JP2020169259A - 塗料組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
2液タイプのアクリルウレタン樹脂からなる上塗り塗料用樹脂組成物の代表的なものとして、水酸基含有アクリル樹脂と、ポリイソシアネートまたはイソシアネート基末端ポリウレタンプレポリマーとを使用時に混合する、2液混合型組成物が知られている。
例えば、特許文献1には、加水分解性シリル基を有するビニル系単量体と水酸基を有するビニル系単量体とのアクリル系共重合体、芳香族含有量が50質量%以下の有機溶剤、および多官能性イソシアネート化合物を含む上塗り塗料用硬化性樹脂組成物が開示されている。
また、特許文献2には、水酸基含有アクリル樹脂成分、加水分解性シリル基を有するビニル系共重合体成分、多官能性イソシアナート化合物成分、および弱溶剤を含む塗料用硬化性樹脂組成物が開示されている。
さらに、2液タイプのアクリルウレタン塗料は、ウレタン結合形成反応により硬化するが、このウレタン結合形成反応は環境に大きく依存され、例えば、高湿度下や降雨下等の水分が多い環境では、ウレタン成分のNCOはウレアに変わり、アクリル成分との架橋が充分に進まなくなる。しかも、ウレアの生成によって塗膜が硬くなる結果、塗膜が割れ易くなるという問題も生じる。
このように、2液型のアクリルウレタン塗料は、使用時の自然環境に大きく影響されるため、同じ性能の塗膜を常時得ることが非常に難しい。
1. (a)エチレン性不飽和二重結合基を片末端に有し、重量平均分子量3,000〜50,000の直鎖状ポリウレタンプレポリマーと、(メタ)アクリル酸エステルを含む1種または2種以上のビニル系化合物とを反応させてなり、前記ビニル系化合物と前記ポリウレタンプレポリマーとの質量比が85/15〜25/75であるアクリルウレタン共重合樹脂、
(b)前記ポリウレタンプレポリマーにアルコキシシリル基を有するビニル系化合物を反応させてなるアルコキシシリル基含有ウレタン共重合樹脂、アルコキシシリル基を有するアクリル樹脂、アルコキシシリル基を有するポリウレタンプレポリマーおよびアルコキシシリル基を有するオルガノポリシロキサンから選ばれる少なくとも1種、並びに
(c)有機溶剤
を含み、
前記(b)成分が、前記(a)成分100質量部(固形分)に対し、1〜100質量部(固形分)含まれ、前記(b)成分に由来するケイ素が、前記(a)成分と前記(b)成分の総固形分中に0.1〜10質量%含まれることを特徴とする1液型塗料組成物、
2. 前記(メタ)アクリル酸エステルを含むビニル系化合物が、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ノニル、(メタ)アクリル酸n−デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸イソボニル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、および(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチルから選ばれる1種または2種以上である1の1液型塗料組成物、
3. 前記アルコキシシリル基を有するビニル系化合物が、下記式(3)で示される化合物である1または2の1液型塗料組成物、
4. 前記アルコキシシリル基を有するポリウレタンプレポリマーが、ポリイソシアネートと、ポリオールと、イソシアネート基と反応し得る官能基を有するアルコキシシラン化合物とのウレタン化反応物である1または2の1液型塗料組成物
を提供する。
このような特性を有する1液型塗料組成物は、例えば、金属、セラミックス、ガラス、セメント、モルタル、窯業系成型物、プラスチック、木材、紙、繊維、鉄部等からなる建築物、家電用品、産業機器などの上塗り用の塗料として好適であり、特に、ウレタン防水材の上塗り塗料として好適である。
本発明に係る1液型塗料組成物は、(a)エチレン性不飽和二重結合基を片末端に有し、重量平均分子量3,000〜50,000の直鎖状ポリウレタンプレポリマーと、(メタ)アクリル酸エステルを含む1種または2種以上のビニル系化合物とを反応させてなり、前記ビニル系化合物と前記ポリウレタンプレポリマーとの質量比が85/15〜25/75であるアクリルウレタン共重合樹脂、
(b)エチレン性不飽和二重結合基を片末端に有し、重量平均分子量3,000〜50,000の直鎖状ポリウレタンプレポリマーにアルコキシシリル基を有するビニル系化合物を反応させてなるアルコキシシリル基含有ウレタン共重合樹脂、アルコキシシリル基を有するアクリル樹脂、アルコキシシリル基を有するポリウレタンプレポリマーおよびアルコキシシリル基を有するオルガノポリシロキサンから選ばれる少なくとも1種、並びに
(c)有機溶剤
を含み、(b)成分が、(a)成分100質量部(固形分)に対し、1〜100質量部(固形分)含まれ、(b)成分に由来するケイ素が、(a)成分と(b)成分の総固形分中に0.1〜10質量%含まれることを特徴とする。
