平均粒子径10〜15nm、SiO230%含有品)50g、イソブタノール350g及びレベリング剤としてKP−341(信越化学工業(株)製)0.5g及び0.25%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)134gを加え、濾紙濾過を行い、不揮発分濃度19.5%、標準ポリスチレンを基準とするGPC分析による重量平均分子量3,180、分散度1.96の無色透明の加水分解縮合物溶液(ABD−2)を得た。
[合成例3]
2Lのフラスコに、メチルトリメトキシシラン259g(1.90Siモル)、イソシアヌレートシランX−12−965(信越化学工業(株)製:トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート)43g(0.21Siモル)を仕込み、よく混合させた。次いで、液温が約10℃になるよう冷却後、スノーテックス−O(日産化学工業(株)製:水分散シリカゾル、平均粒子径15〜20nm、SiO220%含有品)211g、0.25Nの酢酸水溶液93gを滴下し、内温が40℃を超えないように冷却しながら加水分解を行った。滴下終了後、40℃以下で1時間、次いで、60℃にて3時間撹拌し、加水分解を完結させた。
その後、シクロヘキサノン300gを投入し、加水分解で生成したメタノールを、常圧にて液温が92℃になるまで加熱留去すると共に、縮合させた後、希釈剤としてイソプロパノール400g、レベリング剤としてKP−341(信越化学工業(株)製)0.5g、酢酸1.6g、及び25%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(TMAH)1.6gを加え、濾紙濾過を行い、不揮発分濃度21.3%、標準ポリスチレンを基準とするGPC分析による重量平均分子量5,490、分散度2.90の無色透明の加水分解縮合物溶液(ABD−3)を得た。
<(C)成分のポリカーボネート系又はポリエステル系のウレタン変性ビニル系重合体>
C−1:大成ファインケミカル(株)製アクリット8UA−347(ポリカーボネート系ウレタン変性ビニル系重合体溶液(固形分濃度30%、固形分の水酸基価103、重量平均分子量20,200)をジアセトンアルコールで固形分濃度20%にした溶液
C−2:大成ファインケミカル(株)製アクリット8UA−366(ポリカーボネート系ウレタン変性ビニル系重合体溶液(固形分濃度35%、固形分の水酸基価90、重量平均分子量18,800)をジアセトンアルコールで固形分濃度20%にした溶液
C−3:大成ファインケミカル(株)製アクリット8UA−301(ポリエステル系ウレタン変性ビニル系重合体溶液(固形分濃度30%、固形分の水酸基価35、重量平均分子量40,300)をジアセトンアルコールで固形分濃度20%にした溶液
<(A−1)成分のシロキサン樹脂の合成>
[合成例4]
温度計、撹拌機、冷却器を備えた2L三口フラスコに、メチルトリメトキシシラン408g、トルエン400gを仕込み、98%メタンスルホン酸11gを触媒として添加し、内温を30℃以下に保ちながら水146gを滴下し、メチルトリメトキシシランを加水分解した。滴下終了後、室温で2時間撹拌して反応を完結させた。その後、酸性成分を中和し、生成したメタノールを減圧留去した。2回水洗することにより完全に中和塩を除去した後、再び減圧にて105℃/3時間乾燥前後の質量減少が1.1%となるまでトルエン等の溶剤成分を除去することにより、無色透明固体のシロキサン樹脂を210g得た。この樹脂のGPC分析による重量平均分子量は7,500であった。また、この樹脂の29Si−NMR、及びIRスペクトルの結果から、このシロキサン樹脂の平均組成式は、下記式(5)であった。
Figure 2011037948
(式中、Meはメチル基を示す。)
この透明固体樹脂の軟化点をJIS K2207に準拠し、環球式自動軟化点試験機で測定したところ、73℃であった。
予めシロキサン樹脂200gは、イソプロパノール800を加えて、溶解させることにより、固形分濃度20%のシロキサン樹脂溶液A−1とした。
<(F)成分の紫外線吸収剤>
F−1:シーアイ化成(株)製 RTTDNB15WT%−E68(直流アークプラズマ法で製造した酸化チタン微粒子をシリカ被覆した後、メチルトリメトキシシランで表面処理してから、分散剤を用いて、混合アルコールに分散した分散体、固形分濃度15%、ナノトラックUPA−EX150(日機装(株)製)を用いて測定した。
平均粒子径(体積平均粒子径D50)105nm、下記式から求めた光触媒分解性19%。
光触媒分解性(%)=[(A0−A)/A0]×100
ここで、A0は初期吸光度を表し、Aは光照射後の吸光度を表す。)
F−2:クラリアントジャパン(株)製ホスタビンPR−25(マロン酸エステル系有機紫外線吸収剤)
<有機系紫外線吸収性基及びアルコキシシリル基が側鎖に結合したビニル系重合体からなるプライマーの合成>
[合成例5]