(a)成分のケイ素原子を含有しないアクリルウレタン共重合樹脂の原料となるエチレン性不飽和二重結合基を片末端に有し、重量平均分子量3,000〜50,000の直鎖状ポリウレタンプレポリマーは、ポリイソシアネートと、水酸基を1つ含有する(メタ)アクリレートと、ポリオールと、モノオールとをウレタン化反応させて得ることができる。
これらの中でも、脂肪族イソシアネート、脂環式ジイソシアネートが好適であり、特に、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添化キシリレンジイソシアネート、水添化ジフェニルメタンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネートが好ましい。
上記(メタ)アクリレートは市販品を用いることもでき、その具体例としては、美源スペシャリティケミカル(株)製のMiramer M340(ペンタエリスリトールトリアクリレート)、新中村化学工業(株)製のNKエステル A−TMM−3LM−N、東亞合成(株)製アロニックスM306等が挙げられる。
ポリエステルポリオールの具体例としては、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ダイマー酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸等のジカルボン酸、これらの酸エステルまたは酸無水物と、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,5−ペンタングリコール、1,6−ヘキサングリコール、3−メチル−1,5−ペンタングリコール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタングリコール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ダイマー酸ジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ヘキサントリオール、クオドロールまたはビスフェノールAのエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイド付加物等のグリコール単独、またはこれらの混合物との脱水縮合反応で得られるポリエステルポリオールや、ε−カプロラクトン、アルキル置換ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、アルキル置換δ−バレロラクトン等の環状エステル(すなわちラクトン)モノマーの開環重合により得られるポリエステルポリオール等が挙げられる。
ポリエーテルポリオールの具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレンエーテルポリオール、ポリテトラメチレンエーテルポリオール等が挙げられる。
ポリエーテル・エステルポリオールの具体例としては、上記ポリエーテルポリオールと上記ジカルボン酸または酸無水物等とから製造されるものが挙げられる。
ポリカーボネートポリオールの具体例としては、1,4−ブチレングリコール、1,5−ペンタングリコール、ヘキサングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等と、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート等のカーボネート類との反応物が挙げられる。
上記長鎖ポリオールは、1種単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
短鎖グリコールの具体例としては、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,5−ペンタングリコール、1,6−ヘキサングリコール、3−メチル−1,5−ペンタングリコール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタングリコール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ダイマー酸ジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ヘキサントリオール、クオドロール、ビスフェノールAのエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイド付加物等が挙げられ、これらは1種単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
鎖延長剤としては、ヒドラジン;エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の脂鎖式ジアミン;トルエンジアミン、ジアミノジフェニルメタン等の芳香族ジアミン;イソホロンジアミン等の脂環式ジアミン;ポリエーテルの末端がアミノ基となったポリエーテルポリアミン等が挙げられ、これらは1種単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
ウレタン化触媒は公知のものから適宜選択することができ、例えば、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジラウレート等が挙げられる。
なお、上述した水酸基を1つ有する(メタ)アクリレートも使用できるが、直鎖状ポリウレタンプレポリマーと反応させる(メタ)アクリル酸エステル化合物は、水酸基を含まないものが好ましい。
有機溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであれば任意であり、例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、シクロヘキサン、シクロペンタン等の脂肪族または脂環族炭化水素;トルエン、キシレン、エチルベンゼン、低沸点芳香族ナフサ、高沸点芳香族ナフサ等の芳香族炭化水素;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸n−アミル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のエステル類;メタノール、エタノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノn−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルn−アミルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のエーテル類;N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、エチレンカーボネート等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
反応温度は、通常、60〜120℃程度である。反応時間は、通常、6〜12時間程度である。
(b)成分は、(b−1)上述した直鎖状ポリウレタンプレポリマーにアルコキシシリル基を有するビニル系化合物を反応させてなるアルコキシシリル基含有ウレタン共重合樹脂、(b−2)アルコキシシリル基を有するアクリル樹脂、(b−3)アルコキシシリル基を有するポリウレタンプレポリマーおよび(b−4)アルコキシシリル基を有するオルガノポリシロキサンから選ばれる少なくとも1種である。
アルコキシシリル基含有ウレタン共重合樹脂の原料であり、上述した(a)成分の原料でもある直鎖状ポリウレタンプレポリマーと共重合されるアルコキシシリル基を有するビニル系化合物は、下記式(1)で示される基を有するビニル系化合物であれば任意である。
炭素数1〜10のアルキル基は、直鎖、分岐、環状のいずれでもよく、その具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、シクロプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、シクロブチル、n−ペンチル、シクロペンチル、n−ヘキシル、シクロヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル基等が挙げられる。
炭素数6〜10のアリール基の具体例としては、フェニル、α−ナフチル、β−ナフチル基等が挙げられる。
炭素数7〜10のアラルキル基の具体例としては、ベンジル、フェニルエチル基等が挙げられる。
直鎖状ポリウレタンプレポリマーとアルコキシシリル基を有するビニル系化合物を含む全ビニル系化合物との量比は、特に限定されるものではないが、得られる塗膜の耐候性と柔軟性のバランスや、耐水性という点から、全ビニル系化合物/ウレタンプレポリマー=85/15〜25/75(質量比)が好ましく、80/20〜30/70がより好ましく、70/30〜40/60がより一層好ましい。
アルコキシシリル基を有するアクリル樹脂としては、(メタ)アクリレート基含有アルコキシシラン化合物の単独重合体、またはこれと、(メタ)アクリル酸、上述した水酸基を1つ有する(メタ)アクリレート、上述したアルコキシシリル基を有しないアクリル酸エステル化合物等のその他の(メタ)アクリル系化合物との共重合体を用いることができる。
この場合、(メタ)アクリレート基含有アルコキシシラン化合物としては、公知の化合物から適宜選択して用いることができるが、上記式(3)で示される化合物が好ましい。
その具体例としては、例えば、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等の(メタ)アクリロキシジアルコキシシラン;3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリプロポキシシラン等の(メタ)アクリロキシトリアルコキシシランなどが挙げられ、これらは1種単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
なお、アルコキシシリル基は(部分)加水分解縮合物であってもよい。