撹拌機、コンデンサー及び温度計を備えた2リットルフラスコに溶剤としてジアセトンアルコール152gを仕込み、窒素気流下にて80℃に加熱した。ここに予め調製しておいた単量体混合溶液(2−[2’−ヒドロキシ−5’−(2−メタクリロキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール(RUVA−93、大塚化学(株)製)67.5g、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシランを90g、メチルメタクリレート270g、グリシジルメタクリレート22.5g、ジアセトンアルコール350g)を混合したもののうち240g及び予め調製しておいた重合開始剤としての2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)2.3gをジアセトンアルコール177.7gに溶解した溶液のうち54gを順次投入した。80℃で30分反応させた後、残りの単量体混合溶液と残りの重合開始剤溶液を同時に80〜90℃で1.5時間かけて滴下した。更に80〜90℃で5時間撹拌した。
得られたトリメトキシシリル基及び有機系紫外線吸収性基が側鎖に結合したビニル系重合体の粘度は5,050mPa・s、またその共重合体中の紫外線吸収性単量体の含有量は15%、トリメトキシシリル基がC−Si結合を介して側鎖に結合したビニル系単量体量は20%であった。また、標準ポリスチレンを基準とするGPC分析による重量平均分子量は60,800であった。
こうして得られたビニル系重合体100部に対して、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに分散したコロイダルシリカ(日産化学工業(株)製、商品名「PMA−ST」、固形分濃度30%、一次粒子径10〜15nm)23部、ジアセトンアルコール及びプロピレングリコールモノメチルエーテルが質量比1/1の混合溶剤110部をよく撹拌した後、濾紙濾過を行い、不揮発分濃度20.4%の無色透明のプライマー組成物(P−1)を得た。
<シリコーンコーティング組成物の調製及び硬化塗膜評価>
[実施例1]
合成例1で得られた加水分解縮合物溶液(ABD−1)100部に対し、ポリカーボネート系ウレタン変性ビニル系重合体溶液(C−1)5部を添加、混合することにより、コーティング組成物(1)を得た。
[実施例2〜5、比較例1〜5]
表1,2に示した比率にて上記各成分を混合することによって、コーティング組成物(2〜10)を調製した。
[実施例6]
合成例5のプライマー組成物(P−1)を、表面を清浄化した5mm厚のポリカーボネート樹脂板(ユーピロンシート、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製)に硬化塗膜として約6〜8μmになるようにフローコートし、130℃にて45分加熱硬化させた。更に該塗膜上に、実施例1で得られたコーティング組成物(1)を硬化塗膜として約3〜5μmになるようにフローコートし、130℃にて60分加熱硬化させた。このようにして得られた積層塗膜を試験片とし、下記の物性評価の結果を表3に示した。
[実施例7〜11]
表面を清浄化した5mm厚のポリカーボネート樹脂板(ユーピロンシート、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製)に、プライマー組成物(P−1)を塗工することなしに、直接コーティング組成物(1〜5)を硬化塗膜として約3〜5μmになるようにフローコートし、130℃にて60分加熱硬化させた。このようにして得られた塗膜を試験片とし、下記の物性評価の結果を表3に示した。
[比較例6〜10]
比較例1〜5で調製したコーティング組成物(6〜10)を実施例7と同様に塗工した。得られた塗膜に関して、下記の評価を行い、その結果を表4に示す。
なお、実施例及び比較例に用いた略号のうち、合成例で説明していない略号は以下の通りである。
<添加剤>
G−1:ヒンダードアミン系光安定剤
N−アセチル−3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)ピロリジン−2,5−ジオン(サンドバー3058Liq.クラリアント・ジャパン(株)製)
G−2:金属キレート化物の加水分解縮合物
チタンテトライソプロポキシドとアセチルアセトンとを反応させ、アンモニア水により加水分解した加水分解縮合物の固形分濃度20%のメタノール溶液。
H−1:水酸基含有(メタ)アクリル樹脂
メチルメタクリレート/ブチルメタクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート(80/5/15%)をラジカル重合した水酸基含有メタクリル樹脂の固形分濃度40%のジアセトンアルコール溶液、重量平均分子量35,200
H−2:公知の密着向上剤
2−ヒドロキシエチルアクリレート
H−3:公知の密着向上剤
アクリル化ポリウレタン(エベクリル4827、ダイセルUBC(株)製)
硬化被膜の評価方法
<耐擦傷性>
ASTM1044に準じ、テーバー摩耗試験機にて摩耗輪CS−10Fを装着、荷重500g下での500回転後のヘイズを測定し、試験後と試験前のヘイズ差(ΔHz)を測定した。
<初期密着性>
JIS K5400に準じ、カミソリ刃を用いて、塗膜に2mm間隔で縦、横6本ずつ切れ目を入れて25個の碁盤目を作製し、セロテープ(登録商標、ニチバン(株)製)をよく付着させた後、90°手前方向に急激に剥がした時、塗膜が剥離せずに残存したマス目数(X)を、X/25で表示した。
<煮沸外観及び煮沸密着性>
試験片を沸騰水中に2時間浸漬した後に目視にて外観観察、及び2,6,10時間浸漬後に前記初期密着性と同様にして密着性試験を行った。
<耐候性試験>
岩崎電気(株)製アイスーパーUVテスターW−151を使用し、[ブラックパネル温度63℃、湿度50%RH、照度50mW/cm2、降雨10秒/1時間で5時間]→[ブラックパネル温度30℃、湿度95%RHで1時間]を1サイクルとして、このサイクルを繰り返す条件で100時間、250時間の試験を行った。耐候性試験前後に、JIS K7103に準拠し、黄変度を、また耐候塗膜クラック性、耐候塗膜剥離の状態を下記評価基準にて目視又は顕微鏡(倍率250倍)にて観察した。