(メタ)アクリレート基含有アルコキシシラン化合物の縮合物としては、市販品を用いることもでき、その具体例としては、KR−513(Si含量14.0質量%、信越化学工業(株)製)、X−40−2655A(Si含量16.8質量%、信越化学工業(株)製)などが挙げられる。
アルコキシシリル基を有するポリウレタンプレポリマーは、ポリイソシアネートと、ポリオールと、イソシアネート基と反応し得る官能基を有するアルコキシシラン化合物をウレタン化反応させて得ることができる。ポリイソシアネートおよびポリオールとしては、上記(a)成分で例示した化合物と同様のものが挙げられる。
イソシアネート基と反応し得る官能基を有するアルコキシシラン化合物の具体例としては、メルカプト基含有アルコキシシラン化合物、アミノ基含有アルコキシシラン化合物、水酸基含有アルコキシシラン化合物等が挙げられ、これらは1種単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
アミノ基含有アルコキシシランの具体例としては、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられ、これらは1種単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
水酸基含有アルコキシシランとしては、2−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられ、これらは1種単独で用いても2種以上組み合わせて用いてもよい。
この場合のウレタン化反応の条件としては、上記(a)成分で同様の条件を採用でき、例えば、上述したウレタン化触媒の存在下、20〜150℃で各成分を反応させる手法が挙げられる。
本発明で用いるアルコキシシリル基を有するオルガノポリシロキサンは、テトラメチルシリケート(テトラメトキシシラン)、テトラエチルシリケート(テトラエトキシシラン)等のテトラアルキルシリケート;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン等のアルキルトリアルコキシシラン;フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン等のアリールトリアルコキシシランの単一物または2種以上の混合物に、水を添加し、部分加水分解縮合させて得られるオルガノポリシロキサンが挙げられ、これらは1種単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
特に、環境に左右されずに良好な塗膜性能を発揮させるということを考慮すると、(b−1)〜(b−3)のそれぞれと、(b−4)とを組み合わせて用いることが好ましい。
併用する場合、(b)成分中における(b−4)の割合は、0.1〜50質量%が好ましく、0.5〜25質量%が好ましく、1〜10質量%がより一層好ましい。
(c)成分の有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶剤;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸n−アミル等のエステル溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン溶剤;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素溶剤;ミネラルスピリット等の石油系炭化水素溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、グリコールエーテルエステル類溶剤等が挙げられる。これらの溶剤は、単独で用いても、2種以上混合して用いてもよい。
本発明の1液型塗料組成物には、本発明の効果を損なわない限りにおいて、通常塗料に用いられる顔料成分、例えば酸化チタン、群青、紺青、亜鉛華、ベンガラ、黄鉛、鉛白、カーボンブラック、透明酸化鉄、アルミニウム粉などの無機顔料、アゾ系顔料、トリフェニルメタン系顔料、キノリン系顔料、アントラキノン系顔料、フタロシアニン系顔料などの有機顔料などの顔料;希釈剤;紫外線吸収剤;光安定剤;タレ防止剤;レベリング剤;消泡剤;脱水剤などの添加剤を含んでいてもよい。
本発明の1液型塗料組成物において、(b)成分の含有量は、得られる塗膜の耐候性と柔軟性のバランスや、環境に左右されずに良好な塗膜性能を発揮させるという点から、(a)成分100質量部(固形分)に対し、1〜100質量部(固形分)とされるが、1〜90質量部が好ましい。
また、塗膜の耐水性をより向上させるという点から、本発明の1液型塗料組成物中における(b)成分に由来するケイ素の含有量は、(a)成分と(b)成分の総固形分中に0.1〜10質量%とされるが、0.12〜9.9質量%が好ましい。
また、(c)成分の溶剤の使用量には特に制限はないが、組成物中の総固形分量が10〜70質量%程度となる量が好ましい。なお、溶剤は(a)成分や、(b)成分の合成に用いられた溶媒をそのまま用いてもよく、必要に応じて組成物の調製時に添加してもよい。
(1)粘度
装置:Brookfield製 Viscometer DV−E
(2)重量平均分子量
装置:東ソー(株)製 高速GPC装置 HLC−8320GPC
カラム:東ソー(株)製 TSK−GEL SUPER MULTIPORE HZの2個連結
カラム温度:40℃
検出器:示差屈折計
溶離液:THF
カラム流速:0.35ml/min
(1)直鎖状ポリウレタンプレポリマーの合成
撹拌装置、温度計、冷却管および窒素ガス導入管を備えた反応器に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート500部、イソホロンジイソシアネート(住化コベストロウレタン(株)製、ディスモジュールI)126.4部、分子量1,000のポリテトラメチレンエーテルグリコール(保土谷化学工業(株)製、PTG−1000SN)142.2部、ポリカプロラクトンジオール((株)ダイセル製、プラクセルL212AL、分子量1250)177.2部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート37.0部、イソプロパノール17.2部、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.05部を仕込み、窒素雰囲気下80℃、12時間以上反応させた。イソシアネート基を示す2250cm-1の赤外線吸収スペクトルが消失したことを確認し、固形分50%、粘度180mPa・s(25℃)、重量平均分子量8,000のエチレン性不飽和二重結合基を片末端に有する直鎖状ポリウレタンプレポリマー溶液を得た。
撹拌装置、温度計、冷却管および窒素ガス導入管、滴下装置を備えた反応器に、上記で得られた直鎖状ポリウレタンプレポリマー溶液187.4部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート362.1部、メチルメタクリレート226.3部、2−エチルヘキシルアクリレート64.8部、シクロヘキシルメタクリレート36.2部、α−メチルスチレンダイマー34.8部を仕込み、撹拌しながら105℃まで昇温した。そこに、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)11.9部およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート76.5部からなる混合液を4時間かけて滴下した。滴下終了後、同温度で3時間反応させ、固形分46.8%、粘度520mPa・s(25℃)のアクリルウレタン共重合樹脂Aを得た。
下記表1の組成・配合量に変更した以外は、合成例1と同様の条件で反応させてアクリルウレタン共重合樹脂B〜Lを得た。
下記表1の組成・配合量に変更した以外は、合成例1と同様の条件で反応させてアルコキシシリル基含有アクリルウレタン共重合樹脂Aを得た。
撹拌装置、温度計、冷却管および窒素ガス導入管、滴下装置を備えた反応器にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート467.7部を仕込み、撹拌しながら105℃まで昇温した。そこに、メチルメタクリレート281.2部、2−エチルヘキシルアクリレート81.0部、シクロヘキシルメタクリレート45.3部、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBM−503)45.3部、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)14.9部、およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート64.6部からなる混合液を4時間かけて滴下した。滴下終了後、同温度で3時間反応させ、固形分46.8%、粘度800mPa・s(25℃)のアルコキシシリル基含有アクリル樹脂Aを得た。
撹拌装置、温度計、冷却管および窒素ガス導入管を備えた反応器に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート500部、イソホロンジイソシアネート(住化コベストロウレタン(株)製、ディスモジュールI)78.4部、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(保土谷化学工業(株)製、PTG−2000SN、分子量2,000)176.2部、ポリカプロラクトンジオール((株)ダイセル製、プラクセルL220AL、分子量2,000)176.2部、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBM−803)69.2部、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.05部を仕込み、窒素雰囲気下80℃、16時間以上反応させた。イソシアネート基を示す2250cm-1の赤外線吸収スペクトルが消失したことを確認し,固形分50%、粘度300mPa・s(25℃)、重量平均分子量13,000のアルコキシシリル基含有ポリウレタンプレポリマーAを得た。