<耐候塗膜クラック性>
耐候性試験後の塗膜外観を下記の基準で評価した。
○:異常なし
△:僅かにクラックあり
×:塗膜全体にクラックあり
<耐候塗膜剥離>
耐候性試験後の塗膜の状態を下記の基準で評価した。
○:異常なし
△:シリコーンコーティング組成物層と基材との間で一部剥離
×:シリコーンコーティング組成物層と基材との間で全面剥離
Figure 2011037948
Figure 2011037948
Figure 2011037948
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Claims (13)

  1. (A)下記一般式(1):
    1 m2 nSi(OR34-m-n (1)
    (式中、R1及びR2は、各々独立に、水素原子、又は置換もしくは非置換の一価炭化水素基であり、置換基同士が相互に結合していてもよく、R3は、炭素数1〜3のアルキル基であり、m,nは、各々独立に、0又は1であり、かつm+nは、0,1又は2である。)
    で表されるアルコキシシラン及びその部分加水分解縮合物から選ばれる少なくとも1種を(共)加水分解・縮合することにより得られた加水分解縮合物、
    (B)コロイダルシリカ、
    (C)ポリカーボネート系及び/又はポリエステル系のウレタン変性ビニル系重合体、
    (D)硬化触媒、
    (E)溶剤
    を含有し、かつ(C)ウレタン変性ビニル系重合体の固形分量が、(A)加水分解縮合物及び(B)コロイダルシリカの合計固形分量に対して、1〜30質量%であることを特徴とする耐摩耗性シリコーンコーティング組成物。
  2. (C)成分が、ポリカーボネート系のウレタン変性ビニル系重合体であることを特徴とする請求項1記載の耐摩耗性シリコーンコーティング組成物。
  3. (C)成分のポリスチレンを基準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)分析による重量平均分子量が5,000〜50,000であることを特徴とする請求項1又は2記載の耐摩耗性シリコーンコーティング組成物。
  4. (C)成分の水酸基価が10以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の耐摩耗性シリコーンコーティング組成物。
  5. (C)成分が、脂肪族ポリカーボネートジオールと芳香族ジイソシアネートとの反応から得られるポリカーボネート系ウレタンを側鎖に有するビニル系重合体であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の耐摩耗性シリコーンコーティング組成物。
  6. (A)成分が、一般式(1)で表されるアルコキシシラン及びその部分加水分解縮合物から選ばれる少なくとも1種を、該アルコキシシラン及びその部分加水分解縮合物100質量部に対して50質量部以上150質量部未満のpH1〜7の水にて(共)加水分解縮合し、生成するアルコールを液温80℃以上にて留去することにより得られ、かつGPC分析によるポリスチレン換算重量平均分子量が1,500以上であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の耐摩耗性シリコーンコーティング組成物。
  7. (A)成分が、(A−1)下記平均組成式(2)
    4 aSi(OR5b(OH)c(4-a-b-c)/2 (2)
    (式中、R4は同一又は異種の炭素数1〜18の有機基、R5は同一又は異種の炭素数1〜4の有機基を示し、a,b及びcは、0.8≦a≦1.5、0≦b≦0.3、0.001≦c≦0.5、0.801≦a+b+c<2を満たす数である。)
    で表され、40℃以下で固体であり、GPC分析による重量平均分子量が2,000以上のシロキサン樹脂を1〜50質量%含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の耐摩耗性シリコーンコーティング組成物。
  8. (E)成分の配合量が、シリコーンコーティング組成物の固形分濃度を1〜30質量%とする量である請求項1乃至7のいずれか1項記載の耐摩耗性シリコーンコーティング組成物。
  9. 更に、(F)紫外線吸収剤を含むことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項記載の耐摩耗性シリコーンコーティング組成物。
  10. 有機樹脂基材の少なくとも一方の面に、直接もしくは少なくとも1種の他の層を介して、請求項1乃至9のいずれか1項記載の耐摩耗性シリコーンコーティング組成物の硬化被膜を被覆してなる被覆物品。
  11. 有機樹脂基材の少なくとも一方の面に、直接、耐摩耗性シリコーンコーティング組成物の硬化被膜を被覆してなる請求項10記載の被覆物品。
  12. 有機樹脂基材がポリカーボネートである請求項10又は11記載の被覆物品。
  13. 有機樹脂基材上に下塗りなしに直接請求項1乃至9のいずれか1項記載の耐摩耗性シリコーンコーティング組成物を塗工し、硬化することを特徴とする被覆物品の製造方法。
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