[実施例1]
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート343部、合成例1で得られたアクリルウレタン共重合樹脂A427.0部、合成例13で得られたアルコキシシリル基含有アクリルウレタン共重合樹脂A110.0部、酸化チタン(石原産業(株)製、PFC−105)120.0部、およびガラスビーズ1000部を混合容器に仕込み、ペイントシェーカーで1時間分散を行い、塗料組成物を得た。
下記表2および表3の組成に変更した以外は、実施例1と同様にして塗料組成物を得た。
(1)促進耐候性
促進耐候性試験は、超促進耐候試験機(岩崎電気(株)製アイスーパーUVテスター)を用いて行った。なお、試験片は、50×50×4mmのフレキシブルボードに乾燥塗膜厚が50μmになるように塗料組成物をスプレーで塗装し、23℃,50%RHの条件下で7日間乾燥して作製した。試験条件は、波長295〜450nm、紫外線照射度100mW/cm2、ブラックパネル温度63℃,50%RH、1サイクルを照射4時間、結露4時間とし、125サイクル(1000時間)試験した。試験終了後、塗膜の初期60度鏡面光沢値に対する光沢保持率を求め、以下の3段階で評価した。
○:光沢保持率60%以上
△:光沢保持率30%以上60%未満
×:光沢保持率30%未満
(2)伸長性
伸長性は、引張試験機((株)島津製作所製オートグラフAG−5000C)を用い、引張速度200mm/分で破断までの伸び率を測定し、以下の3段階で評価した。なお、試験片は、ポリプロピレン製試験板に乾燥塗膜厚が50μmになるように塗料組成物をスプレーで塗装し、23℃,50%RHの条件下で7日間乾燥して塗膜を形成させ、次に、塗膜を試験板から剥離し、2号ダンベルを用いて打ち抜き作製した。
○:伸び率60%以上
△:伸び率30%以上60%未満
×:伸び率30%未満
(3)耐水性
耐水性は、試験片を23℃の水中に7日間浸漬させ、取り出した直後に塗膜の状態を目視にて観察し、塗膜の艶引け、白化の程度を以下の3段階で評価した。なお、試験片は、150×70×4mmのフレキシブルボードに乾燥塗膜厚が50μmになるように塗料組成物をスプレーで塗装し、23℃,50%RHの条件下で7日間乾燥して作製した。
○:塗膜に変化がみられない
△:塗膜に若干の艶引け,白化が認められる
×:塗膜に艶引け,白化が認められる
(4)初期耐水性
初期耐水性は、23℃,50%RHの条件下で、試験片に水を約2ml滴下し、24時間後に拭き取った直後に塗膜の状態を目視にて観察し、塗膜の艶引け、白化の程度を以下の3段階で評価した。なお、試験片は、150×70×4mmのフレキシブルボードに乾燥塗膜厚が50μmになるように塗料組成物をスプレーで塗装し、23℃,50%RHの条件下で16時間乾燥して作製した。
○:塗膜に変化がみられない
△:塗膜に若干の艶引け,白化が認められる
×:塗膜に艶引け,白化が認められる
Claims (4)
- (a)エチレン性不飽和二重結合基を片末端に有し、重量平均分子量3,000〜50,000の直鎖状ポリウレタンプレポリマーと、(メタ)アクリル酸エステルを含む1種または2種以上のビニル系化合物とを反応させてなり、前記ビニル系化合物と前記ポリウレタンプレポリマーとの質量比が85/15〜25/75であるアクリルウレタン共重合樹脂、
(b)前記ポリウレタンプレポリマーにアルコキシシリル基を有するビニル系化合物を反応させてなるアルコキシシリル基含有ウレタン共重合樹脂、アルコキシシリル基を有するアクリル樹脂、アルコキシシリル基を有するポリウレタンプレポリマーおよびアルコキシシリル基を有するオルガノポリシロキサンから選ばれる少なくとも1種、並びに
(c)有機溶剤
を含み、
前記(b)成分が、前記(a)成分100質量部(固形分)に対し、1〜100質量部(固形分)含まれ、前記(b)成分に由来するケイ素が、前記(a)成分と前記(b)成分の総固形分中に0.1〜10質量%含まれることを特徴とする1液型塗料組成物。 - 前記(メタ)アクリル酸エステルを含むビニル系化合物が、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ノニル、(メタ)アクリル酸n−デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸イソボニル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、および(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチルから選ばれる1種または2種以上である請求項1記載の1液型塗料組成物。
- 前記アルコキシシリル基を有するポリウレタンプレポリマーが、ポリイソシアネートと、ポリオールと、イソシアネート基と反応し得る官能基を有するアルコキシシラン化合物とのウレタン化反応物である請求項1または2記載の1液型塗料組成物。
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